JP5515966B2 - 切削インサートおよび刃先交換式切削工具 - Google Patents

切削インサートおよび刃先交換式切削工具 Download PDF

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本発明は、切削インサートのクランプ機構に係わり、特に転削加工に用いられる刃先交換式切削工具に着脱可能に取り付けられて好適な切削インサート、およびかかる切削インサートを取り付けた刃先交換式切削工具に関するものである。
このような、転削加工用の刃先交換式切削工具に取り付けられる切削インサートおよび該切削インサートを取り付けた刃先交換式切削工具としては、例えば特許文献1に記載されたようなものが知られている。すなわち、この特許文献1に記載の切削インサートは、長方形平板状のインサート本体を有し、その一対の長方形面の辺稜部に切刃が形成され、一方の長方形面は、その1つの対角線方向に延在する溝が形成されるように、他の1つの対角線上に位置する2つコーナから上記溝に向けて下降するように形成されている。
また、他方の長方形面は、上記一方の長方形面側から透視したときに、この一方の長方形の上記他の1つの対角線方向に延在する溝が形成されるように、上記1つの対角線上に位置する2つのコーナから上記溝に向けて下降するように形成されていて、インサート本体が、上記長方形面の中心線に直交して4つのインサート本体の側面にそれぞれ直交する2つの軸線を中心として捩られたような形状とされている。
このような切削インサートは、上記一対の長方形面のうち1つの長方形面が、上述のように捩れたこの長方形面に相応する支持面とされたインサート取付座の工具回転方向を向く底面に支持され、またこの1つの長方形面の上記溝と交差するインサート本体の2つの側面が、この2つの側面のための2つの平らな支持面とされたインサート取付座の工具本体先端側と外周側を向く2つの壁面に支持されて、刃先交換式切削工具の工具本体に形成された上記インサート取付座に着脱可能に取り付けられる。
特開2004−284010号公報
ところで、この特許文献1に記載の切削インサートは、このように2つの側面がインサート取付座の2つの支持面に支持されて取り付けられているため、例えばインサート取付座の工具本体先端側を向く壁面の支持面には、インサート本体の側面を支持するのに十分な面積を要するとともに、この支持面の後端側には、インサート本体に作用する回転軸線方向の切削負荷を受け止めるのに必要な肉厚を工具本体に確保しなければならない。
しかしながら、このようにインサート取付座の先端側を向く支持面の面積を大きくし、またその後端側に十分な肉厚を工具本体に確保しようとすると、例えばこのインサート取付座の後端側に大きなチップポケットを形成して切屑排出性の向上を図ることはできない。また、1つの切屑排出溝に臨んで複数のインサート取付座を形成して切削インサートを取り付けようとしても、隣接するインサート取付座の間には十分な間隔を確保しなければならないため、結果的に複数の切屑排出溝の複数の切削インサートによって1つの切刃列を形成せざるを得なくなって、加工効率の低下を招くことになる。
一方、特許文献1に記載の切削インサートでは、インサート取付座の工具本体外周側を向く支持面にも十分な面積を要するとともに、その工具本体内周側には、インサート本体に作用する径方向の切削負荷を受け止め得る肉厚を工具本体に確保しなければならない。このため、このインサート取付座の内周側にも大きなチップポケットは形成することができず、また特に極小径の刃先交換式切削工具においては、周方向に複数のインサート取付座を形成するとこのような肉厚を確保することができなくなるので、1つの切削インサートしか周方向には取り付けることができなくなり、やはり加工効率の低下を免れることはできない。
しかも、上述のように捩れた切削インサートの長方形面に相応する支持面とされたインサート取付座の底面とインサート取付座壁面の2つの支持面とで切削インサートを確実に支持するには、これらの支持面と、これに支持される切削インサートの捩れた長方形面および2つの側面とが、互いに高精度に成形されていなければならず、このうち1つでも成形精度が低いと、これに合わせて切削インサートの取付精度や取付剛性も損なわれてしまい、精度の良い切削加工を安定して行うことができなくなってしまう。
本発明は、このような背景の下になされたもので、インサート取付座の壁面を支持面として必要とすることがなく、これにより刃先交換式切削工具のインサート取付座後方側や内周側に大きなチップポケットを形成して切屑排出性の向上を図るとともに、工具本体の回転軸線方向や周方向により多くの切削インサートを取り付けて加工効率も向上させることができ、さらには切削インサートやインサート取付座の成形精度に大きな影響を受けることなくインサート取付座への取付精度や取付剛性を確保することが可能な切削インサート、および該切削インサートを取り付けた刃先交換式切削工具を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の切削インサートは、刃先交換式切削工具のインサート取付座に着脱可能に取り付けられる切削インサートであって、辺稜部に切刃が形成されたすくい面と、このすくい面の周囲に配置されて上記切刃に交差する逃げ面と、上記すくい面の反対側に位置して上記インサート取付座に着座させられる着座面とを有するインサート本体を備え、上記着座面には、該着座面に対して凹または凸となる当接部が形成されており、この当接部は、少なくとも上記着座面側の当接周面が、該当接部の凹凸方向に垂直な断面において楕円状または長円状をなすとともに、上記着座面から離間するに従い楕円状または長円状のまま周長が漸次小さくなるように形成されていて、上記インサート取付座に上記当接部とは凹凸逆となるように形成された被当接部に当接可能とされていることを特徴とする。
また、本発明の刃先交換式切削工具は、軸線回りに回転される工具本体の外周に、上記被当接部が形成された底面を工具回転方向に向けて上記インサート取付座が形成され、このインサート取付座に上記構成の切削インサートが着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
このような構成の切削インサートおよび刃先交換式切削工具においては、インサート本体の着座面に形成されて該着座面に対し凹となるように凹み、または凸となるように突出する当接部が、この当接部とは凹凸が逆になるように突出し、または凹むようにインサート取付座に形成された被当接部に、この当接部の少なくとも着座面側の当接周面が当接することによって位置決めされて取り付けられる。
そして、この当接周面は、当接部が凹む方向または突出する方向に垂直な断面、つまり当接部の凹凸方向に垂直な断面において楕円状または長円状をなすとともに、着座面から離間するに従い楕円状または長円状のまま周長が漸次小さくなるように、すなわち楕円または長円形状のままその長軸と短軸が短くなるように内向きに傾斜して形成されており、従ってこの当接部と凹凸逆に形成された被当接部の周面も、同じく凹凸方向に垂直な断面が楕円状または長円状をなして、その凹凸方向に向かうに従い周長が漸次小さくなるようにされる。
このため、そのようなインサート取付座の被当接部に切削インサートの当接部の当接周面が当接することにより、インサート本体は上記楕円または長円の周回り方向は勿論、長軸方向にも短軸方向にも拘束されることになり、この被当接部がインサート取付座の底面に形成された上記刃先交換式切削工具では、インサート本体の上記逃げ面が形成される側面をインサート取付座の壁面で支持して拘束する必要が無くなる。
従って、チップポケットを大きくすることにより、これらの壁面の面積が小さくなったり、場合によっては該壁面が無くなったりしても、切削インサートの取付安定性が損なわれることはなく、これによって切屑排出性の向上を図ることが可能となる。また、こうして壁面が必要なくなることから、工具本体の軸線方向や周方向に近接してインサート取付座を形成することが可能となり、これにより刃先交換式切削工具の多刃化を促して、効率的な切削加工を行うこともできる。
さらに、こうしてインサート取付座の壁面にインサート本体の側面を当接させて支持する必要が無くなるため、これら壁面と側面に高い成形精度を確保する必要も無くなる。その一方で、上記当接部は、その表面全体が被当接部に密着して当接する必要はなく、上述のように少なくとも着座面側の当接周面が被当接面と当接可能に形成されていれば、この着座面側の周長の長い部分でインサート本体を確実にインサート取付座に保持して取り付けることが可能となる。
ここで、この当接周面は、上記凹凸方向に垂直な断面においてなす楕円または長円の長軸に沿った断面においても短軸に沿った断面においても直線をなす、楕円錐面とされていてもよいが、その場合には、この直線の上記当接部の凹凸方向に対する傾斜角が成形誤差により、上記被当接部の凹凸方向に垂直な断面がなす楕円または長円の長軸に沿った断面における直線や短軸に沿った断面における直線の傾斜角に対して、上記当接部と被当接部のうち凸となる方が凹となる方より小さくなっていると、当接周面は周長の短い着座面から離間した側で当接することになり、切削インサートの着座安定性が損なわれるおそれがある。
このため、上記当接周面は、上記楕円または長円の長軸に沿った断面においても短軸に沿った断面においても、上記当接部の凹凸に合わせて凹または凸となる曲線をなしているのが望ましく、すなわち当接部が着座面に対して凹んでいる場合は長短軸に沿った断面が凹曲線を、突出している場合は断面凸曲線をなすのが望ましい。これにより、当接部と凹凸逆の被当接部は、その周面の長短軸に沿った断面が当接周面とは逆の凹凸をなす曲線状となり、このような断面凹凸曲線状の面同士の当接では、成形誤差等によって互いの傾きが相違しても、面接触に近い当接状態を維持して切削インサートの着座安定性を確保することか可能となる。
また、特にこのように当接周面の上記長短軸に沿った断面が曲線状をなしている場合には、この曲線について、上記当接周面を、上記楕円または長円の長軸に沿った断面においても短軸に沿った断面においても、該長軸と短軸のそれぞれの両側で、互いに曲率半径が等しくて中心の位置が異なる曲線をなすように形成することにより、これら長短軸の両側のうち一方の側の曲線の中心回りに該曲線に沿ってインサート本体がずれ動こうとしても、他方の側の曲線はその中心が一方の側の曲線と異なる位置にあるため、この他方の側の当接周面が被当接部に押し付けられることになるので、このような曲線に沿ったインサート本体のずれを防止することができる。
さらに、こうして当接周面の上記長短軸に沿った断面が曲線状をなしている場合には、上記当接周面を、上記楕円または長円の長軸に沿った断面においても短軸に沿った断面においてもそれぞれ、上記被当接部の凹凸方向に垂直な断面がなす楕円または長円の長軸に沿った断面における曲線と短軸に沿った断面における曲線に対し、凸となる曲線が凹となる曲線より曲率半径が大きくなるように形成することにより、これら凹凸曲線は、凹となる曲線の長短軸方向外側の端部が凸となる曲線に当接するようにできて、周長の長い当接周面の着座面側を被当接部に当接させることができるので、当接部や被当接部の成形精度があまり高くなくても確実に切削インサートの着座安定性を確保することができる。
一方、上述のように当接周面が上記凹凸方向に垂直な断面においてなす楕円または長円の長軸に沿った断面においても短軸に沿った断面においても直線をなす楕円錐面とされている場合でも、この直線の上記当接部の凹凸方向に対する傾斜角をそれぞれ、上記被当接部の凹凸方向に垂直な断面がなす楕円または長円の長軸に沿った断面における直線と短軸に沿った断面における直線の傾斜角に対し、上記当接部と被当接部のうち凸となる方が凹となる方よりも大きくなるようにすることにより、やはり当接周面の当接位置を着座面側に位置させることができて、切削インサートを安定してインサート取付座に保持することができる。
なお、インサート本体は、上記当接周面が断面楕円形または長円形であるため、この楕円または長円の中心線回りに180°回転させることによって被当接部に取り付け直すことができるので、すくい面や逃げ面もこの中心線に関して180°回転対称形状に形成することにより、1つのインサート本体ですくい面辺稜部に形成された切刃の2回の使い回しが可能となる。そして、さらにインサート本体を表裏反転対称形状の平板状として、その表裏面の双方に上記当接部を形成し、これら表裏面が互いに、その一方が上記すくい面とされたときに他方が上記着座面とされるようにすれば、上述のように着座安定性を維持したまま、1つのインサート本体で表裏2回ずつの合計4回の切刃の使い回しが可能となって経済的である。
以上説明したように、本発明の切削インサートおよび刃先交換式切削工具によれば、インサート本体やインサート取付座の成形精度がさほど高くなくてもインサート取付座への着座安定性を確保しつつ、このインサート取付座の工具本体後端側や内周側に大きなチップポケットを確保して切屑排出性の向上を図ることができるとともに、工具本体の回転軸線方向や周方向に取付可能な切削インサートの数を増やして効率的な切削加工を促すことが可能となる。
本発明の一実施形態の切削インサートの斜視図である。 図1に示す実施形態の平面図である。 図1に示す実施形態の側面図である。 図1に示す実施形態の正面図である。 図2におけるYY断面図である。 図2におけるZZ断面図である。 図1に示す実施形態の切削インサートを取り付けた本発明の刃先交換式切削工具の一実施形態を示す斜視図である。 図7に示す実施形態の刃先交換式切削工具から切削インサートが取り外された状態の工具本体先端部の拡大斜視図である。
図1ないし図6は、本発明の切削インサートの一実施形態を示すものであり、また図7はこの実施形態の切削インサートを取り付けた本発明の刃先交換式切削工具の一実施形態を示すものであり、さらに図8はこの実施形態の刃先交換式切削工具において切削インサートが取り外された状態を示すものである。本実施形態の切削インサートは、そのインサート本体1が超硬合金等の硬質材料により概略平行四辺形の平板状に形成され、すなわち一対の平行四辺形面2と、その周囲に配置される一対の長側面3および一対の短側面4とを備えている。
一対の長側面3は、互いに平行かつインサート本体1の厚さ方向(図3から図6における上下方向)にも平行に延びる平面状とされている。これに対して、短側面4は、一対の長側面3の一方に連なる側と他方に連なる側とで上記厚さ方向に互い違いの側(平行四辺形面2の鈍角コーナ部Dで長側面3に連なる側。図4において左上側と右下側)が、長側面3と同様に上記厚さ方向に平行に延びる平面状のネガ面4Aとされている。
一方、これらのネガ面4Aとは逆の互い違いの側(平行四辺形面2の鋭角コーナ部で長側面3に連なる側。図4において右上側と左下側)は、上記厚さ方向に隣接するネガ面4Aから該厚さ方向に離間するに従いインサート本体1の長手方向(図2において上下方向)に漸次せり出し、かつインサート本体1の幅方向(図2および図4における左右方向)に隣接するネガ面4Aに対しても該幅方向に離間するに従い漸次突出するように傾斜して長側面3と平行四辺形面2の鋭角コーナ部で交差するポジ面4Bとされている。なお、周方向に隣接する長短側面3、4の交差稜線部は断面円弧状に面取りされている。
また、インサート本体1には、上記一対の平行四辺形面2の中心同士を上記厚さ方向に結ぶ中心線Cを中心とした断面円形の取付孔5が、該厚さ方向にインサート本体1を貫通するように形成されている。なお、この取付孔5には、両平行四辺形面2側から上記厚さ方向の中心部に向かう途中に、図5および図6に示すように断面凸曲線状をなして一段縮径する縮径部5Aが形成されている。
さらに、上記一対の平行四辺形面2と一対の長側面3との交差稜線部、すなわち平行四辺形面2の長辺稜部にはそれぞれ主切刃6Aが形成されるとともに、一対の平行四辺形面2と一対の短側面4のうち上記ポジ面4Bとの交差稜線部、すなわち平行四辺形面2の短辺稜部にはそれぞれ副切刃6Bが形成されている。また、長側面3とポジ面4Bとの交差稜線部でこれら主切刃6Aと副切刃6Bとが交差する平行四辺形面2の鋭角コーナ部には、上記断面円弧状に面取りされた部分に略円弧状のコーナ刃6Cが形成されている。
ここで、コーナ刃6Cとこれに連なる副切刃6Bは、短側面4に対向する正面視において図4に示すように、副切刃6Bとコーナ刃6Cとの接点を頂点とする凸曲線状とされるとともに、この副切刃6Bに連なるネガ面4Aと平行四辺形面2との交差稜線部は、鈍角コーナ部D側に向かうに従い上記厚さ方向に漸次後退した後、この鈍角コーナ部Dの手前で厚さ方向に略垂直に延びるようにされている。
一方、コーナ刃6Cとこれに連なる主切刃6Aは、長側面3に対向する側面視において図3に示すように、コーナ刃6Cの副切刃6Bとの接点から主切刃6Aに亙って略一定の傾斜角で上記厚さ方向に漸次後退するように直線状に傾斜させられている。なお、一対の平行四辺形面2には、主切刃6A、副切刃6B、およびコーナ刃6Cの内側に、内方に向かうに従い厚さ方向に漸次後退するポジすくい面2Aが形成されている。
ここで、本実施形態では、このインサート本体1は、上記中心線Cに関して180°回転対称形状に形成されているとともに、上記中心線Cに厚さ方向の上記中心部で直交して長側面3に平行に延びる対称線と、この対称線と中心線Cに直交する対称線とに関しても、それぞれ180°回転対称形状に形成されている。すなわち、インサート本体1は表裏反転対称形状とされていて、表裏の平行四辺形面2が互いに、その一方がすくい面とされたときに他方がインサート取付座に着座させられる着座面とされる。また、長側面3と短側面4のうちのポジ面4Bは、切刃である主切刃6A、副切刃6B、およびコーナ刃Cの逃げ面とされる。
そして、これら一対の平行四辺形面2には、該平行四辺形面2から本実施形態では凸となるように突出する当接部7が形成されており、この当接部7が、後述するインサート取付座に該当接部7とは凹凸逆の凹となるように凹んで形成された被当接部に当接可能とされている。ここで、この当接部7は、その表面が全体的に滑らかな凸曲面状をなすようにして、上記中心線Cを中心として厚さ方向に突出するようにされており、本実施形態ではこの中心線Cに沿った厚さ方向が当接部7の凹凸方向(本実施形態では凸方向)とされ、取付孔5はこの当接部7の突端部に開口することになる。
また、この当接部7の表面がなす凸曲面は、本実施形態では上記厚さ方向内側の平行四辺形面2との交差稜線部(次述する凹曲部)側の部分が、上記中心線Cに垂直する断面において楕円状をなすように形成されていて、上記被当接部に当接する当接周面7Aとされている。さらに、この当接周面7Aは、平行四辺形面2との交差稜線部から離間して上記厚さ方向外側すなわち上記凸方向に向かうに従い、その断面がなす楕円が中心線Cを中心として相似形を維持しつつ漸次周長が短くなるように、すなわちこの断面がなす楕円が漸次小さくなるようにされており、従って当接周面7Aはこの凸方向に向けて中心線C側に向かうように傾斜させられることになる。
なお、この当接周面7Aの中心線Cに垂直な断面がなす上記楕円は、中心線C方向に一方の平行四辺形面2と対向する方向から見たとき、図2に一点鎖線で示すようにその長軸Lが中心線Cと交差して、上記鈍角コーナ部Dを結ぶ対角線よりも該平行四辺形面2に交差する短側面4の上記ネガ面4Aに斜交する側寄りに配置され、また短軸Mは長軸Lに垂直とされて長側面3に斜交するように延びている。また、主切刃6A、副切刃6B、およびコーナ刃6Cの内側の上記ポジすくい面2Aと当接部7との間は、図5に示すようにこのポジすくい面2Aよりも急勾配で内方に向かうに従い厚さ方向に後退した後、凹曲部を介して当接部7の当接周面7Aに滑らかに連なるようにされている。
従って、表裏反転対称形状とされたインサート本体1の他方の平行四辺形面2における当接部7の当接周面7Aは、その中心線Cに垂直な断面がなす楕円の長軸Lが、同じく一方の平行四辺形面2に対向する方向から見たときには図2に破線で示すように、この一方の平行四辺形面2に交差する短側面4のポジ面4Bに斜交するように配置される。また、他方の平行四辺形面2における当接周面7の楕円断面の短軸Mは、この長軸Lに垂直に、一方の平行四辺形面2の鈍角コーナ部D側で長側面3に斜交させられる。
一方、上述のように凸方向に向けて中心線C側に向かうように傾斜させられる当接周面7Aは、中心線Cを含んでこの楕円の長軸Lに沿った断面においては、本実施形態では当接部7が凸とされているのに合わせて、図5に示すように凸の曲線状をなして当接部7の凸方向すなわち厚さ方向の外側(図5において上側)に向かうに従い中心線C側に向かうようにされている。ここで、この長軸Lに沿った断面において当接周面7Aがなす凸曲線は、本実施形態では図5に示すような円弧とされており、ただし、中心線Cを挟んだ長軸Lの両側(図5の右側と左側)では、これらの円弧は半径が互いに等しくて中心Aの位置が中心線Cに関して対称な異なるようにされている。
また、本実施形態では、当接周面7Aは、中心線Cを含んで上記短軸Mに沿った断面においても、図6に示すように凸曲線をなして中心線C側に傾斜するようにされており、この短軸Mに沿った断面において当接周面7Aがなす凸曲線も、中心線Cの両側で半径が互いに等しくて中心Bの位置が中心線Cに関して対称な異なる円弧とされている。なお、この短軸Mに沿った断面において当接周面7Aがなす凸曲線の曲率半径すなわち円弧の半径は、長軸Lに沿った断面において当接周面7Aがなす凸曲線の曲率半径すなわち円弧の半径よりも小さくされている。
すなわち、本実施形態では、当接部7の当接周面7Aを含めた表面は、中心線Cを含んだ断面において長軸Lに沿った断面から短軸Mに沿った断面に向かうに従いその曲率半径が連続的に小さくなるような凸曲線をなすようにされている。そして、これによって該当接部7の表面の中心線Cに垂直な断面は、平行四辺形面2との交差稜線部側の当接周面7A部分における上記楕円から、上記凸方向に向かうに従い中心線Cを中心とした円へと漸次変移するようにされていて、当接部の突端部において上記取付孔5が円形に開口するようにされている。
このような切削インサートが取り付けられる本発明の一実施形態の刃先交換式切削工具は、刃先交換式の転削工具、特にエンドミルであり、その工具本体11が鋼材等から形成されて図7および図8に示すように軸線Oを中心とした外形多段円柱状をなし、このうち後端側部分(図7において右上部分)がシャンク部11Aとされるとともに先端部が切刃部11Bとされている。
このような刃先交換式切削工具は、シャンク部11Aが工作機械の主軸に把持されて工具本体11が軸線O回りに工具回転方向Tに回転されつつ該軸線Oに交差する方向に送り出されることにより、切刃部11Bに取り付けられた上記切削インサートの切刃(主切刃6A、副切刃6B、およびコーナ刃6C)によって被削材を切削してゆく。
切刃部11Bの外周には、その先端面すなわち工具本体11の先端面に開口して後端側に延びるチップポケット12が周方向に複数(本実施形態では3つ)等間隔に形成されている。さらに、これらのチップポケット12の工具回転方向T側を向く壁面には、図8に示すように切刃部11Bの先端面と外周面とに開口して上記切削インサートが取り付けられるインサート取付座13が、該壁面から工具回転方向Tの後方側に一段凹むように形成されている。
このインサート取付座13は、切削インサートのインサート本体1の一対の平行四辺形面2のうち、一方がすくい面として工具回転方向Tに向けられたときに他方が着座面として着座させられる、工具回転方向Tを向く底面14と、この底面14の工具本体11内周側および後端側の縁部から工具回転方向T側に向かう方向に立ち上がってチップポケット12の工具回転方向Tを向く上記壁面に連なる、工具本体11外周側を向く壁面15および先端側を向く壁面16とを備えている。
ただし、底面14と壁面15、16との交差稜線部および壁面15、16同士の交差稜線部は、上記着座面とされた平行四辺形面2のそれぞれ工具本体11内周側に配置される主切刃6A、工具本体11後端側に配置される副切刃6B、および後端内周側に配置されるコーナ刃6Cとの干渉を避けるため、断面略半円形の凹溝状をなす逃げ部17Aによって切り欠かれている。
また、底面14と切刃部11Bの先端面および外周面との交差稜線部も、同じく着座面とされた平行四辺形面2の工具本体11外周側に配置される主切刃6A、先端側に配置される副切刃6B、および先端外周側に配置されるコーナ刃6Cや、その内側のポジすくい面2A等との干渉を避けるための面取り状の逃げ部17Bが形成されている。
さらに、底面14の中央部には、上述のようにインサート取付座13にインサート本体1が着座させられた状態で、すくい面とされた一方の平行四辺形面2側から取付孔5に挿通されたクランプネジ18がねじ込まれるネジ孔14Aが形成されている。なお、底面14のこのネジ孔14Aの周りにも、着座面とされる平行四辺形面2側の当接部7の取付孔5開口部周辺との干渉を避けるための凹状の逃げ部17Cが形成されている。
そして、この底面14には、上述のように本実施形態では凸とされた当接部7に対して凹凸逆の凹となるように凹む被当接部19が形成されており、この被当接部19の表面すなわち内周面に当接部7の少なくとも上記当接周面7Aが密着するようにして当接可能とされている。従って、この被当接部19の内周面のうち当接周面7Aが当接する外周側の部分は被当接周面19Aとされて、この被当接周面19Aは、上述のようにインサート本体1がクランプネジ18によってインサート取付座13に取り付けられた状態で、上記取付孔5の中心線Cすなわちネジ孔14Aの中心線に垂直な断面が、中心線Cに沿って当接周面7Aの断面と略合同な中心線Cを中心とする楕円をなすようにされている。
また、本実施形態では、この被当接周面19Aの断面がなす楕円の長軸に沿った断面と短軸に沿った断面も、当接部7とは凹凸逆の凹曲線をなすようにされており、この凹曲線も、それぞれ当接周面7Aが長軸Lに沿った断面においてなす円弧および短軸Mに沿った断面においてなす円弧と半径が略等しい円弧とされている。ただし、これらの円弧は、やはり当接周面7Aの断面がなす円弧と同様に、中心線Cの両側で半径が互いに等しく、中心の位置が異なるものとされて、当接周面7Aが当接可能とされている。
なお、この被当接周面19Aの上記断面がなす楕円の長軸は、インサート取付座13の底面14に対向して工具回転方向T側から見たときに、工具本体11の先端外周側から後端内周側に向かうように軸線Oに対して傾斜させられており、その傾斜角は、図2に破線で示したインサート本体1の一方の平行四辺形面2側から見たときの他方の平行四辺形面2における当接周面7Aの断面がなす楕円の長軸Lが長側面3に対してなす角度と略等しくされる。
このように形成されたインサー取付座13に、上記切削インサートは上述のように、そのインサート本体1の一方の平行四辺形面2をすくい面として工具回転方向Tに向けるとともに、一方の長側面3を工具本体11外周側に、一方の短側面4を工具本体11先端側に向け、他方の平行四辺形面2が着座面として底面14に着座させられる。従って、互いに凹凸逆に形成された底面14の被当接部19に上記他方の平行四辺形面2の当接部7が収容されて、その当接周面7Aが被当接周面19Aと当接させられて、インサート本体1は着座させられる。
このとき、他方の平行四辺形面2の当接部7における当接周面7Aの中心線Cに垂直な断面がなす楕円と、被当接部19における被当接周面19Aの中心線Cに垂直な断面がなす楕円とが該中心線Cに沿って略合同とされているので、これらの楕円が互いの長軸Lと短軸Mを一致させるように当接部7が被当接部19に全周に亙って当接させられる。このため、インサート本体1は、中心線C回りの回転すなわち上記楕円の周回り方向の移動は勿論、長軸L方向への移動や短軸M方向への移動も、当接周面7Aの被当接周面19Aへの当接により拘束されることになる。
しかも、当接部7の表面はその凸方向に向かうに従い中心線C側に向かうように傾斜しており、従ってこの中心線Cに垂直な断面において当接部7の表面がなす楕円または円も凸方向に向かうに従いその周長が短くなるが、上記切削インサートでは、このうち着座面とされる他方の平行四辺形面2との交差稜線部側の周長が長い当接周面7Aが被当接周面19Aに当接するので、より確実にインサート本体1の移動を拘束することができる。そこで、クランプネジ18を一方の平行四辺形面2側から取付孔5に挿入してネジ孔14Aにねじ込むと、クランプネジ18の頭部裏面が取付孔5の上記縮径部5Aを押圧して、インサート本体1は移動が拘束された状態でインサート取付座13に着脱可能に取り付けられる。
このように構成された切削インサート、および該インサートを取り付けた刃先交換式切削工具においては、上述のようにインサート本体1が、インサート取付座13の底面14に形成された被当接部19に、この底面14に着座する他方の平行四辺形面2に形成された当接部7の当接周面7Aが当接することによって移動が拘束されて固定される。すなわち、工具本体11の外周側を向くインサート取付座13の壁面15も、先端側を向く壁面16も、切削インサートの取り付けに関与することがない。
このため、インサート取付座13の工具本体11内周側や後端側に大きなチップポケット12を形成することにより、この工具本体11外周側を向く壁面15や先端側を向く壁面16が小さくなったり、インサート本体1と壁面15、16との間に間隔が空いていたり、場合によっては壁面15、16自体が形成されなかったりしても、切削インサートの取り付けには支障が生じることはない。従って、安定して切削インサートを保持したまま、大きなチップポケット12によって切屑排出性の向上を図ることができる。
また、図7および図8に示した実施形態の刃先交換式切削工具では、工具本体11先端部の切刃部11Bに軸線O方向においては1つのインサート取付座13しか形成されていないが、このインサート取付座13の後端側に1または複数のインサート取付座13を形成して工具の多刃化を図るような場合でも、上記構成の切削インサートおよび刃先交換式切削工具によれば、上述のようにインサート取付座13の後端側に壁面16を形成する必要が無いことから、軸線O方向に隣接するインサート取付座13を近接して形成することができる。
従って、例えば軸線O方向後端側に隣接するインサート取付座13をインサート本体1の厚さ分程度工具回転方向Tの後方側にずらして形成することにより、1列のインサート取付座13に取り付けられた切削インサートによって主切刃6Aの回転軌跡が連続した切刃列を形成することも可能となる。このため、このような切刃列を1つの工具本体11により多く設けることが可能となって、切削効率の向上を図ることができる。
また、刃先交換式切削工具が極小径のものであって、工具本体の先端部の外径が例えばインサート本体の幅方向の寸法の2倍程度の大きさのものであると、通常は1つのインサート取付座しか形成することができないが、上記構成の切削インサートおよび刃先交換式切削工具では、上述のように工具本体11外周側を向く壁面15も無くてよいため、工具本体11の先端部に2またはそれ以上の複数のインサート取付座13を、その内周側が互いに連通するように形成して切削インサートを取り付けることができる。従って、このような極小径の刃先交換式切削工具においても多刃化を促して切削効率の向上を図ることができる。
さらに、上記構成の切削インサートでは、こうしてインサート取付座13の壁面15、16にインサート本体1の長短側面3、4を当接させる必要が無いので、これら長短側面3、4にそれほど高い成形精度を確保する必要も無くなる。このため、例えばインサート本体1が上述の超硬合金のような焼結合金によって形成されている場合に、長短側面3、4は焼結肌のままのインサート本体1を取り付けることも可能となる。
その一方で、当接部7についても、その表面全体が被当接部19に密着して当接可能とする必要はなく、上述のように少なくとも着座面とされる平行四辺形面2との交差稜線部側の中心線Cに垂直な断面が周長の長い楕円をなす当接周面7Aが、同じく断面楕円をなす被当接部19の被当接周面19Aと当接可能に形成されていれば、インサート本体1の移動を確実に拘束して切削インサートの着座安定性を確保することができる。
さらに、本実施形態では、インサート本体1の中心線Cに垂直な断面が楕円をなすこの当接周面7Aが、この楕円の長軸Lに沿った断面においても、また短軸Mに沿った断面においても、凸となる当接部7に合わせて凸となる曲線をなすように形成されており、これに対して、この当接部7とは凹凸逆の凹となるインサート取付座13の被当接部19では、被当接周面19Aの中心線Cに垂直な断面がなす楕円の長軸に沿った断面も短軸に沿った断面も凹曲線をなすことになる。
しかるに、このような断面凹凸曲線による当接では、たとえ当接部7や被当接部19に成形誤差等があって、凸方向に向けた当接周面7Aの中心線C側への傾きや被当接周面19Aとの当接位置が変化しても、この当接位置を中心としてある程度の幅をもった面接触に近い状態で当接周面7Aと被当接周面19Aとを当接させることができる。従って、この当接部7についても、焼結後に研磨を施したりして高精度に仕上げる必要はなく、インサート本体1全体として焼結肌のままのものを安定してインサート取付座13に装着することが可能となり、経済的である。
ところで、このように当接周面7Aと被当接周面19Aとが、中心線Cに垂直な断面においてなす楕円の長軸Lに沿った断面においても短軸Mに沿った断面においても凹凸曲線状をなしている場合に、これらの凹凸曲線が長短軸L、Mのいずれか一方に沿った断面において1つの円弧上にあったりすると、インサート本体1の中心線C回りの回転や長短軸L、M方向の移動は拘束することができても、この1つの円弧に沿って長短軸L、Mの他方回りにインサート本体1が回転してしまうおそれが生じる。
しかるに、これに対して本実施形態は、これら当接周面7Aと被当接周面19Aとが上記長短軸L、Mそれぞれに沿った断面においてなす凹凸曲線は、中心線Cの両側で半径は等しいものの、中心A、Bの位置が異なる円弧とされており、中心線Cの一方の側の凹凸円弧に沿ってインサート本体1が回転しようとした場合に、他方の側の凹凸円弧を押し付けるようにして、この回転を拘束するように構成することができる。このため、本実施形態によれば、上述のような長短軸L、M回りの回転に対してもインサート本体1を確実にインサート取付座13に保持して安定した切削加工を行うことが可能となる。
一方、本実施形態ではこのように当接周面7Aと被当接周面19Aとを、上記楕円の長軸Lに沿った断面においても短軸Mに沿った断面においても、互いに半径が略等しい円弧状となるように形成しているが、上述のような成形誤差等による切削インサートの着座安定性への影響をさらに確実に抑えるには、凹曲線となる被当接周面19Aの断面がなす円弧の半径に対して、凸曲線となる当接周面7Aの断面がなす円弧の半径を僅かに大きくするのが望ましい。
すなわち、このように構成することにより、インサート本体1をインサート取付座13に着座させた状態において、これらの円弧の中心の位置が一致していれば、当接周面7Aがなす円弧は、少なくとも長短軸L、M方向の外側の端部が、被当接周面19Aがなす円弧の端部に当接することになるので、当接周面7Aのうちでもより周長の長い平行四辺形面2との交差稜線部側の部分を当接させることができて、当接部7の成形精度があまり高くない低廉な切削インサートであっても、確実にその着座安定性を確保することが可能となるのである。
また、当接周面7Aの断面がなす楕円は、その長軸Lに関しても短軸Mに関しても対称形状となるので、本実施形態のようにインサート本体1を中心線C回りに180°回転対称とすることにより、すくい面とされる平行四辺形面2側において鋭角コーナ部に形成された2組の主切刃6A、副切刃6B、およびコーナ刃6Cよりなる切刃を順に使い回すことができる。さらに、本実施形態では、インサート本体1が表裏反転対称形状とされているので、一対の平行四辺形面2に形成された合計4つの切刃が使用可能となって、一層経済的である。
なお、本実施形態では、インサート本体1の当接部7が着座面となる平行四辺形面2に対して凸となるように突出し、これに対してインサート取付座13の被当接部19は凹となるように凹んで形成されているが、これとは逆に、当接部7を平行四辺形面2に対して凹となるように凹ませるとともに、被当接部19をインサート取付座13の底面14から凸となるように突出させて、当接部7を当接可能としてもよい。この場合にも、当接部7の当接周面7Aは着座面となる平行四辺形面2側、すなわち凹状の当接部7の開口部側の内周面とされ、該当接部7が凹む凹方向に垂直な断面が楕円を呈することになる。
また、こうして当接部7が凹となる場合において、上記楕円の長短軸L、Mに沿った断面における当接周面7Aと被当接周面19Aとを曲線状とする場合は、当接部7と被当接部19の凹凸に合わせて、当接周面7Aの断面が凹曲線状をなすとともに被当接周面19Aの断面は凸曲線状をなすようにされるのが望ましい。なお、この場合にも、これら凹凸曲線は、中心線Cを挟んだ長短軸L、Mの両側で、曲率半径が等しくて中心が異なる位置に廃されるのが望ましく、また凹曲線となる当接周面7Aの断面がなす円弧等の半径に対して、凸曲線となる被当接周面19Aの断面がなす円弧等の半径は、僅かに大されるのが望ましい。
さらに、こうして当接周面7Aと被当接周面19Aとが上記楕円の長短軸L、Mに沿った断面においてなす曲線は、本実施形態のような円弧のほかに、楕円弧や放物線状とされていてもよい。また、これら当接周面7Aと被当接周面19Aとがその凹凸方向に垂直な断面においてなす形状も、楕円と同じく長短軸L、Mを有する長円状、すなわち半径の等しい半円弧の両端を該両端における接線で互いに平行に結んだ形状としてもよく、これによっても中心線C回りの回転と長短軸L、M方向の移動を拘束することができる。
一方、このように当接周面7Aと被当接周面19Aとを長短軸L、Mに沿った断面において曲線状とすることなく、当接部7および被当接部19の凹凸方向に向けて中心線C側に傾斜する直線状として、これら当接周面7Aと被当接周面19Aとが凹凸の楕円錐面をなすように形成してもよい。この場合には、長軸Lに沿った断面から短軸Mに沿った断面に向けて、これら当接周面7Aと被当接周面19Aがなす直線の中心線Cに対する傾斜角(交差角)を連続的に小さくすることにより、着座面となる平行四辺形面2側の当接周面7Aは断面楕円形としつつ、凹凸方向側の取付孔5の開口部周辺では中心線Cに垂直な断面を円形とすることができる。
なお、このように当接周面7Aと被当接周面19Aとを長短軸L、Mに沿った断面において直線状とした場合において、曲線状とした場合と同様に上述のような成形誤差等による切削インサートの着座安定性への影響をさらに確実に抑えるには、この当接周面7Aの上記各断面における直線の当接部7の凹凸方向に対する傾斜角、すなわち該直線の中心線Cに対する交差角を、それぞれ被当接部9の上記断面における直線の傾斜角に対し、これら当接部7と被当接部19のうち凸となる方が凹となる方よりも僅かに大きくなるようにすればよい。
このように構成することにより、当接周面7Aの断面がなす直線は、長短軸L、M方向の外側部分が被当接周面19Aがなす直線に当接することになるので、当接周面7Aのうちでもより周長の長い平行四辺形面2との交差稜線部側の部分を当接させることが可能となる。従って、当接部7の成形精度があまり高くない切削インサートであっても、確実にその着座安定性を確保することが可能となって、当接部7の研磨等を不要とすることができ、経済的である。
ところで、上記構成の切削インサートでは、上述のように着座面とされる平行四辺形面2に形成された当接部7だけでインサート本体1をインサート取付座13に取り付けることができ、インサート本体1の長短側面3、4は切削インサートの取り付けに関与することがない。このため、このうち例えば短側面4のポジ面4Bと一対の平行四辺形面2との交差稜線部に形成される副切刃6Bやコーナ刃6Cの形状が異なる切削インサートであっても、そのまま同じインサート取付座13に取り付けることが可能となる。
従って、上述のように軸線O方向に複数のインサート取付座13を形成した場合に、最先端のインサート取付座13に取り付けられる切削インサートは、例えばポジ面4Bの上記長手方向へのせり出し量を大きくして半径の大きなコーナ刃6Cを形成した切削インサートとしても取付可能である。すなわち、上記構成の刃先交換式切削工具においては、1つの工具本体11に異なる半径のコーナ刃6Cを有する複数種の切削インサートを取り付けることができるので、例えば肩削りの際に異なる半径の隅部を形成するような場合でも1つの工具本体11で対応することが可能となるという利点も得られる。
1 インサート本体
2 平行四辺形面(すくい面および着座面)
3 長側面(主切刃6Aの逃げ面)
4 短側面
4A 短側面のネガ面
4B 短側面のポジ面(副切刃6Bの逃げ面)
5 取付孔
6A 主切刃
6B 副切刃
6C コーナ刃
7 当接部
7A 当接周面
11 工具本体
12 チップポケット
13 インサート取付座
14 インサート取付座13の底面
14A ネジ孔
15、16 インサート取付座13の壁面
18 クランプネジ
19 被当接部
19A 被当接周面
C インサート本体1の中心線
L 当接周面7Aが中心線Cに垂直な断面においてなす楕円の長軸
M 当接周面7Aが中心線Cに垂直な断面においてなす楕円の短軸
A 長軸Lに沿った断面において当接周面7Aがなす円弧の中心
B 短軸Mに沿った断面において当接周面7Aがなす円弧の中心
O 工具本体11の軸線
T 工具回転方向

Claims (7)

  1. 刃先交換式切削工具のインサート取付座に着脱可能に取り付けられる切削インサートであって、辺稜部に切刃が形成されたすくい面と、このすくい面の周囲に配置されて上記切刃に交差する逃げ面と、上記すくい面の反対側に位置して上記インサート取付座に着座させられる着座面とを有するインサート本体を備え、上記着座面には、該着座面に対して凹または凸となる当接部が形成されており、この当接部は、少なくとも上記着座面側の当接周面が、該当接部の凹凸方向に垂直な断面において楕円状または長円状をなすとともに、上記着座面から離間するに従い楕円状または長円状のまま周長が漸次小さくなるように形成されていて、上記インサート取付座に上記当接部とは凹凸逆となるように形成された被当接部に当接可能とされていることを特徴とする切削インサート。
  2. 上記当接周面は、上記楕円または長円の長軸に沿った断面においても短軸に沿った断面においても、上記当接部の凹凸に合わせて凹または凸となる曲線をなしていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
  3. 上記当接周面は、上記楕円または長円の長軸に沿った断面においても短軸に沿った断面においても、該長軸と短軸のそれぞれの両側で、互いに曲率半径が等しくて中心の位置が異なる曲線とされていることを特徴とする請求項2に記載の切削インサート。
  4. 上記当接周面は、上記楕円または長円の長軸に沿った断面においても短軸に沿った断面においてもそれぞれ、上記被当接部の凹凸方向に垂直な断面がなす楕円または長円の長軸に沿った断面における曲線と短軸に沿った断面における曲線に対し、凸となる曲線が凹となる曲線より曲率半径が大きくされていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の切削インサート。
  5. 上記当接周面は、上記凹凸方向に垂直な断面においてなす楕円または長円の長軸に沿った断面においても短軸に沿った断面においても直線をなす楕円錐面とされるとともに、この直線の上記当接部の凹凸方向に対する傾斜角はそれぞれ、上記被当接部の凹凸方向に垂直な断面がなす楕円または長円の長軸に沿った断面における直線と短軸に沿った断面における直線の傾斜角に対し、上記当接部と被当接部のうち凸となる方が凹となる方よりも大きくされていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
  6. 上記インサート本体は表裏反転対称形状の平板状とされて、その表裏面の双方に上記当接部が形成されており、これら表裏面が互いに、その一方が上記すくい面とされたときに他方が上記着座面とされることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
  7. 軸線回りに回転される工具本体の外周に、上記被当接部が形成された底面を工具回転方向に向けて上記インサート取付座が形成され、このインサート取付座に請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の切削インサートが着脱可能に取り付けられていることを特徴とする刃先交換式切削工具。
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