JP4729894B2 - インサートおよびスローアウェイ式切削工具 - Google Patents

インサートおよびスローアウェイ式切削工具 Download PDF

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本発明は、スローアウェイ式切削工具(以下、切削工具と称する。)に着脱可能に取り付けられるインサート、および該インサートを取り付けた切削工具に関するものである。
この種のインサート(スローアウェイチップ)および切削工具として、本発明の発明者らは特許文献1において、多角形平板状をなすスローアウェイチップ本体の上記多角形をなす表裏面が選択的にすくい面とされ、これら表裏面の角部には円弧状をなすコーナ刃が形成されるとともに、このコーナ刃の一端部に連なる表裏面の辺稜部には主切刃が形成されたスローアウェイチップ、およびかかるスローアウェイチップを軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に、上記表裏面の一方を選択的に上記すくい面として工具本体の回転方向に向けて、上記コーナ刃を工具本体先端部外周側に突出させるとともに、上記主切刃をコーナ刃の一端部から工具本体内周側に向かうに従い先端側に傾斜するように工具本体先端側に突出させ、さらにこのコーナ刃の他端部に連なる上記表裏面の辺稜部を上記軸線方向後端側に向かうに従い工具本体内周側に傾斜するように配設させて着脱可能に取り付けた切削工具を提案している。そして、さらにこの特許文献1には、切屑処理性の向上を図って円滑な切削を行うために、上記表裏面の内側に凹溝状のブレーカを、上記コーナ刃から主切刃に沿って、かつ上記コーナ刃の他端部に連なる辺稜部を避けるように形成することも提案されている。
特開2003−275920号公報
ところで、近年この種のインサートおよび切削工具は、加工時の送り量を比較的大きく設定する高送り加工に用いられることが多く、特に最近では工具本体の回転速度や送り量をさらに増大させる傾向が高まってきており、そのような高送り加工では1刃当たりの切削量や切屑の流出速度も大きくなるため、迅速な切屑の排出が要求される。しかしながら、上記特許文献1記載のスローアウェイチップにおける凹溝状のブレーカは、上記コーナ刃や主切刃によって生成された切屑をこのブレーカ内に導いた上で、このコーナ刃および主切刃とは反対側のブレーカ壁面に衝突させることにより強制的にカールさせて分断することを目的としており、かかるブレーカでは、多量の切屑が高速で生成されて流出する場合にはブレーカ内で切屑詰まりを生じることが懸念されるため、切屑排出性の点で上述のような要求を十分に満足させることが困難となるおそれがある。かといって、すくい面が単なる平坦面であったりすると、高速で多量に生成される切屑の流出方向が定まらず、やはり円滑な切屑処理を損なう結果となる。
本発明は、このような背景の下になされたもので、特に上述のようなより高い回転速度や送り量の高送り加工において高速かつ多量に生成される切屑を、詰まりを生じさせたりすることなく迅速に、しかしながら所定の流出方向に確実に排出することが可能なインサートおよび切削工具を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明のインサートは、多角形平板状をなすインサート本体に、その多角形をなす上下面に開口して当該インサート本体をその厚さ方向に貫通する取付孔が形成されるとともに、上記インサート本体の上面の角部にはすくい面が形成され、このすくい面が形成された上記角部の先端にはコーナ刃が形成されるとともに、このコーナ刃の一端に連なる上記すくい面の一方の辺稜部には切刃が形成されており、上記すくい面には、上記コーナ刃の他端に連なる該すくい面の他方の辺稜部の内側に、この他方の辺稜部に連なる上端面を有する凸部が形成されていて、上記取付孔の上面側開口縁部はこの凸部の上端面よりも上記インサート本体の下面側に位置させられる一方、上記コーナ刃から上記切刃にかけての上記すくい面の内側には、上記凸部に対して凹となる凹部が形成されていて、この凹部の底面は上記取付孔側に向かうに従い上記下面側に向かうように延びて上記取付孔の上面側開口縁部に達しており、上記凹部の底面の上記コーナ刃および切刃側には、該コーナ刃または切刃と直交する断面が凸曲線をなすようにして上記取付孔側に向かうに従い上記インサート本体の下面側に向かう凸曲面部が形成されていて、上記コーナ刃または切刃と直交する断面において上記凸曲面部がなす凸曲線の両端を通る直線が上記厚さ方向に垂直な平面に対してなす角度が、該コーナ刃および切刃の少なくとも一部において他の部分と異なる角度とされていることを特徴とする。
また、本発明の切削工具は、軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に、ポジティブインサートとされたこのようなインサートが、上記インサート本体の上面を上記工具本体の回転方向に向けるとともに、この上面の角部に形成された上記すくい面先端の上記コーナ刃を上記工具本体の先端部の外周側に突出させて、上記取付孔に挿通されるクランプ部材により着脱可能に取り付けられており、この取付状態において、上記コーナ刃の一端に連なる上記一方の辺稜部に形成された上記切刃は、該コーナ刃の一端から上記工具本体の内周側に向かうに従い先端側に傾斜するように該工具本体の先端側に突出させられるとともに、上記コーナ刃の他端に連なる上記他方の辺稜部は上記軸線方向後端側に向かうに従い上記工具本体の内周側に傾斜するように配設され、さらに上記切刃の内側の上記すくい面に形成された上記凹部の底面が、上記軸線方向後端側に向かうに従い上記回転方向の後方側に向かうように延びていることを特徴とする。
上記構成のインサートにおいては、上記すくい面に、上記コーナ刃の他端に連なるすくい面の他方の辺稜部の内側には凸部が形成される一方で、このコーナ刃から、該コーナ刃の一端に連なる上記すくい面の一方の辺稜部に形成された切刃にかけての内側には、上記凸部に対して凹となる凹部が形成されており、従って上記コーナ刃および切刃によって生成された切屑は、これら凸部と凹部との間に形成される立壁面によってその流出方向が規制され、凹部の底面に沿って上面の内側に流れ出ることとなる。そして、インサート本体に形成された取付孔のすくい面が形成された上面側の開口縁部は、上記凸部の上端面よりもインサート本体の下面側に位置するとともに、上記凹部の底面も、この取付孔側に向かうに従いインサート本体下面側に向かうように延びて該取付孔の上面側開口縁部に達するようにされており、すなわち上記凹部のすくい面内側が、凸部から低められた取付孔の開口部上の空間に連通させられることとなるので、該凹部に沿って流れ出た切屑は何ら遮られることなくそのままこの空間に流れ込んで速やかにすくい面上から排出される。
従って、このように構成されたインサートによれば、これを取り付けた上記切削工具により、上述のように工具本体の回転速度や送り量がより高く設定された高送り加工に用いても、高速で多量に生成される切屑を詰まらせたり滞留させたりすることなく速やかに排出することができ、しかもその排出方向も、すくい面上の切屑の流出方向が上記立壁面によって規制されることでコントロールすることができ、円滑な切屑処理を促すことが可能となる。さらに、上記構成のインサートでは、上記コーナ刃および切刃の内側に下面側に向かう底面を有する凹部が形成されることにより、これらコーナ刃および切刃の実質的なすくい角を正角側に大きくしてその切れ味の向上を図ることができるので、この凹部の底面が工具本体の軸線方向後端側に向かうに従い回転方向の後方側に向かって延びるように取り付けた上記構成の切削工具では、高送り加工においても切削抵抗の低減を図ることも可能となるという効果も得られる。
さらに、上記インサートにおいては、この凹部の底面の上記コーナ刃および切刃側に、該コーナ刃または切刃と直交する断面が凸曲線をなすようにして上記取付孔側に向かうに従い上記インサート本体の下面側に向かう凸曲面部を形成することにより、上述のようにコーナ刃および切刃のすくい角を正角側に大きくして切れ味向上を図ることができるにも拘わらず、コーナ刃や切刃自体の刃先周辺には十分な肉厚を確保して切刃強度を維持することが可能となり、この刃先への負担の大きくなる上述のような高送り加工においても刃先に欠損が生じたりするのを防ぐことができる。また、こうして凹部底面のコーナ刃や切刃側に凸曲面部を形成することにより、この凹部底面からの切屑離れを良くすることもできるので、一層速やかな切屑排出を促すことも可能となる。
なお、このようにして凸曲面部を形成した場合にあっては、上記コーナ刃または切刃と直交する断面において上記凸曲面部がなす凸曲線の曲率半径を、該コーナ刃および切刃の全長に亙って等しくすることにより、これらコーナ刃からその一端に連なる上記切刃に亙る幅で生成される切屑が該凸曲面部に沿って流れ出る際に、その幅方向において部分的に切屑の流れが変化して流出方向のコントロールに支障を来したりするのを防ぐことができる。
ただし、こうしてコーナ刃から切刃に亙って生成される切屑は、その上記幅方向における生成速度や厚さが必ずしも一定ではなく、例えば上述のような切削工具に取り付けられた際には、工具本体の先端外周側に位置するコーナ刃側の方が内周側の切刃部分よりも回転軸線からの径が大きいために周速が速く、切屑の生成速度も速くなって工具本体1回転当たりにより多くの切屑が生成されることとなる。従って、そのような場合に、特に上述のように凸曲面部の曲率半径をコーナ刃から切刃の全長に亙って略等しくしただけだと、コーナ刃側で多量に生成される切屑が詰まり気味となったりするおそれがある。そこで、このような切屑の幅方向における生成速度の相違等による詰まりなどを防止するのに、本発明では、上記コーナ刃または切刃と直交する断面において上記凸曲面部がなす凸曲線の両端を通る直線が上記厚さ方向に垂直な平面に対してなす角度を、該コーナ刃および切刃の少なくとも一部において他の部分と異なる角度としている。これにより、この凸曲面部がインサート本体の下面側に落ち込む凹み量、すなわち凸曲面部における凹部のポケット容量をコーナ刃および切刃の延びる方向に亙って調整し、例えば切屑の生成速度が速いコーナ刃側ではこの角度を大きくしたりして、切屑が詰まり気味となる部分ではより大きなポケット容量が確保されるようにすることができる。
さらにまた、この凸曲面部とは反対の、上記凹部の底面の上記取付孔の上面側開口縁部側には、上記コーナ刃または切刃と直交する断面が凹曲線をなすようにして上記凸曲面部から上記取付孔側に向かうに従いさらに上記インサート本体の下面側に向かう凹曲面部を形成することにより、コーナ刃および切刃側から凸曲面部を介して流れ出た切屑をより円滑に排出することができるとともに、凹部のポケット容量もさらに大きく確保することができる。なお、この凹曲面部の上記断面がなす凹曲線は、凸曲面部がなす凸曲線と滑らかに接するようにされていたり、間が両曲線の接線によって接続されていたりすれば一層円滑な切屑の排出を促すことができるが、凹凸曲線が曲折して連なるようにされていてもよく、またその曲率半径はコーナ刃および切刃の少なくとも一部において他の部分と異なる大きさとされていてもよい。
さらに、上記切刃は、上記すくい面に対向する方向から見て例えば凸円弧等の凸曲線状とされていてもよいが、該切刃を、上記コーナ刃の一端と該切刃の上記コーナ刃とは反対側の端部とを結ぶ1の直線状、または互いに鈍角に交差する複数の直線からなる折れ線状に形成することにより、上述のように切刃が凸曲線状とされている場合などに比べて切刃の全長を短くすることができ、切削抵抗の増大や変動を防ぐことができるとともに、特に切刃を複数の直線によって折れ線状とした場合には切屑の分断効果も期待することができて、より一層の安定した切屑処理を促すことが可能となる。
また、例えばこうして切刃を折れ線状に形成した場合などにおいては、該切刃に、上記コーナ刃の一端に連なる主切刃と、この主切刃に連なって該切刃の上記コーナ刃とは反対側の端部に達し、該主切刃との交点におけるこの主切刃の延長線に対して上記上面の内側に後退する副切刃を備えることにより、切削工具においてこの副切刃が工具本体の軸線に直交する平面に沿って延びるようにインサートを取り付けることで、より平滑な平面部を形成することができる。
一方、上記切削工具においては、上記クランプ部材を一般的なスクリューオン式クランプに用いられる頭部を有するクランプネジとして、このクランプネジを上記取付孔に挿通して上記工具本体にねじ込むことにより、上記頭部が該取付孔の内周を押圧して上記インサートを該工具本体に取り付けるものとした場合、この取付状態においては上記頭部が上記取付孔の上面側開口縁部から上記インサート本体の下面側に没入するように構成するのが望ましい。これにより、上記凹部から上述のようにこの取付孔の上面側開口部上の空間に流れ出た切屑がクランプネジ頭部に衝突して円滑な排出が阻害されたり、クランプネジ頭部が摩耗してその上面に設けられたレンチ等との係合穴が潰れたりするのを防止することが可能となる。
図1ないし図7は本発明のインサートの一実施形態を示すものであり、図8ないし図11はこの実施形態のインサートを取り付けた本発明の切削工具の一実施形態を示すものである。本実施形態のインサートは、そのインサート本体1が超硬合金等の硬質材料により形成されて外形が概略正三角形(より厳密には偏六角形)の平板状をなし、すなわちこの概略正三角形をなす上下面2,3と、その周りに配置される3つの側面4とから構成されている。
また、インサート本体1には、上下面2,3の中央に開口して該インサート本体1をその厚さ方向(図2において図面に直交する方向。図3および図5〜図7においては上下方向。図4においては左右方向。以下、インサート厚さ方向と称する。)に貫通する断面円形の取付孔5が形成されており、インサート本体1はこの取付孔5の中心線Cに関して120°ずつの回転対称形となるように略形成されている。なお、この取付孔5の内周は、図4に示すように上面2側の開口縁部5Aから下面3側に向けて一定のテーパ角で縮径し、あるいは一定内径とされた大径部5Bと、この大径部5Bから中心線Cを含む断面が内周側に凸となる凸曲線状をなすようにして下面3側に向かうに従い縮径する縮径部5Cと、この縮径部5Cから下面3に達する一定内径の小径部5Dとから構成されている。また、インサート本体1の下面3は、上面2に対して一回り小さな略相似形をなすように形成されていて、上記インサート厚さ方向に垂直な平坦面とされており、上記周面4は上面2から下面3側に向かうに従い全体的にインサート本体1の内側に向かうように傾斜させられている。
上述のように概略正三角形をなす上面2の3つの角部にはそれぞれすくい面6が形成されており、このすくい面6が形成された上記角部の先端にはコーナ刃7が形成されるとともに、このコーナ刃7の一端(図2において中心線Cを中心とした時計回り方向側の端部)7Aに連なるすくい面6の一方の辺稜部6Aには切刃8が形成されている。従って、上記側面4のうちこれらコーナ刃7および切刃8に連なる部分は逃げ面4Aとされ、本実施形態のインサートは、この逃げ面4Aが形成された側面4が上述のように下面3側に向かうに従いインサート本体1の内側に向かうように傾斜させられることにより、コーナ刃7および切刃8に逃げ角が付されたポジティブインサートとされるとともに、中心線Cに関して120°ずつの回転対称に配置される3組のコーナ刃7および切刃8により、1つのインサート本体1で3回の使い回しが可能とされている。
ここで、上記コーナ刃7は、中心線Cに沿って上面2側から見た平面視に略凸円弧をなす凸曲線状に形成されている。また、同平面視において切刃8は、図2に示すように互いに鈍角に交差する複数(本実施形態では3つ)の直線からなる折れ線状に形成されている。そして、このうちコーナ刃7の一端7Aに連なる切刃8の第1の直線状部9Aとその次の第2の直線状部9Bとによって主切刃9が形成されるとともに、当該切刃8が形成されたすくい面6の上記一方の辺稜部6Aのうちコーナ刃7とは反対側の端部Pに達する第3の直線状部は副切刃10とされている。
従って、この副切刃10は、切刃8における主切刃9の第2直線状部9Bとの交点8Aにおけるこの主切刃9の延長線に対して上面2の内側に後退するように延びることとなる。なお、この副切刃10は、上面2がなす上記概略正三角形の3つの辺の略中央に延びるように形成されており、従ってこの副切刃10の上記交点8Aとは反対側の端部、すなわちすくい面6の上記一方の辺稜部6Aのコーナ刃7とは反対側の端部Pは、図2に示されるように上記辺の中点よりも該副切刃10が連なるコーナ刃7とは反対側に位置することとなる。また、この副切刃10は曲率半径の大きな凸円弧等の凸曲線状とされていてもよい。
さらに、この切刃8が形成された上記一方の辺稜部6Aとは反対側の、コーナ刃7の他端(図2において中心線Cを中心とした反時計回り方向側の端部)7Bに連なるすくい面6の他方の辺稜部6Bには、本実施形態では凹み11が形成されている。この凹み11は、上記他方の辺稜部6Bに連なるインサート本体1の周面4がすくい面6から下面3に亙って凹所11Aによって切り欠かれることにより、上記他端7Bにおけるコーナ刃7の接線に対してすくい面6の内側に凹むように形成されたものであり、このコーナ刃7の他端7Bから直接、あるいは他端7Bとの間に僅かに間隔をあけて隣接した位置から、上記他方の辺稜部6Bの中央を越えた位置にまで形成されている。なお、この凹み11は、本実施形態では上記平面視において上記接線に平行に延びる底部11Bと、この底部11Bの両端から凹曲線状をなして上記他方の辺稜部6B側に延びる端部11Cとにより構成されているが、底部11Bも含めて凹み11全体を凹曲線状に形成してもよい。
また、この凹み11以外の上記他方の辺稜部6Bは、コーナ刃7の他端7Bにおける上記接線に沿って延びるように形成されており、このコーナ刃7とは反対側の当該他方の辺稜部6Bの端部Qは、本実施形態では当該コーナ刃7が形成された角部に上面2の周回り方向に隣接する他の角部におけるすくい面6の一方の辺稜部6Aの上記端部Pと一致させられている。ここで、このようにコーナ刃7とは反対側の端部P,Qが一致させられた上記隣接する角部同士の一方の辺稜部6Aと他方の辺稜部6Bとは、この端部P,Qにおいて鈍角に交差するようになされており、すなわち端部P側に副切刃10が形成された本実施形態ではこの副切刃10が隣接する他方の辺稜部6Bに鈍角に交差させられている。従って、この副切刃10を含めた一方の辺稜部6Aの切刃8を1つの辺とすると、本実施形態ではインサート本体1は、より厳密には上述のように上面2が偏六角形をなす平板状を呈することとなる。
一方、この他方の辺稜部6Bの内側において、すくい面6には、この他方の辺稜部6Bに連なる上端面12Aを有する凸部12が形成されている。この凸部12は、本実施形態ではその上記上端面12Aが図7に示すように上記他方の辺稜部6Aから上記インサート厚さ方向に垂直な平面Sに沿ってすくい面6の内側に延びるように形成されたものであり、また上記平面視においては、この上端面12Aが他方の辺稜部6Bからすくい面6の内側の上記中心線Cに向けて漸次幅狭となる概略台形状をなすように形成されている。さらに、上面2においてこの凸部12の平面視における内側部分は、上記図7に示されるように上端面12Aからインサート厚さ方向に一段落ち込んで取付孔5の上面2側の開口縁部5Aに達するようにされており、従ってこの開口縁部5Aは凸部12の上端面12Aよりもインサート本体1の下面3側に位置させられることとなる。なお、本実施形態ではこの取付孔5の上面2側の開口縁部5Aは、上記平面視に一定の小さな幅を有する円環状をなしていて、その全周に亙って上記平面Sよりも下面3側に位置するインサート厚さ方向に垂直な他の平面V上に位置させられている。
そして、すくい面6のうち、上記凸部12以外の、コーナ刃7から切刃8にかけての部分の内側には、この凸部12に対して凹となる凹部13が形成されていて、この凹部13の底面14は、すくい面6内側の上記取付孔5側に向かうに従い下面3側に向かうように延びて取付孔5の上面2側の上記開口縁部5Aに達するように形成されており、すなわちこの底面14が、取付孔5側に向かうに従い漸次下面3側に向けて延びてインサート厚さ方向に上記他の平面Vの高さに達し、この平面Vよりも下面3側には凹まないようにされている。従って、この凹部13と凸部12との間には、上記底面14から屹立して凸部12の上端面12Aに達する立壁面13Aが、上記平面視にコーナ刃7の他端7Bの内側から取付孔5の中心線Cに向けて延びるように形成され、この立壁面13Aは上端面12A側に向かうに従い凸部12側に後退するように傾斜させられている。
さらに、上述のように上面2の周回り方向に隣接する角部に形成されたすくい面6同士で、その一方のすくい面6の一方の辺稜部6Aの端部Pと他方のすくい面6の他方の辺稜部6Bの端部Qとが一致させられた本実施形態のインサートにおいては、上記立壁面13Aに対して当該凹部12を間にして反対側に、平面視にこれら一致させられた端部P,Qの内側から中心線Cに向けて延びる立壁面13Bが、上記一方のすくい面6に形成された凹部13の底面14から他方のすくい面6の凸部12の上端面12Aに向けて屹立するように形成されることとなり、この立壁面13Bも上記他方のすくい面6における凸部12の上端面12A側に向かうに従い該凸部12側に後退するように傾斜させられている。ただし、この立壁面13Bは、上記平面視においてこの一致させられた端部P,Qよりも僅かに他方のすくい面6側にずれ込んだ位置から中心線Cに向けて延びるように形成されている。
また、本実施形態における上記凹部13は、すくい面6上においてコーナ刃7および切刃8から僅かに間隔をあけた位置から内側で凹となって底面14が下面3側に向かうように形成されており、この凹部13とコーナ刃7および切刃8との間隔部分は、該コーナ刃7から切刃8に亙って略一定の幅Wで、上記凸部12の上端面12Aと面一、すなわちインサート厚さ方向に垂直な上記平面Sに沿って延びる平坦面15とされている。従って、本実施形態では図3に示されるように、コーナ刃7および切刃8とすくい面6の他方の辺稜部6Bとは、これら平坦面15と上記上端面12Aとが位置するインサート厚さ方向に垂直な上記平面S上に位置させられることとなり、さらに上面2の周回り方向に隣接する角部のすくい面6同士で一方の辺稜部6Aの上記端部Pと他方の辺稜部6Bの上記端部Qとが一致させられていることにより、本実施形態においては上面2のすべてのすくい面6のコーナ刃7、切刃8、および他方の辺稜部6Bが連続してこの平面S上に位置し、やはりこの平面S上に位置する平坦面15と凸部12の上端面12Aとが図1および図2に示すように上面2の周縁に枠状に形成されて、この枠の内側に取付孔5と凹部13とが形成されることとなる。
さらに、上記凹部13の底面14においては、そのコーナ刃7および切刃8側に、図5および図6に示すようにこれらコーナ刃7または切刃8と直交する断面が凸曲線をなすようにして取付孔5側に向かうに従い下面3側に向かう凸曲面部16が形成されている。この凸曲面部16は、本実施形態では上記凸曲線が略凸円弧をなすようにされたものであり、この凸円弧は、同断面において上記平坦面15がなすインサート厚さ方向に垂直な直線(同断面において上記平面Sがなす直線)に滑らかに接するようにされている。また、この凸円弧の半径(上記凸曲線の曲率半径)Rは、本実施形態のインサートにおいては、コーナ刃7側の凹部13と凸部12との境界部、および副切刃8側の凹部13とこれに隣接する他のすくい面6の凸部12との境界部を除いたコーナ刃7から切刃8の全長に亙って等しくされている。
さらにまた、凹部13の底面14において、この凸曲面部16のさらに内側の上記取付孔5の上面2側の開口縁部5A側には、上記コーナ刃7または切刃8と直交する断面が凹曲線をなすようにして凸曲面部16から取付孔5側に向かうに従いさらにインサート本体1の下面3側に向かう凹曲面部17が形成されている。本実施形態では、この凹曲面部17もまた、その上記断面がなす凹曲線が略凹円弧となるように形成されたものであり、ただしこの凹円弧は、その半径(上記凹曲線の曲率半径)rがコーナ刃7または切刃8の位置によって一定ではなく、また該断面において上記凸曲面部16がなす凸円弧との接続部分も、この凸円弧と共通の接線を有する接点(変曲点)を介して滑らかに接するようにされていてもよく、あるいは間に接線を介して接続されていたり、この接続部分において互いの凹凸円弧が角度をもって曲折するように接続されていてもよい。また、この凹曲面部17と取付孔5の上面2側の上記開口縁部5Aとの間は、上記平面Vに沿った平坦面とされていてもよい。
ここで、本実施形態では、凸曲面部16の上記断面がなす凸円弧は、上述のようにコーナ刃7から切刃8に亙って上記半径Rが等しくされている一方で、その両端16A,16Bを通る直線Lが該断面においてインサート厚さ方向に垂直な上記平面Sに対してなす角度θは、これらコーナ刃7および切刃8の少なくとも一部において他の部分とは異なる角度となるようにされている。しかも、特に本実施形態では、切刃8が形成された上記一方の辺稜部6Aのコーナ刃7とは反対側の端部Pから切刃8の副切刃10および主切刃9を経てコーナ刃7側に向かうに従い、この直線Lが平面Sに対してなす角度θが漸次大きくなるようにされている。
すなわち、コーナ刃7および切刃8側にインサート厚さ方向と垂直な平坦面15が形成された本実施形態では、これらコーナ刃7または切刃8に直交する上記断面においてこの平坦面15がなすインサート厚さ方向に垂直な直線と上記凸円弧との接点、つまりこの凸円弧の一端16Aと、該断面において凹曲面部17がなす凹円弧と上記凸円弧との接続点(これら凹凸円弧が互いに滑らかに接している場合はその変曲点、接線を介している場合はその接線と凸円弧との接点、凹凸円弧が角度を持って曲折している場合はその曲折点)、つまり上記凸円弧の他端16Bとを結ぶ直線Lが上記平面Sに対してなす角度θが、図5に示すように切刃8のうちコーナ刃7側(主切刃9の第1の直線状部9A)における角度θ1と、図6に示すように切刃8のうち副切刃10側(主切刃9の第2の直線状部9B)における角度θ2とで、互いに異なる角度とされ、しかもθ1>θ2となるようにされている。
そして、このように凸曲面部16の断面がなす凸円弧の上記直線Lが該断面においてインサート厚さ方向に垂直な平面Sに対してなす角度θが変化させられているのに合わせて、本実施形態ではコーナ刃7や切刃8の位置に応じた上記凹曲面部17の断面がなす凹円弧の半径rや凸曲面部16がなす凸円弧との接続部分における接続状態が設定されている。すなわち、上記角度θの相違によるすくい面6の内側に向けての凸曲面部16の下面3側への落ち込みの相違に応じて凹曲面部17が設定されて、上述のように凹部13の底面14が取付孔5側に向かうに従い漸次下面3側に向かうように延び、しかもインサート厚さ方向において取付孔5の開口縁部5Aが位置する上記平面Vよりも下面3側には凹まないようになされている。
なお、本実施形態では、上記コーナ刃7とこのコーナ刃7の一端7Aに連なるすくい面6の一方の辺稜部6Aに形成された切刃8、および凹み11も含めたコーナ刃7の他端7Bに連なるすくい面6の他方の辺稜部6Bにも、ホーニング18が施されている。このホーニング18は、図5ないし図7に示すようにこれら切刃8や他方の稜線部6Bあるいはコーナ刃7に直交する断面において、すくい面6の上記平坦面15または凸部12の上端面12Aと逃げ面4Aとに交差する平面と、この平面と平坦面15または上端面12Aおよび逃げ面4Aとの交差稜線部に凸曲面とが形成されるようにした複合ホーニングとされている。また、図中に符号19で示すのは、上述のように1つのインサート本体1で3回の使い回しが可能とされた3組のコーナ刃7および切刃8のいずれを使用したかを識別するための指標である。
このように構成されたインサートが取り付けられる本実施形態の切削工具は、その工具本体21が軸線Oを中心とした外形略円柱状に形成されていて、この工具本体21の先端部外周に上記インサートが着脱可能に取り付けられるとともに、該工具本体21の後端部が工作機械の主軸に取り付けられて、上記軸線O回りに図中に符号Tで示す回転方向に回転させられつつ該軸線Oに交差する方向に送り出されることにより、加工物(切削対象)に平面部や立壁面のような加工面を形成してゆく。ここで、本実施形態では、その工具本体21の先端部外周に、図9に示すように軸線O方向先端視においてこの工具本体21先端部外周をL字状に切り欠くように複数(本実施形態では4つ。ただし他の図では1つのみ示されて他は省略されている。)のチップポケット22が周方向に略等間隔に形成されていて、各チップポケット22の切削工具回転方向T側を向く壁面22Aの先端側には取付座23が形成されていて、上記実施形態のインサートはこの取付座23にそれぞれ取り付けられる。
この取付座23は、工具本体21の先端および外周に開口する凹所として形成されていて、上記壁面22Aから回転方向Tの後方に一段凹むように形成された底面23Aと、この底面23Aから上記壁面22Aに立ち上がる壁面23B,23Cおよび凸部23Dとから構成されている。このうち底面23Aは、工具本体21の後端側に向かうに従い回転方向Tの後方側に向けて傾斜する平面状とされており、その中央部には該底面23Aに垂直にネジ孔23Eが形成されている。また、壁面23Bは取付座23の内周側に位置して工具本体21の先端面から略外周側を向きつつ後端外周側に延びるように、壁面23Cは取付座23の後端外周側に位置して工具本体21の外周面から後端内周側に延びるようにそれぞれ形成され、その少なくとも上記壁面22A側の部分は、インサート本体1の下面3に対する側面4の傾斜とほぼ等しい角度で傾斜する平面状とされている。さらに、凸部23Dは取付座23の後端内周側に位置して工具本体21の先端外周側に凸となるようにこれらの壁面23B,23C間に形成されている。
このような取付座23に、上記インサートは、そのインサート本体1の1の側面4を工具本体21の先端側に向けるとともに上面2を回転方向Tに向けて下面3を上記底面23Aに密着させることにより、この1の側面4に逃げ面4Aを有する切刃8を工具本体21の先端側に突出させるとともに該切刃8が連なるコーナ刃7を工具本体21の先端部外周に突出させ、さらにこのコーナ刃7の他端7Bに連なる上記他方の辺稜部6Bの凹み11を工具本体21の外周側に向けるようにして着座させられる。ここで、複数の取付座23に取り付けられたインサート同士で、その工具本体21の先端側に突出させられた各切刃8においては、互いの副切刃10が工具本体21の軸線Oに垂直な1の平面上に略位置するように配置され、該切刃8には、図10および図11に示すように正のアキシャルレーキ角(ただし、切刃8の内側の平坦面15が延びる上記平坦面Sに沿ったアキシャルレーキ角)αと、図9に示すように負のラジアルレーキ角βとが与えられる。従って、この切刃8の内側の上記取付孔5側に向かうに従いインサート本体1の下面3側に向かうように形成された凹部13の底面14には、その切刃8側の上記凸曲面部16において図11に示すように実質的に上記アキシャルレーキ角α+θのアキシャルレーキ角が与えられて、該底面14は工具本体21の軸線O方向後端側に向かうに従い回転方向Tの後方側に向かうように延びることとなる。
また、このとき工具本体21の先端部外周に突出させられたコーナ刃7とは反対側のインサート本体1の他の側面4においては、逃げ面4Aが取付座23の上記壁面23Bに当接させられるとともに、この他の側面4の凹所11Aには上記凸部23Dが係合させられる。ただし、このような凸部23Dを形成することなく、壁面23Bを凹所11A以外の上記他の側面4に当接させるようにしてもよい。さらに、工具本体21の外周側を向く残りの側面4においては逃げ面4Aが壁面23Cに当接させられ、こうして取付座23に着座させられた状態で、上記取付孔5に頭部24Aを有するクランプネジ24を挿通して上記ネジ孔23Eにねじ込むことにより、このクランプネジ24の頭部24Aが取付孔5内周の上記縮径部5Cを押圧してインサート本体1は工具本体21に着脱可能に取り付けられる。なお、取付座23の上記壁面23B,23Cおよび凸部23D以外の壁面とインサート本体1の側面4との間には、互いの干渉を防ぐための逃げ部が適宜形成されている。さらにまた、この取付状態においてクランプネジ24の上記頭部24Aは、その上端が取付孔5の上面2側開口縁部5Aよりも突出することがなく、図11に示すように取付孔5の大径部5B内に収容されて下面3側に没入するようにされている。
さらに、本実施形態ではこのクランプネジ24の他に、インサート本体1の取付剛性をより確実に確保するためのクランプ機構25が工具本体21に備えられている。このクランプ機構25は、インサート本体1の上面2をクランプ駒26によって押圧することによって上記取付剛性の向上を図るものであって、すなわち図10に示すように取付座23よりも後端側のチップポケット22の上記壁面22Aにクランプネジ孔25Aとこれよりも小径の孔25Bとが形成され、このうちクランプネジ孔25Aには上記クランプ駒26の中央部に挿通されるクランプネジ27が取り付けられるとともに、孔20Bにはコイルスプリング28が収容された上でクランプ駒26の後端側のピン部26Aが挿入される構成とされている。
そして、クランプ駒26の先端26Bは、インサート本体1の上面2のうち工具本体21の後端側に位置することとなるすくい面6上にまで延出させられており、クランプネジ27をクランプネジ孔25Aにねじ込んで締め付けることにより、クランプ駒26の上記先端26Bが、この工具本体21後端側に位置したすくい面6上の凸部12の上端面12Aを取付座23の底面23A側に押圧して、インサート本体1が工具本体21に強固に固定される。また、その一方で、クランプネジ27を緩めたときには、上記コイルスプリング28によってクランプ駒26が押し上げられてインサート本体1の押圧が速やかに解かれるようになされている。
このように工具本体21に取り付けられた上記インサートにおいては、その工具本体21先端外周側に突出させられたコーナ刃7から、その内周側に延びるように先端側に突出させられた切刃8にかけてのすくい面6の内側に、このコーナ刃7の他端7Bに連なるすくい面6の他方の辺稜部6Bの内側に形成された凸部12に対して凹となる凹部13が形成されており、従って上記コーナ刃7から切刃8によって生成された切屑はこの凹部13内に導かれてその底面14に沿うようにすくい面6内側の取付孔5の開口縁部5Aに向けて流れ出ることとなる。そして、この取付孔5の開口縁部5Aは凸部12の上端面12Aよりもインサート本体1の下面3側に位置させられるとともに、凹部13の底面14はこの取付孔5側に向かうに従い下面3側に向かうように延びてその開口縁部5Aに達しているので、凹部13内に導かれた切屑はその流れが何ら遮られることなく、そのまま取付孔5上の解放された空間に流れ込んですくい面6上から排出されることとなる。
しかも、このすくい面6上には、コーナ刃7や切刃8が形成されない上記他方の辺稜部6Bの内側に上述のように凸部12が形成されており、この凸部12と上記凹部13との間には立壁面13A,13Bが形成されることとなって、凹部13に導かれた切屑はこの立壁面13A,13Bによりその流出の方向が規制され、確実に取付孔5上の上記解放された空間に向けて流れ込むこととなる。従って、上記構成のインサートによれば、これを取り付けた上記切削工具によって工具本体21の回転速度や送り量がより高く設定された高送り加工を行う場合においても、上記コーナ刃7および切刃8によって高速で、しかも多量に生成される切屑を、その排出方向をコントロールしながら速やかに排出することができ、かかる切屑の詰まりや滞留によって切削抵抗の増大を招いたり、切屑の排出方向が不安定となって噛み込み等により加工面を傷つけたりすることなく、確実かつ円滑な切屑処理を促して効率的で高品位の高送り加工を可能とすることができる。
さらに、本実施形態の切削工具では、上記インサートを工具本体21に取り付けた状態において、上記取付孔5に挿通されてインサート本体1を取付座23にクランプするクランプネジ24の頭部24A上端が、取付孔5の上面2側開口縁部5Aより突出することなくこの開口縁部5Aよりも下面3側に没入するようにされているので、上述のように凹部13から取付孔5上の空間に流れ込んだ切屑がこのクランプネジ24の頭部24Aに衝突したり擦過したりすることもなく、より確実な切屑の排出を図ることができる。一方、クランプネジ24側においても、このような切屑の衝突や擦過によってその頭部24Aが摩耗して、例えば該当部24Aの上面に形成されたレンチ等の作業用工具との係合穴が潰れたりすることもなく、切削に供するコーナ刃7および切刃8の変更(コーナーチェンジ)やインサート自体の交換などに支障が生じるおそれもない。
加えて、本実施形態のインサートでは、多角形(三角形)平板状のインサート本体1の上面2の複数(3つ)の角部にすくい面6が形成されて、それぞれに底面14が取付孔5の上面2側開口部5Aに達する上記凹部13が形成されており、すなわちこれらの凹部13が取付孔5上の上記空間を介して互いに連通するようになされている。従って、上述のように立壁面13A,13Bによって切屑の流出方向を適正にコントロールすることにより、例えば該実施形態のインサートを取り付けた上記切削工具では、工具本体21の先端側に突出して切削に供されるコーナ刃7および切刃8によって生成された切屑を、このコーナ刃7および切刃8の内側の凹部13から取付孔5上の空間を介して、該取付孔5の工具本体21後端外周側に位置させられた他のすくい面6における凹部13に導き、そのままこの工具本体21の後端外周側に排出されるように案内することも可能となるので、さらに確実に高品位の加工を図ることが可能となる。
また、このような凹部13の上記底面14が上述のように軸線O方向後端側に向かうに従い回転方向Tの後方側に向けて延びるようにインサート本体1を工具本体21に取り付けた上記構成の切削工具においては、インサート本体1自体のアキシャルレーキ角α(上記平面Sが軸線Oに対してなすすくい角)をそれほど大きくしなくても、工具本体21の先端側に突出させられる切刃8に、例えば上記角度θ分、正角側により大きなアキシャルレーキ角を実質的に与えることができる。従って、これにより当該切刃8の切れ味の向上を図って切削抵抗の一層の低減を図ることができるので、上記構成の切削工具によれば、上述のようなより高い送り量や工具本体21の回転速度を要求される高送り加工においても、さらに効率的な切削を促すことが可能となる。
その一方で、このような鋭い切れ味が切刃8に与えられるにも拘わらず、本実施形態のインサートにおいては、上記凹部13の底面14の切刃8側に断面が凸曲線をなす凸曲面部16が形成されており、これによって切刃8の周辺におけるインサート本体1の肉厚を大きく確保することができる。これはコーナ刃7についても同様であり、従って本実施形態によれば、切刃8やコーナ刃7への負担が大きくなる上述のような高送り加工においても、これらコーナ刃7や切刃8に欠損が生じたりするのを防いでインサート寿命の延長を図ることができ、より安定した加工を促すことが可能となる。しかも、本実施形態では、コーナ刃7および切刃8と凹部13との間にインサート厚さ方向に垂直な平坦面15が形成されるとともに、コーナ刃7および切刃8自体にもホーニング18が施されているので、刃先周辺の強度の一層の向上を図ってさらに長寿命のインサートを提供することが可能となる。
ただし、本実施形態ではこのようにすくい面6のコーナ刃7や切刃8側に平坦面15が形成されるとともにコーナ刃7および切刃8にホーニング18が施されているが、例えば図12に示す変形例のようにこのような平坦面15が形成されずに、すくい面6においてコーナ刃7や切刃8の直ぐ内側から凹部13が形成されていてもよく、また図13に示すようにコーナ刃7や切刃8にホーニング18が施されずにすくい面6と逃げ面4Aとが角度をもって直接的に交差するように形成されていてもよい。さらに、ホーニング18を施すにしても、本実施形態ではコーナ刃7や切刃8に直交する断面においてすくい面6と逃げ面4Aとに交差する平面のすくい面6側と逃げ面4A側とが凸曲面とされた複合ホーニングを施しているが、単にすくい面6と逃げ面4Aとに交差する平面のみで形成された角度ホーニングでもよく、また図14に示すように上記断面においてすくい面6から逃げ面4Aにかけてのコーナ刃7や切刃8の刃先を凸曲面とした丸ホーニングでもよい。なお、これら図12〜図14に示す変形例を始め、以降の変形例においても上記実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。
さらに、上述のように凹部13の底面14においてそのコーナ刃7や切刃8側に断面凸曲線状をなす凸曲面部16を形成した場合には、コーナ刃7や切刃8によって生成された切屑が、この凹部13の底面14のうちまずこの凸曲面部16に沿って流れ出ることになるために該底面14から離れ易くなる。しかも、本実施形態では、この凹部13の底面14における取付孔5の上面2側の開口部5A側に、上記凸曲面部16とは逆に断面が凹曲線をなす凹曲面部17が形成されているので、底面14から離れた切屑はそのまま取付孔5上の上記解放された空間へと流れ込むこととなり、これらによってすくい面6からの一層円滑で速やかな切屑排出を促すことが可能となって、さらに効率的かつ高品位の高送り加工を図ることができる。
また、こうして底面14に形成された凸曲面部16がコーナ刃7または切刃8と直交する断面においてなす凸曲線(凸円弧)の曲率半径(半径)Rが、本実施形態のインサートでは、コーナ刃7の他端7B周辺と切刃8が形成された一方の辺稜部6Aの上記端部P周辺を除いたこれらコーナ刃7から切刃8の略全長に亙って等しくなるように形成されており、従ってこの凸曲面部16に沿って流れ出る切屑が該凸曲面部16から受ける抵抗等も、該切屑の幅方向、すなわちコーナ刃7の他端7Bから切刃8側の上記端部Pに亙る方向について、概ね均一とすることができる。このため、本実施形態によれば、例えばこの幅方向において切屑が受ける抵抗に部分的に強弱が生じたりして上述のような切屑の流出方向のコントロールに支障を来したりするような事態も防止することができ、切屑を一層確実に安定して所望の方向に流出させることが可能となる。
ただし、その反面、例えばかかるインサートを上述のような切削工具に取り付けて特に高送り加工を行う場合には、工具本体21先端の内周側に位置する切刃8の副切刃10周辺では生成される切屑が薄めであって生成速度も比較的低いのに対し、外周側に突出させられたコーナ刃7の周辺では厚めの切屑が高速で生成されることになり、このため単に凸曲面部16の断面がなす凸曲線の曲率半径Rを一定としただけでは、コーナ刃7の内側の凹部13内において切屑が詰まり気味となるおそれがある。そこで、本実施形態では、こうして凸曲面部16の断面がなす凸曲線の曲率半径Rを一定とするのに加えて、この凸曲線の両端を通る直線Lがインサート厚さ方向に垂直な平面Sに対してなす角度θを、切刃8の副切刃10側からコーナ刃7に向かうに従い大きくなるようにして、これらコーナ刃7および切刃8の少なくとも一部において他の部分とは異なる角度としている。
従って、このようなインサートによれば、上記コーナ刃7側において、その内側の凹部13の底面14における凸曲面部16が副切刃10側に比べて大きく下面3側に凹むこととなり、これに伴い凸曲面部16による凹部13の切屑収容のための凹み量、すなわちポケット容量も大きく確保することが可能となるので、たとえ高送り加工において厚めの切屑が高速で生成されても、このコーナ刃7側の凹部13内で切屑が詰まり気味になったりするのを防ぐことが可能となる。また、本実施形態では上述のように、この凸曲面部16よりも内側の底面14における取付孔5の開口縁部5A側に、コーナ刃7または切刃8に直交する断面が凹曲線(凹円弧)をなす凹曲面部17が形成されているので、凹部13全体に亙ってさらに上記ポケット容量を大きく確保することができ、より一層確実に切屑の詰まりや対流を防ぐことも可能となる。
しかも、こうして凸曲面部16によるポケット容量がコーナ刃7側で大きくされるにも拘わらず、本実施形態ではこの凸曲面部16の内側の上記凹曲面部17は、その上記断面における凹曲線(凹円弧)の曲率半径(半径)rがコーナ刃7から切刃8に亙って一定とはならないようにされており、例えば該断面において凹凸曲面部16,17がなす凹凸曲線が共通の接線を有する接点(変曲点)を介して滑らかに接するようにされていた場合でも、コーナ刃7側ではこの凹曲線部17の曲率半径rを小さく、逆に副切刃10側では大きくすることにより、底面14全体としては上記平面Vよりも下面3側に凹まないように凹部13を形成することが可能となる。ただし、上記凹凸曲線が間に接線を介して接続されていたり、互いに角度をもって曲折するように接続されていたりすれば、曲率半径rが一定でも底面14が平面Vより凹まないように凹部13を形成することも可能となり、設計の自由度が増すという利点も得られる。
なお、本実施形態ではこのように上記曲率半径Rを一定とするとともに上記直線Lがインサート厚さ方向に垂直な平面Sに対してなす角度θを、切刃8の副切刃10側からコーナ刃7に向かうに従い大きくなるようにしているが、切削条件等によっては曲率半径Rも変化させたり、また上記とは逆にコーナ刃7から副切刃10側に向かうに従い角度θが大きくなるようにしたりしてもよい。ただし、上述のようにして上記角度θがコーナ刃7および切刃8の少なくとも一部において他の部分とは異なる角度となるようにした場合でも、当該角度θが小さすぎると凹部3の凹みも小さくなって、速やかな切屑排出や安定した切屑流出方向のコントロールが阻害されるおそれがある。その一方で、この角度θが大きすぎても、凹部13が凹みすぎてインサート本体1の肉厚が削がれたり、また特に図12に示した変形例のようにコーナ刃7や切刃8と凹部13との間に平坦面15が形成されていない場合などには、刃先強度が損なわれたりするおそれがあるので、上記角度θは3°〜30°の範囲内に設定されるのが望ましい。
一方、本実施形態のインサートでは、工具本体21の外周側に向けられることとなる上記すくい面6の他方の辺稜部6Bに凹み11が形成されており、加工物に垂直壁面を形成するような場合でもこの壁面とインサート本体1の上記他方の辺稜部6Bとの間に大きなクリアランスを確保することができるので、この間の部分への切屑の噛み込み等も確実に防止して良好な垂直壁面を得ることができる。加えて、本実施形態では、上面2の周方向に隣接する角部に形成されたすくい面6同士で、一方のすくい面6の一方の辺稜部6Aの端部Pと他方のすくい面6の他方の辺稜部6Bの端部Qとが一致させられており、従って工具本体21の先端側に向けられる切刃8の内周側には、図8に示すように隣接するすくい面6の他方の辺稜部6Bの凹み11が位置することとなるので、該切刃8によって平面を形成する際に生成された切屑がこの内周側に隣接する他方の辺稜部6Bに噛み込まれて加工面を傷つけるようなことも防止することができ、一層高品位の切削を促すことが可能となる。
また、本実施形態では上記切刃8が互いに鈍角に交差する複数の直線状部9A,9Bよりなる主切刃9と副切刃10とによって折れ線状に形成されている。しかるに、この点、例えば切刃8全体や主切刃9を凸円弧等の凸曲線状に形成したりしてもよいが、これに比べて本実施形態では切刃8の全長を短くすることができて切削抵抗の低減や変動抑制を図ることができるとともに、直線状部9A,9Bの交点や主切刃9と副切刃10との交点8Aで切屑の分断を図ることもできるので、一層安定した切屑処理を図ることが可能となる。さらに、本実施形態では上述のように切刃8のコーナ刃7から最も離れた側(一方の辺稜部の端部P側)に副切刃10が形成されており、切削工具の工具本体21に取り付けた状態で、この副切刃10が軸線Oに垂直な平面に沿うように配置することによって、この副切刃10により加工面の底面(平面)をより平滑に仕上げることができる。ただし、本実施形態のインサートにおいてはこのように切刃8が主切刃9と副切刃10とによって構成されて、さらに主切刃9も複数の直線状部9A,9Bによって構成されているが、例えば図15に示す変形例のように主切刃9が1の直線状部のみによって形成されていてもよく、また図16に示す変形例のように副切刃10も形成されずに切刃8全体が1の直線状部によって構成されていてもよい。
また、これらの実施形態および変形例のインサートでは、インサート本体1が上述のように概略正三角形の平板状をなし、その上面2の3つの角部にそれぞれ凸部12と凹部13とを有するすくい面6が形成されるとともに、該上面2の3つの辺においては隣接するすくい面6同士の一方の辺稜部6Aの端部Pと他方の辺稜部6Bの端部Qとが一致させられているが、例えば概略平行四辺形等の平板状にインサート本体を形成して、その概略平行四辺形状のすくい面の鋭角をなす角部に上述のような凹凸部を有するすくい面を形成したり、方形平板状や5角形以上の多角形平板状のインサート本体の上面の1または複数、あるいは全部の角部にこのようなすくい面を形成したりしてもよい。さらに、本実施形態のように上面2が三角形状をなす場合も含めて、多角形の上面の1の辺に隣接するすくい面6の一方の辺稜部6Aと他方の辺稜部6Bとがあったとしても、その端部P,Qは必ずしも一致させられる必要はなく、当該辺上において互いに間隔をあけて配置されていてもよい。
本発明のインサートの一実施形態を示す斜視図である。 図1に示す実施形態を中心線Cに沿って上面2側から見た平面図である。 図2における矢線Y方向視の側面図である。 図2におけるZZ断面図である。 図1に示す実施形態において切刃8の主切刃9のうち第1の直線状部9Aに直交する拡大断面図である。 図1に示す実施形態において切刃8の主切刃9のうち第2の直線状部9Bに直交する拡大断面図である。 図1に示す実施形態においてすくい面6の他方の辺稜部6Bに直交する拡大断面図である。 図1に示す実施形態のインサートを取り付けた本発明のスローアウェイ式切削工具の一実施形態を示す、インサート本体1の上面2を回転方向T側から見た一部破断側面図である。 図8に示す実施形態の底面図である。 図9におけるZZ部分側断面図である。 図10における取付孔5周辺部分の拡大断面図である。 図1に示す実施形態において平坦面15が形成されていない場合の変形例を示すコーナ刃7または切刃8に直交する断面図である。 図1に示す実施形態においてホーニング18が施されていない場合の変形例を示すコーナ刃7または切刃8に直交する断面図である。 図1に示す実施形態においてホーニングが丸ホーニングである場合の変形例を示すコーナ刃7または切刃8に直交する断面図である。 図1に示す実施形態の切刃8の変形例を示す平面図である。 図1に示す実施形態の切刃8の他の変形例を示す平面図である。
符号の説明
1 インサート本体
2 インサート本体1の上面
4A 逃げ面
5 取付孔
5A 取付孔5の上面2側の開口縁部
6 すくい面
6A すくい面6の一方の辺稜部
6B すくい面6の他方の辺稜部
7 コーナ刃
7A コーナ刃7の一端
7B コーナ刃7の他端
8 切刃
9 主切刃
9A,9B 主切刃9の直線状部
10 副切刃
12 凸部
12A 凸部12の上端面
13 凹部
13A,13B 立壁面
14 凹部13の底面
15 平坦面
16 凸曲面部
17 凹曲面部
21 工具本体
23 取付座
24 クランプネジ(クランプ部材)
24A クランプネジ24の頭部
25 クランプ機構
26 クランプ駒
C インサート本体1の取付孔5の中心線
P 一方の辺稜部9Aのコーナ刃7とは反対側の端部
Q 他方の辺稜部9Bのコーナ刃7とは反対側の端部
R コーナ刃7または切刃8に直交する断面において凸曲面部16がなす凸曲線の曲率半径
r コーナ刃7または切刃8に直交する断面において凹曲面部17がなす凹曲線の曲率半径
S コーナ刃7および切刃8を含んでインサート厚さ方向に垂直となる平面
V 取付孔5の上面2側開口縁部5Aを含んでインサート厚さ方向に垂直となる平面
L コーナ刃7または切刃8に直交する断面において凸曲面部16がなす凸曲線の両端を通る直線
θ(θ1,θ2) コーナ刃7または切刃8に直交する断面において直線Lが平面Sに対してなす角度
O 工具本体21の回転軸線
T 工具本体21の回転方向

Claims (7)

  1. 多角形平板状をなすインサート本体に、その多角形をなす上下面に開口して当該インサート本体をその厚さ方向に貫通する取付孔が形成されるとともに、上記インサート本体の上面の角部にはすくい面が形成され、このすくい面が形成された上記角部の先端にはコーナ刃が形成されるとともに、このコーナ刃の一端に連なる上記すくい面の一方の辺稜部には切刃が形成されており、上記すくい面には、上記コーナ刃の他端に連なる該すくい面の他方の辺稜部の内側に、この他方の辺稜部に連なる上端面を有する凸部が形成されていて、上記取付孔の上面側開口縁部はこの凸部の上端面よりも上記インサート本体の下面側に位置させられる一方、上記コーナ刃から上記切刃にかけての上記すくい面の内側には、上記凸部に対して凹となる凹部が形成されていて、この凹部の底面は上記取付孔側に向かうに従い上記下面側に向かうように延びて上記取付孔の上面側開口縁部に達しており、上記凹部の底面の上記コーナ刃および切刃側には、該コーナ刃または切刃と直交する断面が凸曲線をなすようにして上記取付孔側に向かうに従い上記インサート本体の下面側に向かう凸曲面部が形成されていて、上記コーナ刃または切刃と直交する断面において上記凸曲面部がなす凸曲線の両端を通る直線が上記厚さ方向に垂直な平面に対してなす角度が、該コーナ刃および切刃の少なくとも一部において他の部分と異なる角度とされていることを特徴とするインサート。
  2. 上記コーナ刃または切刃と直交する断面において上記凸曲面部がなす凸曲線の曲率半径が、該コーナ刃および切刃の全長に亙って等しくされていることを特徴とする請求項1に記載のインサート。
  3. 上記凹部の底面の上記取付孔の上面側開口縁部側には、上記コーナ刃または切刃と直交する断面が凹曲線をなすようにして上記凸曲面部から上記取付孔側に向かうに従いさらに上記インサート本体の下面側に向かう凹曲面部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインサート。
  4. 上記切刃は、上記コーナ刃の一端と該切刃の上記コーナ刃とは反対側の端部とを結ぶ1の直線状、または互いに鈍角に交差する複数の直線からなる折れ線状に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のインサート。
  5. 上記切刃は、上記コーナ刃の一端に連なる主切刃と、この主切刃に連なって該切刃の上記コーナ刃とは反対側の端部に達し、該主切刃との交点におけるこの主切刃の延長線に対して上記上面の内側に後退する副切刃を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のインサート。
  6. 軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に、ポジティブインサートとされた請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のインサートが、上記インサート本体の上面を上記工具本体の回転方向に向けるとともに、この上面の角部に形成された上記すくい面先端の上記コーナ刃を上記工具本体の先端部の外周側に突出させて、上記取付孔に挿通されるクランプ部材により着脱可能に取り付けられており、この取付状態において、上記コーナ刃の一端に連なる上記一方の辺稜部に形成された上記切刃は、該コーナ刃の一端から上記工具本体の内周側に向かうに従い先端側に傾斜するように該工具本体の先端側に突出させられるとともに、上記コーナ刃の他端に連なる上記他方の辺稜部は上記軸線方向後端側に向かうに従い上記工具本体の内周側に傾斜するように配設され、さらに上記切刃の内側の上記すくい面に形成された上記凹部の底面が、上記軸線方向後端側に向かうに従い上記回転方向の後方側に向かうように延びていることを特徴とするスローアウェイ式切削工具。
  7. 上記クランプ部材は頭部を有するクランプネジであって、このクランプネジが上記取付孔に挿通されて上記工具本体にねじ込まれることにより、上記頭部が該取付孔の内周を押圧して上記インサートが該工具本体に取り付けられ、この取付状態においては上記頭部が上記取付孔の上面側開口縁部から上記インサート本体の下面側に没入していることを特徴とする請求項6に記載のスローアウェイ式切削工具。
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