JP2017159440A - 切削インサートおよび刃先交換式切削工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】切屑の排出をコントロールして、インサート本体の欠損およびクランプネジの頭部や被削材の加工壁面への擦過を防ぐ。
【解決手段】互いに背を向けた第1、第2の多角形面2と、これら第1、第2の多角形面2の周囲に配置される側面3とを備えた多角形板状のインサート本体1を有し、第1の多角形面2のコーナ部のうち第1のコーナ部C1にはコーナ刃5が形成され、コーナ刃5から第1の多角形面2の周方向に第1のコーナ部C1に隣接する第2のコーナ部C2にかけては主切刃6が形成され、コーナ刃5から第1の多角形面2の周方向において主切刃6が延びる側とは反対側には副切刃7が形成され、コーナ刃5の主切刃6側の部分には、主切刃6に向かうに従い第2の多角形面2側に凹む凹曲線を描きつつ第2の多角形面2側に向かって延びるコーナ刃凹曲線状部5Aが形成される。
【選択図】図4
【解決手段】互いに背を向けた第1、第2の多角形面2と、これら第1、第2の多角形面2の周囲に配置される側面3とを備えた多角形板状のインサート本体1を有し、第1の多角形面2のコーナ部のうち第1のコーナ部C1にはコーナ刃5が形成され、コーナ刃5から第1の多角形面2の周方向に第1のコーナ部C1に隣接する第2のコーナ部C2にかけては主切刃6が形成され、コーナ刃5から第1の多角形面2の周方向において主切刃6が延びる側とは反対側には副切刃7が形成され、コーナ刃5の主切刃6側の部分には、主切刃6に向かうに従い第2の多角形面2側に凹む凹曲線を描きつつ第2の多角形面2側に向かって延びるコーナ刃凹曲線状部5Aが形成される。
【選択図】図4
Description
本発明は、刃先交換式切削工具に着脱可能に取り付けられる切削インサート、および該切削インサートが着脱可能に取り付けられた刃先交換式切削工具に関するものである。本願は、2016年3月3日に日本に出願された特願2016−041540号について優先権を主張し、その内容をここに援用する。
このような切削インサートとして、例えば特許文献1には、3つずつの主コーナと副コーナを上下面に交互に有する実質的に六角形板状のインサート本体を備え、上面の3つの主コーナのうち第1主コーナから隣接する2つの副コーナに向かって順に、コーナ刃と、コーナ刃から離れるにつれて下面に向かって傾斜する直線状の副切刃と、副切刃から離れるにつれて副切刃よりも大きな角度で下面に向かって傾斜する主切刃とが形成され、これら第1主コーナから隣接する2つの副コーナに向かって延びる部位が同一形状である、いわゆる勝手無しの切削インサートが記載されている。
ところが、この特許文献1に記載された切削インサートを、軸線回りに回転される工具本体の先端部に形成されたインサート取付座に、上記コーナ刃を工具本体の先端外周側に突出させるとともに、このコーナ刃に連なる1組の副切刃と主切刃を工具本体の外周側に位置させ、他の1組の副切刃と主切刃を工具本体の先端側に位置させて取り付けることにより切削を行うと、工具本体の外周側に位置した副切刃が直線状であるため、この副切刃によって生成された切屑は弦巻状にカールされ難く、副すくい面である上記上面を延び気味に流れ出てしまう。
そして、このように延び気味に流れ出た切屑は排出をコントロールすることが難しく、例えば上面の3つの主コーナのうち、切削に使用される主コーナ以外の残りの2つの未使用主コーナに切屑が衝突すると、この未使用主コーナにおいてインサート本体に欠損が生じて切削に使用することができなくなるおそれがある。また、切削インサートをインサート取付座にクランプするクランプネジの頭部を切屑が擦過すると、早期にクランプネジを交換しなければならなくもなる。さらに、こうしてコントロールを失った切屑が工具本体外周側に向けられた副切刃および主切刃からさらに外周側に延びると、被削材の加工壁面を擦過して傷つけてしまうおそれもある。
本発明は、このような背景の下になされたもので、工具本体の外周側に位置させられる切刃によって生成される切屑の排出をコントロールして、インサート本体の欠損およびクランプネジの頭部や被削材の加工壁面への擦過を防ぐことが可能な切削インサート、および該切削インサートが着脱可能に取り付けられた刃先交換式切削工具を提供することを目的としている。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の切削インサートは、互いに背を向けた第1、第2の多角形面と、これら第1、第2の多角形面の周囲に配置される側面とを備えた多角形板状のインサート本体を有し、上記第1の多角形面のコーナ部のうち第1のコーナ部には、この第1の多角形面にコーナすくい面を有するコーナ刃が形成され、このコーナ刃から上記第1の多角形面の周方向において上記第1のコーナ部に隣接する第2のコーナ部にかけては、上記コーナすくい面に連なる主すくい面を上記第1の多角形面に有する主切刃が形成されるとともに、上記コーナ刃から上記第1の多角形面の周方向において上記主切刃が延びる側とは反対側には、上記コーナすくい面に連なる副すくい面を上記第1の多角形面に有する副切刃が形成されており、上記コーナ刃の上記主切刃側の部分には、該主切刃に向かうに従い上記第2の多角形面側に凹む凹曲線を描きつつ該第2の多角形面側に向かって延びるコーナ刃凹曲線状部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の刃先交換式切削工具は、軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に形成されたインサート取付座に、上記構成の切削インサートが、上記コーナ刃を上記工具本体の先端外周側に突出させるとともに、このコーナ刃に連なる上記主切刃を上記工具本体の外周側に、上記副切刃を上記工具本体の先端側にそれぞれ位置させ、これらのコーナ刃、主切刃、および副切刃に連なる上記コーナすくい面、主すくい面、および副すくい面を工具回転方向に向けて着脱可能に取り付けられていることを特徴とする。
このように工具本体に取り付けられる上記構成の切削インサートにおいては、工具本体の先端外周側に突出させられたコーナ刃の工具本体外周側に向けられる主切刃側部分に、第2の多角形面側に凹む凹曲線を描きつつ第2の多角形面側に向かって延びるコーナ刃凹曲線状部が形成されている。従って、コーナ刃および主切刃によって生成される切屑の工具本体先端側部分は、このコーナ刃凹曲線状部によって生成されることになる。
そして、こうして凹曲線状をなすコーナ刃凹曲線状部によって生成された切屑は、その先端部が断面凹曲線状に曲折させられることにより巻癖が付けられ、小さな半径でカールされつつ主すくい面の内側を主すくい面に沿って弦巻状に第2のコーナ部に向けて延び、折れ曲がったこの第2のコーナ部から排出されるようにコントロールされる。このため、第1の多角形面にコーナ刃が形成された他の第1のコーナ部があっても、切屑が未使用の他の第1のコーナ部に衝突してインサート本体に欠損が生じるのを防ぐことができ、またクランプネジの頭部や被削材の加工壁面に切屑が擦過するのも避けることができる。
さらに、上記副すくい面に、上記副切刃に沿った方向において上記第2の多角形面とは反対側に凸となる凸曲面部を、上記コーナ刃凹曲線状部の内側に形成することにより、コーナ刃凹曲線状部によって生成された切屑の先端部をこの凸曲面部に摺接させて切屑に抵抗を与えることができ、この抵抗によっても切屑を小さな半径にカールさせて弦巻状に延びるように排出をコントロールすることができる。このため、一層確実にインサート本体の欠損を防止するとともに、頭部への擦過によるクランプネジの早期交換や加工壁面への擦過による加工面粗さの劣化を防ぐことができる。
また、上記インサート本体は、上記第1、第2の多角形面の中心を通るインサート中心線回りに120°ずつ回転対称形状であるとともに、上記第1、第2の多角形面に関して表裏反転対称形状の六角形板状に形成されており、これら第1、第2の多角形面には3つずつの上記第1、第2のコーナ部が、周方向には交互に、上記インサート中心線方向には互いに反対側に配置されているとともに、上記第1、第2の多角形面同士では、上記コーナ刃から上記主切刃と副切刃が上記インサート本体の周方向に反対向きに延びるように形成することにより、1つのインサート本体で表裏の第1、第2の多角形面(六角形面)3回ずつの合計6回の第1のコーナ部を切削に使用することが可能となる。
さらに、上記インサート本体の側面は、上記インサート中心線に平行に延びるように形成して、ネガティブタイプの切削インサートとすれば、コーナ刃や主切刃、副切刃の刃物角を確保して刃先強度を向上させることができる。
さらにまた、上述のようにインサート本体を上記インサート中心線回りに120°ずつ回転対称形状とするとともに、第1、第2の多角形面に関して表裏反転対称形状の六角形板状に形成した場合には、上記主切刃と副切刃は、上記コーナ刃から離間するに従い互いに反対の多角形面側に向かって延びて、周方向に隣接する上記主切刃と副切刃は上記第2のコーナ部において接続されるように形成し、この第2のコーナ部において上記主切刃と副切刃が上記インサート中心線方向に最も凹んだ位置から、上記第1のコーナ部において上記コーナ刃が上記インサート中心線方向に最も突出した位置までの該インサート中心線方向における刃先段差量hを、上記第1のコーナ部における上記第1、第2の多角形面のコーナ刃の上記インサート中心線方向に最も突出した位置同士の該インサート中心線方向の間隔である総刃先高さHに対して、h/H>0.21とすることにより、第1、第2の多角形面における第1、第2のコーナ部の段差を大きく確保して、弦巻状に延びた切屑を第2のコーナ部から一層排出され易くすることができる。
また、このように上記インサート本体が上記第1、第2の多角形面の中心を通るインサート中心線を有している場合に、上記副切刃は、上記コーナ刃から離間する方向に向けて順に、上記コーナ刃に接する直線状または上記インサート中心線方向に凸となる凸曲線状のサライ刃と、このサライ刃に接して上記インサート中心線方向に凸となる凸曲線を描く副切刃凸曲線状部と、この副切刃凸曲線状部に接して上記インサート中心線方向に凹となる凹曲線を描く副切刃凹曲線状部とを備えていてもよい。工具本体の先端側に位置させられる副切刃の上記サライ刃によって被削材の加工底面を平滑に仕上げることができるとともに、インサート中心線方向に凹となる副切刃凹曲線状部によって特にランピング加工の際の加工底面に対する副切刃の逃げ量を確保することができる。
また、上記副切刃はさらに、上記コーナ刃から離間する方向に向けて順に、上記副切刃凹曲線状部に接する直線状の副切刃直線状部と、この副切刃直線状部に接して上記インサート中心線方向に凹となる凹曲線を描いて隣接する上記主切刃に接続される接続部とを備えていてもよい。
さらにまた、上記副切刃は、上記副すくい面と交差する上記インサート本体の側面に副逃げ面を有しており、この副逃げ面に垂直に対向する方向から見て、上記コーナ刃と上記サライ刃との接点と、該副切刃が上記インサート中心線方向に最も凹んだ位置とを結んだ直線が、上記インサート中心線方向に垂直な平面に対して14°よりも大きい角度をなしていることによっても、ランピング加工の際の加工底面に対する副切刃の逃げ量を確保することができる。
また、このように副切刃が、上記副すくい面と交差する上記インサート本体の側面に副逃げ面を有している場合には、この副逃げ面を、上記第1の多角形面の周方向に向けて鈍角に交差するように折れ曲がる複数の副逃げ面部を備えたものとすることにより、副切刃は、これら複数の副逃げ面部のうち最も上記第1のコーナ部側の第1の副逃げ面部と副すくい面との交差稜線部に形成され、この第1の副逃げ面部よりも第2のコーナ部側の副逃げ面部は副切刃によって形成される加工面に対して鈍角に折れ曲がって後退することになる。このため、副逃げ面の摩耗幅を小さく抑えて背分力の増加による切削抵抗の増大を抑制することができる。
ただし、このような場合に、上記複数の副逃げ面部のうち、最も上記第1のコーナ部側の第1の副逃げ面部が、この第1の副逃げ面部と交差する第2の副逃げ面部の上記第1のコーナ部側への延長面に対してなす角度が小さすぎると、上述の効果を得ることができなくなるおそれがある一方、この角度が大きすぎると、例えば上述のようにインサート本体を第1、第2の多角形面に関して表裏反転対称形状の六角形板状に形成することが困難となるおそれがある。このため、上記角度は0.5°〜2.5°の範囲内とされるのが望ましい。
以上説明したように、本発明によれば、弦巻状の切屑が主すくい面の内側を主すくい面に沿って第2のコーナ部から排出されるようにコントロールすることができ、未使用の第1のコーナ部に切屑が衝突してインサート本体に欠損が生じるのを防いでインサート寿命の延長を図るとともに、頭部に切屑が擦過して摩耗することによりクランプネジの早期交換を要したり、被削材の加工壁面に切屑が擦過して加工面粗さが損なわれたりするのも防止することができる。
図1ないし図14は本発明の切削インサートの第1の実施形態を示すものであり、図15ないし図21は本発明の刃先交換式切削工具の一実施形態を示すものであり、図22は上記実施形態の切削インサートによって切屑が生成される状態を示すものである。本実施形態の切削インサートは、そのインサート本体1が超硬合金等の硬質材料により偏六角形の板状に形成され、互いに背を向けた2つの六角形面(第1、第2の多角形面)2と、これらの六角形面2の周囲に配置される側面3とを備えている。
2つの六角形面2の中央には、インサート本体1を貫通する断面円形の取付孔4が開口しており、インサート本体1は、この取付孔4の中心を通るインサート中心線C回りに120°ずつ回転対称形状であるとともに、2つの六角形面2に関して表裏反転対称形状である。なお、この取付孔4の六角形面2における開口部の周りは円環状のインサート中心線Cに垂直な平面部2aとされている。また、インサート中心線C方向から見たときの六角形面2の各辺の長さは略等しくされている。
2つの六角形面2の各6つのコーナ部は、該六角形面2の周方向に交互に第1のコーナ部C1と第2のコーナ部C2とされており、第1のコーナ部C1において交差する六角形面2の2つの辺稜部の挟角は、第2のコーナ部C2において交差する六角形面2の2つの辺稜部の挟角よりも小さく、従って120°よりも小さく、略90°に設定されている。また、2つの六角形面2同士では、一方の六角形面における第1のコーナ部C1のインサート中心線C方向反対側に他方の六角形面2の第1のコーナ部C1が位置し、一方の六角形面2における第2のコーナ部C2のインサート中心線C方向反対側に他方の六角形面2の第2のコーナ部C2が位置している。
第1のコーナ部C1には、各六角形面2にコーナすくい面5aを有し、インサート中心線C方向から見て凸円弧等の凸曲線状をなすコーナ刃5が形成されている。また、このコーナ刃5から六角形面2の周方向において第1のコーナ部C1の一方の側(図3において反時計回り方向側)に隣接する第2のコーナ部C2にかけては、コーナすくい面5aに連なる主すくい面6aを各六角形面2に有する主切刃6が形成され、コーナ刃5から六角形面2の周方向において主切刃6が延びる側とは反対の他方の側(図3において時計回り方向側)には、やはりコーナすくい面5aに連なる副すくい面7aを各六角形面2に有する副切刃7が形成されている。
従って、インサート本体1が2つの六角形面2について表裏反転対称形状とされた本実施形態の切削インサートでは、これら2つの六角形面2同士では、コーナ刃5から主切刃6と副切刃7がインサート本体1の周方向に反対向きに延びることになる。すなわち、1つの側面3に関しては、一方の六角形面2との交差稜線部に主切刃6が、他方の六角形面2との交差稜線部に副切刃7が形成されることになる。
また、上記側面3はインサート中心線Cに平行であり、第1のコーナ部C1における周方向に隣接する側面3同士の交差稜線部が凸曲面状に形成されてコーナ刃5のコーナ逃げ面とされるとともに、第1、第2のコーナ部C1、C2の間の部分は平面状に形成されて表裏の六角形面2の主切刃6の主逃げ面と副切刃7の副逃げ面とされる。すなわち、本実施形態の切削インサートはネガティブタイプの切削インサートである。
主切刃6は、その逃げ面とされる側面3に対向する方向から見て、インサート中心C線方向に凸となる凸曲線状、または直線状、若しくは凸曲線と直線とが滑らか連続した形状をなしており、コーナ刃5から離間するに従い反対の六角形面2側に後退するように傾斜して第2のコーナ部C2に達している。
一方、副切刃7は、同じくその逃げ面とされる側面3に対向する方向から見てコーナ刃5から離間する方向に向けて順に、コーナ刃5に接する直線状またはインサート中心線C方向に凸となる凸曲線状のサライ刃7Aと、このサライ刃7Aに接してインサート中心線C方向に凸となる凸曲線を描く副切刃凸曲線状部7Bと、この副切刃凸曲線状部7Bに接してインサート中心線C方向に凹となる凹曲線を描く副切刃凹曲線状部7Cとを備えている。
さらに、副切刃7は、この副切刃凹曲線状部7Cに接する直線状の副切刃直線状部7Dと、この副切刃直線状部7Dに接してインサート中心線C方向に凹となる凹曲線を描きつつ第2のコーナ部C2において隣接する主切刃6に接続される接続部7Eを備えている。従って、この接続部7Eがなす凹曲線の底が、本実施形態では六角形面2の副切刃7においてインサート中心線C方向に最も凹んだ位置Pとなる。
そして、コーナ刃5には、その主切刃6側に、主切刃6に向かうに従いインサート中心線C方向において反対の六角形面2側に凹む凹曲線を描きつつ、この反対の六角形面2側に向かって延びるコーナ刃凹曲線状部5Aが形成されている。なお、主切刃6のコーナ刃凹曲線状部5A側にも、このコーナ刃凹曲線状部5Aと同様に、反対の六角形面2側に凹む凹曲線を描きつつ反対の六角形面2側に向かって延びる凹曲線状部がコーナ刃凹曲線状部5Aに滑らかに連続するように形成されていてもよい。
また、コーナ刃5の副切刃7側には、コーナ刃凹曲線状部5Aに滑らかに連続してインサート中心線C方向に凸となる凸曲線を描きつつインサート中心線C方向に突出するコーナ刃凸曲線状部5Bが形成されており、このコーナ刃凸曲線状部5Bは副切刃7の上記サライ刃7Aに接するように滑らかに連続していて、このコーナ刃5とサライ刃7Aとの接点が六角形面2においてインサート中心線C方向に最も突出した位置Qとなる。なお、コーナ刃凹曲線状部5Aとコーナ刃凸曲線状部5Bとの境界(接点)は、例えば第1のコーナ部C1の二等分線上に位置している。
ここで、本実施形態では、第2のコーナ部C2において主切刃6と副切刃7がインサート中心線C方向に最も凹んだ位置(本実施形態では副切刃7の接続部7Eの底)Pから、第1のコーナ部C1においてコーナ刃5がインサート中心線C方向に最も突出した位置(本実施形態ではサライ刃7Aとの接点)Qまでのインサート中心線C方向の間隔を刃先段差量hとし、また第1のコーナ部C1における両六角形面2のコーナ刃5のインサート中心線C方向に最も突出した位置Q同士のインサート中心線C方向の間隔を総刃先高さHとしたとき、h/H>0.21となるように設定されている。本実施形態では、h/H=0.28である。
また、本実施形態では、副逃げ面とされる側面3に垂直に対向する方向から見て、コーナ刃5がインサート中心線C方向に最も突出した位置Qであるサライ刃7Aとの接点と、副切刃7がインサート中心線C方向に最も凹んだ位置Pとを結んだ直線Lが、インサート中心線C方向に垂直な平面に対して14°よりも大きい角度θをなすように設定されている。
なお、コーナすくい面5a、主すくい面6a、および副すくい面7aは、それぞれコーナ刃5、主切刃6、および副切刃7側にランドを有し、コーナ刃5、主切刃6、および副切刃7に垂直に六角形面2の内側に向かうに従い、インサート中心線Cに垂直な平面に対して略一定の傾斜でインサート中心線C方向に反対の六角形面2側に向かう第1すくい面と、この第1すくい面よりもインサート中心線Cに垂直な平面に対して大きな傾斜角で反対の六角形面2側に向かう第2すくい面とを有している。ただし、副すくい面7aには、図6に示すように副切刃7に沿った方向において、反対の六角形面2とは反対側に凸となる、すなわちインサート中心線C方向に凸となる凸曲面部7bが、該副切刃7が連なるコーナ刃5の上記コーナ刃凹曲線状部5Aの内側に形成されている。
このような切削インサートは、図15ないし図21に示すように軸線O回りに工具回転方向Tに回転される工具本体11の先端部外周に形成されたインサート取付座12にクランプネジ13によって着脱可能に取り付けられ、1組のコーナ刃5、主切刃6、および副切刃7を用いて切削加工に使用される。本実施形態では、工具本体11は軸線Oを中心とした外形略円盤状に形成されており、その先端部外周には後端側に延びるチップポケット14が形成されていて、インサート取付座12は、このチップポケット14の工具回転方向Tを向く壁面に、該壁面と工具本体11の先端面および外周面に開口する凹所として形成されている。本実施形態では、複数(7つ)のチップポケット14およびインサート取付座12が周方向に等間隔に形成されている。
インサート取付座12は、図20および図21に示すように工具回転方向Tを向く円環状の平坦な底面12aと、この底面12aに垂直に工具回転方向T側に立ち上がる、工具本体11の先端外周側を向く壁面12bおよび先端内周側を向く壁面12cとを備えている。底面12aは工具本体11の後端側に向かうに従い工具回転方向Tに向かうように僅かに傾斜しており、その中央部には上記クランプネジ13がねじ込まれるネジ孔12dが形成されている。また、底面12aと壁面12b、12cの間と、工具本体11の先端面および外周面と底面12aとの交差稜線部には、インサート本体1との干渉を防ぐ逃げ部が形成されている。
このようなインサート取付座12に、上記実施形態の切削インサートは、そのインサート本体1の1つの六角形面2を工具回転方向Tに向け、この1つの六角形面2の1つのコーナ刃5を工具本体11の先端外周側に突出させるとともに、このコーナ刃5に連なる主切刃6を工具本体11の外周側に向けて後端側に向かうに従い工具回転方向Tとは反対側に延びるように、また該コーナ刃5に連なる副切刃7を工具本体11の先端側に向けて内周側に向かうに従い僅かに後端側に向かうようにして着座させられる。このとき、副切刃7のサライ刃7Aは工具本体11の軸線Oに垂直な平面上に略位置させられ、インサート中心線Cは工具回転方向Tとは反対側に向かうに従い工具本体11の後端側に向かうように僅かに傾斜して配置される。
また、インサート本体1の上記1つの六角形面2とは反対の六角形面2は、その中央部の上記平面部2aがインサート取付座12の底面12aに密着し、さらに工具本体11の先端側に突出させられた副切刃7以外の上記1つの六角形面2における残り2つの副切刃7に連なるインサート本体1の2つの側面3がインサート取付座12の上記壁面12b、12cに当接させられる。なお、これらの壁面12b、12cの間の壁面は、こうして着座させられたインサート本体1と接触することはなく、対向する側面3との間に僅かな間隔があけられる。そして、取付孔4に挿通されたクランプネジ13がネジ孔12dにねじ込まれることにより、インサート本体1は、上記平面部2aが底面12aに押し付けられるとともに上記2つの側面3が壁面12b、12cに押し付けられてインサート取付座12に固定され、工具本体11に取り付けられる。
このようにして工具本体11に取り付けられる上記構成の切削インサートにおいては、工具本体11の先端外周側に突出させられたコーナ刃5の工具本体11の外周側に向けられる主切刃6側部分に、この主切刃6が形成された六角形面2とは反対の六角形面2側に凹む凹曲線を描きつつ該反対の六角形面2側に向かって延びるコーナ刃凹曲線状部5Aが形成されている。従って、コーナ刃5および主切刃6によって生成される切屑は、その切り込み深さに関わらず工具本体11の先端側部分が、このコーナ刃凹曲線状部5Aによって生成されることになる。
ここで、このような凹曲線状のコーナ刃凹曲線状部5Aによって生成された切屑は、その先端側部分が生成方向に直交する断面において同様に凹曲線状に曲折させられることになり、応力を受けて図22に示すように巻癖が付けられることにより小さな半径でカールさせられる。そして、こうしてカールさせられた切屑は、主すくい面6aの内側を主すくい面6aに沿って工具本体11の後端側、すなわち第2のコーナ部C2に向けて弦巻状に延び、六角形面2に対向する方向から見て鈍角に折れ曲がった第2のコーナ部C2から排出されるようにコントロールされる。
このため、工具本体11の先端外周部に突出したコーナ刃5やこれに連なる主切刃6によって生成された切屑が、工具回転方向Tに向けられた六角形面2の他の第1のコーナ部C1における未使用のコーナ刃5等に衝突するのを避けることができて、このような切屑の衝突により未使用のコーナ刃5の周辺に欠損が生じるのを防ぐことができる。また、切屑は上述のように主すくい面6aの内側を主すくい面6aに沿って流出するので、インサート本体固定するクランプネジ13や、コーナ刃5および主切刃6によって形成された被削材の加工壁面を擦過することもなく、クランプネジ13の頭部摩耗により早期の交換を要したり、加工面粗さが損なわれたりすることもない。
また、本実施形態では、このコーナ刃5に連なる副切刃7の副すくい面7aに、該副切刃7に沿った方向においてインサート中心線C方向に凸となる、すなわち上記反対の六角形面2とは反対側に凸となる凸曲面部7bが、コーナ刃凹曲線状部5Aの内側に形成されており、上述のように小さな半径でカールさせられた切屑は、この凸曲面部7bのコーナ刃凹曲線状部5A側の部分に摺接させられる。従って、切屑は、この凸曲面部7bとの摺接によって抵抗を受けることによっても、より小さな半径にカールさせられて弦巻状に延びるように排出がコントロールされるので、一層確実にインサート本体1の欠損やクランプネジ13の摩耗、加工面粗さの劣化を防ぐことができる。
さらに、本実施形態のインサート本体1は、2つの六角形面の中心を通るインサート中心線C回りに120°ずつ回転対称形状であるとともに、これら2つの六角形面2に関して表裏反転対称形状の六角形板状に形成され、該六角形面2には3つずつの第1、第2のコーナ部C1、C2が、周方向に交互に、記インサート中心線C方向には互いに反対側に配置されていて、これら2つの六角形面2同士では、コーナ刃5から主切刃6と副切刃7がインサート本体1の周方向に反対向きに延びるように形成されている。このため、1つのインサート本体1で表裏の六角形面2の3組のコーナ刃5、主切刃6、および副切刃7を切削に使用することが可能となり、効率的かつ経済的である。
さらにまた、本実施形態の切削インサートは、これらコーナ刃5、主切刃6、および副切刃7の逃げ面となるインサート本体1の側面3がインサート中心線Cに平行に延びるネガティブタイプの切削インサートとされている。このため、コーナ刃5や主切刃6、副切刃7の刃物角を比較的大きく確保して刃先強度を向上させ、これによってもインサート本体1の欠損を防止することができる。
一方、本実施形態では、主切刃6と副切刃7が、コーナ刃5から離間するに従い互いに反対の六角形面2側に向かって延びて、周方向に隣接する主切刃6と副切刃7とが第2のコーナ部C2において接続部7Eにおいて接続されており、この第2のコーナ部における接続部7Eが主切刃6と副切刃7においてインサート中心線C方向に最も凹んだ位置Pとなるように形成されている。このため、上述のように主すくい面6aの内側を主すくい面6aに沿って延びた切屑を、この最も凹んだ位置Pである第2のコーナ部C2から一層排出し易くすることができる。
そして、さらに本実施形態では、この第2のコーナ部C2において主切刃6と副切刃7がインサート中心線C方向に最も凹んだ位置Pから、第1のコーナ部C1においてコーナ刃5がインサート中心線C方向に最も突出した位置Qまでのインサート中心線C方向における刃先段差量hが、第1のコーナ部C1における2つの六角形面2のコーナ刃5のインサート中心線C方向に最も突出した位置Q同士のインサート中心線C方向の間隔である総刃先高さHに対して、h/H>0.21とされている。
すなわち、個々の六角形面2におけるコーナ刃5の高さである上記刃先段差量hが、インサート本体1の厚さである総刃先高さHに占める割合が大きく、コーナ刃5から主切刃6の終端までの高さが大きいので、上述のようにインサート中心線Cが工具回転方向Tとは反対側に向かうに従い工具本体11の後端側に向けて僅かに傾斜するようにインサート本体1をインサート取付座12に取り付けても、主切刃6を工具本体11の後端側に向かうに従い工具回転方向Tとは反対側に延びるようにして、その軸方向すくい角を正角とすることができ、切屑が確実に第2のコーナ部C2から排出されるようにコントロールすることができる。
さらに、こうして刃先段差量hを総刃先高さHに対してh/H>0.21と比較的大きな割合とすることにより、工具本体11の先端側に向けられる副切刃7においては、コーナ刃5から上記接続部7Eの最も凹んだ位置Pまでの凹み量が大きくなることになる。このため、この副切刃7の逃げ面となる側面3の逃げ角が同じならば、h/Hが小さい切削インサートと比べて副切刃7の逃げ量を大きく確保することができ、例えば工具本体11を軸線Oに関して斜め先端側に送り出すランピング加工や軸線O方向に送り出すプランジ加工においても、副切刃7の第2のコーナ部C2側の部分が加工底面と干渉するのを避けることができる。
なお、これらの効果は、側面3に垂直に対向する方向から見て、コーナ刃5がインサート中心線C方向に最も突出した位置Qと、副切刃7がインサート中心線C方向に最も凹んだ位置Pとを結んだ直線Lを、インサート中心線C方向に垂直な平面に対して14°よりも大きい角度θをなすように設定することによっても得ることができる。ここで、刃先段差量hが総刃先高さHに対してh/H≦0.21であったり、上記角度θが14°未満であったりすると、これらの効果が得られなくなるおそれがある。
また、このような効果をより一層確実に奏するには、刃先段差量hが総刃先高さHに対してh/H>0.23であるのが望ましく、h/H>0.25であるのがより望ましい。ただし、h/Hが大きくなりすぎると、2つの六角形面2間のインサート本体1の厚さが薄くなりすぎ、強度不足によってインサート本体1が欠損し易くなるため、h/H≦0.33であるのが望ましい。
さらにまた、本実施形態では、上記副切刃7が、コーナ刃5に接する直線状またはインサート中心線C方向に凸となる凸曲線状のサライ刃7Aを備えており、工具本体11を軸線Oに垂直な方向に送り出す通常のフライス加工の場合には、このサライ刃7Aによって加工底面を平滑に仕上げることができる。また、このサライ刃7Aのコーナ刃5とは反対側にはインサート中心線C方向に凸となる凸曲線を描く副切刃凸曲線状部7Bが連続しており、上記ランピング加工やプランジ加工の場合には、この副切刃凸曲線状部7Bを用いて切削を行うことができる。
さらに、この副切刃凸曲線状部7Bのコーナ刃5とは反対側には、副切刃凸曲線状部7Bに接してインサート中心線C方向に凹となる凹曲線を描く副切刃凹曲線状部7Cが形成されており、この副切刃凹曲線状部7Cではサライ刃7Aや副切刃凸曲線状部7Bと比べて、側面3に垂直に対向する方向から見て副切刃7が第2のコーナ部C2側に向かうときにインサート中心線C方向に凹む割合が大きくなる。このため、副切刃7の第2のコーナ部C2側の部分の逃げ量をより大きく確保して、ランピング加工やプランジ加工の際に加工底面と干渉するのを一層確実に防止することができる。
また、本実施形態では、副切刃7がさらに、上記副切刃凹曲線状部7Cに接する直線状の副切刃直線状部7Dと、この副切刃直線状部7Dに接してインサート中心線O方向に凹となる凹曲線を描いて隣接する主切刃6に接続される接続部7Eとを備えていて、この副切刃直線状部7Dによって副切刃凹曲線状部7Cと接続部7Eとの間の副切刃7の切刃強度を確保している。ただし、この副切刃直線状部7Dの部分は、副切刃凹曲線状部7Cと接続部7Eを延長して連続させた凹曲線状であってもよい。なお、本実施形態では、本発明を上述のようにインサート本体1の側面3がインサート中心線Cに平行ネガティブタイプの切削インサートに適用した場合について説明したが、ポジティブタイプの切削インサートに適用することも可能である。
次に、図23ないし図29は、本発明の切削インサートの第2の実施形態を示すものであり、図1ないし図に示した第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配して説明を省略する。この第2の実施形態の切削インサートにおいては、第1の実施形態と同様に上記副切刃7が上記副すくい面7aと交差するインサート本体1の側面3に副逃げ面を有しているが、第1の実施形態ではこの副逃げ面とされるインサート本体1の側面3が、第1、第2のコーナ部C1、C2の間で平面状に形成されていたのに対し、副逃げ面とされる側面3が、第1の多角形面である六角形面2の周方向に向けて鈍角に交差するように折れ曲がる複数(2つ)の副逃げ面部3a、3bを備えていることを特徴とする。
すなわち、この第2の実施形態において副逃げ面とされる側面3には、上記副切刃7が形成された六角形面2の第1のコーナ部C1側から順に、周方向の幅が狭い平面状の第1の副逃げ面部3aと、周方向の幅が第1の副逃げ面部3aよりも広いやはり平面状の第2の副逃げ面部3bとが形成されており、これら第1、第2の副逃げ面部3a、3bが周方向に向けて鈍角に交差している。なお、図29に示すように、最も第1のコーナ部C1の第1の副逃げ面部3aが、この第1の副逃げ面部3aと交差する第2の副逃げ面部3bの第1のコーナ部C1側への延長面Sに対してなす角度αは、本実施形態では0.5°〜2.5°の範囲内とされ、特に1.5°とされている。
このような第2の実施形態の切削インサートにおいては、第2の副逃げ面部3bと副すくい面7aとの交差稜線部は、第1の副逃げ面部3aと副すくい面7aとの交差稜線部の第2のコーナ部C2側への延長線に対して、コーナ刃5から離れるに従い漸次離間するように後退することになる。このため、第1の副逃げ面部3aと副すくい面7aとの交差稜線部に形成された副切刃7を上記サライ刃7Aとして上述のように工具本体11の軸線Oに垂直な平面上に略位置させると、第2の副逃げ面部3bと副すくい面7aとの交差稜線部は上記軸線Oに垂直な平面すなわちサライ刃7Aによる被削材の加工面に対しても鈍角に折れ曲がって第2のコーナ部C2側に向かうに従い軸線O方向の後端側に後退する。
従って、この第2の実施形態の切削インサートによれば、切削による副切刃7の摩耗を幅の狭い第1の副逃げ面部3aと副すくい面7aとの交差稜線部に形成されたサライ刃7A部分に抑えることができ、摩耗幅が大きくなるのを防ぐことができて、摩耗幅が大きくなることによる背分力の増加を抑えて切削抵抗の増大を抑制し、安定した切削加工を行うことが可能となる。しかも、第2のコーナ部C2を介して隣接する幅の広い第2の副逃げ面部3bの交差角を第1の実施形態と等しくすれば、この第1の実施形態の切削インサートが取り付けられる刃先交換式切削工具の工具本体11に形成されたインサート取付座12に第2の実施形態の切削インサートをそのまま取り付けることが可能である。
なお、このような第2の実施形態の切削インサートにおいて、上記複数の副逃げ面部3a、3bのうち、最も第1のコーナ部C1側の第1の副逃げ面部3aが、第1の副逃げ面部3aと交差する第2の副逃げ面部3bの第1のコーナ部C1側への上記延長面Sに対してなす角度αが小さすぎると、第1、第2の副逃げ面部3a、3bが1つの平面に近くなって摩耗幅を小さくすることができず、上述の効果を得ることができなくなるおそれがある。その一方で、この角度αが大きすぎると、例えば本実施形態のようにインサート本体を第1、第2の多角形面2に関して表裏反転対称形状の六角形板状に形成することが困難となるおそれがあるので、上記角度αは0.5°〜2.5°の範囲内とされるのが望ましい。
以上説明したように、本発明の切削インサートおよび刃先交換式切削工具によれば、弦巻状の切屑が主すくい面の内側を主すくい面に沿って第2のコーナ部から排出されるようにコントロールすることができ、未使用の第1のコーナ部に切屑が衝突してインサート本体に欠損が生じるのを防いでインサート寿命の延長を図るとともに、頭部に切屑が擦過して摩耗することによりクランプネジの早期交換を要したり、被削材の加工壁面に切屑が擦過して加工面粗さが損なわれたりするのも防止することができる。従って、産業上の利用が可能である。
1 インサート本体
2 六角形面(第1、第2の多角形面)
3 側面
3a 第1の副逃げ面部
3b 第2の副逃げ面部
4 取付孔
5 コーナ刃
5a コーナすくい面
5A コーナ刃凹曲線状部
5B コーナ刃凸曲線状部
6 主切刃
6a 主すくい面
7 副切刃
7a 副すくい面
7b 凸曲面部
7A サライ刃
7B 副切刃凸曲線状部
7C 副切刃凹曲線状部
7D 副切刃直線状部7D
7E 接続部
11 工具本体
12 インサート取付座
13 クランプネジ
C インサート中心線
C1 第1のコーナ部
C2 第2のコーナ部
P 第2のコーナ部C2において主切刃6と副切刃7がインサート中心線C方向に最も凹んだ位置
Q 第1のコーナ部C1においてコーナ刃5がインサート中心線C方向に最も突出した位置
h 刃先段差量
H 総刃先高さ
L 側面3(副逃げ面)に垂直に対向する方向から見て、コーナ刃5とサライ刃7Aとの接点(位置Q)と位置Pとを結んだ直線
S 第2の副逃げ面部3bの第1のコーナ部C1側への延長面
θ 側面3(副逃げ面)に垂直に対向する方向から見て、直線Lがインサート中心線C方向に垂直な平面に対してなす角度
α 第1の副逃げ面部3aが第2の副逃げ面部3bの第1のコーナ部C1側への延長面Sに対してなす角度
O 工具本体11の軸線
T 工具回転方向
2 六角形面(第1、第2の多角形面)
3 側面
3a 第1の副逃げ面部
3b 第2の副逃げ面部
4 取付孔
5 コーナ刃
5a コーナすくい面
5A コーナ刃凹曲線状部
5B コーナ刃凸曲線状部
6 主切刃
6a 主すくい面
7 副切刃
7a 副すくい面
7b 凸曲面部
7A サライ刃
7B 副切刃凸曲線状部
7C 副切刃凹曲線状部
7D 副切刃直線状部7D
7E 接続部
11 工具本体
12 インサート取付座
13 クランプネジ
C インサート中心線
C1 第1のコーナ部
C2 第2のコーナ部
P 第2のコーナ部C2において主切刃6と副切刃7がインサート中心線C方向に最も凹んだ位置
Q 第1のコーナ部C1においてコーナ刃5がインサート中心線C方向に最も突出した位置
h 刃先段差量
H 総刃先高さ
L 側面3(副逃げ面)に垂直に対向する方向から見て、コーナ刃5とサライ刃7Aとの接点(位置Q)と位置Pとを結んだ直線
S 第2の副逃げ面部3bの第1のコーナ部C1側への延長面
θ 側面3(副逃げ面)に垂直に対向する方向から見て、直線Lがインサート中心線C方向に垂直な平面に対してなす角度
α 第1の副逃げ面部3aが第2の副逃げ面部3bの第1のコーナ部C1側への延長面Sに対してなす角度
O 工具本体11の軸線
T 工具回転方向
Claims (11)
- 互いに背を向けた第1、第2の多角形面と、これら第1、第2の多角形面の周囲に配置される側面とを備えた多角形板状のインサート本体を有し、
上記第1の多角形面のコーナ部のうち第1のコーナ部には、この第1の多角形面にコーナすくい面を有するコーナ刃が形成され、
このコーナ刃から上記第1の多角形面の周方向において上記第1のコーナ部に隣接する第2のコーナ部にかけては、上記コーナすくい面に連なる主すくい面を上記第1の多角形面に有する主切刃が形成されるとともに、
上記コーナ刃から上記第1の多角形面の周方向において上記主切刃が延びる側とは反対側には、上記コーナすくい面に連なる副すくい面を上記第1の多角形面に有する副切刃が形成されており、
上記コーナ刃の上記主切刃側の部分には、該主切刃に向かうに従い上記第2の多角形面側に凹む凹曲線を描きつつ該第2の多角形面側に向かって延びるコーナ刃凹曲線状部が形成されていることを特徴とする切削インサート。 - 上記副すくい面には、上記副切刃に沿った方向において上記第2の多角形面とは反対側に凸となる凸曲面部が、上記コーナ刃凹曲線状部の内側に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
- 上記インサート本体は、上記第1、第2の多角形面の中心を通るインサート中心線回りに120°ずつ回転対称形状であるとともに、上記第1、第2の多角形面に関して表裏反転対称形状の六角形板状に形成されており、
これら第1、第2の多角形面には3つずつの上記第1、第2のコーナ部が、周方向には交互に、上記インサート中心線方向には互いに反対側に配置されているとともに、
上記第1、第2の多角形面同士では、上記コーナ刃から上記主切刃と副切刃が上記インサート本体の周方向に反対向きに延びていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削インサート。 - 上記インサート本体の側面は、上記インサート中心線に平行に延びていることを特徴とする請求項3に記載の切削インサート。
- 上記主切刃と副切刃は、上記コーナ刃から離間するに従い互いに反対の多角形面側に向かって延びていて、周方向に隣接する上記主切刃と副切刃は上記第2のコーナ部において接続されており、
この第2のコーナ部において上記主切刃と副切刃が上記インサート中心線方向に最も凹んだ位置から、上記第1のコーナ部において上記コーナ刃が上記インサート中心線方向に最も突出した位置までの該インサート中心線方向における刃先段差量hが、
上記第1のコーナ部における上記第1、第2の多角形面のコーナ刃の上記インサート中心線方向に最も突出した位置同士の該インサート中心線方向の間隔である総刃先高さHに対して、
h/H>0.21であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の切削インサート。 - 上記インサート本体は、上記第1、第2の多角形面の中心を通るインサート中心線を有しており、上記副切刃は、上記コーナ刃から離間する方向に向けて順に、上記コーナ刃に接する直線状または上記インサート中心線方向に凸となる凸曲線状のサライ刃と、このサライ刃に接して上記インサート中心線方向に凸となる凸曲線を描く副切刃凸曲線状部と、この副切刃凸曲線状部に接して上記インサート中心線方向に凹となる凹曲線を描く副切刃凹曲線状部とを備えていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
- 上記副切刃はさらに、上記コーナ刃から離間する方向に向けて順に、上記副切刃凹曲線状部に接する直線状の副切刃直線状部と、この副切刃直線状部に接して上記インサート中心線方向に凹となる凹曲線を描いて隣接する上記主切刃に接続される接続部とを備えていることを特徴とする請求項6に記載の切削インサート。
- 上記副切刃は、上記副すくい面と交差する上記インサート本体の側面に副逃げ面を有しており、この副逃げ面に垂直に対向する方向から見て、上記コーナ刃と上記サライ刃との接点と、該副切刃が上記インサート中心線方向に最も凹んだ位置とを結んだ直線が、上記インサート中心線方向に垂直な平面に対して14°よりも大きい角度をなしていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の切削インサート。
- 上記副切刃は、上記副すくい面と交差する上記インサート本体の側面に副逃げ面を有しており、この副逃げ面は、上記第1の多角形面の周方向に向けて鈍角に交差するように折れ曲がる複数の副逃げ面部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載の切削インサート。
- 上記複数の副逃げ面部のうち、最も上記第1のコーナ部側の第1の副逃げ面部が、この第1の副逃げ面部と交差する第2の副逃げ面部の上記第1のコーナ部側への延長面に対してなす角度が、0.5°〜2.5°の範囲内とされていることを特徴とする請求項9に記載の切削インサート。
- 軸線回りに回転される工具本体の先端部外周に形成されたインサート取付座に、請求項1から請求項10のうちいずれか一項に記載の切削インサートが、上記コーナ刃を上記工具本体の先端外周側に突出させるとともに、このコーナ刃に連なる上記主切刃を上記工具本体の外周側に、上記副切刃を上記工具本体の先端側にそれぞれ位置させ、これらのコーナ刃、主切刃、および副切刃に連なる上記コーナすくい面、主すくい面、および副すくい面を工具回転方向に向けて着脱可能に取り付けられていることを特徴とする刃先交換式切削工具。
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