JP2006281391A - インサート及びインサート着脱式穴あけ工具 - Google Patents

インサート及びインサート着脱式穴あけ工具 Download PDF

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Abstract

【課題】 菱形平板状のインサートを確実に4回使用することができるインサート及びこのインサートを装着したインサート着脱式穴あけ工具を提供する。
【解決手段】 外形が菱形平板状をなし、菱形面をなす上面12と上面12に交差する側面13a、13bとを有するインサート11であって、側面13a、13bの延長面が互いに鋭角で交差する部分にはノーズ部16が設けられ、ノーズ部16に連なる一対の側面13a、13bのうち、一方の側面13aと上面12との交差稜線部に第1切刃17が形成され、他方の側面13bと上面12との交差稜線部に第2切刃18が形成されており、ノーズ部16と上面12との交差稜線部には、第1切刃17と連なる第1コーナ刃19と、第1コーナ刃19と交差するように連なる第2コーナ刃20と、第2コーナ刃20と第2切刃18との間に配置され、インサート11の内方へ凹んだ凹部21とが備えられていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インサート着脱式ドリル等の穴あけ工具に装着されるインサート、及び該インサートを装着したインサート着脱式穴あけ工具に関する。
被切削材に穴あけ加工を施す穴あけ工具として、工具本体の先端側に、切刃を有するインサートを装着したインサート着脱式ドリルが広く使用されている。この種のインサート着脱式ドリルは、前記工具本体をその軸線回りに回転するとともに軸線方向に送ることにより、前記インサートの工具本体先端側に向けられた切刃と工具本体外周側に向けられた切刃によって被切削材を切削して加工穴を形成するものである。
従来のインサート着脱式ドリルにおいては、例えば特許文献1に開示されているように外形が概略菱形平板状とされたインサートを2枚装着したものが提供されている(特許文献1参照。)。この構成のインサート着脱式ドリルは、円柱状の工具本体の先端面の工具本体径方向外側に配置され外刃とされるインサートと、前記先端面の工具本体径方向内側に配置され内刃とされるインサートとが、軸線を挟んで互いに反対側を向くように装着されている。そして、外刃とされるインサートの回転軌跡と内刃とされるインサートの回転軌跡とを重ね合わせた際に、工具本体の先端面及び外周面をこれらのインサートの切刃が連なるように配置されており、被切削材に加工穴を形成することができるものである。
前記のインサート着脱式ドリルに装着されるインサートは、菱形面をなす上面とこの上面に交差する4つの側面を有しており、これら上面と側面との交差稜線部に切刃が形成されている。つまり、菱形面の4つの辺稜部に切刃が形成されているのである。
ここで、外刃とされるインサートでは、菱形面の鋭角で交差する一対の切刃のうちの一方の切刃が工具本体先端側に向けられ、内刃とされるインサートでは、菱形面の鋭角で交差する一対の切刃のうちの他方の切刃が工具本体先端側に向けられて配置されている。
前記の菱形平板状に形成されたインサートは、すくい面とされる菱形面の鋭角角度で交差する2つの切刃の一方を外刃として使用し、他方を内刃として使用して、このインサートがポジティブインサートであっても、ひとつのインサートで4回使用でき、インサートの効率的な利用を図ったものである。
特許第3468141号公報
ところで、前記の構成のインサートでは、外刃として使用する切刃と内刃として使用する切刃とが同一の鋭角角部を介して連続することになり、例えば内刃として使用した際の切刃の摩耗や欠損が外刃として使用する切刃にまで拡がってしまい、内刃として使用できなくなるといった問題があった。また、逆に前記切刃の一方を外刃として使用した際には、これに鋭角角部を介して連続する前記切刃の他方は、工具本体外周側に向けられることになるが、この場合にも外刃として使用される前記切刃の一方から他方へ摩耗や欠損が拡大するおそれがあり、しかもこの場合には、この切刃の他方に工具本体後端側に向けて内側に後退するように逃げを与えても、その先端側部分は加工穴の内周面に摺接することになるため、一層摩耗や欠損が拡大し易くなるおそれもある。この摩耗の拡大によって、このインサートを実際には4回使用することができず、使用現場においては例えば菱形面の一つの鋭角角部の切刃の一方を外刃として1回、もう一つの鋭角角部の切刃の他方を内刃として1回の計2回使用した時点で廃棄されていた。
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、菱形平板状のインサートを確実に4回使用することができるインサート及びこのインサートを装着したインサート着脱式穴あけ工具を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、この発明は、外形が菱形平板状をなし、菱形面をなす上面と該上面に交差する側面とを有し、前記上面がすくい面とされ、前記側面が逃げ面とされ、軸線回りに回転されるインサート着脱式穴あけ工具の工具本体先端に、前記軸線から離れた位置に外刃として、また前記軸線近傍に内刃として、それぞれ着脱自在に装着可能とされるインサートであって、前記側面の延長面が互いに鋭角で交差する部分にはノーズ部が設けられ、該ノーズ部に連なる一対の側面のうち、一方の側面と前記上面との交差稜線部に第1切刃が形成され、他方の側面と前記上面との交差稜線部に第2切刃が形成されており、前記ノーズ部と前記上面との交差稜線部には、前記第1切刃と連なる第1コーナ刃と、該第1コーナ刃と交差するように連なる第2コーナ刃と、該第2コーナ刃と前記第2切刃との間に配置され、前記インサートの内方へ凹んだ凹部とが備えられていて、前記外刃として装着される際には、前記第1切刃及び前記第1コーナ刃が前記工具本体先端側に向けられ、前記内刃として装着される際には、前記第2切刃が前記工具本体先端側に向けられるとともに前記第2コーナ刃は前記軸線を越えてセンターオーバーに配置されることを特徴とする。
また、本発明のインサート着脱式穴あけ工具は、前記のインサートを工具本体先端側に装着したことを特徴とする。
前記の構成のインサートにおいては、第2切刃と第2コーナ刃との間にインサートの内方へ凹んだ凹部が形成されていて、該インサートを内刃として装着したときには、第2コーナ刃が軸線を越えてセンターオーバーとなるように配置されるので、切削に使用される第2切刃の摩耗や欠損の拡大は、凹部によって防止され、第2コーナ刃やこれに交差する第1コーナ刃、第1切刃に拡がることがない。また、該インサートを外刃として装着して、第1切刃を工具本体先端側に向けて配置し、第2コーナ刃が工具本体外周側に向けて配置されたときには、第2コーナ刃が摩耗した場合であっても、摩耗が第2切刃まで広がることが凹部によって防止される。
したがって、菱形面の一つのノーズ部を外刃あるいは内刃として使用したあとに、このノーズ部を内刃あるいは外刃として使用することができ、菱形平板状のインサートを外刃として2回、内刃として2回、合計4回の使用を確実に可能とすることができるので、インサートの寿命を向上することができ、インサートの使用コストを低減できる。
また、前記第2コーナ刃に、円弧状の断面を有するランド部を形成することにより、当該インサートを外刃として使用して第2コーナ刃が工具本体外周側に向けられた際に、第2コーナ刃の強度を確保して欠損等を防ぎつつ、このランド部が加工穴の壁面に摺動することにより、切刃によって切削加工された加工面に対してバニシング加工を行うこととなり、加工穴の壁面の面粗さを向上することができる。そして、このようにランド部によってバニシングを行っても、第2コーナ刃と第2切刃との間には凹部が介在しているので、バニシングによる第2コーナ刃の摩耗が第2切刃に拡大することはない。
また、前記ノーズ部を、前記側面の前記延長面に対して前記インサートの内方に傾くように形成し、前記ノーズ部がなす角度を90°から120°の範囲内とすることにより、ノーズ部の強度を確保することができ、切削抵抗によるノーズ部の破損、欠損を防止することができ、インサートの寿命をさらに向上することができる。
また、前記上面にブレーカ溝を形成し、該ブレーカ溝の溝底面と前記上面とがなす角度を5°から30°の範囲内とすることにより、この溝底面が実質的にすくい面とされるので、すくい角を大きくして切削抵抗の低減を図ることができるとともに、切削時に発生する切削屑をブレーカ溝の底面に沿ってカールさせて折り曲げることにより細かくすることができ、切屑排出を促進することができる。よって、切屑によって加工穴の壁面を傷つけるトラブルや、切屑が加工穴に堆積することによって切削ができなくなるといったトラブルを防止できる。
また、前記ブレーカ溝を、前記第1切刃、前記第1コーナ刃、前記第2コーナ刃の内側に設けられた第1ブレーカ溝と、前記第2切刃の内側に設けられた第2ブレーカ溝とで構成し、これら第1ブレーカ溝と第2ブレーカ溝との間に、前記第1ブレーカ溝と前記第2ブレーカ溝とを分ける凸部を形成することにより、内刃あるいは外刃として使用したときの切屑が他方の溝底部に流れることが防止され、切屑によって他方の溝底部を摩耗させることを防止できる。
また、前記第1切刃及び前記第2切刃が設けられた前記交差稜線部に交差する前記側面を、前記上面から離れるに従い漸次前記インサートの内方へ後退するように前記上面に対して傾斜する傾斜面とし、該傾斜面と前記上面とが交差する角度を55°から80°の範囲内とすることにより、逃げ面となる側面に必要な逃げ角を確保しつつ、すくい角を大きくすることができるので、切れ味を鋭くして切削抵抗を小さくすることができる。したがって、切削抵抗による加工穴の変形が防止されて拡大代が小さく抑えられ、加工穴を寸法精度良く形成することができる。
以上のように、本発明によれば、菱形平板状のインサートを確実に4回使用することができるインサート及びこのインサートを装着したインサート着脱式穴あけ工具を提供することができる。
本発明の第1の実施形態について添付した図面を参照して説明する。
図1から図3に本発明の第1の実施形態であるインサートを示す。また、図4から図8に前記インサートが装着されたインサート着脱式穴あけ工具であるインサート着脱式ドリルを示す。
インサート11は、超硬合金等の硬質材料によって構成され、図1に示すように外形が菱形平板状に形成されており、菱形面をなす上面部12と、この上面部12に交差する4つの側面部13と、上面部12に対向した下面部14とを有する。この側面部13は、下面部14に向かうに従い漸次インサート11の内方側へ傾いた傾斜面とされており、本実施形態では、上面部12と側面部13とがなす角度は70°とされている。つまり、下面部14は上面部12に対して面積の小さな菱形面をなしている。上面部12がなす菱形面の中央部には、上面部12から下面部14に向けて貫通されたクランプネジ挿通孔15が設けられている。
一対の側面部13a、13bの延長面が鋭角で交差する部分には、それぞれの側面部13a、13bに対してインサート11の内方側に傾くようにされたノーズ部16が備えられており、インサート11を上面視した際にノーズ部16がなす角度は、本実施形態においては100°とされている。
このノーズ部16に連なる一対の側面部13a、13bのうち、一方の側面部13aと上面部12との交差稜線部に第1切刃17が形成され、他方の側面部13bと上面部12との交差稜線部に第2切刃18が形成されている。
ノーズ部16と上面部12との交差稜線部には、第1切刃17と連なる第1コーナ刃19と、第1コーナ刃19と交差するように連なる第2コーナ刃20とが備えられている。そして、第2コーナ刃20と第2切刃18との間には、インサート11の内方に凹んだ凹部21が形成されている。凹部21は、第2コーナ刃20から平行に内側に後退するようにしてノーズ部16上に延びる第2切刃18部分との間に、この第2切刃18部分に滑らかに接する凹円弧をなす段差状に形成されている。
また、第2コーナ刃20には、図2に示すようにランド部22が形成されており、このランド部22は、第2コーナ刃20に直交する断面が円弧状に形成されている。ただし、この断面がなす円弧の半径は、インサート着脱式ドリル31の外径より若干小さくされている。
第1切刃17、第1コーナ刃19、第2コーナ刃20が設けられた上面部12の辺稜部の内側には、図3に示すように、インサート11の下面部14側に凹んだ第1ブレーカ溝23aが形成され、第2切刃18が設けられた上面部12の辺稜部の内側には、第2ブレーカ溝23bが形成されている。これら第1ブレーカ溝23a、第2ブレーカ溝23bの前記辺稜部側の溝底面23Aは傾斜面状に形成され、この溝底面23Aと上面部12とがなす角度は、本実施形態では20°とされている。また、第1ブレーカ溝23aと第2ブレーカ溝23bの間には、凹部21からインサート11の内側に延びて切刃と同じ高さを有する凸部24が形成されている。また、第1ブレーカ溝23a、第2ブレーカ溝23bともに、溝幅がノーズ部16側で大きく鈍角角部に向けて漸次小さくなるように形成されている。
前記のインサート11が装着されたインサート着脱式ドリル31は、図4に示すように、軸線Oを中心とした概略円柱状をなす工具本体32を有し、工具本体32の後端側(図4において上側)に、工作機械等の主軸端に装着するための取付部33が形成されており、取付部33よりも工具本体32先端側(図4において下側)がドリル部34とされている。
ドリル部34には、工具本体32先端面から工具本体32後端側に向けて延びる一対の切屑排出溝35、36がらせん状に形成されている。これら一対の切屑排出溝35、36の先端側には、インサート11を固定するためのインサート取付座37、38がそれぞれひとつずつ設けられており、インサート取付座37、38には、インサート11を固定するクランプネジ39が備えられている。インサート取付座37、38の工具回転方向T前方側を向く壁面37A、38Aは、図8に示すように、工具本体32後端側(図8において上側)に向かうに従い漸次工具回転方向T後方側に後退する傾斜面とされており、本実施形態では、軸線Oとこの壁面37A、38Aとがなす角度が10°とされている。
一対の切屑排出溝35、36のうち、一方の切屑排出溝35の工具本体32先端側に設けられたインサート取付座37は、図6に示すように、軸線Oから離れた工具本体32径方向外側に配置され、工具本体32先端側及び工具本体32径方向外側に向けて開口されている。このインサート取付座37は、工具本体32先端側を向く壁面37Bと工具本体32径方向外側を向く壁面37Cとを有し、これらの壁面37B、37Cの交差部に切欠部37Eが形成されている。
また、他方の切屑排出溝36の工具本体32先端側に設けられたインサート取付座38は、図7に示すように、軸線Oの近傍の工具本体32径方向内側に配置され、工具本体32先端側に向けて開口されている。このインサート取付座38は、工具本体32先端側を向く壁面38Bと、工具本体32径方向内側を向く壁面38Cと、この工具本体32径方向内側を向く壁面38Cに対向する壁面38Dとを有し、この壁面38Dは、軸線Oを越えた反対側にまで延出するように配置されている。また、工具本体32先端側を向く壁面38Bと工具本体32径方向内側を向く壁面38Cとの交差部には、切欠部38Eが形成されている。、
このように形成されたインサート取付座37、38に前記のインサート11が装着されて、インサート着脱式ドリル31を構成する。
一方の切屑排出溝35に形成されたインサート取付座37に外刃とされるインサート11が装着される。傾斜面とされた工具回転方向T前方側を向く壁面37Aにインサート11の下面部14が当接され、クランプネジ挿通孔15にクランプネジ39が挿通されて螺着されることにより、インサート11がインサート取付座37に固定される。
ここで、図6に示すように、外刃とされるインサート11は、その一方の第1切刃17及び第1コーナ刃19が工具本体32先端側を向くように、かつ、この一方の第1コーナ刃19に交差する一方の第2コーナ刃20が工具本体32径方向の最も外周側に配置される。このインサート取付座37の工具本体32先端側を向く壁面37Bと工具本体32径方向外側を向く壁面37Cとがインサート11の他方の第1切刃17及び第2切刃18に連なる側面部13を支持し、切欠部37Eには切削に使用されない他方の第1コーナ刃19、第2コーナ刃20が収容されている。
また、他方の切屑排出溝36に形成されたインサート取付座38に内刃とされるインサート11が装着される。傾斜面とされた工具回転方向T前方側を向く壁面38Aにインサート11の下面部14が当接され、クランプネジ挿通孔15にクランプネジ39が挿通されて螺着されることにより、インサート11がインサート取付座38に固定される。ここで、インサート11の第2切刃18が工具本体32先端側を向くように、かつ、第2コーナ刃20が軸線Oを越えてセンターオーバーに配置されて、第2コーナ刃20が第2切刃18よりも工具本体32後端側に位置することになる。このインサート取付座38の工具本体32先端側を向く壁面38Bと工具本体32径方向外側を向く壁面38Cとこの壁面38Cに対向する壁面38Dとがインサート11の側面部13を支持し、切欠部38Eには切削に使用されない第1コーナ刃19、第2コーナ刃20が収容されている。
図5に示すように工具本体32先端側に内刃とされるインサート11と外刃とされるインサート11がそれぞれひとつずつ装着されており、これら外刃とされるインサート11の回転軌跡と内刃とされるインサート11の回転軌跡とを重ね合わせた際に、工具本体32の先端に、その軸線Oから外周にわたって順に内刃とされるインサート11の第2切刃18、外刃とされるインサート11の第1切刃17、第1コーナ刃19が連なるように配置され、さらに、第1コーナ刃19の外周には、工具本体32後端側に向けて延びるように第2コーナ刃20が配置される。
このように構成されたインサート着脱式ドリル31は、工具本体32を軸線O回りに回転するとともに軸線O方向に送ることにより、インサート11の工具本体32先端側に向けられた第1切刃17、第1コーナ刃19、第2切刃18によって被切削材を切削して加工穴を形成するとともに、工具本体32外周側に向けられた第2コーナ刃20のランド部22によってこの加工穴の内周面をバニシングする。
前記の構成のインサート11では、第2切刃18と第2コーナ刃20との間にインサート11の内方へ凹んだ凹部21が形成されていて、インサート11を内刃として装着したときには、第2コーナ刃20が軸線を越えてセンターオーバーとなるように配置されるので、切削に使用される第2切刃18の摩耗や欠損の拡大が、凹部21によって防止され、第2コーナ刃20やこれに交差する第1コーナ刃19、第1切刃17に拡がることがない。一方、インサート11を外刃として装着して、第1切刃17を工具本体32先端側に向けて配置し、第2コーナ刃20が工具本体32径方向の最も外周側に配置されたときには、第2コーナ刃20が摩耗した場合であっても、摩耗が第2切刃18まで広がることを防止できる。
したがって、例えば上面部12の一つのノーズ部16の第1切刃17、第1コーナ刃19、第2コーナ刃20を外刃として使用したあとに、このノーズ部16の第2切刃18を内刃として使用することができ、菱形平板状のインサート11を外刃として2回、内刃として2回、合計4回の使用を確実に可能とすることができるので、インサート11の寿命を向上することができ、インサート11の使用コストを低減できる。
また、外刃として使用した際に工具本体32径方向の最も外周側に配置される第2コーナ刃20に、第2コーナ刃20に直交する断面が円弧状とされたランド部22が形成されているので、第2コーナ刃20の強度を確保して欠損等を確実に防止できるとともに、切削加工が施された加工穴の内壁面をランド部22にて摺動することにより、切削加工面に対してバニシング加工を行うこととなり、加工穴の内壁面を滑らかに仕上げることができる。
また、ノーズ部16が、それぞれの側面部13に対してインサート11の内方側に傾くように形成され、インサート11を上面視した際にノーズ部16がなす角度が100°とされているので、切削加工に供されるノーズ部16の強度を確保でき、切削抵抗によるノーズ部16の破損や欠損を防止でき、インサート11の寿命をさらに向上することができる。
また、第1切刃17、第1コーナ刃19、第2コーナ刃20が設けられた上面部12の辺稜部の内側にはインサート11の下面部14側に凹んだ第1ブレーカ溝23aが形成され、第2切刃18が設けられた上面部12の辺稜部の内側には第2ブレーカ溝23bが形成されているので、被切削材を切削して発生した切削屑が第1ブレーカ溝23a、第2ブレーカ溝23bの溝底面に沿ってカールされて折り曲げられることにより細かく分断され、切屑排出溝35、36を通じて切削屑を加工穴の外部に排出できる。したがって、切削屑によって加工穴の壁面を傷つけるトラブルや、切削屑が加工穴に堆積して切削ができなくなるといったトラブルを防止できる。
また、これら第1ブレーカ溝23a、第2ブレーカ溝23bの辺稜部側の溝底面23Aは傾斜面状に形成され、この溝底面23Aと上面部12とがなす角度が20°とされており、この溝底面23Aが実質的にすくい面とされるので、すくい角を大きくして切削抵抗を小さくすることができる。
さらに、第1ブレーカ溝23aと第2ブレーカ溝23bの間には、凹部21からインサート11の内側に延びて切刃と同じ高さを有する凸部24が形成されているので、例えば第2切刃18によって切削された切削屑が第2ブレーカ溝23bから第1ブレーカ溝23aに流れ込んで第1ブレーカ溝23や第1切刃17、第1コーナ刃19、第2コーナ刃20等を傷つけるおそれがない。
また、側面部13が下面部14に向かうに従い漸次インサート11の内方側へ傾き、上面部12に対して70°傾いた傾斜面とされているので、逃げ面とされる側面部13に必要な逃げ角を確保しつつ、すくい角を大きくすることができるので、切れ味を鋭くして被切削材から受ける切削抵抗を小さくすることができ、切削抵抗による加工穴の変形が防止されて拡大代が小さく抑えられ、加工穴を寸法精度良く形成することができるとともに、過大な切削抵抗によるインサート11の破損を防止できる。
また、前記の構成のインサート着脱式ドリル31では、インサート取付座37、38の工具回転方向T前方側を向く壁面37A、38Aが、工具本体32後端側に向かうに従い漸次工具回転方向T後方側に後退する傾斜面とされ、軸線Oとこの壁面37A、38Aとがなす角度が10°とされているので、インサート11に大きなすくい角を確保でき、切削抵抗をさらに低減することができ、過大な切削抵抗によるインサート11のズレや破損を防止できる。
また、一方の切屑排出溝35に形成されたインサート取付座37には、工具本体32先端側を向く壁面37Bと工具本体32径方向外側を向く壁面37Cとが備えられ、これらの壁面37B、37Cにインサート11の側面が当接されて支持されており、インサート11をV字嵌合によって強固に固定でき、切削抵抗によるインサート11のズレを防止することができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と共通する部分には、同じ符号を付し、説明を省略する。図9から図11にインサートを、図12、図13に、このインサートが装着されたインサート着脱式ドリルを示す。
インサート11は、図9に示すように外形が菱形平板状に形成されており、菱形面をなす上面部12と下面部14とを有し、これら上面部12及び下面部14に交差する側面部13を有する。第2の実施形態では、上面部12と下面部14とが同一面積で鈍角角部を結ぶ対角線を中心に上下反転させることにより180°回転対称とされており、上面部12に形成されたノーズ部16と下面部14に形成されたノーズ部16とが対角上に位置するように形成されている。そして、これらのノーズ部16と上面部12(下面部14)との交差稜線部には、第1コーナ刃19と第2コーナ刃20と凹部21とが備えられている。
また、この第2の実施形態であるインサート11には、ブレーカ溝23a、23bが形成されていないが、これに代えて、第2の実施形態では、第1切刃17及び第2切刃18が設けられた交差稜線部に交差する側面部13が、上面部12(下面部14)から離れるに従い漸次インサート11の内方へ後退するように上面部12(下面部14)に対して27°で交差する傾斜面とされており、インサート11を側面視した際に、図10及び図11に示すように平行四辺形状を呈している。
このインサート11が装着される工具本体32のインサート取付座37、38の工具回転方向T前方側を向く壁面37A、38Aは、図13に示すように工具本体32の軸線Oに対して傾斜した傾斜面とされており、本実施形態では、軸線Oに対して20°傾斜している。
そして、インサート11は、下面部14(上面部12)がインサート取付座37、38の工具回転方向T前方側を向く壁面37A、38Aに当接され、インサート取付座37、38の工具本体32先端側を向く壁面37B、38Bに側面部13が当接されるように配置される。
上記のインサート11では、第1の実施形態と同様に、上面部12をすくい面とし、内刃として1回、外刃として1回使用できる。そして、インサート11を裏返して、下面部14をすくい面としても、内刃として1回、外刃として1回使用でき、ひとつのインサート11で合計4回使用することができる。
また、インサート11が、下面部14(上面部12)とインサート取付座37、38の工具回転方向T前方側を向く壁面37A、38Aとが当接され、側面部13とインサート取付座37、38の工具本体32先端側を向く壁面37B、38Bとが当接されるように固定されているので、図13に示すようにインサート11をV字嵌合によって支持でき、インサート11をより安定的に固定することができ、切削抵抗によるインサート11のズレを防止できる。
また、インサート11にブレーカ溝23a、23bが形成されておらず、インサート11の強度を確保でき、インサート11の欠損をより確実に防止できる。また、こうしてブレーカ溝23a、23bが形成されていなくても、第1切刃17及び第2切刃18が設けられた交差稜線部に交差する側面部13が、上面部12から離れるに従い漸次インサート11の内方へ後退するように上面部12に対して27°で交差する傾斜面とされているので、逃げ面とされる側面部13に必要な逃げを確保しつつ、インサート取付座37、38の工具回転方向T前方側を向く壁面37A、38Aを軸線Oに対して20°傾斜させてインサート11に20°の比較的大きなすくい角を付すことができ、切削抵抗を低減することができる。
また、インサート11の上面部12と下面部14とが同一面積を有し、インサート11を裏返して使用するので、インサート11とインサート取付座37、38との接触面積を大きくすることができ、インサート11を安定して固定することができる。
なお、本実施形態においては、内刃としてひとつのインサート11を装着し、外刃としてひとつのインサート11を装着したインサート11着脱式ドリル31で説明したが、これに限定されることはなく、内刃及び外刃として複数のインサート11を備えたものであってもよく、工具本体32やインサート11のサイズ、加工穴のサイズ、被切削材の材質等を考慮して適宜の数とすることが好ましい。
本発明の第1の実施形態であるインサートの上面図である。 図1におけるA−A断面図である。 図1におけるB−B断面図である。 図1のインサートが装着されたインサート着脱式ドリルの側面図である。 図4のインサート着脱式ドリルの底面図である。 図4のインサート着脱式ドリルの外刃部分の拡大側面図である。 図4のインサート着脱式ドリルの内刃部分の拡大側面図である。 図4のインサート着脱式ドリルのインサート取付部の拡大図である。 本発明の第2の実施形態であるインサートの上面図である。 図9のインサートをX方向から見た図である。 図9のインサートをY方向から見た図である。 図1のインサートが装着されたインサート着脱式ドリルの底面図である。 図12のインサート着脱式ドリルのインサート取付部の拡大図である。
符号の説明
11 インサート
12 上面部(上面)
13 側面部(側面)
16 ノーズ部
17 第1切刃
18 第2切刃
19 第1コーナ刃
20 第2コーナ刃
21 凹部
22 ランド部
23a 第1ブレーカ溝(ブレーカ溝)
23b 第2ブレーカ溝(ブレーカ溝)
23A 溝底部
24 凸部
31 インサート着脱式ドリル(インサート着脱式穴あけ工具)
32 工具本体
35 一方の切屑排出溝
36 他方の切屑排出溝

Claims (7)

  1. 外形が菱形平板状をなし、菱形面をなす上面と該上面に交差する側面とを有し、前記上面がすくい面とされ、前記側面が逃げ面とされ、軸線回りに回転されるインサート着脱式穴あけ工具の工具本体先端に、前記軸線から離れた位置に外刃として、また前記軸線近傍に内刃として、それぞれ着脱自在に装着可能とされるインサートであって、
    前記側面の延長面が互いに鋭角で交差する部分にはノーズ部が設けられ、該ノーズ部に連なる一対の側面のうち、一方の側面と前記上面との交差稜線部に第1切刃が形成され、他方の側面と前記上面との交差稜線部に第2切刃が形成されており、
    前記ノーズ部と前記上面との交差稜線部には、前記第1切刃と連なる第1コーナ刃と、該第1コーナ刃と交差するように連なる第2コーナ刃と、該第2コーナ刃と前記第2切刃との間に配置され、前記インサートの内方へ凹んだ凹部とが備えられていて、
    前記外刃として装着される際には、前記第1切刃及び前記第1コーナ刃が前記工具本体先端側に向けられ、前記内刃として装着される際には、前記第2切刃が前記工具本体先端側に向けられるとともに前記第2コーナ刃は前記軸線を越えてセンターオーバーに配置されることを特徴とするインサート。
  2. 前記第2コーナ刃に連なる前記側面の前記上面側部分には、円弧状の断面を有するランド部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインサート。
  3. 前記ノーズ部は、前記側面の前記延長面に対して前記インサートの内方に傾くように形成され、前記ノーズ部がなす角度が90°から120°の範囲内とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインサート。
  4. 前記上面には、ブレーカ溝が形成され、該ブレーカ溝の溝底面と前記上面とがなす角度が5°から30°の範囲内とされていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のインサート。
  5. 前記ブレーカ溝は、前記第1切刃、前記第1コーナ刃、前記第2コーナ刃の内側に設けられた第1ブレーカ溝と、前記第2切刃の内側に設けられた第2ブレーカ溝とからなり、これら第1ブレーカ溝と第2ブレーカ溝との間には、前記第1ブレーカ溝と前記第2ブレーカ溝とを分ける凸部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のインサート。
  6. 前記第1切刃及び前記第2切刃が設けられた前記交差稜線部に交差する前記側面は、前記上面から離れるに従い漸次前記インサートの内方へ後退するように前記上面に対して傾斜する傾斜面とされ、該傾斜面と前記上面とが交差する角度が55°から80°の範囲内とされていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のインサート。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載のインサートが装着されるインサート着脱式穴あけ工具であって、
    軸線回りに回転される柱状の工具本体を有し、該工具本体の前記軸線から離れた位置に配置されて外刃とされた前記インサートと、前記軸線近傍に配置されて内刃とされた前記インサートとが、前記軸線を挟んで互いに反対側に装着されたことを特徴とするインサート着脱式穴あけ工具。
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