JP2007260788A - 切削インサート及び切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】切削抵抗を低減して切削加工を良好に行うことができるとともに、多くの切刃を順次主切刃として使用することにより使用コストを低減することができる切削インサートを提供する。
【解決手段】被切削材に平面加工を施す切削工具に装着される切削インサート10であって、外形が八角形平板状をなして2つの八角形面11とこれら2つの八角形面11と直交する側面とを有し、八角形面11と側面との交差稜線部に切刃13が設けられ、切刃13の内側には、八角形面11から凹むようにブレーカ溝14が形成されており、八角形面11には、ブレーカ溝14を分割するように、八角形面11中央部から各角部に向けて延びるフラットランド部18が設けられており、ブレーカ溝14は、側面に対向する側から見て、フラットランド部18から離れるにしたがい八角形面11から漸次後退するように傾斜する傾斜面を有していることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、被切削材に平面加工を施す際に使用されるフライスカッター等の切削工具に装着される切削インサート及びこの切削インサートが装着された切削工具に関する。
従来、前記のような平面加工を施す切削工具として、複数の切削インサートが装着されたフライスカッターが使用されている。この種のフライスカッターにおいては、円盤状の工具本体の先端部外周に形成された多数のチップポケット及び取付座に、超硬合金等の硬質材料より成る切削インサートが着脱可能に装着されており、工具本体をその軸線回りに高速回転するとともに軸線と交差する方向に送りを与えることにより、前記切削インサートの工具本体径方向外側に向けられた主切刃と前記軸線と略直交するように配置された副切刃とによって被切削材を切削するものである。
このような切削工具では、外形が概略四角形平板状をなし、この四角形面の辺稜部に切刃が形成された切削インサートが広く使用されている(特許文献1参照)。このような切削インサートは、四角形面をすくい面として工具回転方向前方側に向けられ、工具本体径方向外側に向けられた切刃が主切刃とされ、工具本体先端側に向けられて前記軸線と略直交するように配置された切刃が副切刃とされる。
特開2003−001512号公報
ところで、前述したような切削インサートとしては、切刃に連なる側面に逃げ角が付されたポジティブタイプの切削インサートと、前記側面に逃げ角が付されていないネガティブタイプの切削インサートとが提供されている。
ポジティブタイプの切削インサートは、一方の四角形面がすくい面とされ、このすくい面とされた一方の四角形面に連なる側面は、他方の四角形面に近づくにしたがい漸次切削インサートの内側へと後退するように傾斜させられており、切削インサートの外形は概略四角錐台状をなしている。
このようなポジティブタイプの切削インサートを使用した場合、逃げ角が付されているので、切削インサートをアキシャルレーキ角及びラジアルレーキ角を正として工具本体に装着することができ、切削時の切削抵抗を低減して工具本体に生じる振動を抑制し、かつ、切屑排出性を良好に保つことができる。また、切れ味が良く、切削加工した仕上げ面を滑らかに仕上げることができる。
しかしながら、ポジティブタイプの切削インサートでは、刃先角が小さくならざるを得ず刃先強度が低下してしまって、過大な切削抵抗が作用した際に切刃の欠損が生じやすい。また、一方の四角形面の辺稜部に切刃が形成されており、この一方の四角形面の4つの切刃を順次主切刃として使用することしかできず切削インサートの寿命が比較的短く、切削インサートの使用コストが増大するといった問題があった。
一方、ネガティブタイプの切削インサートでは、2つの四角形面のそれぞれの辺稜部に切刃が形成され、側面が前記四角形面と略直交するように配置されており、切削インサートの外形は概略四角柱状状をなしている。
このようなネガティブタイプの切削インサートにおいては、刃先角が大きくなって刃先強度を確保でき、切削抵抗による切刃の欠損を防止できる。また、2つの四角形面のそれぞれの辺稜部に切刃が形成されており、一方の四角形面の4つの切刃及び他方の四角形面の4つの切刃の合計8つの切刃を順次主切刃として使用でき、切削インサートの使用コストを低減することができる。
しかしながら、ネガティブタイプの切削インサートでは、ラジアルレーキ角及びアキシャルレーキ角を負側に設定する必要があり、切削時の切削抵抗が大きくなってしまい、工具本体に切削抵抗による振動が発生して切削加工を精度よくできなくなる。また、過大な切削抵抗によってインサートのみでなく工具本体が破損してしまうおそれがあった。さらには、切れ味が劣るために切削加工した仕上げ面が粗くなるといった問題もあった。
このように、従来は、被切削材の材質や切削条件によって、ポジティブタイプの切削インサートとネガティブタイプの切削インサートを使い分けており、誤った切削インサートを使用した場合には、切削インサートの欠損、工具本体の破損、被切削材の損傷などのトラブルが発生していた。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、切削抵抗を低減して切削加工を良好に行うことができるとともに、多くの切刃を順次主切刃として使用することにより使用コストを低減することができる切削インサート及びこの切削インサートが装着された切削工具を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の切削インサートは、被切削材に平面加工を施す切削工具に装着される切削インサートであって、外形が八角形平板状をなして2つの八角形面とこれら2つの八角形面と直交する側面とを有し、前記八角形面と前記側面との交差稜線部に切刃が設けられ、該切刃の内側には、前記八角形面から凹むようにブレーカ溝が形成されており、前記八角形面には、前記ブレーカ溝を分割するように、前記八角形面中央部から各角部に向けて延びるリブ状のフラットランド部が設けられており、前記ブレーカ溝は、前記側面に対向する側から見て、前記フラットランド部から離れるにしたがい該ブレーカ溝が形成された前記八角形面から漸次後退するように傾斜する傾斜面を有していることを特徴としている。
この構成の切削インサートにおいては、外形が八角形平板状をなして2つの八角形面と、2つの八角形面と直交する側面を有し、これら八角形面と側面との交差稜線部に切刃が設けられたネガティブタイプの切削インサートとされているので、刃先角が大きくなって刃先強度を確保でき、切削抵抗による切刃の欠損を防止できる。また、2つの八角形面と側面との交差稜線部にそれぞれ切刃が形成されているので、一方の八角形面の8つの切刃及び他方の八角形面の8つの切刃の合計16の切刃を順次主切刃として使用でき、切削インサートの使用コストを大幅に低減することができる。
さらに、それぞれの切刃の内側に設けられたブレーカ溝が、各角部に延びるリブ状のフラットランド部によって分割されているので、切刃によって生成された切屑が他の切刃の内側に形成されたブレーカ溝に流れ込んで他の切刃を損傷することがなく、複数の切刃を確実に順次使用することができる。
そして、ブレーカ溝が、側面に対向する側から見て、フラットランド部から離れるにしたがい漸次前記八角形面から後退するように傾斜する傾斜面を有しているので、切削インサートを従来のネガティブタイプのインサートと同様に装着した場合でも、主切刃のアキシャルレーキ角を正側にすることができ、切削抵抗を小さく抑えて切削加工を良好に行うことができる。
ここで、前記ブレーカ溝を、前記側面に対向する側から見て、前記ブレーカ溝の両端に配置された前記フラットランド部から離れるにしたがいそれぞれ前記八角形面から凹むように傾斜した一対の傾斜面を有するV字状に形成することにより、この切削インサートを、例えば右回転の切削工具にだけでなく左回転の切削工具にも適用しても、前述のように外周切刃のアキシャルレーキ角を正側にすることができ、切削抵抗を小さく抑えて切削加工を良好に行うことができる。
また、前記角部に設けられた前記フラットランド部の辺稜部に副切刃を形成し、該フラットランド部を、前記八角形面に対向する方向から見て、該角部に交差する前記切刃の交差角よりも大きな角度で交差する凸V字状とすることにより、一つの切刃を主切刃として使用した場合に、これに隣接して工具本体先端側に向けられた切刃が被切削材と接触することが防止され、8つの切刃を順に主切刃として使用することができ、切削インサートの使用コストを確実に低減することができるとともに、切刃の強度を確保して切刃の欠損を防止できる。
さらに、前記側面に対向する側から見て、前記ブレーカ溝の前記傾斜面と前記八角形面とがなす角度αを、0°<α≦15°の範囲内に設定することにより、ネガティブタイプの切削インサートを切刃傾き角及び真のすくい角が負となるように装着した場合でも、アキシャルレーキ角を正側に向けることができ、切削抵抗を確実に低減して切削加工を良好に行うことができるとともに、切刃の強度が確保されて切削抵抗による切刃の欠損を確実に防止できる。
また、本発明の切削工具は、前述した切削インサートが装着される切削工具であって、軸線回りに回転される工具本体を有し、該工具本体の先端外周部に複数の凹部が形成され、これら複数の凹部の工具回転方向後方側に取付座がそれぞれ形成され、該取付座には、前記切削インサートが、前記切刃のひとつを工具本体から突出するように配置されていることを特徴としている。
この構成の切削工具においては、前記切削インサートを取付座に装着して、工具本体から突出された切刃を主切刃として使用して、被切削材の平面加工を行うことができ、前述したように切削抵抗を低減できるとともに、切削インサートの使用コストを低減することができる。
ここで、前記取付座の工具回転方向後方側に、前記切削インサートを固定するためのクサビ部材を配置することにより、切削インサートをクサビ部材と取付座とによって挟持して固定することができる。この際には、切削インサートの角部に達するようにフラットランド部が形成されているので、クサビ部材からの切削インサートの突出量、いわゆるオーバーハング量を小さくすることができ、切削抵抗をこのクサビ部材で受けることになり切削抵抗による切刃の欠損を防止できる。
さらに、前記取付座の工具本体後端側及び工具本体径方向内側に、前記切削インサートの側面が当接されるインサート受け面を形成することにより、この切削インサートの2つの側面を当接面に当接させることで切削インサートの主切刃の位置を確定することができ、この切削工具の切刃の位置を精度良く一致させることができる。
本発明によれば、切削抵抗を低減して切削加工を良好に行うことができるとともに、多くの角部を順次使用することにより使用コストを低減できる切削インサート及びこの切削インサートが装着された切削工具を提供することができる。
本発明の第1の実施形態について添付した図面を参照して説明する。図1から図4に本実施形態である切削インサートを示す。また、図5から図8に、この切削インサートが装着されて構成されるフライスカッター(切削工具)を示す。
切削インサート10は、超硬合金等の硬質材料によって構成され、図1及び図2に示すように、外形が概略八角形平板状をなしており、2つの八角形面11と、これら2つの八角形面11と直交するように配置された8つの側面12とを備えた、いわゆるネガティブインサートである。
八角形面11と側面12との交差稜線部、つまり、八角形面11の辺稜部に切刃13が形成されており、本実施形態においては、ひとつの八角形面11に8つの切刃13が形成され、切削インサート10全体で16の切刃13を有することになる。
この切刃13の内側部分には、前記八角形面11から凹んだブレーカ溝14が形成されている。前記ブレーカ溝14は、八角形面11の中央部分から各角部へと延びるように形成されたリブ状のフラットランド部18によって分割され、切刃13ごとに独立して設けられており、ひとつの八角形面11に8つのブレーカ溝14が形成されている。なお、前記フラットランド部18の上面は八角形面11と同一平面上となるように配置されている。
この切削インサート10を側面視した場合には、図3に示すように、ブレーカ溝14は、前記フラットランド部18から離れるにしたがい漸次八角形面11から凹むように後退した傾斜面15を有しており、本実施形態では、ブレーカ溝14の両端に位置するフラットランド部18から離れるにしたがい漸次八角形面11から凹むように後退した一対の傾斜面15、15を有しており、この一対の傾斜面15、15によってブレーカ溝14は側面視して概略V字状をなすように形成され、このブレーカ溝14に連なる切刃13も概略V字状をなしている。ここで、フラットランド部18の上面と傾斜面15とがなす角度θは、0°<α≦15°の範囲内に設定されており、本実施形態ではα=8°に設定されている。
このブレーカ溝14を切刃13に直交する断面で見た場合には、図4に示すように、ブレーカ溝14は、切刃13から離れるにしたがい八角形面11から凹むように傾斜した傾斜部16と曲率半径R1で凹んだ凹曲線部17とを有することになる。ここで、八角形面11と傾斜部16とがなす角度βは、0°<β≦15°の範囲内に設定されており、本実施形態ではβ=10°に設定されている。また、凹曲線部17の曲率半径R1は、3mm≦R1≦10mmの範囲内に設定されており、本実施形態ではR1=5mmに設定されている。
さらに、八角形面11の角部、つまり、前記フラットランド部18の辺稜部には、長さδの一対の副切刃19が切刃13に連なるように形成されており、これらの副切刃19は、八角形面11に対向する側から見て図1に示すように、前記切刃13に対してそれぞれ角度γだけ内側に傾斜するように配置されていて、フラットランド部18は凸V字状をなしている。なお、本実施形態においては、前記角度γはγ=3°に設定されており、隣り合う一対の切刃13同士の延長線の交差角135°に対して、隣り合う副切刃19同士の延長線の交差角は141°と大きくされている。なお、副切刃19同士が交差する部分は、これら副切刃19に滑らかに接する凸円弧とされている。
次に、この切削インサート10が装着されて構成されるフライスカッター20について説明する。フライスカッター20は、図5及び図6に示すように、軸線Oを中心とした概略円盤状をなす工具本体21を有している。工具本体21には、軸線Oに沿って延びる貫通孔22が穿設されており、貫通孔22の工具本体21先端側(図5において下側)には貫通孔22よりも内径が大きくされた大径孔23が形成されている。これら貫通孔22と大径孔23とが、この工具本体21を図示しない工作機械の主軸端等に取り付けるための取付部を構成している。
工具本体21の先端側外周には、工具本体21が切り欠かれて工具本体21先端側及び工具本体21径方向外側に向けて開口する凹部24が、円周方向に等間隔で複数形成されており、この凹部24の工具回転方向T後方側には、前記切削インサート10を装着するための取付座25が設けられている。本実施形態では、凹部24及び取付座25がそれぞれ30ヶ配置されている。
取付座25の工具回転方向T後方側を向く壁面25Aは、図7及び図8に示すように、工具本体21径方向外側及び先端側に向かうにしたがい漸次工具回転方向T後方側に後退するように傾斜させられている。
また、この取付座25の工具回転方向T後方側部分には、切欠部26が形成されており、この切欠部26の工具本体21径方向外側を向く壁面にはネジ孔27が設けられている。この切欠部26には、切削インサート10を固定するためのクサビ部材30が配置されており、クサビ部材30には、両端に雄ネジ部が形成されたダブルスクリュ型のクランプネジ32の一端が螺着されており、前記ネジ孔27にクランプネジ32の他端が螺着されている。
クサビ部材30を切欠部26に挿入した状態において、クサビ部材30の工具回転方向T前方側を向く面が前記切削インサート10を押圧する押圧面31とされ、クサビ部材30の工具回転方向T後方側を向く面は、図8に示すように取付座25の工具回転方向T前方側を向く壁面に摺接させられている。なお、本実施形態においては、クサビ部材30の進退方向は、軸線Oに対して約45°傾斜している。
また、取付座25には、クサビ部材30の進退方向に対して略直交するように、工具本体21の先端内周側から後端外周側にかけて延びる平面状のインサート受け面28が形成されている。
前記構成とされた取付座25に、切削インサート10が装着されてフライスカッター20が構成される。
切削インサート10のひとつの八角形面11をすくい面として、取付座25の工具回転方向T後方側を向く壁面25Aに密着するように、かつ、インサート受け面28に一つの側面12が当接されるようにして切削インサート10を取付座25に配置する。この状態で、クサビ部材30及びネジ孔27に螺着されているクランプネジ32を回動することでクサビ部材30を工具本体21内部へと挿入する。これにより、クサビ部材30の押圧面31が、切削インサート10のすくい面と対向配置された他の八角形面11を工具回転方向T前方側へと押圧し、切削インサート10がこのクサビ部材30の押圧面31と取付座25の工具回転方向T後方側を向く壁面25Aとによって挟持されて固定される。
このように切削インサート10が取付座25に装着されることにより、切削インサート10は、図5に示すように、工具本体21径方向外側及び先端側に向けられた切刃13が主切刃13Aとされ、この主切刃13Aと軸線Oとがなす角度、いわゆるコーナ角θがθ=48°とされる。また、主切刃13Aの傾き角ψは、図7に示すように負側に設定され、本実施形態ではψ=−2°とされている。また、主切刃13Aの真のすくい角φは、図8に示すように負側に設定され、本実施形態ではφ=−6°とされている。
また、工具本体21先端側には、前記軸線Oに略直交するように、主切刃13Aの先端側に連なる角部に形成された一対の副切刃19のうち該主切刃13Aとは反対側の副切刃19が配置される。
このようにして構成されたフライスカッター20は、工具本体21がアダプタ等を介して工作機械の主軸端に取り付けられ、工具本体21をその軸線回りに高速回転するとともに軸線と交差する方向に送りを与えることにより、工具本体21径方向外側及び先端側に向けられた切削インサート10の主切刃13Aと工具本体21先端側に向けられた副切刃19によって被切削材を切削するものである。
この切削インサート10は、2つの八角形面11とこれら2つの八角形面11と直交する側面12との交差稜線部に切刃13が設けられたネガティブタイプの切削インサート10とされているので、刃先強度を確保して切削抵抗による切刃13の欠損を防止できる。
また、2つの八角形面11と側面12との交差稜線部にそれぞれ切刃13が形成されているので、一方の八角形面11に8つの切刃13が形成され、他方の八角形面11にも8つの切刃13が形成され、切削インサート10が合計16の切刃13を有することになる。よって、これらの切刃13を順次主切刃13Aとして使用することができ、切削インサート10の使用コストを大幅に低減することができる。
さらに、切刃13の内側に設けられたブレーカ溝14がフラットランド部18によって分割されているので、主切刃13Aによって生成された切屑が、他の切刃13のブレーカ溝14を擦過することがなく、前記切屑による他の切刃13の損傷を防止できる。
また、フラットランド部18の辺稜部に副切刃19が形成されており、主切刃13Aの先端側に連なる角部に形成された一対の副切刃19のうち該主切刃13Aとは反対側の副切刃19が工具本体21先端側に向けられて前記軸線Oに略直交するように配置される。そして、副切刃19に連なる切刃13は副切刃19に対して工具本体21径方向内側に向かうにしたがい工具本体21後端側に向けて傾斜するように配置され、工具本体21先端側に向けられた切刃13が被切削材と接触することが防止される。
また、側面12に対向する側から見て、ブレーカ溝14が、前記ブレーカ溝14の両端に配置された前記フラットランド部18から離れるにしたがいそれぞれ前記八角形面11から凹むように傾斜した一対の傾斜面15、15を有するV字状に形成されているので、切削インサート10の切刃傾き角ψ及び真のすくい角φをそれぞれ負側となるようにして切削インサート10を取り付けても、アキシャルレーキ角を正側にすることができ、切削抵抗を抑えて主切刃13Aによる切削加工を良好に行うことができる。本実施形態においては、切刃傾き角ψがψ=−2°、真のすくい角φがφ=−6°に設定されているが、フラットランド部18の上面とブレーカ溝14の傾斜面15とがなす角度αが、0°<α≦15°の範囲内に設定され、より具体的にはα=8°に設定されているので、アキシャルレーキ角が正とされている。
また、ブレーカ溝14が、切削インサート10の側面12に対向する側から見てV字状をなすように形成されるとともに、角部には一対の副切刃19が形成されているので、この切削インサート10を、図5に示すような右回転の切削工具に使用する場合と同様に、左回転の切削工具に使用することができ、いわゆる勝手なしの切削インサートとすることができる。
さらに、切削インサート10がクサビ部材30によって挟持されているが、この切削インサート10には各角部にまで達するフラットランド部18が形成され、このフラットランド部18の上面が八角形面11と同一平面上に延びるように形成されているので、クサビ部材30が主切刃13Aの近傍付近まで配置されて切刃13のいわゆるオーバーハング量が小さくなる。よって、切削インサート10に作用する切削抵抗をクサビ部材30によって受けることができ、切削抵抗による切削イサートの欠損を防止できる。
また、この工具本体21には、切削インサート10の一つの側面12が当接されるインサート受け面28が形成されているので、切削インサート10の位置はこのインサート受け面28に沿って移動可能とされている。したがって、切削インサート10を取付座25に装着した状態で、専用の冶具を使用することにより切削インサート10の先端部分を基準として切削インサート10の位置調整を行うことができる。すなわち、第1の実施形態であるフライスカッター20は、いわゆる刃先基準型のフライスカッター20である。
次に、本発明の第2の実施形態について添付した図面を参照して説明する。この第2の実施形態では、装着される切削インサート10は第1の実施形態と同一の構成とされ、工具本体21が第1の実施形態と異なるものである。図9から図14に、切削インサート10が装着されて構成されるフライスカッター20(切削工具)を示す。なお、第1の実施形態と同一の部材には同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
第2の実施形態においては、工具本体21に形成された取付座25の工具本体21先端側を向く壁面が第1インサート受け面28Aとされ、取付座25の工具本体21径方向外側を向く壁面が第2インサート受け面28Bとされている。つまり、この取付座25には、切削インサート10の2つの側面12がそれぞれ当接される2つのインサート受け面(第1、第2インサート受け面28A、28B)が設けられているのである。
切削インサート10は、図13及び図14に示すように、その側面12をこれら第1、第2インサート受け面28A、28Bにそれぞれ当接するようにして載置され、クサビ部材30が挿入されて切削インサート10が取付座25に装着されてフライスカッター20が構成される。
この構成のフライスカッター20によれば、切削インサート10の側面12が第1、第2インサート受け面28A、28Bに当接されているので、切削抵抗による切削インサート10の位置ずれを確実に防止でき、切削加工を精度良く行うことができる。さらに、本実施形態では、切削抵抗の背分力が第1、第2インサート受け面28A、28Bの交差部分に向けて作用することになり、切削インサート30がこれら第1、第2インサート受け面28A、28Bとに強く押圧され、切削インサート30をさらに強固に固定することができる。
また、切削インサート10の位置がこれら第1、第2インサート受け面28A、28Bによって決定されるため、このフライスカッター20においては切削インサート10の位置調整を行う必要がない。すなわち、第2の実施形態であるフライスカッター20は、いわゆるボディ基準型のフライスカッター20である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、ブレーカ溝の切刃に直交する断面における八角形面と傾斜部とがなす角度βを0°<β≦15°の範囲内に、より具体的にはβ=10°に設定したものとして説明したが、この数値に限定されることはなく、前記角度βを任意に設定してもよい。ただし、前記角度βを0°<β≦15°とすることにより、切刃の強度を確保しつつ切削抵抗を低減できる。また、傾斜部に連なる凹曲線部の曲率半径R1についても、本実施形態に限定されることはなく、適宜設定することができる。
また、切削インサートの側面視において、フラットランド部の上面と傾斜面とがなす角度αを、0°<α≦15°の範囲内に、より具体的にはα=8°に設定したものとして説明したが、この数値に限定されることはなく、前記角度αを任意に設定してもよい。ただし、前記角度αを0°<α≦15°とすることにより、切削インサートの真のすくい角φ、切刃傾き角ψを負側に設定しても、アキシャルレーキ角を正側に向かうように設定でき、切削抵抗を低減できるとともに、切刃の欠損を防止できる。
また、ブレーカ溝が、切削インサートの側面に対向する側から見て、一対の傾斜面を有してV字状をなすように形成されたものとして説明したが、これに限定されることはなく、ブレーカ溝が一つの傾斜面のみを有するものであってもよい。また、角部に一対の副切刃が形成されたものとして説明したが、これに限定されることはなく、角部にひとつの副切刃のみが形成されたものや副切刃が形成されていないものであってもよい。ただし、本実施形態のように構成することにより、右回転の切削工具及び左回転の切削工具に使用することができる。
また、クサビ部材を切削インサートの工具回転方向T後方側に配置したもので説明したが、これに限定されることはなく、クサビ部材を切削インサートの工具回転方向T前方側に配置したものであってもよいし、クサビ部材を使用せず他の方式で切削インサートを固定してもよい。ただし、クサビ部材を使用して固定する場合、切刃の近傍で切削インサートを固定でき、切削抵抗による切刃の欠損等を防止できる。
さらに、凹部及び取付座をそれぞれ30ヶ設けたフライスカッターとして説明したが、これに限定されることはなく、凹部及び取付座の数は任意に設定でき、被切削材の材質や切削条件等を考慮して適宜設定することが好ましい。
本発明の実施形態である切削インサートの上面図である。 図1に示す切削インサートの側面図である。 図1に示す切削インサートの拡大側面図である。 図1におけるX−X断面図である。 図1に示す切削インサートが装着されて構成される切削工具の側面部分断面図である。 図5に示す切削工具の先端面図である。 図5におけるY方向矢視図である。 図5におけるZ方向矢視図である。 図1に示す切削インサートが装着されて構成される他の切削工具の側面部分断面図である。 図9に示す切削工具の先端面図である。 図9におけるY方向矢視図である。 図9におけるZ方向矢視図である。 図9におけるV方向矢視図である。 図5におけるW方向矢視図である。
符号の説明
10 切削インサート
11 八角形面
12 側面
13 切刃
14 ブレーカ溝
15 傾斜面
18 フラットランド部
19 副切刃
20 フライスカッター(切削工具)
21 工具本体
24 凹部
25 取付座
30 クサビ部材
28A 第1インサート受け面
28B 第1インサート受け面

Claims (7)

  1. 被切削材に平面加工を施す切削工具に装着される切削インサートであって、
    外形が八角形平板状をなして2つの八角形面とこれら2つの八角形面と直交する側面とを有し、前記八角形面と前記側面との交差稜線部に切刃が設けられ、該切刃の内側には、前記八角形面から凹むようにブレーカ溝が形成されており、
    前記八角形面には、前記ブレーカ溝を分割するように、前記八角形面中央部から各角部に向けて延びるリブ状のフラットランド部が設けられており、
    前記ブレーカ溝は、前記側面に対向する側から見て、前記フラットランド部から離れるにしたがい該ブレーカ溝が形成された前記八角形面から漸次後退するように傾斜する傾斜面を有していることを特徴とする切削インサート。
  2. 前記ブレーカ溝は、前記側面に対向する側から見て、前記ブレーカ溝の両端に配置された前記フラットランド部から離れるにしたがいそれぞれ前記八角形面から後退するように傾斜する一対の傾斜面を有してV字状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
  3. 前記角部に設けられた前記フラットランド部の辺稜部には、副切刃が形成され、該フラットランド部は、前記八角形面に対向する方向から見て、該角部に交差する前記切刃の交差角よりも大きな角度で交差する凸V字状とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削インサート。
  4. 前記側面に対向する側から見て、前記ブレーカ溝の前記傾斜面と前記八角形面とがなす角度αが、0°<α≦15°の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の切削インサート。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の切削インサートが装着される切削工具であって、
    軸線回りに回転される工具本体を有し、該工具本体の先端外周部に複数の凹部が形成され、これら複数の凹部の工具回転方向後方側に取付座がそれぞれ形成され、
    該取付座には、前記切削インサートが、前記切刃のひとつを工具本体から突出するように配置されていることを特徴とする切削工具。
  6. 前記取付座の工具回転方向後方側には、前記切削インサートを固定するためのクサビ部材が配置されていることを特徴とする請求項5に記載の切削工具。
  7. 前記取付座の工具本体後端側及び工具本体径方向内側には、前記切削インサートの側面が当接されるインサート受け面が形成されていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の切削工具。
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