JP4830552B2 - 正面フライス - Google Patents

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本発明は、粗加工と仕上げ加工を同時に行う正面フライスに関し、特に送り量を高めた高能率加工が可能であるとともに仕上げ面の表面あらさが向上した正面フライスに関するものである。
被削材を平面加工する正面フライスにおいて、粗加工と仕上げ加工を同時に行う、いわゆるコンビネーション式正面フライスの従来例を図9〜図11に図示する。図9に図示したコンビネーション式正面フライスは、環状体をなす正面フライス本体1の正面部分で、中央取付穴13の利用により固定され、しかも、その正面切刃19が本体1の中心線に対し、略直角の関係にあるように、1個または、数個等配されたさらい刃チップ12と、正面側のさらい刃チップ12の占める部分を除外するようにして、外周切刃が構成される多数の粗刃チップ3の正面切刃より幾分凸出する位置関係にあり、本体の回転方向を基準にとって、さらい刃チップ12が1個のときには、全体を1つのグループとし、また、さらい刃チップ12が数個のときには、さらい刃チップ12の次にくる粗刃チップ3から、次のさらい刃チップ12の1つ前の粗刃チップ3までを1つのグループとして、さらい刃チップ12の数に等しいグループを構成し、それぞれのグループに属する粗刃チップn個に対し、さらい刃チップ12を挟む粗刃チップ3間が、他の粗刃チップ3間よりも幾分広くなるように、他の粗刃チップ3間を等分割し、さらに粗刃チップ3について、軸心から刃先先端までの半径方向の距離X1〜Xnを位置的に補正することにより粗刃チップ3に略等しい切削送りが補償されるようにしたものである(例えば、特許文献1参照)。
図10に図示したさらい刃付き正面フライスは、軸心を中心にして回転せしめられるフライス本体1の下面周縁部に主切削チップ21およびさらい刃チップ22が設けられ、上記主切削チップ21は、上記フライス本体1の外周側に位置する主切刃26と、この主切刃26の下端に形成された面取りコーナ27と、この面取りコーナ27から上記フライス本体1の軸心側に向かうにしたがって上方に傾斜された逃げ部28bとを有するものであり、上記さらい刃チップ22は、上記フライス本体1の外周側に位置する主切刃29と、この主切刃29の下端に形成された面取りコーナ30と、この面取りコーナ30から上記フライス本体1の軸心側に延び送り方向に略平行な副切刃31とを有するものである(例えば、特許文献2参照)。
図11に図示したスローアウェイ式カッターは、軸線O回りに回転される略円盤状のカッター本体11の先端外周部に、正面刃13Bを備えたチップ13が着脱可能に装着されるとともに、このカッター本体11の先端部の上記チップ13よりも内周側には、さらい刃25を備えたさらい刃チップ23が、このさらい刃25を上記正面刃13Bの最先端を通って上記軸線Oに直交する平面Pよりも先端側に突出させて着脱可能に装着されてなるカッターにおいて、上記さらい刃25を、上記カッター本体11の外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜させて上記平面Pと交差するように配設したものである(例えば、特許文献3参照)。
特開昭50−49790号公報 実開平3−71812号公報 特開2002−192415号公報
しかしながら、上記特許文献1の発明においては、切削送りを補償するにあたり想定した切削送りを大幅に超えた高送り加工を行った場合、粗刃チップ3の送りが総じて大きくなり且つ不均等になるため、粗刃チップの主切刃にチッピングや欠損が生じて短寿命となる問題があった。また、加工時の振動が大きくなるため、仕上げ面あらさが悪化する問題があった。
上記特許文献2の発明においても、切削送りを比較的大きくした高送り加工を行った場合、正面フライス本体1の振動が大きくなることから、さらい刃チップ21の副切刃により切削面の送りマークをきれいに取り除くことができなくなり、該切削面の表面あらさが悪化する問題があった。さらに、さらい刃チップ12の主切刃の回転軌跡が主切削チップの主切刃の回転軌跡と同一位置になるように形成した場合には、さらい刃チップ12に大きな切削抵抗が作用するため、切削面の表面あらさがいっそう悪化する問題があった。
上記特許文献3の発明においては、切削送りを大きくした高送り加工を行った場合、チップ13の主切刃及びさらい刃チップ23のさらい刃25と上記平面Pの交点には、大きい切削抵抗が作用するため欠損や摩耗が発生しやすくなり、これらチップ13及びさらい刃チップ23が短寿命となる問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、送り量を大きくした高能率加工を可能とするとともに、仕上げ面の表面あらさの向上を可能とする、正面フライスを提供することを目的とする。さらに、上記正面フライスに装着されるスローアウェイチップの経済性を高めることも目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用する。軸心CLまわりに回転させられる工具本体2の先端外周部に、複数の粗加工用チップ10が着脱可能に装着されるとともに、上記工具本体2の先端外周部の上記粗加工用チップ10より上記軸心CL側には、さらい刃21を備えた少なくとも1つの仕上げ加工用チップ20が着脱可能に装着されてなる正面フライスにおいて、上記粗加工用チップ10は、略正多角形板状をなし、その正多角形面の少なくとも一方に形成されたすくい面14が工具回転方向Kに向き、上記正多角形面の稜辺部に形成された直線状又は曲線状をなす主切刃11が上記工具本体2の外周面3から突出し、上記主切刃11のアプローチ角ψが60°〜80°の範囲内にあり、上記正多角形面のコーナ部に形成された副切刃12が上記軸心CLに対して略直角に延びるように配設され、上記仕上げ用チップ20は、略正多角形板状をなし、その正多角形面の少なくとも一方に形成されたすくい面24が工具回転方向Kに向き、上記正多角形面の稜辺部に形成された主切刃21が上記工具本体2の先端外周部に配され、上記正多角形面の少なくとも1つのコーナ部に形成された直線状又は曲線状をなすさらい刃22が上記軸心CLに対して略直角に延びるように配設され、さらに、上記仕上げ加工用チップ20のさらい刃22が上記粗加工用チップ10の副切刃12より工具先端部側に突出させられたことを特徴とする。
以上の構成を有する正面フライス1は、粗加工用チップ10のアプローチ角ψが60°〜80°の範囲となるように配設されていることから、該粗加工用チップ10の主切刃11の切取り厚さが従来正面フライスより小さくなり、上記主切刃11の各位置における切削抵抗が比較的小さくなるため、送り量を大きくした高能率な正面削りにおいても該正面フライス1及び被削材のびびり振動を抑制するとともに粗加工用チップ10のチッピングや欠損の発生を防止する。
さらに、仕上げ加工用チップ20は、その直線状又は曲線状をなすさらい刃22が上記軸心CL方向と略直角に延び且つ上記粗加工用チップ10の副切刃12より工具先端部側に突出して配設されているので、粗加工用チップ10による切削面を仕上げ切削し、その仕上げ面の表面あらさを向上させる。特に、送り量を大きくした高能率な正面削りにおいて、上述のとおり正面フライス1及び被削材のびびり振動が抑えられるので、仕上げ面の表面あらさが大幅に向上する。
上記正面フライス1において、上記粗加工用チップ10の正多角形面の少なくとも1つのコーナ部には、上記副切刃12と、該副切刃12の内周側に連なり且つ上記軸心CL側に向かうにつれ工具基端部側に向かって傾斜する第2副切刃13が形成され、上記副切刃12と上記第2副切刃13が上記コーナ部の2等分線Bを基準として対称形状とされた場合には、正回転用正面フライス1及び逆回転用正面フライス1´にそれぞれ装着されたとき、それぞれの切刃の該正面フライス1、1´の軸心CLまわりの回転軌跡が等しくなる。よって、1個当たり使用コーナ数が2倍に増し経済性が向上する。さらに、上記正多角形面の全てのコーナ部に、上記副切刃12及び上記第2副切刃13を上記コーナ部の2等分線Bを基準として対称形状となるように形成すると、上記経済性の点で最も有効となる。
さらに、上記正面フライスにおいて、上記仕上げ加工用チップ20の正多角形面の全てのコーナ部に、該コーナ部の2等分線Bに対して略直角に延びるさらい刃22が形成された場合には、仕上げ加工用チップ20の使用コーナ数が増し経済性が高くなる。
さらに、上記粗加工用チップ10の上記正多角形面の稜辺に内接する内接円の直径が15mm以上とした場合には、該粗加工用チップ10の主切刃11は、粗加工において充分な切込みを確保し、該粗加工用チップ10は、工具本体2に装着する際において、上記工具本体2に衝合する上記主切刃11から延びる側面の該主切刃11方向の長さを充分に確保することができ、高精度且つ安定的に装着される。なお、上記内接円の直径が30mmを超えると、粗加工用チップ10の大型化により不経済となる。仕上げ加工用チップ20の正多角形面の稜辺に内接する内接円の直径を15mm以上とした場合には、コーナ部に形成されたさらい刃22は、そのさらい刃22方向の長さを充分に長く形成することができ、高送り時の表面あらさの向上に寄与するとともに、工具本体2に保持される上記正多角形面の稜辺部に形成された主切刃21から延びる側面の面積を充分に確保することができ、該仕上げ加工用チップ20は工具本体2に高精度且つ安定的に装着される。
さらに、上記仕上げ加工用チップ20の主切刃21の上記軸心CLまわりの回転軌跡が上記粗加工用チップ10の主切刃11のそれよりも上記軸心CL寄りに位置している場合には、該仕上げ加工用チップ20の主切刃21のうち切削に関与する部分は、上記粗加工用チップ10の副切刃12から突出した部分のみとなるので、切削時の負荷による振動が抑制され仕上げ面の面粗度が非常に良好となる。
以下に、本発明に係る正面フライスの一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る正面フライスの側断面図である。図2は同実施形態を示し、(a)は側面図、(b)は先端側からみた要部端面図である。図3は図1に示す正面フライスの切刃の回転軌跡を示す図である。図4は上記正面フライスの逆回転用正面フライスの側断面図である。図5は同逆回転用正面フライスを示し、(a)は側面図、(b)は先端側からみた要部端面図である。図6は図1及び図4に示す正回転用及び逆回転用正面フライスの双方に装着される粗加工用チップを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。図7は図1及び図3に示す正面フライスに装着される仕上げ加工用チップを示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。図8は粗加工用チップの他の例を示す平面図である。
図1〜図3に図示するように、正面フライス1は、略円盤状をなす工具本体2の先端外周面部にチップ座50を有する取付部材を介して8個の粗加工用チップ10と1個の仕上げ加工用チップ20とが、着脱可能に装着されている。上記粗加工用チップ10及び仕上げ加工用チップ20において、少なくとも切削に関与する切刃は、超硬合金、サーメット、セラミックス等の硬質材料、あるいは、ダイヤモンドやCBNを含有した多結晶焼結体等の材質から構成されている。図6に図示するように、粗加工用チップ10は略正方形板状をなし、その上面である正方形面がすくい面14とされ、該正方形面の稜辺に主切刃11が形成されている。さらに、上記正方形面の少なくとも1つのコーナ部、本実施形態では全てのコーナ部に、それぞれの一端部同士でつながる副切刃12及び第2副切刃13が形成され、これら副切刃12及び第2副切刃13の他端部は隣接する主切刃11の一端部にそれぞれつながっている。上記稜辺に内接する内接円の直径は15.875mmとなっている。すくい面14に直交する方向からみて、副切刃12と第2副切刃13は、直線状又は曲線状をなし、コーナ部の2等分線Bを基準として対称形状とされ、それぞれにつながっている主切刃11とのなす角度がそれぞれ160°になるように形成されている。主切刃11、副切刃12及び第2副切刃13からそれぞれ延びる側面は、すくい面14に対して鋭角をなす逃げ面11a、12a、13aとされ、ポジの逃げ角が付されている。一方、図7に示すように、仕上げ加工用チップ20は略正方形板状をなし、その上面である正方形面がすくい面24とされ、上記正方形面の稜辺には主切刃21が形成されている。上記正方形面の少なくとも1つのコーナ部、本実施形態では全てのコーナ部に、該コーナ部の2等分線Bに略直交するさらい刃22がそれぞれ形成されている。上記稜辺に内接する内接円の直径は15.875mmとなっている。すくい面24に直交する方向からみて、各さらい刃22は、平面視で直線状又は曲線状に形成され、本実施形態では曲率半径rが500mmの円弧からなる曲線状に形成されている。上記円弧の両端部を結んだ直線が上記2等分線Bと略直交するとともに該直線の長さが約4mmとされている。上記主切刃21及び上記さらい刃22から延びる側面は、すくい面24に対して鋭角をなす逃げ面21a、22aとされ、ポジの逃げ角が付されている。
図1〜図3に図示するように、工具本体2の工具基端部の端面には、図示しない工作機械の主軸端面に密着する取付面2aが形成され、軸心CLに沿って端面キー溝付き穴2bが形成されている。さらに、工具本体2の先端外周面3には、略等間隔に9つの取付部材挿入溝5が切欠き形成され、各取付部材挿入溝5の工具回転方向Kには、該取付部材挿入溝5に連続して、切屑ポケット7及び楔部材挿入溝6が切欠き形成されている。8つの取付部材挿入溝5には、ボルト等のねじ部材を用いて粗加工用チップ取付部材30が着脱可能にそれぞれ装着され、1つの取付部材挿入溝5には、同様のねじ部材を用いて仕上げ加工用チップ取付部材40が着脱可能に装着されるとともに、上記取付部材40の工具基端部側には、該取付部材40に隣接する微調整楔部材70がボルト等のねじ部材を用いて該取付部材挿入溝5の深さ方向に浮沈可能に装着されている。仕上げ加工用チップ取付部材40は、微調整楔部材70を上記取付部材挿入溝5の底面側に向かって沈み込ませることにより、該取付部材40の工具基端部側を向く端面に当接する上記微調整楔部材70の側面によって工具先端部側に向かって押圧されてせり出し可能となっている。また、全ての楔部材挿入溝6には、ボルト等のねじ部材を用いて楔部材60が該楔部材挿入溝6の深さ方向に浮沈可能に装着されている。各取付部材30、40の工具回転方向Kを向く側面の先端外周コーナ部には、チップ座50がそれぞれ切欠き形成されている。
粗加工用チップ10は、その下面15が上記粗加工用チップ取付部材30に設けられたチップ座50の底面に着座し、その上面に形成されたすくい面14が工具回転方向Kに向き、正方形面の稜辺から延びる側面のうち工具基端部側を向く一対の隣接する側面(逃げ面11a)が上記チップ座50の対応する一対の壁面に当接するように載置され、ねじ部材を操作して楔部材60を楔部材挿入溝6の底面側に沈み込ませることにより、該粗加工用チップ10の上面に当接する上記楔部材60の側面によって上記チップ座50の底面側に向かって押し付けられて着脱可能に装着されている。ここで、粗加工用チップ10は、工具本体2の先端外周部に配された、切削を担う主切刃11及び副切刃12が工具本体2の外周面3及び先端面4からそれぞれ突出するように配設される。さらに、上記主切刃11は工具本体2の軸心CLとのなす角度、いわゆるアプローチ角ψが60°〜80°の範囲、本実施形態では70°になるように傾斜し、上記副切刃12が上記軸心CLに対して略直角に延び、上記副切刃12の内周側に連なる第2副切刃13が上記軸心CLに向かうにつれ工具基端部側に向かって傾斜するように配設されている。
仕上げ加工用チップ20は、その下面25が上記仕上げ加工用チップ取付部材40に設けられたチップ座50の底面に着座し、その上面に形成されたすくい面24が工具回転方向Kに向き、正方形面の稜辺から延びる側面のうち工具基端部側を向く一対の隣接する側面(逃げ面21a)が上記チップ座50の対応する一対の壁面に当接して載置され、ねじ部材を操作して楔部材60を楔部材挿入溝6の底面側に沈み込ませることにより、該仕上げ加工用チップ20の上面に当接する上記楔部材60の側面によって上記チップ座50の底面側に向かって押し付けられて着脱可能に装着されている。ここで、仕上げ加工用チップ20は、図3に図示するように、工具本体2の先端面4から突出した、切削を担うさらい刃22が工具本体2の軸心CLに略直角に延び、工具本体2の先端外周部に配された主切刃21を上記軸心CLまわりに回転させたときの回転軌跡が粗加工用チップ10の主切刃11の回転軌跡に対し少なくとも該正面フライス1の1刃当たりの送り量よりも内周側に引っ込むように配設されている。さらに、仕上げ加工用チップ取付部材40を微調整楔部材70によって工具先端部側にせり出すことによって、上記さらい刃22は粗加工用チップ10の副切刃12よりも0.02mm〜0.3mm程度工具先端部側に突出している。
以上に説明した正面フライス1は、その軸心CLまわりに工具回転方向Kに回転させられるとともに、上記軸心CL方向に直交する方向に所定の送り量を与えられることによって、被削材の被削面を所定の切込み深さの正面削りを行う。粗加工用チップ10は、仕上げ加工用チップ20に先行して上記被削面を切削する。粗加工用チップ10の主切刃11は、アプローチ角ψが70°に設定されているため、該主切刃11の切取り厚さが従来正面フライス1より小さくなり、上記主切刃11の各位置における切削抵抗が比較的小さくなるため、送り量を大きくした高能率な正面削りにおいても該正面フライス1及び被削材のびびり振動を抑制するとともにチッピングや欠損の発生を防止する。上記アプローチ角ψは60°〜80°の範囲内に設定されるのが好ましい。これは、60°未満では上記効果を奏さないおそれがあり、80°を超えると上記軸心CL方向の切込み深さの上限値が小さすぎて実用性が損なわれるからである。
さらに、仕上げ加工用チップ20は、その直線状又は曲線状をなすさらい刃22が上記軸心CL方向と略直角に延び且つ上記粗加工用チップ10の副切刃12より工具先端部側に突出して配設されているので、粗加工用チップ10による切削面を仕上げ切削し、その仕上げ面の表面あらさを向上させる。特に、送り量を大きくした高能率な正面削りにおいて、上述のとおり正面フライス1及び被削材のびびり振動が抑えられるので、表面あらさ及び加工精度等の仕上げ面精度が向上する。
粗加工用チップ10のすくい面14となる正方形面のコーナ部では、隣接する副切刃12と第2副切刃13がコーナ部の2等分線Bを基準として対称形状とされているため、図4及び図5に図示する逆回転用正面フライス1´に装着した際において、工具本体2´の先端外周部に位置する主切刃11のアプローチ角ψが70°となるとともに、上記第2副切刃13が該正面フライス1´の軸心CLに対して略直角に延び、且つこの第2副切刃13の内周側に連なる副切刃12が上記軸心CLに向かうにつれ工具基端部側に向かって傾斜するように装着されている。このように、粗加工用チップ10は、正回転用正面フライス1及び逆回転用正面フライス1´にそれぞれ装着されたとき、その切刃の軸心CLまわりの回転軌跡が等しくなることから、両正面フライス1、1´に兼用可能となる。よって、1個当たり8コーナが使用可能となり経済性の向上に有効となる。なお、上記の両正面フライス1、1´で使用した際には、粗加工用チップ10の各主切刃11は、該主切刃11の副切刃12側の端部と第2副切刃13側の端部とがそれぞれ切削に関与することになるが、該粗加工用チップ10は、そのすくい面14となる正方形面の稜辺に内接する内接円の直径が15.875mmと比較的大型になっているため、主切刃11が形成された上記稜辺の長さが充分に確保され、上記副切刃12側の端部と上記第2副切刃13側の端部とが一部重複して切刃損傷の重複を生じることがない。しかも、粗加工用チップ10を工具本体2に装着したとき、各主切刃11から延びる逃げ面11a及びこの逃げ面11aに当接するチップ座50の壁面は該主切刃11方向で充分な長さを確保できるため、粗加工用チップ10のチップ座50への取付け精度及び取付け強度が向上する。上記内接円の直径は、必要以上に大きくしても経済的に不利になるため30mm以下の範囲に限定されるのが好ましい。なお、図8に図示する粗加工用チップ10のように、図1及び図2に図示する正回転用正面フライスのみに装着することを想定して第2副切刃13を省略したものにおいても、本発明の目的である、送り量を大きくした高能率加工と、仕上げ面の表面あらさの向上を実現することができる。
仕上げ加工用チップ20のすくい面24となる正方形面の全てのコーナ部では、該コーナ部の2等分線Bに対して略直角に延びるさらい刃22が形成されており、本実施形態のように略正方形板状をなすものでは、4コーナ使用可能となり経済性の向上に有効である。仕上げ面の表面あらさを良好にするため、上記さらい刃22の延びる方向の長さは少なくとも本正面フライス1の1回転当りの送り量以上とされているため、仕上げ加工用チップ20のコーナ部には、主切刃21を大きく切欠く面取り状のさらい刃22が形成されるものの、該仕上げ加工用チップ20は、そのすくい面24となる正方形面の稜辺に内接する内接円の直径が15.875mmと比較的大型になっているため、各主切刃21から延びる逃げ面21a及びこの逃げ面21aに当接するチップ座50の壁面が該主切刃21方向で充分な長さを確保され、チップ座50へ装着したときの取付け精度と取付け強度が損われるおそれがない。上記内接円の直径は、上述した粗加工用チップ10と同様に経済的な点から30mm以下に限定されるのが好ましい。
正面削りの加工能率を高める加工形態の1つとして、それぞれの主軸を対向して備えたいわゆる両頭主軸を備えた工作機械を用い、被削材を正回転用正面フライス1及び逆回転用正面フライス1´で挟むようにして該被削材の対向する上下面、一対の側面又は端面を同時に正面削りする加工形態が従来から行われている。本実施形態に係る正面フライスを上記加工形態に用いることによって、びびり振動がない高能率な正面削りと仕上げ面精度の向上が可能となるうえに粗加工用チップ10の経済性が高められるといった、きわめて有益な効果が得られる。
仕上げ加工用チップ20の主切刃21は粗加工用チップ10の副切刃12から工具先端部側に突出した微小量の切込み深さのみを分担するため、該仕上げ加工用チップ20への負荷がきわめて小さくなり振動等による仕上げ面の表面あらさの悪化がほとんど生じない。
以上に説明した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更、追加することが可能である。例えば、粗加工用チップ10及び仕上げ加工用チップ20の外形は略正方形板状に限定されるものではなく、3角形板状あるいは5角形の板状をなすもの、好適には8角形以下の板状をなすものに適用される。また、粗加工用チップ10の主切刃11は、その両端部を結んだ直線と工具本体2の軸心CLとのなす角度が60°〜80°の範囲内にあれば、上記両端部を曲線状に結んだものでもよい。仕上げ加工用チップ20のさらい刃22の平面視形状は、曲線状に限定されず、工具本体2の軸心CLに直交する直線状に形成されてもよい。
本発明の実施形態に係る正面フライスの側断面図である。 同実施形態に係る正面フライスを示し、(a)は側面図、(b)は先端側からみた要部端面図である。 同実施形態に係る正面フライスの切刃の回転軌跡を示す図である。 図1に示す正面フライスの逆回転用正面フライスの側断面図である。 同正面フライスを示し、(a)は側面図、(b)は先端からみた要部端面図である。 図1及び図4に示す正回転用及び逆回転用正面フライスの双方に装着される粗加工用チップを示し、(a)が平面図、(b)が正面図である。 図1及び図5に示す正面フライスに装着される仕上げ加工用チップを示し、(a)が平面図、(b)が正面図である。 粗加工用チップの他の例を示す平面図である。 従来正面フライスの要部正面図である。 他の従来正面フライスの側断面図である。 さらに他の従来正面フライスのチップ先端部とさらい刃チップとの軸線O回りの回転軌跡を回転方向T側からみた図である。
符号の説明
1 正面フライス
2 工具本体
3 工具本体の外周面
4 工具本体の先端面
5 取付部材挿入溝
6 楔部材挿入溝
7 切屑ポケット
10 粗加工用チップ
11 粗加工用チップの主切刃
12 粗加工用チップの副切刃
13 粗加工用チップの第2副切刃
14 粗加工用チップのすくい面
11a、12a、13a 粗加工用チップの逃げ面
20 仕上げ加工用チップ
21 仕上げ加工用チップの主切刃
22 仕上げ加工用チップのさらい刃
24 仕上げ加工用チップのすくい面
21a、22a 仕上げ加工用チップの逃げ面
30 粗加工用チップ取付部材
40 仕上げ加工用チップ取付部材
50 チップ座
60 楔部材
70 微調整楔部材
ψ アプローチ角

Claims (1)

  1. 軸心(CL)まわりに回転させられる工具本体(2)の先端外周部に、複数の粗加工用チップ(10)が着脱可能に装着されるとともに、前記工具本体(2)の先端外周部の前記粗加工用チップ(10)より前記軸心(CL)側には、さらい刃(21)を備えた少なくとも1つの仕上げ加工用チップ(20)が着脱可能に装着されてなる正面フライスにおいて、
    前記粗加工用チップ(10)は多角形板状をなし、その多角形面の少なくとも一方にすくい面(14)が形成され、
    前記粗加工用チップ(10)のすくい面(14)の各稜辺部には直線状の主切刃(11)が形成され、
    前記粗加工用チップ(10)のすくい面(14)の全てのコーナ部には、各コーナ部の2等分線(B)を基準として対称に副切刃(12)と第2副切刃(13)とが形成され、なおかつ前記副切刃(12)と前記第2副切刃(13)とは鈍角に交差し
    前記粗加工用チップ(10)のある一つのコーナ部に形成された副切刃(12)および第2副切刃(13)はそれぞれ別の主切れ刃(11)につながり、前記粗加工用チップ(10)のあるコーナ部に形成された副切刃(12)につながる主切れ刃(11)は隣のコーナ部に形成された第2副切れ刃(13)につながり、前記粗加工用チップ(10)のあるコーナ部に形成された第2副切刃(13)につながる主切れ刃(11)は隣のコーナ部に形成された副切刃(12)につながり、
    前記仕上げ用チップ(20)は略多角形板状をなし、その多角形面の少なくとも一方にすくい面(24)が形成され、
    前記仕上げ加工用チップ(20)のすくい面(24)の辺稜部に主切刃(21)が形成され、
    前記仕上げ加工用チップ(20)のすくい面(24)の全てのコーナ部に、そのコーナ部の2等分線(B)に対して略直角に延び、且つ前記主切れ刃(21)につながる直線状又は曲線状のさらい刃(22)が形成され、
    前記粗加工用チップ(10)は前記工具本体(2)に対して、切削に関与する主切れ刃(11)のアプローチ角(ψ)が60°以上80°以下となり且つその主切れ刃(11)が工具本体(2)の外周面(3)から突出し、切削に関与する副切れ刃(12)が前記軸心(CL)に対して略直角に延び、切削に関与する第2副切刃(13)が工具本体(2)の基端部側へ延びるに従い軸心(CL)から離れるように傾斜するように配設され、
    前記仕上げ用チップ(20)は前記工具本体(2)に対して、主切刃(21)が工具本体(2)の先端外周部に位置して且つ主切刃(21)の軸心(CL)まわりの回転軌跡が前記粗加工用チップ(10)の主切刃(11)のそれよりも軸心(CL)寄りに位置し且つ主切刃(21)のアプローチ角が前記粗加工用チップ(10)の主切刃(11)のアプローチ角(ψ)よりも小さくなり、尚且つさらい刃(22)が前記軸心(CL)に対して略直角に延び且つさらい刃(22)が前記粗加工用チップ(10)の副切刃(12)より工具先端部側に突出するように配設されることを特徴とする正面フライス。
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