JP2007283467A - 切削インサート及び切削工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】加工穴の内壁面の面粗さを向上させることができる切削インサート及びこの切削インサートが装着された切削工具を提供する。
【解決手段】被切削材に設けられた下穴の内壁面を切削加工して加工穴を形成する切削工具に装着される切削インサート10であって、外形が多角形平板状をなして多角形面と該多角形面と交差する側面とを有し、前記多角形面と前記側面との交差稜線部に切刃15が設けられており、前記多角形面の角部11AにはコーナR部17が形成され、角部11Aで交差する一対の切刃15のうちの少なくとも一の切刃15とコーナR部17との間には、前記多角形面に対向する側から見て、一の切刃15よりも内側に傾いた直線刃18が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、被切削材に予め設けられた下穴の内壁面を切削加工して加工穴を形成する際に使用される切削工具に着脱可能に装着される切削インサート及びこの切削インサートが装着された切削工具に関する。
近年、エンジンのシリンダーボアの加工等に用いられる切削工具として、切刃を有する切削インサートを工具本体の先端部外周に着脱可能に装着したボーリングカッタ等が知られている。ここで、被切削材の下穴の内壁面を荒加工するボーリングカッタの場合、切削代を比較的大きく取るために切削抵抗が大きくなる傾向にある。そこで、このようなボーリングカッタには、高い剛性を有するネガティブタイプの切削インサートが広く使用されている。
前記のボーリングカッタに装着されるネガティブタイプの切削インサートは、その外形が例えば概略四角形平板状をなしており、四角形面の辺稜部に切刃が形成され、すくい面とされる四角形面と逃げ面とされる側面とが直交するように配置されたものである。そして、この切削インサートの四角形面の角部には、コーナR部が形成されている。
このような構成とされたインサートは、すくい面とされた1つの四角形面が工具回転方向前方を向くように、かつ、工具本体先端側に向けられて正面逃げ面とされた側面及び工具本体径方向外側に向けられて外周逃げ面とされた側面に逃げを与えるようにして装着される。このようにして構成されたボーリングカッタは、工具本体がアダプタ等を介して工作機械の主軸端に取り付けられ、工具本体の軸線回りに高速回転されるとともに、工具本体の軸線方向に送りを与えられ、被切削材に予め設けられた下穴に挿入され、工具本体の先端部外周に装着された切削インサートの切刃によって下穴の内壁面を切削加工し、所定の内径の加工穴を形成する。
特開平10−146712号公報 特開2003−160488号公報
ところで、この切削インサートの角部にはコーナR部が形成されており、被切削材の加工穴内壁面は、このコーナR部の軌跡が1回転当りの送り量分だけずれた形で重ね合わされた形状とされる。よって、ボーリングカッタの1回転当たりの送り量を大きくした場合には、コーナR部の回転軌跡が重なり合う部分が加工穴の径方向内側に向けて大きく突出することになり、加工穴の内壁面の面粗さが粗くなってしまう。
荒加工における加工穴内壁面の面粗さが粗い場合には、その後の中仕上げ加工、仕上げ加工においてその切削代を大きくする必要があり、これら中仕上げ加工及び仕上げ加工に使用される切刃に作用する切削抵抗が大きくなるとともに摩耗が促進されてしまい、これら切刃の寿命が短くなってしまう。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、加工穴内壁面の面粗さを向上させることができる切削インサート及びこの切削インサートが装着された切削工具を提供することを目的とする。
この目的を達成するために、本発明の切削インサートは、被切削材に設けられた下穴の内壁面を切削加工して加工穴を形成する切削工具に装着される切削インサートであって、 外形が多角形平板状をなして2つの多角形面とこれら2つの多角形面と直交する側面とを有し、前記多角形面と前記側面との交差稜線部に切刃が設けられており、前記多角形面の角部にはコーナR部が形成され、前記角部で交差する一対の前記切刃のうちの少なくとも一の切刃と該コーナR部との間には、前記多角形面に対向する側から見て、前記一の切刃よりも内側に傾いた直線刃が形成されていることを特徴としている。
また、本発明の切削工具は、前述した切削インサートが着脱可能に装着され、被切削材に設けられた下穴の内壁面を前記切削インサートの前記切刃によって切削加工して加工穴を形成する切削工具であって、軸線回りに回転される工具本体を有し、該工具本体の先端部外周に凹部が形成され、これら凹部の工具回転方向後方側に取付座が形成され、前記切削インサートの前記多角形面の1つが工具回転方向前方側を向いて、前記角部の1つが前記工具本体径方向外側及び前記工具本体先端側に突出するように、かつ、前記直線刃が前記工具本体径方向外側を向くようにして装着されていることを特徴としている。
この構成の切削インサート及び切削工具によれば、一の切刃と角部を介して連なる他の切刃を工具本体先端側に向けて主切刃として取付座に装着することにより、前記一の切刃及びコーナR部と前記一の切刃との間に形成された直線刃が工具本体径方向外側に向けられ、加工穴内壁面にはコーナR部と直線刃とが摺接することになる。
このように切削インサートを工具本体に装着することにより、加工穴内壁面を一の切刃よりも内側に傾いた直線刃によって切削することができ、加工穴内壁面の面粗さが粗くなることを防止できる。
したがって、この切削インサートが装着された切削工具による荒加工を仕上げ寸法に近く行うことができ、その後の中仕上げ、仕上げ加工における切削代を低減でき、これら中仕上げ、仕上げ加工に使用される切刃の寿命向上を図ることができる。
ここで、前記一の切刃と前記直線刃との間に連結R部を形成することにより、1回転当たりの送り量が大きくなった場合でも、加工穴内壁面と連結R部とが摺接することになり、加工穴内壁面の面粗さが著しく悪くなることを防止できる。
さらに、前記直線刃を、前記コーナR部と前記角部で交差する一対の切刃との間にそれぞれ形成し、前記多角形面に対向する側から見て、前記コーナR部を2等分する基準線に対して線対称に形成することにより、例えば右回転の切削工具だけでなく、左回転の切削工具にも使用して、前述したような効果を奏することができ、いわゆる勝手なしの切削インサートとすることができる。
また、前記多角形面に、該多角形面の辺稜部に沿って延びて前記多角形面から凹んだブレーカ溝と、前記多角形面中央部から各辺稜部に向けて延びて前記ブレーカ溝を分割するリブ部とを形成し、前記ブレーカ溝に、前記側面に対向する側から見て、前記角部から離れるにしたがい該ブレーカ溝が形成された前記多角形面から漸次後退するように傾斜する傾斜面を備え、該傾斜面と前記側面との交差稜線部に切刃を形成することにより、工具本体径方向外側に向けられて外周逃げ面とされた側面に逃げが与えられるようにして切削インサートを装着しても、工具本体先端側に向けられた主切刃のラジアルレーキ角を正側に設定することができる。よって、主切刃の切れ味を向上させて切削抵抗を大幅に低減し、工具本体の振動を防止して切削加工を精度良く行うことができるとともに、切削インサートの破損等を防止できる。また、主切刃の切れ味を向上させることによって切削加工後の加工面の面粗さを向上させることができる。
さらに、前記側面に対向する側から見て、前記傾斜面と前記多角形面とがなす角度θを、5°≦θ≦15°の範囲内に設定することにより、例えば前記外周逃げ面とされた側面に角度θ以下の逃げを与えるようにして切削インサートを装着して、外周逃げ面と被切削材との摺接を防止しつつ、主切刃のラジアルレーキ角を確実に正側に設定することができ、工具本体の振動による加工穴内壁面の面粗さの劣化を防止できる。
本発明によれば、加工穴の内壁面の面粗さを向上させることができる切削インサート及びこの切削インサートが装着された切削工具を提供することができる。
本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。図1から図3に本実施形態である切削インサートを示す。また、図4から図6に、この切削インサートが装着されて構成されるボーリングカッタ(切削工具)を示す。さらに、図7に、被切削材を切刃によって切削する際の切刃の配置を示す。
切削インサート10は、超硬合金等の硬質材料によって構成され、図1及び図2に示すように、外形が概略四角形平板状、より詳しくは正方形平板状をなしており、2つの四角形面11と、これら2つの四角形面11と直交するように配置された4つの側面12とを備えた、いわゆるネガティブタイプの切削インサートである。
四角形面11には、この四角形面11の辺稜部に沿って延びて該四角形面11から凹んだブレーカ溝13と、四角形面11中央部分から四角形面11の各辺稜部に向かって四角形面11と同一平面上に延びるリブ部14とが形成されている。本実施形態では、リブ部14が各辺稜部を2等分するように形成されており、このリブ部14によってブレーカ溝13が四角形面11の4つの角部11Aにそれぞれ位置するように分割されている。これによりブレーカ溝13は、図1に示すように四角形面11に対向する側から見て、概略L字状をなすように形成されている。
また、このブレーカ溝13は、切削インサート10の側面12に対向する側から見て図2に示すように、角部11Aから離れてリブ部14に近づくにしたがい漸次四角形面11から後退するように延びる傾斜面13Aと、該傾斜面13Aとリブ部14とを接続する凹曲面13Bとを備えている。
本実施形態においては、リブ部14が四角形面11の辺稜部を2等分するように形成されているので、ブレーカ溝13は、四角形面11に対向する側から見てリブ部14を2等分する基準線に対して線対称となるように配置されるとともに、2つの四角形面11それぞれにもリブ部14及びブレーカ溝13が形成されているため、側面12に対向する側から見て切削インサート10の厚さ方向を2等分する基準線に対しても線対称となるようにそれぞれ配置されている。
そして、この傾斜面13Aと側面12との交差稜線部に切刃15が形成されている。つまり、この切削インサート10には、図1に示すように、その角部11Aで交差する一対の切刃15がそれぞれ形成され、これら一対の切刃15の内側に沿うようにして概略L字状をなすブレーカ溝13が配置されているのである。
この傾斜面13Aと四角形面11とがなす角度θは、5°≦θ≦15°の範囲内に設定され、本実施形態においては、θ=10°に設定されており、切刃15も前記四角形面11と交差角10°で交差するように配置されることになる。
また、四角形面11の中心部分には、四角形面11に対して直交して厚さ方向に貫通した挿通孔16が穿設されている。この切削インサート10は、四角形面11に対向する側から見て図1に示すように、切削インサート10の中心部分(挿通孔16の中心)を基準として90°回転対称となるように形成されている。
そして、この切削インサート10の四角形面11の角部11Aには、図3に示すように、コーナR部17が形成されており、このコーナR部17と前記角部11Aで交差する一対の切刃15、15との間には、これら切刃15、15よりも内側に傾いた一対の直線刃18、18が形成されている。つまり、角部11Aには、一対の切刃15、15を延在させた際の交差角よりも大きな角度で交差する一対の直線刃18、18が形成されているのである。本実施形態においては、直線刃18は切刃15に対して角度φだけ内側に傾いて形成されており、この角度φが、3°≦φ≦45°の範囲内に設定され、より具体的にはφ=5°とされている。よって、各角部11Aに配置された一対の直線刃18、18同士の交差角は100°とされ、一対の切刃15、15同士の交差角90°よりも大きくされている。
一対の直線刃18、18はコーナR部17の両端にそれぞれ連なるように配置されており、直線刃18と切刃15との間には、それぞれ連結R部19が形成されている。言い換えると、角部11Aは、切刃15、連結R部19、直線刃18、コーナR部17、直線刃18、連結R部19、切刃15とが順に並ぶように配置されることで構成されている。
ここで、角部11Aに形成された直線刃18及び連結R部19は、四角形面11に対向する側から見て、コーナR部17を2等分する基準線に対して線対称となるように構成されている。
次に、この切削インサート10が装着されて構成されるボーリングカッタ20について説明する。ボーリングカッタ20は、図3及び図4に示すように、軸線Oを中心とした概略多段円柱状をなす工具本体21を有している。工具本体21の後端側(図3において上側)には、工具本体21を工作機械(図示なし)の主軸端等に取り付けるための取付孔22が形成されている。また、工具本体21には、前記取付孔22と連通して軸線Oに沿って延びるクーラント孔23と、このクーラント孔23よりも大径とされたクーラント貯留部24とが形成されており、クーラント貯留部24の先端側部分には軸線Oに沿うように止めネジ25が螺着されている。
工具本体21の先端側外周には、工具本体21が切り欠かれて工具本体21先端側及び工具本体21径方向外側に向けて開口する凹部26が円周方向に複数形成されており、この凹部26の工具回転方向T後方側には、前記切削インサート10を装着するための取付座27が設けられている。本実施形態では、図4に示すように5つ(奇数)の凹部26及び5つの取付座27が配置されている。なお、これら5つの取付座27は、円周方向において不等間隔に配置されている。
取付座27の工具回転方向T前方側を向く壁面27Aは、図5に示すように、工具本体21先端側に向かうにしたがい漸次工具回転方向T後方側に後退するように軸線Oに対して傾斜させられている。また、この取付座27の工具回転方向T前方側を向く壁面27Aには、図示しないネジ孔が穿設されている。
さらに、取付座27の工具本体21先端側を向く壁面27Bは、図3に示すように工具本体21径方向外側に向かうにしたがい漸次工具本体21後端側へ後退するように傾斜させられている。
また、凹部26の工具本体21径方向外側を向く底面には、前記クーラント貯留部24と連通されたクーラント排出孔28が開口されており、このクーラント排出孔28は工具本体21径方向外側に向かうにしたがい工具回転方向T後方側に向かうように配置されている。
さらに、凹部26の工具回転方向T前方側には、凹部26の外周端部分を切り欠いた切欠部29が形成されている。
このような構成とされた取付座27に、切削インサート10が装着されてボーリングカッタ20が構成される。
切削インサート10のひとつの四角形面11を工具回転方向T前方側に向けて他の四角形面11を取付座27の工具回転方向T前方側を向く壁面27Aに密着するように、かつ、前記切削インサート10の工具本体21後端側を向く側面12を取付座27の工具本体21先端側を向く壁面27Bに当接するようにして、切削インサート10を取付座27に配置する。この状態で、クランプネジ30を切削インサート10の挿通孔16に挿通して取付座27に穿設されたネジ孔にねじ込むことにより、切削インサート10が取付座27に強固に固定される。なお、このクランプネジ30をねじ込む際には、凹部26の工具回転方向T前方側に形成された切欠部29を通じてドライバー等の作業用工具を挿入して作業する。
このように切削インサート10が取付座27に装着されることにより、切削インサート10は、図3に示すように、工具本体21先端側及び工具本体21径方向外側に向けてひとつの角部11Aが突出されて、この角部11Aに形成された一対の切刃15のうち工具本体21先端側に向けられた切刃15が主切刃15Aとされ、この主切刃15Aと軸線Oと直交する平面とがなす角度、いわゆるリード角γは、3°≦γ≦45°の範囲内に設定されており、本実施形態においてはγ=5°とされている。
また、切削インサート10の工具回転方向T前方側を向けられた四角形面11を基準としたラジアルレーキ角αは、図4に示すように工具本体21径方向外側に向かうにしたがい工具回転方向T後方側に後退するように負側に設定されており、具体的には−15°≦α≦−3°の範囲内とされていて、本実施形態ではα=−5°に設定されている。
さらに、切削インサート10の工具回転方向T前方側を向けられた四角形面11を基準としたアキシャルレーキ角βは、図5に示すように工具本体21先端側に向かうにしたがい工具回転方向T後方側に後退するように負側に設定されており、具体的には−15°≦β≦−3°の範囲内とされていて、本実施形態ではβ=−5°に設定されている。
このようにして構成されたボーリングカッタ20は、工具本体21の取付孔22を介して工作機械の主軸端に取り付けられ、工具本体21をその軸線回りに高速回転するとともに軸線O方向に送りを与えられて、被切削材に予め形成された下穴に挿入されることにより、工具本体21先端側に向けられた切削インサート10の主切刃15Aによって下穴の内壁面をして所定の内径の加工穴を形成するものである。この切削加工の際には、工作機械側からクーラント孔23へと切削油が供給され、この切削油がクーラント貯留部24及びクーラント排出孔28を介して主切刃15Aに向けて排出される。
本実施形態である切削インサート10においては、工具本体先端側に向けられた主切刃15Aと角部11Aで交差して工具本体径方向外側に向けられた切刃15とコーナR部17との間に前記切刃15よりも内側に角度φだけ傾いた直線刃18が形成され、角度φが 3°≦φ≦45°の範囲内に、より具体的にはφ=5°に設定されるとともに、主切刃15Aのリード角γが3°≦γ≦45°の範囲内に、より具体的にはγ=5°に設定されているので、図7に示すように、工具本体径方向外側に向けられた切刃15が径方向内側に後退して加工穴内壁面と前記直線刃18とが摺接するように配置されることになる。よって、加工穴内壁面をこの直線刃18でさらうように切削することができ、加工穴内壁面の面粗さを滑らかにすることができる。
また、この直線刃18と切刃15との間に連結R部19が形成されているので、ボーリングカッタ20の送り量を大きくしてもこの連結R部19が加工穴内壁面と摺接することになり、加工穴内壁面の面粗さが劣化することを防止できる。また、切刃15と直線刃18との交差部分がなくなって切刃15と直線刃18とが滑らかに接続されるので、切削インサート10の欠損を防止できる。
また、直線刃18と連結R部19とが、四角形面11に対向する側から見て、コーナR部17を2等分する基準線に対して線対称となるように形成されているので、この切削インサート10を、例えば右回転の切削工具にだけでなく左回転の切削工具にも適用しても、前述のように加工穴内壁面を直線刃18でさらうように切削することができ、この切削インサート10をいわゆる勝手なしの切削インサートとすることができる。
さらに、四角形面11の辺稜部に沿うようにブレーカ溝13が形成され、該ブレーカ溝13に四角形面11と角度θ=10°で交差する傾斜面13Aが備えられ、この傾斜面13Aと側面12との交差稜線部に切刃15が形成されているので、図4に示すように、四角形面11を基準としてラジアルレーキ角αを負側となるように、より具体的にはα=−5°となるように切削インサート10を取り付けても、主切刃15A自体のラジアルレーキ角は正側に設定されることになる。
また、四角形面11から凹むようなブレーカ溝13が形成されているので、図5に示すように、四角形面11を基準としてアキシャルレーキ角βを負側となるように、より具体的にはβ=−5°となるように切削インサート10を取り付けても、主切刃15A自体のアキシャルレーキ角を正側に設定することができる。
よって、四角形面11を基準としてラジアルレーキ角及びアキシャルレーキ角が負となるように切削インサート10を装着しても、主切刃15A自体のアキシャルレーキ角及びラジアルレーキ角を正側に設定することができ、切削抵抗を確実に低減することができる。よって、切削抵抗による工具本体21の振動を防止して切削加工を精度良く行うことができるとともに、切削インサート10の破損等を防止できる。また、主切刃15Aの切れ味を向上させることによって切削加工後の加工面の面粗さを向上させることができる。
また、四角形面11中央部から辺稜部に向けて延びるリブ部14が形成されているので、切削インサート10を取付座27の工具回転方向T前方側を向く壁面27Aに対してこのリブ部14が当接するように載置でき、取付座27からの主切刃15Aの突出量を小さく抑えることができる。したがって、切削加工時に主切刃15Aに作用する切削抵抗を取付座27で受けることができ、切刃15の欠損を防止できる。
また、切削インサート10が、四角形面11に対向する側から見て、四角形面11の中心を基準として90°回転対称に形成されるとともに、側面12に対向する側から見て、四角形面11の辺稜部を2等分する基準線に対して線対称、かつ、厚さ方向に2等分する基準線に対して線対称に形成されているので、切削インサート10に形成された8つの角部11Aを順次工具本体21から突出するように装着して使用することができ、この切削インサート10の使用コストを大幅に低減することができる。
また、リブ部14によってブレーカ溝13が各角部11A毎に分割されているので、工具本体21先端側に向けられた主切刃15Aによって生成した切屑が、他の角部11Aに配置されたブレーカ溝13を擦過することが防止され、他の角部11Aに形成された切刃15を順次使用することができる。
また、ネガティブタイプの切削インサート10とされているので、切削代を比較的大きくしても切削抵抗によって切削インサート10が破損することがなく、切削加工を効率良く行うことができる。
さらに、この構成のボーリングカッタ20では、取付座27が円周方向に不等間隔に配置されているので、取付座27に装着された切削インサート10の主切刃15Aに作用する切削抵抗の大きさや作用時間が異なるものとなって、工具本体21にその固有振動数にあった周期的な振動(共振)が発生することを防止できる。また、取付座27が5つ設けられ、いわゆる奇数刃のボーリングカッタ20とされているので、工具本体21の共振をより確実に防止することができる。
また、主切刃15Aと軸線Oと直交する平面とがなす角度、いわゆるリード角γが、3°≦γ≦45°の範囲内に、より具体的にはγ=5°とされているので、切削加工時に切削インサート10に作用する切削抵抗の背分力を小さく抑えることができ、工具本体21の振動を抑制することができるとともに、切削時の衝撃が不必要に大きくなることを防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、直線刃と切刃とがなす角度φを3°≦φ≦45°の範囲内に、より具体的にはφ=5°に設定したものとして説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、切刃の内側に傾くように直線刃が形成されていれば良い。この角度φは、主切刃のリード角γに併せて設定することが好ましい。
また、主切刃のリード角γを3°≦γ≦45°の範囲内に、より具体的にはγ=5°として工具本体に装着したボーリングカッタとして説明したが、リード角γはこれに限定されることはなく、任意に設定することができる。しかし、リード角γを本実施形態の範囲内に設定することにより、切削抵抗の背分力を低減できるとともに切削時の衝撃を抑えることができる。
また、切削インサートの側面視において、ブレーカ溝に形成された傾斜面と四角形面とがなす角度θを、5°≦θ≦15°の範囲内に、より具体的にはθ=10°に設定したものとして説明したが、この数値に限定されることはなく、前記角度θを任意に設定してもよい。
また、各角部に一対の直線刃を形成し、これら直線刃がコーナR部を2等分する基準線に対して線対称となるように配置された切削インサートとして説明したが、これに限定されることはなく、片側のみに直線刃を形成したものであってもよい。ただし、本実施形態のような形状とすることにより、右回転の切削工具及び左回転の切削工具のどちらにも適用することができて前述した効果を奏することができる。
さらに、凹部及び取付座をそれぞれ5つ設けて、これら凹部及び取付座を円周方向で不等間隔に配置したボーリングカッタとして説明したが、これに限定されることはなく、凹部及び取付座の数や配置は任意に設定でき、被切削材の材質や切削条件等を考慮して適宜設定することが好ましい。ただし、本実施形態のように奇数刃としたり、取付座を不等間隔に配置したりすることにより工具本体の共振を防止できる。
本実施形態である切削インサートの正面図である。 図1に示す切削インサートの側面図である。 図1に示す切削インサートが装着された切削工具の側面部分断面図である。 図3に示す切削工具の底面図である。 図3に示す切削工具の取付座の側面図である。 従来の切削インサートの正面図である。 図6に示す切削インサートの側面図である。
符号の説明
10 切削インサート
11 四角形面(多角形面)
11A 角部
12 側面
13 ブレーカ溝
13A 傾斜面
14 リブ部
15 切刃
17 コーナR部
18 直線刃
19 連結R部
20 ボーリングカッタ(切削工具)
21 工具本体
26 凹部
27 取付座

Claims (6)

  1. 被切削材に設けられた下穴の内壁面を切削加工して加工穴を形成する切削工具に装着される切削インサートであって、
    外形が多角形平板状をなして2つの多角形面とこれら2つの多角形面と直交する側面とを有し、前記多角形面と前記側面との交差稜線部に切刃が設けられており、
    前記多角形面の角部にはコーナR部が形成され、前記角部で交差する一対の前記切刃のうちの少なくとも一の切刃と該コーナR部との間には、前記多角形面に対向する側から見て、前記一の切刃よりも内側に傾いた直線刃が形成されていることを特徴とする切削インサート。
  2. 前記一の切刃と前記直線刃との間に連結R部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の切削インサート。
  3. 前記直線刃が、前記コーナR部と前記角部で交差する一対の切刃との間にそれぞれ形成され、前記多角形面に対向する側から見て、前記コーナR部を2等分する直線に対して線対称に形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の切削インサート。
  4. 前記多角形面には、該多角形面の辺稜部に沿って延びて前記多角形面から凹んだブレーカ溝と、前記多角形面中央部から各辺稜部に向けて延びて前記ブレーカ溝を分割するリブ部とが形成されており、
    前記ブレーカ溝は、前記側面に対向する側から見て、前記角部から離れるにしたがい該ブレーカ溝が形成された前記多角形面から漸次後退するように傾斜する傾斜面を有しており、該傾斜面と前記側面との交差稜線部に前記切刃が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の切削インサート。
  5. 前記側面に対向する側から見て、前記傾斜面と前記多角形面とがなす角度θが、5°≦θ≦15°の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の切削インサート。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の切削インサートが着脱可能に装着され、被切削材に設けられた下穴の内壁面を前記切削インサートの前記切刃によって切削加工して加工穴を形成する切削工具であって、
    軸線回りに回転される工具本体を有し、該工具本体の先端部外周に凹部が形成され、これら凹部の工具回転方向後方側に取付座が形成され、
    前記切削インサートの前記多角形面の1つが工具回転方向前方側を向いて、前記角部の1つが前記工具本体径方向外側及び前記工具本体先端側に突出するように、かつ、前記直線刃が前記工具本体径方向外側を向くようにして装着されていることを特徴とする切削工具。
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