JP5522253B2 - 刃先交換式切削工具 - Google Patents

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Description

本発明は、切削インサートのクランプ機構に係わり、特に転削加工に用いられる切削インサートを取り付けた刃先交換式切削工具に関する。
本願は、2010年3月30日に、日本国で特許出願された特願2010−078990号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
転削加工用の刃先交換式切削工具に取り付けられる切削インサート、および上記切削インサートを取り付けた刃先交換式切削工具としては、例えば特許文献1(特開2004−284010号公報)に記載されたものが知られている。特許文献1に記載の切削インサートは、長方形板状のインサート本体を有し、インサート本体の一対の長方形面の辺稜部に切刃が形成されている。前記一対の長方形面のうち、第1の長方形面には、その1つの対角線A方向に延びる溝が形成され、他の1つの対角線B上に位置する2つのコーナから、上記溝に向けて下降する斜面がそれぞれ形成されている。
また、第2の長方形面には、上記第1の長方形面側から透視したときに、第1の長方形面の上記対角線B方向に延びる溝が形成され、上記対角線A方向に並ぶ2つのコーナから上記溝に向けて下降する斜面が形成されている。すなわち、インサート本体が、上記第1および第2の長方形面の中心を結ぶ中心線に直交し、かつ4つのインサート本体の側面にそれぞれ直交する2つの軸線を中心として、捩られたような形状とされている。
この切削インサートは、刃先交換式切削工具の工具本体に形成されたインサート取付座に着脱可能に取り付けられる。インサート取付座の底面は工具回転方向を向いており、この底面の形状は、上記第1の長方形面と相補的な支持面とされており、この底面により第1の長方形面が支持される。また、インサート取付座の工具本体先端側と外周側を向く2つの平らな壁面には、前記第1の長方形面の上記溝と交差するインサート本体の2つの側面が支持される。
ところで、この特許文献1に記載の切削インサートは、このように2つの側面がインサート取付座の2つの支持面に支持されて取り付けられているため、例えば、インサート取付座の工具本体先端側を向く壁面の支持面には、インサート本体の側面を支持するのに十分な面積を要する。さらに、この支持面の後端側には、インサート本体に作用する回転軸線方向の切削負荷を受け止めるのに必要な肉厚を、工具本体に確保しなければならない。
しかしながら、このようにインサート取付座の先端側を向く支持面の面積を大きくし、またその後端側に十分な肉厚を工具本体に確保しようとすると、例えばこのインサート取付座の後端側に大きなチップポケットを形成して、切屑排出性の向上を図ることはできない。また、1つの切屑排出溝に臨んで複数のインサート取付座を形成して切削インサートを取り付けようとしても、隣接するインサート取付座の間には十分な間隔を確保しなければならないため、結果的に複数の切屑排出溝の複数の切削インサートによって1つの切刃列を形成せざるを得なくなって、加工効率の低下を招くことになる。
一方、特許文献1に記載の切削インサートでは、工具本体の外周側を向くインサート取付座の支持面に十分な面積を要するとともに、工具本体の内周側には、インサート本体に作用する工具径方向の切削負荷を受け止め得る肉厚を、確保しなければならない。このため、このインサート取付座の内周側にも大きなチップポケットは形成することができない。また、特に極小径の刃先交換式の切削工具においては、周方向に複数のインサート取付座を形成すると十分な肉厚を確保することができなくなる。したがって、1つの切削インサートしか周方向には取り付けることができなくなり、やはり加工効率の低下を免れることはできない。
特開2004−284010号公報
本発明は、このような背景の下になされたもので、インサート取付座の壁面に複数の支持面を要することがなく、これにより刃先交換式切削工具のインサート取付座後方側や内周側に大きなチップポケットを形成して切屑排出性の向上を図るとともに、工具本体の回転軸線方向や周方向により多くの切削インサートを取り付けて加工効率も向上させることが可能な刃先交換式切削工具を提供することを目的としている
本発明の一態様の刃先交換式切削工具は、以下のいずれかの構成を備える。
(1)刃先交換式切削工具であって、
軸線回りに回転される工具本体と、
上記工具本体の外周のインサート取付座に着脱可能に取り付けられた、切削インサートとを具備し、
上記切削インサートは、一対の多角形面と、その周囲に配置される複数の側面とを有する多角形板状のインサート本体を備え、
上記多角形面の辺稜部には切刃が形成され、
上記インサート本体は、上記一対の多角形面に関して、表裏反転対称形状とされ、
これら一対の多角形面は互いに、一方の多角形面がすくい面とされたときに他方の多角形面が上記インサート取付座の底面に着座する着座面とされ、
これら一対の多角形面には、それぞれ一対の平面である当接面が形成され、
上記一対の当接面は、上記一方の多角形面が上記着座面とされたときに、上記インサート取付座の上記底面に形成された一対の被当接面にそれぞれ当接可能とされ、
上記一対の当接面を延長した2つの仮想延長面は、交差稜線で断面V字状または断面逆V字状に交差し、
上記インサート本体の上記側面のうち、上記一対の当接面の上記仮想延長面の上記交差稜線が延びる二方向のうちの一方向を向く側面には、上記インサート取付座の底面に対して立ち上がる1つの壁面に形成された被当接部に当接可能な、当接部が形成され
上記当接部は、上記側面に形成された断面凹曲線状の凹溝とされ、これら凹溝は上記一対の多角形面の間に亘って延び、上記インサート取付座の1つの壁面に形成された断面凸曲線状の上記被当接部と当接可能とされ、
上記工具本体には、1または2以上の上記インサート取付座が、上記底面を工具回転方向に向けるとともに、上記1つの壁面を外周側または上記軸線方向先端側に向けて形成され、
上記インサート取付座の上記底面には、上記切削インサートの上記当接面と当接する一対の上記被当接面がそれぞれ形成され、
上記一対の被当接面を延長した2つの仮想延長面は、交差稜線で上記切削インサートの上記当接面とは相補的な断面逆V字状または断面V字状に交差しており、
上記インサート取付座の上記一つの壁面には、上記被当接面の交差稜線が向かう位置に、上記切削インサートの当接部と当接する被当接部が形成されている。
(2)上記(1)において、上記インサート本体は、上記一対の多角形面の中心線に関して180°回転対称である形状を有し、
上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線が延びる方向のうちの他の方向を向く、1つの上記多角形面に対して他の1つの上記側面には、上記インサート本体を上記中心線回りに180°回転させたときに上記被当接部に当接可能な、他の当接部が形成されている。
(3)上記(2)において、上記インサート本体の上記多角形面はいずれも四角形状をなし、
上記インサート本体は、互いに反対側に配置される一対の長側面と、互いに反対側に配置される一対の短側面を有し、
上記各多角形面と上記各長側面との交差稜線部に主切刃がそれぞれ形成され、
上記主切刃は、上記長側面に対向する側から見たときに、一方のコーナ部から他方のコーナ部に亙って厚さ方向に漸次後退するように傾斜している。
(4)上記(3)において、上記一対の当接面は上記多角形面上の内側に形成されている。
(5)上記(3)または(4)において、上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記長側面と交差する方向に延び、上記当接部は上記長側面に形成されている。
(6)上記(5)において、上記各多角形面にある上記一対の当接面を延長した2つの仮想延長面は、上記交差稜線で断面逆V字状に交差している。
(7)上記(5)において、上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記長側面に斜めに交差する方向に延びている。
(8)上記(7)において、上記交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記多角形面にある上記一方のコーナ部の対角線と交差する方向に向けて形成されている。
(9)上記(2)において、上記インサート本体の上記多角形面は、一対の鈍角コーナ部と一対の鋭角コーナ部を有する平行四辺形状をなし、
上記各多角形面の上記鋭角コーナ部にコーナ刃がそれぞれ形成され、
上記各多角形面と上記各長側面との交差稜線部に主切刃がそれぞれ形成され、
上記主切刃は、上記長側面に対向する側から見たときに、鋭角コーナ部から鈍角コーナ部に亙って厚さ方向に漸次後退するように傾斜しており、
上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記長側面と交差する方向に延びている。上記平行四辺形は、長方形を含む。
(10)上記(9)において、上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記鋭角コーナ部よりも上記鈍角コーナ部に近い位置において、上記長側面と交差する方向に延びている。
(11)上記(3)または(4)において、上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記短側面と交差する方向に延び、上記当接部は上記短側面に形成されている。
(12)上記(11)において、上記各多角形面にある上記一対の当接面を延長した2つの仮想延長面は、上記交差稜線で断面V字状に交差している。
(13)上記(11)において、上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記短側面に斜めに交差する方向に延びている。
(14)上記(13)において、上記交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記多角形面にある上記一方のコーナ部の対角線と交差する方向に向けて形成されている。
(15)上記(2)において、上記インサート本体の上記多角形面は、一対の鈍角コーナ部と一対の鋭角コーナ部を有する平行四辺形状をなし、
上記各多角形面の上記鋭角コーナ部にコーナ刃がそれぞれ形成され、
上記各多角形面と上記各長側面との交差稜線部に主切刃がそれぞれ形成され、
上記主切刃は、上記長側面に対向する側から見たときに、鋭角コーナ部から鈍角コーナ部に亙って厚さ方向に漸次後退するように傾斜しており、
上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記短側面と交差する方向に延びている。上記平行四辺形は、長方形を含む。
(16)上記(15)において、上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記鋭角コーナ部よりも上記鈍角コーナ部に近い位置において、上記短側面と交差する方向に延びている。
上記構成の刃先交換式切削工具においては、上述のように切削インサートのインサート本体の一対の多角形面の一方が着座面とされたとき、インサート取付座の底面に形成された、断面V字または断面逆V字に交差する仮想延長面に沿って延びる一対の被当接面に、インサートの着座面に形成された、凹凸が逆のV字に交差する仮想延長面に沿って延びる一対の当接面が当接させられる。従って、インサート本体は、一対の当接面の仮想延長面の交差稜線に沿う方向には、被当接面に沿って移動が許容されるものの、それ以外の方向には移動が拘束される。
この一対の当接面の仮想延長面の交差稜線が延びる方向のうち一方向を向く、1つの多角形面に対してインサート本体の1つの側面には、インサート取付座の1つの壁面に形成された被当接部に当接可能な当接部が形成されているので、インサート本体をこの一方向に押圧してインサート取付座に取り付けることにより、当接部が被当接部に当接してインサート本体は上記交差稜線方向にも拘束され、インサート取付座に固定される。すなわち、インサート本体は、インサート取付座底面の被当接面と1つのインサート取付座壁面の被当接部とにより固定され、これ以外の壁面を要することがない。
従って、この被当接部が設けられる壁面をインサート取付座底面の工具本体内周側に配置した場合には、工具本体後端側の壁面を小さくしたり、この壁面の後端側における工具本体の肉厚を小さくしたり、場合によっては壁面そのものを不要としたりすることができる。このため、インサート取付座の工具本体後端側に大きなチップポケットを形成したり、軸線方向に近接させて次のインサート取付座を形成することにより多くの切削インサートを取り付けたりすることが可能となる。
一方、被当接部が設けられる壁面をインサート取付座の工具本体後端側に配置した場合には、逆に工具本体内周側の壁面を小さくしたり、この壁面の内周側の工具本体の肉厚を小さくしたり、場合によっては壁面そのものを不要としたりすることができる。従って、インサート取付座の内周側のチップポケットを大きくしたり、極小径の刃先交換式切削工具であっても周方向に複数のインサート取付座を設けて、より多くの切削インサートを取り付けたりすることができる。
また、上記構成の切削インサートでは、インサート本体が表裏反転対称形状とされていて、表裏一対の多角形面それぞれについて、その当接面の上記交差稜線方向のうち一方向を向く1つの側面に上記当接部が形成されており、従ってインサート本体を反転させてインサート取付座に取り付け直すことにより、これらの多角形面をそれぞれ交互にすくい面と着座面として、1つのインサート本体で少なくとも2回、すくい面とされた多角形面の辺稜部に形成された切刃を使用することが可能となる。
さらに、このインサート本体を一対の多角形面の中心線に関しても180°回転対称形状として、上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線が延びる方向のうちの他の方向を向く、1つの多角形面に対してやはり他の1つの側面、すなわち上記一方向を向く1つの側面とは反対の側面に、インサート本体を上記中心線回りに180°回転させたときに上記被当接部に当接可能な他の当接部を形成することにより、1つの多角形面で2回ずつの合計4回の切刃の使用が可能となる。
例えば、上記インサート本体を、それぞれ互いに反対側に配置される一対の長側面と一対の短側面を有する四角形板状とすれば、これら長短側面と四角形面との交差稜線部に形成された切刃を1つのインサート本体で少なくとも4回使用することができる。上記各多角形面と上記各長側面との交差稜線部に主切刃をそれぞれ形成し、上記主切刃を、上記長側面に対向する側から見たときに、一方のコーナ部から他方のコーナ部に亙って厚さ方向に漸次後退するように傾斜させた場合には、一方のコーナ部と他方のコーナ部の厚さ方向の高さが異なるために上記多角形面は複雑に捩れた面となるが、このような複雑に捩れた多角形面からなるインサートであっても、多角形面上にそれぞれ一対の平面である当接面を形成させることで、上記機能を達成させることができる。
また、例えば、上記一対の当接面を上記多角形面上の内側に形成することで、当接面と多角形面の辺稜部の切刃に沿ってポジすくい面を形成することが可能となる。また、外周部はインサート取付座に当接しないことから、インサート取付時において、切刃とポジすくい面の損傷を防ぐこともできる。
上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は上記長側面または上記短側面に斜めに交差する方向に延びてもよい。一対の当接面の仮想延長面の交差稜線が上記長側面に斜めに交差する方向に延びていれば、上記当接部はこの交差稜線方向を向く上記長側面に形成され、一対の当接面の仮想延長面の交差稜線が上記短側面に斜めに交差する方向に延びていれば、上記当接部はこの短側面に形成されることになる。
特に、上記主切刃は、上記長側面に対向する側から見たときに、一方のコーナ部から他方のコーナ部に亙って厚さ方向に漸次後退するように傾斜させた場合には、一方のコーナ部のみにコーナ刃が形成されるが、上記交差稜線を、上記多角形面と対向する方向から見て、上記多角形面にある上記一方のコーナ部の対角線と交差する方向に向けて形成させた場合には、一方のコーナ部から上記交差稜線が離れることになって、コーナ刃およびコーナ刃付近のポジ主切刃のポジすくい面の形状設計が容易となる。
そして、本発明では、インサート本体の側面に、上記一対の多角形面間に亙って延びる断面凹曲線状の凹溝を形成して当接部とし、これを、インサート取付座の上記1つの壁面に断面凸曲線状をなして突設された被当接部と当接可能としており、インサート本体の成形精度がそれほど高くなくても、当接部がなす断面凹曲線状の凹溝を断面凸曲線状の被当接部に少なくとも線接触で当接させて、確実にインサート本体を支持することができる。
以上説明したように、本発明の刃先交換式切削工具によれば、インサート取付座の工具本体後端側または内周側に大きなチップポケットを確保することができるから、切屑排出性の向上を図ることができるとともに、工具本体の回転軸線方向または周方向に取付可能な切削インサートの数を増やして、効率的な切削加工を促すことが可能となる。
本発明の実施形態を説明する上での第1の参考例の切削インサートの斜視図である。 図1に示す参考例の平面図である。 図1に示す参考例の側面図である。 図1に示す参考例の正面図である。 図2に示す参考例を矢線Y方向から見た側面図である。 図2におけるZ−Z断面図である。 第1の参考例の切削インサートを取り付けた第1の参考例の刃先交換式切削工具を示す斜視図である。 図7に示す参考例の刃先交換式切削工具の切削インサートが取り外された状態の工具本体先端部の拡大斜視図である。 本発明の実施形態を説明する上での第2の参考例の切削インサートの斜視図である。 図9に示す参考例の平面図である。 図9に示す参考例の側面図である。 図9に示す参考例の正面図である。 図10に示す参考例を矢線Y方向から見た側面図である。 図10におけるZ−Z断面図である。 第2の参考例の切削インサートを取り付けた第2の参考例の刃先交換式切削工具を示す斜視図である。 図15に示す参考例の刃先交換式切削工具の切削インサートが取り外された状態の工具本体先端部の拡大斜視図である。 本発明の一実施形態に取り付けられる切削インサートの斜視図である。 図17に示す切削インサートの平面図である。 図17に示す切削インサートの側面図である。 図17に示す切削インサートの正面図である。 図18に示す切削インサートを矢線Y方向から見た側面図である。 図18におけるZ−Z断面図である。 図17に示す切削インサートを取り付けた本発明の刃先交換式切削工具の一実施形態を示す斜視図である。 図23に示す実施形態の切削インサートが取り外された状態の工具本体先端部の拡大斜視図である。
図1ないし図6は、本発明の実施形態を説明する上での第1の参考例の切削インサートを示し、図7はこの第1の参考例の切削インサートを取り付けた第1の参考例の刃先交換式切削工具を示す。さらに、図8はこの第1の参考例の刃先交換式切削工具において切削インサートが取り外された状態を示す。
参考例の切削インサートはインサート本体1を有する。インサート本体1は、超硬合金、サーメット、表面被覆超硬合金、および表面被覆サーメット等から選択される硬質材料により概略平行四辺形の板状に形成され、一対の平行四辺形面2と、それらの周縁をつなぐ一対の長側面3および一対の短側面4とを備えている。この例のインサート本体1は平行四辺形状の多角形面を有するが、多角形面は長方形であっても良い。その場合、一方の対角線の両端部を鈍角コーナ、他方の対角線の両端部を鋭角コーナと見なせばよい。
一対の長側面3は、互いに平行な平面状とされ、かつインサート本体1の厚さ方向(図3から図6における上下方向、すなわち後述する中心軸C方向)にも平行に延びている。
これに対して、短側面4は、図4に示すように、短側面4の中心を通る水平線4Cおよび垂直線4Dによって4つの四角い領域4A,4B,4A,4Bに区画され、4Aはネガ面、4Bはポジ面とされている。ネガ面4A同士、およびポジ面4B同士は、それぞれ前記中心を挟んで点対称な位置に配置されている。また、ネガ面4Aとポジ面4Bは、水平線4Cまたは垂直線4Dを挟んで互いに隣り合っている。すなわち、ネガ面4Aとポジ面4Bは、短側面4において、一方の長側面3に連なる側と他方の長側面3に連なる側とで、上記厚さ方向に互い違いに配置されている。ネガ面4Aは、平行四辺形面2の鈍角コーナ部Dの側、すなわち図4において左上側と右下側に配置され、長側面3と同様に上記厚さ方向に平行に延びる平面状とされている。
一方、ポジ面4Bは、平行四辺形面2の鋭角コーナ部で長側面3に連なる側、すなわち図4において右上側と左下側に配置されている。ポジ面4Bは、上記厚さ方向に隣接するネガ面4Aから離間するに従いインサート本体1の長手方向(図2において上下方向)に漸次せり出す傾斜面となっている。ポジ面4Bは同時に、インサート本体1の幅方向(図2および図4における左右方向)に隣接するネガ面4Aから離間するに従い漸次突出するように傾斜している。これにより、ポジ面4Bは、平行四辺形面2の鋭角コーナ部で、長側面3と交差している。インサート本体1の周方向に隣接する長側面3と短側面4の交差稜線部は、断面円弧状に面取りされている。
インサート本体1には、上記一対の平行四辺形面2の中心同士を上記厚さ方向に結ぶ中心線Cを中心とした断面円形の取付孔5が形成され、取付孔5が厚さ方向にインサート本体1を貫通している。取付孔5の中央部には、図6に示すように、一段縮径する一定幅かつ突出量が一定の、環状をなす縮径部5Aが形成されている。縮径部5Aの断面はその中央部が一定幅に亘って平坦であり、この平坦部の両側が凸曲線状をなしている。
インサート本体1は、中心線Cに対しインサート厚さ方向の中心で直交して長側面3に平行に延びる対称線と、この対称線と中心線Cに対して直交する対称線とに関して、それぞれ180°回転対称形状に形成されている。すなわち、インサート本体1は、表裏反転対称形状とされている。また、インサート本体1は、上記中心線Cに関しても180°回転対称形状に形成されている。
上記一対の平行四辺形面2と一対の長側面3との交差稜線部、すなわち平行四辺形面2の長辺稜部には、それぞれ主切刃6Aが形成されている。一対の平行四辺形面2と一対の短側面4のうち上記ポジ面4Bとの交差稜線部、すなわち平行四辺形面2の短辺稜部には、それぞれ副切刃6Bが形成されている。長側面3とポジ面4Bとの交差稜線部で、かつ、これら主切刃6Aと副切刃6Bとが交差する平行四辺形面2の鋭角コーナ部には、上記断面円弧状に面取りされた部分に略円弧状のコーナ刃6Cが形成されている。
コーナ刃6Cとこれに連なる主切刃6Aは、長側面3に対向する側面視において図3に示すように、コーナ刃6Cの副切刃6Bとの接点から主切刃6Aに亙って略一定の傾斜角で上記厚さ方向に漸次後退するように直線状に傾斜させられている。一方、コーナ刃6Cとこれに連なる副切刃6Bは、短側面4に対向する正面視において図4に示すように、副切刃6Bとコーナ刃6Cとの接点を頂点とする凸曲線状とされている。また、副切刃6Bに連なるネガ面4Aと平行四辺形面2との交差稜線部は、鈍角コーナ部D側に向かうに従い上記厚さ方向に漸次後退した後、この鈍角コーナ部Dの手前で厚さ方向に略垂直に延びている。
また、一対の平行四辺形面2には、主切刃6A、副切刃6B、およびコーナ刃6Cの内側に、内方に向かうに従い厚さ方向に漸次後退するポジすくい面2Aが形成されている。さらに、上記取付孔5の周囲には、上記中心線Cを中心とする外形略円錐面状のボス部2Bが形成されている。
ポジすくい面2Aとボス部2Bとの間には、尾根部7Aを有する一対の山部7が形成されており、尾根部7Aは、平行四辺形面2のコーナ刃6Cが形成されていない鈍角コーナ部D同士を結ぶ対角線の方向に向けて延びている。本参考例では、この山部7の斜面が当接面8とされ、この当接面8が、後述する刃先交換式切削工具のインサート取付座の底面に形成された被当接面に当接可能とされている。
山部7の尾根部7Aは、断面凸曲線状をなしており、鈍角コーナ部D側からボス部2Bに向けて、一定の傾斜角で上記厚さ方向に次第に高さを増している。ただし、尾根部7Aは、鈍角コーナ部D同士を結ぶ上記対角線に正確に沿って延びてはおらず、この対角線よりも鈍角コーナ部Dに交差する長側面3寄りに延びている。
山部7の両側の斜面は、長側面3側に向けて急勾配でインサート厚さ方向に後退するように(すなわち下降するように)傾斜する面積の小さな第1斜面と、短側面4側に向けて第1斜面よりも緩勾配で後退するように傾斜する面積の大きな斜面とにより構成され、本参考例ではこのうち面積の大きな緩勾配の第2斜面が上記当接面8とされている。
当接面8は、図2のように平面視した状態において、ボス部2Bと尾根部7Aとの交点から、上記鈍角コーナ部Dに交差する短側面4の概ね幅方向中央部に向かう方向(図2のZ−Z線に平行な方向)に沿って最大傾斜を有する傾斜平面とされている。当接面8の裾野は、平面視において、鈍角コーナ部D側からコーナ刃6Cが形成された鋭角コーナ部側に向けて、短側面4との距離が漸次広がる形状を有し、このコーナ刃6Cに連なる主切刃6Aの近傍にまで延びている。
当接面8と主切刃6Aの間の領域、当接面8と副切刃6Bの間の領域、および当接面8とポジすくい面2Aとの間の領域の間は、図6に示すように、ポジすくい面2Aよりも急勾配で内方に向かうに従い厚さ方向に後退した後、凹曲面を介して当接面8に滑らかに連なる。
このように、当接面8を斜面として有する山部7が、1つの平行四辺形面2に中心線Cに関して対称に一対ずつ形成されている。これにより、これら山部7の当接面8をそれぞれ延長した仮想延長面が、中心線Cに直交する交差稜線Lで互いに交差し、インサート厚さ方向に凸となる断面V字状をなす。すなわち、これら一対の当接面8は、断面がV字をなす2つの仮想延長面に沿ってそれぞれ形成されている。なお、1つの平行四辺形面2には、一対のみの当接面8が形成され、この一対の当接面8の仮想延長面がなすV字の挟角は鈍角とされている。
一対の当接面8の交差稜線Lは、平行四辺形面2に対向する平面視において、図2に一点鎖線で示すように、中心線Cから長側面3の長手方向中央部よりも僅かに鈍角コーナ部Dに近い側で斜めに交差するように延びている。インサート本体1が表裏反転対称とされているため、この平行四辺形面2の表裏反対側の他方の平行四辺形面2に形成された一対の当接面8の交差稜線Lも同様に、上記平行四辺形面2と対向する方向から見て、図2に破線で示すように、中心線Cから長側面3の長手方向中央部よりも僅かに鈍角コーナ部D(図2における裏側)に近い側で斜めに交差するように延びている。
図7および図8は、上記切削インサートを着脱可能に備えた第1の参考例の刃先交換式切削工具を示している。この刃先交換式切削工具は、刃先交換式の転削工具、特にエンドミルであり、工具本体11を有する。工具本体11は、鋼材等から形成され、軸線Oを中心とした多段円柱状をなし、このうち後端側部分(図7において右上部分)がシャンク部11Aとされ、先端部が切刃部11Bとされている。
このような刃先交換式切削工具は、シャンク部11Aが工作機械の主軸に把持されて、工具本体11が軸線O回りに工具回転方向Tに回転されつつ、上記軸線Oに交差する方向に送り出されることにより、切刃部11Bに取り付けられた上記切削インサートの切刃(主切刃6A、副切刃6B、およびコーナ刃6C)によって被削材を切削してゆく。
切刃部11Bの外周には、その先端面すなわち工具本体11の先端面に開口して後端側に延びるチップポケット12が、周方向に複数(本参考例では3つ)等間隔に形成されている。さらに、これらのチップポケット12の工具回転方向T側を向く壁面には、図8に示すように切刃部11Bの先端面と外周面とに開口して上記切削インサートが取り付けられるインサート取付座13が、上記壁面から工具回転方向Tの後方側に一段凹むように形成されている。
インサート取付座13は、工具回転方向Tを向く底面14と、工具外周側を向く壁面15と、工具先端側を向く16とを有する。インサート本体1の一対の平行四辺形面2のうち、一方の平行四辺形面2がすくい面として工具回転方向Tに向けられたときに、他方の平行四辺形面2が着座面として底面14に着座させられる。壁面15は、上記底面14の工具本体11の内周側の縁部から工具回転方向T側に向けて立ち上がって、チップポケット12の工具回転方向Tを向く上記壁面に連なる。壁面16は、上記底面14の工具後端側の縁部から工具回転方向T側に向けて立ち上がって、チップポケット12の工具回転方向Tを向く壁面に連なる。なお、このうち壁面15の軸線O方向中央部には切欠15Aが形成されている。
ただし、底面14と壁面15、16との交差稜線部および壁面15、16同士の交差稜線部は、上記着座面とされた平行四辺形面2のそれぞれ工具本体11内周側に配置される主切刃6A、工具本体11後端側に配置される副切刃6B、および後端内周側に配置されるコーナ刃6Cとの干渉を避けるため、断面略半円形の凹溝状をなす逃げ部17Aによって切り欠かれている。
底面14と切刃部13の先端面および外周面との交差稜線部も、同じく着座面とされた平行四辺形面2の工具外周側に配置される主切刃6A、先端側に配置される副切刃6B、先端外周側に配置されるコーナ刃6C、および、その内側のポジすくい面2A等との干渉を避けるために、面取り状の逃げ部17Bが形成されている。
底面14の中央部には、上述のようにインサート取付座13にインサート本体1が着座させられた状態で、すくい面とされた一方の平行四辺形面2側から取付孔5に挿通されたクランプネジ18がねじ込まれるネジ孔14Aが形成されている。インサート本体1は、ネジ孔14Aにねじ込まれたクランプネジ18の頭部裏面が取付孔5の上記縮径部5Aを押圧することにより、インサート取付座13に取り付けられる。底面14のネジ孔14Aの周りにも、着座面とされる平行四辺形面2側のボス部2Bとの干渉を避けるための凹状の逃げ部17Cが形成されている。
底面14には、着座面とされた平行四辺形面2の上記一対の当接面8が当接可能とされた一対の被当接面19が形成されている。被当接面19を延長した2つの仮想延長面は交差稜線で交差し、その断面は、対をなす当接面8を延長した2つの仮想延長面の交差断面とは凹凸が逆の相補的形状にされている。従って本参考例においては、一対の被当接面19を延長した仮想延長面の交差断面がV字状をなしている。これら一対の被当接面19は、その仮想延長面が底面14の底側(工具回転方向T後方側)に向かうに従い互いに接近する一対の傾斜平面を形成している。交差稜線に沿って見ると、一対の被当接面19は、当接面8がなすV字と挟角が略等しくされた凹凸逆のV字に交差する一対の仮想延長面に沿って延びている。従って、インサート取付座13の底面14の被当接面19も一対のみとされる。
一対の被当接面19の仮想延長面が互いに交差する交差稜線は、ネジ孔14Aの中心線と直交し、かつこの中心線方向に底面14に対向して工具回転方向T側から見たときに、上記中心線から工具本体11の内周側に向かうに従い後端側に向けて延び、インサート取付座13の工具本体11外周側を向く壁面15に斜めに交差する。交差稜線と壁面15がなす交差角は、インサート本体1を一方の平行四辺形面2側から見たときに、図2に破線で示した表裏反対側の他方の平行四辺形面2における一対の当接面8の交差稜線Lが長側面3に対してなす交差角と等しくされている。壁面15は切欠15Aを除いて、このネジ孔14Aに平行な平面状とされている。
このように形成されたインサー取付座13に、上記切削インサートは上述のように、そのインサート本体1の一方の平行四辺形面2をすくい面として工具回転方向Tに向けるとともに、一方の長側面3を工具本体11外周側に、一方の短側面4を工具本体11先端側に向け、他方の平行四辺形面2が底面14に着座させられる。従って、底面14の一対の被当接面19に、上記他方の平行四辺形面2の一対の当接面8が当接させられる。この状態で、インサート本体1は、中心線Cがネジ孔14Aの中心線と平行とされた状態で、この他方の平行四辺形面2における一対の当接面8の交差稜線Lに沿った方向への移動のみが許容され、それ以外の方向には拘束される。
こうしてインサート本体1を着座させたまま、この他方の平行四辺形面2における上記交差稜線Lに沿って、上記一方の長側面3とは反対の長側面3側に向けて、すなわち工具本体11の後端内周側に向けて、インサート本体1を移動させると、壁面15に長側面3が当接してインサート本体1が位置決めされる。(1)この長側面3と交差稜線Lとの中心線C方向視の交差角と、インサート取付座13の壁面15と一対の被当接面19の交差稜線との、ネジ孔14Aの中心線方向視の交差角とが、互いに等しくされている。(2)長側面3は中心線Cの中心線と平行な平面状であり、壁面15はネジ孔14Aの中心線に平行な平面状とされている。上記(1)、(2)の理由により、壁面15の全面に長側面3が当接することができ、インサート本体1が安定して位置決めされる。
すなわち、本参考例では、この長側面3が当接部とされるとともに壁面15が被当接部とされ、着座面とされる平行四辺形面2側の交差稜線Lが延びる方向のうちの一方向を向く長側面3に当接部が形成され、この当接部が、インサート取付座13の底面14から立ち上がる壁面15に形成された被当接部に当接可能である。
さらに、こうして位置決めされた状態で、インサート本体1の取付孔5の中心線Cは、ネジ孔14Aの中心線に対して、僅かに工具先端外周側に偏心させられている。したがって、上述のようにクランプネジ18をネジ孔14Aにねじ込むと、クランプネジ18の頭部裏面によって、取付孔5の縮径部5Aのうち工具本体11の後端内周側に位置する部分が押圧される。これにより、インサート本体1は、クランプネジ18により、底面14に押し付けられるとともに、壁面15にも押し付けられるようにして、インサート取付座13に着脱可能に固定される。
第1の参考例の切削インサート、および第1の参考例の刃先交換式切削工具においては、上述のようにインサート本体1がインサート取付座13の底面14に形成された一対の被当接面19と、工具本体11の外周側を向いて被当接部とされる壁面15とによって拘束されて固定され、工具本体11の先端側を向くインサート取付座13の壁面16はこの切削インサートの取り付けに関与することがない。すなわち、1つの平行四辺形面2に対して交差稜線Lが延びる方向のうち一方向については、本参考例では1つの長側面3が当接部として1つのみ、インサート取付座13の1つの壁面の被当接部に当接させられる。
このため、図8に示したように、インサート取付座13の工具本体11後端側に大きなチップポケット12を形成することにより、壁面16が小さくなったり、工具後端側に向けられた他方の短側面4と壁面16との間に間隔が空いたり、場合によっては壁面16自体が形成されなかったりしても、切削インサートの取り付けに支障が生じることはない。従って、大きなチップポケット12を形成しても安定して切削インサートを保持することができ、大きなチップポケット12によって切屑排出性の向上を図ることができる。
図7および図8に示した第1の参考例の刃先交換式切削工具では、工具本体11先端部の切刃部11Bに軸線O方向においては1つのインサート取付座13しか形成されていない。しかし、本発明はこれに限定されず、インサート取付座13の後端側に、1または複数のインサート取付座13を形成して、工具の多刃化を図ることもできる。このような場合でも、上記切削インサートおよび刃先交換式切削工具によれば、上述のようにインサート取付座13の後端側に壁面16を形成する必要が無いことから、軸線O方向に隣接するインサート取付座13を近接して形成することができる。
例えば、軸線O方向後端側に隣接するインサート取付座13をインサート本体1の厚さ分程度、工具回転方向Tの後方側にずらして形成することにより、1列のインサート取付座13に取り付けられた切削インサートによって、主切刃6Aの回転軌跡が連続した切刃列を形成することも可能となる。このため、このような切刃列を1つの工具本体11により多く設けることが可能となって、切削効率の向上を図ることができる。
また、本参考例の切削インサートは、そのインサート本体1が表裏反転対称形状とされていて、主切刃6Aや副切刃6B、コーナ刃6Cに摩耗が生じたりしたときはインサート本体1を反転させてインサート取付座13に取り付け直すことにより、すくい面とされていた一方の平行四辺形面2を着座面とするとともに着座面とされていた他方の平行四辺形面2をすくい面として、この他方の平行四辺形面2の辺稜部に形成された主切刃6Aや副切刃6B、コーナ刃6Cを使用することができる。
このとき、新たな着座面とされた平行四辺形面2に対しては、工具本体11内周側に位置させられた新たな長側面3が当接部となり、インサート取付座13の被当接部である壁面15に当接させられる。すなわち、こうしてインサート本体1を反転させることにより、反対側の長側面3を当接部としてインサート取付座13の被当接部である壁面15に当接することが可能である。
参考例では、インサート本体1が中心線Cに関しても180°回転対称に形成されており、中心線C回りに180°回転させることにより、1つの平行四辺形面2をすくい面としたまま、その一対の長短側面3、4との交差稜線部と鋭角コーナ部に形成された各一対の主切刃6A、副切刃6B、およびコーナ刃6Cをそれぞれ使用することができる。すなわち、本参考例の切削インサートでは合計4回の主切刃6A、副切刃6B、およびコーナ刃6Cの使い回しが可能となる。
このとき、着座面とされた1つの他方の平行四辺形面2に対しては、交差稜線Lが延びる方向のうち、先とは逆側の長側面3が当接部としてインサート取付座13の被当接部である壁面15に当接可能とされる。
こうしてインサート本体1を中心線C回りに180°回転させてインサート取付座13に取り付けたときと、インサート本体1を表裏反転させて取り付けたときでは、同一の長側面3が当接部となる。すなわち、表裏一対の平行四辺形面2のうち、一方の平行四辺形面2における交差稜線L方向のうちの一方向を向く1つの長側面3と、1つの他方の平行四辺形面2に対しての交差稜線L方向のうち他の方向を向く1つの長側面3とが、いずれも上記一方の長側面3とされる。そして、この長側面3に当接部が形成されることになる。
図9ないし図14は、第2の参考例の切削インサートを示す。図15は第2の参考例の切削インサートを取り付けた刃先交換式切削工具の第2の参考例を示す。図16はこの第2の参考例の刃先交換式切削工具において切削インサートが取り外された状態を示す。
第2の参考例の切削インサートおよび刃先交換式切削工具は、インサート本体21を有し、インサート本体21の一対の当接面と、インサート取付座底面の一対の被当接面が、第1の参考例と異なっている。これらの点以外は第1の参考例と略同様であるので、共通する要素については同一の符号を配して説明を省略する。
第2の参考例の切削インサートでは、インサート本体21の一対の平行四辺形面2に一対の当接面22が形成され、これら当接面22の仮想延長面がV字をなすように交差させられている。すなわち、当接面22は、断面凹のV字方向に延びるように形成されている。さらに、当接面22の上記仮想延長面の交差稜線Lは、中心線C方向から見たときに、図10に示すようにインサート本体21の短側面4に斜めに交差するように配置されている。
一対の平行四辺形面2の内側には、平行四辺形面2の鈍角コーナ部を結ぶ対角線に沿って、断面V字状の谷部23が、取付孔5の周りのボス部2Bを除いて形成されている。これら谷部23は、主切刃6A、副切刃6B、およびコーナ刃6Cの内方にあるポジすくい面2Aに対して、インサート厚さ方向に一旦突出した後、両側のコーナ刃6C側から前記対角線側に略向かうに従い、漸次厚さ方向に後退する(下降する)ように断面が凹んだV字状をなしている。谷部23を構成する一対の斜面が本参考例における一対の当接面22とされている。断面V字をなす一対の当接面22の挟角は、第1の参考例と同様に、鈍角とされている。
ただし、中心線C方向から見たとき、谷部23の谷底線すなわち上記一対の当接面22の仮想延長面の交差稜線Lは、図10に一点鎖線で示すように、鈍角コーナを結ぶ対角線とは完全に一致しておらず、交差稜線Lは、上記平行四辺形面2に交差する短側面4の上記ネガ面4Aと斜めに交わる。すなわち、交差稜線Lとインサート長手方向がなす傾斜角度は、鈍角コーナを結ぶ対角線とインサート長手方向がなす傾斜角度よりも小さい。従って、表裏反転対称形状とされたインサート本体21の他方の平行四辺形面2においては、一対の当接面の仮想延長面の交差稜線Lは、図10に破線で示すように、この一方の平行四辺形面2に交差する短側面4のポジ面4Bに斜めに交差する。
図15および図16は、第2の参考例の切削インサートが取り付けられる第2の参考例の刃先交換式切削工具を示す。工具本体11の切刃部11Bの先端部にはインサート取付座13が形成され、これらインサート取付座13の底面14が一対の被当接面24を備えている。対をなす被当接面24を延長した仮想延長面同士は、対をなす当接面22を延長した仮想延長面同士とは凹凸が逆の断面逆V字状に交差している。対をなす被当接面24を延長した仮想延長面同士の挟角は、対をなす当接面22を延長した仮想延長面同士の挟角と略等しい。これにより、一対の被当接面24は一対の当接面22と互いに相補的な形状となっている。
これら一対の被当接面24の仮想延長面が互いに交差する交差稜線は、ネジ孔14Aの中心線と直交する。また、この交差稜線は、ネジ中心線に沿って見たときに、インサート取付座13の工具外周側を向く壁面15と、先端側を向く壁面16との仮想延長面同士の交線には達しておらず、壁面16の延長面に対して斜めに交差するように配置されている。上記交差稜線と壁面16の延長面との交差角は、インサート本体21を中心軸Cに沿って見たときの、短側面4のネガ面4Bの延長面と当接面22同士の交差稜線Lがなす交差角と、略等しくされている。
第2の参考例において、インサート本体21を、第1の参考例と同様に一方の平行四辺形面2をすくい面とするとともに他方の平行四辺形面2を着座面として、インサート取付座13に着座させると、上記他方の平行四辺形面2の一対の当接面22が、底面14の一対の被当接面24に当接する。この状態で、インサート本体21は、上記他方の平行四辺形面2における交差稜線L方向への移動のみが許容され、他の方向へは拘束される。さらに、工具後端側に向けられた短側面4に向けてインサート本体21を移動させると、短側面4がインサート取付座13の壁面16に当接させられて位置決めされる。
すなわち、本参考例では、壁面16が被当接部とされて、インサート本体21の着座面とされる平行四辺形面2に対して上記交差稜線L方向の一方側を向く1つの他方の短側面4にのみ、上記被当接部(壁面16)に当接可能な当接部が形成される。より詳しくは、壁面16はネジ孔14Aに平行な平面状とされていて、インサート本体21の上記他方の短側面4のうち、一方の平行四辺形面2と交差する上記中心線Cに平行なネガ面4Aが部分的にこの壁面16に当接可能な当接部とされている。
従って、第2の参考例では、第1の参考例とは逆にインサート取付座13の工具本体11外周側を向く壁面15は切削インサートの取り付けに関与することが無い。したがって、インサート取付座13の内周側においてチップポケット12を大きくすることにより、この壁面15が小さくなったり、場合によっては壁面15が無くなったりしても、インサート本体21の取付安定性が損なわれることはない。このため、切削インサートを確実に保持しつつも、切屑排出性の向上を促すことができる。
また、刃先交換式切削工具が極小径の場合、例えば、工具本体の先端部の外径がインサート本体の幅方向の寸法の2倍程度の大きさのものであると、通常は1つのインサート取付座しか形成することができない。しかし、第2の参考例の切削インサートおよび刃先交換式切削工具では、上述のように工具本体11外周側を向く壁面15は無くてもよいため、工具本体11の先端部に2またはそれ以上の複数のインサート取付座13を、その内周側が互いに連通するように形成することができ、それぞれに切削インサートを取り付けることができる。従って、このような極小径の刃先交換式切削工具においても多刃化を促して切削効率の向上を図ることができる。
そして、これら第1、第2の参考例を踏まえて、図17ないし図22は、本発明の一実施形態の刃先交換式切削工具に取り付けられる切削インサートを示す。図23はこの切削インサートを取り付けた本発明の刃先交換式切削工具の一実施形態を示し、図24はこの実施形態の刃先交換式切削工具において切削インサートが取り外された状態を示す。本実施形態の切削インサートおよび刃先交換式切削工具は、そのインサート本体31の短側面32とこの短側面32に形成される当接部、およびインサート取付座13の被当接部が異なっている以外は第2の参考例と略同様のものとされているので、共通する要素については同一の符号を配して説明を省略する。
この実施形態の切削インサートにおいては、そのインサート本体31の一対の短側面32の幅方向中央部に、図18に示すように底面の断面が凹円弧等の凹曲線状をなす凹溝33が形成され、これら凹溝33は、一対の平行四辺形面2間に亙って上記厚さ方向に沿うように形成され、当接部とされている。一方、この実施形態の刃先交換式切削工具において、工具先端側を向く壁面16がインサート取付座13の被当接部とされており、壁面16のネジ孔14Aの中心線に直交する断面は、上記凹溝33の底面が当接可能な凸円弧等の凸曲線状をなしている。
壁面16の断面がなす凸曲線の曲率半径は、凹溝33の断面がなす凹曲線の曲率半径よりも小さくされている。また、インサート本体31の短側面32のうち、上記凹溝33の幅方向両側の部分は、それぞれ上記厚さ方向に副切刃6Bが形成される側の平行四辺形面2との交差稜線部に向かうにつれ、全面的にインサート長手方向にせり出すポジ面4Bとされている。
この実施形態の切削インサートでは、第2の参考例と同様に、着座面とされる平行四辺形面2の一対の当接面22をインサート取付座13の底面14の一対の被当接面23に当接させてインサート本体31を着座させる。さらに、工具後端側を向く短側面32側にインサート本体31を移動させると、この短側面32に形成された凹溝33が断面凸曲線状をなす壁面16を収容してこの壁面16に凹溝33の底面が当接させられる。従って、この実施形態においても、第2の参考例と同様にインサート取付座13の内周側のチップポケット12を大きくして切屑排出性の向上を図るとともに、工具本体11の周方向に多くのインサート取付座13を形成して多刃化を促すことができ、切削効率の向上を図ることもできる。
第1、第2の参考例では、インサート本体1、21の当接部、すなわち長側面3や短側面4のネガ面4Aと、インサート取付座13の被当接部、すなわち壁面15や壁面16とが、互いに面接触するようにして当接させられている。したがって、インサート本体1、21やインサート取付座13が高精度に成形されていれば、当接部を被当接部に確実に面接触させることができるものの、成形精度が高くなければ、当接部が被当接部に線接触あるいは点接触で当接する場合がある。
これに対して、上記実施形態では、当接部である断面凹曲線状の凹溝33が、被当接部である断面凸曲線状の壁面16に当接させられるので、このうち一方あるいは双方の成形精度が高くない場合にも、上記凹凸曲線のいずれかの位置で、上記厚さ方向に沿った直線上での線接触、あるいはこの直線を中心としてある程度の幅をもった範囲での面接触で、当接部が被当接部に当接させられる。このため、上記実施形態によれば、インサート本体31をさらに確実にインサート取付座13に支持することができて、切削インサートの取付安定性の一層の向上を図ることが可能となる。
この実施形態では、短側面32に当接部が形成される場合において、短側面32に断面凹曲線状の凹溝33を形成し、被当接部とされる壁面16を断面凸曲線状に形成したが、第1の参考例のように長側面3に当接部が形成される場合において、この長側面3に凹溝を形成するとともに、この凹溝が当接可能な突起状の被当接部を上記壁面15に形成してもよい。ただし、この場合には、インサート本体1の主切刃6Aが凹溝によって分断されてしまう。よって、上記実施形態のように、短側面32に当接部が形成される場合には、短側面32に凹溝33が形成されるのが望ましい。
第1の参考例では、一対の当接面8が断面逆V字に交差する一対の仮想延長面に沿ってそれぞれ形成されるとともに、一対の被当接面19は断面V字に交差する一対の仮想延長面に沿ってそれぞれ形成されている。第2の参考例および上記実施形態では、逆に一対の当接面22が断面V字に交差する一対の仮想延長面に沿ってそれぞれ形成され、一対の被当接面24は断面逆V字に交差する一対の仮想延長面に沿ってそれぞれ形成され、これらV字および逆V字の挟角は互いに略等しくされていた。しかし、上述のような成形精度を考慮すると、第1、第2の参考例および上記実施形態のいずれにおいても、V字の挟角は逆V字の挟角よりも僅かに小さくされていてもよい。この場合、V字断面と逆V字断面は、交差稜線Lで線接触するよりも両端部側で接触することになるので、成形精度が高くなくても安定して切削インサートをインサート取付座13に着座させて取り付けることができる。
第1の参考例では短側面4は切削インサートの取り付けに関与することがなく、第2の参考例や上記実施形態でも、被当接部とされた壁面16に当接するのは短側面4のネガ面4Aまたは凹溝33であるので、これら第1、第2の参考例および上記実施形態において短側面4、32のポジ面4Bはインサート取付に関与することがない。このため、これら第1、第2の参考例および上記実施形態においては、これら短側面4、32のポジ面4Bと一対の平行四辺形面2との交差稜線部に形成される副切刃6Bやコーナ刃6Cの形状を異なるものとしても、そのまま同じインサート取付座13に取り付けることが可能となる。
従って、特に第1の参考例において、上述のように軸線O方向に複数のインサート取付座13を形成した場合に、最先端のインサート取付座13に取り付けられる切削インサートは、例えばポジ面4Bの上記長手方向へのせり出し量を大きくして半径の大きなコーナ刃6Cを形成した切削インサートとしても取付可能である。すなわち、1つの工具本体11に異なる半径のコーナ刃6Cを有する複数種の切削インサートを取り付けることができるから、肩削りの際に異なる半径の隅部を形成するような場合でも、1つの工具本体11で対応することが可能となる。
以上説明したように、本発明刃先交換式切削工具によれば、インサート取付座の工具本体後端側または内周側に大きなチップポケットを確保することができて、切屑排出性の向上を図ることができるとともに、工具本体の回転軸線方向または周方向に取付可能な切削インサートの数を増やして、効率的な切削加工を促すことが可能となる。したがって、産業上の利用が可能である。
1、21、31 インサート本体
2 平行四辺形面(多角形面)
3 長側面(第1の参考例における当接部)
4、32 短側面
4A 短側面のネガ面(第2の参考例における当接部)
4B 短側面のポジ面
5 取付孔
6A 主切刃
6B 副切刃
6C コーナ刃
7 山部
8、22 当接面
11 工具本体
12 チップポケット
13 インサート取付座
14 インサート取付座13の底面
14A ネジ孔
15 インサート取付座13の工具本体11外周側を向く壁面(第1の参考例におけ
る被当接部)
16 インサート取付座13の工具本体11先端側を向く壁面(第2の参考例および実施形態における被当接部)
18 クランプネジ
19、24 被当接面
23 谷部
33 凹溝(実施形態における当接部)
C インサート本体1、31の中心線
L 一対の当接面8、22を延長した2つの仮想延長面が交わる交差稜線
O 工具本体11の軸線
T 工具回転方向

Claims (16)

  1. 刃先交換式切削工具であって、
    軸線回りに回転される工具本体と、
    上記工具本体の外周のインサート取付座に着脱可能に取り付けられた、切削インサートとを具備し、
    上記切削インサートは、一対の多角形面と、その周囲に配置される複数の側面とを有する多角形板状のインサート本体を備え、
    上記多角形面の辺稜部には切刃が形成され、
    上記インサート本体は、上記一対の多角形面に関して、表裏反転対称形状とされ、
    これら一対の多角形面は互いに、一方の多角形面がすくい面とされたときに他方の多角形面が上記インサート取付座の底面に着座する着座面とされ、
    これら一対の多角形面には、それぞれ一対の平面である当接面が形成され、
    上記一対の当接面は、上記一方の多角形面が上記着座面とされたときに、上記インサート取付座の上記底面に形成された一対の被当接面にそれぞれ当接可能とされ、
    上記一対の当接面を延長した2つの仮想延長面は、交差稜線で断面V字状または断面逆V字状に交差し、
    上記インサート本体の上記側面のうち、上記一対の当接面の上記仮想延長面の上記交差稜線が延びる二方向のうちの一方向を向く側面には、上記インサート取付座の底面に対して立ち上がる1つの壁面に形成された被当接部に当接可能な、当接部が形成され
    上記当接部は、上記側面に形成された断面凹曲線状の凹溝とされ、これら凹溝は上記一対の多角形面の間に亘って延び、上記インサート取付座の1つの壁面に形成された断面凸曲線状の上記被当接部と当接可能とされ、
    上記工具本体には、1または2以上の上記インサート取付座が、上記底面を工具回転方向に向けるとともに、上記1つの壁面を外周側または上記軸線方向先端側に向けて形成され、
    上記インサート取付座の上記底面には、上記切削インサートの上記当接面と当接する一対の上記被当接面がそれぞれ形成され、
    上記一対の被当接面を延長した2つの仮想延長面は、交差稜線で上記切削インサートの上記当接面とは相補的な断面逆V字状または断面V字状に交差しており、
    上記インサート取付座の上記一つの壁面には、上記被当接面の交差稜線が向かう位置に、上記切削インサートの当接部と当接する被当接部が形成されていることを特徴とする刃先交換式切削工具。
  2. 上記インサート本体は、上記一対の多角形面の中心線に関して180°回転対称である形状を有し、
    上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線が延びる方向のうちの他の方向を向く、1つの上記多角形面に対して他の1つの上記側面には、上記インサート本体を上記中心線回りに180°回転させたときに上記被当接部に当接可能な、他の当接部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の刃先交換式切削工具。
  3. 上記インサート本体の上記多角形面はいずれも四角形状をなし、
    上記インサート本体は、互いに反対側に配置される一対の長側面と、互いに反対側に配置される一対の短側面を有し、
    上記各多角形面と上記各長側面との交差稜線部に主切刃がそれぞれ形成され、
    上記主切刃は、上記長側面に対向する側から見たときに、一方のコーナ部から他方のコーナ部に亙って厚さ方向に漸次後退するように傾斜していることを特徴とする請求項2に記載の刃先交換式切削工具。
  4. 上記一対の当接面は、上記多角形面上の内側に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の刃先交換式切削工具。
  5. 上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記長側面と交差する方向に延び、上記当接部は上記長側面に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の刃先交換式切削工具。
  6. 上記各多角形面にある上記一対の当接面を延長した2つの仮想延長面は、上記交差稜線で断面逆V字状に交差していることを特徴とする請求項5に記載の刃先交換式切削工具。
  7. 上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記長側面に斜めに交差する方向に延びていることを特徴とする請求項5に記載の刃先交換式切削工具。
  8. 上記交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記多角形面にある上記一方のコーナ部の対角線と交差する方向に向けて形成されていることを特徴とする請求項7に記載の刃先交換式切削工具。
  9. 上記インサート本体の上記多角形面は、一対の鈍角コーナ部と一対の鋭角コーナ部を有する平行四辺形状をなし、
    上記各多角形面の上記鋭角コーナ部にコーナ刃がそれぞれ形成され、
    上記各多角形面と上記各長側面との交差稜線部に主切刃がそれぞれ形成され、
    上記主切刃は、上記長側面に対向する側から見たときに、鋭角コーナ部から鈍角コーナ部に亙って厚さ方向に漸次後退するように傾斜しており、
    上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記長側面と交差する方向に延びていることを特徴とする請求項2記載の刃先交換式切削工具。
  10. 上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記鋭角コーナ部よりも上記鈍角コーナ部に近い位置において、上記長側面と交差する方向に延びていることを特徴とする請求項9に記載の刃先交換式切削工具。
  11. 上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記短側面と交差する方向に延び、上記当接部は上記短側面に形成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の刃先交換式切削工具。
  12. 上記各多角形面にある上記一対の当接面を延長した2つの仮想延長面は、上記交差稜線で断面V字状に交差していることを特徴とする請求項11に記載の刃先交換式切削工具。
  13. 上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記短側面に斜めに交差する方向に延びていることを特徴とする請求項11に記載の刃先交換式切削工具。
  14. 上記交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記多角形面にある上記一方のコーナ部の対角線と交差する方向に向けて形成されていることを特徴とする請求項13に記載の刃先交換式切削工具。
  15. 上記インサート本体の上記多角形面は、一対の鈍角コーナ部と一対の鋭角コーナ部を有する平行四辺形状をなし、
    上記各多角形面の上記鋭角コーナ部にコーナ刃がそれぞれ形成され、
    上記各多角形面と上記各長側面との交差稜線部に主切刃がそれぞれ形成され、
    上記主切刃は、上記長側面に対向する側から見たときに、鋭角コーナ部から鈍角コーナ部に亙って厚さ方向に漸次後退するように傾斜しており、
    上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記短側面と交差する方向に延びていることを特徴とする請求項2記載の刃先交換式切削工具。
  16. 上記一対の当接面の仮想延長面の交差稜線は、上記多角形面と対向する方向から見て、上記鋭角コーナ部よりも上記鈍角コーナ部に近い位置において、上記短側面と交差する方向に延びていることを特徴とする請求項15記載の刃先交換式切削工具。
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