JP6393597B2 - 防曇性フィルム - Google Patents
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Description
これら用途に用いるフィルムには、水分の多い食品をフィルム包装したときに内面が結露する現象を防ぐために、フィルム片面(内面)に防曇剤を含む層を設けた防曇性フィルムが多く用いられている。
更に、ロール巻き時にフィルム内面層の防曇剤がフィルム外面層に移行するのを防止する為に、フィルム外面層に防曇剤を添加したが、満足できる防曇性は得られなかった。
防曇剤と結晶性ポリエチレン系重合体を含有する組成物からなる第1表面層と、非晶性ポリオレフィンと結晶性ポリプロピレン系重合体を含有する組成物からなる第2表面層とを有し、前記第2表面層における前記非晶性ポリオレフィンの配合割合が0.1重量%〜15重量%であることを特徴とする防曇性フィルムが提供される。
更に、前記第1表面層における前記防曇剤の配合割合は1重量%〜5重量%であることを特徴とする前記防曇性フィルムが提供される。
更に、前記フィルムがストレッチフィルムであることを特徴とする前記防曇性フィルムが提供される。
更に、前記第1表面層と前記第2表面層との間に、ガスバリア性樹脂を含有する芯層を有することを特徴とする前記防曇性フィルムが提供される。
更に、前記フィルムがシュリンクフィルムであることを特徴とする前記防曇性フィルムが提供される。
更に、前記非晶性ポリオレフィンは、示差走査熱量測定(DSC)において−50〜200℃の範囲での融解熱量ピーク及び結晶化ピークのいずれも観測されない重合体であることを特徴とする防曇性フィルムが提供される。
更に、前記防曇性フィルムにより包装されたことを特徴とする包装体が提供される。
本発明における防曇性フィルムは、第1表面層と第2表面層の少なくとも2層からなる。具体的な層構成としては、「第1表面層/第2表面層」、「第1表面層/芯層/第2表面層」、「第1表面層/第1中間層/芯層/第2中間層/第2表面層」などが挙げられる。ただし、本発明においては、この層構成に限定されるものではなく、4層構成や6層以上の層構成とすることでも良い。
結晶性ポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンから選ばれる1種を単独重合または2種以上を共重合したものであることが好ましく、特にポリエチレン系重合体が好ましい。
本発明に係る結晶性ポリオレフィンとしては、上述の結晶性ポリオレフィンを2種以上混合しても良い。
本発明に係る結晶性ポリオレフィンとしては、上述の結晶性ポリオレフィンを2種以上混合しても良い。
非晶性ポリオレフィンとしては、エチレンやプロピレンと、炭素原子数4〜20のα−オレフィンとの共重合体が挙げられ、炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等の直鎖状のα−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状のα−オレフィンなどが挙げられる。尚、非晶性オレフィンは、マルチサイト系触媒、シングルサイト系触媒、その他、いずれの触媒を用いて重合されたものでもよい。
非晶性ポリオレフィンの配合割合は大きいほど防曇性能低下抑制の効果を発揮するが、非晶性ポリオレフィンの配合割合が大きくなりすぎるとペレットがべたつき、押出機への供給が不安定になる。このため非晶性ポリオレフィンの配合割合は特に1重量%〜5重量%が好ましい。
第2表面層中における防曇剤の配合割合は0.5重量%〜5重量%であることが好ましく、更には1重量%〜4重量%であることが好ましい。
芯層として用いるガスバリア性樹脂は適宜選択すれば良いが、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体や、ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂等を用いることができる。この中でも、ガスバリア性に優れるエチレン−ビニルアルコール共重合体が特に好ましい。
中間層に用いる熱可塑性樹脂としては、中間層に隣接する層との接着性を考慮して適宜選択すれば良いが、例えば、ポリオレフィン系樹脂や、変性ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。変性ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、或いは、プロピレン−α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸又はその誘導体をグラフト重合させて極性基を導入させた共重合体等が用いられる。不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、カルボン酸基、酸無水物基、エステル基、カルボン酸アミド基等を有する不飽和化合物で、具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。
また、各層の厚みも適宜設計すれば良いものであるが、0.5μm〜10μmとすることが好ましく、さらに1〜5μmとすることが好ましい。
示差走査熱量測定(DSC)は、示差走査熱量計(日立ハイテクサイエンス社製 DSC6200)を用いて測定した。試料は、10mgとし23℃50%RHの恒温恒湿室で1日以上保管したものを用いた。測定は、昇温及び冷却速度のいずれも10℃/分の速度とし、−100℃〜200℃の範囲におけるDSC曲線から、JIS K7122−1987に準拠してベースラインを調整し、結晶融解ピークにおける結晶融解熱量(J/g)及び結晶化ピークにおける結晶化熱量(J/g)を求めた。尚、下記実施例及び比較例では結晶融解熱量及び結晶化熱量のいずれか高い方のみを記載する。
幅180mm×長さ230mm×深さ35mmのポリスチレントレイに、約100mm×150mm角に折り畳んだガーゼと20℃の水を30cc入れ、フィルムの防曇性測定面(第1表面層)が内側になるようにトレイ上面をフィルムで密封包装した後、温度5℃に調整された冷蔵ショーケースに入れて、1時間後の防曇性を目視評価した。防曇性評価は下記の基準に従った。評価は以下の5段階とした。
1:微少な水滴が付着し、トレイの内部が全く見えない。
2:濡れムラ、水滴付着が目立ち、内容物が見えにくい。
3:濡れムラ、水滴付着があり、内容物は若干見えにくい。
4:濡れムラは判るが、内容物はよく見える。
5:濡れムラがほとんどない。
第1表面層の組成物として、結晶化ポリオレフィンである直鎖状低密度ポリエチレン(結晶融解熱量:103J/g)97重量%と、防曇剤3重量%からなる組成物を用いた。
第2表面層の組成物として、結晶化ポリオレフィンであるポリプロピレン(結晶化熱量:76J/g)95重量%と、非晶性ポリオレフィン(住友化学株式会社製 タフセレン原体:非晶性プロピレン-ブテン共重合体、密度(JIS K7112−1999)=0.86g/cm3、MFR(JIS K7210−1999、230℃、21.2N)=0.5g/10min、融解熱量が1J/g以上である結晶融解ピーク、または結晶化熱量が1J/g以上である結晶化ピークのいずれもが観測されなかった)2重量%と、防曇剤3重量%とからなる組成物を用いた。
芯層として、エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた。
第1表面層と芯層の間の中間層、及び第2表面層と芯層の間の中間層として、変性ポリオレフィン樹脂を用いた。
インフレーション成形によって、第1表面層/中間層/芯層/中間層/第2表面層の未延伸フィルムを製膜し、次いで、チューブラー延伸法によって同時二軸延伸を行い、厚み15μmのフィルムを得、これをロール状に巻き取り、ロール巻き製品を得た。
得られたロール巻き製品を室温(20〜30℃)にて10日間保管した後、上記の防曇性評価方法によって防曇性を3回評価した。結果を表1に記載する。
第2表面層の組成物を、結晶性ポリオレフィンとして実施例1で使用したポリプロピレン96重量%と、実施例1で使用した非晶性ポリオレフィン1重量%と、防曇剤3重量%の組成物とした以外は、実施例1と同様にして、ロール巻き製品を得た。
得られたロール巻き製品を室温(20〜30℃)にて10日間保管した後、上記の防曇性評価方法によって防曇性を3回評価した。結果を表1に記載する。
第2表面層の組成物を、結晶性ポリオレフィンとして実施例1で使用したポリプロピレン97重量%と防曇剤3重量%の組成物とした以外は、実施例1と同様にして、ロール巻き製品を得た。
得られたロール巻き製品を室温(20〜30℃)にて10日間保管した後、上記の防曇性評価方法によって防曇性を3回評価した。結果を表1に記載する。
Claims (8)
- 防曇剤と結晶性ポリエチレン系重合体を含有する組成物からなる第1表面層と、
非晶性ポリオレフィンと結晶性ポリプロピレン系重合体を含有する組成物からなる第2表面層とを有し、
前記第2表面層における前記非晶性ポリオレフィンの配合割合が0.1重量%〜15重量%であることを特徴とする防曇性フィルム。 - 前記第1表面層における前記防曇剤の配合割合は1重量%〜5重量%であることを特徴とする請求項1記載の防曇性フィルム。
- 前記フィルムがストレッチフィルムであることを特徴とする請求項1または2記載の防曇性フィルム。
- 前記第1表面層と前記第2表面層との間に、ガスバリア性樹脂を含有する芯層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の防曇性フィルム。
- 前記フィルムがシュリンクフィルムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の防曇性フィルム。
- 前記非晶性ポリオレフィンが、非晶性プロピレン−ブテン共重合体であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の防曇性フィルム。
- 前記非晶性ポリオレフィンは、示差走査熱量測定(DSC)において−50〜200℃の範囲での融解熱量ピーク及び結晶化ピークのいずれも観測されない重合体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の防曇性フィルム。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の防曇性フィルムにより包装されたことを特徴とする包装体。
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