JP2016097536A - 防曇性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、コート層を設ける等の工程数を増やさずとも、防曇剤が添加された長尺の防曇性フィルムをロール巻きにした場合に生じる包装時の防曇性能低下を抑制することができる防曇性フィルムを提供するものである。
【解決手段】防曇剤と結晶性ポリオレフィンを含有する組成物からなる第1表面層と、非晶性ポリオレフィンと結晶性ポリオレフィンを含有する組成物からなる第2表面層とを有することを特徴とする防曇性フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、防曇性フィルムに関する。
スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどでは、精肉や鮮魚、あるいは、果物や野菜などの生鮮食品、また、加工肉や惣菜、弁当などの加工食品を、トレイに盛り付けた状態あるいはトレイに蓋を組み合わせた状態で、ストレッチフィルムやストレッチシュリンクフィルム等のフィルムによって包装を行い販売している。
これら用途に用いるフィルムには、水分の多い食品をフィルム包装したときに内面が結露する現象を防ぐために、フィルム片面(内面)に防曇剤を含む層を設けた防曇性フィルムが多く用いられている。
これらのフィルムは、通常、長尺で製造してロール状に巻き取って保管し、使用時にロール状フィルムから必要量を繰り出して用いる。しかしながら、防曇性フィルムをロール状にして保管した場合、防曇剤を含む層であるフィルム内面とフィルム外面とが密着・接触していることで、内面の防曇剤がフィルム外面に移行してしまい、フィルム使用時に防曇性能が低下してしまうという問題があった。
上記課題に対し、特許文献1には、防曇剤を含有し、該防曇剤を適宜移行させるための防曇層と、使用状態において前記防曇層の外方に位置し、防曇層に直接または中間層を介して設けられた支持基体とを備える防曇性包材であって、前記支持基体は、濡れ性が40dyne-cm以下の平面部を備える防曇性包材とすることが提案されている。そして、この特許文献1においては、支持基体の平面部の濡れ性を40dyne-cm以下とする手段として、(1)濡れ性が40dyne-cm以下の材質を選定して支持基体をする、(2)濡れ性が40dyne-cm以下のコート層を設ける、という2種の方法が記載されており、上記(1)では濡れ性が40dyne-cm以下の材質として、2軸延伸ポリプロピレン、HDPE、フッ素系フィルム等が例示されている。
特開平5−8351号公報
しかしながら、特許文献1の上記(1)の手段で例示されているポリプロピレンを用いた場合、後述する実施例で記載するように、本発明での防曇性評価で、所望する防曇性能が得られないという問題があった。また、上記(2)の手段を採用した場合には、コート層を設ける工程が増えてしまうという問題があった。
更に、ロール巻き時にフィルム内面層の防曇剤がフィルム外面層に移行するのを防止する為に、フィルム外面層に防曇剤を添加したが、満足できる防曇性は得られなかった。
そこで、本発明は、コート層を設ける等の工程数を増やさずとも、防曇性フィルムをロール巻きにした場合に生じる包装時の防曇性能低下を抑制することができる防曇性フィルムを提供するものである。
本発明者らは、ロール巻き時にフィルムの内面(第1表面層)とフィルム外面(第2表面層)とが密着・接触していることで、第1表面層の防曇剤が第2表面層に移行することが防曇性能低下の原因と考え、防曇剤の移行を抑制する為に第2表面層の組成を鋭意検討した結果、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明によると、上記課題を解決するための手段として、
防曇剤と結晶性ポリオレフィンを含有する組成物からなる第1表面層と、非晶性ポリオレフィンと結晶性ポリオレフィンを含有する組成物からなる第2表面層とを有することを特徴とする防曇性フィルムが提供される。
更に、前記第2表面層における前記非晶性ポリオレフィンの配合割合は0.1重量%〜15重量%であることを特徴とする前記防曇性フィルムが提供される。
更に、前記第1表面層における前記防曇剤の配合割合は1重量%〜5重量%であることを特徴とする前記防曇性フィルムが提供される。
更に、前記フィルムがストレッチフィルムであることを特徴とする前記防曇性フィルムが提供される。
更に、前記第1表面層と前記第2表面層との間に、ガスバリア性樹脂を含有する芯層を有することを特徴とする前記防曇性フィルムが提供される。
更に、前記フィルムがシュリンクフィルムであることを特徴とする前記防曇性フィルムが提供される。
更にまた、前記第1表面層に使用される前記結晶性ポリオレフィンが結晶性ポリエチレン系重合体であり、且つ前記第2表面層に使用される前記結晶性ポリオレフィンが結晶性ポリプロピレン系重合体であることを特徴とする前記防曇性フィルムが提供される。
更に、前記非晶性ポリオレフィンが、非晶性プロピレン−ブテン共重合体であることを特徴とする前記防曇性フィルムが提供される。
更に、前記防曇性フィルムにより包装されたことを特徴とする包装体が提供される。
本発明の防曇性フィルムは、包装時に外面側となる第2表面層が、非晶性ポリオレフィンを含有することで、フィルム製造工程を増やさずとも、防曇性フィルムをロール巻きにした場合に生じる包装時の防曇性能低下を抑制することができる。
以下に、本発明を説明する。
本発明における防曇性フィルムは、第1表面層と第2表面層の少なくとも2層からなる。具体的な層構成としては、「第1表面層/第2表面層」、「第1表面層/芯層/第2表面層」、「第1表面層/第1中間層/芯層/第2中間層/第2表面層」などが挙げられる。ただし、本発明においては、この層構成に限定されるものではなく、4層構成や6層以上の層構成とすることでも良い。
本発明における防曇性フィルムの第1表面層は、防曇性能を有する層であり、包装時に内面側すなわち被包装物側となる層であり、水分を含む食品等の被包装物を包装したときにフィルム内面が結露するのを防止する機能を有する。この第1表面層は、少なくとも防曇剤と結晶性ポリオレフィンとを含有する組成物からなる。
結晶性ポリオレフィンは、オレフィンから誘導される単量体単位を含有する重合体であって、後述する示差走査熱量測定(DSC)において、−100〜200℃の範囲に結晶融解熱量が30J/g以上の結晶融解ピーク、または結晶化熱量が30J/g以上の結晶化ピークのいずれかが観測される重合体である。
結晶性ポリオレフィンは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンから選ばれる1種を単独重合または2種以上を共重合したものであることが好ましく、特にポリエチレン系重合体が好ましい。
結晶性ポリエチレン系重合体としては、ポリエチレンの他、エチレンと、プロピレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の炭素数3〜8のα−オレフィンとを共重合させてなり、エチレン単位の含有割合が90モル%以上である共重合体等を挙げることができる。なお、ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、及び線状低密度ポリエチレンのいずれも使用することができ、中でも、特に線状低密度ポリエチレンがヒートシール時の熱融着性点において特に好ましい。
本発明に係る結晶性ポリオレフィンとしては、上述の結晶性ポリオレフィンを2種以上混合しても良い。
結晶性ポリオレフィンに含有させる防曇剤としては、特に限定されるものではなく、従来、防曇性フィルムに用いられている防曇剤をそのまま使用することができる。例えば、ジグリセリンモノラウレート、グリセリンモノオレート、ジグリセリンモノオレート、ジグリセリンセスキラウレート、ジグリセリンセスキオレート、モノグリセリンモノラウレート、モノグリセリンモノオレート等のポリグリセリン脂肪酸エステル系防曇剤、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノオレート等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル系の防曇剤、ポリオキシエチレンラウリルアルコールエーテル、ポリオキシエチレンラウリルアルコールエーテル等のポリエチレングリコールアルキルエーテル系の防曇剤、更には、ステアリルアルコール、オレインアルコール等のアルキルアルコール系の防曇剤、また、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンジステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンジパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンジベヘネート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンジラウレート等のソルビタン系の防曇剤等が好適に用いられる。そして、これらの防曇剤は、単独でも、2種類以上混合しても使用することができる。
第1表面層における防曇剤の配合割合は1重量%〜5重量%であることが好ましい。防曇剤の配合割合が1重量%未満であると良好な防曇性を発揮させることが困難になる場合がある。また、5重量%を越えると、表面へブリードアウトするのが早く必要以上にブリードアウトが起こり手触りにべとつき感がでて好ましくない。また、5重量%を超えた場合にはフィルムの製膜においても厚み制御が困難となることから好ましくない。
本発明における防曇性フィルムの第2表面層は、防曇性能を有する第1表面層と反対側の表面に位置する層であり、包装時に外面側となる層である。この第2表面層は、少なくとも非晶性ポリオレフィンと結晶性ポリオレフィンとを含有する組成物からなる。
第2表面層に用いる結晶性ポリオレフィンは、第1表面層の結晶性ポリオレフィンと同様であるが、第2表面層に用いる結晶性ポリオレフィンとしては、特に結晶性ポリプロピレン系重合体がヒートシール時の耐熱性(ヒートシール時の熱により溶融しない)点で好ましい。
結晶性ポリプロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ヘキセン共重合体、プロピレン−1−オクテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ヘキセン共重合体などが挙げられ、中でも、プロピレン単独重合体またはプロピレン以外のオレフィンとプロピレンとの共重合体が好ましく、プロピレン以外のオレフィンとプロピレンとの共重合体としては、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−エチレン−1−ブテン共重合体が好ましい。これらの結晶性ポリオレフィンは1種で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。また、これらの重合体としては、ランダムタイプ、ブロックタイプ等の種々の構造のものが使用可能である。
本発明に係る結晶性ポリオレフィンとしては、上述の結晶性ポリオレフィンを2種以上混合しても良い。
非晶性ポリオレフィンは、非晶性または低結晶性の重合体を意味し、後述する示差走査熱量測定(DSC)において、−50〜200℃の範囲に観測される結晶の融解熱量が15J/g以上である結晶融解ピーク、または結晶化熱量が15J/g以上である結晶化ピークのいずれもが観測されない重合体である。この非晶性ポリオレフィンのうち、特に、後述する示差走査熱量測定(DSC)における融解熱量が1J/g以上である結晶融解ピーク、または結晶化熱量が1J/g以上である結晶化ピークのいずれもが観測されない重合体が好ましく、更には、上記示差走査熱量測定(DSC)における融解熱量ピーク及び結晶化ピークのいずれも観測されない重合体が好ましい。
非晶性ポリオレフィンとしては、エチレンやプロピレンと、炭素原子数4〜20のα−オレフィンとの共重合体が挙げられ、炭素原子数4〜20のα−オレフィンとしては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−へプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ナノデセン、1−エイコセン等の直鎖状のα−オレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ヘキセン、2,2,4−トリメチル−1−ペンテン等の分岐状のα−オレフィンなどが挙げられる。尚、非晶性オレフィンは、マルチサイト系触媒、シングルサイト系触媒、その他、いずれの触媒を用いて重合されたものでもよい。
本発明においては、非晶性ポリオレフィンのうち、非晶性ポリプロピレン系重合体が特に好ましい。非晶性ポリプロピレン系重合体としては、プロピレンと、エチレン、ブテン−1、4−メチル−ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等の炭素数3〜8のα−オレフィンとを共重合させてなり、プロピレン単位の含有割合が80モル%以上である共重合体等を挙げることができる。このうち、プロピレン−1−ブテン共重合体が好ましく、更にシングルサイト系触媒を用いて重合されたプロピレン−1−ブテン共重合体が特に好ましい。このようなシングルサイト系触媒を用いて重合されたプロピレン−1−ブテン共重合体としては、例えば、住友化学株式会社製の「タフセレン」が挙げられる。
第2表面層における非晶性ポリオレフィンは、第2表面層中に0.1重量%〜15重量%の割合で配合することが好ましい。非晶性ポリオレフィンの配合割合を0.1重量%〜15重量%とすることで、後述する実施例に示す様に、防曇性フィルムをロール巻きにした場合に生じる包装時の防曇性能低下を抑制することができる。これは、非晶性ポリオレフィンにより第1表面層の防曇剤が第2表面層に移行するのを防止する為と推察される。
非晶性ポリオレフィンの配合割合は大きいほど防曇性能低下抑制の効果を発揮するが、非晶性ポリオレフィンの配合割合が大きくなりすぎるとペレットがべたつき、押出機への供給が不安定になる。このため非晶性ポリオレフィンの配合割合は特に1重量%〜5重量%が好ましい。
また、第2表面層中にも防曇剤を配合することができる。第2表面層中に配合する防曇剤としては、第1表面層の防曇剤で説明した内容と同様のものが挙げられる。
第2表面層中における防曇剤の配合割合は0.5重量%〜5重量%であることが好ましく、更には1重量%〜4重量%であることが好ましい。
本発明における防曇性フィルムには、第1表面層と第2表面層との間に、ガスバリア性樹脂を含有する芯層を設けることが好ましい。
芯層として用いるガスバリア性樹脂は適宜選択すれば良いが、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体や、ナイロンなどのポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂等を用いることができる。この中でも、ガスバリア性に優れるエチレン−ビニルアルコール共重合体が特に好ましい。
また、本発明においては、層間に中間層を設けることが好ましい。具体的には、「第1表面層/第1中間層/芯層/第2中間層/第2表面層」の層構成とすることが挙げられる。このように、層間に中間層を設けることで、第1表面層と芯層または第2表面層と芯層との接着強度を高めることができる。
中間層に用いる熱可塑性樹脂としては、中間層に隣接する層との接着性を考慮して適宜選択すれば良いが、例えば、ポリオレフィン系樹脂や、変性ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。変性ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、或いは、プロピレン−α−オレフィン共重合体に不飽和カルボン酸又はその誘導体をグラフト重合させて極性基を導入させた共重合体等が用いられる。不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、カルボン酸基、酸無水物基、エステル基、カルボン酸アミド基等を有する不飽和化合物で、具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸無水物、メタクリル酸無水物、無水マレイン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、アクリルアミド、メタクリルアミド等が挙げられる。
本発明の防曇性フィルムは、通常のインフレーション方式やTダイ方式による共押出法によって製膜される。例えば、5台の押出機と5種5層のサーキュラーダイを用い、層構成が「第1表面層/第1中間層/芯層/第2中間層/第2表面層」の順になるように共押出し、インフレーション方式によって製膜させることができる。
又、共押出されたフィルムは、延伸処理を施すことにより、熱収縮性を有するフィルムとすることができる。例えば、テンター式二軸延伸成形法、チューブラー式二軸延伸成形法などの二軸延伸方法によって、熱収縮性を付与させることができる。又、共押出されたフィルムは、延伸処理を行った場合でも後に熱固定することにより、熱収縮性を有しないフィルムとすることができる。
防曇性フィルムの厚みは適宜設計すれば良いものであるが、例えば、延伸した防曇性フィルムの総厚みは5〜50μmが好ましく、さらに7〜20μmが好ましい。総厚みが50μmを超えると柔軟性、透明性が損なわれ、トレイ包装に利用する場合はトレイの変形をまねくおそれがある。また、5μmに満たないとフィルム強度が十分ではない。
また、各層の厚みも適宜設計すれば良いものであるが、0.5μm〜10μmとすることが好ましく、さらに1〜5μmとすることが好ましい。
本発明に適用するフィルムとしては、特に、シュリンクフィルム、ストレッチフィルム、シュリンクストレッチフィルムなどであることが好ましい。特に防曇性能が要求される食品包装用トレイシュリンク包装に好適に用いられる。
以下に、本発明を実施例に基づき説明する。はじめに、以下の実施例および比較例における測定方法及び評価方法を説明する。
[示差走査熱量測定方法(DSC)]
示差走査熱量測定(DSC)は、示差走査熱量計(日立ハイテクサイエンス社製 DSC6200)を用いて測定した。試料は、10mgとし23℃50%RHの恒温恒湿室で1日以上保管したものを用いた。測定は、昇温及び冷却速度のいずれも10℃/分の速度とし、−100℃〜200℃の範囲におけるDSC曲線から、JIS K7122−1987に準拠してベースラインを調整し、結晶融解ピークにおける結晶融解熱量(J/g)及び結晶化ピークにおける結晶化熱量(J/g)を求めた。尚、下記実施例及び比較例では結晶融解熱量及び結晶化熱量のいずれか高い方のみを記載する。
[防曇性評価方法]
幅180mm×長さ230mm×深さ35mmのポリスチレントレイに、約100mm×150mm角に折り畳んだガーゼと20℃の水を30cc入れ、フィルムの防曇性測定面(第1表面層)が内側になるようにトレイ上面をフィルムで密封包装した後、温度5℃に調整された冷蔵ショーケースに入れて、1時間後の防曇性を目視評価した。防曇性評価は下記の基準に従った。評価は以下の5段階とした。
1:微少な水滴が付着し、トレイの内部が全く見えない。
2:濡れムラ、水滴付着が目立ち、内容物が見えにくい。
3:濡れムラ、水滴付着があり、内容物は若干見えにくい。
4:濡れムラは判るが、内容物はよく見える。
5:濡れムラがほとんどない。
[実施例1]
第1表面層の組成物として、結晶化ポリオレフィンである直鎖状低密度ポリエチレン(結晶融解熱量:103J/g)97重量%と、防曇剤3重量%からなる組成物を用いた。
第2表面層の組成物として、結晶化ポリオレフィンであるポリプロピレン(結晶化熱量:76J/g)95重量%と、非晶性ポリオレフィン(住友化学株式会社製 タフセレン原体:非晶性プロピレン-ブテン共重合体、密度(JIS K7112−1999)=0.86g/cm、MFR(JIS K7210−1999、230℃、21.2N)=0.5g/10min、融解熱量が1J/g以上である結晶融解ピーク、または結晶化熱量が1J/g以上である結晶化ピークのいずれもが観測されなかった)2重量%と、防曇剤3重量%とからなる組成物を用いた。
芯層として、エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いた。
第1表面層と芯層の間の中間層、及び第2表面層と芯層の間の中間層として、変性ポリオレフィン樹脂を用いた。
インフレーション成形によって、第1表面層/中間層/芯層/中間層/第2表面層の未延伸フィルムを製膜し、次いで、チューブラー延伸法によって同時二軸延伸を行い、厚み15μmのフィルムを得、これをロール状に巻き取り、ロール巻き製品を得た。
得られたロール巻き製品を室温(20〜30℃)にて10日間保管した後、上記の防曇性評価方法によって防曇性を3回評価した。結果を表1に記載する。
[実施例2]
第2表面層の組成物を、結晶性ポリオレフィンとして実施例1で使用したポリプロピレン96重量%と、実施例1で使用した非晶性ポリオレフィン1重量%と、防曇剤3重量%の組成物とした以外は、実施例1と同様にして、ロール巻き製品を得た。
得られたロール巻き製品を室温(20〜30℃)にて10日間保管した後、上記の防曇性評価方法によって防曇性を3回評価した。結果を表1に記載する。
[比較例1]
第2表面層の組成物を、結晶性ポリオレフィンとして実施例1で使用したポリプロピレン97重量%と防曇剤3重量%の組成物とした以外は、実施例1と同様にして、ロール巻き製品を得た。
得られたロール巻き製品を室温(20〜30℃)にて10日間保管した後、上記の防曇性評価方法によって防曇性を3回評価した。結果を表1に記載する。
表1に示すように、第2表面層に非晶性ポリオレフィン(具体的には、非晶性ポリプロピレン)を添加した実施例1及び実施例2の防曇性フィルムは、防曇性が良好なものであった。一方、比較例1の防曇性フィルムは、第2表面層中の防曇剤の配合量は実施例2と同じであるが、満足する防曇性は得られなかった。

Claims (9)

  1. 防曇剤と結晶性ポリオレフィンを含有する組成物からなる第1表面層と、
    非晶性ポリオレフィンと結晶性ポリオレフィンを含有する組成物からなる第2表面層とを有することを特徴とする防曇性フィルム。
  2. 前記第2表面層における前記非晶性ポリオレフィンの配合割合は0.1重量%〜15重量%であることを特徴とする請求項1記載の防曇性フィルム
  3. 前記第1表面層における前記防曇剤の配合割合は1重量%〜5重量%であることを特徴とする請求項1または2記載の防曇性フィルム。
  4. 前記フィルムがストレッチフィルムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の防曇性フィルム。
  5. 前記第1表面層と前記第2表面層との間に、ガスバリア性樹脂を含有する芯層を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の防曇性フィルム。
  6. 前記フィルムがシュリンクフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の防曇性フィルム。
  7. 前記第1表面層に使用される前記結晶性ポリオレフィンが結晶性ポリエチレン系重合体であり、且つ前記第2表面層に使用される前記結晶性ポリオレフィンが結晶性ポリプロピレン系重合体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の防曇性フィルム。
  8. 前記非晶性ポリオレフィンが、非晶性プロピレン−ブテン共重合体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の防曇性フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の防曇性フィルムにより包装されたことを特徴とする包装体。

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