JP6393068B2 - 加圧防煙システム - Google Patents

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本発明は、火災時に避難経路を確保するための加圧防煙システムであって、特に、火災が発生している居室である火災室に通じる避難室への加圧給気を行う避難室給気手段を備えた加圧防煙システムに関する。
オフィスビルなどの建物内の居室にて火災が発生した場合、その火災が発生している居室である火災室の煙が階段室などに通じる避難経路側へ漏れ出ることを防止するために、当該火災室に近接する附室などの避難室に対して給気して当該避難室の内圧を上昇させる所謂加圧給気を行う加圧防煙システムが知られている(例えば特許文献1を参照。)。
また、火災室の天井面に分散配置された天井面排気口から排煙を行う排煙システムとして、煙の拡散を防止するために、当該排煙と同時に火災室の床面に分散配置された床面給気口から火災室に給気することで、火災室にて煙を天井面付近に誘導するものが知られている(例えば特許文献2を参照。)。
特開2003−185206号公報 特開平02−110240号公報
パーティションなどの間仕切りにより複数の小空間に区画されている居室にて火災が発生した場合、火災発生位置やレイアウトなどによって居室全体に多種多様な圧力分布が生じることになる。
このように居室が区画される建物において、上記従来の加圧防煙システムを導入する場合には、先ず居室のレイアウトを特定した上で、火災が発生した場合の居室における圧力分布や避難室から火災室への加圧給気の流入状態などをシミュレートして、防煙効果を十分に検証しておく必要がある。よって、居室のレイアウトを変更した場合には、再度煩雑な防煙効果の検証を行う必要が生じる。
また、火災時に避難室に対して加圧給気を行うと、避難室の内圧は安定して上昇するが、火災室に設けられた間仕切りなどの影響で、火災室の内圧は不均一又は不安定になる場合がある。このように火災室の内圧が不均一又は不安定になる場合には、扉の開閉時に又は扉の隙間などを介して、避難室から火災室へ比較的多くの空気が不安定な状態で流入する。すると、上記従来の排煙システムにより天井面からの排煙と床面からの給気とを同時に行って、火災室の煙を天井面付近に誘導したとしても、避難室から火災室への比較的多くの空気の不安定な流入により、天井面付近の煙が拡散し、結果、避難に支障が生じる場合がある。
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、間仕切りなどのレイアウトに拘らず火災室の内圧を均一で安定した状態に維持して、避難室と火災室との圧力差を適正な状態に保つことで、避難室から火災室への空気の流入を少量且つ安定したものに維持して火災室の煙の拡散を抑制し、避難経路を良好な状態で確保することができる技術を提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、
火災が発生している居室である火災室に通じる避難室への加圧給気を行う避難室給気手段を備えた加圧防煙システムであって、
前記避難室に対する前記火災室の陰圧状態を維持しながら、前記火災室への加圧給気を行う火災室給気手段を備え
空調装置から前記居室に空調用空気を導く空調用給気ダクト経路が配置され、
前記避難室給気手段及び前記火災室給気手段が、前記空調用給気ダクト経路を利用して前記避難室及び前記火災室への加圧給気を行い、
前記空調用給気ダクト経路には、火災時に作動して外気を内部に強制的に取り込む給気用ファンが前記空調装置とは別に接続されており、
火災時に遮断されて前記空調装置と前記空調用給気ダクト経路との間の通風を停止するダンパが設けられている点にある。
本特徴構成によれば、居室で火災が発生している火災時において、火災室給気手段により火災室に対して加圧給気が行われるので、火災室の内圧が上昇する。すると、火災室が間仕切りなどにより複数の小空間に区画されていた場合でも、内圧上昇が火災室全体に伝わることで、火災室の内圧を略均一な状態に維持することができる。
更に、火災室給気手段による火災室に対する加圧給気では、同時に加圧給気が行われる避難室に対して、火災室の陰圧状態が維持されるので、避難室と火災室との圧力差が適正な状態に保たれることになる。
従って、本発明により、避難室から火災室への空気の流入を少量且つ安定したものに維持して火災室の煙の拡散を抑制し、避難経路を良好な状態で確保することができる。
更に、本特徴構成によれば、専用の給気ダクト経路を設ける必要がなく、既存の空調用給気ダクト経路を利用して、避難室及び火災室への加圧給気を行うことができるので、加圧防煙システム導入のためのコストを低減することができる。
本発明の第2特徴構成は、
前記居室に複数の居室給気口が分散配置され、
前記火災室給気手段が、前記複数の居室給気口を通じて前記火災室への加圧給気を行う点にある。
本特徴構成によれば、火災時において、火災室給気手段により、火災室に分散配置された複数の居室給気口を通じて当該火災室全体に亘って加圧給気が行われることになるので、火災室の内圧を一層均一なものとすることができる。
本発明の第3特徴構成は、
前記居室の床面に居室給気口が配置され、
前記火災室給気手段が、前記居室給気口を通じて前記火災室への加圧給気を行う点にある。
本特徴構成によれば、火災時において、火災室給気手段により、火災室の床面に配置された居室給気口を通じて当該火災室に床面から上方に向けて加圧給気が行われることになるので、火災室にて煙を天井面付近に誘導し、その下方側の空間を煙が少ない避難経路として確保することができる。
本発明の第4特徴構成は、
前記居室の天井側に、煙を排出する居室排気口が配置されている点にある。
本特徴構成によれば、火災時において、火災室の天井側に配置された居室排気口を通じて当該火災室の天井面付近の煙が大気に排出されることになるので、火災室において天井面に向かう気流を安定して発生させて、火災室の煙を天井面付近に誘導し、その下方側の空間を煙が少ない避難経路として確保することができる。
本発明の第5特徴構成は、
前記居室に設けられた居室排気口から空調装置に前記居室の室内空気を導く空調用排気ダクト経路が配置され、
前記空調用排気ダクト経路には、火災時に作動して当該空調用排気ダクト経路の空気を大気に排出する排気用ファンが前記空調装置とは別に接続されており、
火災時に遮断されて前記空調装置と前記空調用排気ダクト経路との間の通風を停止するダンパが設けられている点にある。
第1実施形態の加圧防煙システムの概略構成図 第2実施形態の加圧防煙システムの別実施形態の概略構成図
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態について、図1に基づいて説明する。
本実施形態に係る加圧防煙システムは、建物100内の居室1において火災Fが発生した場合、居室1からの避難経路を良好な状態で確保するためのシステムであり、詳細については後述するが所定の避難室給気手段X1、火災室給気手段Y、及び排煙手段Zを構成する各種機器、並びに、これら機器を制御する制御装置(図示省略)などを備えて構成されている。
先ず、建物100及び建物100に設置された各種機器の構成について説明する。
建物100は、オフィスビルなどのように各階に居室1が設けられた多層階建築物として構成され、この建物100の各階には、居室1の他に、各階に通じる階段5aが設けられた階段室5と、その階段室5に対して扉7を介して連接すると共に居室1に対して扉7及び廊下6を介して連接する附室3とが設けられている。
このような廊下6、附室3、及び階段室5は、居室1において火災Fが発生した際に、その火災Fが発生した居室1である火災室Aに対して直接的又は間接的に通じる空間であると言え、当該火災室Aからの避難経路となり得る避難室Bとして機能する。
建物100の屋上などの共有スペースには、各居室1に対してセントラル方式の空調を行うための空調装置50が設置されている。この空調装置50には、各居室へ空調用空気を供給するための空調用給気ダクト経路La、及び、各居室1から排出された室内空気を取り込むための空調用排気ダクト経路Lbが接続されている。
上記空調用給気ダクト経路Laは、空調装置50側から順に、各階に亘って鉛直方向に延出する姿勢で敷設された給気用集合ダクト31、各階において当該給気用集合ダクト31から分岐して水平方向に延出する姿勢で敷設された床下給気用ダクト11、及び、床下給気用ダクト11に連接すると共に居室1の床面1bの下方空間として形成され床面1bに略均等に分散配置された複数の床面給気口10a(居室給気口の一例)を介して居室1に通じる床下チャンバ10などからなる。
一方、空調用排気ダクト経路Lbは、空調装置50側から順に、各階に亘って鉛直方向に延出する姿勢で敷設された排気用集合ダクト41、各階において当該排気用集合ダクト41から分岐して水平方向に延出する姿勢で敷設された天井裏排気用ダクト21、及び、当該天井裏排気用ダクト21に連接すると共に居室1の天井面1dの上方空間として形成され天井面1dに略均等に分散配置された複数の天井面排気口20a(居室排気口の一例)を介して居室1に通じる天井裏チャンバ20などからなる。
更に、給気用集合ダクト31には、空調装置50との接続部に配置されたダンパ51と、各階に対応して配置された複数のダンパ32とが設けられている。
一方、排気用集合ダクト41には、空調装置50との接続部に配置されたダンパ52と、各階に対応して配置された複数のダンパ42とが設けられている。
各階に設けられた床下給気用ダクト11には、ダンパ13とそのダンパ13の開度を制御して床下給気用ダクト11における通風量を所定の設定通風量に設定する定風量制御装置12とが配置されている。
一方、各階に設けられた天井裏排気用ダクト21には、通風量を調整するためのダンパ23が配置されている。
上記のようなダクト構造を採用することにより、空調装置50で冷却又は加熱された空調用空気が、給気用集合ダクト31を介して床下給気用ダクト11に供給され、定風量制御装置12により空調用の設定通風量に設定された後に、床下チャンバ10に流入する。そして、その床下チャンバ10に流入した空調用空気が床面給気口10aを介して居室1に吹き出されて、居室1の空調が行われることになる。
同時に、この居室1への空調用空気の供給に伴って、居室1の天井面1d付近の室内空気が、上記空調用排気ダクト経路Lbにおいて、天井面排気口20aを介して天井裏チャンバ20に流入し、ダンパ23により通風量が調整された状態で天井裏排気用ダクト21に供給され、排気用集合ダクト41を介して空調装置50に取り込まれる。
尚、この空調装置50では、取り込んだ室内空気を空調用空気として還流させることができ、また、その一部を外気と置換することで居室1に外気を取り込むことができる。
次に、この建物100に設置された加圧防煙システムの構成について説明する。
この建物100に導入される加圧防煙システムは、導入コストの削減のために、上述したような既設の空調用給気ダクト経路La及び空調用排気ダクト経路Lbを利用したものとして構成されている。
給気用集合ダクト31には、外気を内部に強制的に取り込むための給気用ファン30が接続されており、一方、排気用集合ダクト41には、内部を通流する室内空気を強制的に大気に放出するための排気用ファン40が接続されている。
また、これら給気用ファン30及び排気用ファン40は、通常時は停止状態に維持されており、居室1に設けられた火災検知器としての煙感知器8により火災Fの発生が検知された際に作動する火災検知連動式のファンとして構成されている。
また、各階に設けられた天井裏排気用ダクト21には、通常時は閉状態で維持されており、火災Fが発生した際の手動開放装置(図示省略)の操作等により開放される排煙ダンパ22が、上述した通風量調整用のダンパ23に対して並列状態で配置されている。
更に、各階において、給気用集合ダクト31から分岐して附室3に開口する附室給気用ダクト14が設けられている。この附室給気用ダクト14には、通常時は閉状態で維持されており、火災Fが発生した際の手動開放装置(図示省略)の操作等により開放される排煙ダンパ15が配置されている。
そして、煙感知器8により火災Fの発生を検知した際には、空調装置50の運転が停止され、ダンパ51,52が遮断されることで、その空調装置50と空調用給気ダクト経路La及び空調用排気ダクト経路Lbとの間の通風が停止された状態で、給気用ファン30及び排気用ファン40の作動が開始され、排煙ダンパ22,15が開放される。
煙感知器8により火災Fの発生を検知して給気用ファン30が作動すると共に排煙ダンパ15が開放されることにより、給気用ファン30から給気用集合ダクト31に取り込まれた外気が、附室給気用ダクト14を通じて避難室Bとしての附室3に供給され、当該附室3の内圧が上昇する。このように避難室Bとしての附室3に対して給気して内圧を上昇させる所謂加圧給気を行う手段を避難室給気手段X1と呼ぶ。
そして、このような避難室給気手段X1により附室3に対して加圧給気が行われることにより、火災室Aの煙が廊下6を通じて附室3側へ漏れ出ることが防止されるので、火災室Aから廊下6、附室3、及び階段室5などへの避難経路が確保されることになる。
更に、煙感知器8により火災Fの発生を検知して給気用ファン30が作動することで、給気用集合ダクト31に取り込まれた外気が、床下給気用ダクト11、床下チャンバ10、及び、床面給気口10aを通じて、火災Fが発生している居室1である火災室Aに、床面1bから供給されて、居室1の内圧についても上昇する。このように火災室Aに対して給気して内圧を上昇させる所謂加圧給気を行う手段を火災室給気手段Yと呼ぶ。ここで、避難室給気手段X1及び火災室給気手段Yは、夫々のダクト14,11の口径やダンパ15,13の開度調整により、避難室Bに対する火災室Aの陰圧状態を維持するように構成されている。
そして、このような火災室給気手段Yにより火災室Aに対して加圧給気が行われることにより、火災室Aがパーティションなどの間仕切り1aなどにより複数の小空間に区画されていた場合でも、火災室Aの内圧が均一な状態に維持されることになる。
また、この火災室給気手段Yにより、床面1bに配置された床面給気口10aを通じて火災室Aに加圧給気が行われるので、火災室Aで発生する煙は天井面1d付近に誘導されることになり、その下方側の空間が、煙が少ない避難経路として確保されることになる。
更に、上記避難室給気手段X1による附室3への加圧給気と、火災室給気手段Yによる火災室Aへの加圧給気とを併用することにより、附室3を含む避難室Bと火災室Aとの圧力差が適正且つ安定した状態で保たれて、避難室Bから火災室Aへの空気の流入を少量且つ安定したものに維持される。よって、火災室Aの煙の拡散が抑制され、火災室Aから階段室5に至る避難経路が一層良好な状態で確保されることになる。
更に、煙感知器8により火災Fの発生を検知して排気用ファン40が作動すると共に排煙ダンパ22が開放されることにより、火災室Aの天井面1d付近の煙が、天井面排気口20aを通じて天井裏チャンバ20に取り込まれ、天井裏排気用ダクト21、排気用集合ダクト41を介して、排気用ファン40により大気に排出される。
このように、居室排気口としての天井面排気口20aを通じて、当該火災室Aの煙を大気へ排出する排煙手段Zと呼ぶ。
このように火災室Aの天井面1d側に天井面排気口20aが配置されていることにより、その天井面排気口20aを通じて火災室Aからの排煙が行われるので、火災室Aにて発生する煙が一層良好に天井面1d付近に誘導されて良好に排出されることになる。尚、天井面排気口20aの代わりに、居室1の側壁上方などの天井側に、煙を排出する居室排気口を備えても構わない。
〔第2実施形態〕
本発明の第2実施形態について、図2に基づいて説明する。
尚、上記第1実施形態と重複する説明は割愛する。
図2に示す建物101では、居室1と階段室5との間に廊下6が配置されている。尚、この廊下6は、附室3など別の避難室Bであっても構わない。
また、この場合について、避難室Bとして居室1に対して直接的に通じる避難室Bとしての廊下6に対して加圧給気を行うように構成することができるが、本実施形態の避難室給気手段X2は、居室1に対して廊下6を挟んで間接的に通じる避難室Bとしての階段室5に対して加圧給気を行うように構成されている。
更に、避難室給気手段X2は、既存の空調用給気ダクト経路Laを利用するのではなく、専用の給気ダクト経路Lcを利用して、階段室5への加圧給気を行うように構成されている。
この専用の給気ダクト経路Lcについては、空調装置50には接続されておらず、給気用ファン60側から順に、各階に亘って鉛直方向に延出する姿勢で敷設された給気用集合ダクト61、及び、各階において当該給気用集合ダクト61から分岐して水平方向に延出して階段室5に開口する階段室給気用ダクト62などからなる。更に、この階段室給気用ダクト62には、通常時は閉状態で維持されており、火災Fが発生した際の手動開放装置(図示省略)の操作等により開放される排煙ダンパ63が配置されている。
そして、煙感知器8により火災Fの発生を検知して給気用ファン60が作動すると共に排煙ダンパ63が開放されることにより、給気用ファン60から給気用集合ダクト61に取り込まれた外気が、階段室給気用ダクト62を通じて避難室Bとしての階段室5に供給され、当該階段室5の内圧が上昇する。
すると、このような避難室給気手段X2により階段室5に対して加圧給気が行われることにより、火災室Aの煙が廊下6を通じて階段室5側へ漏れ出ることが防止されるので、火災室Aから廊下6及び階段室5などへの避難経路が確保されることになる。
更に、上記第1実施形態と同様に、火災室給気手段Yにより、床面1bに配置された床面給気口10aを通じて火災室Aに加圧給気が行われる。
そして、上記避難室給気手段X2による階段室5への加圧給気と、火災室給気手段Yによる火災室Aへの加圧給気とを併用することにより、階段室5を含む避難室Bと火災室Aとの圧力差が適正且つ安定した状態で保たれて、避難室Bから火災室Aへの空気の流入を少量且つ安定したものに維持される。よって、火災室Aの煙の拡散が抑制され、火災室Aから階段室5に至る避難経路が一層良好な状態で確保されることになる。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、避難室給気手段X1,X2により加圧給気される避難室Bを、附室3や階段室5としたが、加圧給気の対象となる避難室Bとしては、上記実施形態で示したものの他に、非常用エレベータの乗降ロビーなどであってもよく、要するに、居室1に対して直接又は間接的に通じる空間であって、当該居室1で火災Fが発生した際に避難通路として利用される空間であればよい。
(2)上記実施形態では、避難室給気手段X1,X2及び火災室給気手段Yにより避難室Bに対する火災室Aの陰圧状態を維持するべく夫々のダクトの口径やダンパの開度調整を行うこととしたが、火災室A及び避難室Bの夫々に圧力センサを設け、これら圧力センサの検出結果に基づいて火災室A及び避難室Bの夫々に対する加圧給気量を制御することで、上記陰圧状態を維持するように構成しても構わない。
(3)上記実施形態では、火災室Aへの加圧給気を行うための居室給気口を、床面1bに略均等に分散配置された複数の床面給気口10aとしたが、居室1から避難室Bへの出入り口付近に集中的に設けたり、間仕切りされた小部屋などの一部に設けたり、側壁の下方部に設けるなど、当該居室給気口の数量及び設置位置については適宜改変可能である。
(4)上記実施形態では、火災室Aからの排煙を行うための居室排気口を、天井面1dに分散配置された複数の天井面排気口20aとしたが、居室1から避難室Bへの出入り口付近に集中的に設けたり、間仕切りされた小部屋などの一部に設けたり、側壁の上方部に設けるなど、当該居室排気口の数量及び設置位置については適宜改変可能である。
(5)上記実施形態では、火災室給気手段Yについて、既存の空調用給気ダクト経路Laを利用して火災室Aへの加圧給気を行うように構成したが、空調用給気ダクト経路Laとは別に、加圧給気を行うための専用の給気ダクト経路を設け、その専用の給気ダクト経路を利用して火災室Aへの加圧給気を行うように構成しても構わない。
また、上記実施形態では、排煙手段Zについて、既存の空調用排気ダクト経路Lbを利用して火災室Aからの排煙を行うように構成したが、空調用排気ダクト経路Lbとは別に、排煙を行うための専用の排煙ダクト経路を設け、その専用の排煙ダクトを利用して火災室Aからの排煙を行うように構成しても構わない。
(6)上記実施形態では、排煙手段Zについて、排気用ファン40の吸引力を利用して排煙を行うように構成したが、排気用ファン40を省略し、火災室給気手段Yによる火災室Aへの加圧給気力を利用して、火災室Aの煙を天井面排気口20aから押し出す所謂押し出し排煙を行うように構成しても構わない。
本発明は、各種建築物において、避難室から火災が発生している居室である火災室への空気の流入を少量且つ安定したものに維持して火災室の煙の拡散を抑制し、避難経路を良好な状態で確保することができる加圧防煙システムとして好適に利用できる。
1 :居室
1b :床面
1d :天井面
3 :附室(避難室)
5 :階段室(避難室)
6 :廊下(避難室)
10a :床面給気口(居室給気口)
20a :天井面排気口(居室排気口)
50 :空調装置
A :火災室
B :避難室
F :火災
La :空調用給気ダクト経路
X1,X2:避難室給気手段
Y :火災室給気手段

Claims (5)

  1. 火災が発生している居室である火災室に通じる避難室への加圧給気を行う避難室給気手段を備えた加圧防煙システムであって、
    前記避難室に対する前記火災室の陰圧状態を維持しながら、前記火災室への加圧給気を行う火災室給気手段を備え
    空調装置から前記居室に空調用空気を導く空調用給気ダクト経路が配置され、
    前記避難室給気手段及び前記火災室給気手段が、前記空調用給気ダクト経路を利用して前記避難室及び前記火災室への加圧給気を行い、
    前記空調用給気ダクト経路には、火災時に作動して外気を内部に強制的に取り込む給気用ファンが前記空調装置とは別に接続されており、
    火災時に遮断されて前記空調装置と前記空調用給気ダクト経路との間の通風を停止するダンパが設けられている加圧防煙システム。
  2. 前記居室に複数の居室給気口が分散配置され、
    前記火災室給気手段が、前記複数の居室給気口を通じて前記火災室への加圧給気を行う請求項1に記載の加圧防煙システム。
  3. 前記居室の床面に居室給気口が配置され、
    前記火災室給気手段が、前記居室給気口を通じて前記火災室への加圧給気を行う請求項1又は2に記載の加圧防煙システム。
  4. 前記居室の天井側に、煙を排出する居室排気口が配置されている請求項1〜3の何れか1項に記載の加圧防煙システム。
  5. 前記居室に設けられた居室排気口から空調装置に前記居室の室内空気を導く空調用排気ダクト経路が配置され、
    前記空調用排気ダクト経路には、火災時に作動して当該空調用排気ダクト経路の空気を大気に排出する排気用ファンが前記空調装置とは別に接続されており、
    火災時に遮断されて前記空調装置と前記空調用排気ダクト経路との間の通風を停止するダンパが設けられている請求項1〜4の何れか1項に記載の加圧防煙システム。
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