JP4228279B2

JP4228279B2 - 床吹出し空調システム

Info

Publication number: JP4228279B2
Application number: JP2003029429A
Authority: JP
Inventors: 雅哉橘; 文人佐藤
Original assignee: Shimizu Corp
Current assignee: Shimizu Corp
Priority date: 2003-02-06
Filing date: 2003-02-06
Publication date: 2009-02-25
Anticipated expiration: 2023-02-06
Also published as: JP2004239525A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二重床と床スラブ間を空調ダクトとして利用して空調空気を供給する床吹出し空調システムに関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、建物の二重床内にＯＡ機器用の配線を収納する所謂ＯＡフロアを利用し、孔あきＯＡフロアと通気性カーペットを用いて二重床の下から空調空気を室内に給気させ快適な空調を行う床吹出し空調システムが知られている（例えば、特開平６−２２９５８４号公報、特開平７−２１７９３９号公報参照）。この方式は、吹出し冷気が在室者に直接あたるようなことが無く、非常にマイルドな空調を可能としている。
【０００３】
【特許文献１】
特開平６−２２９５８４号公報
【特許文献２】
特開平７−２１７９３９号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、上記従来の方式において、間仕切りなどにより小部屋を設けた場合、一般的には周囲の空間と小部屋との空調負荷が異なるため、新たに空調対応を施す必要がある。これを図２により説明する。
図２において、上下のスラブの間には、大部屋１と小部屋２が間仕切り３により形成され、また、機械室４が形成されている。大部屋１と小部屋２の床部には二重床５が形成され、スラブと二重床５の間には給気チャンバ６が形成されている。二重床５には、全面に多数の吹出し孔が形成されている。室の上部には、複数の排気口を有する天井部材７が配設され、天井部材７の上部に排気チャンバ８が形成されている。
【０００６】
機械室４内には、空調機９、外気取入れファン１０および排気ファン１１が設置されている。空調機９の吸入側には、排気チャンバ８からのリターンエアを吸入するリターンダクト１２と、外気取入れファン１０からの外気を吸入する外気吸入ダクト１３が接続され、空調機９の給気側と給気チャンバ６間には給気ダクト１４が接続されている。また、排気チャンバ８内の排気は排気ファン１１により排気される。
【０００７】
上記方式において、新たに小部屋２を設けた場合、大部屋１との空調負荷が異なるため、新たに空調機１５を設置する必要がある。しかしながら、新たに空調機１５を設置するには、空調機１５のスペースを確保したり、給気ダクト１６、外気吸入ダクト１７、空調機用配管１９を新設しなければならず、また、二重床５の下部も仕切部材３’で区画しなければならず、施工的、コスト的な負担が増大するという問題を有している。
【０００８】
本発明は、上記従来の問題を解決するものであって、小部屋を新設した場合に、新たな空調機を設置せず、それに伴う配管、ダクト工事、スペースの確保などを必要とせず、簡単かつ安価に空調対応することができる床吹出空調システムを提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明の床吹出し空調システムは、室の下部に形成され給気チャンバとされた二重床の内部から室内に冷温風を給気する床吹出し空調方式において、間仕切りにより区画された大部屋および小部屋と、空調空気を給気チャンバ内に給気する給気ダクトと、二重床内で大部屋と小部屋の境界部に設置され小部屋に供給する給気チャンバ内の空調空気を加圧する加圧ファンおよび風量可変装置とを備え、前記加圧ファンおよび風量可変装置を小部屋の室内温度によって制御することを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図１は、本発明の床吹出し空調システムの１実施形態を示す構成図である。なお、本実施形態は、全面床吹出し方式に適用したものであるが、これに限定されるものではなく、二重床の内部から室内に給気する床吹出し方式にも適用可能である。
【００１１】
図１において、上下のスラブの間に形成された室は、大部屋１と小部屋２が間仕切り３により形成され、また、機械室４が形成されている。大部屋１と小部屋２の床部には二重床５が形成され、二重床の下部、すなわちスラブと二重床５の間には給気チャンバ６が形成されている。二重床５には、全面に多数の吹出し孔が形成されている。室の上部には、複数の排気口を有する天井部材７が配設され、天井部材７の上部には排気チャンバ８が形成されている。
【００１２】
機械室４内には、空調機９、外気取入れファン１０および排気ファン１１が設置されている。空調機９の吸入側には、排気チャンバ８からのリターンエアを吸入するリターンダクト１２と、外気取入れファン１０からの外気を吸入する外気吸入ダクト１３が接続され、空調機９の給気側と給気チャンバ６間には給気ダクト１４が接続されている。また、排気チャンバ８内の排気は排気ファン１１により大気に排気される構成となっている。
【００１３】
上記構成からなる空調システムにおいては、空調機９により空調された冷温風は、給気ダクト１４から二重床５内の給気チャンバ６内に送られた後、二重床５の吹出し孔を通って大部屋１に供給され、室内へは床全面からの均一な吹出しとなり、過大な気流感がなくなり、快適で空間的偏りのない空調が実現できる。空調機９は、大部屋１内の室内温度を検出する温度検出手段Ｔにより制御される。
【００１４】
本発明においては、二重床５内の大部屋１と小部屋２の境界部には加圧ファン２０およびＶＡＶ（風量可変装置）２１を設置し、給気チャンバ６の空調空気を加圧ファン２０にて加圧し、小部屋２へ負荷に応じた空調空気を供給している。
【００１５】
大部屋１より小部屋２の単位床面積あたりの負荷が大きい場合は、加圧ファン２０を稼働させて二重床５内に圧力差をつけ、小部屋２における単位床面積あたりの風量を大きくする。そのために、加圧ファン２０は小部屋２の温度を検出する温度検出手段Ｔによって比例制御する。
【００１６】
また、大部屋１より小部屋２の単位床面積あたりの負荷が小さい場合は、ＶＡＶ開度を閉じていき、小部屋２における単位床面積あたりの風量を減じていく。そのために、ＶＡＶ開度は加圧ファン２０と同様に小部屋２の温度を検出する温度検出手段Ｔによって比例制御する。なお、風量可変装置は、ＶＡＶに限定されるものではなく、電動ダンパー（ＭＤ）を採用してもよい。
【００１７】
大部屋１と小部屋２の空調モードが冷房／暖房で逆転するような場合については、例えば、大部屋１が冷房で小部屋が暖房となるような場合については、別途小部屋２側に暖房装置を設けることで対応する。
【００１８】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、新たな空調機設置スペースを取らず、床面積を既存同様、有効に活用することができるとともに、空調機を新たに設置しないため、空調機本体並びにそれに伴う電源工事、配管工事、ダクト工事および天井解体などの建築工事が発生しない。また、既存の空調空気をベースとして、小部屋用に負荷に応じた空調空気供給量を制御するための外気取り入れ用のダクトを新たに設ける必要がない。また、室温に応じたファン制御およびＶＡＶ制御は従来から確立された技術であり、特に新たな技術を必要としない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の床吹出し空調システムの１実施形態を示す構成図である。
【図２】本発明の課題を説明するための図である。
【符号の説明】
１…大部屋、２…小部屋、３…間仕切り、５…二重床、２０…加圧ファン
２１…ＶＡＶ（風量可変装置）

Claims

室の下部に形成され給気チャンバとされた二重床の内部から室内に冷温風を給気する床吹出し空調方式において、間仕切りにより区画された大部屋および小部屋と、空調空気を給気チャンバ内に給気する給気ダクトと、二重床内で大部屋と小部屋の境界部に設置され小部屋に供給する給気チャンバ内の空調空気を加圧する加圧ファンおよび風量可変装置とを備え、前記加圧ファンおよび風量可変装置を小部屋の室内温度によって制御することを特徴とする床吹出し空調システム。