JP3951699B2 - 空調設備を利用した火災室の加圧排煙システム - Google Patents

空調設備を利用した火災室の加圧排煙システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空調設備を利用して、火災が発生した居室から避難経路へ煙が流入することを防止した火災室の加圧排煙システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、高層ビル等の多層建築物においては、火災発生時における避難経路の安全性を確保するために、各種の排煙システムが設置されている。
図8および図9は、附室加圧排煙システムと呼ばれる従来の上記排煙システムを示すもので、図中符号Aは避難階段である。この避難階段Aの入口近傍には、第1の防火扉1を介して遮蔽可能に附室Bが連設され、この附室Bには第2の防火扉2を介して廊下Cが隣接するとともに、この廊下Cには第3の防火扉3を介して居室Dが配置されている。ここで、居室Dは、例えば廊下Cを取り囲むように配置されている。これにより、居室Dに隣接する廊下Cおよび附室Bによって、避難階段Aへ至る避難経路が形成されている。
【0003】
上記附室加圧排煙システムにおいては、通常時、第1の防火扉1は閉じられ、また第2の防火扉2および第3の防火扉3は開放されており、居室Dにおいて火災が発生した場合に、当該居室Dからの避難が完了した後に、第2の防火扉2および第3の防火扉3が閉じられるようになっている。
【0004】
一方、附室Bには、火災時において附室Bへ向けて外気を送り込む給気設備4の給気ダクト5が接続されており、他方居室Dには、内部の煙を外部へ排出する排煙設備7の排気ダクト8が接続されている。そして、これら給気ダクト5および排気ダクト8には、それぞれ開閉可能な給気ダンパ6と排気ダンパ9とが設けられている。
【0005】
上記構成からなる附室加圧排煙システムを備えた建物において、居室Dにて火災が発生した場合、その火災の発生が煙感知器(図示を略す。)等によって検出され、その検出信号に基づいて排煙設備7が作動して排煙ダンパ9が開放されるとともに、給気設備4が作動して給気ダンパ6が開放される。これによって、居室Dが煙の排出に伴って負圧状態となり、また附室B側が、外気の強制給気によって加圧状態となることにより、附室Bへの煙の侵入を防止して、避難階段Aからの避難を安全に行なうことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の排煙システムにおいては、火災が発生した居室Dから排気ダクト8によって排煙を行なうことにより、当該居室Dから廊下Cに至るまでが負圧になり、この結果、居室D内の煙を避難経路に呼び込み易いという問題点があった。
また、上記排煙システムは、もっぱら単層階における避難、消防活動および建物保護に着目したものであるため、上記居室D内の煙が避難経路からその上下階に侵入した際の対策を別途設ける必要がある。
【0007】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、火災室から避難経路への煙の侵入を確実に防止することができ、よって火災時における避難の安全性を確保することができるとともに、ひいては火災が多層階にわたった場合においても避難の安全性確保と被害の拡大防止を実現することが可能となる空調設備を利用した火災室の加圧排煙システムを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る空調設備を利用した火災室の加圧排煙システムは、居室と、この居室に隣接する避難経路と、給気ラインを介して上記居室に設けられた吹出口から空調用空気を供給する給気ファンおよび上記居室の換気口から室内の空気を戻す換気ファンを有する空調設備とを備えた建物において上記居室が火災室となった際の加圧排煙システムであって、上記空調設備に、火災時に上記給気ファンからの加圧空気を上記居室に供給する加圧給気手段と、上記換気口からの吸引を停止させる換気停止手段とを設け、かつ火災時に避難経路に対して加圧空気を供給する給気設備と上記居室内の煙を排気する排煙設備とを設け、上記加圧給気手段は、火災時に上記給気ラインを遮断するダンパと上記給気ファンからの加圧空気を上記換気口から上記居室内に供給する加圧給気ラインとを有してなることを特徴とするものである。なお、上記排煙設備には、自然排煙ダクトおよび排煙ファンを用いた排煙ダクト等の様々な形態を含む。
【0009】
請求項2に記載の本発明に係る空調設備を利用した火災室の加圧排煙システムは、居室と、この居室に隣接する避難経路と、給気ラインを介して上記居室に設けられた吹出口から空調用空気を供給する給気ファンおよび上記居室の換気口から室内の空気を戻す換気ファンを有する空調設備とを備えた建物において上記居室が火災室となった際の加圧排煙システムであって、上記空調設備に、火災時に上記給気ファンからの加圧空気を上記居室に供給する加圧給気手段と、上記換気口からの吸引を停止させる換気停止手段とを設け、かつ火災時に避難経路に対して加圧空気を供給する給気設備と上記居室内の煙を排気する排煙設備とを設け、居室には、逆流防止機能を有する給気口が設けられ、かつ上記加圧給気手段が、火災時に上記給気ラインを遮断するダンパと上記給気ファンからの加圧空気を上記給気口から上記居室内に供給する加圧給気ラインとを有してなることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、上記建物は、上記居室および避難経路を有する複数の階を備えるとともに、火災時に上記火災室の上階および/または下階の上記居室に上記空調設備から加圧された空気を供給する制御手段を備えてなることを特徴とするものである。
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の避難経路が、上記居室に隣接する廊下およびこの廊下と階段室との間に設けられた附室または階段室であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項1〜4のいずれかに記載の発明によれば、火災が発生した際に、給気設備によって避難経路に加圧空気を供給し、当該避難経路を正圧に保持するとともに、さらに居室に対して、それまで空調設備によって行なっていた換気口からの吸引を停止させるとともに、給気ファンからの加圧空気を加圧給気手段によって供給しつつ、これと並行して排気設備によって当該火災室内の煙を排気する加圧排煙を行なう。
この結果、火災室から避難経路への煙の侵入を確実に防止することができ、よって火災時における避難の安全性を確保することができる。
【0012】
ちなみに、加圧給気手段によって居室に加圧空気を供給するに際して、請求項1に記載の発明においては、空調設備に設けられた換気停止手段によって換気口からの吸引を停止させ、かつダンパによって給気ラインを遮断するとともに、給気ファンからの加圧空気を加圧給気ラインを通じて上記換気口から当該居室に供給する。
【0013】
これに対して、請求項2に記載の発明においては、同様に空調設備に設けられた換気停止手段によって換気口からの吸引を停止させ、かつダンパによって給気ラインを遮断するとともに、給気ファンからの加圧空気を加圧給気ラインを通じて、別途上記居室に設けられた逆流防止機能付きの給気口から内部に供給する。
【0014】
したがって、請求項1または2に記載の発明によれば、別途ファンを設けることなく、空調設備の給気ファンを、そのまま火災時においても居室の加圧排煙に使用することができ、経済性に優れる。
また、特に請求項2に記載の発明によれば、居室に逆流防止機能を有する給気口を設けているので、居室における火災が進展して内圧が高くなった時点においても、当該居室から廊下側および廊下から空調機側への火災気流の逆流を防止することができ、より一層安全性を高めることが可能となる。
【0015】
また、建物が、上記居室および避難経路を有する複数の階を備える場合に、請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明と同様に避難経路への加圧給気と、空調設備の給気ファンを利用した火災室の加圧排煙を行なう(加圧排煙モード)とともに、制御手段によって上記火災室の上階および/または下階の上記居室に、同様に空調設備の給気ファンから加圧された空気を供給する(加圧給気モード)。この結果、火災室の上階および/または下階の居室も、正圧に保持されるために、火災室から上下方向に隣接する階への煙の侵入も確実に防止することができ、建物全体としての安全性を向上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る空調設備を利用した火災室の加圧排煙システムの第1の実施形態を示すものであり、図1(a)は平常時の状態を、図1(b)は火災時の状態をそれぞれ示すものである。
図1において、符号10は居室であり、符号11は居室10に隣接する廊下である。ちなみに、この廊下11の図中左方は、図8および図9に示したものと同様の防火扉および附室を介して避難階段に通じており、これら廊下11および附室によって、非常時に上記避難階段に通じる避難経路が形成されるとともに、火災時に当該避難経路に対して加圧空気を供給する給気設備(図示を略す。)が設けられている。
【0017】
そして、この階には、平常時に上記居室10等の空調を行なうための空調設備が配設されている。この空調設備は、給気ファン12を内蔵した空調機13と、給気ファン12の吐出側に接続されて居室10の上部に配置された吹出口14から室内に加圧空気を供給する給気ライン15と、居室10の下部に配置された換気口16から換気ライン17を通じて室内の空気を吸引して空調機13に戻す換気ファン18とを有するものである。
【0018】
そしてさらに、上記空調設備には、火災時に給気ファン12からの加圧空気を換気口16から居室10内に供給する加圧給気ライン19が配管されている。また、これら給気ライン15、換気ライン17および加圧給気ライン19には、各々火災時に居室10に設けられた検知器からの火災信号によって、または防災センターからの遠隔操作等によって開閉制御されるモータダンパ20、21、22が介装されており、平常時にモータダンパ20、21は開状態に、モータダンパ22閉状態に設定されている。
【0019】
そして、火災時に給気ライン15を遮断するモータダンパ20および給気ファン12からの加圧空気を換気口16から居室10内に供給する加圧給気ライン19等によって加圧給気手段が構成され、換気ライン17に介装されたモータダンパ21および換気ファン18を停止させる制御装置(図示を略す。)等によって火災時に換気口16からの吸引を停止させる換気停止手段が構成されている。
他方、居室10の外壁ガラリには、火災時に居室10に設けられた検知器からの火災信号によって、または防災センターからの遠隔操作等によって開く排煙口23(排煙設備)が設けられている。
【0020】
以上の構成からなる空調設備を利用した火災室の加圧排煙システムによれば、図1(a)に示す平常時においては、給気ライン15および換気ライン17のモータダンパ20、21が開状態にされることにより、空調機13の給気ファン12から供給される空調用空気が給気ライン15を介して吹出口14から居室10内に供給されるとともに、これと並行して居室10内の空気が換気ファン18によって吸引されることにより換気口16から換気ライン17を介して空調機13に戻される(空調モード)。
【0021】
そして、図1(b)に示すように、当該居室10から火災が発生した際には、これを検知した検知器からの火災信号または防災センターからの遠隔操作等によって、図示されない給気設備が作動して、附室に加圧空気を供給することにより、当該附室を正圧に保持する。同時に、モータダンパ20、21が閉じて火災室10に対する空調モードが停止されるとともに、モータダンパ22が開いて給気ファン12からの加圧空気が換気口16から火災室10内に供給されつつ、排煙口23が開いて火災室10内の煙を排気する加圧排煙が行なわれる(加圧排煙モード)。
【0022】
この結果、火災室10における煙の排気によってこの火災室10から廊下11に至るまでが負圧になることがなく、よって火災室10の煙を避難経路に呼び込むおそれが無い。このため、常に避難経路および火災室10を正圧に保持しつつ、上記火災室内の煙を排気することが可能になり、よって火災室10から避難経路への煙の侵入を確実に防止して火災時における避難の安全性を確保することができる。特に、上記加圧排煙モードにおいては、火災室10の下部に設けられた換気口16から室内に加圧空気を供給しつつ、火災室10の上部に設けられた排煙口23から煙を排気しているので、円滑に室内の煙を天井部に導いて排煙口23から排気することができる。
【0023】
(実施の形態2)
図2は、上記第1の実施形態に示した火災室の加圧排煙システムを多層階(同様に、図ではそのうちの上下に隣接する3階部分を示す。)の建物に適用した第2の実施形態を示すものであり、図1に示したものと共通する構成部分については、それぞれ各階毎にa〜cの沿記号を付してある。
また、本実施形態においては、各居室10a、10b、10cの天井部に、排気口24a、24b、24cが設けられ、これら排気口24a〜24cは、平常時に閉状態に設定された排煙ダンパ25a、25b、25cを介して最上階の外壁ガラリ26から屋外へと導かれた排気ダクト27に接続されている。そして、これら排気口24a〜24c、排煙ダンパ25a〜25cおよび排気ダクト27によって、火災時に火災室の加圧された煙を排気する排煙設備が構成されている。
【0024】
以上の構成からなる空調設備を利用した火災室の加圧排煙システムにおいては、中間階の居室10bにおいて火災が発生した際に、検知器からの火災信号または防災センターからの遠隔操作等によって、第1の実施形態に示したものと同様に、図示されない給気設備が作動して、附室に加圧空気を供給することにより、当該附室を正圧に保持する。また、モータダンパ20b、21bが閉じて火災室10bに対する空調モードが停止されるとともに、モータダンパ22bが開いて給気ファン12bからの加圧空気が換気口16bから火災室10b内に供給されつつ、排煙ダンパ25bが開いて火災室10b内の煙を排気ダクト27から排気する加圧排煙が行なわれる(加圧排煙モード)。
【0025】
さらに、火災室10bの上階および下階においては、それぞれモータダンパ20a、20c、21a、21cが閉じて各居室10a、10cに対する空調モードが停止されるとともに、モータダンパ22a、22cが開いて給気ファン12a、12cからの加圧空気が換気口16a、16cから各居室10a、10c内に供給される(加圧給気モード)。これにより、火災室10bの上下階の居室10a、10cが正圧に保持される。
【0026】
このように、本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用効果が得られるとともに、さらに火災室10bの上下階の居室10a、10cについても、上記加圧給気モードによって正圧に保持されるために、火災が発生した階から、その上下階への煙の侵入も確実に防止することができる。ちなみに、上記加圧給気モードは、火災室10bの上下に位置する各一階のみならず、上下の複数階に対して行なうことにより、一層安全性を向上させることができる。また、火災が複数の階にわたった場合には、当該火災階に対しては、上記加圧排煙モードとし、その上下の一または複数階を上記加圧給気モードにすることができる。
【0027】
なお、本実施形態においては、各階に独立して空調設備を配置した場合に付いて示したが、これに限るものではなく、複数階(図では3階)の空調を集約した一の空調設備をこれら複数階の最上階に配置したり(図3参照)、あるいは最下階に配置したり(図4参照)等の変形例を採ることができる。
これらの場合には、給気ファン12を、その吐出風量を可変とするインバータ制御にするとともに、空調設備に加圧給気ライン19a〜19cに介装されたモータダンパ22a〜22cを開閉制御する制御装置30を設け、さらに各々の加圧給気ライン19a〜19cに、給気圧力を検出して当該検出信号を制御装置30に送る圧力センサ31a、31b、31cを設ける。
【0028】
そして、制御装置30に、例えば居室10bから火災が発生した際に、火災室10bおよびその上下階の居室10a、10cへのモータダンパ22a〜22cを開くとともに、圧力センサ31a〜31cからの検出信号に基づいて、給気ファン12をインバータ制御して吐出風量を調整し、かつ各々のモータダンパ22a〜22cの開度を個別に調整するようにプログラム設定する。
【0029】
これにより、居室10bから火災が発生した際に、第2の実施形態と同様に、当該火災室10bに対して加圧排煙モードを行ない、かつその上下階の居室10a、10cに対して加圧給気モードを行なうとともに、この際に制御装置30により、圧力センサ31a〜31cからの検出信号に基づいて、給気ファン12をインバータ制御して吐出風量を調整し、かつ各々のモータダンパ22a〜22cの開度を個別に調整することができるため、各階における居室や廊下等の扉の開閉などに伴って生じる圧力変動にも、容易に追従させることができる。
【0030】
(実施の形態3)
図5(a)、(b)は、本発明の第3の実施形態を示すもので、同様に図1〜図4に示したものと同一構成部分に付いては、同一符号を付してその説明を簡略化する。ちなみに、図5(a)は平常時の状態を、図5(b)は火災時の状態をそれぞれ示すものである。
図5に示すように、この空調設備を利用した火災室の加圧排煙システムは、上記空調設備によって、居室10およびこれに隣接する廊下11の空調を行なう場合に適用したものであり、給気ライン15に枝配管されて廊下11への空調吹出口35が設けられるとともに、廊下11の壁部に換気口36が設けられ、この換気口36に換気ファン18によって吸引される換気ライン17が接続されている。
また、上記廊下11の上部の外壁ガラリには、平常時は閉状態をされる排煙口37が設けられている。
【0031】
上記構成からなる空調設備を利用した火災室の加圧排煙システムにおいては、図5(a)に示す平常時においては、給気ライン15および換気ライン17のモータダンパ20、21が開状態にされることにより、空調機13の給気ファン12から供給される空調用空気が給気ライン15を介して吹出口14、35から居室10および廊下11へと供給されるとともに、これと並行して換気ファン18によって居室10内に空気が換気口16から廊下11側へと流れ、かつ廊下11の空気が換気口36から換気ライン17を通じて吸引されて空調機13に戻される(空調モード)。
【0032】
そして、図5(b)に示すように、居室10から火災が発生した際には、これを検知した検知器からの火災信号または防災センターからの遠隔操作等によって、モータダンパ20、21が閉じて火災室10および廊下11に対する空調モードが停止されるとともに、モータダンパ22、排煙口23、37が開いて給気ファン12からの加圧空気が換気口36から廊下11へ供給され、さらに換気口16から火災室10内へと供給されつつ、火災室10内の煙を排気する加圧排煙が行なわれる(加圧排煙モード)。
【0033】
この結果、本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の作用効果が得られることに加えて、さらに、廊下11および居室10が、それぞれ1室のみでなく、多室にわたる場合においても、上述したように給気ファン12からの加圧空気を換気口を介して順次廊下から火災室へと供給しつつ当該火災室の煙を排気する加圧排煙を行うことにより、火災室から多岐にわたる避難経路への煙の侵入を確実に防止して、避難の安全性を確保することが可能になる。
【0034】
(実施の形態4)
図6(a)、(b)は、本発明の第4の実施形態を示すもので、本実施形態が上記第3の実施形態と異なる点は、換気ライン17が廊下11および居室10へと導かれるとともに、それぞれ所定の位置に換気口16、36が設けられ、さらに居室10および廊下11の扉または壁部の下部に、それぞれ一定差圧で作動する逆流防止機能を有する給気口41、42が設けられていることにある。そして、廊下11への給気口42に、上記加圧給気ライン19が接続されている。
【0035】
上記空調設備を利用した火災室の加圧排煙システムにあっても、図6(a)に示す平常時においては、給気ライン15および換気ライン17のモータダンパ20、21が開状態にされることにより、空調機13の給気ファン12から供給される空調用空気が給気ライン15を介して吹出口14、35から居室10および廊下11へと供給されるとともに、これと並行して換気ファン18によって居室10および廊下11の空気が換気口16、36から換気ライン17を通じて吸引され、空調機13に戻される(空調モード)。
【0036】
次いで、図6(b)に示すように、居室10から火災が発生した際には、これを検知した検知器からの火災信号または防災センターからの遠隔操作等によって、モータダンパ20、21が閉じて火災室10および廊下11に対する空調モードが停止される。そして、モータダンパ22、排煙口23、37が開いて給気ファン12からの加圧空気が給気口42から廊下11へ供給され、さらに給気口41から火災室10内へと供給されつつ、火災室10内の煙を排気する加圧排煙が行なわれる(加圧排煙モード)。
【0037】
したがって、上記加圧排煙システムによっても、第4の実施形態に示したものと同様の作用効果が得られる。
加えて、居室10および廊下11に、それぞれ逆流防止機能を有する給気口41、42を設けているので、居室10における火災が進展して内圧が高くなった時点においても、居室10から廊下11側および廊下11から空調機側への火災気流の逆流を防止することができ、より一層安全性を高めることができる。
【0038】
なお、図7(a)、(b)は、上記第3の実施形態に附室43を追加した変形例を示すもので、この加圧排煙システムにおいては、附室43と廊下11との間の防火扉に、上記給気口42が設けられるとともに、さらに附室43の下部に、同様の逆流防止機能を有する給気口44が設けられ、この給気口44に加圧給気ライン19が接続されている。また、附室43の上部に設けられた外壁ガラリにも、火災時に開く排煙口45が設けられている。
【0039】
上記第4の実施形態の変形例に係る空調設備を利用した加圧排煙システムにおいては、火災時に図7(b)に示すように、加圧給気ライン19からの加圧空気が、給気口44、42、41を通じて、順次附室43、廊下11および火災室10へと供給され、火災室10における加圧排煙モードが実行されるため、同様の作用効果を奏する。
また、図5〜図7に示した第3および第4の実施形態並びにその変形例にあっては、それぞれ第2の実施形態に示したような複数階における加圧排煙システムに対しても、同様に適用することが可能である。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4のいずれかに記載の発明によれば、火災が発生した際に、給気設備によって避難経路に加圧空気を供給し、当該避難経路を正圧に保持するとともに、さらに居室に対して、それまで空調設備によって行なっていた換気口からの吸引を停止させるとともに、給気ファンからの加圧空気を加圧給気手段によって供給しつつ、これと並行して排気設備によって当該火災室内の煙を排気する加圧排煙を行なうことにより、火災室から避難経路への煙の侵入を確実に防止することができ、よって火災時における避難の安全性を確保することができる。
【0041】
また、特に請求項2に記載の発明によれば、居室に設けた逆流防止機能を有する給気口により、居室における火災が進展して内圧が高くなった時点においても、当該居室から廊下側および廊下から空調機側への火災気流の逆流を防止することができ、より一層安全性を高めることが可能となる。
【0042】
さらに、請求項3に記載の発明によれば、空調設備の給気ファンを利用して火災室の加圧排煙を行なうとともに、制御手段によって上記火災室の上階および/または下階の上記居室に、同様に空調設備の給気ファンから加圧された空気を供給する加圧給気モードを実行することにより、火災室の上階および/または下階の居室も正圧に保持して火災室からの煙の侵入も確実に防止することができ、建物全体としての安全性を向上させることができるといった効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す概略構成図であり、(a)は平常時、(b)は火災時である。
【図2】本発明の第2の実施形態を示す概略構成図である。
【図3】上記第2の実施形態の第1の変形例を示す概略構成図である。
【図4】上記第2の実施形態の第2の変形例を示す概略構成図である。
【図5】本発明の第3の実施形態を示す概略構成図であり、(a)は平常時、(b)は火災時である。
【図6】本発明の第4の実施形態を示す概略構成図であり、(a)は平常時、(b)は火災時である。
【図7】上記第4の実施形態の変形例を示す概略構成図であり、(a)は平常時、(b)は火災時である。
【図8】従来の附室加圧排煙システムを示す概略構成図である。
【図9】図8のシステムにおいて扉を閉鎖した際の状態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10、10a〜10c 居室
11、11a〜11c 廊下
12、12a〜12c 給気ファン
13、13a〜13c 空調機
14、14a〜14c、35 吹出口
15、15a〜15c 給気ライン
16、16a〜16c、36 換気口
17、17a〜17c 換気ライン
18、18a〜18c 換気ファン
19、19a〜19c 加圧給気ライン
20、21、22、20a〜20c、21a〜21c、22a〜22c、 モータダンパ
23、37、45 排煙口
24a〜24c 排気口
25a〜25c 排煙ダンパ
27 排気ダクト
30 制御装置
41、42、44 逆流防止機能を有する給気口
43 附室

Claims (4)

  1. 居室と、この居室に隣接する避難経路と、給気ラインを介して上記居室に設けられた吹出口から空調用空気を供給する給気ファンおよび上記居室の換気口から室内の空気を戻す換気ファンを有する空調設備とを備えた建物において上記居室が火災室となった際の加圧排煙システムであって、
    上記空調設備に、火災時に上記給気ファンからの加圧空気を上記居室に供給する加圧給気手段と、上記換気口からの吸引を停止させる換気停止手段とを設け、かつ火災時に避難経路に対して加圧空気を供給する給気設備と上記居室内の煙を排気する排煙設備とを設け
    上記加圧給気手段は、火災時に上記給気ラインを遮断するダンパと上記給気ファンからの加圧空気を上記換気口から上記居室内に供給する加圧給気ラインとを有してなることを特徴とする空調設備を利用した火災室の加圧排煙システム。
  2. 居室と、この居室に隣接する避難経路と、給気ラインを介して上記居室に設けられた吹出口から空調用空気を供給する給気ファンおよび上記居室の換気口から室内の空気を戻す換気ファンを有する空調設備とを備えた建物において上記居室が火災室となった際の加圧排煙システムであって、
    上記空調設備に、火災時に上記給気ファンからの加圧空気を上記居室に供給する加圧給気手段と、上記換気口からの吸引を停止させる換気停止手段とを設け、かつ火災時に避難経路に対して加圧空気を供給する給気設備と上記居室内の煙を排気する排煙設備とを設け、
    上記居室には、逆流防止機能を有する給気口が設けられ、かつ上記加圧給気手段は、火災時に上記給気ラインを遮断するダンパと上記給気ファンからの加圧空気を上記給気口から上記居室内に供給する加圧給気ラインとを有してなることを特徴とする空調設備を利用した火災室の加圧排煙システム。
  3. 上記建物は、上記居室および避難経路を有する複数の階を備えるとともに、火災時に上記火災室の上階および/または下階の上記居室に上記空調設備から加圧された空気を供給する制御手段を備えてなることを特徴とする請求項1または2に記載の空調設備を利用した火災室の加圧排煙システム。
  4. 上記避難経路は、上記居室に隣接する廊下およびこの廊下と階段室との間に設けられた附室または階段室であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の空調設備を利用した火災室の加圧排煙システム。
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