JP6390898B2 - 基板の製造方法、加工対象物の切断方法、及び、レーザ加工装置 - Google Patents

基板の製造方法、加工対象物の切断方法、及び、レーザ加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、基板の製造方法、加工対象物の切断方法、及び、レーザ加工装置に関する。
従来、半導体デバイス等の基材として、半導体基板が広く用いられている。かかる半導体基板は、半導体のインゴットを薄く切断することにより製造される。半導体基板を製造する方法としては、例えば、まず、所望の半導体材料を用いてインゴットを製造する。次に、切断装置を用いて、インゴットを切断することにより、半導体基板を得る。次に、こうして得られた半導体基板の両面を例えば研磨等により平坦化する。こうして、所望の厚さの半導体基板が得られる、という方法が知られている。
このような切断装置としては、例えばワイヤーソーを用いた切断装置が提案されている(特許文献1)。
また、加工対象物の切断予定面に沿ってパルスレーザ光を照射することにより、切断予定面に沿って改質領域を生成し、当該切断予定面に沿って加工対象物を切断技術も提案されている(特許文献2)。
なお、インゴットの切断とは無関係であるが、基板上にリフトオフ層を介して半導体層を形成し、この後、リフトオフ層を溶解除去することが提案されている(引用文献3)。
また、基板にイオン注入を行うことにより脆化面を形成し、脆化面上の薄層を基板から分離することも提案されている(引用文献4)。
特許第5441057号公報 特開2013−49161号公報 特許第4940359号公報 特許第4971266号公報
しかしながら、引用文献1に記載された技術では、切断に長時間を要してしまう。また、引用文献4に記載された技術では、イオンを注入できないような深い箇所において分離を行うことはできない。また、特許文献2に記載された技術では、改質領域が深さ方向にばらついてしまうため、切断予定面に沿って高精度に切断することは困難である。
そこで、本発明の目的は、迅速且つ高精度に所望の箇所で加工対象物を切断し得る加工対象物の切断方法、その切断方法を用いた基板の製造方法、及び、レーザ加工装置を提供することにある。
実施形態の一観点によれば、加工対象物の第1の部分と前記加工対象物の第2の部分との界面又は前記界面の近傍に集光点が位置するように超短パルスレーザ光を照射することにより、前記界面に沿うようにクラックを形成するクラック形成工程と、前記クラックにおいて前記加工対象物を分離する分離工程とをする基板の製造方法において前記加工対象物は、SiCであり、前記第1の部分の不純物濃度と前記第2の部分の不純物濃度とは互いに異なっており、前記第2の部分の多光子吸収係数は、前記第1の部分の多光子吸収係数よりも低く前記超短パルスレーザ光は、フェムト秒レーザ光であり、前記集光点は、前記界面に対して下方に位置させる、基板の製造方法が提供される。
実施形態の他の観点によれば、加工対象物の第1の部分と前記加工対象物の第2の部分との界面又は前記界面の近傍に集光点が位置するように超短パルスレーザ光を照射することにより、前記界面に沿うようにクラックを形成するクラック形成工程と、前記クラックにおいて前記加工対象物を分離する分離工程とを有する加工対象物の切断方法において前記加工対象物は、SiCであり、前記第1の部分の不純物濃度と前記第2の部分の不純物濃度とは互いに異なっており、前記第2の部分の多光子吸収係数は、前記第1の部分の多光子吸収係数よりも低く前記超短パルスレーザ光は、フェムト秒レーザ光であり、前記集光点は、前記界面に対して下方に位置させる、加工対象物の切断方法が提供される。
実施形態の更に他の観点によれば、超短パルスレーザ光を発する光源と、加工対象物の第1の部分と前記加工対象物の第2の部分との界面又は前記界面の近傍に集光点が位置するように超短パルスレーザ光を照射することにより、前記界面に沿うようにクラックを形成する制御部とを有し、前記第1の部分の不純物濃度と前記第2の部分の不純物濃度とは互いに異なっている、又は、前記第1の部分の材料と前記第2の部分の材料とは互いに異なっている、レーザ加工装置が提供される。
本発明によれば、加工対象物の第1の部分と加工対象物の第2の部分との界面又は当該界面の近傍に集光点が位置するように超短パルスレーザ光を照射する。第1の部分の不純物濃度と第2の部分の不純物濃度とは互いに異なっている、又は、第1の部分の材料と第2の部分の材料とは互いに異なっている。このため、当該界面に沿ってクラックを正確に形成することができる。そして、当該クラックにおいて加工対象物を容易に切断することができる。このように、本実施形態によれば、クラックを形成することにより、迅速且つ高精度に所望の箇所で加工対象物を切断し得る加工対象物の切断方法等を提供することができる。
レーザ加工装置の一例を示す概略図である。 レーザ光源から発せられるレーザ光の波形を概念的に示すタイムチャートである。 第1実施形態による加工対象物の切断方法及び基板の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態による加工対象物の切断方法及び基板の製造方法を示す工程図である。 第1実施形態による加工対象物の切断方法及び基板の製造方法を示す工程図である。 レーザ光の集光点を示す側面図である。 集光点におけるレーザ光の断面形状の例を示す図である。 多光子吸収係数を示すグラフである。 クラックが形成された加工対象物の断面の走査型電子顕微鏡像を示す図である。 第1実施形態による加工対象物のバリエーションを示す図である。 第2実施形態による加工対象物の切断方法及び基板の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態による加工対象物の切断方法及び基板の製造方法を示す工程図である。 第2実施形態による加工対象物のバリエーション(その1)を示す図である。 第2実施形態による加工対象物のバリエーション(その2)を示す図である。 第3実施形態による加工対象物の切断方法及び半導体装置の製造方法を示す工程図である。 第3実施形態による加工対象物の切断方法及び半導体装置の製造方法を示す工程図である。 第3実施形態による加工対象物のバリエーションを示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は以下で説明する実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下で説明する図面において、同機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略することもある。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態による加工対象物の切断方法、基板の製造方法、及び、レーザ加工装置について図面を用いて説明する。
(レーザ加工装置)
まず、本実施形態によるレーザ加工装置について説明する。図1は、レーザ加工装置の一例を示す概略図である。図1において、各構成要素間の接続は実線で示されており、レーザ光Aの光路は破線で示されている。
本実施形態によるレーザ加工装置2は、予め所定の界面50が形成された加工対象物16の当該界面50又は当該界面50の近傍にレーザビームを照射することにより、当該界面50に沿うようにクラック53(図4(b)参照)を成長させるものである。クラック53は、当該界面50又は当該界面50の近傍において、当該界面50に沿うように形成される。クラック53が形成された加工対象物16は、当該クラック53において分離することが可能である。加工対象物16に予め形成される界面50は、例えば、不純物濃度が互いに異なっている第1の部分46と第2の部分48との界面50とする。なお、加工対象物16に予め形成される界面50は、不純物濃度が互いに異なっている第1の部分46と第2の部分48との界面に限定されるものではない。例えば、材料が互いに異なっている第1の部分70と第2の部分72との界面78であってもよい(図16(a)参照)。なお、本明細書中において、材料が異なっているとは、組成が異なっていることも含むものとする。
本実施形態によるレーザ加工装置2は、レーザ光Aを発するレーザ光源10と、本実施形態によるレーザ加工装置全体の制御を司る制御部14とを有している。また、本実施形態によるレーザ加工装置2は、切断の対象となる加工対象物(被加工物、被処理物、物体、部材、物品、インゴット)16が載置されるステージ18を更に有している。
本実施形態によるレーザ加工装置2は、例えば、基板等の製品を製造する製造装置に備えられている。なお、ここでは、基板を製造する場合を例に説明するが、基板の製造に限定されるものではない。本実施形態によるレーザ加工装置2は、様々な加工対象物16を切断することができ、これにより様々な物品を製造することが可能である。
制御部14は、種々の演算、制御、判別等の処理を実行するCPU(図示せず)を有している。また、制御部14は、CPUによって実行される様々な制御プログラム等を格納するROM(図示せず)等を有している。また、制御部14は、CPUが処理中のデータや入力データ等を一時的に格納するRAM(図示せず)等を有している。
制御部14には、所定の指令やデータなどをユーザが入力するための入力操作部38が接続されている。かかる入力操作部38としては、例えばキーボードや各種スイッチ等が用いられる。
制御部14には、種々の表示を行うための表示部40が接続されている。表示部40には、例えば、本実施形態によるレーザ加工装置2の動作状態、ステージ18の状態、CCDカメラ42により取得された画像等が表示される。表示部40としては、例えば液晶ディスプレイ等が用いられる。
レーザ光源10は、レーザ光(レーザビーム)Aを発するものである。ここでは、レーザ光Aとして、超短パルスレーザを用いる。超短パルスレーザ光としては、例えばフェムト秒レーザ光が用いられている。フェムト秒レーザ光とは、一般的には、パルス幅がフェムト秒(fs:10−15秒)オーダーのパルスレーザ光、即ち、パルス幅が1fs以上、1ps未満のパルスレーザ光のことである。レーザ光源10からは、例えば、パルス幅がフェムト秒のオーダーのパルスレーザビームが出射される。本実施形態では、レーザ光源10として、例えば、中心波長1.05μm程度、パルス幅500fs程度のレーザ発振器が用いられている。本実施形態において超短パルスレーザ光を用いるのは、超短パルスレーザ光は、熱溶融を起こすことなく精密微細加工を実現し得るためである。
なお、ここでは、レーザ光Aのパルス幅を500fs程度とする場合を例に説明したが、レーザ光Aのパルス幅は500fs程度に限定されるものではない。また、レーザ光Aのパルス幅は、フェムト秒のオーダーに限定されるものではなく、ピコ秒のオーダーであってもよい。本願の明細書及び特許請求の範囲において、超短パルスレーザ光とは、パルス幅がフェムト秒であるレーザ光に限定されるものではなく、パルス幅が数十ピコ秒以下であるピコ秒レーザ光をも含むものとする。また、本願の明細書及び特許請求の範囲において、フェムト秒レーザ光とは、パルス幅がフェムト秒であるレーザ光に限定されるものではなく、パルス幅が数十ピコ秒以下であるピコ秒レーザ光をも含むものとする。
また、レーザ光源から発せられるレーザ光Aの中心波長も、1.05μm程度に限定されるものではなく、適宜設定し得る。
レーザ光Aを発するレーザ光源10の出力パワーは、例えば1W程度とする。なお、レーザ光Aを発するレーザ光源12の出力パワーは、1W程度に限定されるものではなく、適宜設定し得る。
レーザ光源10は、制御部14により制御される。レーザ光源10から出射されるレーザ光Aのパルス幅は、ユーザが入力操作部38を介して適宜設定し得る。なお、ユーザにより入力された各種の設定情報等は、制御部14に設けられた記憶部(図示せず)内に適宜記憶される。制御部14は、加工対象物16に形成された界面40又は界面40の近傍にレーザ光Aが照射されるように、レーザ光源10を制御する。レーザ光源10から出射されるレーザ光Aの照射は、ユーザが入力操作部38を介して適宜設定し得る。制御部14は、予め設定された繰り返し周波数でレーザ光源10からレーザ光Aのパルスを出射させる。
図2は、レーザ光源から発せられるレーザ光Aの波形を概念的に示すタイムチャートである。図2に示すように、所定の繰り返し周期Tでレーザ光Aのパルスが出射される。レーザ光Aのパルスの繰り返し周波数は、例えば100kMHz〜1MHz程度とする。レーザ光Aのパルスの繰り返し周波数は、ユーザが入力操作部38を介して適宜設定し得る。なお、レーザ光Aのパルスの繰り返し周波数は、100kHz〜1MHz程度に限定されるものではなく、適宜設定し得る。
レーザ光Aを発するレーザ光源10の後段には、レーザ光Aのビーム径を調整するためのビームエキスパンダ12が設けられている。ビームエキスパンダ12の後段には、レーザ光Aの偏光方向を制御する1/2波長板20が設けられている。1/2波長板20の後段には、レーザ光Aの出力を調整する偏向ビームスプリッタ22が設けられている。1/2波長板20は、回転させることによりレーザ光Aの偏向方向を変更することができる光学素子である。偏光ビームスプリッタ22は、入射光の偏向成分を分岐することができる光学素子である。1/2波長板20を回転することによりレーザ光Aの偏光方向を変更すると、偏光ビームスプリッタ22において分岐される偏向成分の割合が変化する。1/2波長板20の回転角を適宜調整することにより、偏向ビームスプリッタ22から出射されるレーザ光Aのパワーを適宜調整することができる。1/2波長板20と偏向ビームスプリッタ22とが相俟って出力減衰器24が構成されている。このように、レーザ光源10から出射されるレーザ光Aのレーザ強度は、出力減衰器24により調整し得るようになっている。レーザ光Aのレーザ強度は、ユーザが入力操作部38を介して適宜設定し得る。
出力減衰器24により調整されたレーザ光Aのパルスエネルギー(レーザ強度)、即ち、加工対象物16に照射されるレーザ光Aのパルスエネルギーは、加工対象物16にクラック53を生じさせるのに必要なパルスエネルギーより高く設定することが好ましい。加工対象物16に照射されるレーザ光Aのパルスエネルギーが過度に小さい場合には、加工対象物16に十分なクラック53を成長し得ないためである。但し、レーザ光Aを1回照射した段階で十分なクラック53が加工対象物16に生じなくてもよい。レーザ光Aの照射を複数回行った段階で、加工対象物16にクラック53が生じるようにしてもよい。即ち、レーザ光Aの照射を繰り返し行うことにより、加工対象物16にクラック53を成長させてもよい。ここでは、加工対象物16に照射されるレーザ光Aのパルスエネルギーを、例えば1〜100μJ/pulse程度とする。なお、加工対象物16に照射されるレーザ光Aのパルスエネルギーは、1〜100μJ/pulse程度に限定されるものではなく、適宜設定し得る。
なお、ここでは、1/2波長板20と偏光ビームスプリッタ22とにより構成される出力減衰器24を用いてレーザ光Aの強度を調整する場合を例に説明したが、レーザ光Aの強度を調整する手段はこれに限定されるものではない。任意の調整手段を用いてレーザ光Aの強度を適宜調整し得る。
出力減衰器24の後段には、レーザ光Aのビーム径を調整するためのビームエキスパンダ26が設けられている。ビームエキスパンダ26の後段には、ミラー30が配されている。ミラー30に導入されるレーザ光Aは、ミラー30により反射されて、レンズ(対物レンズ)32に導入されるようになっている。レンズの開口数(NA)は、例えば0.5以上とすることが好ましい。レーザ光Aの集光点(焦点、ビームウエスト)55(図6参照)におけるビーム径は、例えば2μm程度とする。なお、レーザ光Aの集光点55におけるビーム径は、2μm程度に限定されるものではなく、適宜設定し得る。
レンズ32の下方には、ステージ18が位置している。ステージ18上には、切断の対象となる加工対象物16が載置される。ステージ18には、ステージ18を駆動するためのステージ駆動部36が接続されている。制御部14は、ステージ駆動部36を介してステージ18を駆動する。ステージ18としては、例えばXYZθ軸ステージを用いることができる。なお、ステージ18は、XYZθ軸ステージや回転ステージに限定されるものではなく、XY軸ステージ、XYZ軸ステージ等を用いることも可能である。なお、ステージ18上に配される加工対象物16の周囲の雰囲気は、例えば大気(空気)とする。
ステージ18の上方には、CCDカメラ42が設けられている。CCDカメラ42により取得される画像は、制御部14に入力されるようになっている。制御部14は、CCDカメラ42により取得される画像を用いて、加工対象物16の位置決め等を行う。
加工対象物16に対するレーザ光Aの走査を開始する前には、加工対象物16の位置が所定の位置に設定される。制御部14は、ステージ制御部36を介してステージ18を適宜制御し、レーザ光Aの走査が可能な範囲内に加工対象物16を位置させる。
レーザ光Aの照射方向、即ち、加工対象物16に入射されるレーザ光Aの光軸(進行方向)は、加工対象物16に予め形成された界面50の面内方向に交差する方向、より具体的には、当該界面50の法線方向とする。一方、レーザ光Aの走査方向、即ち、レーザ光Aの集光点55が移動する方向は、加工対象物16に予め形成された界面50の面内方向とする。
加工対象物16に対するレーザ光Aの走査は、ステージ駆動部36を介してステージ18を移動させることにより行われる。ステージ制御部36に対する制御は、例えば制御部14により行われる。レーザ光Aの走査速度は、ユーザが入力操作部38を介して適宜設定し得る。レーザ光Aの走査速度は、レーザ光Aのパルスの繰り返し周波数が例えば1MHz程度の場合には、例えば1m/s程度とする。なお、レーザ光Aの走査速度は1m/s程度に限定されるものではなく、適宜設定し得る。
集光点55におけるレーザビームの断面形状66aは、例えば円形とする。なお、集光点55におけるレーザビームの断面形状は円形に限定されるものではない。例えば、集光点55におけるレーザビームの断面形状が楕円形であってもよい。
レーザ光Aの集光点55は、例えば、加工対象物16に予め形成された界面50とする。ステージ18の上面の法線方向にステージ18を上下させることにより、所望の部位にレーザ光Aの集光点55を設定することが可能である。
なお、レーザ光Aの集光点55は、加工対象物16に予め形成された界面50と一致していなくてもよい。例えば、加工対象物16に予め形成された界面50に対して若干上方又は若干下方にレーザ光Aの集光点55を位置させてもよい。加工対象物16に予め形成された界面50に対してレーザ光Aの集光点55が若干ずれていたとしても、界面50に沿ってクラックを成長させることは可能である。
また、加工対象物16に予め形成された界面50に対して、レーザ光Aの集光点55を敢えて若干上方又は若干下方に設定した方が、クラック53を生じさせやすい場合もある。図6(a)は、レーザ光Aの集光点55を界面50に位置させた場合を示す断面図である。図6(b)は、レーザ光Aの集光点55を界面50に対して上方に位置させた場合を示す断面図である。図6(c)は、レーザ光Aの集光点55を界面50に対して下方に位置させた場合を示す断面図である。即ち、レーザ光Aの集光点55を深さ方向にずらすと、即ち、レーザ光Aの集光点55を界面50の法線方向に界面50からずらすと、界面50におけるレーザ光Aの断面積は集光点55におけるレーザ光Aの断面積より大きくなる。界面50におけるレーザ光Aの断面積を大きくすることは、既に行われた走査において生成されたクラック53と、当該クラック53の形成の後に走査されるレーザ光Aとの距離を小さくすることに寄与する。既に形成されたクラック53と、当該クラック53の形成の後に走査されるレーザ光Aとの距離が小さくなれば、当該レーザ光Aの走査により生成されるクラック53が既に形成されたクラック53とつながりやすくなる。従って、レーザ光Aの集光点55を敢えて界面50の上方又は下方に位置させることは、クラック53を界面50に沿うように効果的に形成することに寄与する。このような理由により、加工対象物16に予め形成された界面50に対して、レーザ光Aの集光点55を敢えて若干上方又は若干下方に設定した方が、クラック53を生じさせやすい場合がある。
但し、レーザ光Aの集光点55を深さ方向に過度にずらすと、クラック53を生じさせるような反応が界面50近傍において生じ得ず、クラック53の形成が困難となる。このため、レーザ光Aの集光点55を過度に深さ方向(レーザ光Aの光軸方向)にずらすことは避けることが好ましい。このため、レーザ光Aの集光点55を、界面50ではなく、界面50の近傍に設定する場合には、クラック53を生じさせることが可能な範囲内にレーザ光Aの集光点55を設定することが好ましい。従って、本明細書において、界面の近傍に集光点55を位置させる際における「界面の近傍」とは、界面に沿ってクラックを生じさせることが可能な範囲内を意味する。クラック53を確実に形成するためには、深さ方向におけるレーザ光Aの集光点55と界面50との間の距離は、例えば30μm以下とすることが好ましい。
また、界面50におけるレーザ光Aの断面形状を楕円形に設定することが好ましい。この際、レーザ光Aの走査方向と楕円形の長軸方向とは交差させる。より好ましくは、レーザ光Aの走査方向と楕円形の長軸方向とは直交させる。図7(a)は、界面50におけるレーザ光Aの断面形状66aを円形に設定した場合のレーザ光Aの走査の軌跡の例を示す平面図である。図7(b)は、界面50におけるレーザ光Aの断面形状66bを楕円形に設定した場合のレーザ光Aの走査の軌跡の例を示す平面図である。なお、図7においては、レーザ光Aの軌跡が互いにオーバーラップしている場合を例に説明するが、レーザ光Aの軌跡が互いにオーバーラップしていない場合も同様である。即ち、レーザ光Aの断面形状を楕円形にすると、既に行われた走査において生成されたクラック53と、当該クラック53の形成の後に走査されるレーザ光Aとの距離が小さくなる。既に形成されたクラック53と、当該クラック53の形成の後に走査されるレーザ光Aとの距離が小さくなれば、当該レーザ光Aの照射により生成されるクラック53が既に形成されたクラック53とつながりやすくなる。従って、レーザ光Aの断面形状を楕円形に設定することは、クラック53を界面50に沿うように効果的に形成することに寄与する。このような理由により、界面50におけるレーザ光Aの断面形状を楕円形に設定することが好ましい。
レーザ光Aの走査を行う箇所、即ち、レーザ照射予定箇所は、予め制御部14にプログラムされていてもよいし、レーザ光Aの走査を開始する際にユーザが入力操作部38を介して設定するようにしてもよい。加工対象物16に対するレーザ光Aの走査を開始する際には、例えば、ユーザが入力操作部38を介してレーザ光Aの走査の開始の指示を行う。レーザ光Aの走査の開始の指示が入力されると、制御部14は、レーザ光源10からレーザ光Aを繰り返し出射させつつ、ステージ18を移動させることによりレーザ光Aを走査する。レーザ光Aは、ステージ18上において例えば直線状の軌跡を描くように走査される。直線状の軌跡を描くレーザ光Aの走査を、平行に複数回行うことにより、レーザ照射予定範囲の全体にレーザ光Aが照射される。レーザ光Aの照射が完了すると、レーザ光Aの集光点55をつなげたときにできる面(軌跡、軌跡面)は、加工対象物16に予め形成された界面50に沿う。
レーザ照射予定範囲の全体へのレーザ光Aの照射が完了すると、制御部14は、レーザ光源10からのレーザ光Aの出射、及び、ステージ18の移動によるレーザ光Aの走査を終了させる。なお、ユーザが入力操作部38を介してレーザ光Aの走査の終了の指示を行うことにより、レーザ光Aの走査を終了させるようにしてもよい。
このように、本実施形態によるレーザ加工装置は、加工対象物16に予め形成された界面50又は界面50の近傍に超短パルスレーザ光Aを照射し得る。
(加工対象物の切断方法及び基板の製造方法)
次に、本実施形態による加工対象物の切断方法、及び、その切断方法を用いた基板の製造方法について説明する。図3乃至図5は、本実施形態による加工対象物の切断方法及び基板の製造方法を示す工程図である。
本実施形態による加工対象物の切断方法及び基板の製造方法を実施する際には、例えば、上述したレーザ加工装置2を用いることができるが、これに限定されるものではない。加工対象物16に予め形成された界面50又は当該界面50近傍に超短パルスレーザ光Aを照射し得るレーザ加工装置を、本実施形態による加工対象物の切断方法及び基板の製造方法に適宜用いることができる。
まず、図3に示すように、加工対象物16をステージ18上に載置する。図3(a)は、平面図であり、図3(b)は図3(a)のA−A′断面図である。切断の対象となる加工対象物16の材料は、特に限定されるものではない。ただし、加工対象物16の上方から超短パルスレーザ光Aを照射し、加工対象物16に予め形成された界面50に沿うようにクラック53を成長させるためには、超短パルスレーザ光Aが加工対象物16を透過し、界面50又は界面50の近傍に超短パルスレーザ光Aが達することを要する。このため、加工対象物16の材料として、超短パルスレーザ光Aに対して透明な材料が用いられる。加工対象物16の材料は、例えば半導体等が挙げられる。かかる半導体としては、例えば、SiC(炭化ケイ素)、Si(シリコン)、GaN(窒化ガリウム)、AlN(窒化アルミニウム)、InN(窒化インジウム)、GaAs(ヒ化ガリウム)、InP(リン化インジウム)、GaP(リン化ガリウム)等が挙げられる。ここでは、加工対象物16の材料として、例えばSiC等を用いる。
なお、加工対象物16の材料は、半導体に限定されるものではない。超短パルスレーザ光Aに対して透明な材料を、加工対象物16の材料として広く用いることができる。超短パルスレーザ光Aに対して透明な材料としては、例えば、ガラス、サファイア、ダイヤモンド、セラミックス、半導体等が挙げられる。従って、加工対象物16の材料としてガラスを用いてもよい。かかるガラスとしては、例えば無アルカリガラス、青板ガラス、白板ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス等が挙げられる。
加工対象物16に予め形成された界面50は、例えば、不純物濃度が互いに異なる第1の部分46と第2の部分48との界面とする。第1の部分46の不純物濃度は、比較的高濃度に設定されている。より具体的には、第1の部分46における不純物濃度は、例えば1×1017〜1×1018cm−3程度に設定されている。第1の部分46の導電型は、例えばn型とする。一方、第2の部分48の導電型は、例えばi型とする。i型の半導体(intrinsic semiconductor)は、不純物を添加していない半導体のことである。第2の部分48における不純物濃度は、例えば1×1014cm−3程度となっている。なお、第1の部分46に添加されている不純物の導電型は、n型に限定されるものではなく、例えばp型であってもよい。
第1の部分46の不純物濃度と第2の部分48の不純物濃度とは、十分に異なっていることが好ましい。第1の部分46の不純物濃度と第2の部分48の不純物濃度とが十分に異なっていない場合には、界面50に沿ってクラック53を成長させることが必ずしも容易ではないためである。第2の部分48の不純物濃度に対する第1の部分46の不純物濃度は、例えば5倍以上であることが好ましい。このように、不純物濃度が十分に異なっていれば、界面50に沿って確実にクラック53を成長させることができる。
なお、第2の部分48の不純物濃度に対する第1の部分46の不純物濃度は、5倍以上に限定されるものではない。第1の部分46の不純物濃度と第2の部分48の不純物濃度とがある程度異なっていれば、界面50に沿うようにクラック53を成長させることが可能である。ただし、確実にクラック53を成長させる観点からは、第2の部分48の不純物濃度に対する第1の部分46の不純物濃度が、少なくとも5倍以上であることが好ましい。
不純物濃度が互いに異なる第1の部分46と第2の部分48との界面50は、例えば以下のようにして得ることが可能である。例えば、昇華法によりSiCのインゴットを成長する場合には、成長原料を加熱・蒸発させ、種基板(図示せず)上にSiCを成長する。この際、成長原料中に添加する不純物の濃度を適宜設定すれば、種基板の主面に垂直な方向におけるインゴットの不純物濃度分布を適宜設定することができる。このようにしてインゴットを成長すれば、不純物濃度が互いに異なる第1の部分46と第2の部分48との界面50を得ることができる。
加工対象物16は、こうして得られたインゴットであってもよし、こうして得られたインゴットを予め所望の形状に切断したものであってもよい。また、加工対象物16は、インゴットに限定されるものではなく、予め所定の界面50が形成された加工対象物16であればよい。
第1の部分46と第2の部分48とを交互に複数積層したインゴットをステージ上に18に載置した場合には、第1の部分46と第2の部分48とが交互に複数積層された加工対象物16がステージ18上に位置することとなる。しかし、本実施形態では、1つの第1の部分46と1つの第2の部分48との間の界面50に着目し、図示及び説明を簡略化することとする。
なお、加工対象物16が、第1の部分46上に第2の部分48が存在している2層構造の加工対象物である場合には、図3(b)に図示する通りの構成となる。
第1の部分46の厚さと第2の部分48の厚さは、所望の厚さの基板が得られるように適宜設定することができる。
次に、レーザ照射予定範囲に超短パルスレーザ光Aを照射する。超短パルスレーザ光Aの照射方向は、界面50の面内方向に交差する方向とする。より具体的には、超短パルスレーザ光Aの照射方向は、界面50の法線方向とする。一方、超短パルスレーザ光Aの走査方向は、界面50の面内方向とする。レーザ照射予定範囲(レーザ照射範囲)は、例えば、第1の部分46と第2の部分48との界面50の全体(全面)とする。レーザ照射予定範囲に対して超短パルスレーザ光Aの走査を行う際には、当該レーザ照射予定範囲内において、直線状の軌跡を描く超短パルスレーザ光Aの走査を、平行に複数回行うことにより、当該レーザ照射予定範囲内全体に超短パルスレーザ光Aが照射する。より具体的には、図3(a)に示すように、第1の走査においては、第1の方向に超短パルスレーザ光Aを走査し、当該第1の走査の次に行われる走査においては、第1の方向の反対の方向である第2の方向に超短パルスレーザ光Aを走査する。第2の走査においては、第1の走査に対して走査経路がずらして設定される。第3の走査においては、第1の走査と同様に、第1の方向に超短パルスレーザ光Aを走査する。第3の走査においては、第2の走査に対して走査経路がずらして設定される。この後、同様にして走査が繰り返し行われ、所望のレーザ照射予定範囲全体に対しての超短パルスレーザ光Aの走査が行われる。超短パルスレーザ光Aの走査ピッチは、例えば1μm〜50μm程度とする。なお、超短パルスレーザ光Aの走査ピッチは、1μm〜50μm程度に限定されるものではない。1回の走査によって界面50の面内方向に成長するクラック53の寸法に応じて、走査ピッチを適宜設定すればよい。なお、図3(b)における符号52は、超短パルスレーザ光Aが集光された箇所の軌跡、即ち、レーザ光Aの集光点55をつなげたときにできる面を示している。
図4(a)は、レーザ照射予定範囲全体に対して超短パルスレーザ光Aの照射が完了した状態を示す断面図である。図4(b)は、図4(a)において丸印51で囲まれた部分を拡大して示した断面図である。図4(b)に示すように、界面50に沿うようにクラック53が形成される。このように、加工対象物16に予め形成された所定の界面50又はかかる界面50の近傍に超短パルスレーザ光Aを照射すると、当該界面50に沿うようにクラック53を成長させることができる。
なお、このような界面50が形成された加工対象物16の当該界面50又は当該界面50の近傍に超短パルスレーザ光Aを照射すると、当該界面50に沿うようにクラック53を成長させることができる。
このような界面50においてクラック53が成長するメカニズムとしては、例えば以下のようなメカニズムが考えられる。
即ち、不純物濃度が比較的高い部分である第1の部分46における超短パルスレーザ光Aの多光子吸収係数と、不純物濃度が比較的低い部分である第2の部分48における超短パルスレーザ光Aの多光子吸収係数とは、互いに異なっている。多光子吸収係数とは、多光子吸収の起こりやすさを示すものである。図8は、多光子吸収係数を示すグラフである。図8(a)は、本実施形態による加工対象物の断面を示しており、図8(b)は多光子吸収係数のグラフを示している。図8(b)における横軸は、多光子吸収係数を示しており、図8(b)における縦軸は、位置を示している。図8(b)から分かるように、不純物濃度が比較的高い部分である第1の部分46においては、多光子吸収係数が比較的高くなっている。一方、不純物濃度が比較的低い部分である第2の部分48においては、多光子吸収係数が比較的低くなっている。多光子吸収係数が比較的高い部分である第1の部分46においては、分解が生じやすく(多光子分解反応)、多光子吸収係数が比較的低い部分である第2の部分48においては、分解が生じにくい。このため、例えば、多光子吸収係数が比較的高い部分である第1の部分46において多光子分解反応が生じ、多光子吸収係数が比較的低い部分である第2の部分48において多光子分解反応が生じない場合には、第1の部分46のうちの界面50近傍に、分解が生じた箇所が位置することとなる。分解が生じた箇所、即ち、改質が生じた箇所における結晶状態は、分解が生じていない箇所における結晶状態とは異なったものとなる。超短パルスレーザ光Aの集光点55をつなげたときにできる面(軌跡、軌跡面)は界面50に沿うため、図示しない改質層(分解層)が界面50に沿うように形成される。分解が生じた箇所においては、分解層が形成されるのみならず、空隙も生ずる。かかる空隙がつながると、クラック53になると考えられる。界面50はクラック53の成長方向を規定するガイドの役割を果たし、界面50に沿うようにクラック53が成長することとなる。また、界面50の一方の側の結晶状態と界面50の他方の側の結晶状態とが異なったものになることも、界面50に沿ってクラック53を生じさせることに寄与すると考えられる。
また、界面50においてクラック53が成長するメカニズムとしては、以下のようなメカニズムも考えることができる。
即ち、超短パルスレーザ光Aを照射すると、界面50において超短パルスレーザ光Aが反射され、超短パルスレーザ光Aの一部が反対方向に折り返される。界面50又は界面50の近傍においては、超短パルスレーザ光Aが折り返された分だけ、超短パルスレーザ光Aの強度が強くなる。超短パルスレーザ光Aの強度が強くなった箇所においては、超短パルスレーザ光Aの強度が加工対象物16の材料の分解の閾値(加工閾値)を超えるため、当該箇所において加工対象物16の分解が生ずる。界面50において超短パルスレーザ光Aが反射されるため、界面50近傍において分解が生ずることとなる。分解が生じた箇所における結晶状態は、分解が生じていない箇所における結晶状態とは異なったものとなる。超短パルスレーザ光Aの集光点55をつなげたときにできる面は界面50に沿うため、界面50に沿うように分解層が形成される。分解が生じた箇所においては、分解層が形成されるのみならず、空隙も生ずる。かかる空隙がつながると、クラック53になると考えられる。界面50はクラック53の成長方向を規定するガイドの役割を果たし、界面50に沿うようにクラック53が成長することとなる。
また、界面50における多光子吸収係数の相違と界面50における超短パルスレーザ光Aの反射との相乗効果によって、クラック53が成長することも考えられる。
このように、クラック53が成長するメカニズムは必ずしも明らかではないが、本実施形態によれば、加工対象物16に予め形成された所定の界面50に沿うようにクラック53を成長させることができる。
なお、このような界面を予め形成しておかずに、加工対象物に超短パルスレーザ光Aを単に照射しただけでは、クラックの成長方向を規定するガイドの役割を果たすものが存在しないため、良好なクラックを成長し得ない。
クラック53が形成された段階では、加工対象物16がクラック53において確実に分離されているとは限らない。加工対象物16がクラック53において確実に分離されていない場合には、例えば、以下のようにして加工対象物16を分離する。ここでは、第1の部分46と第2の部分47との界面50の面内方向に沿う方向の外力を、加工対象物16に加える場合を例に説明する。
図4(c)は、界面50の面内方向に沿う方向の外力を、加工対象物16に加える状態を示す断面図である。図4(c)に示すように、上面に突起57aが形成された部材56aと、下面に突起57bが形成された部材56bとを有する治具56を用意する。部材56a、56bの材料としては、例えばアルミニウム合金等を用いることができる。加工対象物16の下面と部材56aの上面との間には、例えば表面保護フィルム54aが配される。また、加工対象物16の上面と部材56bの下面との間には、例えば表面保護フィルム54bが配される。表面保護フィルム54a、54bの材料としては、例えばポリイミドを用いることができる。かかる表面保護フィルム54a、54bは、ポリイミドテープとも称される。突起57aの上面が界面50よりも低く位置するように、突起57aの高さが設定されていることが好ましい。また、突起57bの下面が界面50より高く位置するように、突起57bの高さが設定されていることが好ましい。部材56aの突起57aは加工対象物16の一方の側(例えば紙面右側)に接し、部材56bの突起57bは加工対象物16の他方の側(例えば紙面左側)に接する。そして、界面50の面内方向に沿う方向の外力を、治具56を用いて加工対象物16に加える。図4(c)における矢印は、加工対象物16に加える外力の方向を示している。図4(c)に示すように、突起56aと突起56bとが互いに近づくような方向の外力が、加工対象物16に加えられる。
図5(a)は、界面50の面内方向に沿う方向の外力を加工対象物16に加えた結果、加工対象物16がクラック53において分離された状態を示す断面図である。このように、界面50の面内方向に沿う方向の外力を加工対象物16に加えると、クラック53において加工対象物16が分離される。このように、本実施形態によれば、被加工物16を簡便かつ正確にクラックにおいて分離することができる。
図5(b)は、第1の部分46と第2の部分58とをそれぞれ治具56から取り外した状態を示している。
次に、図5(c)に示すように、第1の部分46のうちの界面50側の部分を研磨により除去する。また、第2の部分48のうちの界面50側の部分を研磨により除去する。こうして、分離された加工対象物16の一方の側の部分である第1の部分46により形成された第1の基板46が得られる。また、分離された加工対象物16の他方の側の部分である第2の部分48により形成された第2の基板48が得られる。こうして得られる第1の基板46の厚さは、例えば300μm程度とする。また、第2の基板48の厚さも、例えば300μm程度とする。なお、第1の基板46や第2の基板48の厚さは、300μm程度に限定されるものではない。様々な厚さの第1の基板46や第2の基板48を形成することが可能である。
こうして、本実施形態による加工対象物の切断方法を用いて基板を製造することができる。本実施形態による加工対象物の切断方法は加工精度が極めて高いため、表面の凹凸が極めて小さい基板46,48が得られる。また、本実施形態による加工対象物の切断方法は加工精度が極めて高いため、加工対象物16のうちの無駄になる部分を十分に少なくすることができ、低コスト化等に寄与することができる。
(評価結果)
次に、本実施形態による加工対象物の切断方法の評価結果について図9を用いて説明する。図9は、クラックが形成された加工対象物の断面の光学顕微鏡写真を示す図である。
加工対象物の切断方法の評価を行う際には、第1の部分46として、n型のSiCを用いた。また、第2の部分48として、i型のSiCを用いた。図9から分かるように、第1の部分46と第2の部分48との界面50に沿うように、クラック53が確実に形成されている。
このように、本実施形態によれば、加工対象物16に予め形成された所定の界面50に沿うように、クラック53を確実に成長させることができる。
(加工対象物のバリエーション)
次に、本実施形態による加工対象物のバリエーションについて図8及び図10を用いて説明する。
まず、本実施形態による加工対象物のバリエーション(その1)について図8を用いて説明する。本実施形態による加工対象物のバリエーション(その1)は、第1の部分46には不純物が高濃度に添加されており、第2の部分48には不純物が低濃度に添加されているものである。第1の部分46の導電型は、例えばn型とする。第1の部分46における不純物濃度は、例えば1×1018〜1×1021cm−3程度とする。第2の部分48の導電型は、例えばn型とする。第2の部分48における不純物濃度は、例えば1×1015〜1×1017cm−3程度とする。
図8(b)に示すように、第1の部分46における多光子吸収係数が比較的高く、第2の部分48における多光子吸収係数が比較的低い。第1の部分46と第2の部分48との間には、多光子吸収係数の差が存在している。
本実施形態による加工対象物のバリエーション(その1)では、界面50の一方の側である第1の部分46の不純物濃度と、界面50の他方の側である第2の部分48の不純物濃度とが、互いに異なっている。このため、第1の部分46と第2の部分48との界面50にクラック53を確実に形成することができる。
なお、ここでは、第1の部分46の導電型をn型とし、第2の部分48の導電型をn型とする場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。第1の部分46の導電型をp型とし、第2の部分48の導電型をp型としてもよい。また、第1の部分46の導電型をn型とし、第2の部分48の導電型をi型としてもよい。また、第1の部分46の導電型をp型とし、第2の部分48の導電型をi型としてもよい。
本実施形態による加工対象物のバリエーション(その2)について、図10を用いて説明する。図10は、本実施形態による加工対象物のバリエーション(その2)を示す図である。図10(a)は断面図を示しており、図10(b)は多光子吸収係数のグラフを示している。図10(b)における横軸は、多光子吸収係数を示しており、図10(b)における縦軸は、位置を示している。
本実施形態による加工対象物のバリエーション(その2)は、第1の部分46には不純物が低濃度に添加されており、第2の部分48には不純物が高濃度に添加されているものである。第1の部分46の導電型は、例えばn型とする。第1の部分46における不純物濃度は、例えば1×1015〜1×1017cm−3程度とする。第2の部分48の導電型は、例えばn型とする。第2の部分48における不純物濃度は、例えば1×1018〜1×1021cm−3程度とする。
図10(b)に示すように、界面50に対して一方の側である第1の部分46における多光子吸収係数が比較的低く設定されており、界面50に対して第2の部分48における多光子吸収係数が比較的高い。第1の部分46と第2の部分48との間には多光子吸収係数の差が存在している。
本実施形態による加工対象物のバリエーション(その2)では、界面50の一方の側である第1の部分46の不純物濃度と、界面50の他方の側である第2の部分48の不純物濃度とが、互いに異なっている。このため、第1の部分46と第2の部分48との界面50にクラック53を確実に形成することができる。
なお、ここでは、第1の部分46の導電型をn型とし、第2の部分48の導電型をn型とする場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。第1の部分46の導電型をp型とし、第2の部分48の導電型をp型としてもよい。また、第1の部分46の導電型をi型とし、第2の部分48の導電型をn型としてもよい。また、第1の部分46の導電型をi型とし、第2の部分48の導電型をp型としてもよい。
このように、本実施形態によれば、加工対象物16の第1の部分と加工対象物16の第2の部分との界面50又は当該界面50の近傍に集光点55が位置するように超短パルスレーザ光Aを照射する。第1の部分の不純物濃度と第2の部分の不純物濃度とは互いに異なっている、又は、第1の部分の材料と第2の部分の材料とは互いに異なっている。このため、本実施形態によれば、当該界面50に沿って高精度に形成されるクラック53において加工対象物16を切断することができる。また、本実施形態によれば、加工対象物16が硬い場合であっても、迅速に切断することが可能である。従って、本実施形態によれば、迅速且つ高精度に所望の箇所で加工対象物を切断し得る切断方法、及び、その切断方法を用いた基板等の製造方法を提供することができる。
また、本実施形態によれば、加工精度が極めて高いため、表面の凹凸が極めて小さい基板46,48等の物品を得ることができる。また、本実施形態によれば、加工対象物16のうちの無駄になる部分の厚さが極めて小さいため、低コスト化等に寄与することもできる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態による加工対象物の切断方法及び基板の製造方法について図11及び図12を用いて説明する。図11及び図12は、本実施形態による加工対象物の切断方法及び基板の製造方法を示す工程図である。図1乃至図10に示す第1実施形態による加工対象物の切断方法等と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による加工対象物の切断方法及び基板の製造方法は、第1の不純物濃度の第1の部分58a〜58eが、第1の不純物濃度とは異なる第2の不純物濃度の第2の部分60a〜60dを介して積層されているものである。
まず、図11(a)に示すように、加工対象物16をステージ18上に載置する。第1実施形態による加工対象物の切断方法と同様に、切断の対象となる加工対象物16の材料は、特に限定されるものではないが、ここでは、加工対象物16の材料として、例えばSiC等を用いる。
加工対象物16に予め形成された界面62a〜62eは、例えば、不純物濃度が互いに異なる第1の部分58a〜58eと第2の部分60a〜60dとの界面とする。第1の部分58a〜58eの不純物濃度は、比較的低濃度に設定されている。より具体的には、第1の部分58a〜58eの導電型は、例えばi型とする。第1の部分58a〜58eにおける不純物濃度は、例えば1×1014cm−3程度とする。第2の部分60a〜60dの導電型は、例えばn型とする。第2の部分60a〜60dにおける不純物濃度は、例えば1×1018〜1×1021cm−3程度とする。なお、第2の部分60a〜60dに添加されている不純物の導電型は、n型に限定されるものではなく、例えばp型であってもよい。第1実施形態において上述したように、第1の部分46の不純物濃度と第2の部分48の不純物濃度とは、十分に異なっていることが好ましい。
不純物濃度が互いに異なる第1の部分58a〜58eと第2の部分60a〜60eとの界面62a〜62hは、例えば以下のようにして得ることが可能である。第1実施形態において上述したように、昇華法によりSiCのインゴットを成長する場合には、成長原料を加熱・蒸発させ、種基板(図示せず)上にSiCを成長する。この際、成長原料中に添加する不純物の濃度を適宜設定すれば、種基板の主面に垂直な方向におけるインゴットの不純物濃度分布を適宜設定することができる。このようにしてインゴットを成長すれば、不純物濃度が互いに異なる第1の部分58a〜58eと第2の部分60a〜60eとの界面62a〜62hを得ることができる。
第1実施形態において上述したように、加工対象物16は、こうして得られたインゴットであってもよし、こうして得られたインゴットを予め所望の形状に切断したものであってもよい。また、加工対象物16は、インゴットに限定されるものではなく、予め所定の界面50が形成された加工対象物16であればよい。
第1の部分58a〜58eや第2の部分60a〜60dの厚さを例えば数百μm〜数十μm程度とした場合には、インゴット中には多数の第1の部分58a〜58eが第2の部分60a〜60dを介して積層された状態となる。しかし、ここでは、説明を簡略化するため、5つの第1の部分58a〜58eと4つの第2の部分60a〜60dとを抜き出して図示することとする。
なお、加工対象物16が、5つの第1の部分58a〜58eと4つの第2の部分60a〜60dにより形成されている場合には、図11(a)に図示する通りの構成となる。
第1の部分58a〜58eの厚さは、所望の基板が得られるように適宜設定することができる。第2の部分60a〜60dは、後工程において除去されるため、第1の部分58a〜58eに対して十分に薄いことが好ましい。
次に、第1のレーザ照射予定範囲に超短パルスレーザ光Aを照射する(図12(b)参照)。第1のレーザ照射予定範囲は、例えば、第1層目の第1の部分58aと第1層目の第2の部分60aとの界面62a又は当該界面62aの近傍の全体(全面)とする。即ち、本実施形態では、下層側から順番に超短パルスレーザ光Aを照射していく。下層側から順番に超短パルスレーザ光Aを照射していくのは、以下のような理由によるものである。即ち、ある層に超短パルスレーザ光Aを照射した場合には、その層に改質層が形成され、その層より下方に超短パルスレーザ光Aが到達しにくくなる。このため、上層側から順番に超短パルスレーザ光Aを照射していこうとした場合には、上層側に形成された改質層により超短パルスレーザ光Aが妨げられ、下層側に超短パルスレーザ光Aを照射し得ない。このような理由により、下層側から順番に超短パルスレーザ光Aを照射していく。超短パルスレーザ光Aの照射方向は、界面62aの面内方向に交差する方向とする。より具体的には、超短パルスレーザ光Aの照射方向は、界面62aの法線方向とする。一方、超短パルスレーザ光Aの走査方向は、界面62aの面内方向とする。超短パルスレーザ光Aの走査については、第1実施形態において図3(b)を用いて上述した超短パルスレーザ光Aの走査と同様であるため、ここでは説明を省略することとする。このように、加工対象物16に予め形成された所定の界面62a又は当該界面62aの近傍に超短パルスレーザ光Aを照射すると、当該界面62aに沿うようにクラック53を成長させることができる。
なお、ここでは、第1層目の第1の部分58aと第1層目の第2の部分60aとの界面62aに超短パルスレーザ光Aを照射する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第1層目の第2の部分60aと第2層目の第1の部分58bとの界面62bに超短パルスレーザ光Aを照射するようにしてもよい。第1層目の第2の部分60aと第2層目の第1の部分58bとの界面62b又は当該界面62bの近傍に超短パルスレーザ光Aを照射した場合には、当該界面62bに沿うようにクラック53を成長させることができる。
超短パルスレーザ光Aの集光点55をつなげたときにできる面(軌跡、軌跡面)は界面62aに沿い、図示しない改質層が界面62aに沿うように形成される。また、界面62a又は界面62aの近傍において、界面62aに沿うようにクラック53(図4(b)参照)が形成される。なお、図11(b)における符号64aは、超短パルスレーザ光Aが集光された箇所の軌跡、即ち、レーザ光Aの集光点55をつなげたときにできる面を示している。
次に、第2のレーザ照射予定範囲に超短パルスレーザ光Aを照射する。第2のレーザ照射予定範囲は、例えば、第2層目の第1の部分58bと第2層目の第2の部分60bとの界面62c又は当該界面62cの近傍の全体(全面)とする。このように、加工対象物16に予め形成された所定の界面62c又は当該界面62cの近傍に超短パルスレーザ光Aを照射すると、当該界面62cに沿うようにクラック53を成長させることができる。
なお、ここでは、第2層目の第1の部分58bと第2層目の第2の部分60bとの界面62cに超短パルスレーザ光Aを照射する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、第2層目の第2の部分60bと第3層目の第1の部分58cとの界面62dに超短パルスレーザ光Aを照射するようにしてもよい。第1層目の第2の部分60bと第3層目の第1の部分58cとの界面62d又は当該界面62dの近傍に超短パルスレーザ光Aを照射した場合には、当該界面62dに沿うようにクラック53を成長させることができる。
超短パルスレーザ光Aの集光点55をつなげたときにできる面(軌跡、軌跡面)は界面62cに沿い、図示しない改質層が界面62cに沿うように形成される。また、界面62c又は界面62cの近傍において、界面62cに沿うようにクラック53(図4(b)参照)が形成される。なお、図11(b)における符号64bは、超短パルスレーザ光Aが集光された箇所の軌跡、即ち、レーザ光Aの集光点55をつなげたときにできる面を示している。
この後、上記と同様にして、更に超短パルスレーザ光Aの照射が行われる。なお、第1の部分及び第2の部分が更に積層されている場合には、上記と同様にして超短パルスレーザ光Aを更に照射すればよい。なお、図11(b)における符号64c、64dは、超短パルスレーザ光Aが集光された箇所の軌跡、即ち、レーザ光Aの集光点55をつなげたときにできる面を示している。
第2の部分60a〜60dは、後工程において除去されるものであり、第1の部分58a〜58eは、基板として用いられるものである。材料の無駄を低減する観点からは、改質層やクラックが第2の部分60a〜60d内に形成されることが好ましい。第2の部分60a〜60dは多光子吸収係数が比較的高く、界面62a、62c、62e、62gにおいて超短パルスレーザ光Aの反射も生ずるため、第2の部分60a〜60d内に改質層やクラックが形成される可能性は高い。
第1実施形態において上述したように、クラック53が形成された段階では、加工対象物16がクラック53において確実に分離されているとは限らない。加工対象物16がクラック53において確実に分離されていない場合には、例えば、第1実施形態と同様にして加工対象物16を分離することができる。なお、治具56については、本実施形態の加工対象物16に適合するように、適宜工夫すればよい。
図12(a)は、クラック53において加工対象物16を分離した状態を示す断面図である。
次に、各々の第1の部分58a〜58eの下面や上面を研磨する。こうして、図12(b)に示すように、第1層目の第1の部分58aにより形成された第1の基板58aが得られ、第2層目の第1の部分58bにより形成された第2の基板58bが得られ、第3層目の第1の部分58cにより形成された第2の基板58cが得られる。また、第4層目の第1の部分58dにより形成された第4の基板58dが得られ、第5層目の第1の部分58eにより形成された第5の基板58eが得られる。なお、第1の部分がn個(nは正の整数)ある場合には、n個の基板が得られることとなる。
こうして、本実施形態による加工対象物の切断方法を用いて基板を製造することができる。
(加工対象物のバリエーション)
次に、本実施形態による加工対象物のバリエーションについて図13及び図14を用いて説明する。
図13は、本実施形態による加工対象物のバリエーション(その1)を示す図である。図13(a)は断面図を示しており、図13(b)は多光子吸収係数のグラフを示している。図13(b)における横軸は、多光子吸収係数を示しており、図13(b)における縦軸は、位置を示している。
本実施形態による加工対象物のバリエーション(その1)は、第1の部分58a〜58eには不純物が低濃度に添加されており、第2の部分60a〜60dには不純物が高濃度に添加されているものである。第1の部分58a〜58eの導電型は、例えばn型とする。第1の部分50a〜50eにおける不純物濃度は、例えば1×1015〜1×1017cm−3程度とする。第2の部分60a〜60dの導電型は、例えばn型とする。第2の部分60a〜60dにおける不純物濃度は、例えば1×1018〜1×1021cm−3程度とする。
図13(b)に示すように、第1の部分58a〜58eにおける多光子吸収係数が比較的低く、第2の部分60a〜60dにおける多光子吸収係数が比較的高い。第1の部分58a〜58eと第2の部分60a〜60dとの間には、多光子吸収係数の差が存在している。
本実施形態による加工対象物のバリエーション(その1)によれば、第1の部分58a〜58eの不純物濃度が比較的低く設定されており、第2の部分60a〜60dの不純物濃度が比較的高く設定されている。このため、第1の部分58a〜58eと第2の部分60a〜60dとの界面62a〜62h又は当該界面62a〜62hの近傍に超短パルスレーザ光Aを照射すれば、当該界面62a〜62hに沿うようにクラック53を確実に形成することができる。
なお、ここでは、第1の部分58a〜58eの導電型をn型とし、第2の部分60a〜60dの導電型をn型とする場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。第1の部分58a〜58eの導電型をp型とし、第2の部分60a〜60dの導電型をp型としてもよい。また、第1の部分58a〜58dの導電型をi型とし、第2の部分60a〜60dの導電型をn型としてもよい。また、第1の部分58a〜58dの導電型をi型とし、第2の部分60a〜60dの導電型をp型としてもよい。
図14は、本実施形態による加工対象物のバリエーション(その2)を示す図である。図14(a)は断面図を示しており、図14(b)は多光子吸収係数のグラフを示している。図14(b)における横軸は、多光子吸収係数を示しており、図14(b)における縦軸は、位置を示している。
本実施形態による加工対象物のバリエーション(その2)は、第1の部分58a〜58eには不純物が高濃度に添加されており、第2の部分60a〜60dには不純物が低濃度に添加されているものである。第1の部分58a〜58eの導電型は、例えばn型とする。第1の部分50a〜50eにおける不純物濃度は、例えば1×1018〜1×1021cm−3程度とする。第2の部分60a〜60dの導電型は、例えばn型とする。第2の部分60a〜60dにおける不純物濃度は、例えば1×1015〜1×1017cm−3程度とする。
図14(b)に示すように、第1の部分58a〜58eにおける多光子吸収係数が比較的高く、第2の部分60a〜60dにおける多光子吸収係数が比較的低い。第1の部分58a〜58eと第2の部分60a〜60dとの間には、多光子吸収係数の差が存在している。
本実施形態による加工対象物のバリエーション(その2)によれば、第1の部分58a〜58eの不純物濃度が比較的高く設定されており、第2の部分60a〜60dの不純物濃度が比較的低く設定されている。このため、第1の部分58a〜58eと第2の部分60a〜60dとの界面62a〜62h又は当該界面62a〜62hの近傍に超短パルスレーザ光Aを照射すれば、当該界面62a〜62hに沿うようにクラック53を確実に形成することができる。
なお、ここでは、第1の部分58a〜58eの導電型をn型とし、第2の部分60a〜60dの導電型をn型とする場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。第1の部分58a〜58eの導電型をp型とし、第2の部分60a〜60dの導電型をp型としてもよい。また、第1の部分58a〜58dの導電型をn型とし、第2の部分60a〜60dの導電型をi型としてもよい。また、第1の部分58a〜58dの導電型をp型とし、第2の部分60a〜60dの導電型をi型としてもよい。
このように、第1の不純物濃度の第1の部分58a〜58eと第2の不純物濃度の第2の部分60a〜60dとが交互に積層された加工対象物16を切断するようにしてもよい。本実施形態においても、加工対象物16に予め所定の界面62a〜62hを形成しておき、当該界面62a〜62h又は当該界面62a〜62hの近傍に集光点55が位置するように超短パルスレーザ光Aを照射する。このため、本実施形態においても、当該界面62a〜62hに沿って高精度に形成されるクラック53において加工対象物16を切断することができる。また、本実施形態においても、加工対象物16を迅速に切断することができる。従って、本実施形態においても、迅速且つ高精度に所望の箇所で加工対象物を切断し得る切断方法、及び、その切断方法を用いた基板等の製造方法を提供することができる。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態による加工対象物の切断方法及び基板の製造方法について図15及び図16を用いて説明する。図15及び図16は、本実施形態による加工対象物の切断方法及び半導体装置の製造方法を示す工程図である。図1乃至図14に示す第1又は第2実施形態による加工対象物の切断方法等と同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略または簡潔にする。
本実施形態による加工対象物の切断方法及び基板の製造方法は、材料が互いに異なっている部分70,72の界面78において切断を行うものである。
まず、図15(a)に示すように、加工対象物16をステージ18上に載置する。切断の対象となる加工対象物16は、特に限定されるものではないが、ここでは、基板70上に積層膜76が形成されたものを加工対象物16とする。基板70の材料は、例えばSiCとする。積層膜76の材料は、例えばGaN系の材料とする。積層膜76は、例えばLED(Light Emitting Diode)素子を形成するためのものである。積層膜76は、例えば、n型のGaN層72とp型のGaN層74との積層膜とする。基板70上に形成された積層膜76は、後工程において界面78において基板70から分離され、後述する他の基板78に移されることとなる。なお、n型のGaN層72及びP型のGaN層74は、例えば有機金属気相成長(MOCVD:Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、スパッタリング法、原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法等により形成することが可能である。なお、加工対象物16の基板70は、ウェーハであってもよいし、ウェーハを予め所定のサイズに切断したものであってもよい。
次に、図15(b)に示すように、レーザ照射予定範囲に超短パルスレーザ光Aを照射する。レーザ照射予定範囲は、例えば、基板70と膜72との界面78又は当該界面78の近傍とする。超短パルスレーザ光Aの光軸は、界面50の面内方向に交差する方向とする。より具体的には、超短パルスレーザ光Aの照射方向は、界面50の法線方向とする。一方、超短パルスレーザ光Aの走査方向は、界面78の面内方向とする。超短パルスレーザ光Aの走査については、第1実施形態において上述した超短パルスレーザ光Aの走査と同様であるため、ここでは説明を省略することとする。上述したように、基板70の材料と膜76の材料とは互いに異なっている。このため、加工対象物16に予め形成された所定の界面78又は当該界面78の近傍に超短パルスレーザ光Aを照射すると、当該界面78に沿うようにクラック53(図4(b)参照)を成長させることができる。なお、図15(b)及び図16(a)における符号80は、超短パルスレーザ光Aが集光された箇所の軌跡、即ち、レーザ光Aの集光点55をつなげたときにできる面を示している。
このような界面78においてクラックが成長するメカニズムは必ずしも十分に明らかではないが、例えば以下のようなメカニズムが考えられる。
即ち、第1の材料により形成された第1の部分72における超短パルスレーザ光Aの多光子吸収係数と、第1の材料とは異なる第2の材料により形成された第2の部分74における超短パルスレーザ光Aの多光子吸収係数とは、互いに異なっている。多光子吸収係数が比較的高い部分においては、分解が生じやすく、多光子吸収係数が比較的低い部分においては、分解が生じにくい。このため、例えば、多光子吸収係数が比較的高い部分において多光子分解反応が生じ、多光子吸収係数が比較的低い部分において多光子分解反応が生じない場合には、多光子吸収が比較的高い部分のうちの界面近傍に、分解が生じた箇所が位置することとなる。分解が生じた箇所における結晶状態は、分解が生じていない箇所における結晶状態とは異なったものとなる。超短パルスレーザ光Aの集光点55をつなげたときにできる面は界面78に沿うため、図示しない分解層が界面78に沿うように形成される。分解が生じた箇所においては、分解層が形成されるのみならず、空隙も生ずる。かかる空隙がつながると、クラックになると考えられる。界面78はクラックの成長方向を規定するガイドの役割を果たし、界面50に沿うようにクラックが成長することとなる。また、界面78の一方の側の材料と界面78の他方の側の材料との間で結晶が不連続になっていることも、界面50に沿ってクラック53を生じさせることに寄与すると考えられる。
また、界面78においてクラックが成長するメカニズムとしては、以下のようなメカニズムも考えることができる。
即ち、超短パルスレーザ光Aを照射すると、界面78において超短パルスレーザ光Aが反射され、超短パルスレーザ光Aの一部が反対方向に折り返される。界面78又は界面78の近傍においては、超短パルスレーザ光Aが折り返された分だけ、超短パルスレーザ光Aの強度が強くなる。超短パルスレーザ光Aの強度が強くなった箇所においては、超短パルスレーザ光Aの強度が加工対象物16の材料の分解の閾値を超えるため、当該箇所において加工対象物16の分解が生ずる。界面78において超短パルスレーザ光Aが反射されるため、界面78近傍において分解が生ずることとなる。分解が生じた箇所における結晶状態は、分解が生じていない箇所における結晶状態とは異なったものとなる。超短パルスレーザ光Aの集光点55をつなげたときにできる面は界面78に沿うため、図示しない分解層が界面78に沿うように形成される。分解が生じた箇所においては、分解層が形成されるのみならず、空隙も生ずる。かかる空隙がつながると、クラックになると考えられる。界面78はクラックの成長方向を規定するガイドの役割を果たし、界面78に沿うようにクラックが成長することとなる。
また、界面78における多光子吸収係数の相違と界面78における超短パルスレーザ光Aの反射との相乗効果によって、クラックが成長することも考えられる。
なお、本実施形態による加工対象物の切断方法は、バンドギャップの狭い層にレーザ光Aを線形吸収させ、当該バンドギャップの狭い層を溶解させる手法ではない。本実施形態において照射される超短パルスレーザ光Aの波長は、加工対象物16の各部のバンドギャップより小さいエネルギーの波長である。
図16(a)は、レーザ照射予定範囲全体に対して超短パルスレーザ光Aの照射が完了した状態を示す断面図である。超短パルスレーザ光Aの集光点55をつなげたときにできる面(軌跡、軌跡面)は界面78に沿い、図示しない改質層が界面78に沿うように形成される。また、界面78又は界面78の近傍において、界面78に沿うようにクラック53(図4(b)参照)が形成される。
第1実施形態において上述したように、クラック53が形成された段階では、加工対象物16がクラック53において確実に分離されているとは限らない。加工対象物16がクラック53において確実に分離されていない場合には、例えば、第1実施形態と同様にして加工対象物16を分離することができる。なお、治具56については、本実施形態の加工対象物16に適合するように、適宜工夫すればよい。
図16(b)は、クラック53において加工対象物16を分離した状態を示す断面図である。ここでは、他の基板78が積層膜76に接合され、当該他の基板78側に積層膜76が移されている。基板78は、導電性を有する基板とする。当該基板78は、例えばLED素子の正側の電極として機能し得る。
次に、必要に応じて積層膜76の表面を研磨する。次に、図16(c)に示すように、積層膜76上に導電膜82を成膜する。導電膜82は、例えばLED素子の負側の電極として機能し得る。なお、この段階で、個片化が既に行われている場合には、更に個片化することは要しないが、個片化が未だ行われていない場合には、所望のサイズに個片化を行う。こうして、例えばLED素子が製造される。なお、導電膜82が透明な場合には、導電膜82が全面に形成されていてもよいが、導電膜82が透明でない場合には、発光した光を十分に取り出し得るように、一部のみに導電膜82を形成することが好ましい。なお、ここでは、LED素子を製造する場合を例に説明したが、製造する対象はLED素子に限定されるものではない。様々な半導体装置(電子デバイス)を製造する際に、本発明を適用することが可能である。
(加工対象物のバリエーション)
次に、本実施形態による加工対象物のバリエーションについて図17を用いて説明する。図17は、本実施形態による加工対象物のバリエーションを示す図である。
例えば、加工対象物16の界面78が、SiCにより形成された第1の部分70とAlNにより形成された第2の部分72との界面であってもよい。SiC基板70上に形成されたGaN系のLED素子層をSiC基板70から分離する場合には、このような構成となる場合がある。
また、加工対象物16の界面78が、GaNにより形成された第1の部分70とAlGaNにより形成された第2の部分72との界面であってもよい。GaN基板70上に形成されたGaN系のLED素子層をGaN基板70から分離する場合には、このような構成となる場合がある。
また、加工対象物16の界面78が、Gaにより形成された第1の部分70とGaNにより形成された第2の部分72との界面であってもよい。Ga基板70上に形成されたGaN系のLED素子層をGa基板70から分離する場合には、このような構成となる。なお、初期成長層として、AlN,AlGaN,InGaN,InAlGaN,InAlN等をGa基板70上に成長する場合もある。この場合には、加工対象物16の界面78は、Gaにより形成された第1の部分70とAlN,AlGaN,InGaN,InAlGaN,InAlN等により形成された第2の部分72との界面となる。
また、加工対象物16の界面78が、サファイアにより形成された第1の部分70とGaNにより形成された第2の部分72との界面であってもよい。サファイア基板70上に形成されたGaN系のLED素子層をサファイア基板70から分離する場合には、このような構成となる。なお、初期成長層として、AlN,AlGaN,InGaN,InAlGaN,InAlN等をサファイア基板70上に成長する場合もある。この場合には、加工対象物16の界面78は、サファイアにより形成された第1の部分70とAlN,AlGaN,InGaN,InAlGaN,InAlN等により形成された第2の部分72との界面となる。
また、加工対象物16の界面78が、SiCにより形成された第1の部分70とC(炭素)により形成された第2の部分72との界面であってもよい。SiC基板70上に形成されたC層72をSiC基板70から分離する場合には、このような構成となる。
また、加工対象物16の界面78が、Siにより形成された第1の部分70とGaNにより形成された第2の部分72との界面であってもよい。Si基板70上に形成されたGaN層72をSi基板70から分離する場合には、このような構成となる。なお、初期成長層として、AlN,AlGaN,InGaN,InAlGaN,InAlN等をSi基板70上に成長する場合もある。この場合には、加工対象物16の界面78は、Siにより形成された第1の部分70とAlN,AlGaN,InGaN,InAlGaN,InAlN等により形成された第2の部分72との界面となる。
また、加工対象物16の界面78が、ガラスにより形成された第1の部分70とGaNにより形成された第2の部分72との界面であってもよい。ガラス基板70上に形成されたGaN層72をガラス基板70から分離する場合には、このような構成となる。なお、初期成長層として、AlN,AlGaN,InGaN,InAlGaN,InAlN等をガラス基板70上に成長する場合もある。この場合には、加工対象物16の界面78は、ガラスにより形成された第1の部分70とAlN,AlGaN,InGaN,InAlGaN,InAlN等により形成された第2の部分72との界面となる。
また、加工対象物16の界面78が、ガラスにより形成された第1の部分70とSiCにより形成された第2の部分72との界面であってもよい。ガラス基板70上に形成されたSiC層72をガラス基板70から分離する場合には、このような構成となる。
また、加工対象物16の界面78が、ガラスにより形成された第1の部分70とCにより形成された第2の部分72との界面であってもよい。ガラス基板70上に形成されたC層72をガラス基板70から分離する場合には、このような構成となる。
また、加工対象物16の界面78が、Cにより形成された第1の部分70とCにより形成された第2の部分72との界面であってもよい。より具体的には、加工対象物16の界面78が、ダイヤモンド基板70とグラファイト層72との界面であってもよい。
なお、これらの層は、例えばMOCVD法、スパッタリング法、ALD法、MBE法等により適宜形成し得る。
このように、材料が互いに異なっている部分70,72の界面78において切断を行うようにしてもよい。本実施形態においても、加工対象物16に予め所定の界面78を形成しておき、当該界面78又は当該界面78の近傍に集光点55が位置するように超短パルスレーザ光Aを照射する。このため、本実施形態においても、当該界面78に沿って高精度に形成されるクラック53において加工対象物16を切断することができる。従って、本実施形態においても、迅速且つ高精度に所望の箇所で加工対象物を切断し得る切断方法、及び、その切断方法を用いた基板等の製造方法を提供することができる。
[変形実施形態]
上記実施形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、超短パルスレーザ光Aを照射する工程において、加工対象物16に対して加熱(熱処理)を行ってもよい。超短パルスレーザ光Aを照射している際に加工対象物16を加熱すれば、より効率的にクラック53を形成することができる。
また、超短パルスレーザ光Aを照射する工程の後、加工対象物16を分離する工程の前に、加工対象物16に対して加熱を行ってもよい。超短パルスレーザ光Aの照射した後に加熱を行えば、超短パルスレーザ光Aの照射により生じたクラック53を更に成長させることができる。
また、超短パルスレーザ光Aを分離する工程において、加工対象物16に対して加熱を行うようにしてもよい。
また、加工対象物16を分離する工程において、加工対象物16を薬液に浸漬するようにしてもよい。かかる薬液としては、例えば、改質層(分解層)を選択的にエッチング除去し得る薬液を用いる。超短パルスレーザ光Aの照射によりクラック53が形成された加工対象物16を、このような薬液に浸漬すれば、加工対象物16をクラック53において分離することができる。
また、加工対象物16を分離する工程において、加工対象物16に対してUVオゾン処理を行うようにしてもよい。超短パルスレーザ光Aの照射によりクラック53が形成された加工対象物16に対してUVオゾン処理を行えば、加工対象物16をクラック53において分離することが可能である。
また、上記実施形態では、ステージ18を移動させることにより超短パルスレーザ光Aを走査する場合を例に説明したが、これに限定されるものではない。例えば、ガルバノミラー(図示せず)とFθ(F−Theta)レンズ(図示せず)とを用いて、加工対象物16に超短パルスレーザ光Aを走査するようにしてもよい。また、シリンドリカルレンズを用いて超短パルスレーザ光Aを線状に成形し、線状に成形された超短パルスレーザ光Aを用いて加工対象物16に照射するようにしてもよい。また、回折光学素子(DOE:Diffractive Optical Element)を用いてレーザビームを複数本に分岐し、複数本に分岐されたレーザビームを同時に加工対象物16に照射するようにしてもよい。また、照射スポットの径が比較的大きい超短パルスレーザ光Aを用い、走査を行うことなく、超短パルスレーザ光Aを照射してもよい。
また、上記実施形態では、超短パルスレーザ光Aを直線状に走査する場合を例に説明したが、超短パルスレーザ光Aの走査は直線状に限定されるものではない。例えば円形状に超短パルスレーザ光Aを走査してもよいし、螺旋状(渦巻き状)に超短パルスレーザ光Aを走査してもよい。この場合には、ステージ18として、回転ステージを用いればよい。
上記実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
加工対象物の第1の部分と前記加工対象物の第2の部分との界面又は前記界面の近傍に集光点が位置するように超短パルスレーザ光を照射することにより、前記界面に沿うようにクラックを形成するクラック形成工程と、
前記クラックにおいて前記加工対象物を分離する分離工程とを有し、
前記第1の部分の不純物濃度と前記第2の部分の不純物濃度とは互いに異なっている、又は、前記第1の部分の材料と前記第2の部分の材料とは互いに異なっている、基板の製造方法。
(付記2)
前記加工対象物に入射される前記超短パルスレーザ光の光軸は、前記界面の面内方向に交差する方向であり、
前記超短パルスレーザ光が集光された箇所の軌跡は、前記界面に沿う、付記1記載の基板の製造方法。
(付記3)
前記クラック形成工程では、前記超短パルスレーザ光の照射を繰り返し行う、付記1又は2記載の基板の製造方法。
(付記4)
前記加工対象物には、複数の前記界面が前記界面の法線方向に互いに離間して形成されており、
前記クラック形成工程では、前記複数の界面の各々に前記超短パルスレーザ光を照射し、前記複数の界面の各々に沿うように前記クラックをそれぞれ形成する、付記1乃至3のいずれかに記載の基板の製造方法。
(付記5)
前記界面における前記超短パルスレーザ光の断面は楕円形であり、
前記超短パルスレーザ光の走査方向と前記楕円形の長軸とが交差する、付記1乃至4のいずれかに記載の基板の製造方法。
(付記6)
前記クラック形成工程では、前記集光点を前記界面の法線方向に前記界面からずらして位置させる、請求項1乃至5のいずれかに記載の基板の製造方法。
(付記7)
前記クラック形成工程では、前記加工対象物に対して加熱を行う、付記1乃至6のいずれかに記載の基板の製造方法。
(付記8)
前記クラック形成工程の後、前記分離工程の前に、前記加工対象物に対して加熱を行う加熱工程を更に有する、付記1乃至7のいずれかに記載の基板の製造方法。
(付記9)
前記分離工程では、前記加工対象物に対して加熱を行う、付記1乃至8のいずれか1項に記載の基板の製造方法。
(付記10)
前記分離工程では、前記加工対象物を薬液に浸漬する、付記1乃至8のいずれかに記載の基板の製造方法。
(付記11)
前記加工対象物を分離する工程では、前記加工対象物に対してUVオゾン処理を行う、付記1乃至8のいずれかに記載の基板の製造方法。
(付記12)
前記分離工程では、前記界面の面内方向に沿う方向の外力を前記加工対象物に加えることにより、前記加工対象物を分離する、付記1乃至8のいずれかに記載の基板の製造方法。
(付記13)
加工対象物の第1の部分と前記加工対象物の第2の部分との界面又は前記界面の近傍に集光点が位置するように超短パルスレーザ光を照射することにより、前記界面に沿うようにクラックを形成するクラック形成工程と、
前記クラックにおいて前記加工対象物を分離する分離工程とを有し、
前記第1の部分の不純物濃度と前記第2の部分の不純物濃度とは互いに異なっている、又は、前記第1の部分の材料と前記第2の部分の材料とは互いに異なっている、加工対象物の切断方法。
(付記14)
超短パルスレーザ光を発する光源と、
加工対象物の第1の部分と前記加工対象物の第2の部分との界面又は前記界面の近傍に集光点が位置するように超短パルスレーザ光を照射することにより、前記界面に沿うようにクラックを形成する制御部とを有し、
前記第1の部分の不純物濃度と前記第2の部分の不純物濃度とは互いに異なっている、又は、前記第1の部分の材料と前記第2の部分の材料とは互いに異なっている、レーザ加工装置。
10…レーザ光源
14…制御部
16…加工対象物
46…第1の部分
48…第2の部分
50…界面
52…レーザ光が集光された箇所の軌跡
53…クラック
55…集光点
58a〜58e…第1の部分
60a〜60d…第2の部分
62…レーザ光が集光された箇所の軌跡
66a、66b…レーザ光の断面形状
70…第1の部分
72…第2の部分
80…レーザ光が集光された箇所の軌跡
A…超短パルスレーザ光

Claims (8)

  1. 加工対象物の第1の部分と前記加工対象物の第2の部分との界面又は前記界面の近傍に集光点が位置するように超短パルスレーザ光を照射することにより、前記界面に沿うようにクラックを形成するクラック形成工程と、
    前記クラックにおいて前記加工対象物を分離する分離工程とを有する基板の製造方法において
    前記加工対象物は、SiCであり、前記第1の部分の不純物濃度と前記第2の部分の不純物濃度とは互いに異なっており、前記第2の部分の多光子吸収係数は、前記第1の部分の多光子吸収係数よりも低く
    前記超短パルスレーザ光は、フェムト秒レーザ光であり、前記集光点は、前記界面に対して下方に位置させる、
    基板の製造方法。
  2. 前記第2の部分の不純物濃度に対する前記第1の部分の不純物濃度は、5倍以上である、請求項1に記載の基板の製造方法。
  3. 前記加工対象物に入射される前記超短パルスレーザ光の光軸は、前記界面の面内方向に交差する方向であり、
    前記超短パルスレーザ光が集光された箇所の軌跡は、前記界面に沿う、請求項1または2に記載の基板の製造方法。
  4. 前記クラック形成工程では、前記超短パルスレーザ光の照射を繰り返し行う、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の基板の製造方法。
  5. 前記加工対象物には、複数の前記界面が前記界面の法線方向に互いに離間して形成されており、
    前記クラック形成工程では、前記複数の界面の各々に前記超短パルスレーザ光を照射し、前記複数の界面の各々に沿うように前記クラックをそれぞれ形成する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の基板の製造方法。
  6. 前記界面における前記超短パルスレーザ光の断面は楕円形であり、
    前記超短パルスレーザ光の走査方向と前記楕円形の長軸とが交差する、請求項1乃至のいずれか1項に記載の基板の製造方法。
  7. 前記分離工程では、前記界面の面内方向に沿う方向の外力を前記加工対象物に加えることにより、前記加工対象物を分離する、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の基板の製造方法。
  8. 加工対象物の第1の部分と前記加工対象物の第2の部分との界面又は前記界面の近傍に集光点が位置するように超短パルスレーザ光を照射することにより、前記界面に沿うようにクラックを形成するクラック形成工程と、
    前記クラックにおいて前記加工対象物を分離する分離工程とを有する加工対象物の切断方法において
    前記加工対象物は、SiCであり、前記第1の部分の不純物濃度と前記第2の部分の不純物濃度とは互いに異なっており、前記第2の部分の多光子吸収係数は、前記第1の部分の多光子吸収係数よりも低く
    前記超短パルスレーザ光は、フェムト秒レーザ光であり、前記集光点は、前記界面に対して下方に位置させる、
    加工対象物の切断方法。
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