JP6390784B2 - リチウムイオン二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池は、セパレーターに電解液または電解質ゲルを保持した電解質層を介して正極と負極とを対向して配置された構成を有する。
セパレーターは、樹脂製の多孔膜が多く用いられている。しかしながら、このような樹脂製多孔膜は、電池内温度上昇による熱収縮と、これに伴う短絡が生じる可能性がある。
そのため、セパレーターの熱収縮を抑制するために、樹脂製多孔膜の片方の表面に、耐熱性多孔質層を積層させた耐熱絶縁層付セパレーターが開発されている(たとえば、特許文献1参照)。
国際公開第2007/066768号パンフレット
しかしながら、特許文献1に記載されるようなセパレーターを、平板積層型非水電解質系二次電池に適用すると、電池の製造の際にセパレーターの端部にカールが発生し、カールした部分が折り込まれたまま積層されてしまうという問題が生じることがわかった。
そこで本発明の目的は、耐熱絶縁層付セパレーターにおいてカールの発生を抑制したリチウムイオン二次電池の製造方法を提供することである。
上記目的を達成するための本発明は、正極と、樹脂多孔質基体の一方の表面に酸化物粒子からなる耐熱絶縁層を有する耐熱絶縁層付セパレーターと、負極とを積層し、非水系電解質を前記耐熱絶縁層付セパレーターに含浸させるリチウムイオン二次電池の製造方法である。本発明は、このリチウムイオン二次電池の製造方法において正極と、耐熱絶縁層付セパレーターと、負極とを積層する前に、耐熱絶縁層付セパレーターに含まれる水分量が所定の範囲で残るように耐熱絶縁層付セパレーターを乾燥させる乾燥工程を有する。乾燥工程は、露点を制御することにより耐熱絶縁層付セパレーターの水分を所定の範囲の水分量となるまで減少させて、この所定の範囲の水分量に到達後はその水分量を維持するものであって、乾燥後の耐熱絶縁層付セパレーターの形状が乾燥後の耐熱絶縁層付セパレーターにおける樹脂多孔質基体と耐熱絶縁層の収縮後の長さ比をYと定義して、
1−4πX≦Y≦1+4πX
(ただし、Xは、セパレーター厚さをD、セパレーターの辺長さをLとするときX=D/Lである)
を満たす水分減少速度となるように露点を設定して乾燥させることを特徴とする。
本発明によれば、耐熱絶縁層付セパレーターを乾燥させる乾燥工程において、耐熱絶縁層付セパレーターの水分量が所定の範囲となるように残すこととした。これにより耐熱絶縁層付セパレーターの収縮によるカールの発生を抑えることができる。このため正極、耐熱絶縁層付セパレーター、および負極を積層して製造するリチウムイオン二次電池の歩留まりを向上することができる。
実施形態により製造し得る二次電池の1例としての扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。 リチウムイオン二次電池の内部構成を示す概略断面図である。 耐熱絶縁層付セパレーターの平面状態の形状を説明するための概略側面図である。 耐熱絶縁層付セパレーターのカールした状態の形状を説明するための概略側面図である。 カールの円弧の中心角度と収縮後の長さ比Yの求め方を説明する図面である。 カールの起点csを説明するための概略図である。 収縮後の長さ比Yと、セパレーターの厚さDと長さLの比Xの関係を示すグラフである。 積層型電池の製造方法の製造方法を説明するための概略分解斜視図である。 収縮後の長さ比Yとセパレーターの厚さと長さの比Xの関係を示すグラフに、実施例および比較例をプロットしたグラフである。 実施例および比較例の水分量比Wと乾燥時間Tを示すグラフである。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる。
[電池の全体構造]
図1は、本実施形態により製造し得る二次電池の1例としての扁平なリチウムイオン二次電池の外観を表した斜視図である。
図1に示すように、扁平なリチウムイオン二次電池10では、長方形状の扁平な形状を有しており、その両側部からは電力を取り出すための正極タブ27、負極タブ25が引き出されている。発電要素21は、リチウムイオン二次電池10の電池外装材29によって包まれ、その周囲は熱融着されている。発電要素21は、正極タブ27および負極タブ25を外部に引き出した状態で密封されている。
図1に示したタブの取り出し位置は、特に制限されるものではない。正極タブ27と負極タブ25とを同じ辺から引き出すようにしてもよいし、正極タブ27と負極タブ25をそれぞれ複数に分けて、各辺から取り出すようにしてもよいなど、図1に示す形態に制限されるものではない。
このようなリチウムイオン二次電池10は、たとえば定格容量に対する電池面積(外装材を含む全体の面積)の比が5cm/Ah以上で、かつ定格容量が3Ah以上である。
図2は、リチウムイオン二次電池の内部構成を示す概略断面図である。
図2に示すように、本実施形態による積層型のリチウムイオン二次電池10は、充放電反応が進行する略矩形の発電要素21が、外装体である電池外装材29の内部に封止された構造を有する。ここで、発電要素21は、正極150と、セパレーター17と、負極130とを積層した構成を有している。なお、セパレーター17は、非水電解質(たとえば、液体電解質)を含んでいる。正極150は、正極集電体12の両面に正極活物質層15が配置された構造を有する。負極130は、負極集電体11の両面に負極活物質層13が配置された構造を有する。本実施形態のセパレーター17は、樹脂多孔質基体の片面に耐熱絶縁層を備えた耐熱絶縁層付セパレーターである(本実施形態の説明では単にセパレーター17と称する)。
積層構造は、負極130(負極集電体11および負極活物質層13)、セパレーター17(電解質として非水電解質含有)および正極150(正極集電体12および正極活物質層15)がこの順に積層されている。これにより、負極130、セパレーター17および正極150は、1つの単電池層19を構成する。図1に示すリチウムイオン二次電池10は、単電池層19が6層積層されていることを示している。もちろん実際の電池にあっては、このような層数に制限されるものではない。これにより各単電池は電気的に並列接続されてなる構成を有する。
正極集電体12および負極集電体11は、各電極(正極150および負極130)と導通される正極集電板(タブ)27および負極集電板(タブ)25がそれぞれ取り付けられ、電池外装材29の端部に挟まれるようにして電池外装材29の外部に導出される構造を有している。正極集電板27および負極集電板25はそれぞれ、必要に応じて正極リードおよび負極リード(図示せず)を介して、各電極の正極集電体12および負極集電体11に超音波溶接や抵抗溶接などにより取り付けられていてもよい。
[正極活物質層]
正極活物質層15は、正極活物質を含む。正極活物質としては、一般的にリチウムイオン二次電池10に使用されているものであればよい。たとえば、LiMn、LiCoO、LiNiO、Li(Ni−Co−Mn)Oおよびこれらの遷移金属の一部が他の元素により置換されたもの等のリチウム−遷移金属複合酸化物、リチウム−遷移金属リン酸化合物、リチウム−遷移金属硫酸化合物などが挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、リチウム−遷移金属複合酸化物が、正極活物質として用いられる。なお、上記以外の正極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
また、正極活物質層15は、必要に応じて界面活性剤、導電助剤、バインダー、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性ポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩などを含むことができる。これらの物質についても周知のリチウムイオン二次電池10に使用されているものを使用することができる。
[負極活物質層]
負極活物質層13は、負極活物質を含む。負極活物質としては、一般的にリチウムイオン二次電池10に使用されているものであればよい。たとえば、グラファイト(黒鉛)、ソフトカーボン、ハードカーボン等の炭素材料、リチウム−遷移金属複合酸化物(例えば、LiTi12)、金属材料、リチウム合金系負極材料などが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。好ましくは、容量、出力特性の観点から、炭素材料またはリチウム−遷移金属複合酸化物が、負極活物質として用いられる。なお、上記以外の負極活物質が用いられてもよいことは勿論である。
負極活物質層13は、必要に応じて、界面活性剤、導電助剤、バインダー、電解質(ポリマーマトリックス、イオン伝導性ポリマー、電解液など)、イオン伝導性を高めるためのリチウム塩などのその他の添加剤をさらに含む。これらの物質についても周知のリチウムイオン二次電池10に使用されているものを使用することができる。
[電解質層]
本実施形態における電解質層は、セパレーター17に電解液が含浸されてなる構成を有する。
(セパレーター17)
セパレーター17は、電解質を保持して正極150と負極130との間のリチウムイオン伝導性を確保する機能、および正極150と負極130との間の隔壁としての機能を有する。このセパレーター17は、樹脂多孔質基体の片面に耐熱絶縁層を備えた耐熱絶縁層付セパレーターである。セパレーター17そのものの詳細は後述する。
(電解質)
セパレーター17に含浸させる電解質は、リチウムイオン二次電池10に使用されている非水系電解質であれば、特に限定されない。たとえば、液体電解質が用いられ、有機溶媒に支持塩であるリチウム塩が溶解した形態を有する。用いられる有機溶媒としては、たとえば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート等のカーボネート類が例示され、これらは2種類以上を混合して用いてもよい。また、リチウム塩としては、Li(CFSON、Li(CSON、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiTaF、LiCFSO等の電極の活物質層に添加されうる化合物が同様に採用されうる。
[集電体]
集電体(負極集電体11および正極集電体12)を構成する材料に特に制限はないが、好適には金属が用いられる。
具体的には、金属としては、アルミニウム、ニッケル、鉄、ステンレス、チタン、銅、その他合金等などが挙げられる。また、これら金属の組み合わせやめっき材なども好ましく用いられうる。集電体についても、リチウムイオン二次電池10において使用されているものであれば特に限定されない。
また、正極リードおよび負極リードなども、集電体同様の金属が用いられ、特に限定されない。
[電池外装体]
電池外装体29としては、アルミニウムを含むラミネートフィルムが用いられる。ラミネートフィルムには、たとえば、ポリプロピレン、アルミニウム、ナイロン(登録商標)をこの順に積層してなる3層構造のラミネートフィルム等を用いることができる。そのほかリチウムイオン二次電池10において使用されるものであれば特に限定されない。また、公知の金属缶ケースを用いてもよい。
[セパレーター]
本実施形態におけるセパレーター17について説明する。
本実施形態のセパレーター17は、耐熱絶縁層付セパレーターである。このセパレーター17は、樹脂多孔質基体171の片面に耐熱絶縁層172が設けられている(図3参照)。
(樹脂多孔質基体)
樹脂多孔質基体171としては、たとえば、電解液を吸収保持する有機樹脂を含む多孔性シート、織布または不織布など従来公知のものでよく、特に限定されない。一例を挙げると、多孔性シートとしては、たとえば、微多孔質のポリマーで構成される微多孔質膜である。このようなポリマーとしては、たとえば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィンの単層膜、またはこれらの多層膜、ポリイミド、アラミドなどが挙げられる。特に、ポリオレフィン系微多孔質膜は、有機溶媒に対して化学的に安定であるという性質があり、電解液との反応性を低く抑えることができることから好ましい。
多孔性シートの厚さとしては、用途により異なることから一義的に規定することは
できない。しかし、車両のモータ駆動用二次電池の用途においては、単層あるいは多層で4〜35μmであることが望ましい。この多孔性シートの微細孔径は、最大で1μm以下(通常、十nm程度の孔径である)、その空隙率は20〜80%であることが望ましい。
織布または不織布としては、たとえば、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステル;PP、PEなどのポリオレフィン;ポリイミド、アラミドなどが用いられうる。織布または不織布のかさ密度は、含浸させた電解液により十分な電池特性が得られるものであればよく、特に制限されるべきものではない。織布または不織布の空隙率は50〜90%であることが好ましい。さらに、織布または不織布の厚さは、好ましくは5〜35μmであり、厚さが5μm以上であれば電解質の保持性が良好であり、抵抗が過度に増大しにくい。
(耐熱絶縁層)
耐熱絶縁層172についても従来公知の酸化物粒子が用いられ、特に限定されない。たとえば、酸化物粒子の材質としては、たとえば融点または熱軟化点が150℃以上、好ましくは240℃以上である耐熱性の高いものを用いる。このような耐熱性の高い材質を用いることで、セパレーター17の熱による収縮を有効に防止することができる。
酸化物粒子は、電気絶縁性を有し、電解液や耐熱絶縁層172の製造の際に用いる溶媒に対して安定であり、さらに電池の作動電圧範囲において酸化還元されにくい電気化学的に安定なものであることが好ましい。
このような酸化物粒子は、安定性の観点から無機粒子であることが好ましい。また、酸化物粒子は、分散性の観点から微粒子であることが好ましく、二次粒子径がたとえば100nm〜4μm、好ましくは300nm〜3μm、さらに好ましくは500nm〜3μmの微粒子が用いられうる。酸化物粒子の形状も特に制限されず、球状に近い形状であってもよく、板状、棒状、針状の形態であってもよい。
融点または熱軟化点が150℃以上の無機粒子(無機粉末)としては、特に制限されないが、たとえば、酸化鉄(FeO)、SiO、Al、アルミノシリケート(アルミノケイ酸塩)、TiO、BaTiO、ZrOなどの無機酸化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素などの無機窒化物;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫酸バリウムなどの難溶性のイオン結晶;シリコン、ダイヤモンドなどの共有結合性結晶;モンモリロナイトなどの粘土;などの粒子が挙げられる。無機酸化物は、ベーマイト、ゼオライト、アパタイト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、マイカなどの鉱物資源由来物質またはこれらの人造物などであってもよい。また、無機粒子は、金属;SnO、スズ−インジウム酸化物(ITO)などの導電性酸化物;カーボンブラック、グラファイトなどの炭素質材料;などで例示される導電性材料の表面を、電気絶縁性を有する材料、たとえば、上記の無機酸化物などで被覆することにより電気絶縁性を持たせた粒子であってもよい。中でも、無機酸化物の粒子は水分散スラリーとして容易に樹脂多孔質基体171上に塗工することができるため、簡便な方法でセパレーター17を作製することができ、好適である。無機酸化物の中でも、Al、SiOおよびアルミノシリケート(アルミノケイ酸塩)が特に好ましい。
なお、上述のような耐熱粒子は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
耐熱絶縁層172の厚さとしては、電池の種類や用途などに応じて適宜決定されるものであり、特に制限されるべきものではないが、たとえば、耐熱絶縁層172を付けた耐熱絶縁層付セパレーター全体の総厚さとして、10〜35μm程度が好ましい。このような厚さであれば、樹脂多孔質基体171部分の電解質の保持性がそのまま維持されて良好であり、抵抗の増大も抑えることができる。
(耐熱絶縁層付セパレーターの形状)
耐熱絶縁層付セパレーターの形状について説明する。図3は耐熱絶縁層付セパレーターの平面状態の形状を説明するための概略側面図である。図4は耐熱絶縁層付セパレーターのカールした状態の形状を説明するための概略側面図である。この図4はカールが発生した状態でそのカールが見える方向から見た概略側面図である。
セパレーター17は、樹脂多孔質基体171の片面に耐熱絶縁層172を備えている。このセパレーター17は、図3に示すように、平面状態で、セパレーター17の1辺の長さをL、厚さをDとする。ただし、セパレーター17の1辺の長さLは、カールしてしまう方向の辺であり、たとえば長方形のセパレーター17の短辺方向である。もちろん製造工程における環境などにより、長辺方向の方がカールしやすい場合は、その長辺方向の長さをLとする。
セパレーター17の大きさは、少なくとも一方の辺の長さが100mm以上の矩形状である(厚さについては既に説明したとおりである)。セパレーター17の大きさは電極の大きさに関連している。たとえば、正極活物質層の縦横比として定義される電極のアスペクト比が1〜3の範囲の場合、セパレーター17もそれに合わせたアスペクト比の大きさにする。
次にセパレーター17にカールが発生した状態を説明する。
セパレーター17にカールCL1およびCL2が発生した状態を図4に示した。図4中仮想線(2点鎖線)は、カール発生前の平らな状態(図3の状態)を示している。図示するように、カールCL1およびCL2はセパレーター17の端部に発生する。このようなカールが発生する原因は、非水電解質系では水分が多いと性能を十分に発揮できなくなるため、セパレーター17においても水分を除去し、乾燥させる必要がある。このため入荷したセパレーター17は乾燥工程によって水分を取り去ってから積層する。
この乾燥工程においてセパレーター17の樹脂多孔質基体171と、その片面に形成した耐熱絶縁層172とで、乾燥時に収縮する度合いが異なる。これは、樹脂多孔質基体171と耐熱絶縁層172の材質が違うためである。この収縮の度合いの違いからカールが発生する。そこで本実施形態では、乾燥工程においてセパレーター17に所定の範囲の水分量を残すようにして収縮を少なくするのである。
カール量の好ましい範囲は、樹脂多孔質基体171と耐熱絶縁層172の収縮の割合である収縮後の長さ比Yによって規定することができる。この収縮後の長さ比Yが好ましい範囲は下記(1)式を満たすセパレーター17の形状とすることである。したがって、乾燥工程においては、カール量がこの(1)式の範囲となるように制御することになる。
1−4πX≦Y≦1+4πX …(1)
なお(1)式中、Xは、平面状態(カールが発生していない状態)におけるセパレーター17全体の厚さDと、カールが発生する方向の辺の長さLの比であり、X=D/Lである。
このように(1)式の収縮後の長さ比Yの範囲とすることで多少カールが発生したとしても折れが発生せず、積層工程の歩留まりをよくすることができる。
収縮後の長さ比Yの求め方を説明する。図5はカールの円弧の中心角度と収縮後の長さ比Yの求め方を説明する図面である。
収縮後の長さ比Yは、樹脂多孔質基体171と耐熱絶縁層172の収縮の割合である。つまり、樹脂多孔質基体171が乾燥によって縮んだ量と、耐熱絶縁層が縮んだ量の比である。したがって、これらの縮んだ値を測定できればその比率を収縮後の長さ比Yとする。
しかし、樹脂多孔質基体171は耐熱絶縁層172に強固に付着しているためそれぞれがどれほど縮んだかを、それぞれ単独で測定することは難しい。そこで、収縮後の長さ比Yを収縮に因って生じたカール部分の円弧の中心角度から求めることにした。
収縮後の長さ比Yを求めるには、まず、耐熱絶縁層付セパレーターのカールが見える側方向から見て、両端にできている各カールCL1およびCL2の円弧の中心角度θ1およびθ2を求める。
セパレーター17のカールの起点cs部分からセパレーター平面に対する垂線p1を立てる。カールの終点ce(すなわちセパレーター17の端部)からセパレーター平面に対する垂線p2を立てる。これら垂線p1およびp2が交わる点を円弧の中心oとしてその角度を中心角度θ1およびθ2として求める。
カールの起点csについて説明する。図6はカールの起点csを説明するための概略図である。
カールの起点csはカールの始まりがわかる位置であり、図6に示すように、セパレーター平面を延長した線(平面延長線)Qからカールに合わせて線Lを引いて、平面延長線Qと線Lのなす角αがおおむね1°〜2°付き始めた位置である。
収縮後の長さ比Yは、求めたカールの円弧の中心角度θ1およびθ2を用いて、下記(2)式により算出する。
Y=1−2π((θ1+θ2)/360°)X …(2)
図7は、収縮後の長さ比Yと、セパレーター17の厚さDと長さLの比Xの関係を示すグラフである。図7には(1)式の範囲を示している。
乾燥工程においては、このグラフのY=1−4πXの線からY=1+4πXの線の範囲内(図中「良好な範囲」)となるように、制御する。
(1)式に示した収縮後の長さ比Yを満たすようにするためには、セパレーター17に含まれる水分量が所定の範囲で残るようにする。
この乾燥工程において所定の範囲で残す水分量は、乾燥前と乾燥後の水分量比を使用して、水分量比Wが下記(3)式を満たすようにする。
0.4≦W<1 …(3)
ここで、水分量比Wは、乾燥前水分量をw1、乾燥後水分量をw2として、下記(4)式により算出する。
W=w2/w1 …(4)
ここでセパレーター17のカールを抑制し得る水分量を水分量比として示した理由を説明する。セパレーター17に含まれる水分は、セパレーター17を製造する工程やその後保管していた場所の温度および湿度によって変化する。一方、積層電池の製造工程では、セパレーター17の水分量の最大値が規定範囲となるように乾燥させる。セパレーター17がカールするかどうかは、この乾燥の前後における水分の絶対量ではなく、どれだけ水分が減少したかによって違う。このためセパレーター17のカールを抑制し得る水分量は、水分量比として制御することが好ましいものとなるのである。
乾燥後の水分量w2(絶対値)の最大値は、非水系電解質を使用することから、耐熱絶縁層付セパレーター全体の水分量の上限を950ppmとする。これは、セパレーター17に水分がありすぎると、電池の製造後(密封後)に電池内に水分が残ることになる。水は電解液成分の反応と電気分解よってガスが発生する。このガス成分は初期充電時において電極被膜形成を阻害するこのため電池性能の低下につながる。セパレーター17の水分量の最大値として950ppm程度であれば、性能低下につながることはない。本実施形態では、この950ppmを乾燥工程における目標値とする。すなわち、水分量がこの目標値以下となるように乾燥させることになる(ただし所定の範囲の水分量は残す)。
なおセパレーター17の水分量の下限値は特に限定されず、既に説明したようにカールが発生しないように、上記(3)式の範囲とする。
カールの程度は乾燥工程における水分減少速度にも依存する。カールの発生を抑えるためには、水分減少速度として((1−W)/T)を定義して、下記(5)式を満たすようにすることが好ましい。
(1−W)/T≦1.2 …(5)
ここで、Wは上記水分量比である。Tは時間0.5hrである。
水分減少速度は、セパレーター17の水分量をある時間間隔で測定して、上記(4)および(5)式を用いて算出する。水分量を測定するときの時間間隔は乾燥開始前に水分量w1を測定し、乾燥を開始してから最初の0.5時間(30分)(T=0.5hr)後に水分量w2を測定する。乾燥工程は目標値に到達するまで行われるが、水分は乾燥開始から早い時間にあらかた抜けてしまうので、水分減少速度は最初の30分の水分量で求めることにしている。そしてこのような水分が最も抜け易い乾燥初期における水分減少速度がカールの発生に関係している。
以上説明したように、セパレーター17の形状として上記(1)式を満たすこと、水分量を(3)式および(5)式のうち少なくともいずれか一方を満たすように制御することで、耐熱絶縁層付セパレーター17のカールの発生を抑えることができる。これにより耐熱絶縁層付セパレーター17を用いた積層電池の製造において、端部のカールに起因した折れなどを抑え、歩留まりを向上させることができる。
[積層型電池の製造方法]
積層型電池の製造方法の製造方法について説明する。
図8は、積層型電池の製造方法の製造方法を説明するための概略分解斜視図である。なお、図においては、集電体や活物質、リードなどの細部、および外装材は省略している。
積層型電池は、図8に示すように、シート状に成形されている正極150、セパレーター17、負極130を順に積層して行く。このとき、仮にセパレーター17にカールが発生していると、カールして反ったセパレーター17の端部が、その上に積層される負極130(または正極150)によって押さえつけられて折れてしまう。そして電池積層体として完成したときにはセパレーター17の端部が折れた状態で積層された状態となってしまうのである。
本実施形態を用いた実施例と、本実施形態を適用しない比較例とを説明する。
(サンプル作製)
耐熱粒子としてアルミナを用いたスラリーをPP基材の片面に塗工し、その後、温風乾燥して耐熱絶縁層を形成した。幅200mmに成形しつつロール状にした片面に耐熱絶縁層が付いたセパレーターを作製した。この耐熱絶縁層付セパレーターの厚さDを厚さ測定機で測定した。
各実施例および比較例の条件および実験結果を後述する表1および2に示す。
各実施例および比較例は同じ大きさ(1辺の長さL=200mmの正方形)となるように切り出した。
(乾燥工程)
各実施例および比較例ごとに、異なる露点となるように環境温度および湿度を制御して乾燥工程を実施し乾燥させた。実施例1が最も露点が高い(湿度が高い)条件で実施例2、3、および比較例2と露点を下げている。なお比較例1は乾燥工程を行っていない。乾燥条件である露点は表1に示した。
(水分量の測定)
水分量は乾燥前と、乾燥開始後30分間隔で8時間後まで水分量を測定した。経過時間ごとの水分量から水分減少速度を得た。
試料の採取:上記サンプル作製により作製した耐熱絶縁層付セパレーター(200×200mm)を、各実施例、比較例ごとに複数枚準備した。各実施例、比較例のなかで1枚は水分量測定用として、残りは、乾燥後の長さ比、積層性の評価およびセル性能評価に使用した。水分量測定用の乾燥前の耐熱絶縁層付セパレーターから乾燥前の水分量を測定するため幅約0.5cm×長さ約2.5cmとなるように試料を切り出した。乾燥前の水分量を下記測定方法で測定した。乾燥開始後、30分間隔で耐熱絶縁層付セパレーターから試料(幅約0.5cm×長さ約2.5cm)を切り出し下記測定方法で測定した。乾燥開始後8時間後まで30分間隔で水分量を測定した。
測定方法:水分量の測定は、カールフィッシャー法を用い、電量滴定方式により行った。測定は、カールフィッシャー水分計にCA−200(三菱化学アナリテック製)、水分気化装置にVA−236S(三菱化学アナリテック製)、試薬にアクアミクロン(登録商標)AX、およびアクアミクロン(登録商標)CXUを用いた。
まず、上記水分気化装置の加熱温度を120℃に設定した。水分気化装置が目標温度に達した後、キャリアガスとして乾燥窒素を用いて、水分気化装置内をパージした。水分測定用の上記試料の正確な重量を測定した。その後、試料をバイアル瓶に詰めて蓋をし、水分気化装置にバイアル瓶をセットし、加熱して試料中の水分測定を行った。
(実験結果)
収縮後の長さ比の確認
乾燥後の各実施例および比較例の耐熱絶縁層付セパレーター(200×200mm×厚さD)を耐熱層を上にして置き、除電ブラシを2回かけ除電して、24時間放置した。この耐熱絶縁層付セパレーターの収縮後の長さ比Yを求めた。収縮後の長さ比Yを求める際は、カールした状態が見える方向の側面からセパレーターを写真撮影して、画像からカールの中心角度θを定規、分度器を使用して測定した。収縮後の長さ比Yの値は表2に示した。
積層性の確認
正極側に耐熱層が向くように正極、各実施例比較例のセパレーター、負極と交互に20層積層し、セパレーター端部の折れの発生を評価した。折れが発生せず、積層できたものを積層性良好、折れが発生したものを不良とした。結果は表2に示した。
セル性能の確認
積層性の確認の際に作製した20層の電池の各正極および負極に電極を付け、ラミネート封止材により外装し、電解液を入れて封止して二次電池を作製した。この二次電池を用いて各1サイクル充放電を行った。その後45℃恒温槽で300サイクル充放電を行いて容量維持率を求め、比較例1の容量維持率を1とした場合の値を算出し、1より大きいものを良好、1以下を不良とした。なお、比較例2は積層不良があるため二次電池を製作することができなかったので、充放電は行っていない。結果は表2に示した。
図9は、収縮後の長さ比Yとセパレーターの厚さと長さの比Xの関係を示すグラフに、実施例、比較例をプロットしたグラフである。
図示するように、実施例1、2、3および比較例1が、(1)式で示した収縮後の長さ比Yが良好な範囲、すなわち、1−4πX≦Y≦1+4πXに入っている。このグラフと表2の積層性およびセル性能の結果から、(1)式で示した収縮後の長さ比Yが良好な範囲内であれば、積層性およびセル性能ともに良好となることがわかる。
図10は、実施例および比較例の水分量比Wと乾燥時間Tを示すグラフである。
図示するように、実施例1、2、3に対して、比較例2は同じ時間で比較すると水分量比Wが急減している。これは実施例1、2、3に対して比較例2は水分減少速度が速いことを意味している。実施例1、2、3は、(1−W)/T≦1.2を満たす。一方、比較例2は(1−W)/Tが1.2を超えている。なお、比較例1は乾燥工程を行っていないので、このグラフでは時間が経過しても水分量比W=1.0として描いた。
以上の結果から、水分量比Wは、0.4≦W<1でよいことがわかり、より好ましくは0.47≦W≦0.81である。また水分減少速度は、(1−W)/T≦1.2(ただしT=0.5hr)でよいことがわかり、より好ましくは(1−W)/T≦1.06(ただしT=0.5hr)である。
このように図10のグラフと表2の積層性およびセル性能の結果から、水分量比Wが(3)式の範囲内である実施例1、2、3は積層性およびセル性能が良好となることがわかる。また、水分減少速度についても遅い方がよく、(5)式を満たすことで積層性およびセル性能が良好となることがわかる。
以上説明した実施形態および実施例によれば以下の効果を奏する。
(1)実施形態および実施例においては、耐熱絶縁層付セパレーターを乾燥させる際に耐熱絶縁層付セパレーターを完全に乾燥させるのではなく、水分量が所定の範囲となるように残すこととした。これにより耐熱絶縁層付セパレーターの収縮によるカールの発生を抑えることができる。このため正極、耐熱絶縁層付セパレーター、および負極を積層して製造するリチウムイオン二次電池の歩留まりを向上することができる。
(2)実施形態および実施例においては、乾燥工程後の耐熱絶縁層付セパレーターにおける樹脂多孔質基体と耐熱絶縁層の収縮後の長さ比をYと定義して、既に説明した(1)式を満たすようにした。これにより、セパレーター17の形状として、カールが発生したとしても、(1)式の収縮後の長さ比Yにすることで、カールによるセパレーター端部の折れなどが起きることがない。
(3)実施形態および実施例においては、乾燥工程の際の水分減少速度を(1−W)/Tと定義して、この水分減少速度が、既に説明した(5)式を満たすようにした。これによりカールの発生を抑え、収縮後の長さ比Yを(1)式を満たすようにすることができる。
(4)実施形態および実施例においては、乾燥工程は、耐熱絶縁層付セパレーターを乾燥させる乾燥工程において残す所定の範囲の水分量として、乾燥前水分量w1、乾燥後水分量w2としたとき、水分量比W=w2/w1が、既に説明した(3)式を満たすようにした。これによりカールの発生を抑え、収縮後の長さ比Yを(1)式を満たすようにすることができる。
(5)実施形態および実施例は、定格容量に対する電池面積の比が5cm/Ah以上で、かつ定格容量が3Ah以上である二次電池に好適である。
以上、本発明を適用した実施形態および実施例を説明したが、本発明は実施形態や実施例に限定されるものではなく、様々な変形形態が可能であり、本発明は特許請求の範囲により規定した事項によって定められるものである。
10 リチウムイオン二次電池、
11 負極集電体、
12 正極集電体、
13 負極活物質層、
15 正極活物質層、
17 セパレーター、
19 単電池層、
21 発電要素、
130 負極、
150 正極、
171 樹脂多孔質基体、
172 耐熱絶縁層。

Claims (4)

  1. 正極と、
    樹脂多孔質基体の一方の表面に酸化物粒子からなる耐熱絶縁層を有する耐熱絶縁層付セパレーターと、
    負極とを積層し、
    非水系電解質を前記耐熱絶縁層付セパレーターに含浸させるリチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    前記積層の前に、前記耐熱絶縁層付セパレーターに含まれる水分量が所定の範囲で残るように前記耐熱絶縁層付セパレーターを乾燥させる乾燥工程を有し、
    前記乾燥工程は、露点を制御することにより前記耐熱絶縁層付セパレーターの水分を前記所定の範囲の水分量となるまで減少させて、前記所定の範囲の水分量に到達後はその水分量を維持するものであって、乾燥後の前記耐熱絶縁層付セパレーターの形状が前記乾燥後の前記耐熱絶縁層付セパレーターにおける前記樹脂多孔質基体と前記耐熱絶縁層の収縮後の長さ比をYと定義して、
    1−4πX≦Y≦1+4πX
    (ただし、Xは、セパレーター厚さをD、セパレーターの辺長さをLとするときX=D/Lである)
    を満たす水分減少速度となるように前記露点を設定して乾燥させることを特徴とするリチウムイオン二次電池の製造方法。
  2. 前記乾燥工程は、乾燥前水分量w1、乾燥後水分量w2としたときの水分量比Wと乾燥時間Tから、水分減少速度を((1−W)/T)と定義して、
    ((1−W)/T)≦1.2(ただし、T=0.5hr)
    を満たすように水分量を減少させることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  3. 前記乾燥工程は、前記所定の範囲で残す水分量として、
    乾燥前水分量w1、乾燥後水分量w2としたとき、水分量比W=w2/w1が、
    0.4≦W<1
    となるように前記耐熱絶縁層付セパレーターを乾燥させることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
  4. 前記二次電池は、
    定格容量に対する電池面積の比が5cm/Ah以上で、かつ前記定格容量が3Ah以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載のリチウムイオン二次電池の製造方法。
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