JP6387189B2 - 複数の石膏ボードの少なくとも一つの隔離された中間層を有する乾式壁構築のための乾式壁用形材 - Google Patents

Description

本発明は、複数の石膏ボードの少なくとも一つの隔離された中間層を有する乾式壁構築のための乾式壁用形材に関し、特に各独立請求項に係る乾式壁のようなサブ構成を備える乾式壁に関する。

本発明に係る乾式壁用形材は、自己支持型天井及び乾式壁を組み立てるために使用され得る。本発明の具体的な態様は、三つの石膏ボードの隔離された層を備える建築における乾式壁用形材への石膏ボードの取り付けに関する。

乾式壁のサブ構築は、それぞれが床または天井に固定される床用形材及び天井用形材のように、複数の乾式壁用形材を用いて設置される。支持用形材は、床用形材及び天井用形材に接続されて、石膏ボードを取り付け可能にするために予め定められた間隔に配される。標準的な乾式壁用形材は、ベース部を有し、該ベース部には第１フランジ及び第１フランジに平行な第２フランジが形成されている。第１フランジ部及び第２フランジ部は、設置表面の外側に平行に延びるように形成されている金属線状体である。フランジ部分は、直角になるようにベース部分に固定される。これにより、石膏ボードが乾式壁用のねじにより取り付けられるために、設置表面の外側が与えられる。石膏ボードは、形材の両側面において第１フランジ及び第２フランジに取り付けられる。

二重柱材乾式壁構築の一つの公知の適用の分野は、いくつかの国において家計保険が必要とされる電力線の隔離である。そのような二重柱材乾式壁は、単一柱材乾式壁と比べると、壁の厚さ方向に二つの平行な乾式壁用形材を有するサブ構成を備える。そのため、追加の石膏ボードの層だけでなく追加の乾式壁用形材のサブ構成が組み込まれる。このようにして、壁の両側の取り付けが隔離される必要がある場合に、石膏ボードの三つの隔離された層は個々の仕切りを形成する。

独国特許出願公開第１０２００８０５１６９６号明細書

特許文献１からの例として、床用形材及び天井用形材に固定される支持用形材を用いてサブ構成を有する二重柱材乾式壁構築を提供することが知られている。隔離された壁のためのこの乾式壁構築は、良好な据え付けの特性を維持しながら音の特性を改善する。しかしながら、そこにはまだ隔離壁がスペースを浪費することに関する問題が存在する。二つの一様の乾式壁用形材のサブ構成は平行に配される必要があるため、このような取り付けが明確に且つ主に時間及び労力の浪費となる。

それゆえに、本発明の課題は、改善された特性、特に、スペースの浪費と取り付けに必要とされる時間に関する改善された特性を備える複数の石膏ボードの少なくとも一つの隔離された中間層を有する乾式壁構築のための乾式壁用形材を提供することである。

本発明によれば、複数の石膏ボードの少なくとも一つの隔離された中間層を備える乾式壁構築のための乾式壁用形材により前記課題は解決される。乾式壁用形材は、ベース部を有する形材部分を備え、前記ベース部には第１フランジ及び該第１フランジに平行な第２フランジが形成されることにより、前記ベース部、前記第１フランジ及び前記第２フランジがＵ字状となるように配されている。前記ベース部は、対に配されている少なくとも二つの穿孔を備え、それぞれの該穿孔は屈曲可能部を形成し、当接フラップを形成するように曲げられることができる。二つの当接フラップは、該二つの当接フラップの間において、複数の石膏ボードの中間層である石膏ボードを配置することができる間隔で平行に延びている。

本発明に係る乾式壁用形材は、前記ベース部に複数の石膏ボードの隔離された中間層を配置することができる。特に、労働時間及びスペース浪費に関する二重形材乾式壁構築から理解される有利な点が、単一柱材乾式壁のサブ構築に相当するサブ構築を設置するだけで達成される。二つの平行な当接フラップは、該二つの平行な当接フラップの間に、複数の石膏ボードの中間層である石膏ボードを固定することができるように形成されている。別途追加の固定手段は必要とされない。それらは、前記第１フランジ及び前記第２フランジが突き出している乾式壁側に複数の石膏ボードの中間層である石膏ボードを取り付けるために特に有利である。前記第１フランジ及び前記第２フランジは、ドライバーを使用できなくする場合において、形材に石膏ボードを取り付けるためのねじの使用を妨げる。ドライバーを使うと、物理的に形材のフランジと干渉することとなる。

「Ｕ字状」という用語は、平行に延びている設置表面のあらゆる断面形状を含むように幅広く理解される。

有利には、前記ベース部は、複数の石膏ボードの中間層である石膏ボードが乾式壁用形材の長手方向に固定されることが可能となる間隔に配されている二組の二つの対に配されている穿孔を備えている。前記二組の二つの対に配されている穿孔（ひいては、当接フラップ）の第１の穿孔が床に近接して配されて、前記二組の二つの対に配されている穿孔の第２の穿孔が天井に近接して配されることにより、間に最大の間隔があるときに、乾式壁用形材への石膏ボードの最も頑丈な固定が達成される。

複数の石膏ボードの中間層である石膏ボードが追加的に固定され得るように、追加穿孔が、前記対に配されている少なくとも二つの穿孔に隣接して乾式壁用形材の長手方向における前記ベース部に配されていることが好ましい。前記追加穿孔は、石膏ボードがねじ又は接着材により追加的に取り付けられることができる単一の当接フラップを形成することができる。

好ましくは、二つの追加穿孔は前記対に配されている少なくとも二つの穿孔と隣り合って前記ベース部の長手方向に沿って配されている。前記二つの追加穿孔の一つは、前記対に配された少なくとも二つの穿孔から第１の方向に配されており、前記二つの追加穿孔の他の一つは、前記対に配されている少なくとも二つの穿孔から第１の方向と反対の第２の方向に配されている。前記二つの追加穿孔は、追加当接フラップを形成することができる。二つの追加当接フラップは、形材に次の石膏ボードを取り付けることができるように、対に配されている当接フラップに対して反対方向に延びるように、前記ベース部から反対方向に曲げることができる。

穿孔に関する有利な態様は、Ｃ字状且つ／又は矩形状である。

好ましくは、前記当接フラップは、乾式壁用形材の長手方向における各穿孔の両末端の間に延びている屈曲軸を中心にして前記屈曲可能部（好ましくは使用中にその場で）を曲げることにより外側に曲げられる。

穿孔に関する別の態様は、穿孔の両末端に切り込み部を備えることに関する。切り込み部は、前記屈曲軸の方向に延びている。前記切り込み部は、前記屈曲可能部が前記当接フラップを形成するために外側に曲げられるときに、穿孔が前記ベース部を引き裂くことを防ぐ。

寸法に関して、二つの対に配されている穿孔の間の間隔は、平行に延びている当接フラップ（穿孔により形成された屈曲可能部が外側に曲げられている）の間の間隔が１２．５ｍｍであり且つ前記当接フラップが前記ベース部から２５ｍｍの高さ及び前記ベース部の長手寸法において５２ｍｍの長さを有するようになっている寸法であることが好ましい。

一つの態様として、本発明は、水平方向及び垂直方向に配されている乾式壁用形材を備えるサブ構造を構成している乾式壁に関する。水平用形材は床及び天井に固定され、並びに、垂直用形材は水平用形材に固定され、ここで、垂直用形材は上記の乾式壁用形材である。この乾式壁は、石膏ボードの一つの隔離された中間層を備える三つの隔離された石膏ボード層を配置することができる。

有利には、前記乾式壁は、複数の石膏ボードのうち少なくとも一つの第１の外側の層であって前記乾式壁用形材の第１フランジに取り付けられる前記第１の外側の層、及び、複数の石膏ボードのうち少なくとも一つの第２の外側の層であって前記乾式壁用形材の第２フランジに配される前記第２の外側の層を備えている。前記乾式壁は、前記乾式壁用形材の前記ベース部の外側に曲げられた当接フラップに固定される石膏ボードの中間層を備えている。

好ましくは、前記乾式壁は、前記複数の石膏ボードのうち少なくとも一つの第１の外側の層と前記石膏ボードの中間層との間、及び、前記複数の石膏ボードのうち少なくとも一つの第２の外側の層と前記石膏ボードの中間層との間に絶縁材をさらに備えている。システムの音及び火の防御を付与する材料の前記絶縁材は、ミネラルウール型又はそれと同等のような断熱材でありうる。

より好ましくは、前記乾式壁は、前記複数の石膏ボードのうち少なくとも一つの第１の外側の層と前記石膏ボードの中間層との間、及び、前記複数の石膏ボードのうち少なくとも一つの第２の外側の層と前記石膏ボードの中間層との間にケーブル管路を備えている。据え付けのためのケーブルは管路なしで設置されうるが、ケーブルが管路の中にある場合ケーブルの修理がより容易となる。

次に、図を参照しながら例示することにより、本発明をより詳細に説明する。

本発明の実施形態に係る乾式壁用形材の正面図 当接フラップを外側に曲げるための異なる可能性を示す図１の実施形態に係る支持用形材の切り取り断面図 当接フラップを外側に曲げるための異なる可能性を示す図１の実施形態に係る支持用形材の切り取り断面図 当接フラップを外側に曲げるための異なる可能性を示す図１の実施形態に係る支持用形材の切り取り断面図 当接フラップを外側に曲げるための異なる可能性を示す図１の実施形態に係る支持用形材の切り取り断面図 複数の石膏ボードの隔離された中間層を有する石膏ボード壁の乾式壁構築を示す図

図１は、石膏ボードの三つの層を備える乾式壁を使用するための乾式壁用形材１を示し、石膏ボードの隔離された中間層が内側に配される。乾式壁用形材１は、好ましくは、床用形材（図示せず）に下部が固定され且つ天井用形材（図示せず）に上部が固定される支持用形材として使用される。本発明に係る乾式壁用形材１の使用により、労働時間及びスペース浪費に関する二重形材乾式壁構築から知られている有利な点が、単一柱材乾式壁のサブ構築に相当するサブ構成を設置するだけで達成され得る。

乾式壁用形材１は、ベース部２を有する金属線状体から形成される形材部分を備え、ベース部２には第１フランジ３１及び第１フランジ３１に平行な第２フランジ３２が形成されていることにより、ベース部２、第１フランジ３１及び第２フランジ３２はＵ字状の断面となるように配されている。Ｕ字状は、ベース部２により接続されて平行に延びているフランジ３１、３２を有することで幾何学的に定義され、各フランジ３１，３２は、それらの外側に石膏ボードがねじ留めされる設置表面を備えている。ベース部２は、４組の対に配されている穿孔４１，４２；６１，６２を備え、それぞれの穿孔は当接フラップを形成するために外側に曲げられることができる屈曲可能部５を形成している。それぞれの対に配されている穿孔４１，４２；６１，６２に、二つの追加穿孔７，８が、対に配されている少なくとも二つの穿孔４１，４２；６１，６２に隣接して、ベース部２に長手方向において配されている。二つの追加穿孔７の一つは、対に配されている少なくとも二つの穿孔４１，４２；６１，６２から第１の方向に配されており、二つの追加穿孔８の他の一つは、対に配されている少なくとも二つの穿孔４１，４２；６１，６２から第１の方向と反対の第２の方向に配されている。図１においては、屈曲可能部５は、例えば図３において曲げられて示されているように、当接フラップを形成するために外側に曲げられていない。

図２、図３、図４及び図５において、当接フラップ９を形成するための屈曲可能部５を外側に曲げる異なる可能性が示されている。図３において、一つの当接フラップ９は、対となる穿孔４１，４２の一つの穿孔の両末端の間に延びている屈曲軸１１を中心にして屈曲可能部（図２、符号５）を曲げることにより外側に曲げられている。屈曲軸１１は、乾式壁用形材１の長手方向に延びている。図４は、二つの平行な当接フラップ９を備え、該二つの平行な当接フラップは、曲げることが可能でそれらの間に石膏ボードを入れることができる間隔を有する本発明の有利な点を最適に例示する。この配置により、該二つの平行な当接フラップの間に複数の石膏ボードのうち中間層である石膏ボードを固定することができるため、ねじが必要とされない。これにより、第１フランジ及び第２フランジが突き出ている乾式壁用形材側に複数の石膏ボードの中間層である石膏ボードを取り付けることができる。第１フランジ及び第２フランジは、ドライバーが物理的にフランジと干渉する場合において、石膏ボードを形材に設置するためのねじの使用を妨げることとなる。

導入部分で言及したように、二重柱材乾式壁から知られている機能に関して単一柱材乾式壁構築を改善することが知られている。一つの適用の分野は、平面が共通の壁を共有するマルチパーティーハウスにおけるアパートの隔離である。本発明に係る乾式壁は、例えば電力線を隔離して据え付けるために、個々の隔離した区画を提供する。本発明の別の実施態様に係る乾式壁２０が図６に示されている。単一柱材乾式壁は、その上に三つの隔離された石膏ボード層を取り付けることができる。石膏ボードの中間層２２は、ベース部２に取り付けられる。現在の図において、複数の石膏ボード２２のうち一つの隔離された石膏ボードの中間層が示されている。支持用形材１は、床用形材２１及び天井用形材（図示せず）に接続されている。複数の石膏ボードの少なくとも一つの外側の層（図示せず）の間に、絶縁材が配されうる。現在の例において、当接フラップ９を形成するための屈曲可能部を外側に曲げることにより形成される収納部にケーブルが配されている。

１：乾式壁用形材、２：ベース部、５：屈曲可能部、７、８：追加穿孔、９：当接フラップ、１０：切り込み部、１１：屈曲軸、２０：乾式壁、２２：石膏ボードの中間層、３１：第１フランジ、３２：第２フランジ、４１、４２、６１、６２：穿孔

Claims (14)

1. 複数の石膏ボードの少なくとも一つの隔離された中間層を有する乾式壁構築のための乾式壁用形材（１）であって、
   前記乾式壁用形材（１）はベース部（２）を有する形材部分を備え、
   前記ベース部（２）には、第１フランジ（３１）及び該第１フランジ（３１）に平行な第２フランジ（３２）が形成されることにより、前記ベース部（２）、前記第１フランジ（３１）及び前記第２フランジ（３２）がＵ字状断面となるように配され、
   前記ベース部（２）は、対に配されている少なくとも二つの穿孔（４１、４２）を備え、
   それぞれの前記穿孔は、当接フラップ（９）を形成するために外側に曲げられることができる屈曲可能部（５）を形成し、
   二つの前記当接フラップ（９）は、該二つの当接フラップ（９）の間において、複数の石膏ボードの中間層である石膏ボードを配することができる間隔で平行に延びている、乾式壁用形材（１）。
2. 前記ベース部（２）が、二組の二つの対に配されている穿孔（４１、４２、６１、６２）を備え、
   該二組の二つの対に配されている穿孔（４１、４２、６１、６２）が、複数の石膏ボードの中間層である石膏ボードが乾式壁用形材（１）の長手方向に固定されることが可能になる間隔に配されている、請求項１に記載の乾式壁用形材（１）。
3. 追加穿孔（７、８）が、前記対に配されている少なくとも二つの穿孔（４１，４２）に隣接する乾式壁用形材（１）の長手方向における前記ベース部（２）に配され、複数の石膏ボードの中間層である石膏ボードが追加的に固定されうる、請求項１または２に記載の乾式壁用形材（１）。
4. 二つの前記追加穿孔（７，８）が、前記対に配されている少なくとも二つの穿孔（４１，４２）に隣接して前記ベース部（２）の長手方向に沿って配され、
   二つの前記追加穿孔（７）の一つは、前記対に配されている少なくとも二つの穿孔（４１，４２）から第１の方向に配され、二つの前記追加穿孔（８）の他の一つは、前記対に配された少なくとも二つの穿孔（４１，４２）から第１の方向と反対の第２の方向に配されている、請求項１乃至３のいずれか１項に記載の乾式壁用形材（１）。
5. 前記穿孔（４１、４２、７、８）がＣ字状に形成されている、請求項１乃至４のいずれか１項に記載の乾式壁用形材（１）。
6. 前記穿孔（４１、４２、７、８）が矩形状に形成されている、請求項１乃至５のいずれか１項に記載の乾式壁用形材（１）。
7. 前記当接フラップ（９）が、乾式壁用形材（１）の長手方向における各穿孔（４１、４２、７、８）の両末端の間に延びている屈曲軸（１１）を中心にして前記屈曲可能部（５）を曲げることにより外側に曲げられている、請求項１乃至６のいずれか１項に記載の乾式壁用形材（１）。
8. 前記穿孔（４１、４２、７、８）が、該穿孔の両末端に切り込み部（１０）を備え、
   該切り込み部（１０）は、前記屈曲軸（１１）の方向に延びている、請求項１乃至７のいずれか１項に記載の乾式壁用形材（１）。
9. 二つの対に配されている穿孔（４１、４２）の間の間隔が、平行に延びている当接フラップ（９）の間の間隔が１２．５ｍｍになるように設定されている、請求項１乃至８のいずれか１項に記載の乾式壁用形材（１）。
10. 前記当接フラップ（９）が、２５ｍｍの高さ且つ５２ｍｍの長さを有する、請求項１乃至９のいずれか１項に記載の乾式壁用形材（１）。
11. 水平用の形材が床及び天井に固定され、並びに、垂直用の形材が水平用の形材に固定されるように、水平方向及び垂直方向に配されている乾式壁用形材を備えるサブ構造を構成している乾式壁であって、
    前記垂直用の形材が、請求項１乃至１０のいずれか１項に記載の乾式壁用形材（１）である、乾式壁。
12. 前記乾式壁が、複数の石膏ボードのうち少なくとも一つの第１の外側の層であって前記乾式壁用形材（１）の前記第１フランジ（３１）に取り付けられる前記第１の外側の層、及び、複数の石膏ボードのうち少なくとも一つの第２の外側の層であって前記乾式壁用形材（１）の前記第２フランジ（３２）に配される前記第２の外側の層を備え、
    前記乾式壁は、前記乾式壁用形材（１）の前記ベース部（２）に配されている当接フラップ（９）に固定される複数の石膏ボードの中間層を備える、請求項１１に記載の乾式壁。
13. 前記複数の石膏ボードのうち少なくとも一つの第１の外側の層と前記複数の石膏ボードの中間層との間、及び、前記複数の石膏ボードのうち少なくとも一つの第２の外側の層と前記石膏ボードの中間層との間に絶縁材をさらに備えている、請求項１２に記載の乾式壁。
14. 前記複数の石膏ボードの少なくとも一つの第１の外側の層と前記複数の石膏ボードの中間層との間及び前記複数の石膏ボードの少なくとも一つの第２の外側の層と前記石膏ボードの中間層との間にケーブル管路をさらに備えている、請求項１２または１３に記載の乾式壁。