JP6384308B2 - 液晶表示素子および感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、液晶表示素子および感放射線性樹脂組成物に関する。
液晶表示素子は、一対の基板に液晶が挟持された構造を有する。これらの基板には電極を設けることができ、さらに基板表面には液晶の配向を制御する目的で配向膜を設けることができる。また、これら一対の基板は、例えば、一対の偏向板により挟持される。そして、この基板間に電界を印加すると、液晶が駆動されて配向変化が起こり、光を部分的に透過したり、遮蔽したりするようになる。液晶表示素子では、こうした特性を利用して画像を表示している。かかる液晶表示素子には、従来のCRT方式の表示装置と比較して、薄型化や軽量化が図れるといった利点がある。
開発当初の液晶表示素子は、キャラクタ表示等を中心とする電卓や時計の表示素子として利用された。その後、単純マトリクス方式の開発によって、ドットマトリクス表示が容易となったことにより、ノートパソコンの表示素子等へと用途を拡大した。次いで、画素毎にスイッチングのための薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transister)を配置したアクティブマトリクス方式の開発によって、コントラスト比や応答性能の優れた良好な画質を実現できるようになった。さらに、液晶表示素子は、高精細化、カラー化および視野角拡大等の課題も克服し、デスクトップコンピュータのモニタ用等にも用いられるようになった。最近では、より広い視野角、液晶の高速応答化および表示品位の向上等が実現され、大型で薄型のテレビ用表示素子や、高密度表示が必要とされるスマートフォン等の携帯電子機器のディスプレイとして利用されるに至っている。
液晶表示素子では、液晶の初期配向状態や配向変化動作の異なる多様な液晶モードが知られている。例えば、TN(Twisted Nematic)、STN(Super Twisted Nematic)、IPS(In−Planes Switching)(FFS(Fringe Field Switching))、VA(Vertical Alignment)またはOCB(Optically Compensated Birefringence)等の液晶モードがある。
上記液晶モードのうちで、IPSモードおよびVAモードは、広い視野角、速い応答速度および高いコントラスト比を有することから、近年特に注目されている液晶モードである。尚、本明細書で言うところのIPSモードとは、後述するように、液晶がそれを挟持する基板の面内でスイッチング(配向変化)動作する液晶モードを示しており、所謂横電界方式の他、斜め電界(フリンジ電界)を用いて液晶の面内スイッチングを実現するFFSモードも含む概念である。
例えば、FFSモードを含むIPSモード(以下、単に「IPSモード」と言う。)の液晶表示素子では、一対の基板間に挟持された液晶が基板に対してほぼ平行となるように、液晶の初期配向状態が制御される。これらの基板のうちの一方に配置された画素電極と共通電極の間に電圧を印加することによって、基板平面に平行な成分を主とする電界(所謂、横電界や斜め電界(フリンジ電界))が形成され、液晶の配向状態が変化する。そのため、IPSモードでは、電界印加による液晶の配向変化は、その名称の通り、基板平面と平行な面内における液晶分子の回転動作が主となる。
こうしたことから、IPSモードは、平行配向する液晶が電界の印加によって立ち上がり動作をするTNモード等と異なり、液晶を挟持する基板に対する液晶のチルト角の変化が小さい。このため、IPSモードの液晶表示素子では、電圧印加に伴うリタデーションの実効値の変化が小さくなり、視野角が広くて高画質の画像表示が可能となる。
上記のようなIPSモードの液晶表示素子では、無機材料からなる無機絶縁膜を挟んで、透明なベタ状の電極(例えば、共通電極または画素電極)上に、スリット状の切り欠き部を有する電極(例えば、画素電極または共通電極)を重畳させる構造の開発が進められている(例えば、特許文献1、特許文献2または特許文献3参照。)。この電極構造によれば、画素の開口率が向上し、高輝度の画像表示が実現される。
そして、IPSモードの液晶表示素子については、近年、動画を表示するテレビや、高密度表示が必要とされるスマートフォン等の携帯電子機器のディスプレイに対応するべく、さらなる高画質化、特に高精細化が求められている。
IPSモードの液晶表示素子では、液晶を挟持する一対の基板のうちの一方の基板上に、スイッチングのためのTFT等の能動素子が配置される。そして、画素電極と、共通電極と、それらに接続する配線等も配置されて、TFT基板が構成される。このため、IPSモードの液晶表示素子では、TFT基板上に配置される構成部材が多くなり、TFT基板上での電極構造や配線の配置構造は、TNモード等の他の液晶モードに比べて複雑なものとなる。こうしたことから、さらなる高精細化を進めようとすると、画素内での画素電極の面積が減少し、画素の開口率が低下して表示の輝度を低下させる懸念があった。
特許文献2には、無機材料からなる層間絶縁膜を介して、ベタ状の共通電極の上に、スリット状の切り欠き部分を有する画素電極を配置するTFT基板が開示されている。また、特許文献3には、無機層間絶縁膜を介して、ベタ状の画素電極の上に、スリット状の切り欠き部分を有する共通電極を配置するTFT基板も開示されている。そして、特許文献2および特許文献3には、ベタ状の共通電極またはベタ状の画素電極と、その下層にある配線との間に、有機材料からなる絶縁膜(以下、「有機絶縁膜」とも言う。)を設ける技術が開示されている。これによれば、画素電極と配線との間のカップリング容量の増大を抑制しつつ、開口率を向上することが期待できる。
特開2011−48394号公報 特開2011−59314号公報 特開2012−226249号公報
しかし、上述したTFT基板に有機絶縁膜を設ける技術では、画素電極とTFTのソース電極とを電気的に接続するために、コンタクトホールを設ける必要がある。画素電極は、可視光透過性の高い所謂透明電極が用いられ、通常は、ITO(Indium Tin Oxide:錫をドープした酸化インジュウム)等の透明導電材料からなる。そして、特許文献3に記載されるように、画素電極の断線を防止するためには、コンタクトホールのテーパ角は45度以下にすることが望ましいとされる。有機絶縁膜は数μm程度の厚みを有しており、TFT基板上のコンタクトホールは、平面視で、大きな面積を有することになる。
液晶表示素子において、電圧向印加時の液晶の均一な初期配向は、その液晶を挟持する基板の表面に設けられた配向膜によって実現される。例えば、配向膜は、ラビング処理等の布で擦る処理や、偏光等を照射して行う光配向処理が施されて、液晶の初期配向を実現する。
その場合、上述の基板上のコンタクトホールの形成部分は、他の部分に比べて凹んでおり、ラビング処理や光配向処理を行いにくい部分となる。したがって、TFT基板のコンタクトホールの形成部分は、光漏れをもたらす液晶の配向乱れが生じやすい部分となっていた。
また、IPSモードの液晶表示素子において、コンタクトホールは、上述したように、TFT基板に形成された凹みであって、その形成部分は、他の部分と比べて液晶の厚みが厚くなる部分となる。そのため、コンタクトホールの形成部分は、他の部分と比べて、透過率や液晶の応答特性が異なる部分となって、画像表示の均一性の低下が懸念される部分となる。
こうしたことから、IPSモードの液晶表示素子においては、コンタクトホールの形成によって影響される画素の部分を遮光する遮光手段を設けて、画像の表示に用いないようにする方法が検討されてきた。しかしながら、このような遮光手段の配設は、画素の開口率の低下をもたらすことになり、液晶表示素子の透過率を低下させることになる。すなわち、IPSモードの液晶表示素子において、コンタクトホールは、輝度特性の向上を妨げる要因となっており、さらなる表示の高精細化の妨げとなっていた。
そのため、IPSモードの液晶表示素子においては、TFT基板に設けられたコンタクトホールの影響を小さくして、輝度特性を向上させ、さらなる高精細表示を可能とする技術が求められている。
尚、特許文献3に記載されるように、VAモードの液晶表示素子においても、画素電極とその下層にある配線との間に有機絶縁膜を設け、開口率を向上する技術が検討されている。したがって、そのような構造のVAモードの液晶表示素子においても、IPSモードの液晶表示素子と同様にTFT基板上にコンタクトホールを形成することが求められる。したがって、VAモードの液晶表示素子において、TFT基板に設けられたコンタクトホールの影響を小さくし、輝度特性を向上させて、さらなる高精細表示を可能とする技術が求められている。
またさらに、その他のモードの液晶表示素子においても、上述した構造のIPSモードの液晶表示素子と同様に、画素電極とその下層にある配線との間に有機絶縁膜を設け、開口率を向上する技術の適用が可能である。したがって、その他のモードの液晶表示素子においても、上述と同様に、TFT基板に設けられたコンタクトホールの影響を小さくし、輝度特性を向上させ、さらなる高精細表示を可能とする技術が求められる。
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、コンタクトホールの影響を小さくして輝度の向上された液晶表示素子を提供することにある。
また、本発明の目的は、コンタクトホールの影響を小さくして輝度の向上された液晶表示素子の製造に用いられる感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、対向配置された第1の基板と第2の基板とにより液晶を挟持してなる液晶表示素子であって、
第1の基板が、
TFTと、
TFTの上に第1の感放射線性樹脂組成物を用いて設けられた第1の絶縁膜と、
第1の絶縁膜に形成されたコンタクトホールと、
第1の絶縁膜上およびコントタクトホールの内壁上に設けられ、そのコンタクトホールを介してTFTに電気的に接続する第1の電極と、
コンタクトホールを埋めるように、第2の感放射線性樹脂組成物を用いて設けられた第2の絶縁膜と、
第2の絶縁膜の上に設けられてその一部により、第1の絶縁膜上の第1の電極と一部が接し、前記第1の電極と電気的に接続する第2の電極とを有してなり、
第3の電極を、第1の基板の第1の電極および第2の電極の上に第3の絶縁膜を介して設けるか、または、第2の基板の液晶側に設け、
第1の電極および第2の電極と、第3の電極との間に電圧を印加して液晶を駆動するよう構成されることを特徴とするものである。
本発明の第1の態様においては、第1の感放射線性樹脂組成物がポジ型の感放射線性樹脂組成物であって第2の感放射線性樹脂組成物がネガ型の感放射線性樹脂組成物であるか、または、第1の感放射線性樹脂組成物がネガ型の感放射線性樹脂組成物であって第2の感放射線性樹脂組成物がポジ型の感放射線性樹脂組成物であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、第1の感放射線性樹脂組成物は、カルボキシル基を有する構成単位と、重合性基を有する構成単位とを含む重合体を含有することが好ましい。
本発明の第1の態様において、第2の感放射線性樹脂組成物は、カルボキシル基を有する構成単位と、重合性基を有する構成単位とを含む重合体を含有することが好ましい。
本発明の第2の態様は、対向配置された第1の基板と第2の基板とにより液晶を挟持してなる液晶表示素子の製造に用いられる感放射線性樹脂組成物であって、
液晶表示素子の第1の基板は、
TFTと、
TFTの上に設けられた第1の絶縁膜と、
第1の絶縁膜に形成されたコンタクトホールと、
第1の絶縁膜上およびコントタクトホールの内壁上に設けられ、コンタクトホールを介してTFTに電気的に接続する第1の電極と、
コンタクトホールを埋めるように設けられた第2の絶縁膜と、
第2の絶縁膜の上に設けられてその一部により、第1の絶縁膜上の第1の電極と一部が接し、前記第1の電極と電気的に接続する第2の電極とを有してなり、
液晶表示素子は、第3の電極を、第1の基板の第1の電極および第2の電極の上に第3の絶縁膜を介して設けるか、または、第2の基板の液晶側に設けて、第1の電極および第2の電極と、第3の電極との間に電圧を印加して液晶を駆動するよう構成されて、
第1の基板の第2の絶縁膜の形成に用いられることを特徴とするものである。
本発明の第2の態様において、さらに、金属酸化物粒子を含むことが好ましい。
本発明の第1の態様によれば、コンタクトホールの影響を小さくして輝度の向上された液晶表示素子が得られる。
本発明の第2の態様によれば、コンタクトホールの影響を小さくして輝度の向上された液晶表示素子の製造に用いられる感放射線性樹脂組成物が得られる。
本発明の第1実施形態のIPSモードの液晶表示素子の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態のIPSモードの液晶表示素子の構造を模式的に示す平面図である。 本発明の第1実施形態のIPSモードの液晶表示素子の別の例の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の第2実施形態のVAモードの液晶表示素子の構造を模式的に示す断面図である。 本発明の第2実施形態のVAモードの液晶表示素子の構造を模式的に示す平面図である。 本発明の第2実施形態のVAモードの液晶表示素子の別の例の構造を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、適宜図面を用いて説明する。
尚、本発明において、露光に際して照射される「放射線」には、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線および荷電粒子線等が含まれる。
実施形態1.
<IPSモードの液晶表示素子>
図1は、本発明の第1実施形態のIPSモードの液晶表示素子の構造を模式的に示す断面図である。
図2は、本発明の第1実施形態のIPSモードの液晶表示素子の構造を模式的に示す平面図である。
尚、図1は、図2のA−A’線に沿った断面を模式的に示している。
図1に示すように、本発明の第1実施形態のIPSモードの液晶表示素子1は、対向配置された第1の基板であるTFT基板2と、第2の基板である対向基板3とにより液晶4を挟持して構成される。ここで、TFT基板とは、薄膜トランジスタであるTFTを有する基板である。図2に示すように、IPSモードの液晶表示素子1において、TFT基板2は、TFT5を有して構成される。
すなわち、図1および図2に示すように、液晶表示素子1のTFT基板2は、TFT5(図1中には図示されない)の上に設けられた第1の絶縁膜6と、第1の絶縁膜6に形成されたコンタクトホール7と、第1の絶縁膜6上およびコントタクトホール7の内壁上に設けられてコンタクトホール7を介してTFT5のソース電極34と電気的に接続する第1の電極8と、コンタクトホール7を埋めるように設けられてTFT基板2の表面を平坦化する第2の絶縁膜9とを有する。
TFT基板2は、第2の絶縁膜9の上に設けられた第2の電極10を有する。
TFT基板2において、第2の絶縁膜9の上に設けられた第2の電極10は、その一部である端部により、第1の絶縁膜6上の第1の電極8と電気的に接続してもよい。
また、TFT基板2においては、第2の絶縁膜9の上に設けられた第2の電極10が、その少なくとも一部を用い、第1の絶縁膜6上の第1の電極8の一部を覆うようにして接することで電気的に接続してもよい。
本実施形態の液晶表示素子1において、第1の電極8およびそれに電気的に接続する第2の電極10が一体となり、ベタ状の画素電極を構成する。
また、液晶表示素子1は、TFT基板2の第1の電極8および第2の電極10の上に第3の絶縁膜11を有し、さらに、第3の絶縁膜11の上に第3の電極12を有する。すなわち、液晶表示素子1は、第3の電極12が、第3の絶縁膜11を介して、TFT基板2の第1の電極8および第2の電極10の上に設けられた構造を有する。本実施形態の液晶表示素子1では、第3の電極12が共通電極を構成する。
以上の構成により、液晶表示素子1は、TFT基板2上の第1の電極8および第2の電極10と、TFT基板2上の第3の電極12との間に電圧を印加して液晶4を駆動する。
液晶表示素子1は、IPSモードの液晶表示素子となっている。
以下、本発明の第1実施形態のIPSモードの液晶表示素子1の構成について、より詳細に説明する。はじめに、液晶表示素子1の平面構造、特に画素の主要な平面構造について、主に図2を用いて説明する。
液晶表示素子1では、図2に示すように、縦方向に延在する信号線30と横方向に延在する走査線31とで囲まれた領域に画素が形成されている。走査線31の上にはスイッチングのためのTFT5が形成されており、画素電極を構成する第1の電極8および第2の電極10への映像信号の供給を制御する。図2に示すように、走査線31がTFT5のゲート電極を兼ねており、走査線31の上にアモルファス−シリコン(a−Si)または微結晶シリコンによる半導体層32が形成されている。
半導体層32の上には、信号線30に接続するドレイン電極33が端部で重畳するように形成され、そのドレイン電極33と離間して対向するように、ソース電極34が形成されている。ソース電極34は、画素の形成領域に延在し、コンタクトホール7を介して第1の電極8に電気的に接続する。
図2に示すように、点線で示す第1の電極8は、平面ベタ状に形成されている。また、点線で示す第2の電極10は、コンタクトホール7を覆うとともに、その端部で第1の電極8とコンタクトするようにベタ状に形成されている。そして、それらの上に、図2では図示されない第3の絶縁膜11を介して、電極の未形成部となるスリット状の切り欠き部50を有する第3の電極12が設けられている。
図2に示す液晶表示素子1において、点線で模式的に示される第1の電極8は、TFT5のある端部から延在して画素においてソース電極34を覆っている。点線で模式的に示される第2の電極10も、コンタクトホール7を埋める第2の絶縁膜9(図2中、図示されない。)の上に設けられ、ソース電極34を覆っている。そして、第2の電極10は、上述したように、第2の絶縁膜9を介して第1の電極8を覆うとともに、その一部である端部で第1の電極8に電気的に接続している。
また、スリット状の切り欠き部50を有する第3の電極12は1個の画素だけでなく、共通電極として、他の画素にも共通して形成されて、コモン電圧が印加される。図1にも示されるように、第3の電極12に形成された切り欠き部50は、ソース電極34およびコンタクトホール7を覆っている。
次に、液晶表示素子1の断面構造、特に画素の断面構造について、主に図1を用いて説明する。
液晶表示素子1は、図1に示すように、TFT基板2の上に、図2のTFT5で使用されるゲート絶縁膜21が形成され、その上にTFT5から延在してきたソース電極34が形成されている。この部分のソース電極34は、図示されないバックライトからの光を遮光することができる。ソース電極34を覆って、無機パッシベーション膜22が形成され、その上に平坦化膜を兼ねた第1の絶縁膜6が形成されている。無機パッシベーション膜22は、例えば、SiO等の金属酸化物やSiN等の金属窒化物から形成される。
尚、本実施形態の液晶表示素子1において、第1の絶縁膜6は、後述する第1の感放射線性樹脂組成物を用いたパターニングにより形成された有機絶縁膜である。第1の絶縁膜6は、例えば、0.5μm〜6μmの膜厚で形成される。
第1の絶縁膜6には、第1の電極8がソース電極34に電気的に接続するためのコンタクトホール7が形成されている。コンタクトホール7の形成方法としては、第1の絶縁膜6を形成後、貫通穴を形成する。その後、無機パッシベーション膜22にも貫通穴を形成し、第1の絶縁膜6の貫通穴と無機パッシベーション膜22の貫通穴とを連通させる。その結果、TFT基板2において、第1の絶縁膜6と無機パッシベーション膜22とを貫通するコンタクトホール7が形成される。
尚、図1に示す液晶表示素子1の例では、第1の絶縁膜6の貫通穴と無機パッシベーション膜22の貫通穴は別々のマスクを用いて形成されることができる。また、別の方法として、第1の絶縁膜6に貫通穴を形成した後、第1の絶縁膜6をマスクとして使用し、ドライエッチングにより、無機パッシベーション膜22の貫通穴を形成して、コンタクトホール7を設けることも可能である。
このようにして第1の絶縁膜6に形成されたコンタクトホール7は、第1の電極8をソース電極34に接続させるための下穴と、それよりも径の大きい上穴と、下穴と上穴を結ぶ内壁とから構成されている。コンタクトホール7の内壁を覆うように設けられる第1の電極8の断線を防止するためには、コンタクトホール7のテーパ角を45度以下にすることが好ましい。そのため、TFT基板2上のコンタクトホール7は、平面視で、大きな面積を有することになる。
そして、第1の絶縁膜6およびコンタクトホール7を覆うように、第1の絶縁膜6上およびコントタクトホール7の内壁上に、第1の電極8が設けられる。第1の電極8は、例えば、ITOを用いて形成することができる。液晶表示素子1において、画素電極となる第1の電極8は平面ベタ状に形成されている。第1の電極8は、コンタクトホール7を介して、ソース電極34に電気的に接続している。
また、液晶表示素子1は、コンタクトホール7を埋めるように設けられた第2の絶縁膜9を有する。第2の絶縁膜9は、後述する第2の感放射線性樹脂組成物を用いて形成された有機絶縁膜である。液晶表示素子1の第2の絶縁膜9は、TFT基板2のコンタクトホール7を埋める機能を有する。そして、第2の絶縁膜9は、TFT基板2の表面を平坦化するように機能する。
尚、第2の絶縁膜9の形成方法としては、例えば、コンタクトホール7等の形成するために第1の絶縁膜6のパターニングで使用したフォトマスクを使用し、パターニングを行って形成することができる。
すなわち、1種類のフォトマスクを使用して、コンタクトホール7を有する第1の絶縁膜6を形成し、それを覆う第1の電極8を設けた後、そのマスクを再度使用し、第2の感放射線性樹脂組成物を用いて、第2の絶縁膜9を形成することができる。
その場合、例えば、ポジ型の第1の感放射線性樹脂組成物を用い、フォトマスクを介した露光と現像によるパターニングを行って、コンタクトホール7が形成された第1の絶縁膜6を形成する。次いで、第1の電極8を形成する。その後、ネガ型の第2の感放射線性樹脂組成物を用い、上述したのと同一のフォトマスクを用いた同様の露光と現像を行い、コンタクトホール7を埋める第2の絶縁膜9を形成することができる。
液晶表示素子1のTFT基板2は、第2の絶縁膜9の上に設けられて、その一部である端部により、第1の絶縁膜6上の第1の電極8に電気的に接続する第2の電極10を有する。第2の電極10は、第1の電極8と同様の材料、例えば、ITOを用いて形成することができる。
本実施形態の液晶表示素子1において、第1の電極8および第2の電極10は互いに電気的に接続されており、一体となって、ベタ状の画素電極として機能することができる。
また、液晶表示素子1は、TFT基板2の第1の電極8および第2の電極10の上に、層間絶縁膜となる第3の絶縁膜11を有する。第3の絶縁膜11は、例えば、SiO等の金属酸化物やSiN等の金属窒化物から形成された、無機絶縁膜とすることができる。
また、液晶表示素子1は、第3の絶縁膜11の上に、電極未形成の部分となるスリット状の切り欠き部50を有する第3の電極12を有する。第3の電極12およびその切り欠き部50は、コンタクトホール7を覆うように、コンタクトホール7の上層にも形成される。第3の電極12は、液晶表示素子1において、共通電極として機能することができる。
第3の電極12の上には、液晶4を配向させるための配向膜40が形成されている。配向膜40は、ラビング処理による配向処理が施されており、電圧無印加時の均一な液晶4の初期配向、すなわち、TFT基板2の基板表面と平行となる平行配向を実現させることができる。
液晶表示素子1は、液晶4を挟んで、第2の基板である対向基板3を有する。対向基板3には、ブラックマトリクス41、カラーフィルタ42が形成され、これらを覆って、平坦化膜43が形成され、その上に配向膜44が形成されている。対向基板3上の配向膜44は、TFT基板2上の配向膜40と同様のものであり、ラビング処理による配向処理が施されて、液晶4の初期配向としての平行配向を実現することができる。
以上の構成を有する本実施形態の液晶表示素子1では、画像表示のために、TFT基板2上の第1の電極8および第2の電極10に映像信号が印加され、それらと第3の電極12との間に電圧が印加されると、それらの周囲に斜め電界が発生する。すなわち、第1の電極8および第2の電極10と第3の電極12との間に電圧が印加されることにより、第3の電極12の切り欠き部50を介して、液晶4中に、TFT基板2の基板面と平行となる成分を有する斜め電界が発生する。
その結果、液晶4は、その斜め電界の基板面と平行な成分によって駆動され、初期配向の状態から基板面と平行な平面内で回転動作する。
液晶表示素子1は、TFT基板2の反液晶側の面および対向基板3の反液晶側の面に、それぞれ図示されない偏光板を有し、一対の偏光板によって液晶4が挟持される構造を有する。したがって、液晶表示素子1は、上述した斜め電界による液晶4の回転動作により、光を部分的に透過したり、遮蔽したりすることができ、こうした特性を利用して画像を表示することができる。
そして、液晶表示素子1においては、TFT基板2に設けられたコンタクトホール7が第2の絶縁膜9により埋められ、TFT基板2の表面は平坦化されている。したがって、液晶表示素子1では、コンタクトホール7による液晶4の配向乱れや、凹みによる透過率および液晶4の応答特性の低下が低減されている。すなわち、液晶表示素子1は、TFT基板2に設けられたコンタクトホール7の影響を小さくすることができ、ソース電極34等の遮光手段を大きく形成する必要がなく、輝度特性を向上させることができる。
尚、本発明の第1実施形態の液晶表示素子1は、コンタクトホール7が第2の絶縁膜9により埋められ、図1に示されるように、TFT基板2の表面が平坦化されている。しかし、本実施形態の液晶表示素子1では、第2の絶縁膜9を形成する第2の感放射線性樹脂組成物の組成の選択や第2の絶縁膜9の形成方法に従って、第2の絶縁膜9の上部表面(液晶4側の表面)が若干凹んで形成されることもある。
図3は、本発明の第1実施形態のIPSモードの液晶表示素子の別の例の構造を模式的に示す断面図である。
尚、図3に示す本発明の第1実施形態の別の例であるIPSモードの液晶表示素子1−2は、第2の絶縁膜9−2の形状が異なる以外、図1等に示した液晶表示素子1と同様の構造を有する。したがって、共通する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本発明の第1実施形態の別の例であるIPSモードの液晶表示素子1−2では、第2の電極10−2が設けられる第2の絶縁膜9−2の上部表面(液晶4側の表面)が、若干凹んで形成されている。しかし、液晶表示素子1−2においては、TFT基板2に設けられたコンタクトホール7が第2の絶縁膜9−2により埋められており、TFT基板2の表面は、第2の絶縁膜9−2を設けない場合に比べて平坦化されている。したがって、液晶表示素子1−2では、第2の絶縁膜9−2を設けない場合に比べて、コンタクトホール7による液晶4の配向乱れが低減され、凹みによる透過率および液晶4の応答特性の低下が緩和されている。すなわち、液晶表示素子1−2は、TFT基板2に設けられたコンタクトホール7の影響を小さくすることができ、ソース電極34等の遮光手段を大きく形成する必要がなく、輝度特性を向上させることができる。
実施形態2.
<VAモードの液晶表示素子>
図4は、本発明の第2実施形態のVAモードの液晶表示素子の構造を模式的に示す断面図である。
図5は、本発明の第2実施形態のVAモードの液晶表示素子の構造を模式的に示す平面図である。
尚、図4は、図5のB−B’線に沿った断面を模式的に示している。
図4に示すように、本発明の第2実施形態のVAモードの液晶表示素子100は、対向配置された第1の基板であるTFT基板102と、第2の基板である対向基板103とにより液晶104を挟持して構成される。液晶104は、負の誘電異方性(Δε)を有する液晶である。
そして、図5に示すように、VAモードの液晶表示素子100において、TFT基板102は、TFT105を有する。
すなわち、図4および図5に示すように、液晶表示素子100のTFT基板102は、TFT105(図4中には図示されない)の上に設けられた第1の絶縁膜106と、第1の絶縁膜106に形成されたコンタクトホール107と、第1の絶縁膜106上およびコントタクトホール107の内壁上に設けられてコンタクトホール107を介してTFT105のソース電極134と電気的に接続する第1の電極108と、コンタクトホール107を埋めるように設けられてTFT基板102の表面を平坦化する第2の絶縁膜109とを有する。
また、TFT基板102は、第2の絶縁膜109の上に設けられて、その一部である端部により、第1の絶縁膜106上の第1の電極108に電気的に接続する第2の電極110を有する。
本実施形態の液晶表示素子100では、第1の電極108およびそれに電気的に接続する第2の電極110が、一体となって画素電極を構成する。
また、液晶表示素子100は、対向基板103の液晶104側に、第3の電極112を有する。本実施形態の液晶表示素子100においては、第3の電極112が共通電極を構成する。
その結果、液晶表示素子100は、TFT基板102上の第1の電極108および第2の電極110と、対向基板103上の第3の電極112との間に電圧を印加して液晶104を駆動するよう構成されている。液晶表示素子100は、第1の電極108および第2の電極110と、対向基板103上の第3の電極112との間に電圧を印加して、負の誘電異方性を有する液晶104を駆動するように構成され、VAモードの液晶表示素子を構成している。
以下、本発明の第2実施形態のVAモードの液晶表示素子100の構成について、より詳細に説明する。はじめに、液晶表示素子100の平面構造、特に画素の主要な平面構造について、図5を主に用いて説明する。
液晶表示素子100では、図5に示すように、縦方向に延在する信号線130と横方向に延在する走査線131とで囲まれた領域に画素が形成されている。走査線131の上に画素電極を構成する第1の電極108および第2の電極110に映像信号の供給を制御する、スイッチングのためのTFT105が形成されている。図5に示すように、走査線131がTFT105のゲート電極を兼ねており、走査線131の上にアモルファス−シリコン(a−Si)または微結晶シリコンによる半導体層132が形成されている。
半導体層132の上には、信号線130に接続するドレイン電極133が端部で重畳するように形成され、そのドレイン電極133と離間して対向するように、ソース電極134が形成されている。ソース電極134は、画素の形成領域に延在し、コンタクトホール107を介して第1の電極108に電気的に接続する。
図5に示すように、第1の電極108は、平面ベタ状に形成されている。また、第2の電極110は、コンタクトホール107を覆うとともに、その端部で第1の電極108とコンタクトするようにベタ状に形成されている。
尚、第1の電極108および第2の電極110は、上述したように、一体となって画素電極を構成するが、図5に示す例では、それぞれベタ状に形成されている。しかし、液晶表示素子100では、別の例として、第1の電極108および第2の電極110が、それぞれ、電極未形成の部分となるスリット状の切り欠き部を有することができる。その場合、図5に示すように第1の電極108および第2の電極110を形成した後、それらを一括してパターニングして、第1の電極108および第2の電極110に切り欠き部を設けることができる。
第1の電極108および第2の電極110が切り欠き部を有することにより、液晶表示素子100は、第1の電極108および第2の電極110と、対向基板103上の第3の電極112との間に電圧を印加したときに、基板面に垂直な電界とともに若干斜めとなる電界を発生させることができ、液晶104の傾斜方向を制御することができる。
図5に示す液晶表示素子100において、第1の電極108は、TFT105のある端部から延在して画素においてソース電極134を覆っている。第2の電極110も、コンタクトホール107を埋める第2の絶縁膜109(図5中、図示されない。)の上に設けられ、ソース電極134を覆っている。そして、第2の電極110は、上述したように、第2の絶縁膜109を介して第1の電極108を覆うとともに、その一部である端部で第1の電極108に電気的に接続している。
次に、液晶表示素子100の断面構造、特に画素の断面構造について、主に図4を用いて説明する。
液晶表示素子100は、図4に示すように、TFT基板102の上に、図5のTFT105で使用されるゲート絶縁膜121が形成され、その上にTFT105から延在したソース電極134が形成されている。この部分のソース電極134は、図示されないバックライトからの光を遮光することができる。ソース電極134を覆って、無機パッシベーション膜122が形成され、その上に平坦化膜を兼ねた第1の絶縁膜106が形成されている。無機パッシベーション膜122は、例えば、SiO等の金属酸化物やSiN等の金属窒化物から形成することができる。
尚、本実施形態の液晶表示素子100において、第1の絶縁膜106は、後述する第1の感放射線性樹脂組成物を用いたパターニングにより形成された有機絶縁膜である。第1の絶縁膜106は、例えば、0.5μm〜6μmの膜厚で形成することができる。
第1の絶縁膜106には、第1の電極108がソース電極134に電気的に接続するためのコンタクトホール107が形成されている。コンタクトホール107の形成方法は、上述した第1実施形態の液晶表示素子1のコンタクトホール7の形成方法と同様とすることができる。
第2の絶縁膜106に形成されたコンタクトホール107は、第1の電極108をソース電極134に接続させるための下穴と、それよりも径の大きい上穴と、下穴と上穴を結ぶ内壁とから構成されている。コンタクトホール107の内壁を覆うように設けられる第1の電極108の断線を防止するためには、コンタクトホール107のテーパ角を45度以下にすることが好ましい。そのため、TFT基板102上のコンタクトホール107は、平面視で、大きな面積を有することになる。
そして、第1の絶縁膜106およびコンタクトホール107を覆うように、第1の絶縁膜106上およびコントタクトホール107の内壁上に、第1の電極108が設けられている。第1の電極108は、例えば、ITOを用いて形成される。液晶表示素子100において、画素電極となる第1の電極108は、上述したように、例えば、平面ベタ状に形成されている。第1の電極108は、コンタクトホール107を介して、ソース電極134に電気的に接続している。
また、液晶表示素子100は、コンタクトホール107を埋めるように設けられた第2の絶縁膜109を有する。第2の絶縁膜109は、後述する第2の感放射線性樹脂組成物を用いて形成された有機絶縁膜である。液晶表示素子100の第2の絶縁膜109は、TFT基板102のコンタクトホール107を埋めて、TFT基板102の表面を平坦化する機能を有する。
尚、第2の絶縁膜109の形成方法は、上述した第1実施形態の液晶表示素子1の第2の絶縁膜9の形成方法と同様とすることができる。
したがって、例えば、コンタクトホール107等の形成するために第1の絶縁膜106のパターニングで使用したフォトマスクを使用し、パターニングを行って第2の絶縁膜109を形成することができる。
すなわち、1種類のフォトマスクを使用しコンタクトホール107を有する第1の絶縁膜106を形成し、それを覆う第1の電極108を設けた後、そのマスクを再度使用し、第2の感放射線性樹脂組成物を用いて、第2の絶縁膜109を形成することができる。
その場合、例えば、ポジ型の第1の感放射線性樹脂組成物を用い、フォトマスクを介した露光と現像によるパターニングを行って、コンタクトホール107の形成された第1の絶縁膜106を形成する。次いで、第1の電極108を形成する。その後、ネガ型の第2の感放射線性樹脂組成物を用い、上述したのと同一のフォトマスクを用いた同様の露光と現像を行い、コンタクトホール107を埋める第2の絶縁膜109を形成することができる。
そして、液晶表示素子1のTFT基板102は、第2の絶縁膜109の上に設けられて、その一部である端部により、第1の絶縁膜106上の第1の電極108に電気的に接続する第2の電極110を有する。第2の電極110は、第1の電極108と同様の材料、例えば、ITOを用いて形成することができる。
本実施形態の液晶表示素子100において、第1の電極108および第2の電極110は互いに電気的に接続されており、一体となって、画素電極として機能することができる。
第1の電極108および第2の電極110の上には、液晶104を配向させるための配向膜140が形成されている。配向膜140は、垂直配向型の配向膜である。配向膜140は、例えば、ラビング処理や光配向処理等の好適な配向処理が施されており、電圧無印加時の液晶104の均一な初期配向を実現することができる。すなわち、液晶104が基板面に対して完全に垂直に配向するのではなく、基板界面の液晶104は、小さなプレチルト角を有して、均一に略垂直配向する初期配向を実現することができる。
尚、本実施形態の液晶表示素子100においては、配向膜140および後述する対向基板103上の配向膜144を設けることなく、または、それら配向膜140、144を設けたうえで、液晶104中に光重合性のモノマーをを混入させ、それを光重合させることで、上述の液晶104の初期配向を実現することも可能である。
液晶表示素子100は、液晶104を挟んで、第2の基板である対向基板103を有する。対向基板103には、ブラックマトリクス141、カラーフィルタ142が形成され、これらを覆って平坦化膜143が形成され、その上に第3の電極112が設けられ、さらにその上に配向膜144が形成されている。
対向基板103上の配向膜144は、TFT基板102上の配向膜140と同様のものであり、適当な配向処理が施されて、液晶104の初期配向として、略垂直配向を実現することができる。
液晶表示素子100は、第3の電極112を、対向基板103の上に有する。そして上述したように、本実施形態の液晶表示素子100において、第3の電極112は、他の画素にも共通する共通電極を構成する。
以上の構成を有する本実施形態の液晶表示素子100では、画像表示のために、TFT基板102上の第1の電極108および第2の電極110に映像信号が印加され、それらと対向基板103上の第3の電極112との間に電圧が印加されると、それらの間に電界が発生する。すなわち、第1の電極108および第2の電極110と第3の電極112との間に電圧が印加されることにより、液晶104中に、TFT基板112の基板面と垂直な電界が発生する。
その結果、負の誘電異方性を有する液晶104は、その電界によって駆動され、初期配向である略垂直配向の状態から、基板面と平行な方向に配向するように傾斜動作をする。
液晶表示素子100は、TFT基板102の反液晶側の面および対向基板103の反液晶側の面に、それぞれ図示されない偏光板を有し、一対の偏光板によって液晶104が挟持される構造を有する。したがって、液晶表示素子100は、上述した垂直電界による液晶104の配向変化により、光を部分的に透過したり、遮蔽したりすることができ、こうした特性を利用して画像を表示することができる。
そして、液晶表示素子100においては、TFT基板102に設けられたコンタクトホール107が第2の絶縁膜109により埋められ、TFT基板102の表面は平坦化されている。したがって、液晶表示素子100では、コンタクトホール107による液晶104の配向乱れや、凹みによる透過率および液晶104の応答特性の低下が低減されている。すなわち、液晶表示素子100は、TFT基板102に設けられたコンタクトホール107の影響を小さくすることができ、ソース電極134等の遮光手段を大きく形成する必要がなく、輝度特性を向上させることができる。
尚、図4等に示した本発明の第2実施形態の液晶表示素子100では、コンタクトホール107が第2の絶縁膜109により埋められている。そして、TFT基板102の表面は高均一に平坦化されている。しかし、本実施形態の液晶表示素子100では、第2の絶縁膜109を形成する第2の感放射線性樹脂組成物の組成の選択や第2の絶縁膜109の形成方法に従い、第2の絶縁膜109の上部表面(液晶104側の表面)が若干凹んで形成されることがある。
図6は、本発明の第2実施形態のVAモードの液晶表示素子の別の例の構造を模式的に示す断面図である。
尚、図6に示す本発明の第2実施形態の別の例であるVAモードの液晶表示素子100−2は、第2の絶縁膜109−2の形状が異なる以外、図4等に示した液晶表示素子100と同様の構造を有する。したがって、共通する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
本発明の第2実施形態の別の例であるVAモードの液晶表示素子100−2では、第2の電極110−2が設けられる第2の絶縁膜109−2の上部表面(液晶104側の表面)が若干凹んで形成されている。しかし、液晶表示素子100−2においては、TFT基板102に設けられたコンタクトホール7が第2の絶縁膜109−2により埋められており、TFT基板102の表面は、第2の絶縁膜109−2を設けない場合に比べて平坦化されている。したがって、液晶表示素子100−2では、第2の絶縁膜109−2を設けない場合に比べて、コンタクトホール107による液晶104の配向乱れが低減され、凹みによる透過率および液晶104の応答特性の低下が緩和されている。すなわち、液晶表示素子100−2は、TFT基板102に設けられたコンタクトホール107の影響を小さくすることができ、ソース電極134等の遮光手段を大きく形成する必要がなく、輝度特性を向上させることができる。
本発明の第1および第2実施形態である液晶表示素子において、第1の絶縁膜を形成するために使用された第1の感放射線性樹脂組成物、および、第1の絶縁膜の有するコンタクトホールを埋めるために使用された第2の感放射線性樹脂組成物について、より詳細に説明する。
実施形態3.
<第1の感放射線性樹脂組成物>
本発明の第3実施形態である第1の感放射線性樹脂組成物は、本発明の第1および第2実施形態である液晶表示素子の第1の絶縁膜の形成に好適に用いられる。本実施形態の第1の感放射線性樹脂組成物は、ポジ型およびネガ型のいずれの感放射線性も選択して備えることが可能である。
本実施形態の第1の感放射線性樹脂組成物は、ポジ型、ネガ型とも、アルカリ可溶性樹脂を必須成分とし、ポジ型感放射線性樹脂組成物である場合、光酸発生剤を必須成分として含有し、ネガ型感放射線性樹脂組成物である場合は、重合性化合物および感放射線性重合開始剤を含有する。
上述のアルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基を有する構成単位と重合性基を有する構成単位とを含む重合体であればよく、アクリル系樹脂、ポリシロキサン、ポリベンゾオキサゾール、ポリアミック酸を脱水閉環してイミド化することにより得られるポリイミド樹脂、ノボラック樹脂、シクロオレフィン系樹脂等が好ましい。
またアルカリ可溶性樹脂の構成単位に、エポキシ基、オキセタニル基、(メタ)アクリロイル基等の熱架橋性基を含むことが好ましく、アルカリ可溶性樹脂とは別に、エポキシ基、オキセタニル基、(メタ)アクリロイル基等の熱架橋性基を含む樹脂と併用することも可能である。
このような熱架橋性基を含む樹脂を使用することで、得られる絶縁膜の耐熱性、耐溶剤性を向上させることが可能である。
また、ポジ型の第1の感放射線性樹脂組成物に用いる、酸発生剤としては、キノンジアジド化合物やオキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物およびカルボン酸エステル化合物等が挙げられる。これらの中で特にキノンジアジド化合物やオキシムスルホネート化合物、オニウム塩およびスルホンイミド化合物が好ましい。
また、ネガ型の第1の感放射線性樹脂組成物に用いる重合性化合物としては、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート等の他、直鎖アルキレン基および脂環式構造を有しかつ2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に1個以上の水酸基を有しかつ3個〜5個の(メタ)アクリロイロキシ基を有する化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
また、ネガ型の第1の感放射線性樹脂組成物に用いる感放射線性重合開始剤としては、例えば、O−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
これら感放射線性重合開始剤のうちでは、特に、O−アシルオキシム化合物が好ましく、具体的には、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)またはエタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。
本実施形態の第1の感放射線性樹脂組成物は、必要に応じて金属の酸化物粒子を含有することができる。このようなは金属の酸化物粒子を含むことで、得られる硬化膜の屈折率、誘電率等の膜物性を改質することができる。
上述の金属酸化物粒子としては、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属の酸化物粒子が挙げられ、この中でもジルコニウム、チタニウムまたは亜鉛の酸化物粒子が好ましく、ジルコニウムまたはチタニウムの酸化物粒子がより好ましい。尚、これらに加えて、あるいは、これらに代えてチタン酸塩を用いることも可能である。
これらの金属酸化物粒子は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上述の金属酸化物粒子としては、上記例示の金属の複合酸化物粒子であってもよい。この複合酸化物粒子としては例えば、ATO(Antimony−Tin Oxide)、ITO、IZO(Indium−Zinc Oxide)等が挙げられる。これらの金属酸化物粒子としては、市販のものを使用することができる。例えば、シーアイ化成(株)によるナノテック等を使用することができる。
実施形態4.
<第2の感放射線性樹脂組成物>
本発明の第4実施形態である第2の感放射線性樹脂組成物は、本発明の第1および第2実施形態である液晶表示素子の第2の絶縁膜の形成に好適に用いることができる。本実施形態の第2の感放射線性樹脂組成物は、ポジ型およびネガ型のいずれの感放射線性も選択して備えることが可能である。
そして、本発明の液晶表示素子の第1の絶縁膜を形成するため、上述した本発明の第3実施形態である第1の感放射線性樹脂組成物にポジ型の感放射線性樹脂組成物を選択した場合、本実施形態の第2の感放射線性樹脂組成物は、ネガ型の感放射線性を選択して備えることが可能である。このようにすることにより、本発明の液晶表示素子の製造において、上述したように、第1の絶縁膜および第2の絶縁膜の形成を同一のフォトマスクを用いて実現することができる。
本実施形態の第2の感放射線性樹脂組成物は、上述した本発明の第3実施形態である第1の感放射線性樹脂組成物と同様に、ポジ型、ネガ型とも、アルカリ可溶性樹脂を必須成分とする。そして、第2の感放射線性樹脂組成物がポジ型感放射線性樹脂組成物である場合、光酸発生剤を必須成分として含有し、ネガ型感放射線性樹脂組成物である場合は、重合性化合物および感放射線性重合開始剤を含有する。
上述のアルカリ可溶性樹脂は、カルボキシル基を有する構成単位と重合性基を有する構成単位とを含む重合体であればよく、アクリル系樹脂、ポリシロキサン、ポリベンゾオキサゾール、ポリアミック酸を脱水閉環してイミド化することにより得られるポリイミド樹脂、ノボラック樹脂、シクロオレフィン系樹脂等が好ましい。
またアルカリ可溶性樹脂の構成単位に、エポキシ基、オキセタニル基、(メタ)アクリロイル基等の熱架橋性基を含むことが好ましく、アルカリ可溶性樹脂とは別に、エポキシ基、オキセタニル基、(メタ)アクリロイル基等の熱架橋性基を含む樹脂と併用することも可能である。
このような熱架橋性基を含む樹脂を使用することで、得られる絶縁膜の耐熱性、耐溶剤性を向上することが可能である。
また、ポジ型の第2の感放射線性樹脂組成物に用いる、酸発生剤としては、キノンジアジド化合物やオキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物等が挙げられる。これらの中で特にキノンジアジド化合物やオキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物が好ましい。
また、ネガ型の第2の感放射線性樹脂組成物に用いる重合性化合物としては、例えば、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2−(2’−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリ(2−(メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、エチレンオキサイド変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、コハク酸変性ペンタエリスリトールトリアクリレート等の他、直鎖アルキレン基および脂環式構造を有しかつ2個以上のイソシアネート基を有する化合物と、分子内に1個以上の水酸基を有しかつ3個〜5個の(メタ)アクリロイロキシ基を有する化合物とを反応させて得られるウレタン(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
また、ネガ型の第2の感放射線性樹脂組成物に用いる感放射線性重合開始剤としては、例えば、O−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
これら感放射線性重合開始剤のうちで、特に、O−アシルオキシム化合物が好ましく、具体的には、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)またはエタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。
本実施形態の第2の感放射線性樹脂組成物は、必要に応じて金属の酸化物粒子を含有することができる。このような金属の酸化物粒子を含むことで、得られる硬化膜の屈折率や誘電率等の膜物性を改質することができる。
上述の金属酸化物粒子としては、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモンおよびセリウムからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属の酸化物粒子が挙げられ、この中でもジルコニウム、チタニウムまたは亜鉛の酸化物粒子が好ましく、ジルコニウムまたはチタニウムの酸化物粒子がより好ましい。尚、これらに加えて、あるいは、これらに代えてチタン酸塩を用いることも可能である。チタン酸塩としては、チタン酸バリウム等が好ましい。
これらの金属酸化物粒子は、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。また、上述の金属酸化物粒子としては、上記例示の金属の複合酸化物粒子であってもよい。この複合酸化物粒子としては例えば、ATO(Antimony−Tin Oxide)、ITO、IZO(Indium−Zinc Oxide)等が挙げられる。これらの金属酸化物粒子としては、市販のものを使用することができる。例えば、シーアイ化成(株)によるナノテック等を使用することができる。
以下、実施例に基づき本発明の実施形態を詳述するが、この実施例によって本発明が限
定的に解釈されるものではない。
実施例1
[アルカリ可溶性樹脂(A−I)の合成]
冷却管および撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)8質量部およびジエチレングリコールメチルエチルエーテル220質量部を仕込んだ。引き続き、メタクリル酸15質量部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタアクリレート45質量部、メタクリル酸メチル20質量部、スチレン5質量部、N−シクロヘキシルマレイミド15質量部を仕込み、窒素置換した後、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、共重合体(A−I)を含有する溶液を得た。得られた重合体溶液の固形分濃度は31.9質量%であり、共重合体(A−I)のMwは10000、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であった。尚、固形分濃度とは重合体溶液の全質量に占める共重合体質量の割合を意味する。
実施例2
[アルカリ可溶性樹脂(A−II)の合成]
撹拌機付の容器内に、プロピレングリコールモノメチルエーテル144質量部を仕込み、続いて、メチルトリメトキシシラン13質量部、および3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン5質量部、フェニルトリメトキシシラン6質量部を仕込み、溶液温度が60℃になるまで加熱した。溶液温度が60℃に到達後、イオン交換水7質量部を仕込み、75℃になるまで加熱し、3時間保持した。次いで脱水剤としてオルト蟻酸メチル25質量部を加え、1時間攪拌した。さらに溶液温度を40℃にし、この温度を保ちながらエバポレーションすることで、水および加水分解縮合で発生したアルコールを除去した。以上の工程により、(A−II)成分であるシロキサンポリマーを得た。得られた加水分解縮合体の数平均分子量(Mn)は2500であり、分子量分布(Mw/Mn)は2であった。
実施例3
[ポジ型の第1の感放射線性樹脂組成物の調製]
アルカリ可溶性樹脂として、アルカリ可溶性樹脂(A−I)を含有する溶液を、重合体100質量部(固形分)に相当する量で準備し、次いで光酸発生剤であるキノンジアジド化合物として、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1.0モル)を30質量部混合し、さらに、固形分濃度が30質量%となるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルを加えて、各成分を溶解させた後、口径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、ポジ型の感放射線性を備えた第1の感放射線性樹脂組成物を調製した。
実施例4
[ネガ型の第2の感放射線性樹脂組成物]
アルカリ可溶性樹脂として、アルカリ可溶性樹脂(A−II)を含有する溶液を、重合体100質量部(固形分)に相当する量で準備し、次いで重合性化合物としてジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(KAYARAD(登録商標) DPHA(以上、日本化薬社)100質量部、および感放射線性重合開始剤としてエタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)(イルガキュアOXE02、BASF社)を5質量部を混合し、固形分濃度が30質量%となるように、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加えて、各成分を溶解させた後、孔径0.5μmのミリポアフィルタで濾過することにより、ネガ型の感放射線性を備えた第2の感放射線性樹脂組成物を調製した。
実施例5
[ポジ型の第3の感放射線性樹脂組成物の調製]
アルカリ可溶性樹脂として、アルカリ可溶性樹脂(A−I)を含有する溶液を、重合体100質量部(固形分)に相当する量で準備し、次いで光酸発生剤であるキノンジアジド化合物として、4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール(1.0モル)を30質量部、金属粒子としてチタン酸バリウムを含む分散液50質量部(固形分)を混合し、固形分濃度が30質量%となるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルを加えて、各成分を溶解させた後、口径0.2μmのメンブランフィルタで濾過して、ポジ型の感放射線性を備えた第3の感放射線性樹脂組成物を調製した。
実施例6
[膜の評価]
実施例3で調製した第1の感放射線性樹脂組成物、実施例4で調製した第2の感放射線性樹脂組成物および実施例5で調製した第3の感放射線性樹脂組成物をそれぞれ用い、ガラス基板(「コーニング(登録商標)7059」(コーニング社製))上に、スピンナを用いて各組成物を塗布した後、ホットプレート上で100℃にて2分間プレベークして塗膜を形成し、ガラス基板上に膜厚が1μmの膜をそれぞれ形成した。
次いで、得られた各ガラス基板上の塗膜に対し、キヤノン(株)製PLA(登録商標)−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、5cm×8cmの矩形パターンを有するマスクを介して露光を行った。その後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、60秒間、現像した。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、5cm×8cmの矩形のネガパターンまたはポジパターンを有するようにパターニングされた硬化膜を形成した。
次に、パターニングされた各硬化膜の端部分を光学顕微鏡で観察し、現像残渣がなく、パターンが直線状に形成されている場合をパターニング性良好と判断した。
その結果、実施例3で調製した第1の感放射線性樹脂組成物、実施例4で調製した第2の感放射線性樹脂組成物および実施例5で調製した第3の感放射線性樹脂組成物をそれぞれ用い、パターニングして形成された各硬化膜は、パターニング性がいずれも良好であった。
次に、上述の各硬化膜をそれぞれ、クリーンオーブン内にて220℃で1時間加熱することにより絶縁膜を形成した。
これらの絶縁膜が形成されたガラス基板の光線透過率を、分光光度計「150−20型ダブルビーム」((株)日立製作所製)を用いて400nm〜800nmの範囲の波長で測定した。最低光線透過率が90%以上であれば、光線透過率は良好と言える。
実施例3で調製した第1の感放射線性樹脂組成物、実施例4で調製した第2の感放射線性樹脂組成物および実施例5で調製した第3の感放射線性樹脂組成物から形成された各絶縁膜は、いずれもが90%以上の透過率であった。
以上の膜評価の結果から、実施例3で調製した第1の感放射線性樹脂組成物から形成された絶縁膜、実施例4で調製した第2の感放射線性樹脂組成物から形成された絶縁膜、および、実施例5で調製した第3の感放射線性樹脂組成物から形成された絶縁膜は、いずれも、本発明の液晶表示素子の第1の絶縁膜または第2の絶縁膜として好適に用いることができることがわかった。
本発明の液晶表示素子は、優れた輝度特性を備えて高精細表示が可能なアクティブマトリクス方式の液晶表示素子である。したがって、本発明の液晶表示素子は、優れた画質の高精細な表示が必要とされるスマートフォン等の携帯電子機器のディスプレイとして好適に利用することができる。
1、1−2、100、100−2 液晶表示素子
2、102 TFT基板
3、103 対向基板
4、104 液晶
5、105 TFT
6、106 第1の絶縁膜
7、107 コンタクトホール
8、108 第1の電極
9、9−2、109、109−2 第2の絶縁膜
10、10−2、110、110−2 第2の電極
11 第3の絶縁膜
12、112 第3の電極
21、121 ゲート絶縁膜
22、122 無機パッシベーション膜
30、130 信号線
31、131 走査線
32、132 半導体層
33、133 ドレイン電極
34、134 ソース電極
40、44、140、144 配向膜
41、141 ブラックマトリクス
42、142 カラーフィルタ
43、143 平坦化膜
50 切り欠き部

Claims (6)

  1. 対向配置された第1の基板と第2の基板とにより液晶を挟持してなる液晶表示素子であって、
    前記第1の基板が、
    TFTと、
    前記TFTの上に第1の感放射線性樹脂組成物を用いて設けられた第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜に形成されたコンタクトホールと、
    前記第1の絶縁膜上および前記コンタクトホールの内壁上に設けられ、該コンタクトホールを介して前記TFTに電気的に接続する第1の電極と、
    前記コンタクトホールを埋めるように、第2の感放射線性樹脂組成物を用いて設けられた第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜の上に設けられてその一部により、前記第1の絶縁膜上の前記第1の電極と一部が接し、前記第1の電極と電気的に接続する第2の電極とを有してなり、
    第3の電極を、前記第1の基板の前記第1の電極および前記第2の電極の上に第3の絶縁膜を介して設け
    記第1の電極および前記第2の電極と、前記第3の電極との間に電圧を印加して前記液晶を駆動するよう構成されることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記第1の感放射線性樹脂組成物がポジ型の感放射線性樹脂組成物であって前記第2の感放射線性樹脂組成物がネガ型の感放射線性樹脂組成物であるか、または、前記第1の感放射線性樹脂組成物がネガ型の感放射線性樹脂組成物であって前記第2の感放射線性樹脂組成物がポジ型の感放射線性樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記第1の感放射線性樹脂組成物は、カルボキシル基を有する構成単位と、重合性基を有する構成単位とを含む重合体を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示素子。
  4. 前記第2の感放射線性樹脂組成物は、カルボキシル基を有する構成単位と、重合性基を有する構成単位とを含む重合体を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  5. 対向配置された第1の基板と第2の基板とにより液晶を挟持してなる液晶表示素子の製造に用いられる感放射線性樹脂組成物であって、
    前記第1の基板は、
    TFTと、
    前記TFTの上に設けられた第1の絶縁膜と、
    前記第1の絶縁膜に形成されたコンタクトホールと、
    前記第1の絶縁膜上および前記コンタクトホールの内壁上に設けられ、前記コンタクトホールを介して前記TFTに電気的に接続する第1の電極と、
    前記コンタクトホールを埋めるように設けられた第2の絶縁膜と、
    前記第2の絶縁膜の上に設けられてその一部により、前記第1の絶縁膜上の前記第1の電極と一部が接し、前記第1の電極と電気的に接続する第2の電極とを有してなり、
    前記液晶表示素子は、第3の電極を、前記第1の基板の前記第1の電極および前記第2の電極の上に第3の絶縁膜を介して設けて、前記第1の電極および前記第2の電極と、前記第3の電極との間に電圧を印加して前記液晶を駆動するよう構成されて、
    前記第1の基板の前記第2の絶縁膜の形成に用いられることを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
  6. さらに、金属酸化物粒子を含むことを特徴とする請求項5に記載の感放射線性樹脂組成物。
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