JP6382901B2 - レーザー加工システム - Google Patents

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Description

本発明は、加工装置本体に設けられたレーザー加工ノズルの照射位置にロボットによりワークを運んで加工を行うレーザー加工システムに関する。
従来のレーザー加工装置として、レーザー光源から出力されたレーザー光がワークの加工面に照射され、加工面で反射したレーザー光を反射光モニタ部で常にモニタし、反射光モニタ部の検出値が所定値よりも小さい場合に警報が発せられるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
また、レーザー光を下方に向かって照射するレーザー加工ノズル、レーザー加工ノズルの下方に配置された受光体、受光体を水平方向であるX軸方向に移動させるための第1のハンドル、受光体を水平方向であるY軸方向に移動させるための第2のハンドル、受光体に取付けられレーザー加工ノズルの出力を測定可能なレーザー受光部、およびレーザー受光部を覆うように受光体を覆うカバーを有するレーザー加工装置と、マニピュレータとを備えたレーザー加工システムが知られている(例えば、特許文献2参照。)。
このレーザー加工システムでは、レーザー加工ノズルの出力を測定する際に、マニピュレータにより受光体のカバーを取り除くと共に、マニピュレータにより第1および第2のハンドルを操作してレーザー受光部をレーザー加工ノズルの出力測定位置に移動させ、これにより正確な出力測定を行うようにしている。
特開2006−239697号公報 特開2016−28825号公報
しかし、前記レーザー加工装置は、加工面で反射したレーザー光を反射光モニタ部で常にモニタする構造であり、加工ノズル内や加工ノズルの近傍に反射光モニタ部を設置する必要があるので、加工ノズル内や加工ノズルの近傍のスペースが出力測定のために占有され、ワークや他の治具との干渉が生ずる可能性が高くなっている。
また、前記レーザー加工システムでも、レーザー加工装置内に、レーザー受光部が取付けられた受光体と、受光体をX軸方向およびY軸方向に移動させる第1および第2のハンドルとを設ける必要があるので、出力測定のための装置が加工位置において大きなスペースを占有し、ワークや他の治具との干渉が生ずる可能性が高くなっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、加工ノズルの近傍や加工位置において出力測定のための占有スペースを小さく又は無くすことができるレーザー加工システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
本発明の一態様のレーザー加工システムは、レーザー発振器と、加工装置本体と、該加工装置本体に設けられ、前記レーザー発振器からレーザー光が供給される加工ノズルとを有するレーザー加工装置と、前記加工ノズルによる加工位置にワークを移動して該ワークに所定の加工を行うロボットと、前記加工装置本体に設けられた待機位置に配置され、前記加工ノズルからの前記レーザー光の出力を測定可能な出力測定器と、前記ロボットの動作を制御するロボット制御装置とを備え、該ロボット制御装置が、前記ロボットを、前記待機位置に配置された前記出力測定器を支持すると共に前記加工ノズルによる前記レーザー光の照射位置に移動させて前記出力の測定を行うように制御するように構成されている。
当該態様では、出力測定器はロボットにより支持されて出力測定位置に配置され、出力測定を行わない際は加工装置本体に設けられた待機位置に配置されるので、ワークに加工を行う際に加工ノズルの近傍のスペースや加工位置に出力測定器を配置する必要が無い。
上記態様において、前記ロボット制御装置が、所定のタイミングで前記出力測定器を前記照射位置に移動させて前記出力の測定を行うように前記ロボットを制御すると共に、測定された前記出力が基準値未満である場合に所定の報知装置を作動させるように構成されていても良い。
このように構成すると、加工ノズルの出力が基準値未満であることを確実に知ることができるので、加工の品質を確保する上で有利である。
上記態様において、前記ロボットの先端にツールチェンジャーのマスタープレートが取付けられ、該マスタープレートに着脱可能なツール側部材が前記出力測定器に取付けられていても良い。
このように構成する場合、例えばワークにもマスタープレートに着脱可能な形状を設け、ワーク加工の合間でも出力測定を容易に行うことが可能になる。
上記態様において、前記待機位置が前記加工ノズルからの前記レーザー光による加工位置よりも上方に位置していることが好ましい。
この構成により、ワークの加工により生ずる加工クズ等が出力測定器側に飛散し難くなり、出力測定器による正確な測定を行う上で有利である。
本発明によれば、加工ノズルの近傍や加工位置において出力測定のための占有スペースを小さく又は無くすことができる。
本発明の一実施形態に係るレーザー加工システムの要部斜視図である。 一実施形態のレーザー加工システムの要部側面図である。 一実施形態のレーザー加工システムの要部斜視図である。 一実施形態のレーザー加工システムの出力測定器の斜視図である。 一実施形態のレーザー加工システムの要部ブロック図である。 一実施形態の制御部の動作を示すフローチャートである。
本発明の一実施形態に係るレーザー加工システムを図面を参照して以下に説明する。
このレーザー加工システムは、図1に示すように、レーザー加工装置1とロボット2とを備えている。
レーザー加工装置1は、加工装置本体10と、周知のレーザー発振器20と、加工装置本体10内の所定位置に固定されると共にレーザー発振器20に接続された周知の加工ノズル40とを備えている。
加工装置本体10は、複数の梁からなる矩形状のフレーム11を有し、フレーム11は所定の設置位置に固定されている。フレーム11の左側および右側における前後方向中間位置にはそれぞれ上下方向に延びる梁12が設けられ、フレーム11の上側における前後方向中間位置には左右に延びる梁13が設けられている。また、梁13の下方には左右の梁12の間に渡されている梁14が設けられている。フレーム11の左側、右側、上側、背面側等にプレートを取付けることも可能である。
また、梁14の下方には左右の梁12に渡されている梁15が設けられ、フレーム11の前側にも梁15の高さ位置に梁16が固定されている。そして、梁15および梁16に水平方向に延びる板状の載置台17が固定され、載置台17がフレーム11の左側に配置されている。載置台17にはそれを上下方向に貫通する切欠き部17a(図3参照)が設けられている。
載置台17にはレーザー光の出力を測定可能なパワーメータ、エネルギーメータ等の出力測定器50が載置され、当該位置が出力測定器50の待機位置となっている。
レーザー発振器20は、CPU、RAM、ROM等を有するコンピュータから成る制御部21を有し、制御部21により加工ノズル40に供給するレーザー光の強度、タイミング等が制御される。
加工ノズル40はノズル支持部材41を介して梁13および梁14に固定されており、本実施形態では下方に向かってレーザー光を照射するように構成されている。
ロボット2は、複数の可動部を備えると共に、複数の可動部をそれぞれ駆動する複数のサーボモータ2aを備えている。ロボット2は先端部にツールチェンジャーのマスタープレート2bが取付けられている。
各サーボモータ2a(図5参照)として、回転モータ、直動モータ等の各種のサーボモータを用いることが可能である。各サーボモータ2aは作動位置を検出するエンコーダ等の作動位置検出装置を内蔵しており、作動位置検出装置の検出値がロボット制御装置30に送信される。
ロボット制御装置30は、図5に示すように、CPU、RAM、ROM等を有するコンピュータから成る制御部31と、不揮発性の記憶装置32と、複数のサーボモータ2aにそれぞれ対応するように設けられた複数のサーボ制御器33と、ロボット2の動作プログラムを作成する際等に操作する入力部34と、表示装置35とを備えている。各サーボ制御器33はプロセッサと、ROM、RAM等の記憶装置とを有し、各サーボモータ2aのサーボアンプに駆動信号を送ることにより各サーボモータ2aの作動位置、作動速度等の制御を行う。
記憶装置32にはシステムプログラム32aが格納されており、システムプログラム32aがロボット制御装置30の基本機能を担っている。また、記憶装置32には例えば入力部34を用いて作成された動作プログラム32bが少なくとも1つ格納されている。例えば、ロボット制御装置30の制御部31はシステムプログラム32aにより動作し、記憶装置32に格納されている動作プログラム32bを読み出してRAMに一時的に格納する。
そして、制御部31は、読み出した動作プログラム32bに沿って各サーボ制御器33と、マスタープレート2bの結合突起2cをクランプ状態とクランプ解除状態に切り替えるシリンダ等の結合突起駆動装置2dと、周知の表示装置や警報装置等の報知装置2eとに制御信号を送り、これにより各サーボモータ2aのサーボアンプ、結合突起駆動装置2d、および報知装置2eを制御する。
また、制御部31は、加工ノズル40に供給するレーザー光の強度、タイミング等を指示するレーザー照射指令信号をレーザー発振器20の制御部21に送信する。
図4に示されるように、出力測定器50には、ロボット2の先端部のマスタープレート2bに対応するツール側部材であるツールプレート51が固定されている。ツールプレート51は、上面が出力測定器50の受光軸線と直交する方向に延びる軸50aに固定された板状部材51aと、板状部材51aの下面から突出している突出部51bと、突出部51bに形成された結合穴51cとを有する。
また、板状部材51aは突出部51bが下に配置されるように載置台17上に載置され、この時、突出部51bが切欠き部17aを介して載置台17の下方に露出する。
このように板状部材51aが載置台17上に載置されると、出力測定器50が加工ノズル40からのレーザー光による加工位置よりも上方に配置される。
このレーザー加工システムは、ロボット2の先端部がワークの加工前保管場所に移動すると共に、ロボット2により結合突起2cをワークの所定位置に挿入してクランプ状態とし、ロボット2により当該ワークを加工ノズル40の照射方向に配置して当該ワークにレーザー加工を行い、加工後のワークをロボット2により所定の加工後保管場所に運ぶ。
また、このレーザー加工システムは、所定のタイミングで加工ノズル40の出力測定を行うように構成されている。所定のタイミングは入力部34等を操作することにより任意に設定することができ、所定の時間おきであっても良く、各加工ロットの加工開始前および/又は加工終了後であっても良い。加工ノズル40の出力測定を行う場合の制御部31の動作の一例を図6を参照しながら以下説明する。
先ず、ロボット制御装置30が所定のタイミングになると(ステップS1)、制御部31は、図2に示すように、ロボット2の先端部のマスタープレート2bが載置台17の下方に配置されると共に、マスタープレート2bの結合突起2cが出力測定器50のツールプレート51の結合穴51cに挿入されるように、各サーボ制御器33に制御信号を送る(ステップS2)。
続いて、制御部31は、結合穴51cに係合する突起が結合突起2cの外周面から突出することにより結合突起2cと結合穴51cとが結合されるように、結合突起駆動装置2dに制御信号を送る(ステップS3)。
次に、制御部31は、図3に示すように、加工ノズル40の照射位置に出力測定器50が配置されると共に、出力測定器50の受光軸線と加工ノズル40の照射軸線とが一致するように、各サーボ制御器33に制御信号を送る(ステップS4)。
続いて、制御部31は、所定強度のレーザー光を所定時間だけ照射させるためのレーザー照射指令信号をレーザー発振器20の制御部21に送信する(ステップS5)。これにより、出力測定器50によってレーザー光の出力が測定される。
次に、制御部31は、出力測定器50により測定された出力が基準値未満である場合は(ステップS6)、所定の報知動作を行わせるための報知指令信号を報知装置2eに送る(ステップS7)。
次に、制御部31は、突出部51bが下に配置されるように板状部材51aが載置台17上に載置されると共に、突出部51bが切欠き部17a内に配置されるように、各サーボ制御器33に制御信号を送る(ステップS8)。
続いて、制御部31は、結合穴51cに係合する突起が結合突起2c内に収容されることにより結合突起2cと結合穴51cとの結合が解除されるように、結合突起駆動装置2dに制御信号を送る(ステップS9)。そして、制御部31は、ロボット2が所定の待機位置に移動するように各サーボ制御器33に制御信号を送る(ステップS10)。
このように、本実施形態では、出力測定器50はロボット2により支持されて出力測定位置に配置され、出力測定を行わない際は加工装置本体10に設けられた待機位置に配置されるので、ワークに加工を行う際に加工ノズル40の近傍のスペースや加工位置に出力測定器50を配置する必要が無い。
また、測定された出力が基準値未満である場合に報知装置2eが作動するので、加工ノズルの出力が基準値未満であることを確実に知ることができ、加工の品質を確保する上で有利である。
また、ロボット2の先端にツールチェンジャーのマスタープレート2bが取付けられると共に、マスタープレート2bに着脱可能なツールプレート51が出力測定器50に取付けられており、ワークにもマスタープレート2bに着脱可能な形状が設けられているので、ワーク加工の合間でも出力測定を容易に行うことが可能になる。
また、出力測定器50の待機位置が加工ノズル40からのレーザー光による加工位置よりも上方に位置しているので、ワークの加工により生ずる加工クズ等が出力測定器50側に飛散し難くなり、出力測定器50による正確な測定を行う上で有利である。
なお、本実施形態では、ロボット2の先端にツールチェンジャーのマスタープレート2bを設けているが、ツールチェンジャーのマスタープレート2bの代わりにワークや出力測定器50を把持して保持可能な他の機構を採用することも可能である。
また、出力測定器50を載置台17に載置する代わりに、加工装置本体10に設けられ出力測定器50を収容可能な収容ケース内に出力測定器50を収容することも可能であり、加工装置本体10に設けられ出力測定器50を吊り下げ可能な吊り下げフックに出力測定器50を吊り下げることも可能である。これらの場合、収容された出力測定器50の位置や吊り下げられた出力測定器50の位置が待機位置となる。
また、本実施形態では加工ノズル40が加工装置本体10に固定されたものを示した。これに対し、加工装置本体10内に水平方向に延びるレールを設けると共に、加工ノズル40を当該レールに沿って移動可能に設けることも可能である。
1 レーザー加工装置
2 ロボット
2b マスタープレート
2c 結合突起
10 加工装置本体
17 載置台
20 レーザー発振器
21 制御部
30 ロボット制御装置
31 制御部
40 加工ノズル
41 ノズル支持部材
50 出力測定器
51 ツールプレート

Claims (4)

  1. レーザー発振器と、加工装置本体と、該加工装置本体に設けられ、前記レーザー発振器からレーザー光が供給される加工ノズルとを有するレーザー加工装置と、
    前記加工ノズルによる加工位置にワークを移動して該ワークに所定の加工を行うロボットと、
    前記加工装置本体に設けられた待機位置に配置され、前記加工ノズルからの前記レーザー光の出力を測定可能な出力測定器と、
    前記ロボットの動作を制御するロボット制御装置とを備え、
    該ロボット制御装置が、前記ロボットを、前記待機位置に配置された前記出力測定器を支持すると共に前記加工ノズルによる前記レーザー光の照射位置に移動させて前記出力の測定を行うように制御するレーザー加工システム。
  2. 前記ロボット制御装置が、所定のタイミングで前記出力測定器を前記照射位置に移動させて前記出力の測定を行うように前記ロボットを制御すると共に、測定された前記出力が基準値未満である場合に所定の報知装置を作動させる請求項1に記載のレーザー加工システム。
  3. 前記ロボットの先端にツールチェンジャーのマスタープレートが取付けられ、
    該マスタープレートに着脱可能なツール側部材が前記出力測定器に取付けられている請求項1又は2に記載のレーザー加工システム。
  4. 前記待機位置が前記加工ノズルからの前記レーザー光による加工位置よりも上方に位置している請求項1〜3の何れかに記載のレーザー加工システム。
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