JP6377495B2 - ゴムウエットマスターバッチの製造方法、ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および空気入りタイヤ - Google Patents

ゴムウエットマスターバッチの製造方法、ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、ゴムウエットマスターバッチの製造方法、ゴムウエットマスターバッチ、ゴム組成物および空気入りタイヤに関する。
従来から、ゴム業界においては、カーボンブラックなどの充填材を含有するゴム組成物を製造する際の加工性や充填材の分散性を向上させるために、ゴムウエットマスターバッチを用いることが知られている。これは、充填材と分散溶媒とを予め一定の割合で混合し、機械的な力で充填材を分散溶媒中に分散させた充填材含有スラリー溶液と、ゴムラテックス溶液と、を液相で混合し、その後、酸などの凝固剤を加えて凝固させたものを回収して乾燥するものである。ゴムウエットマスターバッチを用いる場合、充填材とゴムとを固相で混合して得られるゴムドライマスターバッチを用いる場合に比べて、充填材の分散性に優れ、加工性や補強性などのゴム物性に優れるゴム組成物が得られる。このようなゴム組成物を原料とすることで、例えば転がり抵抗が低減され、耐疲労性に優れた空気入りタイヤなどのゴム製品を製造することができる。
ゴムウエットマスターバッチの製造方法に関して、特許文献1には、天然ゴムラテックス水溶液とカーボンブラックスラリーを混合したもの(以下、「混合体」という)を撹拌しながら、混合体にギ酸を加えて、凝固させる方法が記載されている。
特開2006−213866号公報
しかしながら、本発明者が鋭意検討したところ、特許文献1に記載された方法では、混合体が天然ゴムラテックス水溶液およびカーボンブラックスラリーからなるため、撹拌の初期に、撹拌により混合体に効率的にせん断(シェア)を与えられず、目的の発熱性を示すゴムウエットマスターバッチを得るために撹拌時間がかかることがわかった。本発明者がさらに鋭意検討したところ、特許文献1に記載された方法では、撹拌であまり凝固がすすまず、ギ酸で急激に凝固がすすむため、発熱性が低下することもわかった。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、撹拌時間を短縮することが可能で、発熱性に優れた加硫ゴムの原料となるゴムウエットマスターバッチを得られるゴムウエットマスターバッチの製造方法を提供することにある。
即ち本発明は、第1充填材および第1ゴムラテックス溶液を含む配合溶液を凝固させる工程と、第2充填材を含むスラリー溶液、第2ゴムラテックス溶液および配合溶液を凝固させる工程により得られた事前凝固物を含む混合液を撹拌する工程とを含むゴムウエットマスターバッチの製造方法、に関する。本発明に係る製造方法では、スラリー溶液、第2ゴムラテックス溶液および事前凝固物を含む混合液を撹拌するため、撹拌の初期から混合液に効率的にせん断を与えることが可能で、撹拌時間を短縮できる。しかも、せん断により効率的に凝固がすすむので、穏やかな条件下で凝固をすすめることが可能で、熱履歴を低減できる。したがって、発熱性に優れた加硫ゴムの原料となるゴムウエットマスターバッチを得られる。
事前凝固物の粒径(90%D)は1mm以上であることが好ましい。1mm以上であると、混合液に効率的にせん断を与えることが可能で、撹拌時間を短縮できる。せん断により効率的に凝固がすすむので、発熱性に優れた加硫ゴムの原料となるゴムウエットマスターバッチを得られる。
混合液中の事前凝固物の含有量は、第2充填材、第2ゴムラテックス溶液の固形分および事前凝固物の合計100質量%中、0.1〜20質量%であることが好ましい。0.1質量%以上であると、混合液に効率的にせん断を与えることが可能で、撹拌時間を短縮できる。せん断により効率的に凝固がすすむので、発熱性に優れた加硫ゴムの原料となるゴムウエットマスターバッチを得られる。一方、事前凝固物が受ける熱履歴は、第2ゴムラテックス溶液中の固形分が受ける熱履歴よりも大きいので、事前凝固物の含有量が20質量%をこえると発熱性に優れた加硫ゴムの原料となるゴムウエットマスターバッチを得ることが難しいことがある。
事前凝固物が水を含んでもよい。
本発明に係るゴムウエットマスターバッチの製造方法は、混合液を撹拌する工程により得られた凝固混合液を凝固させる工程と、凝固混合液を凝固させる工程により得られた凝固物を脱水する工程とをさらに含んでもよい。
本発明はまた、かかる製造方法により得られたゴムウエットマスターバッチに関する。
本発明はまた、かかるゴムウエットマスターバッチを含むゴム組成物に関する。本発明に係るゴム組成物は、タイヤに好適に使用できる。本発明はまた、かかるゴム組成物を用いて得られた空気入りタイヤに関する。
[ゴムウエットマスターバッチの製造方法]
本発明に係るゴムウエットマスターバッチの製造方法は、第1充填材および第1ゴムラテックス溶液を含む配合溶液を凝固させる工程と、第2充填材を含むスラリー溶液、第2ゴムラテックス溶液および配合溶液を凝固させる工程により得られた事前凝固物を含む混合液を撹拌する工程とを含む。
本発明に係るゴムウエットマスターバッチの製造方法は、第1充填材および第1ゴムラテックス溶液を混合することにより配合溶液を得る工程をさらに含んでもよい。本発明に係るゴムウエットマスターバッチの製造方法は、スラリー溶液を得る工程をさらに含んでもよい。
すなわち、本発明に係るゴムウエットマスターバッチの製造方法は、配合溶液を得る工程と、配合溶液を凝固させる工程と、スラリー溶液を得る工程と、混合液を撹拌する工程とを含むことがある。
(配合溶液を得る工程)
配合溶液を得る工程は、第1充填材および第1ゴムラテックス溶液を混合するステップ(I)と、ステップ(I)により得られた充填材スラリー溶液および第3ゴムラテックス溶液を混合することにより配合溶液を得るステップ(II)とを含むことが好ましい。ステップ(I)により、第1充填材の表面の一部または全部に極薄いラテックス相を生成することが可能で、第1充填材の再凝集を防止できる。ステップ(I)、(II)では、さらに界面活性剤などを混合してもよい。
第1充填材とは、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムなど、ゴム工業において通常使用される無機充填材を意味する。無機充填材の中でも、カーボンブラックを特に好適に使用することができる。
カーボンブラックとしては、例えばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなど、通常のゴム工業で使用されるカーボンブラックの他、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックは、通常のゴム工業において、そのハンドリング性を考慮して造粒された、造粒カーボンブラックであってもよく、未造粒カーボンブラックであってもよい。
第1ゴムラテックス溶液としては、天然ゴムラテックス溶液および合成ゴムラテックス溶液を使用することができる。第1ゴムラテックス溶液は分散溶媒を含む。
天然ゴムラテックス溶液は、植物の代謝作用による天然の生産物であり、特に分散溶媒が水である、天然ゴム/水系のものが好ましい。天然ゴムラテックス溶液については濃縮ラテックスやフィールドラテックスといわれる新鮮ラテックスなど区別なく使用できる。合成ゴムラテックス溶液としては、例えばスチレン−ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴムを乳化重合により製造したものがある。
分散溶媒としては、特に水を使用することが好ましいが、例えば有機溶媒を含有する水であってもよい。
第1ゴムラテックス溶液の固形分(ゴム)濃度は、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜1.5質量%である。
ステップ(I)により得られた充填材スラリー溶液に関し、充填材スラリー溶液中の固形分量は、第1充填材との質量比で好ましくは0.5〜10%、より好ましくは1〜6%である。
第3ゴムラテックス溶液としては、天然ゴムラテックス溶液および合成ゴムラテックス溶液を使用することができる。第3ゴムラテックス溶液は分散溶媒を含む。
第3ゴムラテックス溶液の固形分濃度は、凝固物を乾燥させるために必要な時間・労力などを考慮して、適宜設定できる。時間・労力を考慮すると、第3ゴムラテックス溶液の固形分濃度は、第1ゴムラテックス溶液の固形分濃度よりも高いことが好ましい。具体的には、第3ゴムラテックス溶液の固形分濃度は、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜30質量%である。
ステップ(I)およびステップ(II)における混合方法としては、例えば、高せん断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの一般的な分散機で撹拌して混合する方法などが挙げられる。
「高せん断ミキサー」とは、ローターとステーターとを備えるミキサーであって、高速回転が可能なローターと、固定されたステーターと、の間に精密なクリアランスを設けた状態でローターが回転することにより、高せん断作用が働くミキサーを意味する。このような高せん断作用を生み出すためには、ローターとステーターとのクリアランスを0.8mm以下とし、ローターの周速を5m/s以上とすることが好ましい。このような高せん断ミキサーは、市販品を使用することができ、例えばSILVERSON社製「ハイシアーミキサー」が挙げられる。
配合溶液が、第1充填材および第1ゴムラテックス溶液を含む。ステップ(I)およびステップ(II)により配合溶液を得た場合、配合溶液が第3ゴムラテックス溶液などをさらに含む。
配合溶液中の第1充填材の含有量は、第1ゴムラテックス溶液の固形分および第3ゴムラテックス溶液の固形分の合計100質量部に対し、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上である。一方、配合溶液中の第1充填材の含有量は、合計100質量部に対し、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは60質量部以下である。
(配合溶液を凝固させる工程)
配合溶液を凝固させる工程は、好ましくは、配合溶液を撹拌することにより凝固させる工程である。なお、配合溶液を凝固させる工程は、配合溶液に凝固剤を添加するステップを含まないことが好ましい。凝固剤としては、酸などが挙げられる。
撹拌時間は、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上、さらに好ましくは8分以上である。一方、撹拌時間は、好ましくは60分以下、より好ましくは45分以下である。
配合溶液を凝固させる工程により得られた事前凝固物は、第1充填材およびゴム成分を含む。事前凝固物は、水をさらに含むことが好ましい。水は、第1ゴムラテックス溶液などに由来する。
事前凝固物の粒径(90%D)は、好ましくは1mm以上である。一方、事前凝固物の粒径(90%D)は、好ましくは100mm以下、より好ましくは50mm以下である。
なお、事前凝固物の粒径(90%D)は、次の方法で測定する。
[粒径(90%D)の測定]
JIS Z−8815−1994に準拠してふるい分け試験を行い、事前凝固物の粒径分布を測定する。次いで、ふるいの目開きごとのふるい上百分率を、最大目開きから順に加算することにより得られた積算ふるい上百分率が90%となる目開きを算出する。積算ふるい上百分率が90%となる目開きを「粒径(90%D)」という。
(スラリー溶液を得る工程)
スラリー溶液を得る工程としては、例えば、第2充填材およびスラリー溶液用分散溶媒を混合することによりスラリー溶液を得る工程、第2充填材および第4ゴムラテックス溶液を混合することによりスラリー溶液を得る工程などが挙げられる。なかでも、第2充填材および第4ゴムラテックス溶液を混合することによりスラリー溶液を得る工程が好ましい。これにより、第2充填材の表面の一部または全部に極薄いラテックス相を生成することが可能で、第2充填材の再凝集を防止できる。
第2充填材とは、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムなど、ゴム工業において通常使用される無機充填材を意味する。無機充填材の中でも、カーボンブラックを特に好適に使用することができる。
スラリー溶液用分散溶媒としては、特に水を使用することが好ましいが、例えば有機溶媒を含有する水であってもよい。
第4ゴムラテックス溶液としては、天然ゴムラテックス溶液および合成ゴムラテックス溶液を使用することができる。第4ゴムラテックス溶液は分散溶媒を含む。
第4ゴムラテックス溶液の固形分濃度は、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.2〜1.5質量%である。
混合方法としては、例えば、高せん断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの一般的な分散機で撹拌して混合する方法などが挙げられる。
スラリー溶液が第2充填材を含む。そして、スラリー溶液が第4ゴムラテックス溶液をさらに含むことがある。
(混合液を撹拌する工程)
混合液を撹拌する工程は、より具体的には、スラリー溶液、第2ゴムラテックス溶液および事前凝固物を配合するステップ(i)と、ステップ(i)により得られた混合液を撹拌するステップ(ii)とを含むことが好ましい。
ステップ(ii)は、好ましくは、混合液に熱を与えながら撹拌することにより混合液を凝固させるステップである。事前凝固物を含む混合液を撹拌するため、撹拌の初期から混合液に効率的にせん断を与えることが可能で、撹拌時間を短縮できる。しかも、せん断により効率的に凝固がすすむので、穏やかな条件下で凝固をすすめることが可能で、ゴム成分が受ける熱履歴を低減できる。
第2ゴムラテックス溶液としては、天然ゴムラテックス溶液および合成ゴムラテックス溶液を使用することができる。第2ゴムラテックス溶液は分散溶媒を含む。
第2ゴムラテックス溶液の固形分濃度は、凝固物を乾燥させるために必要な時間・労力などを考慮して、適宜設定できる。具体的には、第2ゴムラテックス溶液の固形分濃度は、好ましくは10〜60質量%、より好ましくは20〜30質量%である。
混合液に関し、事前凝固物の含有量は、第2充填材、第4ゴムラテックス溶液中の固形分、第2ゴムラテックス溶液中の固形分および事前凝固物の合計100質量%中、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上である。一方、事前凝固物の含有量は、合計100質量%中、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。
撹拌方法としては、例えば、高せん断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの一般的な分散機を使用して撹拌する方法などが挙げられる。
撹拌時間は、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上、さらに好ましくは8分以上である。一方、撹拌時間は、好ましくは60分以下、より好ましくは45分以下である。
混合液を撹拌することにより得られた凝固混合液は、凝固物を含む。
(その他の工程)
本発明に係るゴムウエットマスターバッチの製造方法は、凝固混合液を凝固させる工程をさらに含んでもよい。凝固混合液を凝固させる工程は、具体的には、凝固混合液に酸を添加することにより凝固混合液を凝固させる工程であり、より具体的には、凝固混合液を撹拌しながら凝固混合液に酸を添加する工程である。酸としては、凝固用として通常使用されるギ酸、硫酸などが挙げられる。
本発明に係るゴムウエットマスターバッチの製造方法は、凝固混合液を凝固させる工程により得られた凝固物を脱水する工程をさらに含んでもよい。凝固物を脱水することによりゴムウエットマスターバッチを得ることができる。
脱水方法としては、単軸押出機、オーブン、真空乾燥機、エアードライヤーなどの乾燥装置を使用して脱水する方法が挙げられる。なかでも、単軸押出機で脱水する方法が好ましい。単軸押出機を使用することにより、脱水・乾燥・可塑化できる。
なお、本発明に係るゴムウエットマスターバッチの製造方法は、凝固混合液から凝固物を取り出す工程をさらに含んでもよい。かかる工程により得られた凝固物を脱水することによりゴムウエットマスターバッチを得ることができる。
得られたゴムウエットマスターバッチを必要に応じて直方体状、略直方体状などに成型してもよい。
以上の方法により得られたゴムウエットマスターバッチが、ゴム成分および充填材を含む。そして、充填材が、第1充填材および第2充填材を含む。
ゴムウエットマスターバッチ中の充填材の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上である。一方、充填材の含有量は、ゴム成分100質量部に対し、好ましくは80質量部以下、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは60質量部以下である。
[ゴム組成物]
本発明に係るゴム組成物は、ゴムウエットマスターバッチと、必要に応じて硫黄系加硫剤、加硫促進剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加硫促進助剤、加硫遅延剤、有機過酸化物、老化防止剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などとを混練することにより、得ることができる。
本発明に係るゴム組成物は、ゴムウエットマスターバッチを含む。本発明に係るゴム組成物は、硫黄系加硫剤、加硫促進剤、シランカップリング剤、酸化亜鉛、ステアリン酸、加硫促進助剤、加硫遅延剤、有機過酸化物、老化防止剤、ワックスやオイルなどの軟化剤、加工助剤などをさらに含んでもよい。
硫黄系加硫剤としての硫黄は通常のゴム用硫黄であればよく、例えば粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを用いることができる。硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.3〜6質量部であることが好ましい。硫黄の含有量が0.3質量部未満であると、加硫ゴムの架橋密度が不足してゴム強度などが低下し、6質量部を超えると、特に耐熱性および耐久性の両方が悪化する。加硫ゴムのゴム強度を良好に確保し、耐熱性と耐久性をより向上するためには、硫黄の含有量がゴム成分100質量部に対して1.5〜5.5質量部であることがより好ましく、2.0〜4.5質量部であることがさらに好ましい。
加硫促進剤としては、ゴム加硫用として通常用いられる、スルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などの加硫促進剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して1〜5質量部であることがより好ましく、1.5〜4質量部であることがさらに好ましい。
老化防止剤としては、ゴム用として通常用いられる、芳香族アミン系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などの老化防止剤を単独、または適宜混合して使用しても良い。老化防止剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して0.5〜6.0質量部であることがより好ましく、1.0〜4.5質量部であることがさらに好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、空気入りタイヤに好適に使用できる。具体的には、空気入りタイヤのタイヤ部材の原料として好適に使用できる。より具体的には、トレッドなどの原料として好適に使用できる。
本発明に係る空気入りタイヤは、例えば、かかるゴム組成物を用いて得られたタイヤ部材を備える。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例などについて説明する。使用原料は以下のとおりである。
[使用原料]
a) 天然ゴムラテックス溶液 天然ゴム新鮮ラテックス溶液に常温で水を加えてゴム成分25質量%に調整したもの
b) 天然ゴム新鮮ラテックス溶液(NRフィールドラテックス、Dry Rubber Content=31.2%、質量平均分子量Mw=23.2万) Golden Hope社製
c) N330(カーボンブラック) 「シースト3」東海カーボン社製
d) 凝固剤 ギ酸(一級85%、10%溶液を希釈して、pH1.2に調整したもの)、ナカライテスク社製
e) 亜鉛華 「1号亜鉛華」三井金属社製
f) ステアリン酸 「ルナックS−20」花王社製
g) ワックス 「OZOACE0355」日本精蝋社製
h) 老化防止剤A 「ノクラック6C」大内新興化学工業社製
i) 老化防止剤B 「RD」大内新興化学工業社製
j) 硫黄 「粉末硫黄」鶴見化学工業社製
k) 加硫促進剤 「ノクセラーNS−P」大内新興化学工業社製
[事前凝固物の調製]
0.5質量%に調整した希薄天然ゴムラテックス溶液にカーボンブラック50質量部を添加し、次いで50℃に保持しながらシルバーソン社製攪拌機(フラッシュブレンド)を使用してカーボンブラックを分散させることにより(フラッシュブレンドの条件:3600rpm、30min)、「天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有スラリー溶液」を得た(微分散工程)。「天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有スラリー溶液」に、天然ゴムラテックス溶液(固形分(ゴム)濃度25質量%となるように水を添加して調整されたもの)を、微分散工程で使用した天然ゴムラテックス溶液と合わせて、固形分(ゴム)量で100質量部となるように添加することにより、「天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有天然ゴムラテックス溶液」を得た。カワタ社製混合器(スーパーミキサーSMV‐200)を使用して、「天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有天然ゴムラテックス溶液」を撹拌することにより凝固させた。特定の混合時間毎にサンプリングすることにより、90%Dが1mmである事前凝固物1(3分時)、90%Dが5mmである事前凝固物2(8分時)、90%Dが50mmである事前凝固物3(15分時)、90%Dが100mmである事前凝固物4(30分時)を得た。
[天然ゴムウエットマスターバッチの調製]
(実施例1〜7)
「天然ゴムラテックス粒子が付着したカーボンブラック含有スラリー溶液」、天然ゴムラテックス溶液(固形分(ゴム)濃度25質量%となるように水を添加して調整されたもの)および事前凝固物を配合することにより、事前凝固物を表1に記載の量含む混合液を得た。混合液を表1に記載の時間で撹拌することにより、凝固させ、凝固混合液を得た。90℃になるように凝固混合液を温めた後、凝固混合液にギ酸10質量%水溶液をpH4に成るまで添加し、さらに凝固させて、凝固物を得た。凝固物をスエヒロEPM社製スクリュープレスV−02型で水分率1.5%以下まで乾燥することにより、表1に記載の組成の天然ゴムウエットマスターバッチを得た。
(比較例1〜2)
事前凝固物を配合しなかった点以外は、実施例1と同様の方法で天然ゴムウエットマスターバッチを得た。
[評価]
表1に記載の配合処方に従い、各配合剤を配合し、神戸製鋼社製のB型バンバリーミキサーを用いて混練し、混練物を得た。混練物を150℃、30分間の条件で加硫することにより、加硫ゴムを得た。加硫ゴムについて、以下の評価条件に基づいて発熱性を評価した。結果を表1に示す。
(加硫ゴムの発熱性)
JIS K6265に準じて、加硫ゴムの発熱性を、損失正接tanδにより評価した。なお、tanδは、UBM社製レオスペクトロメーターE4000を使用し、50Hz、80℃、動的歪2%の状態で測定した。tanδの評価結果は、比較例1の値を100とした指数で表示した。数値が小さいほど発熱性が優れることを意味する。
Figure 0006377495
表1から、事前凝固物を含む混合液を10分撹拌して得られた実施例1〜7のゴムウエットマスターバッチの加硫ゴムは、発熱性に優れることがわかる。

Claims (7)

  1. 第1充填材および第1ゴムラテックス溶液を含む配合溶液を凝固させる工程と、
    第2充填材を含むスラリー溶液、第2ゴムラテックス溶液および前記配合溶液を凝固させる工程により得られた事前凝固物を含む混合液を撹拌する工程とを含むゴムウエットマスターバッチの製造方法。
  2. 前記事前凝固物の粒径(90%D)は1mm以上である請求項1に記載のゴムウエットマスターバッチの製造方法。
  3. 前記第2ゴムラテックス溶液が固形分を含み、
    前記混合液中の前記事前凝固物の含有量は、前記第2充填材、前記固形分および前記事前凝固物の合計100質量%中、0.1〜20質量%である請求項1または2に記載のゴムウエットマスターバッチの製造方法。
  4. 前記事前凝固物が水を含む請求項1〜3のいずれかに記載のゴムウエットマスターバッチの製造方法。
  5. 前記混合液を撹拌する工程により得られた凝固混合液を凝固させる工程と、
    前記凝固混合液を凝固させる工程により得られた凝固物を脱水する工程とをさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載のゴムウエットマスターバッチの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴムウエットマスターバッチの製造方法でゴムウエットマスターバッチを製造し、前記ゴムウエットマスターバッチの混練をおこなう工程を含む、ゴム組成物の製造方法。
  7. 請求項6に記載のゴム組成物の製造方法でゴム組成物を製造し、前記ゴム組成物を用いて空気入りタイヤを作製する工程を含む、空気入りタイヤの製造方法。
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