JP2019108505A - マスターバッチの製造方法、ゴム組成物の製造方法およびタイヤの製造方法 - Google Patents

マスターバッチの製造方法、ゴム組成物の製造方法およびタイヤの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】亜鉛華取り込み効率を向上することが可能なマスターバッチの製造方法を提供することである。【解決手段】マスターバッチの製造方法が、充てん剤を含む凝固処理前ゴムラテックスを凝固し、凝固物を得る工程と、凝固物を脱水する工程とを含み、凝固物を脱水する工程は、凝固物、または脱水した後の凝固物に、ゴム、充てん剤および亜鉛華を含む混合物を添加し、押出機20で脱水することを含む。【選択図】図1

Description

本開示は、マスターバッチの製造方法、ゴム組成物の製造方法およびタイヤの製造方法に関する。
亜鉛華は凝集しやすいため、亜鉛華をゴムに添加し、これを密閉式混練機で混練するという手法によってゴムに充分に分散させることが難しい。
亜鉛華の分散を向上するための方法として、水に、亜鉛華とカーボンブラックとを入れ、スラリーを作製し、スラリーと天然ゴムラテックスとを混合し、これを凝固し、凝固物を洗浄し乾燥し、マスターバッチを得る手順が知られている(特許文献1参照)。
特開2006−213791号公報
しかしながら、この手順は、亜鉛華取り込み効率が低い。これは、亜鉛華の比重が大きく、亜鉛華が沈殿しやすいため、凝固後の廃液に残りやすいからである。ここで、亜鉛華取り込み効率とは、凝固物に取り込まれる亜鉛華量の、亜鉛華使用量に対する比(凝固物に取り込まれる亜鉛華量/亜鉛華使用量)を意味する。
本開示における一つ目の目的は、亜鉛華取り込み効率を向上することが可能なマスターバッチの製造方法を提供することである。
本開示における二つ目の目的は、加硫ゴムの発熱性を低減することが可能であるとともに、加硫ゴムの耐屈曲き裂性を向上することができるマスターバッチの製造方法を提供することである。
本開示におけるマスターバッチの製造方法は、充てん剤を含む凝固処理前ゴムラテックスを凝固し、凝固物を得る工程と、凝固物を脱水する工程とを含み、凝固物を脱水する工程は、凝固物、または脱水した後の凝固物に、ゴム、充てん剤および亜鉛華を含む混合物を添加し、押出機で脱水することを含む。
実施形態1で使用する押出機の側面図である。
本開示における実施形態のマスターバッチの製造方法は、充てん剤を含む凝固処理前ゴムラテックスを凝固し、凝固物を得る工程と、凝固物を脱水する工程とを含み、凝固物を脱水する工程は、凝固物、または脱水した後の凝固物に、ゴム、充てん剤および亜鉛華を含む混合物を添加し、押出機で脱水することを含む。本開示における実施形態のマスターバッチの製造方法は、凝固処理前ゴムラテックスを得るために、充てん剤スラリーとゴムラテックスとを混合する工程を含むことができる。
本開示における実施形態のマスターバッチの製造方法は、亜鉛華取り込み効率を向上することができる。これは、凝固物に、ゴム、充てん剤および亜鉛華を含有する混合物を添加することによって、亜鉛華を凝固物に効率的に取り込むことができるためである。
本開示における実施形態のマスターバッチの製造方法は、ゴムに亜鉛華を添加し、これを密閉式混練機で混練する方法にくらべて、加硫ゴムの発熱性を低減することが可能であるとともに、加硫ゴムの耐屈曲き裂性を向上することができる。これは、凝固物に、混合物を添加し、押出機で脱水することによって、混合物添加後の凝固物に押出機のせん断を効率的に与えることが可能で、これによって亜鉛華の分散を向上できるからである。
本開示における実施形態のゴム組成物の製造方法は、本開示における実施形態のマスターバッチの製造方法を含む。たとえば、本開示における実施形態のゴム組成物の製造方法は、充てん剤を含む凝固処理前ゴムラテックスを凝固し、凝固物を得る工程と、凝固物を脱水し、マスターバッチを得る工程と、マスターバッチおよび配合剤を混練りする工程とを含む。
本開示における実施形態のタイヤの製造方法は、本開示における実施形態のマスターバッチの製造方法を含む。たとえば、本開示における実施形態のタイヤの製造方法は、充てん剤を含む凝固処理前ゴムラテックスを凝固し、凝固物を得る工程と、凝固物を脱水し、マスターバッチを得る工程とを含む。
本開示の実施形態において、充てん剤は、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウムなどの無機充てん剤であることができる。これらのうち、一つまたは複数を選択して、使用することができる。
実施形態1
ここからは、本開示の実施形態1について説明する。実施形態1は、充てん剤としてカーボンブラックを使用する。
実施形態1におけるタイヤの製造方法は、カーボンブラックスラリーとゴムラテックスとを混合し、凝固処理前ゴムラテックスを得る工程と、凝固処理前ゴムラテックスを凝固し、凝固物を得る工程と、凝固物を脱水し、マスターバッチを得る工程と、少なくともマスターバッチおよび配合剤を混練りし、ゴム混合物を得る工程と、ゴム混合物に加硫系配合剤を練り込み、ゴム組成物を得る工程と、ゴム組成物で作製した未加硫タイヤを加硫成型する工程とを含む。
実施形態1におけるタイヤの製造方法は、カーボンブラックスラリーとゴムラテックスとを混合し、凝固処理前ゴムラテックスを得る工程を含む。カーボンブラックスラリーでは、カーボンブラックが水中に分散している。カーボンブラックスラリーにおけるカーボンブラックの量は、カーボンブラックスラリー100質量%において、好ましくは1質量%以上、より好ましくは3質量%以上である。カーボンブラックスラリーにおけるカーボンブラック量の上限は、好ましくは15質量%、より好ましくは10質量%である。カーボンブラックスラリーは、たとえばカーボンブラックとゴムラテックス(以下、カーボンブラックと混合するためのゴムラテックスを「希薄ゴムラテックス」という。)とを混合することで得ることができる。カーボンブラックと希薄ゴムラテックスとを混合することによって、カーボンブラックの再凝集を防止できる。カーボンブラックの表面の一部または全部に極薄いラテックス相が生成し、ラテックス相がカーボンブラックの再凝集を抑制すると考えられるからである。カーボンブラックとしては、たとえばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなどのカーボンブラックのほか、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックは、そのハンドリング性を考慮して造粒された、造粒カーボンブラックであってもよく、未造粒カーボンブラックであってもよい。希薄ゴムラテックスでは、ゴム粒子が,コロイド状に水に分散している。希薄ゴムラテックスは、たとえば天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックスなどである。天然ゴムラテックス中の天然ゴムの数平均分子量は、たとえば200万以上である。合成ゴムラテックスは、たとえばスチレン−ブタジエンゴムラテックス、ブタジエンゴムラテックス、ニトリルゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックスである。希薄ゴムラテックスの乾燥ゴム分は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.2質量%以上、さらに好ましくは0.3質量%以上である。乾燥ゴム分の上限は、たとえば5質量%、好ましくは2質量%、さらに好ましくは1質量%である。カーボンブラックと希薄ゴムラテックスとは、高せん断ミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの一般的な分散機で混合できる。このような方法で得られたカーボンブラックスラリーと混合するためのゴムラテックスでは、ゴム粒子が,コロイド状に水に分散している。ゴムラテックスは、たとえば天然ゴムラテックス、合成ゴムラテックスなどである。ゴムラテックスの乾燥ゴム分は、希薄ゴムラテックスの乾燥ゴム分よりも高い。カーボンブラックスラリーと混合するためのゴムラテックスの乾燥ゴム分は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。ゴムラテックスにおける乾燥ゴム分の上限は、たとえば60質量%、好ましくは40質量%、さらに好ましくは30質量%である。カーボンブラックスラリーとゴムラテックスとは、高せん断ミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミルなどの一般的な分散機で混合できる。凝固処理前ゴムラテックスでは、ゴム粒子、カーボンブラックなどが水中に分散している。凝固処理前ゴムラテックスは亜鉛華を含んでいない。
凝固処理前ゴムラテックスを凝固し、凝固物を得る工程を、実施形態1におけるタイヤの製造方法はさらに含む。凝固を起こすために、凝固処理前ゴムラテックスに凝固剤を添加できる。凝固剤は、たとえば酸である。酸としてギ酸、硫酸などを挙げることができる。凝固処理前ゴムラテックスを凝固することで得られた凝固物は水を含む。
凝固物を脱水し、マスターバッチを得る工程を、実施形態1におけるタイヤの製造方法はさらに含む。この工程は、凝固物に混合物(ゴムとカーボンブラックと亜鉛華とを含む混合物)を添加し、混合物添加後の凝固物を押出機20(図1参照)で脱水することと、脱水された、混合物添加後の凝固物を成形することとを含む。脱水された、混合物添加後の凝固物の水分量は、好ましくは15%以下、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
凝固物を脱水し、マスターバッチを得る工程は、凝固物に混合物を添加し、混合物添加後の凝固物を押出機20(図1参照)で脱水することを含む。混合物は、ゴムとカーボンブラックと亜鉛華とを含む。混合物では、ゴム中に、カーボンブラックと亜鉛華とが分散している。ゴムは、たとえば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴムなどである。混合物における天然ゴムの量は、混合物中のゴム100質量%において、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。カーボンブラックとしては、たとえばSAF、ISAF、HAF、FEF、GPFなどのカーボンブラックのほか、アセチレンブラックやケッチェンブラックなどの導電性カーボンブラックを使用することができる。カーボンブラックは、そのハンドリング性を考慮して造粒された、造粒カーボンブラックであってもよく、未造粒カーボンブラックであってもよい。混合物のカーボンブラックは、American Society for Testing and Materials(ASTM)で、凝固物中のカーボンブラックと同じ分類に属していてもよく、異なる分類に属していてもよい。混合物におけるカーボンブラックの量は、混合物中のゴム100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上である。カーボンブラックの量は、混合物中のゴム100質量部に対して、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。混合物における亜鉛華の量は、混合物中のゴム100質量部に対して、たとえば2質量部以上であることができ、5質量部以上であることもできる。亜鉛華の量は、混合物中のゴム100質量部に対して、たとえば30質量部以下であることができ、20質量部以下であることもできる。混合物は、前述の手順と同様の手順(具体的には、カーボンブラックスラリーとゴムラテックスとを混合し、凝固処理前ゴムラテックスを得る工程と、凝固処理前ゴムラテックスを凝固し、凝固物を得る工程とを含む手順)で得られた凝固物(以下、「亜鉛華添加前凝固物」という)を脱水し、脱水後の亜鉛華添加前凝固物と亜鉛華とを混練りすることで製造することができる。亜鉛華添加前凝固物の組成は、前述の凝固物(混合物が添加される凝固物)の組成と同じであっても、異なっていてもよい。亜鉛華添加前凝固物を脱水するために、たとえば、押出機20を使用することができる。脱水後の亜鉛華添加前凝固物と亜鉛華とを混練りするために混練機を使用できる。混練機として密閉式混練機、オープンロールなどを挙げることができる。密閉式混練機としてバンバリーミキサー、ニーダーなどを挙げることができる。いっぽう、混合物は、ゴムとカーボンブラックと亜鉛華とを混練りすることでも製造することができる。これらを混練りするために、混練機を使用できる。
図1に示すように、混合物添加後の凝固物を脱水するための押出機20は、単軸押出機であり、スクリュー23と外筒27とを備える。スクリュー23の内部には、加熱流体用の流路(図示せず)が設けられている。すなわち、スクリュー23は、加熱流体用の流路を備える。加熱流体としては、たとえば蒸気を挙げることができる。押出機20は、スクリュー23の回転だけでなく加熱流体で、混合物添加後の凝固物を加熱することができる。外筒27は、第一外筒25と第二外筒26とを含む。第二外筒26は、第一外筒25の下流に位置する。第一外筒25には、スリット24が設けられている。第一外筒25は、押出機20の第一領域21を構成する。第二外筒26は、押出機20の第二領域22を構成する。押出機20は、ジャケット28をさらに備えることができる。押出機20は、供給口29を有する。押出機20に、凝固物と混合物とを別個に投入してもよく、凝固物と混合物とを合わせ、これを押出機20に投入してもよい。混合物添加後の凝固物は、第一領域21と第二領域22とで脱水され、排出口30から排出される。このように、押出機20は、熱による水分除去と圧搾による水分除去とで、混合物添加後の凝固物を脱水できる。
押出機20で脱水された、混合物添加後の凝固物を成形することを、この工程(凝固物を脱水し、マスターバッチを得る工程)は含むことができる。このようにして得られたマスターバッチは、ゴム、カーボンブラックおよび亜鉛華を含む。
マスターバッチはゴムを含む。ゴムは、たとえば天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴムなどである。マスターバッチにおける天然ゴムの量は、ゴム100質量%において、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは100質量%である。
マスターバッチは、混合物に由来するゴムを含む。混合物に由来するゴムの量は、マスターバッチ中のゴム100質量%に対して、たとえば40質量%以下であることができ、30質量%以下であることもでき、20質量%以下であることもでき、10質量%以下であることもできる。ただし、混合物に由来するゴムの量が多すぎると、発熱性の改善効果が落ちる傾向がある。これは、混合物に由来するゴムが、混練りによって熱とせん断とを受けているためである。いっぽう、混合物に由来するゴムの量は、マスターバッチ中のゴム100質量%に対して、たとえば1質量%以上であることができ、5質量%以上であることもできる。
マスターバッチはカーボンブラックをさらに含む。カーボンブラックの量は、マスターバッチ中のゴム100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上である。カーボンブラックの量は、マスターバッチ中のゴム100質量部に対して、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。
マスターバッチは亜鉛華をさらに含む。亜鉛華の量は、マスターバッチ中のゴム100質量部に対して、たとえば0.5質量部以上であることができ、2質量部以上であることもできる。亜鉛華の量は、マスターバッチ中のゴム100質量部に対して、たとえば10質量部以下であることができ、8質量部以下であることもでき、5質量部以下であることもできる。
マスターバッチと配合剤とを混練りし、ゴム混合物を得る工程を、実施形態1におけるタイヤの製造方法は含む。配合剤としては、充てん剤、ステアリン酸、ワックス、老化防止剤など挙げることができる。これらのうち、一つまたは複数を選択して、マスターバッチと混練することができる。この工程でマスターバッチに添加する配合剤は亜鉛華を含んでいない。老化防止剤として、芳香族アミン系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤などを挙げることができる。この混練りの工程では、マスターバッチおよび配合剤とともに、ほかのゴムを混練りすることができる。混練り時にマスターバッチに追加するゴムとして、たとえば、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴムなどを挙げることができる。混練りは、混練機でおこなうことができる。混練機として密閉式混練機、オープンロールなどを挙げることができる。密閉式混練機としてバンバリーミキサー、ニーダーなどを挙げることができる。
ゴム混合物に加硫系配合剤を練り込み、ゴム組成物を得る工程を、実施形態1におけるタイヤの製造方法はさらに含む。加硫系配合剤として硫黄、有機過酸化物などの加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤、加硫遅延剤などを挙げることができる。硫黄として粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などを挙げることができる。加硫促進剤としてスルフェンアミド系加硫促進剤、チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤、チオウレア系加硫促進剤、グアニジン系加硫促進剤、ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤などを挙げることができる。
ゴム組成物は、マスターバッチに由来するゴムを含む。マスターバッチに由来するゴムの量は、ゴム組成物中のゴム100質量%に対して、たとえば、40質量%以上であることができ、60質量%以上であることができ、80質量%以上であることができ、100質量%であることもできる。
ゴム組成物はカーボンブラックを含む。カーボンブラックの量は、ゴム組成物中のゴム100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上、さらに好ましくは30質量部以上である。カーボンブラックの量は、ゴム組成物中のゴム100質量部に対して、好ましくは80質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。
ゴム組成物は亜鉛華を含む。亜鉛華の量は、ゴム組成物中のゴム100質量部に対して、好ましくは0.5質量部以上、より好ましくは1質量部以上である。亜鉛華の量は、ゴム組成物中のゴム100質量部に対して、好ましくは10質量部以下、より好ましくは5質量部以下である。
ゴム組成物は、ステアリン酸、ワックス、老化防止剤、硫黄、加硫促進剤などをさらに含むことができる。硫黄の量は、ゴム組成物中のゴム100質量部に対して、硫黄分換算で好ましくは0.5質量部〜5質量部である。加硫促進剤の量は、ゴム組成物中のゴム100質量部に対して、好ましくは0.1質量部〜5質量部である。
ゴム組成物は、タイヤの作製に使用できる。具体的には、タイヤを構成するタイヤ部材の作製に使用可能である。たとえば、トレッドゴム、サイドウォールゴム、チェーハーゴム、ビードフィラーゴムなどの作製にゴム組成物を使用できる。
ゴム組成物で作製した未加硫タイヤを加硫成型する工程を、実施形態1におけるタイヤの製造方法は含む。未加硫タイヤは、ゴム組成物で作製したタイヤ部材を備える。すなわち、未加硫タイヤが、ゴム組成物を含むタイヤ部材を備える。実施形態1の方法で得られたタイヤは、たとえば空気入りタイヤであることができる。
ここまで説明したように、実施形態1におけるマスターバッチの製造方法は、亜鉛華取り込み効率を向上することが可能であるとともに、加硫ゴムの発熱性・耐屈曲き裂性を向上することができる。さらに、実施形態1におけるマスターバッチの製造方法は、亜鉛華取り込み量の制御性に優れている。さらに、実施形態1におけるマスターバッチの製造方法は、未加硫ゴムのムーニー粘度を低減できる。
変形例1
実施形態1では、押出機20で脱水する前の凝固物に混合物を添加し、これを、押出機20で一回脱水し、成形するものの、実施形態1における変形例1では、押出機20で脱水する前の凝固物に混合物を添加し、これを、押出機20で複数回(たとえば二回)脱水し、成形する。変形例1では、このさらなる脱水、すなわち2回目以降の脱水のために、押出機20に代えて、真空乾燥機、エアドライヤーなどを使用してもよい。
変形例2
実施形態1では、押出機20で脱水する前の凝固物に混合物を添加し、これを押出機20で脱水するものの、実施形態1における変形例2では、押出機20で凝固物を、一回または複数回脱水し、混合物を添加し、これを押出機20で脱水する。変形例2では、混合物添加前の脱水のために、押出機20に代えて、真空乾燥機、エアドライヤーなどを使用してもよい。変形例2では、混合物が添加される時点で、凝固物の水分が低減されているため、混合物添加後の凝固物に熱とせん断とを効率よく与えることができる。
変形例3
実施形態1では、マスターバッチに添加する配合剤が亜鉛華を含んでいないものの、実施形態1における変形例3では、マスターバッチに添加する配合剤が亜鉛華を含んでいる。
変形例4
実施形態1では、カーボンブラックスラリーを得るために、カーボンブラックと希薄ゴムラテックスとを混合するものの、実施形態1の変形例4では、この操作に代えて、カーボンブラックスラリーを得るためにカーボンブラックと水とを混合する。
これらの変形例から、一つまたは複数を選択して、実施形態1に、組み合わせることはもちろん可能である。
以下に、本開示の実施例を説明する。
原料・薬品を次に示す。
天然ゴムラテックス(乾燥ゴム分=31.2% Mw=23.2万) Golden Hope社製
凝固剤 ギ酸(一級85%)ナカライテスク社製 (10%溶液を希釈し、pH1.2に調整し、使用した)
カーボンブラック 「シースト3」(N330)東海カーボン社製
亜鉛華 「1号亜鉛華」三井金属社製
ステアリン酸 「ルナックS−20」花王社製
老化防止剤A 「ノクラック6C」大内新興化学工業社製
老化防止剤B 「RD」大内新興化学工業社製
ワックス 「OZOACE0355」日本精蝋社製
硫黄 「粉末硫黄」鶴見化学工業社製
加硫促進剤 「ノクセラーNS−P」大内新興化学工業社製
混合物の作製
Golden Hope社製の天然ゴムラテックスに25℃で水を加え、乾燥ゴム分を25質量%に調整した。いっぽう、カーボンブラックを水に添加し、撹拌し、カーボンブラックスラリーを得た。カーボンブラックスラリーを、乾燥ゴム分25質量%の天然ゴムラテックスに表1にしたがって加え、撹拌し、凝固剤をpH4になるまで添加し、凝固物を得た。凝固物を、水分率が3質量%以下になるようにスクイザー式1軸押出脱水機(スエヒロEPM社製スクリュープレスV−02型)で160℃で脱水した。脱水後の凝固物に表1にしたがって亜鉛華を添加し、神戸製鋼社製のB型バンバリーミキサーで混練りし、混合物を得た。
Figure 2019108505
実施例1におけるマスターバッチの作製
Golden Hope社製の天然ゴムラテックスに25℃で水を加え、乾燥ゴム分を25質量%に調整した。いっぽう、カーボンブラックを水に添加し、撹拌し、カーボンブラックスラリーを得た。カーボンブラックスラリーを、乾燥ゴム分25質量%の天然ゴムラテックスに表2にしたがって加え、撹拌し、凝固剤をpH4になるまで添加し、凝固物を得た。凝固物に、表2にしたがって混合物を添加し、これを、水分率が3質量%以下になるようにスクイザー式1軸押出脱水機で160℃で脱水し、マスターバッチを得た。
実施例2におけるマスターバッチの作製
実施例1と同じ方法で作製した凝固物に、表2にしたがって混合物を添加し、これを、水分率が10質量%以下になるようにスクイザー式1軸押出脱水機で160℃で一次脱水した。これを、水分率が3質量%以下になるようにスクイザー式1軸押出脱水機で160℃で二次脱水し、マスターバッチを得た。
実施例3におけるマスターバッチの作製
実施例1と同じ方法で作製した凝固物を、水分率が10質量%以下になるようにスクイザー式1軸押出脱水機で160℃で一次脱水した。一次脱水後の凝固物に、表2にしたがって混合物を添加し、これを、水分率が3質量%以下になるようにスクイザー式1軸押出脱水機で160℃で二次脱水し、マスターバッチを得た。
比較例1におけるマスターバッチの作製
実施例1と同じ方法で作製した凝固物を、水分率が3質量%以下になるようにスクイザー式1軸押出脱水機で160℃で脱水し、マスターバッチを得た。
比較例2におけるマスターバッチの作製
Golden Hope社製の天然ゴムラテックスに25℃で水を加え、乾燥ゴム分を25質量%に調整した。いっぽう、カーボンブラックと亜鉛華とを水に添加し、撹拌し、亜鉛華を含有するカーボンブラックスラリーを得た。カーボンブラックスラリーを、乾燥ゴム分25質量%の天然ゴムラテックスに表2にしたがって加え、撹拌し、凝固剤をpH4になるまで添加し、凝固物を得た。凝固物を、水分率が3質量%以下になるようにスクイザー式1軸押出脱水機で160℃で脱水し、マスターバッチを得た。
比較例3におけるマスターバッチの作製
実施例1と同じ方法で作製した凝固物に、表2にしたがって亜鉛華を添加し、これを、水分率が3質量%以下になるようにスクイザー式1軸押出脱水機で160℃で脱水し、マスターバッチを得た。
Figure 2019108505
各例における未加硫ゴムの作製
マスターバッチに、硫黄と加硫促進剤とを除く配合剤を表3にしたがって添加し、神戸製鋼社製のB型バンバリーミキサーで混練りし、ゴム混合物を排出した。ゴム混合物と硫黄と加硫促進剤とをB型バンバリーミキサーで混練りし、未加硫ゴムを得た。
ムーニー粘度
JIS K6300に準じて、東洋精機製作所製のロータレスムーニー測定機を用い、未加硫ゴムを100℃で1分間予熱した後にローターを回転させ、回転開始から4分後のトルク値をムーニー単位で記録した。比較例1のムーニー粘度を100とした指数で、各例のムーニー粘度を表示した。指数が小さいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れる。
損失正接tanδ
未加硫ゴムを150℃で30分間加硫し、加硫ゴムの発熱性を、JIS K−6394に準じてtanδで評価した。tanδは、UBM社製レオスペクトロメーターE4000を使用し、50Hz、80℃、動的歪2%の試験で求めた。比較例1のtanδを100とした指数で、各例のtanδを表示した。指数が小さいほど発熱性が低く、良好である。
耐屈曲き裂性
未加硫ゴムを150℃で30分間加硫し、加硫ゴムの耐屈曲き裂性を求めた。具体的には、JIS K6260に準じてデマチャ式屈曲試験機で加硫ゴムに繰り返し屈曲を与え、亀裂長さが3級に達するのに要する屈曲回数を測定した。比較例1の屈曲回数を100とした指数で、各例の屈曲回数を表示した。指数が大きいほど、き裂長さが3級に達するのに要する屈曲回数が多く、耐屈曲き裂性に優れる。
Figure 2019108505
実施例1における加硫ゴムの発熱性・耐屈曲き裂性は、比較例1のそれらにくらべて優れていた。実施例1のムーニー粘度も、比較例1のそれにくらべて優れていた。
実施例3(二次脱水で混合物を凝固物に添加した例)のムーニー粘度は、実施例2(一次脱水で混合物を凝固物に添加した例)のそれにくらべて優れていた。これは、実施例3における混合物添加時の凝固物の水分が実施例2のそれより少ないため、実施例3が、実施例2に比べて、せん断と熱を効率よく加えることができ、マスターバッチを可塑化できたからだと考えられる。
実施例3の耐屈曲き裂性も、実施例2のそれにくらべて優れていた。これは、実施例3が、実施例2に比べて、凝固物に、せん断を効率よく与えることができ、亜鉛華を分散することができたからだと考えられる。
実施例4におけるマスターバッチの作製
Golden Hope社製の天然ゴムラテックスに25℃で水を加え、乾燥ゴム分0.5質量%の希薄天然ゴムラテックスと、乾燥ゴム分25質量%の天然ゴムラテックスとを得た。希薄天然ゴムラテックスにカーボンブラックを添加し、シルバーソン社製の攪拌機「フラッシュブレンド」を用いて3600rpm、30minで撹拌し、カーボンブラックスラリーを得た。カーボンブラックスラリーを、乾燥ゴム分25質量%の天然ゴムラテックスに表4にしたがって加え、カワタ社製の混合器「スーパーミキサーSMV‐20」で撹拌し、凝固剤をpH4になるまで添加し、凝固物を得た。凝固物に、表4にしたがって混合物を添加し、これを、水分率が3質量%以下になるようにスクイザー式1軸押出脱水機で160℃で脱水し、マスターバッチを得た。
比較例4におけるマスターバッチの作製
実施例4と同じ方法で作製した凝固物を、水分率が3質量%以下になるようにスクイザー式1軸押出脱水機で160℃で脱水し、マスターバッチを得た。
Figure 2019108505
実施例4・比較例4における未加硫ゴムの作製
マスターバッチに、硫黄と加硫促進剤とを除く配合剤を表5にしたがって添加し、神戸製鋼社製のB型バンバリーミキサーで混練りし、ゴム混合物を排出した。ゴム混合物と硫黄と加硫促進剤とをB型バンバリーミキサーで混練りし、未加硫ゴムを得た。
未加硫ゴムおよび加硫ゴムの評価
ムーニー粘度、tanδおよび耐屈曲き裂性をすでに述べた方法で評価した。実施例4のムーニー粘度は、比較例4のムーニー粘度を100とした指数で表示した。指数が小さいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れる。実施例4のtanδは、比較例4のtanδを100とした指数で表示した。指数が小さいほど発熱性が低く、良好である。実施例4の屈曲回数は、比較例4の屈曲回数を100とした指数で表示した。指数が大きいほど、き裂長さが3級に達するのに要する屈曲回数が多く、耐屈曲き裂性に優れる。
Figure 2019108505
実施例4のムーニー粘度・発熱性・耐屈曲き裂性は、比較例4のそれらにくらべて優れていた。

Claims (3)

  1. 充てん剤を含む凝固処理前ゴムラテックスを凝固し、凝固物を得る工程と、
    前記凝固物を脱水する工程とを含み、
    前記凝固物を脱水する前記工程は、前記凝固物、または脱水した後の前記凝固物に、ゴム、充てん剤および亜鉛華を含む混合物を添加し、押出機で脱水することを含む、
    マスターバッチの製造方法。
  2. 請求項1に記載のマスターバッチの製造方法で得られたマスターバッチと配合剤とを混練りする工程を含む、ゴム組成物の製造方法。
  3. 請求項1に記載のマスターバッチの製造方法を含む、タイヤの製造方法。

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