JP6368969B2 - チアミン類の塩の呈味改善方法、ならびに食品添加剤の製造方法および食品添加剤 - Google Patents
チアミン類の塩の呈味改善方法、ならびに食品添加剤の製造方法および食品添加剤 Download PDFInfo
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自家製小型燻製装置(燻煙を発生させる空間(A):30cm×16cm×16cm(縦×横×奥行):燻煙を充満させる空間(B):29cm×30cm×28cm(縦×横×奥行):(B)の背面にファンが設置されており、(A)で発生させる燻煙を、パイプを通して(B)に送り込み、(B)で燻煙を充満させるとともに煙突から排気する)用いて、チアミンラウリル硫酸塩30gを燻煙処理した。燻煙材としてサクラチップ80gを用い、40℃にて20分間燻煙処理し、燻煙処理したチアミンラウリル硫酸塩を得た。
実施例1で得られた燻煙処理したチアミンラウリル硫酸塩の官能評価を実施した。評価方法としては、12人のパネラーが試食し、風味について、燻煙処理していないチアミンラウリル硫酸塩(コントロール)と比較して採点を行った。採点方法は、「ビタミンB1特有の風味を感じない」場合を3点、「ビタミンB1特有の風味を僅かに感じる」場合を2点、「ビタミンB1特有の風味を少し感じる」場合を1点、および「ビタミンB1特有の風味をはっきり感じる」場合を0点とした。パネラー12人の点数を合計し、採点結果を得た。得られた採点結果に基づき、総合的に評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例1により得られた燻煙処理したチアミンラウリル硫酸塩0.012質量%とグリシン0.588質量%とを混合して製剤(製剤1)を調製した。
コントロールとして、チアミンラウリル硫酸塩を混合せず、代わりにデキストリンを0.012質量%混合したこと以外は実施例3と同様にして製剤(製剤C−1)を調製した。
コントロールとして、チアミンラウリル硫酸塩を燻煙処理しなかったこと以外は実施例3と同様にして製剤(製剤C−2)を調製した。
表2に示す配合比の原材料で、カスタードクリームを調製した。まず、グラニュー糖、コーンスターチ、牛乳、および0.6%(原材料全体に対して)の製剤1を混合し、50℃まで加熱した。次いで、卵黄およびバターを加え、85℃まで加熱し、その後放冷してカスタードクリームを得た。
コントロールとして、製剤1の代わりに製剤C−1を用いたこと以外は実施例4と同様にしてカスタードクリームを得、得られたカスタードクリームの官能評価を実施例2と同様にして行った。結果を表3に示す。
コントロールとして、製剤1の代わりに製剤C−2を用いたこと以外は実施例4と同様にしてカスタードクリームを得、得られたカスタードクリームの官能評価を実施例2と同様にして行った。結果を表3に示す。
回転ドラム式燻製装置(300L容量)を用いて、チアミンラウリル硫酸塩20質量%とデキストリン80質量%とを含有するチアミンラウリル硫酸塩組成物(以下、「チアミンラウリル硫酸塩組成物」)20kgを燻煙処理した。燻煙材としてホワイトオークチップ1kgを用い、40℃にて2時間燻煙処理し、燻煙処理したチアミンラウリル硫酸塩組成物を得た。
燻煙材として、ホワイトオークチップの代わりにサクラチップを用いたこと以外は実施例4と同様にして、燻煙処理したチアミンラウリル硫酸塩組成物を得た。
実施例5および6で得られた燻煙処理したチアミンラウリル硫酸塩組成物の官能評価を実施例2と同様にして実施した。結果を表4に示す。
実施例5により得られた燻煙処理したチアミンラウリル硫酸塩組成物0.1質量%とグリシン0.98質量%とを混合して製剤(製剤2)を調製した。
実施例6により得られた燻煙処理したチアミンラウリル硫酸塩組成物0.1質量%とグリシン0.98質量%とを混合して製剤(製剤3)を調製した。
コントロールとして、チアミンラウリル硫酸塩組成物を混合せず、代わりにデキストリンを0.1質量%混合したこと以外は実施例8と同様にして製剤(製剤C−3)を調製した。
コントロールとして、チアミンラウリル硫酸塩組成物を燻煙処理しなかったこと以外は実施例8と同様にして製剤(製剤C−4)を調製した。
製剤1の代わりに製剤2を用いたこと以外は実施例4と同様にしてカスタードクリームを得、得られたカスタードクリームの官能評価を実施例2と同様にして行った。結果を表5に示す。
製剤1の代わりに製剤3を用いたこと以外は実施例4と同様にしてカスタードクリームを得、得られたカスタードクリームの官能評価を実施例2と同様にして行った。結果を表5に示す。
コントロールとして、製剤1の代わりに製剤C−3を用いたこと以外は実施例4と同様にしてカスタードクリームを得、得られたカスタードクリームの官能評価を実施例2と同様にして行った。結果を表5に示す。
コントロールとして、製剤1の代わりに製剤C−4を用いたこと以外は実施例4と同様にしてカスタードクリームを得、得られたカスタードクリームの官能評価を実施例2と同様にして行った。結果を表5に示す。
グラニュー糖、コーンスターチ、牛乳、および製剤2を混合する工程と50℃まで加熱する工程との間に、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)を最終濃度が102個/gになるように接種する工程を追加したこと以外は実施例4と同様にして、カスタードクリームを得た。
製剤2の代わりに製剤3を用いたこと以外は実施例12と同様にしてカスタードクリームを得、得られたカスタードクリームの官能評価を実施例2と同様にして行った。結果を表6に示す。
コントロールとして、製剤2の代わりに製剤C−3を用いたこと以外は実施例12と同様にしてカスタードクリームを得、得られたカスタードクリームの官能評価を実施例2と同様にして行った。結果を表6に示す。
コントロールとして、製剤2の代わりに製剤C−4を用いたこと以外は実施例12と同様にしてカスタードクリームを得、得られたカスタードクリームの官能評価を実施例2と同様にして行った。結果を表6に示す。
<14−1.試験方法>
下記の製剤を作製し、B1臭について官能評価を行った。
製剤A:チアミンラウリル硫酸塩 9.68%、95度アルコール 59.26%を配合した製剤
製剤B:燻製処理チアミンラウリル硫酸塩(ホワイトオーク)9.68%、95度アルコール 59.26%を配合した製剤
上記製剤AおよびBを35℃で6日保存後、臭いを官能評価した。パネル12人、評価点は(実施例2)と同様の基準で行った。その結果、製剤Bの方が、製剤Aより顕著なB1臭低減が確認された(表7)。
<14−2.官能評価結果>
<15−1.試験方法>
<15−1.>で作製した「製剤A」「製剤B」をコンソメゼリーに添加し、抗菌性を比較した。
[コンソメゼリー配合]
水 98
ゼラチン 4
チキンコンソメ 2
上記の配合に「製剤A」または「製剤B」を0、 0.03、 0.05、 0.1%添加し、電子レンジで加熱溶解した。
冷蔵庫で冷やし固め、乳酸菌Leuconostoc mesenteroidesをコンソメゼリー重量に対し102cfu/gを植菌し、10℃・72時間保存し菌数を検査した。菌数検査は保存直後(初発菌数)、保存後48時間、72時間経過時の菌数を、BCP加プレート寒天培地を用いた希釈法にて計測した。その結果、表8に示すように、製剤Aと製剤Bの抗菌力は同等であることが確認された。
<15−3.菌数検査結果>
<16−1.試験方法>
市販のめんつゆ(2倍濃縮)を2倍希釈し「製剤A」または「製剤B」をめんつゆ重量に対し0.1、0.2%添加。30℃・1日保存後、官能評価。パネル12人、評価点は(実施例2)と同様の基準とした。製剤Aと比較して0.1、0.2%両添加区分において、顕著に製剤BのビタミンB1臭、味の低減が確認できた(表9)。
<16−2.官能評価>
<17−1.試験方法>
燻製処理チアミンラウリル硫酸塩(ホワイトオーク)をGCMS用バイアル瓶に3g入れ、ヘッドスペーストラップ法にて、以下の条件でガスクロマトグラフ質量分析(GCMS)した。
Turbo Matrix Trap40 (HSトラップサンプラー:PerkinElmer社製)
≪使用カラム≫DB-1(60m×0.32mm×i.d. with a 1μm film)
≪GCMS条件≫
<昇温プログラム>
イニシャル温度:40℃、イニシャル時間:1分間、昇温速度:10℃/分、ファイナル温度:230℃、ファイナル時間:6分間
<注入口温度> 180℃
<インターフェースライン温度> 250℃
<イオンソース温度> 150℃
<カラム入口圧> 20psig
<流量> 2.6mL/分
<線速度> 33.6cm/秒
≪トラップ条件≫
[温度] オーブン:150℃、ニードル:155℃、トランスファー:160℃、トラップhigh:240℃、low:40℃
[時間] 加熱:20分間、サイクル:1回、脱着:1分間、ホールド:10分間,ドライパージ5分間、ホールド7分間、
[ppc] カラム圧力20psi、バイアル加圧時の圧力 40psi、 サンプルからトラップへ脱着時の圧力 20psi
GCMSによる分析結果を表10および図1に示す。
Claims (6)
- チアミン類の塩を燻煙で処理する工程を含む、チアミン類の塩の呈味改善方法。
- 前記チアミン類の塩が、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、およびスルホン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の塩である、請求項1に記載の方法。
- チアミン類の塩を燻煙で処理する工程を含む、食品添加剤の製造方法。
- 前記チアミン類の塩が、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、およびスルホン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の塩である、請求項3に記載の方法。
- 食品の製造方法であって、
チアミン類の塩を燻煙で処理し、食品添加剤を得る工程、および
該食品添加剤を食品素材に添加する工程
を含む、方法。 - 前記チアミン類の塩が、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、およびスルホン酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の塩である、請求項5に記載の方法。
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