JP6365091B2 - 車両用レールの取付構造 - Google Patents
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Description
この構成によれば、ボルトヘッドの直線部の側面に治具を安定した状態で押し当てることができる。
図1に、車両フロア1に取り付けられた車両用シートを示す。
車両用シート(以下、「シート2」と称す。)は、座面を構成するシートクッション3と、背もたれを構成するシートバック4とを備える。シート2は、2本のスライド装置5を介して車両フロア1に取り付けられる。スライド装置5のそれぞれは、シート2の両端部に互いに平行にかつ車両の前後方向に沿うように配置される。
スライド装置5は、ブラケット30を介して車両フロア1に固定されるロアレール10と、ロアレール10に摺動可能に配置されるアッパレール20とを備える。アッパレール20は、取付部材6を介してシートクッション3の底部に取り付けられる。これらレール(ロアレール10及びアッパレール20)は金属板により形成される。
ロアレール10は、底壁11と、底壁11の幅方向両側から略垂直方向に延びる一対の外側壁12と、外側壁12それぞれの端部(底壁11の反対側の端部)から内方向に折り返された折曲部13と、折曲部13から延長して底壁11に向かって延びる内側壁14とを有する。
図2に示すように、ロアレール10は2個のブラケット30で車両フロア1に固定される。ブラケット30は、貫通孔33が形成された下端部31と、貫通孔34(図3参照)が形成された上端部32とを有する。
ブラケット30の上端部32は、貫通孔34に挿通する締結ボルト40によりロアレール10の底壁11に締結される。具体的には、次に示すように、ブラケット30とロアレール10とが締結される。ロアレール10の底壁11には、締結ボルト40が挿通する貫通孔15(図3参照)が設けられている。貫通孔15はロアレール10の幅方向中間部に形成されている。この貫通孔15に締結ボルト40が挿通される。締結ボルト40とロアレール10の底壁11とはプロジェクション溶接により固定される。締結ボルト40は、ブラケット30の上端部32の貫通孔34に挿通され、ブラケット30の裏面側からナット50が締め付けられる。このようにして、ロアレール10とブラケット30とが締結される。
締結ボルト40について、図4(a)に平面図を示し、図4(b)に底面図を示す。図5(a)及び図5(b)にその側面図を示す。図6(a)にはボルトヘッド42の第1配置を示し、図6(b)にはボルトヘッド42の第2配置を示す。図7は、図2のD−D線に沿った断面図である。図7は、締結ボルト40の向きを示す。
図4に示すように、ボルトヘッド42は、平面視で、縦幅と横幅とが異なる平面構造を有する。すなわち、ボルトヘッド42は短軸LSと長軸LLとを有する。
第1辺42a及び第4辺42dそれぞれは、短軸LSに平行であり、中心部に対して互いに反対側に配置される。なお、第1辺42a及び第4辺42dは、上述の直線部に相当する。
第3辺42c及び第6辺42fそれぞれは、短軸LSから離れるに従って長軸LLに近づく斜めの直線であり、中心部に対して互いに反対側にかつ互いに平行に配置される。更に、第3辺42c及び第6辺42fは、長軸LLを対称軸として第2辺42b及び第5辺42eに対して線対称にそれぞれ形成されている。
溶接用突起48は、長軸LLに沿ってかつねじ部41に対して互いに反対側の2箇所に設けられている。
ボルトヘッド42は次の条件を満たすことが好ましい。すなわち、ボルトヘッド42の外形線LVは、第2配置におけるボルトヘッド42の占有幅WSが、第1配置におけるボルトヘッド42の占有幅WSによりも小さいかまたは等しくなるように、形成されることが好ましい。
上記条件を満たすボルトヘッド42の外形構造によれば、ボルトヘッド42が取付誤差範囲内の角度で配置されるように締結ボルト40がロアレール10に取り付けられたとすると、ロアレール10の幅方向DBにおけるボルトヘッド42が占める幅(占有幅WS)は所定幅以下になる(図7参照)。図4に示されるようにボルトヘッド42の外形が六角形である場合は、ロアレール10の幅方向DBにおけるボルトヘッド42が占める幅(占有幅WS)はボルトヘッド42の短軸長DLS以下の長さになる。以降の説明では、このようなボルトヘッド42の外形構造を「占有幅一定構造」と称す。
締結ボルト40は、ボルトヘッド42の長軸方向とロアレール10の長手方向DAとのなす角が取付誤差範囲内(例えば、「±A度」)となるように配置される。
図8(a)に、第1の参考例に係る車両用レールの取付構造を示す。この車両用レールの取付構造では、円形のボルトヘッド142を有する締結ボルト140により、ロアレール10とブラケット30とが締結される。ボルトヘッド142の直径は、本実施形態に係るボルトヘッド42の長軸長DLL(図7参照)と等しく、アッパレール20の挿通壁間寸法LDよりも長い。これは、ボルトヘッド142に溶接用突起48が配置されているためである。ボルトヘッド142はロアレール10に2箇所で溶接されているものとする。この場合、ロアレール10とブラケット30との締結強度は本実施形態に係るボルトヘッド42の締結強度と略等しい。しかし、次のような問題が生じる。
ボルトヘッド42はロアレール10に2箇所で溶接されるため、ロアレール10とブラケット30との締結強度は上記2つの参考例に係るボルトヘッド42の締結強度と略等しい。
(1)車両用レールの取付構造では、ボルトヘッド42は次の構成を有する。
この構成によれば、ロアレール10内に入り込んだ異物100がボルトヘッド42を容易に乗り越えることができるようになる。このため、ロアレール10内に異物100が残留することが抑制される。
具体的には、第1辺42a及び第4辺42dは、短軸LSに平行でありかつ中心部に対して互いに反対側に配置される。
第3辺42c及び第6辺42fは、第2辺42b及び第5辺42eと長軸LLに対して線対称の位置に配置される。
・上記実施形態では、平面視で六角形の外形構造を有するボルトヘッド42の例を挙げているが、ボルトヘッド42の外形構造はこれに限定されない。例えば、ボルトヘッド42の外形構造は、ひし形、八角形、楕円形等に設定されうる。または、ボルトヘッド42の外形線LVは、直線と曲線とにより構成されうる。なお、上記したように、ボルトヘッド42の外形線LVに短軸LSに平行な直線部が含まれることが好ましい。
Claims (7)
- 車両フロアにブラケットを介して取り付けられるロアレールと、前記ロアレールに対して摺動可能に配置されるアッパレールとを備え、
前記ロアレールと前記ブラケットとは締結ボルトにより互いに接続され、
前記締結ボルトのボルトヘッドは、平面視で、長手方向と短手方向とを有する形状をなすとともに、
前記ボルトヘッドは、平面視で、前記締結ボルトの軸中心を通る前記ボルトヘッドの長手方向に延びる仮想線を長軸、前記締結ボルトの軸中心を通る前記ボルトヘッドの短手方向に延びる仮想線を短軸とした場合に、前記ボルトヘッドの外形線が、前記短軸と交わる第1点から前記長軸と交わる第2点に至るまでの区間の少なくとも一部分において、前記第1点から前記第2点に向かうにつれて前記長軸に近づくように形成されており、
前記締結ボルトを前記ロアレールに取り付けた状態での前記ボルトヘッドの前記長軸が前記ロアレールの長手方向に沿う前記ボルトヘッドの配置を第1配置とするとともに、
前記締結ボルトを前記ロアレールに取り付けた状態での前記ボルトヘッドの長軸と前記ロアレールの長手方向とのなす角度の最大角度が所定角度に設定され、前記最大角度となる前記ボルトヘッドの配置を第2配置とした場合に、
前記ボルトヘッドは、前記締結ボルトを前記ロアレールに取り付けた状態での前記ボルトヘッドの配置が前記第1配置と前記第2配置を含む両配置の間の範囲内となっており、
前記第2配置における前記ロアレールの長手方向に垂直な方向の前記ボルトヘッドの占有幅が、前記第1配置における前記ロアレールの長手方向に垂直な方向の前記ボルトヘッドの占有幅よりも小さいかまたは等しくなるように、形成されている
車両用レールの取付構造。 - 前記ロアレールは、底壁と、前記底壁の両端それぞれに突出するように設けられて長手方向に延長する一対の外側壁を有し、
前記アッパレールは、上壁と、前記上壁の両端それぞれに突出するように設けられて前記ロアレールに挿通する一対の挿通壁と、前記挿通壁のそれぞれから延びて前記ロアレールの前記外側壁に面する一対の摺動壁とを有し、
前記ボルトヘッドの短軸長が、前記アッパレールの前記一対の挿通壁間の寸法よりも短く、前記アッパレールの前記一対の挿通壁間に前記ボルトヘッドが配置され、かつ、前記アッパレールの下端部が前記ボルトヘッドの上面よりも前記ロアレールの底壁側に配置される
請求項1に記載の車両用レールの取付構造。 - 前記ボルトヘッドの底面には、溶接用突起が設けられ、
前記ボルトヘッドは、前記溶接用突起を介して前記ロアレールに溶接され、
前記ボルトヘッドは、前記外形線の少なくとも一部分において短軸方向に直線に延びる直線部を有する
請求項1または請求項2に記載の車両用レールの取付構造。 - 前記ボルトヘッドは、前記直線部において、前記ボルトヘッドの底面に対して垂直または設定角度で延びる側面を有する
請求項3に記載の車両用レールの取付構造。 - 前記溶接用突起は、前記ボルトヘッドの底面に少なくとも2つ設けられ、前記長軸に沿ってかつねじ部に対して互いに反対側に配置される
請求項3または請求項4に記載の車両用レールの取付構造。 - 前記ボルトヘッドは、前記長軸に沿って傾斜するテーパ面を有する
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の車両用レールの取付構造。 - 前記ボルトヘッドの外形線は、前記短軸に平行でありかつ中心部に対して互いに反対側に配置される一対の第1辺及び第4辺と、前記長軸に対して斜めであり中心部に対して互いに反対側に配置されて互いに平行な一対の第2辺及び第5辺と、前記第2辺及び前記第5辺と前記長軸に対して線対称の位置に配置される一対の第3辺及び第6辺とを有する
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の車両用レールの取付構造。
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