JP6362843B2 - 高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善剤、及び甘味の後引き感の改善方法 - Google Patents

高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善剤、及び甘味の後引き感の改善方法 Download PDF

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本発明は、高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善剤、及び甘味の後引き感の改善方法に関する。詳細には、高甘味度甘味料と発酵セルロースとを含有する高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善剤、及び高甘味度甘味料に対して、発酵セルロースを添加する高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善方法に関する。
さらに、本発明は、高甘味度甘味料及び発酵セルロースを含有する冷菓に関する。
従来、食品、医薬品等の経口組成物に用いる甘味料として、砂糖(ショ糖)が、良質な甘味とボディー感(コク感)を有し、保湿性、粘度の付与等の特性も優れていることから、広く利用されている。
しかし、ショ糖は良質な甘味とボディー感を有するものの、最近の健康志向や低カロリー志向から、肥満や虫歯の原因となり、敬遠されるようになってきている。
特に、飲料や菓子などの嗜好品においては、低カロリー化が進んでおり、これらについて、ショ糖と同等の良質な甘味を有し、かつ、低カロリー化できる甘味料が望まれている。
このような要望に応えるショ糖に代わる甘味料として、いわゆる高甘味度甘味料があり、これらはショ糖より強い甘味を有するため、少ない使用量で甘味を付与することができる低カロリー甘味料としての特徴を持っている。
しかし、高甘味度甘味料は、ショ糖と同等の良質な甘味やボディー感を有しているものが少なく、甘味が後を引く、独特の苦味や渋味を有している、甘味の立ち上がりが遅れる等といった欠点を持つものが多い。
その中でも、スクラロースは、それらの欠点の少ない、砂糖に近い甘味質を有する高甘味度甘味料である。また、スクラロースは甘味質が優れているだけでなく、レトルト殺菌やUHT殺菌のような食品の加熱殺菌工程中でも安定であり、長期保存や缶コーヒー等の保温販売などにおける保存安定性にきわめて優れていることにより、加工食品の甘味付与に最も優れた甘味料の一種であり、広く用いられている。
しかしながら、スクラロースの味質においても、甘味の後引き感が少なからず違和感を与えることがあり、その改善が求められている。
スクラロースなどの高甘味度甘味料の味質を改善する方法として、種々の提案がされている。
例えば、特許文献1では、スクラロースにクエン酸やリンゴ酸などの有機酸又はその塩を添加して、甘味の後引き感を調整する方法が開示されている。
また、スクラロースなどの高甘味度甘味料の味質を改善する方法として、ヘスペリジン(特許文献2)、ガラクトマンナン(特許文献3)、ルチン(特許文献4)、ニゲロオリゴ糖(特許文献5)、アミノ酸(L-アスパラギン酸など、特許文献6)、キナ酸(特許文献7)などを使用する方法も提案されている。
さらに、特許文献8では、ポリ−γ−グルタミン酸又はその塩を添加することで、スクラロースなどの高甘味度甘味料の後甘味を抑制することが記載され、特許文献9には、グルタミン酸ナトリウムに、アスパルテームやステビアなどの高甘味度甘味料の後味特性を改良できることが記載されている。
一方、発酵セルロースは、種々の飲食品や、化粧品などに使用されている。
特許文献10には、冷菓用安定化剤に発酵セルロースを増粘剤として使用されることが記載され、特許文献11には、発酵セルロースを含有するソフトクリームミックス用の安定化組成物が記載されている。
さらに、特許文献12には、発酵セルロースがビタミンB1の不快な臭気や苦味を抑制することが記載されている。
特許文献10の冷菓用安定化剤には、糖質としてスクラロースなどの高甘味度甘味料も使用できることが記載されているが、発酵セルロースとスクラロースなどの高甘味度甘味料を併用した冷菓は、両者の配合量など具体的には全く記載されていない。
また、これらのいずれの特許文献にも、発酵セルロースが、スクラロースなどの高甘味度甘味料の甘味の後引き感を改善することは、記載も示唆もされていない。
特開2003−210147号公報 特開平8−256725号公報 特開平9−19268号公報 特開平10−146165号公報 特開平10−234331号公報 特開2000−270804号公報 特開2001−321115号公報 特開2009−118741号公報 特開2000−37170号公報 特開2005−151835号公報 特開平11−187818号公報 特開2011−250716号公報
上記の特許文献1〜9に記載の方法では、スクラロースなどの高甘味度甘味料の甘味の後引き感を十分に改善することができず、必ずしも好ましいものではなかった。
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、発酵セルロースを、スクラロースなどの高甘味度甘味料に添加することにより、甘味の後引き感が改善されることを見出した。
すなわち、本発明は下記に掲げる高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善剤、及び甘味の後引き感の改善方法に関するものである。
項1.高甘味度甘味料と発酵セルロースとを含有することを特徴とする、高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善剤。
項2.高甘味度甘味料が、スクラロース、アスパルテーム又はステビア抽出物である、項1記載の高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善剤。
項3.高甘味度甘味料に対して、発酵セルロースを添加することを特徴とする、高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善方法。
項4.高甘味度甘味料が、スクラロース、アスパルテーム又はステビア抽出物である、項3記載の高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善方法。
さらに本発明は下記に掲げる高甘味度甘味料及び発酵セルロースを含有する冷菓に関するものである。
項5.高甘味度甘味料1質量部に対して、発酵セルロースを0.1〜2.5質量部含有することを特徴とする冷菓。
項6.高甘味度甘味料がスクラロースである、項5記載の冷菓。
従来、スクラロースなどの高甘味度甘味料の味質において、甘味の後引き感が少なからず違和感を与えるという問題点があったが、発酵セルロースを含有、添加することにより、甘味の後引き感が改善され、砂糖に近いような甘味の後切れの良さを実現することができる。
本発明は、高甘味度甘味料と発酵セルロースとを含有することを特徴とする、高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善剤、及び高甘味度甘味料に発酵セルロースを添加することを特徴とする、高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善方法に関するものである。
本発明の対象となる高甘味度甘味料としては、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、ステビア抽出物、ソーマチン、グリチルリチン、ネオテーム、ラカンカ(羅漢果)抽出物、サッカリン、サッカリンナトリウム、アドバンテームなどを例示することができるが、スクラロース、アスパルテーム及びステビア抽出物を用いた場合に、その甘味の後引き感の改善効果が顕著に認められるために好ましく、スクラロースを用いた場合に特に好ましい。
本発明に用いられるステビア抽出物は、南米原産のキク科多年生植物であるステビアレバウディアナ・ベルトニの葉や茎等から、水又は有機溶媒で抽出、精製されたものであり、ステビオサイド及びレバウディオサイドAを、甘味の主成分として含有するものである。
さらに、ステビア抽出物には、α−グルコシルトランスフェラーゼ等を用いて、上記ステビア抽出物にグルコースやフルクトース等の糖を転移した酵素処理ステビアも含まれる。
また、ラカンカ抽出物は、中国南部の高冷地で栽培されているウリ科の果実の生又は乾燥したものからエタノールなどで抽出されるもので、モグロシドVを甘味の主成分として含有するものである。
本発明に用いられるスクラロースは、1−α−D−ガラクトピラノシル−2−β−D−フルクトフラノシド分子(D−ガラクトースとD−フルクトースとが還元基どうしで互いにグリコシド結合した非還元性二糖分子)内のフルクトース残基の1、6位およびガラクトース残基の4位の三つの水酸基が塩素分子で置換された構造の高甘味度甘味料で、砂糖の約600倍の甘味を有する。
スクラロースは、商業的に入手することができ、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンスイートSU−100等を挙げることができる。
本発明に用いられる発酵セルロースは、セルロース生産菌が生産するセルロースであれば特に限定されない。通常、セルロース生産菌を既知の方法、例えば特開昭61−212295号公報、特開平3−157402号公報又は特開平9−121787号公報に記載される方法に従って培養し、得られる発酵セルロースを所望に応じて適宜精製することによって製造することができる。
セルロース生産菌としては、アセトバクター属、シュードモナス属、アグロバクテリウム属等に属する細菌が挙げられるが、好適にはアセトバクター属である。発酵セルロースを生産するアセトバクター属の細菌として、より具体的には、アセトバクター・パスツリアヌス株(例えば、ATCC10245等)、アセトバクター・エスピーDA株(例えば、FERMP−12924等)、アセトバクター・キシリナム株(例えば、ATCC23768、ATCC23769、ATCC10821、ATCC1306−21等)を挙げることができる。好ましくは、アセトバクター・キシリナム株である。
かかるセルロース生産菌を培養する培地及び条件としては、特に限定されず、常法に従うことができる。例えば、培地は、基本的に窒素源、炭素源、水、酸素及びその他の必要な栄養素を含有しており、上記微生物が増殖して目的の発酵セルロースを産生することができるものであればよく、例えばHestrin−Schramm培地を挙げることができる。なお、セルロースの生産性を向上させるために、培地中にセルロースの部分分解物、イノシトール、フィチン酸等を添加することもできる(特開昭56−46759号公報、特開平5−1718号公報)。培養条件としては、例えばpH5〜9、培養温度20〜40℃の範囲が採用され、発酵セルロースが十分産生されるまで培養が続けられる。培養方法は、静置培養、攪拌培養、通気培養のいずれでもよいが、好適には通気攪拌培養である。
発酵セルロースを大量生産するためには、多段階接種法が好ましい。この場合、通常、2段階の予備接種プロセス、一次接種発酵プロセス、二次接種発酵プロセス及び最終発酵プロセスからなる5段階の発酵プロセスが採用され、各プロセスで増殖された細菌について細胞の形態およびグラム陰性であることを確認しながら、次プロセスの発酵器に継代される。
発酵後、産生された発酵セルロースは培地から分離処理され、洗浄されて、適宜精製される。精製方法は特に限定されないが、通常、培地から回収した発酵セルロースを洗浄後、脱水し、再度水でスラリー化した後に、アルカリ処理によって微生物を除去し、次いで該アルカリ処理によって生じた溶解物を除去する方法が用いられる。具体的には、次の方法が例示される。
まず、微生物の培養によって得られる培養物を脱水し、固形分約20%のケーキとした後、このケーキを水で再スラリー化して固形分を1〜3%にする。これにアルカリ溶液を加えて、pH13程度にして攪拌しながら数時間、系を65℃に加熱して、微生物を溶解する。次いで、酸性溶液でpHを6〜8に調整し、該スラリーを脱水して再度水でスラリー化し、かかる脱水・スラリー化を数回繰り返す。精製された発酵セルロースは、必要に応じて乾燥処理を施すことができる。乾燥処理としては特に制限されることなく、自然乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥、スプレードライ、ドラムドライ等の公知の方法を用いることができる。好ましくはスプレードライ法、ドラムドライ法である。
かくして得られる発酵セルロースは、白色から黄褐色の物質であり、水に急速に分散できる非常に繊細な繊維性粒子からなる。なお、本発明で用いられる発酵セルロースは、上記方法で調製される発酵セルロースと同一若しくは類似の性質を有し、本発明の目的を達成しえるものであれば、その調製方法によって限定されるものではない。
本発明の発酵セルロースは、更に高分子物質と複合化されていることが好ましい。ここで、上記高分子物質と発酵セルロースを複合化させる方法としては、特開平9−121787号公報に記載される2種類の方法が挙げられる。第一の方法は、微生物を培養して発酵セルロースを産生させるにあたり、培地中に高分子物質を添加して培養を行い、発酵セルロースと高分子物質とが複合化した発酵セルロース複合化物として得る方法である。
第二の方法は、微生物の培養によって生産された発酵セルロースのゲルを高分子物質の溶液に浸漬して、高分子物質を発酵セルロースのゲルに含浸させて複合化する方法である。発酵セルロースのゲルは、そのままか、あるいは常法により均一化処理を行ったのちに高分子物質の溶液に浸漬する。均一化処理は、公知の方法で行えばよく、例えばブレンダー処理や500kg/cm2で40回程度の高圧ホモジナイザー処理、1000kg/cm2で3回程度のナノマイザー処理などを用いた機械的解離処理が有効である。浸漬時間は30分以上24時間程度、好ましくは1夜であり、浸漬終了後は遠心分離や濾過などの方法で浸漬液を除去することが望ましい。さらに、水洗いなどの処理を行って過剰の高分子物質を除去することにより、発酵セルロースと高分子物質の比率が一定になり、複合化に利用されないで残存する高分子物質の影響を抑えることができるため好ましい。
発酵セルロースとの複合化に使用される高分子物質としては、特に限定されず、例として、キサンタンガム、ガラクトマンナン(グァーガム、ローカストビーンガム、タラガム等)、カラギナン、カシアガム、グルコマンナン、ネイティブ型ジェランガム、脱アシル型ジェランガム、タマリンドシードガム、ペクチン、サイリウムシードガム、ゼラチン、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、ガティガム、マクロホモプシスガム、寒天、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸塩)、カードラン、プルラン、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等のセルロース誘導体、水溶性ヘミセルロース、大豆多糖類、加工・化工でん粉、未加工でん粉(生でん粉)といった各種高分子物質を挙げることができる。
本発明で使用される発酵セルロースは、キサンタンガム、グァーガム、カルボキシメチルセルロースおよびその塩から選ばれる1種又は2種以上の高分子物質によって複合化された発酵セルロース複合体を用いることが好ましく、キサンタンガムとカルボキシメチルセルロースナトリウム、もしくは、グァーガムとカルボキシメチルセルロースナトリウムの組み合わせによって複合化された発酵セルロースを用いることがさらに好ましい。
上記複合化物は商業上入手可能であり、例えば、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンアーティスト[商標]PN(キサンタンガムとカルボキシメチルセルロースナトリウムによって複合化された発酵セルロース)、サンアーティスト[商標]PG(グァーガムとカルボキシメチルセルロースナトリウムによって複合化された発酵セルロース)などが挙げられる。
高甘味度甘味料の甘味の後引き感を改善するために添加する発酵セルロースの割合は、使用する高甘味度甘味料の種類や、適用される製品の種類などによって異なるが、例えば、スクラロースであれば1質量部に対し、発酵セルロースを0.01〜15質量部、好ましくは0.03〜5質量部、さらに好ましくは0.1〜2.5質量部である。
スクラロース1質量部に対して、発酵セルロース添加量が0.01質量部より少ないと、スクラロースの甘味の後引き感の改善効果が十分ではなく、逆に15質量部より多いと、発酵セルロース自体の味が強まり、スクラロースのバランスの取れた本来の味質が損なわれるので、いずれも好ましくない。
同様の効果を得るために、スクラロース以外の高甘味度甘味料では、例えば、上記スクラロースに対する発酵セルロースの割合を基準として、その高甘味度甘味料の甘味倍率に応じた発酵セルロースの量を添加、配合すれば良い。
即ち、アスパルテームであれば、スクラロースへの発酵セルロース添加量の1/3倍量、ステビア抽出物であれば2/5倍量である。
高甘味度甘味料と発酵セルロースの配合の時期や順序には特に制限はなく、必ずしも同一の飲食品中に、高甘味度甘味料と発酵セルロースが添加配合されている必要もなく、異なる食品にそれぞれ別々に含まれる場合であっても、食する時点において高甘味度甘味料と発酵セルロースが共存していれば足りる。
また、本発明において、高甘味度甘味料、例えばスクラロースであれば、1質量部に対し、発酵セルロースを、0.01〜15質量部、好ましくは0.03〜5質量部、さらに好ましくは0.1〜2.5質量部含有する味質改善剤(組成物)とすることができる。この味質改善剤(組成物)は、高甘味度甘味料と、発酵セルロースとが上記割合で添加されていればよく、粉末状、顆粒状、固形状、液状といった剤型を問わず、また、一剤であるか二剤であるかも問わない。
この味質改善剤(組成物)は、高甘味度甘味料と発酵セルロースとを粉体混合したものでもよく、また高甘味度甘味料の溶液を発酵セルロースの粉末に噴霧したものでもよく、逆に高甘味度甘味料の粉末に発酵セルロースの溶液を噴霧して得られたものでもよい。また、高甘味度甘味料の溶液と発酵セルロース溶液とを混合した後、乾燥させて得られたものでもよい。乾燥の方法にも特に制限はなく、スプレードライ、凍結乾燥など種々の方法を使用できる。この味質改善剤(組成物)には、本発明の効果を阻害しない限度において、香料、色素、酸化防止剤、保存料、ビタミン類、カルシウム類、ミネラル類など、その他の食品添加物類を含むこともできる。
この味質改善剤(組成物)によれば、高甘味度甘味料が持つ甘味の後引き感による違和感という欠点を改善することができる。
本発明の高甘味度甘味料の味質改善剤(組成物)、及び高甘味度甘味料の味質改善方法が適用される経口組成物は、経口摂取される製品(可食製品)並びに口腔内利用される製品であり、例えば、飲食品やシロップ剤等の医薬品、口内清涼剤、うがい剤、歯磨き等の医薬部外品を挙げることができる。
本発明の対象となる飲食品としては、特に制限はされないが、好適には、柑橘果汁や野菜果汁等を含む果実飲料又は野菜ジュース、コーラやジンジャエール又はサイダー等の炭酸飲料、スポーツドリンク、ニアウォーター等の清涼飲料水、コーヒー、紅茶や抹茶等の茶系飲料、ココアや乳酸菌飲料等の乳飲料などの飲料一般;ヨーグルト、ゼリー、プディング及びムース等のデザート類;ケーキ、クラッカー、ビスケット、パイや饅頭等といった洋菓子及び和菓子を含む焼菓子や蒸菓子等の菓子類;米菓、スナック類;アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、ソフトクリームやシャーベット等の冷菓並びに氷菓;チューインガム、ハードキャンディ、ヌガーキャンデー、ゼリービーンズ等を含む糖菓一般;果実フレーバーソースやチョコレートソースを含むソース類;バタークリーム、フラワーペーストやホイップクリーム等のクリーム類;イチゴジャムやマーマレード等のジャム;菓子パン等を含むパン;焼き肉、焼き鳥、鰻蒲焼き等に用いられるタレ、トマトケチャップ、ソース、麺つゆ等の調味料一般;蒲鉾等の魚肉練り製品、ソーセージ等の食肉加工品、レトルト食品、漬け物、佃煮、珍味、惣菜並びに冷凍食品等を含む農畜水産加工品を広く例示することができる。
これらの飲食品中に高甘味度甘味料は、通常1〜5000ppm含有されており、発酵セルロースは、高甘味度甘味料に対する前述の割合で含有されることにより、本発明の効果が発揮される。
さらに、本発明は、下記に掲げる高甘味度甘味料及び発酵セルロースを含有する冷菓に関するものである。
上記の飲食品のうち、スクラロースなどの高甘味度甘味料を含有するアイスクリーム(JAS規格にて乳固形分15%以上、乳脂肪分8%以上)、アイスミルク(同乳固形分8%以上、乳脂肪分3%以上)、ラクトアイス(同乳固形分3%以上、乳脂肪分規定なし)や、ソフトクリーム等の冷菓において、発酵セルロースによる甘味の後引き感の改善効果が顕著に認められる。
上記効果を奏するためには、冷菓において、高甘味度甘味料1質量部に対して、発酵セルロースを0.5〜10質量部含有することが好ましい。
そして、高甘味度甘味料としては、スクラロースを用いることが好ましい。
本発明の冷菓は常法により製造されるが、製造に際して、発酵セルロースは加熱処理工程の前に添加することが好ましい。
スクラロースなどの高甘味度甘味料は、冷却固化させるまでのどの工程に添加しても良い。
以下、本発明の内容を以下の実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
なお、以下の記載において、「%」は質量%を、「部」は質量部をそれぞれ示し、「*」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製を、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標をそれぞれ示す。
実施例1
表1の処方に基づき、1、3及び水の混液を撹拌しながら2、4、7、8、10を粉体混合したものを添加し、80℃まで加熱撹拌した。
次いで、5、6を添加し、温度を保持したまま10分間加熱撹拌し、溶解させた。
ホモゲナイザーにて均質化し、5℃まで冷却させた。
9を添加した後、氷管にて硬化させて、バニラバー(アイスミルク)を調製した。
官能にて、以下の基準で無添加区と比較して、発酵セルロースによるスクラロースの味質改善効果を評価し、結果を表2に示した。
×:無添加区と比べて効果が無い、又は異味がある
△:やや味質が改善している、又はやや異味がある
○:味質が改善している
◎:非常に味質が改善している
Figure 0006362843
Figure 0006362843
(*1)発酵セルロース製剤:サンアーティスト※PG*(発酵セルロース 20%、カルボキシメチルセルロースナトリウム6.7%、グァーガム6.7%、デキストリン66.6%含有)
(注) 発酵セルロース添加量は、表2記載の発酵セルロース製剤添加量の20%である。 以下、実施例2及び3においても同様
上記の結果から、発酵セルロースに、スクラロースの甘味の後引き感を減少させる効果が認められることがわかる。
実施例2
表3の処方に基づき、実施例1と同様にして、バニラバー(アイスミルク)を調製した。
各高甘味度甘味料は、甘味がスクラロースと同程度になるような量を添加した。
官能にて、実施例1と同様の基準で無添加区と比較して、発酵セルロースによる各高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善効果を評価し、結果を表4に示した。
Figure 0006362843
Figure 0006362843
(*2):ネオテーム2%含有製剤(DSP五協フード&ケミカル(株)の「ミラスィー200」を使用)
(*3):守田化学工業(株)の「レバウディオJ-100」を使用
上記の結果から、発酵セルロースによる高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善効果は、特にスクラロース、アスパルテーム及びステビアについて認められ、スクラロースで顕著に認められることがわかる。
実施例3
表5の処方に基づき、実施例1と同様にして、バニラバー(アイスミルク)を調製した。
各多糖類は、実施例1で使用した発酵セルロース製剤(*1)の発酵セルロース含有量と同じになるような量を添加した。
官能にて、実施例1と同様の基準で無添加区と比較して、各多糖類によるスクラロースの甘味の後引き感の改善効果を評価し、結果を表6に示した。
Figure 0006362843
Figure 0006362843
(*4)発酵セルロース製剤:サンアーティスト※PN*(発酵セルロース18.3%、カルボキシメチルセルロースナトリウム6.2%、キサンタンガム 12.1%、デキストリン63.4%含有)
(*5):セロゲン FSB(第一工業製薬(株))
(*6):セオラス RC-N30(旭化成ケミカルズ(株))
(*7):サンエース※C*
(*8):ケルコゲルLT-100(CP KELCO JAPAN APS)
上記の結果から、スクラロースの甘味の後引き感を減少させる効果は、発酵セルロースにおいて顕著に認められるが、他の多糖類ではほとんど認められないことがわかる。
本発明により、スクラロースなどの高甘味度甘味料の甘味の後引き感が改善されるので、高甘味度甘味料のさらなる使用が促進され、食品工業において特に有用である。


Claims (3)

  1. 発酵セルロースを含有することを特徴とする、高甘味度甘味料の甘味の後引き感改善するための組成物であって、高甘味度甘味料が、スクラロース、アスパルテーム又はステビア抽出物である、高甘味度甘味料の甘味の後引き感改善するための組成物。
  2. 高甘味度甘味料に対して、発酵セルロースを添加することを特徴とする、高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善方法であって、高甘味度甘味料が、スクラロース、アスパルテーム又はステビア抽出物である、高甘味度甘味料の甘味の後引き感の改善方法。
  3. 高甘味度甘味料1質量部に対して、発酵セルロースを0.1〜2.5質量部含有することを特徴とする冷菓であって、高甘味度甘味料が、スクラロース、アスパルテーム又はステビア抽出物である、冷菓。
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