JP4833163B2 - 麺類用食感改良剤 - Google Patents
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より良いコシ、歯ごたえ、まろやかさを付与する麺類用食感改良剤に関する。特には、そ
うめん、冷やし中華、ざるそばなどの喫食時に加熱調理を要しない冷蔵で流通される加工
麺に適した麺類用食感改良剤に関する。
れている。一般的に麺類は小麦粉を主体とした穀粉に水、食塩等を加え、混練した後圧延
、整形、切り出しを行い製造される。これら麺類に、より良いコシ、歯ごたえ、まろやか
さを付与することへの要望が強くなっており、例えば、麺類に増粘多糖類を添加して、麺
にコシを付与する方法として、麺にキサンタンガムを添加する方法(特許文献1:麺類の
製造法)、麺類にゼラチンを添加する方法(特許文献2:茹で麺類)、アルギン酸または
アルギン酸塩を含む生タイプ包装中華麺(特許文献3)、タラガムやカラギナン及びネイティブジェランガムを含む麺類用食感改良剤(特許文献4:即席麺)、カードランと増粘多糖類及び/又は加熱凝固性動物蛋白質とを含有してなる麺類用品質改良剤(特許文献5)等の種々の検討がされている。
大豆粉を含有する調理麺にこんにゃく粉、カードラン、グァーガム、アルギン酸塩等を配合する調理麺の製造方法(特許文献8)や、こんにゃく粉、糖質及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品を含む穀類加工食品用食感改良剤(特許文献9)が、麺にも使用可能であることが記載されている。
味などを添付して容器包装を施した商品が販売されている。これは、喫食時に加熱調理せ
ずに、そのまま別添のつゆなどをかけて食べるという簡便性の高い商品であり、商品形態
としては、冷やし中華、ざるそば、ざるうどん、そうめんなどがある。これら商品に使用
される麺は、再加熱せずに冷えた状態のまま食することから、品質保持期間である1〜数
日間、麺の食感を維持する必要がある。麺の食感を維持するために、前述の多糖類などを
使用することが検討されているが、食べ応えのある硬さを有し、また、噛んだ時に、ほど
よい弾力性を感じる食感とすることは難しかった。
は、そうめん、冷やし中華、ざるそばなどの、喫食時に加熱調理を要しない冷蔵流通する
加工麺に適した麺類用食感改良剤を提供することを目的とする。
及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品と、(2)寒天、アルギン酸又はその塩、キサンタンガム、グァーガム、カードラン、グルコマンナン、サイリウムシードガム、ネイティブ型ジェランガム、イオタカラギナン、及びカッパカラギナンから選択される1種以上を併用することにより、良いコシ、歯ごたえ、まろやかさを付与する麺類用食感改良剤となること、特には、そうめん、冷やし中華、ざるそばなどの、喫食時に加熱調理を要しない冷蔵で流通される加工麺に対して、食べ応えのある硬さを有し、また、噛んだ時にほどよい弾力性を感じる食感を付与することができることを見いだした。
項1.下記(1)及び(2)を含むことを特徴とする麺類用食感改良剤;
(1)こんにゃく粉及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品
(2)寒天、アルギン酸又はその塩、キサンタンガム、グァーガム、カードラン、グルコマンナン、サイリウムシードガム、ネイティブ型ジェランガム、イオタカラギナン、及びカッパカラギナンから選択される1種以上。
冷蔵で流通される加工麺に適した麺類用食感改良剤を提供できるようになった。更には、
当該麺類の風味に悪影響を与えることなく、食べ応えのある硬さを有し、また、噛んだ時
にほどよい弾力性を感じる食感を付与することができる麺類を提供することができるよう
になった。
んにゃく加工品と、(2)寒天、アルギン酸又はその塩、キサンタンガム、グァーガム、カードラン、グルコマンナン、サイリウムシードガム、ネイティブ型ジェランガム、イオタカラギナン、及びカッパカラギナンから選択される1種以上とを併用することを特徴とする。
合組成物としたものであり、粒状、糸状、粉末状等の任意形状を有するように加工された
ものである。
く粉や、生こんにゃく芋の乾燥粉砕品等を使用することが出来る。
タピオカでんぷん;サツマイモ由来のでんぷん、ジャガイモ由来のでんぷん、サゴヤシ由
来のでんぷん等やそれらの加工澱粉を適宜選択して用いることができる。
せて複合物として乾燥加工品とすることができ、水中で膨潤できるようなものに加工でき
ればどのような製法を採ってもよい。好ましい製造方法として、コンニャク芋から常法に
てグルコマンナンを抽出して乾燥し、澱粉と混合し、水を添加して膨潤し、少量のアルカ
リを添加することによる脱アセチル化処理を行った後、成型、加熱ゲル化、中和し、乾燥
することで製造する例を挙げることができる。
い。使用する糖質としては、ショ糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水飴、粉
末水飴、還元麦芽水飴、蜂蜜、トレハロース、トレハルロース、ネオトレハロース、パラ
チノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリ
スリトール等の糖アルコール類などを挙げることができるが、好ましくは水飴である。な
お、本加工方法は、特許第2866609号或いは特許第3159104号などに記載さ
れている。
、乾燥こんにゃく加工品中、こんにゃく粉5〜30重量%、澱粉70〜95重量%の範囲
となるように、任意に調整することができる。更には、糖質を併用する際は澱粉の一部を
糖質に替えて添加することが好ましく、例えば水飴を使用した場合は、こんにゃく粉5〜30重量%、澱粉5〜30重量%、水飴40〜90重量%の範囲となるように、任意に調整することができる。
といった任意の形態をとることができるが、好ましくは、粉末状態のものである。粉末の
度合いとしては、50メッシュ篩過のものがよく、好ましくは、80メッシュ篩過、更に
好ましくは、120メッシュ篩過である。このような製剤は、商業上入手することができ
、例えば、アイレス株式会社製の乾燥こんにゃくや、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製
のサンスマート[商標]400等のサンスマートシリーズを挙げることができる。
んにゃく加工品に加えて、(2)寒天、アルギン酸又はその塩、キサンタンガム、グァーガム、カードラン、グルコマンナン、サイリウムシードガム、ネイティブ型ジェランガム、イオタカラギナン、及びカッパカラギナンから選択される1種以上を併用して含む。
として熱水抽出して凝固させたものを乾燥させた各種のものをいずれも使用することがで
きる。この寒天には、糸寒天、棒寒天、フレーク寒天、粉末寒天などが含まれる。また、
製造技術によりゲル強度を高めた(弱めた)もの、粘弾性を高めた(弱めた)もの、高融
点化(低融点化)したもの、低分子化(高分子化)したものなど、いずれのものも使用す
ることができる。また、異なる種類の寒天を組みあわせて使用することもできる。
)等より抽出して得られた多糖類である。アルギン酸塩としては、アルギン酸ナトリウムやアルギン酸カリウムを用いることができる。
ノースのC6位はアセチル化され、末端のD-マンノースはピルビン酸とアセタールで結合している。キサンタンガムの商業的に入手可能な製品として、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製のサンエース[商標](標準品)、サンエース[商標]S(微粒品)、サンエース[商
標]E−S(顆粒品)、サンエース[商標]C(透明品)、ビストップ[商標]D−300
0−DF−Cなどを挙げることができる。
。このキサンタンガムを使用することにより、アセチル基含量が2〜6%程度の既存のキ
サンタンガムよりも、酸性領域を含む広いpH域で高い粘度を安定に保持することができ
、同一添加量においても高い粘度を示すものである。また、本発明で使用するアセチル基
含量が1%以下のキサンタンガムは、既存のキサンタンガムよりもガラクトマンナン類な
どの他の多糖類と相互作用しやすく相乗的な粘度上昇がより顕著に起こることを特徴とし
ている。このようなキサンタンガムは商業的に入手することができ、例えば、三栄源エフ
・エフ・アイ株式会社製のサンエース[商標]NXG−C、サンエース[商標]NXG−S等
を挙げることができる。
-D-マンナンの主鎖骨格に側鎖としてD-ガラクトースがα-1,6結合した、いわゆるガラク
トマンナン類に属するものであり、構成糖の比率が、マンノース:ガラクトース=2:1
(平均)である。
んにゃく加工品と(2)寒天、アルギン酸又はその塩、キサンタンガム、グァーガム、カードラン、グルコマンナン、サイリウムシードガム、ネイティブ型ジェランガム、イオタカラギナン、及びカッパカラギナンから選択される1種以上との配合比率は、(1)1重量部に対して、(2)0.1〜10.0重量部、好ましくは、0.2〜8.0重量部である。(2)の配合比率が0.1重量部より低くなると、弾力性は付与されるものの、硬い食感が得られなくなる場合があり、また、(2)の配合比率が10.0重量部より高まると、硬い食感は付与されるものの、弾力性のないぼそぼそとした食感になる場合があるからである。
硬い食感が付与される他、のどごしが良く(つるみ感)、また、麺独特の風味を向上させ
るという効果も有する。また、特に、喫食時に加熱調理を要しない冷蔵流通する加工麺を
1日前後冷蔵した後にも食感が劣化することなく維持されるが、ノンフライ麺などの即席
麺の製造時に添加した場合も、前述のような食感が改良される。
、前述の他の多糖類を添加してもよい。例えば、ローカストビーンガム、タラガム、ペクチン、アルギン酸プロピレングリコールエステル、カシアガム、グルコマンナン、脱アシル型ジェランガム、タマリンドシードガム、サイリウムシードガム、ゼラチン、トラガントガム、カラヤガム、アラビアガム、ガティガム、マクロホモプシスガム、プルラン、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)等のセルロース誘導体、水溶性ヘミセルロース、デキストリンなどから選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
限りにおいて、澱粉、タンパク質、糖類や調味料、色素、香料、pH調整剤、酸化防止剤
等の添加剤を任意に添加することができる。また、本発明の麺用食感改良剤は、常法によ
り製剤化することができる。
カロニ等の、小麦粉やそば粉を主体とした穀粉に水、食塩等を加え、混練した後、圧延、
整形、切り出し等の製造工程を用いて製造されるものをいう。本発明の食感改良剤は、チ
ルド流通され再加熱することなく食される形態の麺類に適するため、特に、ざるそば、ざ
るうどん、そうめん、冷やし中華、冷麺、冷製スパゲティ、マカロニサラダ等の喫食時に
加熱調理を要しない冷蔵流通する加工麺に好ましく使用される。更には、ノンフライ麺な
どの即席麺の食感も改良する。
対して、0.01〜5.0重量部、好ましくは0.05〜3.0重量部、より好ましくは0.1〜3.0重量部を挙げることができる。添加量が5.0重量部より多くなると麺のなめらかさが減少し、麺帯が形成されにくくなる。0.01重量部より少ないと十分な効果が得られなくなるからである。
を添加しても良いし、麺類用食感改良剤に配合される成分を別々に併用添加してもよい。
かかる原料を秤量、混練することで麺生地を得ることができるが、予め、麺類用食感改良
剤を水に溶解しておき、当該水溶液を添加することもできる。混練された麺生地は、一般
的な麺の製造工程、例えば、練水調製、混合、整形、複合、圧延、切り出し工程を経て生
麺を製造することができ、必要に応じて、蒸し、茹で等の加熱処理を施した後、包装、加
熱殺菌工程をとることができ、また、必要に応じてpH調整の処理を行うこともできる。
かんすい等を加え、pHを8以上のアルカリ性にし、原料を混練した後圧延、整形、切り
出し等の製造工程を用いて製造することができる。また、本発明の麺類用食感改良剤は、
このようにして製造された生の中華麺を、特に、蒸し工程(加熱処理)により食すること
ができる状態とし、包装後、更に、80〜100℃で20〜40分間程度の加熱殺菌工程
を行い、冷蔵で流通される加工麺に好適に使用できる。
整形、切り出し等の製造工程を用いて製造された生うどんを、食することができる状態に
お湯等で茹でることにより製造することができる。特に、茹でた(加熱処理)後、必要に
応じてpH調整処理を行い、包装後、80〜100℃で20〜40分間程度の加熱殺菌工
程を行い、冷蔵で流通される加工麺に好適に使用できる。
塩、糖類、甘味料、卵白、乳清たん白、大豆たん白等のたん白類、調味料、保存料、日持
向上剤、香料、pH調整剤、酸味料、かんすい、色素、ビタミン類、ミネラル類等を添加
することができる。
これらに何ら限定されるものではない。なお、文中、「部」は「重量部」とし、「*」は
三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商
標であることを示す。
下記表1及び2に掲げる処方のうち、小麦粉、加工澱粉、植物性蛋白質、食感改良剤を
加え、さらに万能混合機でかき混ぜながら、ゆっくりかん水(水に食塩、炭酸カリウム、
炭酸ナトリウムを溶かして25℃に調製したもの)を加えて13分攪拌混合した。次いで、混合物を製麺機(ヒグチ麺機製作所製)を用いて、粗複合して麺帯とし、さらに複合、圧延を行い、厚さ1.4mmの麺帯を調製した。得られた麺帯を#22の切刃にて麺線とし、40cmの長さに切断した。これを沸騰水で3分30秒茹でて、30秒流水で、ついで30秒氷水で冷却し、チルド中華麺を調製した。
た。結果を表1及び2に記す。評価は、固さ、弾力、つるみ、及び風味については、良好
なものから順に「+++ → ++ → + → ± → −」とした。食感の総合評価
については、「+++」→「++」→「+」の順で食感改良効果が高いことを示し、「±
」はブランク(食感改良剤無添加)と同等であり、「−」はブランクより効果が低いこと
を示す。
注2)植物性蛋白質:商品名「A−ゲルG」;グリコ栄養食品製。
注3)乾燥こんにゃく加工品:商品名「サンスマート※400*」;こんにゃく粉14%、澱粉11%、水あめ75%含有。
注4)キサンタンガム:商品名「サンエース※NXG−S*」;アセチル基含量1%以下のキサンタンガム。
下記表3に従ってチルド中華麺を調製した。詳細には、表3に掲げる処方のうち、小麦粉、加工澱粉、植物性蛋白質、食感改良剤を加え、さらに万能混合機でかき混ぜながら、ゆっくりかん水(水に食塩、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムを溶かして25℃に調製したもの)を加えて13分攪拌混合した。次いで、混合物を製麺機(ヒグチ麺機製作所製)を用いて、粗複合して麺帯とし、さらに複合、圧延を行い、厚さ1.4mmの麺帯を調製した。得られた麺帯を#22の切刃にて麺線とし、40cmの長さに切断した。これを沸騰水で3分30秒茹でて、30秒流水で、ついで30秒氷水で冷却し、チルド中華麺(実施例11)を調製した。
剤を提供できるようになった。特に、そうめん、冷やし中華、ざるそばなどの、喫食時に
加熱調理を要しない冷蔵流通する加工麺に適した麺類用食感改良剤が提供できるようにな
った。
Claims (3)
- 下記(1)及び(2)を含み、(1)1重量部に対して、(2)を0.2〜8.0重量部含むことを特徴とする、喫食時に加熱調理を要しない加工麺類用食感改良剤;
(1)こんにゃく粉及び澱粉を合わせて調製した乾燥こんにゃく加工品
(2)寒天、アルギン酸又はその塩、グルコマンナン、サイリウムシードガム、及びネイティブ型ジェランガムから選択される1種以上。 - 請求項1に記載の麺類用食感改良剤を添加することを特徴とする、喫食時に加熱調理を要しない加工麺類。
- 麺類用食感改良剤の添加量が、麺類の原料穀粉100重量部に対して0.01〜5.0重量部である請求項2に記載の加工麺類。
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