JP6361291B2 - リチウムイオン二次電池の初期充電方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電極組立体と、電解液とを有するリチウムイオン二次電池の初期充電方法に関する。
リチウムイオン二次電池は再充電が可能であり、繰り返し使用することができるため電源として広く利用されている。一般に、リチウムイオン二次電池はケースを備え、そのケース内に電極組立体及び非水電解液が収容されている。電極組立体は、正極電極、負極電極、及び正極電極と負極電極とを絶縁するセパレータを有し、正極電極と負極電極との間にセパレータを介在した積層構造になっている。リチウムイオン二次電池では、充電時には正極活物質中のリチウムイオンが非水電解液を介して負極活物質側へと移動して負極活物質に挿入され、放電時には逆に負極活物質から脱離したリチウムイオンが正極活物質側へと移動し正極活物質に吸蔵される。
リチウムイオン二次電池の製造は、ケース内に電極組立体を収納した後、ケースに設けられた注液孔から非水電解液をケース内に注入し、注液孔を封止する。そして、非水電解液を正極活物質及び負極活物質に浸透させる工程を行った後、充放電を繰り返し行うコンディショニング工程が行われる。
このコンディショニング工程を行う一つの目的は、負極活物質の表面にSEI皮膜を形成することであり、SEI皮膜を形成する目的は、負極活物質表面での電解液成分のさらなる分解を抑制することである。このSEI皮膜は、初期充電時に、電解液に含まれた添加剤が分解されることによって形成され、SEI皮膜が負極活物質の表面にムラなく形成された段階で電池容量が安定するようになる。
ところが、コンディショニング工程では、添加剤の分解に伴いガスも発生する。発生したガスは、気泡となって電極組立体の層間に侵入し、この気泡が上述のSEI皮膜の形成を阻害して、負極活物質の表面にはSEI皮膜のムラが生じる。そこで、初期充電の際に発生したガスをケース外に放出することが考えられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−262867号公報
ところで、初期充電の開始後、負極電位が添加剤の分解電位に達すれば、ガスは発生し、電極組立体の層間に入り込んでいく。特許文献1では、初期充電が完了した後に、発生したガスをケース外へ放出させているが、初期充電の最中に発生したガスは、初期充電の最中に気泡となって電極組立体の層間に入り込んでいる。このため、特許文献1では、初期充電の最中、発生したガスによってSEI皮膜の形成が阻害され、SEI皮膜の形成にムラが生じる。すると、コンディショニング後の充電において、SEI皮膜が少ない箇所では、SEI皮膜が新たに形成されるため、リチウムが消費される。その結果として、可動リチウムの量が減少し、電池の容量維持率が低下する。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、容量維持率の低下を抑制することができるリチウムイオン二次電池の初期充電方法を提供することにある。
上記問題点を解決するためのリチウムイオン二次電池の初期充電方法は、リチウムイオンを吸蔵・放出し得る正極活物質を有する正極電極と、リチウムイオンを挿入・脱離し得るシリコン系又はカーボン系の負極活物質を有する負極電極とを、両者の間を絶縁した状態に積層した電極組立体と、電解液とを有するリチウムイオン二次電池における初期充電方法であって、前記電極組立体の積層方向に沿って前記リチウムイオン二次電池を外側から拘束した状態で初期充電を開始し、充電開始から負極電位における少なくとも電位プラトーが生じるタイミングよりも前までの充電範囲で低速充電を行い、前記低速充電の後に、前記リチウムイオン二次電池の拘束を解除し、拘束解除の後に、前記リチウムイオン二次電池を再度拘束し、前記低速充電の時よりも高レートで再充電を行うことを要旨とする。
これによれば、初期充電時、負極電位が、電解液に含まれる添加剤の分解電位に達すると、添加剤の分解が開始され、SEI皮膜が負極活物質の表面に形成されていくとともに、ガスが発生し、そのガスは電極組立体の積層方向に隣り合う層同士の間に入り込んでいく。ここで、初期充電の途中の低速充電の完了後に、リチウムイオン二次電池の拘束を解除する。すると、電極組立体の層間が広がり、入り込んだガスが層間で流動可能になり、ガスが層間から上へ押し出され、電極組立体の層間に残るガスが無くなる。
よって、初期充電の際、ガスによるSEI皮膜の形成阻害が抑制され、負極活物質の表面にSEI皮膜をムラ無く形成することができる。その結果、コンディショニング後の充電において、SEI皮膜形成のためにリチウムが消費されることが抑制され、リチウムイオン二次電池の容量維持率の低下を抑制できる。
なお、低速充電を、負極電位における少なくとも電位プラトーが生じるタイミングよりも前まで行う。
また、リチウムイオン二次電池の初期充電方法について、前記カーボン系の負極活物質を有する負極電極を用いたリチウムイオン二次電池では、充電開始から、負極活物質にリチウムイオンが挿入されるステージ構造変化に対応する電位までにおいて低速充電が行われる。
これによれば、カーボン系の負極活物質を有する負極電極を用いたリチウムイオン二次電池では、初期(初回)充電において、SEI皮膜の形成は、充電開始から初めに現れる電位プラトー、すなわち負極活物質にリチウムイオンが挿入されるステージ構造変化に対応する電位までで起こると考えられており、この範囲において低速充電が行われる。そして、SEI皮膜が形成される充電範囲において低速充電を行うことにより、添加剤の分解が緩やかに行われ、SEI皮膜を安定した状態で形成することができる。
また、リチウムイオン二次電池の初期充電方法について、前記添加剤には、ビニレンカーボネートが含まれている。
これによれば、添加剤によって、SEI皮膜をムラなく形成することができる。
また、リチウムイオン二次電池の初期充電方法について、前記シリコン系の負極活物質を有する負極電極を用いたリチウムイオン二次電池では、充電開始からリチウムシリケートの生成による電位プラトーが観察されるまでにおいて低速充電が行われる。
これによれば、負極電位の変化量が大きい充電範囲において低速充電を行うことにより、添加剤の分解が行われ、SEI皮膜を安定した状態で形成することができる。
本発明によれば、容量維持率の低下を抑制することができる。
実施形態の二次電池を示す分解斜視図。 電極組立体の構成要素を示す分解斜視図。 拘束治具で二次電池を拘束した状態を示す斜視図。 負極電位とSOCとの関係を示すグラフ。 (a)は拘束状態の電極組立体を示す部分断面図、(b)は拘束を解除した状態の電極組立体を示す部分断面図、(c)は再度、拘束した状態の電極組立体を示す部分断面図。
以下、リチウムイオン二次電池の初期充電方法を具体化した一実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
図1に示すように、リチウムイオン二次電池10は、ケース11を有し、ケース11には電極組立体14及び非水電解液が収容されている。ケース11は、有底四角筒状のケース本体12と、ケース本体12に電極組立体14を挿入するための開口部12aを閉塞する平板状の蓋体13とからなる。
ケース本体12は、矩形板状の底壁12bと、底壁12bの対向する一対の長側縁から立設された長側壁12dと、底壁12bの対向する一対の短側縁から立設された短側壁12cとを有する。短側壁12cの正面視形状は、底壁12bに繋がる辺が短辺となる矩形状であり、長側壁12dの正面視形状は、底壁12bに繋がる辺が長辺となる矩形状である。また、ケース本体12の内面は絶縁層15aによって覆われている。ケース本体12と蓋体13は、何れも金属製(例えば、ステンレス製やアルミニウム製)である。蓋体13は、ケース11(ケース本体13)内に電解液を注入するための注液孔13aを有する。注液孔13aは封止栓19によって閉塞されている。
図2に示すように、電極組立体14は、負極電極21、正極電極24、及び正極電極24と負極電極21とを絶縁するセパレータ27を有する。
負極電極21は、負極金属箔22(銅箔)と、負極金属箔22の両面に負極活物質を塗工して構成された負極活物質層23と、を有する。負極電極21は、その一辺21aに沿って、負極金属箔22で構成された負極未塗工部22dを有する。負極電極21の一辺21aの一部には、負極タブ29が突出する状態で設けられている。
負極活物質層23は、負極活物質、導電剤、バインダ、及び溶媒を含む活物質合剤から形成される。負極活物質としてはリチウムイオンを挿入・脱離し得る材料が用いられ、カーボン系のものが用いられる。具体的には、アモルファスカーボン、グラファイト等が挙げられる。導電剤、バインダ、溶媒としては周知のものが使用される。
正極電極24は、矩形状の正極金属箔25(アルミニウム箔)と、正極金属箔25の両面に正極活物質を塗工して構成された正極活物質層26と、を有する。正極電極24は、その一辺24aに沿って、正極金属箔25で構成された正極未塗工部25dを有する。正極電極24の一辺24aの一部には、正極タブ28が突出する状態で設けられている。正極電極24の正極活物質層26は、正極活物質、導電剤、バインダ、及び溶媒を含む活物質合剤から形成される。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出し得る材料が用いられ、リチウム含有酸化物等が好ましく用いられる。具体例としてはリチウムマンガン酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウム鉄酸化物等の、リチウムイオン二次電池の正極活物質に用いられている化合物等が挙げられる。
非水電解液の溶媒としては、リチウムイオン二次電池に用いられる各種有機溶媒から選択される一種又は二種以上が用いられ、有機溶媒としては例えばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ビニレンカーボネート(VC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)等が挙げられる。非水電解液の電解質としては、従来のリチウムイオン二次電池に用いられる各種リチウム塩が用いられる。そして、非水電解液は、選択された有機溶媒に電解質を溶解させた溶液が使用される。本実施形態では、添加剤として、ビニレンカーボネートを少なくとも含む。
電極組立体14は、複数の正極電極24と複数の負極電極21を交互に積層するとともに、両電極21,24の間にセパレータ27を介在した積層構造とされ、直方体状である。負極電極21、正極電極24、及びセパレータ27が積層された方向を電極組立体14の積層方向とする。
図1に示すように、電極組立体14は積層方向の両端に平面視矩形状の偏平面14aを有し、両偏平面14aは、絶縁層15aを介して長側壁12dに対向している。電極組立体14では、正極タブ28が積層方向に沿って列状に配置され、且つ正極タブ28と重ならない位置にて負極タブ29が積層方向に沿って列状に配置されるように、正極電極24及び負極電極21が積層される。正極タブ28及び負極タブ29は、電極組立体14における積層方向の一端から他端までの範囲内でそれぞれ集められた状態で折り曲げられている。
正極タブ28には正極端子16が電気的に接続されており、負極タブ29には負極端子15が電気的に接続されている。これら正極端子16及び負極端子15は、各一部分が蓋体13の孔部13cからケース11外に露出している。また、正極端子16及び負極端子15には、ケース11から絶縁するためのリング状の絶縁リング17aがそれぞれ取り付けられている。
次に、リチウムイオン二次電池10の製造方法について説明する。
まず、ケース本体12に電極組立体14を収容する。次に、蓋体13をケース本体12の開口部12aを閉塞するように設ける。このとき、負極端子15及び正極端子16が、絶縁リング17aに挿通される。そして、蓋体13をケース本体12に溶接することで、ケース11が構成される。
次に、注液孔13aから、ケース11の内部に非水電解液を注入する。そして、非水電解液を注入した後は、注液孔13aを封止栓によって仮封止する。次に、電極組立体14の充放電を繰り返すコンディショニング工程を行い、その後、所定の温度環境下でリチウムイオン二次電池10を放置し、エージング工程を行う。エージング工程が終わった後には、仮封止に用いた封止栓を注液孔13aから取り外してケース11内のガスをケース11外に放出する。ガス放出の完了後、封止栓19によって注液孔13aを本封止して、リチウムイオン二次電池10が完成する。
次に、コンディショニング工程について詳細に説明する。
図3に示すように、コンディショニング工程では、まず、リチウムイオン二次電池10のケース11を拘束治具30によって拘束する。拘束治具30は、一対の拘束板31と、それら拘束板31を連結するボルト32と、ボルト32に螺合されるナット33と、を有する。拘束治具30は、ケース11の2つの長側壁12dを、ケース11の幅方向、すなわち、電極組立体14の積層方向に沿って外面側から押圧し、リチウムイオン二次電池10を拘束するものである。
そして、拘束治具30により、リチウムイオン二次電池10がケース11の幅方向から拘束されると、図5(a)に示すように、電極組立体14の層間(負極電極21とセパレータ27との隙間S1、及び正極電極24とセパレータ27との隙間S2)が拘束前より狭くなる。
次に、リチウムイオン二次電池10を拘束治具30で拘束した状態で、初期(初回)充電を行う。一サイクル目の充電時において、充電開始から、初めに現れるステージ構造の変化よりも前までの期間を低速充電期間とする。低速充電期間では、充電電流を0.025〜0.1Cとして、比較的低速で充電を行う(低速充電を行う)。
なお、図4の曲線に示すように、低速充電の開始から、「初めに現れるステージ構造の変化」の前までの負極電位は、負極電位の変化率が大きい。一方、「負極活物質にリチウムイオンが挿入されるステージ構造変化」が生じている電位は、図4の曲線において、負極電位の変化率が小さく、充電の開始から初めに現れる電位プラトー(平坦部)が観察される電位である。このステージでは、負極電位が一定の所にリチウムイオンが挿入されるので、負極電位の変化がなく、フラット(負極電位の変化率がゼロ)になる。そして、本実施形態では、「負極活物質にリチウムイオンが挿入されるステージ」での電位は0.2V前後であり、充電開始から負極電位が0.2V付近に達するまでが低速充電期間となっている。
また、低速充電期間は、電極組立体14の電気容量(満充電)に対して、現在、充電している電気量を比率で表したSOCが0%〜15%までの期間でもある。すなわち、SOC0%の充電開始から、SOC15%となるまでが、低速充電期間である。また、低速充電を終了させるタイミング、すなわち、SOC15%となったタイミングであり、電位プラトーに到達したタイミングは、非水電解液の添加剤(有機溶媒)であるビニレンカーボネート(VC)の分解速度が緩やかになるタイミングでもある。
さて、初期充電において、低速充電が開始されると、負極電位が、ビニレンカーボネートの分解電位(本実施形態では0.8V)に達する。すると、ビニレンカーボネートの分解が開始され、負極活物質の表面にはSEI皮膜の形成が開始されるとともに、ガスの発生が開始する。そして、ビニレンカーボネートは、分解電位に達してから低速充電が完了する直前まで急速に分解されていき、低速充電が完了するタイミング(負極電位0.2V付近)で、分解速度が緩やかになる。
なお、図5(a)に示すように、低速充電期間中、ビニレンカーボネートの分解により発生したガスは気泡40となって、負極電極21とセパレータ27との隙間S1(層間)、及び正極電極24とセパレータ27との隙間S2(層間)に入り込む。その後、一旦、充電を停止し、拘束治具30によるリチウムイオン二次電池10の拘束を解除する。
すると、図5(b)に示すように、負極電極21とセパレータ27との隙間S1、及び正極電極24とセパレータ27との隙間S2が、拘束治具30による拘束前より広がり、気泡40が各隙間S1,S2を流動可能になり、気泡40が各隙間S1,S2に沿って上方へ押し出される。その後、リチウムイオン二次電池10を拘束治具30によって再度、拘束することで、図5(c)に示すように、電極組立体14の層間に残る気泡40が無くなる。
次に、拘束治具30によりリチウムイオン二次電池10が拘束された状態で、低速充電の時よりも高レートの充電電流で充電を再開し、後期充電(再充電)を行う。本実施形態では、0.8Cの充電電流で後期充電を行う。すると、図4に示すように、負極電位は、既にビニレンカーボネートの分解電位に達しているため、ビニレンカーボネートが分解され、負極活物質の表面にはSEI皮膜が形成される。このとき、ビニレンカーボネートは緩やかに分解され、安定して負極活物質の表面に形成されていき、しかも、気泡40が存在しないため、SEI皮膜はムラなく負極活物質の表面に形成されていく。なお、ビニレンカーボネートの分解によってガスが発生するが、発生量は低速充電時よりも少なく、既に、SEI皮膜もムラなく形成されているため、ガスによるSEI皮膜形成に対する影響は少ない。
そして、リチウムイオン二次電池10の電圧が所定電圧に達すると、一サイクル目の充電が完了する。その後、放電が行われ、以降、充放電が繰り返されてコンディショニング工程が終了する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)コンディショニング工程において、低速充電後に、拘束治具30によるリチウムイオン二次電池10の拘束を一旦解除し、電極組立体14の層間に存在する気泡40を移動できるようにしておき、拘束治具30でリチウムイオン二次電池10を再度、拘束した。このため、初期充電時に気泡40が生じても、その途中での拘束治具30による拘束解除と再拘束によって、電極組立体14の層間から気泡40を無くすことができる。よって、気泡40を無くした後の後期充電により、負極活物質の表面にSEI皮膜をムラ無く形成することができる。その結果、コンディショニング後の充電において、SEI皮膜形成のためにリチウムが消費されることが抑制され、リチウムイオン二次電池10の容量維持率が低下することを抑制できる。
(2)拘束治具30によるリチウムイオン二次電池10の拘束を解除するタイミングを、「充電開始から初めに現れるステージ構造の変化」に到達したタイミングとした。上記ステージ構造の変化が生じる電位では、負極電位の変化量が小さく、ビニレンカーボネートの分解が緩やかに行われ、SEI皮膜を安定した状態で形成することができ、SEI皮膜にムラが生じることを抑制できる。よって、拘束解除と再拘束によって気泡40を電極組立体14の層間から押し出し、かつ拘束解除のタイミングを所定のタイミングとすることで、負極活物質の表面にSEI皮膜をムラ無く形成することができる。
(3)また、「充電開始から初めに現れるステージ構造の変化」では、負極電位の変化量が小さく、ビニレンカーボネートの分解もほぼ収まる。このため、ビニレンカーボネートの分解に伴うガス発生が少なくなる。そして、このステージ構造の変化に到達したタイミングで、リチウムイオン二次電池の拘束解除、及び再拘束を行う。このため、低速充電期間中にガスをほぼ発生させた状態で、電極組立体14からガスを抜くことになり、それ以降の後期充電時に発生するガスの量を抑えてSEI皮膜を形成することができる。
(4)拘束治具30によってリチウムイオン二次電池10を再度、拘束した後は、低速充電時より高レートで充電するようにした。後期充電時は、SEI皮膜もムラなく形成されており、容量維持率も低下しにくいため、高レートで充電することができ、後期充電を低速充電と同じレートで充電する場合と比べて、初期充電に要する時間を短縮できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 負極活物質としてシリコン系のものを使用してもよい。シリコン系の負極活物質としては、酸化珪素が用いられ、xが0.4以上、かつ1.2以下を満たす低級酸化珪素(SiO)を用いるのが好ましい。負極活物質は、低級酸化珪素粉末と、有機溶媒と、導電剤と、バインダとを含む。
シリコン系の負極活物質を用いた負極電極を用いたリチウムイオン二次電池では、初期(初回)充電において、リチウムシリケートが均一に生成される際に、電位プラトーが観察される。よって、シリコン系の負極活物質を用いた負極電極を用いたリチウムイオン二次電池の初期充電では、充電開始から、リチウムシリケートの生成による電位プラトーが観察されるまでにおいて低速充電を行う。
よって、シリコン系の負極活物質としては、アモルファスシリコンのように、リチウムシリケートの生成による電位プラトーが観察される活物質が用いられる。
○ 後期充電では、低速充電より高レートであれば、0.8C以外のレートで充電を行ってもよい。
○ 充電開始から負極電位における電位プラトーが生じるタイミングで拘束を解除してもよい。
○ 低速充電時のSOCは適宜変更してもよい。
○ SEI皮膜を形成する添加剤は、ビニレンカーボネート以外でもよい。
○ 電極組立体14は積層型としたが、帯状の負極電極と正極電極の間に、帯状のセパレータを挟んでこれらを層状に捲回した捲回型としてもよい。
○ 電極組立体14を構成する負極電極21及び正極電極24の枚数は適宜変更してもよい。
○ 実施形態では、負極電極21は、負極金属箔22の両面に負極活物質層23を有するとしたが、負極金属箔22の片面のみに負極活物質層23を有していてもよい。同様に、正極電極24は、正極金属箔25の両面に正極活物質層26を有するとしたが、正極金属箔25の片面のみに正極活物質層26を有していてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記電解液は非水電解液である。
10…リチウムイオン二次電池、14…電極組立体、21…負極電極、24…正極電極。

Claims (3)

  1. リチウムイオンを吸蔵・放出し得る正極活物質を有する正極電極と、リチウムイオンを挿入・脱離し得るカーボン系の負極活物質を有する負極電極とを、両者の間を絶縁した状態に積層した電極組立体と、電解液とを有するリチウムイオン二次電池の前記負極活物質の表面にSEI皮膜を形成するリチウムイオン二次電池における初期充電方法であって、
    前記電極組立体の積層方向に沿って前記リチウムイオン二次電池を外側から拘束した状態で低速充電による初期充電を開始し、負極電位が前記電解液に含まれるビニレンカーボネートの分解電位に達した後から負極電位における電位プラトーが生じるタイミングまで低速充電を行い、
    前記低速充電の後に、前記リチウムイオン二次電池の拘束を解除し、
    拘束解除の後に、前記リチウムイオン二次電池を再度拘束し、前記低速充電の時よりも高レートで再充電を行うことを特徴とするリチウムイオン二次電池の初期充電方法。
  2. 前記カーボン系の負極活物質を有する負極電極を用いたリチウムイオン二次電池では、前記電極組立体の積層方向に沿って前記リチウムイオン二次電池を外側から拘束した状態で低速充電による初期充電を開始し、負極電位が前記電解液に含まれるビニレンカーボネートの分解電位に達した後から前記負極活物質にリチウムイオンが挿入されるステージ構造変化に対応する電位まで低速充電が行われる請求項1に記載のリチウムイオン二次電池の初期充電方法。
  3. 前記低速充電は、SOC15%に到達したタイミングで前記低速充電を完了する請求項1又は請求項2に記載のリチウムイオン二次電池の初期充電方法。
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