JP5888551B2 - 密閉型リチウム二次電池の製造方法 - Google Patents

密閉型リチウム二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、密閉型リチウム二次電池の製造方法に関する。詳しくは、安定した性能を有する該電池を製造する方法に関する。
リチウムイオン電池その他のリチウム二次電池は、既存の電池に比べ、小型、軽量かつ高エネルギー密度であって、出力密度に優れる。このため、近年、パソコンや携帯端末等のいわゆるポータブル電源や、車両駆動用電源として好ましく用いられている。
かかる電池の一形態として、密閉型リチウム二次電池が挙げられる。該電池は、典型的には、正極と負極を備える電極体と、電解質(典型的には、電解液)とが電池ケースに収容された後、湿度が非常に低い環境(以下、「ドライ環境」という。)下において、該ケースに蓋体が装着され、封口(密閉)されることにより構築される。また、該電極(正極と負極)は、対応する正負の集電体上に電荷担体(リチウムイオン)を可逆的に吸蔵および放出し得る活物質を主成分とする電極合材層(正極合材層と負極合材層)を、それぞれ備えている。
ところで、密閉型リチウム二次電池では、初回充電の際に該電池部材に含まれる微量の水分や電解質成分(非水溶媒、支持塩等)の一部が電極表面で分解され、ガスが発生する。かかるガスの発生により、電池の内圧が高くなってしまう。これに対処する従来技術として、特許文献1、2が挙げられる。例えば、特許文献1には、電池ケースを封止する前に初回充電し、充電に伴って発生したガスを電池ケース外へ排出した後、該ケースを封止する技術が開示されている。また特許文献2には、先ずドライ環境下で電池ケースを仮封止する工程、次に該電池を大気中で初回充電する工程、そして発生したガスの排出および本封止を再びドライ環境下で行う工程、を包含する技術が開示されている。
特開2000−090974号公報 特開2008−27741号公報
しかし、特許文献1に記載の製造方法では、電池ケースを封止する前に充電処理を行う必要があるため、かかる充電処理中、長時間にわたりドライ環境が必要となる。ドライ環境では湿度が非常に低い状態を常に保持する必要があり、設備費用や管理費用が高額であるうえ、湿度センサー等のメンテナンスも必要となる。よって生産性や設備投資の観点等からは、かかる環境における作業を可能な限り削減することが好ましい。また、特許文献2に記載の製造方法では仮封止後に充電処理を行うため、かかる充電処理は大気中で行うことができるが、複数の封止工程が必要なため作業が煩雑になり、不良品発生率が増大する虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、より簡便に、安定した性能を有する密閉型リチウム二次電池を量産し得る方法を提供することである。
上記目的を実現すべく、本発明によって、電極体と電解液と所定の形状の密閉可能なハードケースとを備えた密閉型リチウム二次電池を製造する方法が開示される。かかる製造方法は、正極と負極とを備える上記電極体と上記電解液とを上記ハードケース内に収容する工程、上記ハードケース内を負圧にした状態で上記ハードケースを封じる封止工程、上記封止工程後に上記電極体がガスを発生する電圧に調整する初回充電工程、上記初回充電工程後に予め定められた電圧まで充電する本充電工程、を包含し、ここで、上記封止工程後から上記本充電工程までの間は、上記ハードケース内が大気解放されないように上記ハードケースの封止状態が保持されており、且つ、上記初回充電工程は、上記ケース内の電極体に対して所定の方向に圧力が加えられた状態で行うことを特徴とする。
ここで開示される製造方法によれば、封止工程後はハードケース内が大気解放されないため、ドライ環境を保持する設備が最小限で済み、かかる環境を保持するために必要な費用やメンテナンス等の手間を大幅に削減し得る。また発生したガスを排出するために特段の設備や操作(例えば、ハードケースを開放したり、強制的に該ケース内のガスを排出したりすること)を必要としないため、簡便である。さらに、作業が簡素化されることで、好ましくは不良品発生率をも抑制し得る。
加えて、上記初回充電工程においてハードケース内の電極体を加圧することにより、発生したガスがスムーズに電極体外へ排出される。このため、電池の製造に要する時間を従来に比べ短縮することができ、効率的である。更に、かかる加圧によってガスの発生に起因するハードケースの膨らみをも抑制し得る。
よって、ここで開示される製造方法によれば、より簡便かつ効率的に、性能の安定した電池を製造することができる。また、好ましくは、電極体内におけるガスの滞留(残存)が低減されることにより、電池特性をも向上(例えば、エネルギー密度の増大や、抵抗の低減)し得る。
ここで開示される密閉型リチウム二次電池の製造方法における好ましい一態様では、上記ケースは直方体形状であって、該ケースの少なくとも一対の幅広面を拘束板で挟んだ状態で圧力を加える。
拘束板で挟み込んだ状態で圧力を負荷することにより、ハードケース(具体的には、該ケース内の電極体)を全体に渡って容易に加圧することができる。このため、電極体内(例えば、電極とセパレータの間)に滞留したガスをよりスムーズに電極体外へ排出することができる。
ここで開示される密閉型リチウム二次電池の製造方法における好ましい一態様では、上記電極体は扁平形状の捲回電極体である。
扁平形状の捲回電極体では、該電極のコーナー部分と直線部分で面圧が異なるため、上記初回充電工程において発生したガスは、面圧の低い直線部分(典型的には該電極体の幅方向における中央部分)に滞留し、電極体内から抜け難い傾向がある。このため、かかる捲回電極体を備えた電池では、発生したガスを該電極体外へ排出するために長時間を要する。しかし、ここで開示される製造方法によれば、初回充電工程において圧力を加えるため、従来に比べ効率よく発生したガスを捲回電極体の外へ排出することができ、よって、品質の安定した該電池を効率よく製造することができる。
ここで開示される密閉型リチウム二次電池の製造方法における好ましい一態様では、上記電極体の所定の加圧方向と直交する方向の、端部分より中央部分に高い圧力が加わるように上記圧力を加える。
電極体の中央部分に高い圧力を加えることで、電極体内に滞留したガスが電極体外へより排出されやすくなり、製造(典型的には放置工程)に要する時間を短縮することができる。よってスムーズにかつ効率的に品質の安定した電池を製造することができる。
ここで開示される密閉型リチウム二次電池の製造方法における好ましい一態様では、上記初回充電工程後であって上記本充電工程前に、上記初回充電により発生したガスが実質的に電極体から抜けるまで放置する放置工程を包含する。
初回充電工程後に該電池を一定時間保持(放置)することで、電極体内に滞留したガスを十分に電極体外へ排出し得る。このため、より品質の安定した該電池を製造することができる。
ここで開示される密閉型リチウム二次電池の製造方法における好ましい一態様では、上記初回充電工程は、1V以上であって、上記本充電工程において定められた電圧を上回らないよう充電する。
初回充電工程において、該電池の電圧をかかる範囲に調整することで、電解液の一部が分解されガスが発生するとともに、負極活物質表面に被膜(SEI:Solid Electrolyte Interphase)が形成される。これにより負極表面と電解液との界面が安定化され、電解液成分の更なる分解を防ぐことができる。このため、品質の安定した該電池を製造することができる。
本発明によると、ここで開示されるいずれかの方法により製造された密閉型リチウム二次電池(単電池)が提供される。該電池は、安定した性能(例えば、エネルギー密度)を有しているため、好適に用いることができる。さらに、製造方法が従来に比べ簡便かつ効率的なため、生産性の観点からも好ましい。
また、本発明によれば、ここで開示されるいずれかの方法により製造された密閉型リチウム二次電池(単電池)を複数組み合わせた組電池が提供される。組電池の場合、一部の単電池の性能が低下すると、組電池全体の性能が低下する虞がある。このため、電池性能のバラつきを抑えることが重要である。ここで開示される密閉型リチウム二次電池は、安定した性能(例えば、エネルギー密度)を有するため、組電池として特に好適に使用し得る。
さらに、ここで開示される密閉型リチウム二次電池(または該電池を複数接続してなる組電池)は、上述のような特性を有するため、例えば自動車等の車両に搭載される駆動用電源として好適である。したがって本発明によると、上記組電池を備える車両(典型的には、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)のような電動機)が提供される。
(A),(B)は、本発明の一実施形態に係る、密閉型リチウム二次電池の製造方法を説明するためのフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る、密閉型リチウム二次電池の外形を模式的に示す斜視図である。 図2の密閉型リチウム二次電池のIII−III線における断面構造を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る、密閉型リチウム二次電池の捲回電極体の構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る、密閉型リチウム二次電池を複数組み合わせた組電池を模式的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る、組電池を車両駆動用電源として備えた車両(自動車)を模式的に示す側面図である。 本発明の一実施例に係る、圧力の負荷方法を説明するための模式的な断面図であり、(A),(B),(C)は拘束板の形状が異なる態様を示す。
本明細書において「リチウム二次電池」とは、電解質イオンとしてリチウムイオンを利用し、正負極間におけるリチウムイオンに伴う電荷の移動により充放電が実現される二次電池をいう。一般にリチウムイオン電池(もしくはリチウムイオン二次電池)、リチウムポリマー電池、リチウム空気電池、リチウム硫黄電池等と称される二次電池は、本明細書におけるリチウム二次電池に包含される典型例である。また、本明細書において「活物質」とは、正極側又は負極側において蓄電に関与する物質(化合物)をいう。即ち、電池の充放電時において電子の吸蔵および放出に関与する物質をいう。
以下、ここで開示される密閉型リチウム二次電池の好適な実施形態について、説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって、実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。かかる構造の密閉型リチウム二次電池は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
ここで開示される製造方法のフローチャートを、図1(A)に示す。即ち、ここで開示される製造方法は、正極と負極を備える電極体と電解液とをハードケースに収容する工程(電極体の収容工程;S10)、ハードケース内を負圧にした状態で該ケースを封じる工程(封止工程;S20)、ケース内の電極体に対して、所定の方向に圧力を負荷した状態で、電極体がガスを発生する電圧に調整する工程(初回充電工程;S30)、および予め定められた電圧まで充電する工程(本充電工程;S50)を包含する。また、図1(B)のフローチャートに示す方法を用いることもできる。即ち、図1(B)に示すフローチャートのように、初回充電工程と本充電工程の間に、初回充電工程で発生したガスが実質的に電極体から抜けるまで放置する工程(放置工程;S40)を包含することもできる。以下、かかる製造方法の好ましい態様について説明する。
≪電池構成材料の用意≫
先ずは、正極と負極を備える電極体を用意する。ここで開示される密閉型リチウム二次電池の正極としては、正極活物質と導電材とバインダ等とを適当な溶媒中で混合してスラリー状(ペースト状、インク状のものを包含する。)の正極合材層形成用組成物(以下、「正極合材スラリー」という。)を調製し、該スラリーを正極集電体上に付与して正極合材層(正極活物質層ともいう。)を形成した形態のものを用いる。正極合材層を形成する方法としては、上記正極合材スラリーを、正極集電体の片面または両面に適量付与して乾燥させる方法を好ましく採用することができる。正極合材スラリーの乾燥後、適宜プレス処理を施すことによって正極合材層の厚みや密度を調製することができる。
ここで用いられる正極集電体の素材としては、アルミニウム、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等が挙げられる。集電体の形状は、得られた電極を用いて構築される電池の形状等に応じて異なり得るため特に限定されず、棒状体、板状体、箔状体、網状体等を用いることができる。例えば、後述する捲回電極体を備えた電池では主に箔状体が用いられる。箔状集電体の厚みは特に限定されないが、電池の容量密度と集電体の強度との兼ね合いから、5μm〜50μm(より好ましくは8μm〜30μm)程度を好ましく用いることができる。
ここで用いられる正極活物質には、従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、リチウムニッケル酸化物(例えばLiNiO)、リチウムコバルト酸化物(例えばLiCoO)、リチウムマンガン酸化物(例えばLiMn)等のリチウムと遷移金属元素とを構成金属元素として含む酸化物(リチウム遷移金属酸化物)や、リン酸マンガンリチウム(LiMnPO)、リン酸鉄リチウム(LiFePO)等のリチウムと遷移金属元素とを構成金属元素として含むリン酸塩等が挙げられる。
なかでも、層状構造のリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(NCMとも言う。例えばLiNi1/3Co1/3Mn1/3)を主成分とする正極活物質(典型的には、実質的にリチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物からなる正極活物質)は、熱安定性に優れ、且つ高いエネルギー密度を有する。また、正極活物質にNCMを用いた電池では、後述する初回充電工程(S30)において電解液の過剰な分解反応が抑制され、ガスの発生を低減し得る。このため、ここで開示される製造方法においては、NCMを好適に用いることができる。
特に限定するものではないが、正極合材層全体に占める正極活物質の割合は典型的には凡そ50質量%以上(典型的には70質量%〜99質量%)であり、凡そ80質量%〜99質量%であることが好ましい。
ここで、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物とは、Li、Ni、Co、Mnを構成金属元素とする酸化物のほか、Li、Ni、Co、Mn以外に他の少なくとも一種の金属元素(Li、Ni、Co、Mn以外の遷移金属元素および/または典型金属元素)を含む酸化物をも包含する意味である。かかる金属元素は、例えば、Al、Cr、Fe、V、Mg、Ti、Zr、Nb、Mo、W、Cu、Zn、Ga、In、Sn、La、Ceのうちの一種または二種以上の元素であり得る。リチウムニッケル酸化物、リチウムコバルト酸化物、及びリチウムマンガン酸化物についても同様である。このようなリチウム遷移金属酸化物(典型的には粒子状)としては、例えば従来公知の方法で調製されるリチウム遷移金属酸化物粉末をそのまま使用することができる。
ここで用いられる導電材には、従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、種々のカーボンブラック(例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック)、黒鉛粉末(天然、人造)、炭素繊維(PAN系、ピッチ系)等から選択される、一種または二種以上であり得る。あるいは金属繊維(例えばAl、SUS等)、導電性金属粉末(例えばAg、Ni、Cu等)、金属酸化物(例えばZnO、SnO等)、金属で表面被覆した合成繊維等を用いてもよい。なかでも好ましいカーボン粉末としては、アセチレンブラックが挙げられる。
特に限定するものではないが、正極合材層全体に占める導電材の割合は、例えば、凡そ0.1質量%〜15質量%とすることができ、凡そ1質量%〜10質量%(より好ましくは2質量%〜6質量%)とすることが好ましい。
ここで用いられるバインダには、従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。典型的には、各種のポリマー材料を好適に用いることができる。例えば、水系の液状組成物を用いて正極合材層を形成する場合には、水に溶解または分散するポリマー材料を好ましく採用し得る。かかるポリマー材料としては、セルロース系ポリマー、フッ素系樹脂、酢酸ビニル共重合体、ゴム類等が例示される。より具体的には、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル酸変性SBR樹脂(SBR系ラテックス)等が挙げられる。あるいは、溶剤系の液状組成物(分散媒の主成分が有機溶剤である溶剤系組成物)を用いて正極合材層を形成する場合には、有機溶剤に分散または溶解するポリマー材料を好ましく採用し得る。かかるポリマー材料としては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビニリデン(PVdC)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等が挙げられる。
特に限定するものではないが、正極合材層全体に占めるバインダの割合は、例えば凡そ0.1質量%〜10質量%とすることができ、凡そ1質量%〜5質量%とすることが好ましい。
ここで用いられる溶媒としては、従来からリチウム二次電池に用いられる溶媒のうち一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。かかる溶媒は水系と有機溶剤に大別され、水系溶媒としては、水または水を主体とする混合溶媒であることが好ましい。該混合溶媒を構成する水以外の溶媒としては、水と均一に混合し得る有機溶剤(低級アルコール、低級ケトン等)の一種または二種以上を適宜選択して用いることができる。例えば、該水系溶媒の凡そ80質量%以上(より好ましくは凡そ90質量%以上、さらに好ましくは凡そ95質量%以上)が水である水系溶媒の使用が好ましい。特に好ましい例として、実質的に水からなる水系溶媒(例えば水)が挙げられる。
また、有機溶剤としては、例えば、アミド、アルコール、ケトン、エステル、アミン、エーテル、ニトリル、環状エーテル、芳香族炭化水素等が挙げられる。より具体的には、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド、2−プロパノール、エタノール、メタノール、アセトン、メチルエチルケトン、プロペン酸メチル、シクロヘキサノン、酢酸メチル、酢酸エチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、アセトニトリル、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンジメチルスルホキシド(DMSO)、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタン等が挙げられる。
また、ここで調製される正極合材スラリーには、必要に応じて、各種添加剤(例えば、分散剤として機能し得る材料や、過充電時においてガスを発生させる無機化合物)等を添加してもよい。該分散剤としては、疎水性鎖と親水性基をもつ高分子化合物(例えばはアルカリ塩、典型的にはナトリウム塩)や、硫酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩などを有するアニオン性化合物やアミンなどのカチオン性化合物などが挙げられる。より具体的には、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチラール、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリカルボン酸、酸化スターチ、リン酸スターチ等が例示され、例えば、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子材料が好ましく用いられる。
ここで開示される製造方法では、密閉型リチウム二次電池の負極は、負極活物質とバインダ(結着剤)等とを適当な溶媒中で混合してスラリー状(ペースト状、インク状のものを包含する。)の負極合材層形成用組成物(以下、「負極合材スラリー」という。)を調製し、該スラリーを負極集電体上に付与して負極合材層(負極活物質層ともいう。)を形成した形態のものを用いる。負極合材層を形成する方法としては、上記負極合材スラリーを負極集電体の片面または両面に適量付与して乾燥させる方法を好ましく採用することができる。負極合材スラリーの乾燥後、適宜プレス処理を施すことによって正極合材層の厚みや密度を調製することができる。
ここで用いられる負極集電体の素材としては、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等が挙げられる。なお、形態は特に限定されず、棒状体、板状体、箔状体、網状体等を用いることができる。後述する捲回電極体を備えた電池では、箔状が用いられる。箔状集電体の厚みは特に限定されないが、電池の容量密度と集電体の強度との兼ね合いから、5μm〜50μm(より好ましくは8μm〜30μm)程度を好ましく用いることができる。
ここで用いられる負極活物質には、従来からリチウム二次電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。例えば、少なくとも一部に黒鉛構造(層状構造)を含む粒子状の黒鉛粉末(カーボン粒子)、チタン酸リチウム(LTO)等の酸化物、スズ(Sn)やケイ素(Si)とリチウムの合金等が挙げられる。黒鉛粉末としては、例えば、黒鉛質のもの、難黒鉛化炭素質のもの(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素質のもの(ソフトカーボン)、またはこれらを組み合わせたもの等を用いることができ、なかでも黒鉛を好ましく使用することができる。該黒鉛としては、例えば、天然鉱物から採られた天然黒鉛(石墨)や、石油または石炭系の材料から製造された人造黒鉛、あるいは上記黒鉛に粉砕やプレス等の加工処理を施したもの等から選択される、一種または二種以上であり得る。
特に限定するものではないが、負極合材層全体に占める負極活物質の割合は、通常は凡そ50質量%以上とすることが適当であり、好ましくは凡そ90質量%〜99質量%(例えば凡そ95質量%〜99質量%)である。
ここで用いられるバインダには、上記正極合材層用のバインダとして例示したポリマー材料から適当なものを選択することができる。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が例示される。特に限定するものではないが、負極合材層全体に占めるバインダの割合は、例えば0.1質量%〜10質量%(好ましくは0.5質量%〜5質量%)とすることができる。
また、ここで用いられる溶媒としては、上記正極合材層を形成する際に用いられる溶媒として例示した溶媒から適当なものを選択し得る。
上記正極および上記負極を積層し、電極体が作製される。かかる電極体の形状は特に限定されてないが、例えば、長尺状の正極集電体上に所定の幅の正極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の上記正極と、長尺状の負極集電体上に所定の幅の負極合材層が該集電体の長手方向に沿って形成されている長尺状の上記負極と、が積層され捲回されてなる捲回電極体を用いることができる。かかる電極体が側面方向から押しつぶされた扁平形状を有する場合、該電極体のコーナー部分と直線部分とで面圧が異なるため、上記初回充電工程において発生したガスは面圧の低い直線部に滞留し易い傾向にあり、ひいては電池特性の低下につながる虞がある。しかし、ここで開示される製造方法によれば、初回充電工程において加圧を行うため、後述する実施例に示すように、かかる場合においても発生したガスが捲回電極体内に滞留することを抑止し得る。このため、品質の安定した該電池を製造することができる。
なお、ここで開示される密閉型リチウム二次電池の代表的な構成では、正極と負極との間にセパレータが介在される。ここで用いられるセパレータとしては、従来からリチウム二次電池に用いられるものと同様の各種多孔質シートを用いることができる。例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル、セルロース、ポリアミド等の樹脂から成る多孔質樹脂シート(フィルム、不織布等)が挙げられる。かかる多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複数構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。また、固体状の電解液を用いた密閉型リチウム二次電池(リチウムポリマー電池)では、上記電解質がセパレータを兼ねる構成としてもよい。
≪電極体の収容工程;S10≫
そして、上記電極体と電解液とが適当なハードケースに収容される。ここで用いられるハードケースとしては、従来のリチウム二次電池に用いられる材料や形状を用いることができる。該ケースの材質としては、例えばアルミニウム、スチール等の金属材料や、ポリオレフィン系樹脂あるいはポリイミド樹脂等の樹脂材料が挙げられる。なかでも、放熱性やエネルギー密度を向上させ得る等の理由から、比較的軽量な金属製(例えばアルミニウム製や、アルミニウム合金製)のハードケースを好ましく採用し得る。該ケースの形状(容器の外形)も特に限定されず、例えば、円形(円筒形、コイン形、ボタン形)、六面体形(直方体形、立方体形)、および、それらを加工し変形させた形状等であり得る。また、該ケースには電流遮断機構(電池の過充電時に、内圧の上昇に応じて電流を遮断し得る機構)等の安全機構を設けることもできる。
ここで用いられる電解液には、従来のリチウム二次電池に用いられる非水電解液と同様の一種または二種以上のものを特に限定なく使用することができる。かかる非水電解液は、典型的には、適当な非水溶媒に電解質(リチウム塩)を含有させた組成を有する。
上記非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、スルホン類、ラクトン類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、1,3−ジオキソラン、ジエチレングリコール、エチレングリコール、ジメチルエーテル、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。例えば、カーボネート類を主体とする非水溶媒は、後述する初回充電工程(S30)において負極表面上で還元分解され、負極活物質表面に被膜(SEI:Solid Electrolyte Interphase)を形成し得るため好ましく用いられる。なかでも、例えば比誘電率の高いECや、標準酸化電位が高い(即ち、電位窓の広い)DMCやEMC等が好ましく用いられる。
なお、かかる電解液は、液状の電解液にポリマーが添加され固体状(ゾル状、ゲル状を含む。)となった電解液であってもよい。
上記電解質としては、例えばLiPF、LiBF、LiClO、LiN(SOCF、LiN(SO、LiCFSO、LiCSO、LiC(SOCF、LiClO等が例示される。なかでもLiPFが好ましく用いられる。電解質の濃度は特に制限されないが、電解質の濃度が低すぎると電解液に含まれるリチウムイオンの量が不足し、イオン伝導性が低下する傾向がある。また支持電解質の濃度が高すぎると非水電解液の粘度が高くなりすぎて、イオン伝導性が低下する傾向がある。このため、電解質を凡そ0.1mol/L〜5mol/L(好ましくは、凡そ0.8mol/L〜1.5mol/L)程度の濃度で含有する非水電解液が好ましく用いられる。
さらに、ここで用いられる電解液中には、例えば、電池の性能を向上させるような添加剤(具体的には、ビニレンカーボネート(VC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)等)や、過充電防止剤(ここでは、過充電状態において分解され大量のガスを発生させるような化合物をいう。典型的には、ビフェニル(BP)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)等が挙げられる。)等の各種添加剤を適宜添加してもよい。
≪封止工程;S20≫
次に、上記電極体と電解液とが収容されたハードケース内を減圧処理し、負圧の状態にする。かかる工程は、例えば封止前のハードケースの開口部に真空ポンプ等を接続し、該ケース内の気体(典型的には乾燥空気や不活性ガス)を吸引する処理であり得る。この真空引き処理によって該ケース内を例えば60kPa absよりも減圧された状態(典型的には、凡そ10kPa abs〜60kPa abs)に減圧処理することにより、後述する初回充電工程において発生したガスを電極体内から好適に排出することができる。また、発生したガスの圧力よりハードケース内の減圧度が高いため、該ケースの膨張を抑制することができる。よって、品質の安定した該電池を製造することができる。
なお、本明細書において、減圧の程度(減圧度)とは、絶対真空を0kPa(即ち、大気圧を101.3kPa)としたときの絶対圧を指し、相対圧と区別するために、単位を「kPa abs」と表記する。
真空引き処理における好ましい減圧度は、後述する初回充電工程(S30)において発生するガスの量によっても異なり得る。かかるガス量に影響を与える要因としては、例えば、含有水分量、活物質(正極活物質および/または負極活物質)の種類、電解液の種類、電極体の形状、ハードケースの形状等が挙げられる。また、一般的に、真空引きが絶対真空(0kPa abs)に近いほど、後述する放置工程(S40)に要する時間が短縮される。かかる減圧は一度に行ってもよく、例えば二回以上に分けて段階的に行ってもよい。
そして、上記ハードケース内を負圧にした状態で、該ケースを封じる。ここで開示される製造方法において、かかる封止は従来から密閉型リチウム二次電池に用いられる方法と同様の方法により行うことができる。例えば、金属製のハードケースを用いた場合は、レーザー溶接、抵抗溶接、電子ビーム溶接等の手法を用いることができる。また、非金属製(例えば樹脂材料)を用いた場合は、接着剤による接着や超音波溶接等の手法を用いることができる。
なお、本工程は通常、湿度が非常に低い状態で保持された環境(ドライ環境。典型的には、露点が−20℃以下の環境。)に保たれているクリーンルーム(ドライルーム)やグローブボックス内にて行われる。ドライ環境内は、例えば、乾燥空気やアルゴンなどの不活性ガスで充填されている。これにより後述する初回充電工程(S30)において発生するガスのうち、水分に由来するガスを低減し得る。
また、上記ではハードケース内を減圧する作業と、該ケースを封止する作業とを別々に説明したが、これら(減圧と溶接)を一連の操作として行ってもよい。
≪初回充電工程;S30≫
次に、上記封止工程後の電池を、ケース内の電極体に対して、所定の方向に圧力を負荷した状態で、上記電極体がガスを発生する電圧以上に調整する。ここで開示される製造方法における初回充電工程では、該電池部材に含まれる微量の水分や電解液の一部が電極表面で分解され、ガス(例えば水素(H))が発生するとともに、負極活物質表面に被膜(SEI:Solid Electrolyte Interphase)が形成される。これにより負極表面と電解液との界面が安定化され、電解液成分の更なる分解を防ぐことができる。
調整する電位は、例えば使用する電解液等によって異なり得るが、かかる電位が高すぎると、電解液の分解反応を促進する等、電池特性に悪影響及ぼす恐れがある。例えば、1V以上であって、後述する本充電工程(S50)において定められた電圧を上回らない電位(典型的には1V以上3.5V以下、例えば2V以上3.5V以下、好ましくは3V以上3.5V以下)とすることができる。
かかる電位の調整は充電開始から正負極端子間電圧が所定値に到達するまで1/10C〜10C程度(好ましくは1/10C〜5C程度、例えば1/10C〜2C程度)の定電流で充電する、定電流充電(CC充電)により行うことができる。あるいは、充電開始から正負極端子間電圧が所定値に到達するまで1/10C〜10C程度(好ましくは1/10C〜5C程度、例えば1/10C〜2C程度)の定電流で充電し、さらに定電圧で所定時間充電する定電流定電圧充電(CC−CV充電)により行ってもよい。また、充電は一回でもよく、二回以上の充放電操作を繰り返し行ってもよい。例えば、後述する実施例においては、該電池を1Cのレートで10分間定電流充電することにより、ガスの発生を実質的に完了し得る。本工程によって、以降の充電工程(例えば後述する本充電工程(S50))におけるガスの発生を抑制することができるため、品質の安定した電池を製造することができる。また、より好ましくは電極体内におけるガスの滞留(残存)が少ないことにより、電池特性をも向上(例えば、エネルギー密度の増大や、抵抗の低減)させ得る。
ここで開示される製造方法では、本工程においてハードケース(具体的には該ケース内の電極体)に圧力を負荷することを特徴とする。かかる加圧により、発生したガスが電極体内に滞留することを防ぎ、スムーズに電極体外へ排出することができる。このため、従来に比べ電池の製造(例えば放置工程(S40))に要する時間を従来に比べ短縮することができ、効率的である。更に、かかる加圧によってガスの発生に起因するハードケースの膨らみをも抑制し得る。
ハードケースに加える圧力は、特に限定されないが、加える圧力が極端に小さい場合は圧力を負荷した効果が十分に得られない虞がある。また加える圧力が極端に大きい場合は、ハードケースが過度に変形したり、電極体内(典型的には、電極および/またはセパレータ)に存在する空隙(細孔)が潰れたりして、電池性能に悪影響を及ぼす虞がある。このため、上記圧力は、例えば0.05N/mm以上10N/mm以下(典型的には0.5N/mm以上4N/mm以下、好ましくは0.5N/mm以上3N/mm以下)とすることが好ましい。負荷する圧力が上記範囲にある場合、該電池の構造を好適に保持しつつ、且つ効率的に製造することができる。
ハードケースへの圧力負荷は、従来公知の手法のうち1種または2種以上を用いて行うことができる。かかる手法としては、例えば、該ケースを1対の拘束板で挟んでボルト等で拘束板を締めつける方法や、拘束バンドを用いる方法、エアープレス、油圧プレス等のプレス機による方法、適度な重量の重りを該ケース上に積載する等の重力を用いる方法等が挙げられる。なお、圧力の負荷に際しては、典型的には、適当な治具(例えば拘束板)を使用する。ハードケースが直方体形状の場合においては、例えば後述する実施例1(図7(A))に示すように、該ケースの少なくとも一対の幅広面を拘束板で挟み込んだ状態で圧力を加える手法を用いることができる。かかる拘束板を用いることで、ハードケース(具体的には、該ケース内の電極体)を全体に渡って加圧することができるため、電極体内に滞留したガスをスムーズに電極体外へ排出することができる。
さらに、より好ましい加圧方法としては、例えば後述する実施例2、3(図7(B)(C))に示すように、電極体の所定の加圧方向と直交する方向の端部分より中央部分に高い圧力が加わるように圧力を加えることが挙げられる。電極体の面圧の低い部分(例えば電極体の幅方向における中央部分)を効果的に加圧することで、電極体内のガスが電極体外へ排出されやすくなり、例えば後述する放置工程(S40)に要する時間を短縮することができる。よって効率的に品質の安定した電池を製造することができる。かかる加圧を実現し得る手法としては、例えば、形状を工夫した拘束板を用いて該電池を加圧することが挙げられる。具体的には、例えば後述する実施例(図7)に示すような、ハードケースに接する面の角(典型的には4つ角)をR加工した拘束板92bや、ハードケースに接する面が該長辺方向の端部から中央部にかけて連続的な円弧形状であり長辺方向の端部と中央部との厚みの差が0.05mm以上(典型的には0.1mm以上、例えば0.5mm以上)の拘束板92c等を用いることができる。
≪放置工程;S40≫
ここで、上記初回充電工程(S30)において発生したガスが直ちに電極体外へ排出されない場合は、発生したガスが実質的に電極体内から抜けるまでの間、所定の時間放置することもできる。ここで開示される製造方法では、電極体内に滞留したガスを排出するために特段の設備や操作(例えば、ハードケースを開放したり、強制的に該ケース内のガスを排出したりすること)を必要とせず、放置するだけでよいため、簡便である。また、かかる工程により、電極表面で発生したガスを十分に電極体の外に排出し得るため、品質の安定した該電池を製造することができる。
ここで、「発生したガスが実質的に電極体から抜けるまで」とは、典型的には発生したガスの凡そ90%以上が電極体から抜ける時間を指し、好ましくは、かかるガスの凡そ95%以上が電極体から抜ける時間を指す。ただし、「実質的に」の範囲においては、例えば90%と89%のような、該電池の性能に大きく影響しない程度の微差をも包含する。
本工程に要する時間は、上記封止工程(S20)における減圧度合い等の諸条件や、上記初回充電工程(S30)における発生ガス量によって異なり得る。また、電池特性に大きな影響を与えない範囲内において長時間保持することも可能だが、生産効率等の観点からはより短時間で終了させることが好ましく、実質的に本工程を含まない(即ち、放置時間が不要である)ことがより好ましい。ここで開示される製造方法では、上記初回充電工程(S30)においてハードケース内の電極体に対して、所定の方向に圧力が加えられているため、本工程の所要時間を大幅に短縮することができ(好ましくは本工程が不要となり)、効率的である。なお、本工程は、上記初回充電工程におけるハードケースへの圧力負荷を保ったまま行ってもよく、かかる場合において、ハードケースへ圧力を負荷する方法は上記初回充電工程における手法と同様でもよいし、上記手法等の中から異なる手法を選択することもできる。また、電池特性に大きな悪影響を与えない範囲内で、ガスの排出を促進するようなその他の操作(例えば超音波の照射等)を併用してもよい。
≪本充電工程;S50≫
そして、上記放置工程後の該電池を予め定められた電圧まで充電する、本充電を行う。本充電工程は、例えば、充電開始から正負極端子間電圧が所定値に到達するまで1/10C〜10C程度の定電流で充電し、次いで定電圧で充電する、定電流定電圧充電(CC−CV充電)により行うことができる。ここで、「あらかじめ定められた電圧」とは実際に該電池を使用する電圧を指し、典型的には、上記初回充電工程(S30)における電池電圧以上であって、電解液が酸化分解されない電圧以下である。より具体的には、例えば、後述する実施例のような構成の電池では、3V以上(典型的には3.5V以上、好ましくは3.7V以上、より好ましくは4.0V以上)であって、且つ4.5V以下(典型的には4.5V未満、好ましくは4.3V以下)である。なお、ここで開示される製造方法では、封止工程(S10)から本充電工程(S50)までハードケース内が大気解放されないことを特徴とする。このため、ドライ環境を保持する設備が最小限で済み、かかる環境を保持するために必要な費用やメンテナンス等の手間を大幅に削減し得る。また電極体内に滞留したガスを排出するために特段の設備や操作(例えば、ハードケースを開放したり、強制的に該ケース内のガスを排出したりすること)を必要としないため、簡便である。さらに、作業が簡素化されることで、好ましくは不良品発生率をも抑制し得る。
特に限定することを意図したものではないが、本発明の一実施形態に係る密閉型リチウム二次電池の概略構成として、扁平に捲回された電極体(捲回電極体)と、非水電解液とを扁平な直方体形状(箱型)の容器に収容した形態の密閉型リチウム二次電池(単電池)を例とし、図2〜4にその概略構成を示す。また本発明の一実施形態に係る単電池を接続して配列した構成の組電池を例とし、図5にその概略構成図を示す。以下の図面において、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は、実際の寸法関係を反映するものではない。
図2は、本発明の一実施形態に係る密閉型リチウム二次電池100の外形を模式的に示す斜視図である。また図3は、上記図2に示した密閉型リチウム二次電池のIII−III線に沿う断面構造を模式的に示す図である。
図2および図3に示すように、本実施形態に係る密閉型リチウム二次電池100は、ハードケース(外容器)50を備える。このハードケース50は、上端が開放された扁平な直方体形状(箱型)のハードケース本体52と、その開口部を塞ぐ蓋体54とを備える。ハードケース50の上面(すなわち蓋体54)には、捲回電極体80の正極シートと電気的に接続する正極端子70および該電極体の負極シートと電気的に接続する負極端子72が設けられている。また、蓋体54には、従来の密閉型リチウム二次電池のハードケースと同様に、電池異常の際にケース内部で発生したガスをケースの外部に排出するための安全弁55が備えられている。そして、ハードケース50の内部には、電極体(捲回電極体)80が、図示しない非水電解液とともに収容されている。
図4は、捲回電極体80を組み立てる前段階における長尺状のシート構造(電極シート)を模式的に示す図である。かかる捲回電極体80を作製するには、先ず長尺状の正極集電体12の片面または両面(典型的には両面)に長手方向に沿って正極合材層14が形成された正極シート10と、長尺状の負極集電体22の片面または両面(典型的には両面)に長手方向に沿って負極合材層24が形成された負極シート20とを、二枚の長尺状セパレータ40Aおよび40Bとともに重ね合わせて長尺方向に捲回する。そして、かかる電極体を側面方向から押しつぶして拉げることによって、扁平形状の捲回電極体80を得ることができる。また、正極シート10上の正極合材層が形成されていない端部分(即ち正極集電体の露出部)74には正極集電板が、負極シート20上の負極合材層が形成されていない端部分(即ち負極集電体の露出部)76には負極集電板がそれぞれ付設され、正極端子70(図2)および負極端子72(図2)とそれぞれ電気的に接続される。
図5は、上記密閉型リチウム二次電池(単電池)100を複数備えてなる組電池(典型的には、複数の単電池が直列に接続されてなる組電池)200の一例を示す。この組電池200は、複数(典型的には10個以上、好ましくは10〜30個程度、例えば20個)の密閉型リチウム二次電池(単電池)100を、それぞれの正極端子70および負極端子72が交互に配置されるように一つずつ反転させつつ、ハードケース50の幅広な面が対向する方向(積層方向)に配列されている。該配列された単電池100の間には、所定形状の冷却板110が挟み込まれている。この冷却板110は、使用時に各単電池100内で発生する熱を効率よく放散させるための放熱部材として機能するものであって、好ましくは単電池100の間に冷却用流体(典型的には空気)を導入可能な形状(例えば、長方形状の冷却板の一辺から垂直に延びて対向する辺に至る複数の平行な溝が表面に設けられた形状)を有する。また冷却板110の材質としては、熱伝導性の良い金属製や、軽量で硬質なポリプロピレンその他の合成樹脂製等が好適である。
上記配列させた単電池100および冷却板110の両端には、一対のエンドプレート(拘束板)120が配置されている。また、上記冷却板110とエンドプレート120との間には、長さ調整手段としてのシート状スペーサ部材150を一枚又は複数枚挟み込んでいてもよい。上記配列された単電池100、冷却板110およびスペーサ部材150は、両エンドプレートの間を架橋するように取り付けられた締め付け用の拘束バンド130によって、該積層方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。より詳しくは、拘束バンド130の端部分をビス155によりエンドプレート120に締付且つ固定することによって、上記単電池等は、その配列方向に所定の拘束圧が加わるように拘束されている。これにより、各単電池100のハードケース50の内部に収容されている捲回電極体80にも拘束圧がかかる。そして、隣接する単電池100間において、一方の正極端子70と他方の負極端子72とが、接続部材(バスバー)140によって電気的に接続されている。このように各単電池100を直列に接続することにより、所望する電圧の組電池200が構築される。
ここで開示される製造方法により製造された密閉型リチウム二次電池100は、性能が安定しているため、各種用途に好適に用いることができる。また、製造方法が従来に比べ簡便かつ効率的なため、生産性の観点からも好ましい。さらに、該電池は安定した品質を有することから、該電池を複数組み合わせた組電池200としても好適に使用し得る。このため、高いエネルギー密度や出力密度を要求される用途に用いることができ、例えば図6に示すように、高いエネルギー密度を要求される自動車等の車両1のモーター用の動力源(駆動電源)として、ここで開示される密閉型リチウム二次電池100(または該電池100を複数接続してなる組電池200)が好適に使用され得る。車両1の種類は特に限定されないが、例えば、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等が挙げられる。
以下、本発明を試験例により具体的に説明するが、本発明をかかる試験例に示すものに限定することを意図したものではない。
ここで開示される製造方法の技術的意義を確認するため、密閉型リチウム二次電池を構築し、初回充電工程および放置工程における条件を変化させて、該電池の外観(状態)や製造に要した時間を比較した。
<比較例1>
まず、正極活物質粉末としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3粉末と、導電材としてのアセチレンブラックと、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、これら材料の質量比率が91:6:3となり、且つNV値が55質量%となるようにN−メチルピロリドン(NMP)と混合し、正極合材スラリーを調製した。このスラリーを、厚み凡そ15μmの長尺状アルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布して正極合材層を形成し、乾燥後プレスすることでシート状の正極(正極シート)を得た。
次に、負極活物質としての天然黒鉛とバインダとしてのスチレンブタジエンゴム(SBR)と、分散剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、これら材料の質量比が98:1:1であり、且つNV値が50質量%となるようにイオン交換水と混合して、水系の負極合材スラリーを調製した。このスラリーを、厚み凡そ10μmの長尺状銅箔(負極集電体)の両面に塗布して負極合材層を形成し、乾燥後プレスすることでシート状の負極(負極シート)を得た。
上記で作製した正極シートと負極シートとを、2枚のセパレータ(ここでは多孔質ポリエチレンシート(PE)を用いた。)を介して重ね合わせて捲回し、扁平形状に押しつぶすことによって捲回電極体を作製した。かかる電極体を非水電解液(ここでは、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とジメチルカーボネート(EMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、電解質としてのLiPFを凡そ1mol/Lの濃度で溶解した電解液を用いた。)とともに直方体形状のハードケース(幅140mm×高さ60mm×奥行15mm、肉厚0.5mm)に収容した。
そして、ハードケース内を真空引きして負圧(ここでは16kPa absとした)にした状態で、該ケースの開口部に蓋体を装着し、レーザー溶接して接合することにより密閉型リチウム二次電池を構築した。
次に、上記構築した電池に圧力を加えない状態で、25℃において、1Cのレートで10分間定電流充電し(初回充電工程)、その後、該電池を一定時間放置した(放置工程)。ここでは、好適な放置時間を検討するため、上記構築した電池について放置時間のみを変えたものを複数個作製した。そして、所定の放置時間経過後に、それぞれの電池を1Cの充電レートで4.1Vまで定電流充電した(本充電工程)。これにより、比較例1に係る電池を作製した。
<実施例1>
図7(A)に示すように、上記初回充電工程において、上記構築した電池100のハードケースの一対の幅広面を平板形状の拘束板92a(幅100mm×高さ50mm×奥行5mm。ベークライト製。以下、第二拘束板と言う。)で挟み、さらにその外側に、平板形状の拘束板90(幅200mm×高さ70mm×奥行10mm。ステンレス製。以下、第一拘束板と言う。)を設置し、第一拘束板90の上から凡そ1N/mmの圧力を加え、初回充電工程後に加圧状態を解いたこと以外は、上記比較例1と同様の手順で実施例1に係る電池を作製した。
<実施例2>
図7(B)に示すように、第二拘束板として、ハードケースに接する面の四つの角をR加工した拘束板92bを用いたこと以外は、上記実施例1と同様の手順で実施例2に係る電池を作製した。
<実施例3>
図7(C)に示すように、第二拘束板として、ハードケースに接する面が該長辺方向の端部分から中央部分にかけて連続的な円弧形状であり、上記長辺方向の端部分と中央部分との厚みの差が0.6mmの拘束板92cを用いたこと以外は、上記実施例1と同様の手順で実施例3に係る電池を作製した。
上述した比較例1および実施例1〜3の初回充電工程の条件について、下表1に纏める。なお、拘束板の欄に記した数字は、図7中の符号を記したものである。
まず、上記作製した密閉型リチウム二次電池の外観形状を観察した。比較例1の電池では、本充電後の電池においてハードケースの厚みが全体的に増し、即ち該ケースの膨らみが大きかったのに対し、実施例1および2の電池では比較例1に比べてケース中央部分の膨らみが抑制されていた。また実施例3の電池については、ケース中央部分に膨らみは見られなかったが、ケースの端部分にやや膨らみが確認された。
次に、該電池を分解し負極表面を観察した。ここでは、電極表面にみられる色のムラを観察し、放置工程における好適な放置時間を検討した。即ち、電極表面に色のムラが見られた場合は電極体内に滞留したガスの排出が十分でないまま本充電を行った(即ち、該電極が滞留したガスに長時間接していたために、充電のムラ(即ち、充電時間が長い部分と短い部分)が生じた)ものとみなし、放置時間が不足していたと判断した。そして、該電極表面に色ムラが確認されなかった最小の放置時間を、当該例の好適な放置時間として下表1の該当欄に示す。
Figure 0005888551
電池の外観観察および表1の結果より、初回充電工程において加圧しなかった比較例では、実施例に比べ、放置工程における所要時間が長かった。一方、初回充電工程において該電池に圧力を加えた実施例では、比較例の半分以下の時間で、放置工程が完了した。よって、初回充電工程における加圧は、発生したガスが電極体内に滞留することを抑制し、電極の表面および/または電極合材層内のガスが電極体の外に排出されるよう促進し得ることがわかった。上記の結果より、ここで示される製造方法によれば、該電池の製造(典型的には、放置工程)に要する時間を従来に比べて大幅に短縮し得るため、安定した性能を有する電池を効率が良く製造し得ることが示された。
また、放置工程に要した時間を実施例1〜3で比較すると、平板92aを用いた実施例1に比べ、R加工した平板92bを用いた実施例2では所要時間が短くなった。この理由としては、拘束板の四つの角をR加工することで面圧の低い捲回電極体の直線部分(典型的には該電極体の幅方向における中央部分)を効果的に加圧することができ、その結果、電極体内で発生したガスが効率的に電極体外へ排出されたことが考えられる。また、拘束板にR加工を施すことでハードケースに拘束板の角部が接触することを防ぎ、該ケースの破損をも防止し得る。さらに、円弧形状を有する平板92cを用いた実施例3では、所要時間がより一層短かくなった。かかる理由としては、拘束板を円弧形状にすることで、最も面圧の低い捲回電極体の幅方向における中央部分を更に効率的に加圧することができたため、電極体内で発生したガスをより一層効率的に電極体外へ排出することができたことが考えられる。
上記の結果より、拘束板の形状を更に改良することで、該電池の膨らみ形状を制御し、放置工程に要する時間をより短縮し得る可能性が示唆された。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
S10 電極体の収容工程
S20 封止工程
S30 初回充電工程
S40 放置工程
S50 本充電工程
1 自動車(車両)
10 正極シート(正極)
12 正極集電体
14 正極合材層
20 負極シート(負極)
22 負極集電体
24 負極合材層
40A、40B セパレータシート
50 ハードケース
52 ケース本体
54 蓋体
55 安全弁
70 正極端子
72 負極端子
80 捲回電極体
90 第一拘束板
92a 第二拘束板(平板)
92b 第二拘束板(R加工した板)
92c 第二拘束板(円弧形状を有する板)
100 密閉型リチウム二次電池
110 冷却板
120 エンドプレート
130 拘束バンド
140 接続部材
150 スペーサ部材
155 ビス
200 組電池

Claims (7)

  1. 電極体と、電解液と、所定の形状の密閉可能なハードケースと、を備えた密閉型リチウム二次電池を製造する方法であって:
    正極と負極とを備える前記電極体と、前記電解液と、を前記ハードケース内に収容する工程;
    前記ハードケース内を負圧にした状態で、前記ハードケースを封じる封止工程;
    前記ケース内の電極体に対して、所定の方向に圧力を加える工程;
    前記所定の方向に圧力を加えた状態で、前記電極体がガスを発生する電圧に調整する、初回充電工程;
    前記加えた圧力を解く工程;
    前記初回充電により発生したガスが実質的に前記電極体から抜けるまで放置する放置工程;および
    前記初回充電工程後に、予め定められた電圧まで充電する本充電工程;を包含し、
    ここで、前記封止工程後から前記本充電工程までの間は、前記ハードケース内が大気解放されないように前記ハードケースの封止状態が保持される、密閉型リチウム二次電池の製造方法。
  2. 前記ハードケースは直方体形状であって、該ケースの少なくとも一対の幅広面を拘束板で挟んだ状態で圧力を加える、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記電極体は扁平形状の捲回電極体である、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記電極体の所定の加圧方向と直交する方向の、端部分より中央部分に高い圧力が加わるように前記圧力を加える、請求項1から3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記初回充電工程において、0.05〜1N/mmの前記圧力を加える、請求項1から4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記初回充電工程は、1V以上であって、前記本充電工程において定められた電圧を上回らない電位まで充電する、請求項1から5のいずれか一項に記載の製造方法。
  7. 前記放置工程における放置時間を48時間以下とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の製造方法。
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