JP2010073580A - 非水電解質電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電容量が向上された非水電解質電池を提供する。
【解決手段】容器と、前記容器内に収納され、正極及び負極の間にセパレータを介して渦巻き状に捲回された電極群2と、前記容器内に収容された非水電解質と、前記電極群2の前記正極または前記負極と電気的に接続されたタブと、前記電極群を前記タブが接続されている端面と反対側の端面を含むように被覆し、かつ前記反対側の端面と対向する箇所以外に粘着剤層16bを有する絶縁体16とを具備することを特徴とする非水電解質電池。
【選択図】図1

Description

本発明は、非水電解質電池に関するものである。
リチウム金属、リチウム合金、リチウム化合物または炭素材料を含む負極を備えた非水電解質電池は、高エネルギー密度電池あるいは高出力密度電池として、盛んに研究開発が進められている。これまでに、LiCoO2またはLiMn24を活物質として含む正極とリチウムを吸蔵・放出する炭素材料を含む負極とを具備したリチウムイオン電池が実用化されている。また、負極においては炭素材料に代わる金属酸化物あるいは合金等の検討がなされている。
通常、リチウムイオン二次電池は非水電解液を注液することにより初めて電池として電気化学的機能を有するようになる。まず、非水電解液を注液後、正負極及びセパレータに電解液を含浸させるための工程を設ける。続いて初充電の際に電解液の酸化還元により発生したガスを排出し、封止栓をレーザー溶接するのが一般的である。
一方で、封止栓をレーザー溶接してから初充電を行う場合もあり、場合によってはセル内を減圧にしてから封止栓をレーザー溶接して、初充電を行うこともある。この場合には、正負極及びセパレータへの含浸を十分に行うことが必要であり、また、正負極及びセパレータの水分を十分に除去することが必要不可欠である。
正負極及びセパレータに電解液を十分含浸させることにより、均一な電流密度を得ることが可能となる。これにより、急速充電時の正極、負極の過電圧を低減させることが可能となり、また、放電容量のばらつきを抑えることが可能となる。
しかしながら、近年、電池特性として高エネルギー密度が求められる一方、ハイブリッド自動車用などのように高入出力密度特性が求められるようになってきた。このため、活物質粒子径のナノサイズ化、電極を薄くして低目付け化、セパレータの薄肉化、高気孔率化を行うことにより、高入出力密度化の検討がなされている。また、電池放電容量を確保するため、目付け量が低くて薄い電極を多数積層して使用することが望ましい。しかしながら、これらを行うことにより正負極及びセパレータの空隙率が低くなるため、非水電解液の正負極及びセパレータへの含浸は悪くなる傾向であった。
ところで、特許文献1には、予め真空引きした電池ケース内に電解液を注液する電解液注液方法が記載されている。
特開2004−247120
本発明の目的は、放電容量が向上された非水電解質電池を提供することを目的とする。
本発明に係る非水電解質電池は、容器と、
前記容器内に収納され、正極及び負極の間にセパレータを介して渦巻き状に捲回された電極群と、
前記容器内に収容された非水電解質と、
前記電極群の前記正極または前記負極と電気的に接続されたタブと、
前記電極群を前記タブが接続されている端面と反対側の端面を含むように被覆し、かつ前記反対側の端面と対向する箇所以外に粘着剤層を有する絶縁体と
を具備することを特徴とする。
本発明によれば、放電容量が向上された非水電解質電池を提供することができる。
正極及び負極の間にセパレータを介して渦巻き状に捲回された捲回式電極群では、容器内に注入された液状の非水電解質は、もっぱら、正極とセパレータと負極との積層構造が露出している上下の端面から含浸される。この上下端面のうち、正極または負極と電気的に接続されたタブが突出している端面と反対側の端面(以下、底部端面と称す)は、容器との絶縁のため、絶縁体で被覆する必要がある。電極群の底部端面を被覆する絶縁体部分に粘着剤層を設けずに、底部端面と対向しない面に粘着剤層を配置することによって、底部端面からの非水電解質の含浸を妨げることなく、確実に、電極群と容器とを絶縁することができる。その結果、非水電解質電池の放電特性を向上することができる。
また、上記絶縁体によれば、負極活物質としてチタン酸リチウムを含む負極のように非水電解質の含浸性が低い電極を使用した場合にも、電極群に速やかに非水電解質が含浸されるため、負極活物質としてチタン酸リチウムを用いた非水電解質電池の放電特性を向上することができる。当該負極の密度を2.1〜2.3g/cm3の範囲にすることによって、チタン酸リチウムと集電体との接触抵抗を低い値に抑えつつ、負極への非水電解質の含浸性を高めることができるため、放電レートを高くした際にも高い放電容量を得られる。
さらに、上記絶縁体は、電極群の巻き止めになるため、電極群の容器内への挿入を円滑に行うことができる。
また、上記絶縁体は、非水電解質の収容後、容器内を減圧した状態で封口する際の電極群からの脱気を妨げないため、気泡と共に液が吹き上がる現象を回避できる。減圧後の容器内の圧力は80〜100Torrの範囲にすることが望ましい。圧力を100Torr以下にすることによって、充放電サイクル等で容器内に発生する水素ガス、アセチレンガス、プロピレンガス等のガス発生マージンを十分に確保できるため、長期サイクル後の電池厚さを初期製品寸法と同等に維持することができる。圧力は小さい方が好ましいものの、圧力を80Torr未満にすると、上記絶縁体を使用していても、気泡と共に液が吹き上がる現象を生じる可能性があるため、圧力は80〜100Torrの範囲にすることが望ましい。
正極、負極、セパレータ及び非水電解質中のカールフィッシャー法での水分量を10mg以下にすることによって、高い放電容量を得ることができると共に、初充電後のセル厚さの増加を抑えることができる。なお、水分量は少ないほど良いが、負極の結着剤にポリフッ化ビニリデン(PVdF)を含むものを用いる場合に、水分量を少なくするために長時間におよぶ真空乾燥を行うと、負極中にポリフッ化ビニリデンのC−F結合の分解が起きる可能性がある。
本発明の実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
非水電解質電池は、図1及び図2に示すように、例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる有底矩形筒形の金属製容器(アウター缶)1と、容器1内に収納される電極群2と、容器1内に収容される例えば非水電解液などの液状非水電解質(図示しない)と、容器1の開口部に配置される封口部材(キャップ体)3とを備える。
図1に示すように、電極群2は、正極と負極とをその間にセパレータを介して扁平の渦巻き形状に捲回された構造を有する。複数の負極タブ4は、負極の複数個所と電気的に接続されており、それぞれが電極群2の上側の端面から上向きに導出されている。また、複数の正極タブ5は、正極の複数個所と電気的に接続されており、それぞれが電極群2の上側の端面から上向きに導出されている。負極タブ4には、例えば、負極の集電体を部分的に延出させたものを使用することができるが、負極と別体であっても良い。一方、正極タブ5には、例えば、正極の集電体を部分的に延出させたものを使用することができるが、正極と別体であっても良い。正極タブ5及び負極タブ4は、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などの導電性材料から形成される。
複数の負極タブ4は、先端が一つに束ねられた負極リード部材6の側板6aに溶接されている。一方、複数の正極タブ5は、先端が一つに束ねられた正極リード部材7の側板7aに溶接されている。
封口部材3は、図1及び図2に示すように、容器1の開口部を塞ぐ蓋8と、蓋8の外面(上面)にガスケット(図示しない)を介してかしめ固定された負極出力端子(リベット)9と、蓋8の外面(上面)側に凸状に張り出した正極端子10とを備える。
蓋8は、アルミニウムまたはアルミニウム合金板材等の金属を素材にしたプレス成形品からなる。圧力開放弁は、蓋8の上面における負極出力端子9と正極端子10との間に位置する凹部内の底面に設けられたX字状の溝11を備え、ケース内圧が一定圧力を越えると溝11が破断して内圧を開放する役割を持つ。電解液注入口12は、電解液の注入後、図2に示すように封止栓13で閉止される。この封止栓13は、蓋8に溶接される。
負極リード部材6の上板6bは、蓋8の内面(下面)に絶縁部材(図示しない)を介して配置されている。負極出力端子9は蓋8にかしめ固定され、さらに負極リード部材6の上板6bにもかしめ固定されている。これにより、負極リード部材6が負極出力端子9と電気的に接続される。負極出力端子9及び負極リード部材6の材質は、活物質の材質に合わせて変更される。負極活物質がチタン酸リチウムの場合、アルミニウムもしくはアルミニウム合金を使用することができる。
正極リード部材7の上板7aは、矩形状のスリットを有するもので、スリット非形成の部分が蓋8の内面(下面)と接することで、正極リード部材7が正極端子10と電気的に接続される。正極リード部材7の材質は、正極活物質の種類により変更されるものではあるが、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金を使用することができる。
スペーサ14は、図1及び図2に示すように、蓋8の内面(下面)と電極群2の正負極タブ4,5が突出している上部端面2aとの間に設けられた空間を囲むように配置されている。スペーサ14は、図2に示すように、電極群2の最外周に絶縁テープ15によって固定されている。スペーサ14は、電池に振動や衝撃が加わった際の電極群2の移動を防止することができる。さらに、電解液注液口12から注入された電解液が電極群2の上部に溜まりやすくなるため、電極群2の上部端面2aからの電解液の浸透が促され、電極群2に電解液を均一に含浸させることができる。スペーサ14の材質としては、PP、PFAなどが挙げられる。
絶縁体16は、図3に示すように、帯状の基材層16aと、基材層16aの長辺に平行な両端部に形成された粘着剤層16bとを備える。絶縁体16は、電極群2の端面のうち、正極タブ5及び負極タブ4が突出している端面とは反対側の端面(底部端面)と、底部端面と最外周とが交わるコーナー部分とをキャップ状に被覆している。基材層16aのうち粘着剤層16bが形成されていない部分(非粘着部)は、電極群2の底部端面と接している。また、非粘着部の長辺方向の長さは、電極群2の底部端面の長手方向の幅よりも長く、電極群2の底部端面からはみ出した部分は電極群2の最外周に折り返されている。粘着剤層16bは、電極群2の最外周に接着されている。
基材層16aは、例えば、ポリエステルのような絶縁材料から形成される。一方、粘着剤層16bは、例えば、熱硬化性ゴム系材料から形成される。
上記構成の絶縁体16によると、電極群2の最外周の一部分と対向する面に粘着剤層が設けられているため、電極群2と容器1とを絶縁しつつ、電極群2の底部端面からの非水電解液の含浸を促すことができる。その結果、非水電解液が、電極群2の巻き芯部(電極群から巻き芯を抜いた後にできる空間部)や、容器1と電極群2との間を通して電極群2の底部に回りこみ、電極群2の底部端面から含浸しやすくなるため、放電容量が安定になり、放電容量を向上することができる。
非水電解液の注液は、容器1内に絶縁体16付き電極群2を収納し、容器1の開口部に蓋8を溶接した後、蓋8の電解液注入口12から行われる。この注液後、容器1内を80〜100Torrに減圧し、電解液注入口12を封止栓13で閉止することによって、気泡と共に電解液が吹き上がる現象を、絶縁体16との相乗効果で回避することができ、同時に充放電サイクル等でセル(容器1)内に発生するガスのマージンが十分にあるため、長期サイクル後の電池厚さを初期製品寸法と同等に維持することができる。気泡と共に電解液が吹き上がる現象が回避されることにより、電解液注入口12に封止栓13を溶接する際の溶接不良を回避することができる。
以下、負極、正極、セパレータ及び非水電解質について説明する。
1)負極
この負極は、負極集電体と、負極集電体の片面もしくは両面に担持され、負極活物質、導電剤および結着剤を含む負極活物質含有層とを含む。
負極集電体には、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔を使用することができる。アルミニウム箔及びアルミニウム合金箔の平均結晶粒径は50μm以下にすることが望ましい。平均結晶粒径の範囲が50μm以下であることにより、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の強度を飛躍的に増大させることができる。この負極集電体強度の増大により、物理的および化学的安定性が向上し、負極集電体の断絶が生じにくくなる。特に、40℃以上の高温環境下での過放電長期サイクルにおいて顕著であった、負極集電体の溶解による劣化を防ぐことができ、電極抵抗の増大を抑制できる。さらに、電極抵抗の増大を抑制することによりジュール熱が低下し、電極の発熱を抑制することができる。また、負極集電体強度の増大により、負極集電体を断絶させずに負極を高密度化することが可能となり、容量密度が向上する。また、負極の高密度化により、熱伝導率が増加し、電極の放熱性を向上できる。さらに、電池の発熱の抑制と電極の放熱性向上の相乗効果により、電池温度の上昇を抑制することが可能になる。なお、より好ましい平均結晶粒径は、3μm以下である。これにより上述した効果がさらに高まる。平均結晶粒径が小さいほど、負極集電体の化学的及び物理的強度が高くなるものの、優れた導電性を得るためには微細組織が結晶質であることが望ましいことから、平均結晶粒径の下限値は0.01μmにすることが望ましい。
平均結晶粒径の範囲が50μm以下のアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔は、材料組成、加工条件、加熱条件および冷却条件などの因子に複雑に影響され、平均結晶粒径は、製造工程の中で、諸因子を有機的に組み合わせて調整される。なお、負極集電体のアルミニウム箔として、日本製箔製の高性能アルミ箔PACAL21(商品名)を用いてもよい。具体的には、平均結晶粒径が50μm以下のアルミニウム箔は、平均結晶粒径が90μmのアルミニウム箔を50〜250℃で焼鈍処理後、室温に冷却することにより作製することができる。一方、平均結晶粒径が50μm以下のアルミニウム合金箔は、平均結晶粒径が90μmのアルミニウム合金箔を50〜250℃で焼鈍処理後、室温に冷却することにより作製することができる。あるいは、平均結晶粒径が50μm以下のアルミニウム合金箔は、Feを0.8〜2重量%含む合金を焼鈍処理することによっても作製可能である。
アルミニウムおよびアルミニウム合金の平均結晶粒径は、以下に説明する方法で測定される。集電体表面の組織を金属顕微鏡観察し、1mm×1mmの視野内に存在する結晶粒子数nを測定し、下記(0)式より平均結晶粒子面積S(μm2)を算出する。
S=(1×106)/n (0)
ここで、(1×106)で表わされる値は1mm×1mmの視野面積(μm2)で、nは結晶粒子数である。得られた平均結晶粒子面積Sを用いて下記(1)式から平均結晶粒径d(μm)を算出した。このような平均結晶粒径dの算出を5箇所(5視野)について行ない、その平均値を平均結晶粒径とした。なお、想定誤差は約5%である。
d=2(S/π)1/2 (1)
負極集電体の厚さは、高容量化のため、20μm以下が好ましい。より好ましい範囲は12μm以下である。また、負極集電体の厚さの下限値は、3μmにすることが望ましい。
負極集電体に用いられるアルミニウムの純度は、耐食性の向上および高強度化のため、99.99%以上が好ましい。アルミニウム合金としては、アルミニウムの他に、鉄、マグネシウム、亜鉛、マンガン及びケイ素よりなる群から選択される1種類以上の元素を含む合金が好ましい。例えば、Al−Fe合金、Al−Mn系合金およびAl−Mg系合金は、アルミニウムよりさらに高い強度を得ることが可能である。一方、アルミニウムおよびアルミニウム合金中のニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は100ppm以下(0ppmを含む)にすることが好ましい。アルミニウム合金中のアルミニウム含有量は、95重量%以上、99.5重量%以下にすることが望ましい。この範囲を外れると、平均結晶粒径を50μm以下にしても十分な強度を得られない恐れがあるからである。より好ましいアルミニウム含有量は、98重量%以上、99.5重量%以下である。
負極活物質の平均粒径は1μm以下とすることが望ましい。これにより、急速充電性能をさらに向上させることができる。なお、より好ましい平均粒径は、0.3μm以下である。平均粒径の下限値は0.001μmにすることが望ましい。一般に、電極のプレス工程の際には、活物質の平均粒径が小さくなるほど、集電体への負荷は大きくなる。この負極活物質は平均粒径1μm以下なので、負極集電体に与える負荷も大きい。けれども、負極集電体として平均結晶粒径の範囲が50μm以下のアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔は、強度が高いために、平均粒径1μm以下の粒子に起因する強い負荷にも耐えることができる。
平均粒径1μm以下である負極活物質は、活物質原料を反応合成して活物質プリカーサーを作製した後、焼成処理を行い、ボールミルやジェトミルなどの粉砕機を用いて粉砕処理を施すことにより得られる。なお、焼成処理において、活物質プリカーサーの一部は凝集し粒子径の大きい二次粒子に成長することがある。このため、負極活物質に二次粒子を含むことを許容する。粒子径の小さい物質の方が粉砕処理は簡便であるので、活物質プリカーサーは1μm以下の粉末であることが好ましい。
負極活物質としては、リチウムを吸蔵放出する物質を使用することができ、例えば、金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物、合金などが挙げられる。
負極活物質のリチウム吸蔵電位は、リチウム金属の開回路電位に対して開回路電位で0.4V以上であることが好ましい。これにより、負極集電体のアルミニウム成分とリチウムとの合金化反応の進行および負極集電体の微紛化を抑制できる。さらに、リチウム吸蔵電位は、リチウム金属の開回路電位に対して開回路電位で0.4V以上、3V以下の範囲であることが好ましい。これにより、電池電圧を向上させることができる。さらに好ましい電位範囲は、0.4V以上、2V以下である。
0.4V以上、3V以下の範囲でリチウムを吸蔵することが可能な金属酸化物としては、例えばTiO2などのチタン酸化物、例えばスピネル型{Li4+xTi512(xは−1≦x≦3)}やラムスデライト型(Li2Ti37)などのリチウムチタン酸化物、例えばWO3などのタングステン酸化物、例えばSnB0.40.63.1などのアモルファススズ酸化物、例えばSnSiO3などのスズ珪素酸化物、例えばSiOなどの酸化珪素などが挙げられる。
0.4V以上、3V以下の範囲でリチウムを吸蔵することが可能な金属硫化物としては、例えばTiS2などの硫化リチウム、例えばMoS2などの硫化モリブデン、例えばFeS、FeS2、LixFeS2などの硫化鉄等が挙げられる。
0.4V以上、3V以下の範囲でリチウムを吸蔵することが可能な金属窒化物としては、例えばLixCoyN(0<x<4,0<y<0.5)などのリチウムコバルト窒化物等が挙げられる。
負極活物質としては、チタン酸リチウムが好ましい。これは、チタン酸リチウムのリチウム吸蔵電位が約1.5Vであり、アルミニウム箔集電体もしくはアルミニウム合金箔集電体に対して電気化学的に安定な材料であるためである。
電子伝導性を高め、集電体との接触抵抗を抑えるための導電剤として、炭素材料を用いることができる。例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、コークス、炭素繊維、黒鉛等を挙げることができる。
活物質と導電剤を結着させるための結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジェンゴムなどが挙げられる。
負極の活物質、導電剤及び結着剤の配合比については、負極活物質は80重量%以上95重量%以下、導電剤は3重量%以上18重量%以下、結着剤は2重量%以上7重量%以下の範囲にすることが好ましい。
負極は、例えば、負極活物質、導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を集電体に塗布し、乾燥し、プレスを施すことにより作製される。
2)正極
この正極は、正極集電体と、正極集電体の片面もしくは両面に担持され、正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極活物質含有層とを含む。
正極集電体としては、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔を挙げることができる。アルミニウム箔及びアルミニウム合金箔は、それぞれ、平均結晶粒径が50μm以下であることが好ましい。より好ましくは、3μm以下である。これにより、正極集電体の強度が増大し、正極集電体を断絶させずに正極を高密度化することが可能となり、容量密度を向上することができる。平均結晶粒径が小さいほど、ピンポール及びクラックの発生を少なくすることが可能になると共に、正極集電体の化学的強度及び物理的強度を高くすることができる。集電体の微細組織を結晶質を有するものとして適度な硬さを確保するために、平均結晶粒径の下限値は0.01μmにすることが望ましい。
正極集電体の厚さは、高容量化のため、20μm以下が好ましい。より好ましい範囲は15μm以下である。また、正極集電体の厚さの下限値は、3μmにすることが望ましい。
正極活物質としては、酸化物、硫化物、ポリマーなどが挙げられる。酸化物として、例えば、二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、例えばLixMn24またはLixMnO2などのリチウムマンガン複合酸化物、例えばLixNiO2などのリチウムニッケル複合酸化物、例えばLixCoO2などのリチウムコバルト複合酸化物、例えばLiNi1-yCoy2などのリチウムニッケルコバルト複合酸化物、例えばLiMnyCo1-y2などのリチウムマンガンコバルト複合酸化物、例えばLixMn2-yNiy4などのスピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物、例えばLixFePO4、LixFe1-yMnyPO4、LixCoPO4などのオリビン構造を有するリチウムリン酸化物、例えばFe2(SO43などの硫酸鉄、例えばV25などのバナジウム酸化物などが挙げられる。なお、x、yは0〜1の範囲であることが好ましい。
例えば、ポリマーとしては、ポリアニリンやポリピロールなどの導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料などが挙げられる。その他に、イオウ(S)、フッ化カーボンなども使用できる。好ましい正極活物質としては、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物、リチウムマンガンコバルト複合酸化物、リチウムリン酸鉄などが挙げられる。これら活物質によると、高い正極電圧が得られる。
電子伝導性を高め、集電体との接触抵抗を抑えるための導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
活物質と導電剤を結着させるための結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムなどが挙げられる。
正極活物質、導電剤及び結着剤の配合比については、正極活物質は80重量%以上95重量%以下、導電剤は3重量%以上18重量%以下、結着剤は2重量%以上7重量%以下の範囲にすることが好ましい。
正極は、例えば、正極活物質、導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を正極集電体に塗布し、乾燥し、プレスを施すことにより作製される。
3)非水電解質
非水電解質としては、電解質を有機溶媒に溶解することにより調製される非水電解液や、リチウムイオンを含有した常温溶融塩(イオン性融体)などの液状非水電解質が挙げられる。
非水電解液は、例えば、電解質を0.5〜2mol/Lの濃度で有機溶媒に溶解することにより、調製される。
電解質としては、例えば、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiClO4、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiN(C25SO22、Li(CF3SO23C、LiB[(OCO)22などが挙げられる。使用する電解質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
有機溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)やジメチルカーボネート(DMC)あるいはメチルエチルカーボネート(MEC)などの鎖状カーボネート、ジメトキシエタン(DME)やジエトエタン(DEE)などの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン(DOX)などの環状エーテル、γ−ブチロラクトン(GBL)、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)などを挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独または2種以上の混合物の形態で用いることができる。
また、常温溶融塩(イオン性融体)は、リチウムイオン、有機物カチオンおよびアニオンから構成されることが好ましい。また、常温溶融塩は、100℃以下、好ましくは室温以下で液体状であることが望ましい。
4)セパレータ
セパレータとしては、例えば、合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルム、セルロース繊維製不織布などを用いることができる。
セパレータについては、薄肉化した電極厚さ60〜80μmのものに対しては、低内部抵抗化および内部短絡等の問題から、厚さは15〜23μmの範囲のものが望ましい。また、気孔率については45〜55%の範囲のものが望ましく、55%以下にすることにより、強度を確保することができる。尚、気孔率の求め方については所定の面積となるように切り出したフィルム重量、厚さを測定して、体積と重量から気孔率を求める。
空気透過度はJIS P8117により測定された70〜130sec./100ccの範囲のものが望ましい。130sec./100cc以下にすることにより、高いイオン透過性が得られ、優れた急速充電特性と高出力特性が得られる。
[実施例]
以下、本発明の実施例について、前述した図面を参照して説明する。なお、本発明の主旨を超えない限り、本発明は以下に掲載される実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<負極の作製>
活物質として、レーザー回折式マイクロトラック法による平均粒子径1μmでLi吸蔵電位が1.55V(vs.Li/Li+)のチタン酸リチウム(Li4Ti512)粉末と、導電剤として平均粒子径0.4μmの炭素粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で90:7:3となるように配合し、これらをn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散してスラリーを調製した。
一方、厚さ10μmで平均結晶粒子径50μmのアルミニウム箔(純度99.99%)を負極集電体として用意した。得られた負極集電体にスラリーを塗布し、乾燥した後、プレスを施すことにより電極密度2.2g/cm3の負極を作製した。
なお、活物質の粒子径の測定には、レーザー回折式粒度分布測定装置(島津製作所 型番SALD−300)を用いた。まず、ビーカー等に試料約0.1gを入れた後、界面活性剤と1〜2mLの蒸留水を添加して十分に攪拌し、攪拌水槽に注入した。2秒間隔で、64回光強度分布を測定し、粒度分布データを解析し、累積度数分布が50%の粒径(D50)を平均粒子径とした。
負極密度の測定方法は以下の通りである。両面にスラリーが塗工された負極を5cm×5cmの大きさに切り出し、電極の総重量と厚さを測定した。次いで電極の両面から負極層をアセトンを用いて剥ぎ取り、集電体の重量と厚さを測定し、以下の(2)式により負極密度ρ(g/cm3)を計算した。
ρ=(W0−W1)/((T0−T1)×S) (2)
但し、W0は電極総重量(g)で、W1は集電体重量(g)で、T0は電極厚さ(cm)で、T1は集電体厚さ(cm)で、Sは負極面積で、この場合、25cm2である。
<正極の作製>
活物質としてリチウムコバルト酸化物(LiCoO2)と、導電材として黒鉛粉末と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを重量比で87:8:5となるように配合し、これらをn−メチルピロリドン(NMP)溶媒に分散させてスラリーを調製した。厚さ15μmの平均結晶粒子径10μmのアルミニウム箔(純度99.99%)にスラリーを塗布し、乾燥した後、プレスすることにより電極密度3.5g/cm3の正極を作製した。
<電極群の作製>
ポリエチレン製の多孔質フィルムからなるセパレータについては、厚さ20μm、気孔率45%、空気透過度70sec./100ccのものを使用した。正極、セパレータ、負極、セパレータの順番に所定数積層捲回し、電流取出し用の正負極タブの超音波溶接を行った。その後、捲回電極を約80℃で加熱プレスすることにより、長さ84mm、幅60mmの扁平形状の電極群を作製した。その後、電極群の端面のうち電流取り出し用正負極タブ突出側と反対側の端面(以下、底部端面)を絶縁体としてのポリエステル製絶縁テープで被覆した。
尚、絶縁体は前述した図3に示す構造を有するもので、基材層はポリエステルシートで、粘着剤層は熱硬化性ゴム系のものを用い、電極群の底部端面を避けて基材層の両サイドに粘着剤層が設けてある。絶縁体は、粘着剤層により電極群胴部(電極群最外周)に固定される。得られた捲回電極群の正負極タブを、外部電流取出し端子としての正極端子と負極出力端子を有するキャップ体に取り付けられた正負極リード部材の側板にレーザー溶接した。
キャップ体と捲回電極群を一体化したものをA3003のようなアルミ合金製のアウター缶(容器)に挿入し、キャップ体とアウター缶をレーザー溶接にて封口を行った。その後、カールフィッシャー法での140℃加熱時の正極、負極、セパレータの水分量が5mgになるように約80℃で15時間真空乾燥を施した。
<液状非水電解質の調製>
ECとGBLが体積比(EC:GBL)で1:2の割合で混合された有機溶媒に、リチウム塩のLiBF4を1.5mol/L溶解させ、液状の非水電解質を調製した。尚、カールフィッシャー法で測定した水分量は1mgであった。よって、正極、負極、セパレータ及び非水電解質中のカールフィッシャー法での水分量は、6mgであった。
得られた非水電解質をキャップ体の蓋に設けられた電解液注入口からアウター缶内に注液して十分な含浸時間を設けた後、アウター缶内を90Torr(90mmHg)に減圧してから電解液注入口に封止栓を挿入し、レーザー溶接にて封口を行い、前述した図1〜図3に示す構造を有し、厚さ12.5〜13mm、幅61mm、端子を除く高さ93mmの角型の非水電解質二次電池を作製した。
カールフィッシャー法での水分量の測定条件は、以下の通りである。
正極、負極、セパレータについては、露点−60℃以下の環境で細かく裁断した後、秤量瓶に入れて蓋をした状態で恒量になった後に重量を測定する。その後、試料を石英ガラス製ボートの容器に入れ換えて窒素ガスを250ml/分を流しながら140℃で加熱する。加熱時間は正極、セパレータは5分間、負極は20分間行う。加熱終了後に石英ガラス製ボートを取り出し、さきの秤量瓶に入れ替えて恒量になった後の重量を測定して水分率を計算する。それから、セル内の集電箔を除いた正極重量、負極重量、およびセパレータ重量から水分量を算出する。
電解液は露点−60℃以下の環境において、注射器で採取して重量測定する。その後カールフィッシャー陽極液中に注入する。注入後に注射器重量測定して水分率を計算する。
それから、水分率からセル内の電解液重量中の水分量を算出する。
(比較例1)
電極群の底部端面に絶縁体の粘着剤層が接しており、底部端面の面積に占める粘着剤層割合を20%としたこと以外は実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
(比較例2)
電極群の底部端面に絶縁体の粘着剤層が接しており、底部端面の面積に占める粘着剤層割合を50%としたこと以外は実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
(実施例2〜6)
注液後、封口前に行われる減圧処理の絶対圧力を下記表2に示す値にすること以外は実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
(実施例7〜10)
負極密度を下記表3に示す値に変更すること以外は実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
(実施例11〜13)
電池中の正極、負極、セパレータ及び非水電解液中のカールフィッシャー法での水分量を下記表4に示す値に変更すること以外は実施例1と同様に非水電解質二次電池を作製した。
以下の表1〜4に電池の評価結果を示す。
1C放電容量は環境温度約25℃で終止電圧を2Vにして行った。10C充電/15A放電サイクル試験の条件は以下の通りである。充電は、25℃において10Cで2.8Vまで定電流・定電圧充電とした。放電は、25℃において15Aで2Vまでの放電とした。充電と放電の間の休止時間を5分間とした。このような充放電サイクルを5000サイクル繰り返した。
減圧封口時の電解液溢れ発生割合は、注液後、所定の含浸工程を経た後、電解液注液口を通してセル内部だけを減圧にしたときに、内部から電解液が溢れた電池数量を確認した。
10C放電容量は環境温度25℃で終止電圧を1.8Vにして行った。すなわち、25℃において10Cで2.8Vまで定電流・定電圧充電した後、25℃において42Aで1.8Vまで放電した際の放電容量とした。充電と放電の間の休止時間を5分間とした。
電池厚さについては底面から46.5mm、左から30.5mmのセル中心部をマイクロメータにて測定を行った。
Figure 2010073580
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表1から明らかな通りに、捲回電極群の底部端面に接する絶縁体の粘着剤層を無しにした実施例1では、注液時に非水電解液が捲回電極群の巻き芯部、アウター缶と捲回電極群との間を通して捲回電極群の底部に回りこみ、底部から含浸しやすくなるため、放電容量が安定する傾向がある。
これに対し、比較例1,2のように粘着剤層有りの場合には含浸がしづらくなるため、放電容量が低くなる。さらにその後、減圧封口した場合に電極中の気泡が上昇しにくくなるため、気泡とともに液が吹き上がってしまい、減圧封口時に電解液溢れが発生した。
表2から明らかな通りに、注液と含浸を行った後に電池内圧(絶対圧力)を80〜100Torrまで減圧して封口した実施例2,3では、5000サイクル後の電池厚さが実施例5,6に比して薄く、減圧封口時の電解液溢れが皆無であることがわかる。
減圧時の電池内圧が100Torrを超えている実施例5,6では、ガス発生マージンが少ないため、5000の長期サイクル後の電池厚さが初期製品寸法を上回った。また、減圧時の電池内圧が80Torr未満の実施例4では、減圧時に注液した電解液が気泡とともに吹き上がる現象が起き、比較例1,2よりは改善されるものの、減圧封口時の電解液溢れが発生した。
負極密度が2.1〜2.3g/cm3の実施例7,8の電池は、10C放電容量が実施例9,10に比して高かった。負極密度が低いと、非水電解液が含浸しやすくなるが、集電体との接触抵抗が高くなるためである。
電池内の正極、負極、セパレータ及び非水電解液のカールフィッシャー法での水分量が10mg以下の実施例11,12は、1C放電容量が実施例13に比して高く、かつ初充電後のセル厚さが実施例13に比して薄くなった。これは、実施例11,12では、電極やセパレータ内に水分が少ない状態で注液と含浸が行われるため、電極細孔部への含浸が進み、また、充電時の水分解によるガス発生によるセル厚さの増加が抑制されたからである。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
本発明の実施形態に係る非水電解質電池に用いられる電極群に封口部材及び絶縁体が取り付けられた状態を示す斜視図。 図1の電極群を容器内に収納した状態を示す斜視図。 図1の絶縁体の平面図。
符号の説明
1…容器、2…電極群、3…封口部材、4…負極タブ、5…正極タブ、6…負極リード部材、6a…負極リード部材の側板、6b…負極リード部材の上板、7…正極リード部材、7a…正極リード部材の側板、7b…正極リード部材の上板、8…蓋、9…負極出力端子、10…正極端子、11…圧力開放弁、12…電解液注入口、13…封止栓、14…スペーサ、15…絶縁テープ、16…絶縁体、16a…基材層、16b…粘着剤層。

Claims (5)

  1. 容器と、
    前記容器内に収納され、正極及び負極の間にセパレータを介して渦巻き状に捲回された電極群と、
    前記容器内に収容された非水電解質と、
    前記電極群の前記正極または前記負極と電気的に接続されたタブと、
    前記電極群を前記タブが接続されている端面と反対側の端面を含むように被覆し、かつ前記反対側の端面と対向する箇所以外に粘着剤層を有する絶縁体と
    を具備することを特徴とする非水電解質電池。
  2. 前記容器内に前記非水電解質を収容後、前記容器内を80〜100Torrに減圧した状態で前記容器を封口したことを特徴とする請求項1記載の非水電解質電池。
  3. 前記負極の密度は、2.1〜2.3g/cm3であることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質電池。
  4. 前記正極、前記負極、前記セパレータ及び前記非水電解質中のカールフィッシャー法での水分量が10mg以下であることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載の非水電解質電池。
  5. 前記絶縁体は、前記電極群の最外周の一部及び前記反対側の端面を被覆し、かつ前記最外周の一部と対向する面に前記粘着剤層を有することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の非水電解質電池。
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