JP6350603B2 - アーク放電発生装置及び成膜方法 - Google Patents
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Description
本発明は、チャンバ内にアーク放電を発生させるアーク放電発生装置、及びアークイオンプレーティング(Arc Ion Plating)法によってワークに膜を生成する成膜方法に関する。
特許文献1には、アークイオンプレーティング法によってワークに膜を生成する成膜装置の一例が記載されている。このような成膜装置では、電源装置から蒸発源に通電させることによって同蒸発源を陰極とし、同蒸発源に対してストライカを接触させ、直ぐに同ストライカを蒸発源から離間させると、電気スパークが発生する。すると、チャンバ内では、陰極として機能する蒸発源と陽極との間でアーク放電が発生し、このアーク放電によって蒸発源からイオンが放出される。そして、このように蒸発源から放出されたイオンをワークに付着させることにより、同ワークに膜を生成することができる。なお、ストライカは、上記のように電気スパークを発生させるとき以外では、蒸発源から離れた退避位置で待機している。
一般的に、蒸発源への通電を行う電源装置は、抵抗やコイルなどの複数種類の回路素子で構成されている。そして、チャンバ内で発生しているアーク放電を消弧させるべく電源装置から蒸発源への通電を終了させたときに、電源装置を構成するコイルで高電圧が発生し、同高電圧が蒸発源に印加されてしまう。このとき、チャンバの壁面で絶縁が不十分な部位があり、当該部位が蒸発源に近いときには、当該部位と同蒸発源との間でアーク放電が発生するおそれがある。
本発明の目的は、チャンバ内で発生していたアーク放電を消弧させるべく電源装置から蒸発源への通電を終了するときに、チャンバの壁面の一部と同蒸発源との間でアーク放電が発生することを抑制できるアーク放電発生装置及び成膜方法を提供することにある。
上記課題を解決するためのアーク放電発生装置は、チャンバ内に配置されている蒸発源と、チャンバ内で変位可能なストライカと、ストライカを変位させるべく駆動するアクチュエータと、蒸発源に対して通電を行う電源装置と、アクチュエータ及び電源装置を制御する制御装置と、を備えている。このアーク放電発生装置では、チャンバ内でアーク放電を発生させるときに、制御装置が、電源装置から蒸発源に通電させることによって同蒸発源を陰極とし、アクチュエータを制御することで同蒸発源にストライカを接触させ、その後、同ストライカを同蒸発源から離間させることでチャンバ内にアーク放電を発生させ、当該アーク放電によって同蒸発源からイオンを放出させる。そして、このアーク放電発生装置において、制御装置は、チャンバ内で発生しているアーク放電を消弧させるときには、アクチュエータを制御することでストライカを蒸発源に接触させ、同ストライカが同蒸発源に接触している状況下で電源装置から同蒸発源への通電を終了させる。
上記構成によれば、ストライカを蒸発源に接触させることにより、同蒸発源を含む電気回路が形成される。そして、この状態で電源装置から蒸発源への通電の終了時に同電源装置のコイルで発生した高電圧が蒸発源に印加されたときには、当該電気回路内で電流が流れるようになる。これにより、チャンバの壁面と蒸発源との電位差が大きくならないため、チャンバの壁面の一部と蒸発源との間でアーク放電が発生することを抑制できるようになる。
ところで、チャンバ内でアーク放電が発生している場合、蒸発源は高温になる。そのため、アーク放電を消弧させる際には、高温の蒸発源にストライカを接触させることとなるため、同ストライカのうちの蒸発源と接触する部位である接触部位の温度が上昇する。このとき、蒸発源からの伝熱に起因する温度上昇によって同接触部位が溶融してしまうと、ストライカが蒸発源に溶着してしまうおそれがある。
そのため、ストライカの接触部位を、昇華性の素材で構成することが好ましい。この構成によれば、アーク放電を消弧させるべくストライカを蒸発源に接触させたときにその接触部位の温度が上昇した場合、同接触部位を構成する素材が昇華によって固体から気体に相転移することはあっても、同素材が固体から液体に相転移することはほとんどない。そのため、ストライカの蒸発源への溶着を抑制することができるようになる。
なお、ストライカの接触部位を、蒸発源を構成する素材の沸点よりも高い昇華点を有する素材で構成することが好ましい。この構成によれば、ストライカの接触部位を蒸発源に接触させた際に、同接触部位を構成する素材が昇華することはほとんどない。
また、ストライカの接触部位を、蒸発源を構成する素材の沸点よりも融点の高い素材で構成するようにしてもよい。この構成によっても、ストライカの接触部位を蒸発源に接触させた際に同接触部位を構成する素材が溶融することが、ほとんどなくなる。すなわち、ストライカが蒸発源に溶着してしまうことを抑制できる。
また、上記課題を解決するための成膜方法は、チャンバ内に配置されている蒸発源への電源回路からの通電によって同蒸発源を陰極とし、同蒸発源に対してストライカを接触させ、その後、同ストライカを同蒸発源から離間させることでチャンバ内にアーク放電を発生させ、当該アーク放電に起因して同蒸発源から放出されるイオンによってワークに膜を生成する成膜方法である。そして、この成膜方法では、チャンバ内で発生しているアーク放電を消弧させるときには、ストライカを蒸発源に接触させ、同ストライカが同蒸発源に接触している状況下で電源装置から蒸発源への通電を終了させるようにしている。この構成によれば、上記アーク放電発生装置と同等の作用効果を得ることができる。
以下、アーク放電発生装置及び成膜方法の一実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1には、本実施形態のアーク放電発生装置20を備える成膜装置10が図示されている。この成膜装置10は、アークイオンプレーティング(Arc Ion Plating)法によってワークWに膜を生成する装置である。図1に示すように、成膜装置10は、アーク放電発生装置20に加え、内部が真空雰囲気となるチャンバ11と、このチャンバ11内でワークWを支持する支持部12と、支持部12に支持されているワークWに対して負のバイアス電圧を印加するバイアス電源13とを備えている。
図1には、本実施形態のアーク放電発生装置20を備える成膜装置10が図示されている。この成膜装置10は、アークイオンプレーティング(Arc Ion Plating)法によってワークWに膜を生成する装置である。図1に示すように、成膜装置10は、アーク放電発生装置20に加え、内部が真空雰囲気となるチャンバ11と、このチャンバ11内でワークWを支持する支持部12と、支持部12に支持されているワークWに対して負のバイアス電圧を印加するバイアス電源13とを備えている。
アーク放電発生装置20は、チャンバ11内に配置されている蒸発源21と、チャンバ11内における支持部12よりも図中上方に配置されている陽極部材22とを備えている。陽極部材22は、グランドに接地されている。
本実施形態では、蒸発源21は、金属(例えば、チタン)で構成されており、略円筒形状をなしている。また、陽極部材22もまた略円筒形状をなしており、陽極部材22は、蒸発源21よりも径方向内側に配置されている。また、蒸発源21よりも内側の空間内には、支持部12に支持されるワークWが位置するようになっている。そして、詳しくは後述するが、チャンバ11内でアーク放電を発生させる場合、蒸発源21の内周面211と陽極部材22との間でアーク放電が発生するようになっている。
また、アーク放電発生装置20には、チャンバ11内で変位可能なストライカ24と、ストライカ24を変位させるべく駆動するアクチュエータ25と、アクチュエータ25の駆動を制御する制御装置40とが設けられている。ストライカ24は、ストライカチップ241と、同ストライカチップ241を支持するストライカ本体242とを有している。ストライカ本体242は、グランドに接地されている支持軸26に回転可能な状態で支持されており、ストライカ本体242の先端にストライカチップ241が設けられている。
このようなストライカ24は、アクチュエータ25の駆動によって、図1に実線で示す退避位置と、図1に二点鎖線で示す接触位置との間で回動可能となっている。そして、ストライカ24が退避位置に位置する場合、ストライカチップ241は蒸発源21に接触しないようになっている。一方、ストライカ24が接触位置に位置する場合、ストライカチップ241が蒸発源21に接触するようになっている。この点で、本実施形態では、ストライカチップ241が、ストライカ24のうちの蒸発源21と接触する部位である「接触部位」として機能するようになっている。
本実施形態では、ストライカチップ241は、導電性及び昇華性の双方を有する素材の一例である黒鉛で構成されている。黒鉛の昇華点(3550℃)は、蒸発源21を構成する素材(本実施形態では、チタン)の沸点(3280℃)よりも高い。なお、ストライカ本体242は、例えば、ステンレス鋼によって構成されている。
また、アーク放電発生装置20には、蒸発源21に通電を行う電源装置30が設けられている。この電源装置30は、負の直流電圧を蒸発源21に印加するための負電源31と、制御装置40によってオン・オフが制御されるスイッチング素子32と、負電源31及びスイッチング素子32よりも蒸発源21側に配置されているチョークコイル33とを備えている。また、チョークコイル33よりも負電源31側には第1のガスアレスタ34が接続されており、チョークコイル33よりも蒸発源21側には第2のガスアレスタ35が接続されている。そして、制御装置40によってスイッチング素子32がオンにされると、負電源31からの負の直流電圧が蒸発源21に印加される。その結果、グランドに接地されている陽極部材22の電位よりも蒸発源21の電位が低くなり、蒸発源21が陰極として機能し、陽極部材22が陽極として機能するようになる。
こうしたアーク放電発生装置20を備える成膜装置10における成膜方法では、チャンバ11内でワークWに対してチタン膜を生成する際に、支持部12に支持されているワークWに負のバイアス電圧が印加される。また、電源装置30のスイッチング素子32がオンにされ、負の直流電圧が蒸発源21に印加される。このように陽極部材22が陽極となり、蒸発源21が陰極となっている状況下で、退避位置に位置するストライカ24が接触位置まで変位し、ストライカチップ241が蒸発源21に接触する。そして、ストライカ24が接触位置から退避位置に向けて変位し始めると、ストライカチップ241が蒸発源21から離間し、電気スパークが発生する。すると、蒸発源21と陽極部材22との間でアーク放電が発生し、このアーク放電によって蒸発源21からチタンイオンが放出される。そして、チタンイオンがワークWに付着され、ワークWにチタン膜が生成される。なお、このようにワークWへの成膜が行われている場合、ストライカ24は退避位置で待機している。
こうしてワークWへの成膜が完了すると、電源装置30から蒸発源21への通電を終了させることで、チャンバ11内で発生しているアーク放電を消弧させるようにしている。そこで次に、図2に示すフローチャートを参照し、アーク放電を消弧させる際に制御装置40が実行する処理ルーチンについて説明する。
図2に示すように、制御装置40は、アクチュエータ25の駆動を制御することで、退避位置に位置するストライカ24を接触位置に変位させる(ステップS11)。そして、制御装置40は、スイッチング素子32をオフにし、蒸発源21への通電を終了させる(ステップS12)。続いて、制御装置40は、アクチュエータ25の駆動を制御することで、接触位置に位置するストライカ24を退避位置に変位させる(ステップS13)。その後、制御装置40は、本処理ルーチンを終了する。
次に、図3を参照し、本実施形態の成膜方法、すなわちチャンバ11内で発生しているアーク放電を消弧させる際の作用を効果とともに説明する。なお、図3では、電源装置30の構成を簡略化している。
図3に示すように、電源装置30のスイッチング素子32がオンである状況下で、すなわち電源装置30から蒸発源21への通電が行われている状況下で、ストライカ24が退避位置から接触位置に変位すると、ストライカチップ241が蒸発源21に接触する。ストライカ24はグランドに電気的に接続されているため、蒸発源21を含む電気回路Cが形成される。すなわち、蒸発源21が、ストライカ24を介してグランドに電気的に接続される。
この状態で図3に二点鎖線で示すようにスイッチング素子32がオフにされ、電源装置30から蒸発源21への通電が終了すると、電源装置30のチョークコイル33で高電圧が発生し、この高電圧が蒸発源21に印加される。この場合、当該電気回路C内で電流が流れるようになるため、蒸発源21に電荷が溜まることが抑制される。その結果、蒸発源21とチャンバ11の壁面との電位差が大きくならず、チャンバ11の壁面の一部と蒸発源21との間でアーク放電が発生することを抑制できる。すなわち、チャンバ11内で発生していたアーク放電を消弧させる際に、チャンバ11の壁面の一部と蒸発源21との間でアーク放電が発生することを抑制できる。
ところで、蒸発源21と陽極部材22との間でアーク放電が行われている場合、蒸発源21の内周面211の温度は非常に高く、蒸発源21には溶融池が形成されていることがある。そのため、アーク放電を消弧させる際、蒸発源21のうち、ストライカチップ241が接触する部分に溶融池が形成されていることがある。なお、蒸発源21の溶融池における温度は、蒸発源21を構成している素材の融点よりも高くなることがある。
ストライカチップとしては、一般的には、モリブデンで構成されたチップが採用されることが多い。モリブデンの融点は「2623℃」である。このようなモリブデンで構成したストライカチップを、アーク放電を消弧させるために蒸発源21に接触させた場合、温度上昇によってストライカチップの一部が固体から液体に相転移してしまうことがある。このようにストライカチップの一部が液体に相転移してしまうと、同ストライカチップが蒸発源21に溶着してしまい、次回のワークWへの成膜時にアーク放電を発生させることができなくなってしまう。
これに対し、本実施形態では、ストライカチップ241として、昇華性の素材である黒鉛で構成されたチップを採用している。そのため、高温の蒸発源21にストライカチップ241を接触させても、ストライカチップ241の温度は高くなるものの、ストライカチップ241が固体から液体に相転移することはほとんどない。したがって、ストライカチップ241が蒸発源21に溶着することを抑制できる。
ちなみに、ストライカチップ241を構成する素材(すなわち、黒鉛)の昇華点は、蒸発源21を構成する素材(すなわち、チタン)の沸点よりも高い。そのため、ストライカチップ241を蒸発源21に接触させた際、ストライカチップ241の温度が高くなってもストライカチップ241を構成する素材が昇華することはほとんどない。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・ストライカチップ241として、蒸発源21を構成する素材の沸点よりも融点の高い素材で構成されたチップを用いれば、高温の蒸発源21にストライカチップ241を接触させても、ストライカチップ241が固体から液体に相転移することはほとんどない。したがって、ストライカチップ241が蒸発源21に溶着しにくくなる。すなわち、ストライカチップ241を構成する素材は必ずしも昇華性の素材でなくてもよい。なお、必ずしも蒸発源21を構成する素材の沸点よりも融点の高い素材でなくても、溶着を抑制することはできる。融点が高い素材を用いるほど溶着の発生を抑制することができる。例えば、導電性を有しており、一般的に用いられるモリブデンの融点よりも融点の高い素材としては、炭化タングステンや窒化チタンなどの導電性セラミックを挙げることができる。
・ストライカチップ241として、蒸発源21を構成する素材の沸点よりも融点の高い素材で構成されたチップを用いれば、高温の蒸発源21にストライカチップ241を接触させても、ストライカチップ241が固体から液体に相転移することはほとんどない。したがって、ストライカチップ241が蒸発源21に溶着しにくくなる。すなわち、ストライカチップ241を構成する素材は必ずしも昇華性の素材でなくてもよい。なお、必ずしも蒸発源21を構成する素材の沸点よりも融点の高い素材でなくても、溶着を抑制することはできる。融点が高い素材を用いるほど溶着の発生を抑制することができる。例えば、導電性を有しており、一般的に用いられるモリブデンの融点よりも融点の高い素材としては、炭化タングステンや窒化チタンなどの導電性セラミックを挙げることができる。
・ストライカチップ241を蒸発源21に接触させてアーク放電を消弧させる際には、チャンバ11内にアルゴンなどの不活性ガスを供給してチャンバ11内の真空度を低くするようにしてもよい。このようにチャンバ11内の真空度を成膜時よりも低くすることにより、蒸発源21への通電を終了させる際におけるアーク放電の発生の抑制効果をより高めることができる。
さらに、このように不活性ガスをチャンバ11内に供給する際には、蒸発源21におけるストライカチップ241の接触部分に不活性ガスを吹き付けるようにしてもよい。この場合、不活性ガスを当該接触部分に吹き付けることにより、同接触部分の温度を低下させることができる。そのため、ストライカチップ241を蒸発源21に接触させた際におけるストライカチップ241の温度上昇を抑制することができる。すなわち、ストライカチップ241を蒸発源21に接触させた際にストライカチップ241が固体から液体(又は気体)に相転移しにくくなる。したがって、ストライカチップ241として使用することのできる素材の選択肢を増やすことが可能となる。
・蒸発源21は、円筒形状以外の他の形状(例えば、平板状)のものであってもよい。
・蒸発源21は、陽極部材22との間でのアーク放電によってイオンを放出することができるのであれば、チタン以外の他の素材(例えば、窒化クロム)で構成されたものであってもよい。
・蒸発源21は、陽極部材22との間でのアーク放電によってイオンを放出することができるのであれば、チタン以外の他の素材(例えば、窒化クロム)で構成されたものであってもよい。
・陽極部材22には、チャンバ11内でアーク放電を発生させる際には正の直流電圧を印加するようにしてもよい。
・上記実施形態では、アーク放電が発生するチャンバ11内でワークWへの成膜が行われるようになっている。しかし、これに限らず、成膜装置は、アーク放電が発生するチャンバ、すなわち蒸発源21が配置される第1のチャンバと、ワークWが配置される第2のチャンバとを別々に設け、両チャンバ内を連通路を介して連通させた構成であってもよい。この場合、第1のチャンバ内でのアーク放電によって蒸発源21から放出された金属イオンが連通路を介して第2のチャンバ内に導かれ、同第2のチャンバ内でワークWへの金属膜の成膜が行われる。
・上記実施形態では、アーク放電が発生するチャンバ11内でワークWへの成膜が行われるようになっている。しかし、これに限らず、成膜装置は、アーク放電が発生するチャンバ、すなわち蒸発源21が配置される第1のチャンバと、ワークWが配置される第2のチャンバとを別々に設け、両チャンバ内を連通路を介して連通させた構成であってもよい。この場合、第1のチャンバ内でのアーク放電によって蒸発源21から放出された金属イオンが連通路を介して第2のチャンバ内に導かれ、同第2のチャンバ内でワークWへの金属膜の成膜が行われる。
11…チャンバ、20…アーク放電発生装置、21…蒸発源、24…ストライカ、241…ストライカチップ、25…アクチュエータ、30…電源装置、40…制御装置、W…ワーク。
Claims (5)
- チャンバ内に配置されている蒸発源と、前記チャンバ内で変位可能なストライカと、前記ストライカを変位させるべく駆動するアクチュエータと、前記蒸発源に対して通電を行う電源装置と、前記アクチュエータ及び前記電源装置を制御する制御装置と、を備え、
前記チャンバ内でアーク放電を発生させるときに、前記制御装置が、前記電源装置から前記蒸発源に通電させることによって同蒸発源を陰極とし、前記アクチュエータを制御することで同蒸発源に前記ストライカを接触させ、その後、同ストライカを同蒸発源から離間させることで前記チャンバ内にアーク放電を発生させ、当該アーク放電によって同蒸発源からイオンを放出させるアーク放電発生装置において、
前記制御装置は、前記チャンバ内で発生しているアーク放電を消弧させるときには、前記アクチュエータを制御することで前記ストライカを前記蒸発源に接触させ、同ストライカが同蒸発源に接触している状況下で前記電源装置から同蒸発源への通電を終了させる
ことを特徴とするアーク放電発生装置。 - 前記ストライカのうちの前記蒸発源と接触する部位である接触部位は、昇華性の素材で構成されている
請求項1に記載のアーク放電発生装置。 - 前記ストライカの前記接触部位を構成する素材の昇華点は、前記蒸発源を構成する素材の沸点よりも高い
請求項2に記載のアーク放電発生装置。 - 前記ストライカのうちの前記蒸発源と接触する部位である接触部位は、前記蒸発源を構成する素材の沸点よりも融点の高い素材で構成されている
請求項1に記載のアーク放電発生装置。 - チャンバ内に配置されている蒸発源への電源装置からの通電によって同蒸発源を陰極とし、同蒸発源に対してストライカを接触させ、その後、同ストライカを同蒸発源から離間させることで前記チャンバ内にアーク放電を発生させ、当該アーク放電に起因して同蒸発源から放出されるイオンによってワークに膜を生成する成膜方法において、
前記チャンバ内で発生しているアーク放電を消弧させるときには、前記ストライカを前記蒸発源に接触させ、同ストライカが同蒸発源に接触している状況下で前記電源装置から前記蒸発源への通電を終了させる
ことを特徴とする成膜方法。
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