JP4373252B2 - プラズマ生成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、真空アーク放電を行ってプラズマを発生させるプラズマ生成装置に関し、更に詳細には、プラズマの起動・維持・停止というシーケンス的操作を長期的に繰り返す場合に、プラズマが放出される陰極面において、微細な凹凸形状を有する陰極面の凸部先端をプラズマ放出点とし、前記凸部先端がプラズマの放出により消耗すると、次のプラズマ起動時には、他の凸部先端が新たなプラズマ放出点となり、長期間断続的にプラズマを生成することができるプラズマ生成装置に関する。
一般に、プラズマ中で固体材料の表面に薄膜を形成したり、イオンを注入したりすることにより、固体の表面特性が改善されることが知られている。金属イオンや非金属イオンを含むプラズマを利用して形成した膜は、固体表面の耐磨耗性・耐食性を強化し、保護膜、光学薄膜、透明導電性膜などとして有用なものである。特に、カーボンプラズマを利用して作成した炭素膜はダイヤモンド構造とグラファイト構造の混晶からなるダイヤモンドライクカーボン膜(DLC膜という)として利用価値が高い。
金属イオンや非金属イオンを含むプラズマを発生する方法として、真空アークプラズマ法がある。真空アークプラズマは、陰極と陽極の間に生起するアーク放電で形成され、陰極表面上に存在する陰極点から陰極材料が蒸発し、この陰極蒸発物質により形成されるプラズマである。また、雰囲気ガスとして反応性ガス又は/及び不活性ガス(希ガス等)を導入した場合には、反応性ガス又は/及び不活性ガスも同時にイオン化される。このようなプラズマを用いて、固体表面への薄膜形成やイオンの注入を行って表面処理加工を行うことができる。
プラズマ生成装置におけるプラズマ発生部では、接触状態にある陰極とトリガー電極に電流を流した状態で、陰極とトリガー電極とを引き離すことによって、プラズマの発生が誘起される。プラズマ発生部において、真空アーク放電により陰極材料イオン、電子、陰極材料中性粒子(原子及び分子)といった真空アークプラズマ構成粒子が放出されると同時に、サブミクロン以下から数百ミクロン(0.01〜1000μm)の大きさの陰極材料微粒子(以下「ドロップレット」と呼ぶ)も放出される。
本発明者等の一部は、上述の真空アーク放電を利用したプラズマ加工法を提案している。この方法は、特開2002−8893号公報(特許文献1)として公開され、図7に示されている。図7は、従来のプラズマ生成装置におけるプラズマ発生部102の構成図である。真空チャンバー内に配設されたプラズマ発生部102において、陰極104と陽極140の間にプラズマ108を発生させる前段階として、トリガー電極106により電気スパークを生起し、プラズマ108の発生を誘起する。図示しないが前記トリガー電極106には、上下に駆動することができる駆動装置が付設され、この駆動装置により陰極面104aにトリガー電極106の先端を接触させ、アーク電源122により接触点に電圧を印加する。この接触点には電流が集中し、トリガー電極106を陰極面104aから引き離すと電気スパークが生起され、プラズマ108の発生が誘起される。
しかし、プラズマ108が発生すると陰極面104aには、放出孔104bが形成される。即ち、この放出孔104b内の陰極材料を形成するプラズマ生成物質は、プラズマ構成粒子やドロップレット118として放出される。前記放出孔104bにトリガー電極106が近接する場合、前記トリガー電極106と陰極104の間には望ましい接触状態が形成されないから、プラズマ108の発生を誘起することはできない。
上述のような陰極材料表面の放出孔形成を解決する手段として、特開2001−192815号公報(特許文献2)に開示される電極構成では、陰極材料表面を平面状に再生する研磨装置と、陰極材料を回転させる駆動装置が具備されている。図示していないが図7のプラズマ生成装置においても長時間断続稼働する場合は、プラズマ発生部の底部に垂直な中心線を陰極104の回転軸とし、前記陰極104を回転させる陰極回転機構装置と、グラインダーにより陰極面を研磨する研磨装置を付設する必要性がある。即ち、前記放出孔104bの形成後、次回プラズマを発生する場合、前記トリガー電極106と陰極面104aの望ましい接触状態を確保するために、前記陰極回転機構装置により陰極104を回転させて、この陰極104とトリガー電極106の接触位置を順次移動する。
更に、真空アーク放電を繰り返すことにより陰極面104aに多数の放出孔104bが形成されるから、プラズマ108の断続的生成を一時中断して前記研磨装置により陰極面104aを研磨する。この研磨工程により平坦な陰極面104aが新たに形成され、常時、トリガー電極106と平坦な陰極面104aとが良好な接触状態を有し、再びプラズマ108の発生を誘起することができる。しかし、陰極面104aを研磨する間、プラズマ108の断続的生成を一時中断するから、プラズマ生成装置の稼働効率を低減させていた。また、研磨工程において発生する粉塵は、真空チャンバー内を汚染して生成膜の膜質を悪化させる上、その粉塵の回収、真空チャンバーのクリーニング作業が必要であった。
図7における従来のトリガー電極106は、陰極面104aに近接して配設されている。この場合、プラズマ108に晒されて加熱されるためトリガー電極106の劣化が早くなる。また、トリガー電極106に堆積した膜が剥離してプラズマ108へのコンタミネーションとして混入し、前記プラズマ108の進行を阻害するといった問題点を有していた。これらの問題点を解決するために、米国特許番号6319369B1号公報(特許文献3)に開示されるプラズマ生成装置には、トリガー電極をプラズマ衝突回避位置まで移動させる駆動機構が付設されており、図8に特許文献3のプラズマ発生部を示す。
図8は従来のプラズマ生成装置におけるプラズマ発生部の構成図である。冷却水の流入口161と排出口162を有し陰極冷却部材164がフランジ165、168に載置され、陰極104が固定部材169により前記陰極冷却部材164の上部に固定されている。陽極140の周りに付設されるマグネットコイル168は、プラズマを集束させてプラズマ引き出し口(図示はしていないが、図面上方向)へプラズマを導く誘導磁界を発生させる。また、側壁で反射するドロップレットの進行を抑制する邪魔板173、反応ガスの導入口134、及び覗き窓166が具備されている。
図8では、トリガー電極106と陰極104の表面が接触状態にあり、この接触状態から駆動機構によりトリガー電極106を陰極表面から引き離すと、トリガー電極106の先端部106aと陰極表面が接触する位置に陰極点が形成され、この陰極点から陽極140の方向に向かってアークプラズマが形成される。また、前記駆動機構はコントローラ167によって制御されている。前記トリガー電極106の加熱による劣化及び前記プラズマへのコンタミネーションの混入を防止し、並びに前記プラズマの進行を阻害しないように、前記トリガー電極106はプラズマ衝突回避位置(破線で示したトリガー電極の位置)に格納される。しかし、図8における陰極104の表面には、プラズマの放出孔が形成されるから、図7と同様に前記トリガー制御装置や研磨装置を付設する必要性があり、真空チャンバーの洗浄を頻繁に行う必要があった。
特開2002−8893号公報 特開2001−192815号公報 米国特許番号6319369号公報
半導体製造プロセス等において、連続して被処理物にプラズマ処理を施す場合、プラズマ生成装置を長期間断続的に稼働する必要があり、陰極104を形成する陰極材料が消耗する度に新たな陰極材料を補充し続けなければならない。しかし、真空チャンバーを開放して陰極材料を取り付ける場合、真空チャンバー内に不純物やコンタミネーションが混入する。従って、陰極材料の補充回数が増加すると、真空チャンバー内の汚染は避け難いものとなっていた。
また、トリガー電極106との接触回数の増加とともに、陰極面104aには複数の放出孔104bが形成されるから、長期間断続的にプラズマ生成装置を稼働するためには、定期的に陰極面104aを研磨することにより、平坦な陰極面を再び形成する必要性があった。従って、従来のプラズマ発生部には陰極面の研磨装置が付設され、陰極面104aの研磨処理において、プラズマの発生を一時中断しなければならなかった。即ち、前記研磨処理は、プラズマ生成装置を用いた表面処理加工の処理効率を著しく低下させていた。
従って、本発明の目的とするところは、陰極アーク(真空アーク)プラズマの起動・維持・停止というシーケンス操作を繰り返す断続稼働を、長期間行うことができるプラズマ発生装置を実現することである。
本発明は上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、真空雰囲気下に設定されたプラズマ発生部で真空アーク放電を行ってプラズマを発生させるプラズマ生成装置において、前記プラズマ発生部には陰極と真空アークの起動及び維持用のトリガー兼陽極が配置され、前記陰極の陰極面は平坦又は微細な凹凸形状を有し、前記陰極面と接触するトリガー兼陽極の陽極面は平坦表面を有し、プラズマ起動時に前記陽極面は少なくとも前記陰極面の全面に当接するように配置され、前記陰極面における微細な凸部先端と前記陽極面との接触点をプラズマ放出点とするプラズマ生成装置である。
本発明の第2の形態は、前記トリガー兼陽極には駆動機構が付設され、この駆動機構により前記トリガー兼陽極がアークプラズマ起動位置とプラズマ衝突回避位置の間を反復的に移動可能に構成されるプラズマ生成装置である。
本発明の第3の形態は、前記トリガー兼陽極の基端部に駆動機構が連結され、この駆動機構を支点として前記トリガー兼陽極がアークプラズマ起動位置とプラズマ衝突回避位置の間を反復的に揺動可能に構成されるプラズマ生成装置である。
本発明の第4の形態は、前記トリガー兼陽極は幅狭の陽極基端部と幅広の陽極先端部を有するハンマー形状に構成され、この陽極先端部の先端面が前記陽極面となるプラズマ生成装置である。
本発明の第5の形態は、前記トリガー兼陽極に永久磁石又は電磁石が配設されるプラズマ生成装置である。
本発明の第6の形態は、前記トリガー兼陽極の先端部がプラズマ生成物質から構成されるプラズマ生成装置である。
本発明の第7の形態は、前記陰極を形成する陰極材料をプラズマ発生部に順次供給する陰極材料装填装置が設置され、直列配置された複数本の陰極材料の内、最先端にある陰極材料が前記陰極となり、陰極が消耗すると後続する陰極材料を前進させて新たな陰極とするプラズマ生成装置である。
本発明の第8の形態は、陰極材料を収容した格納室を設け、前記陰極材料装填装置に陰極材料を補給するプラズマ生成装置である。
本発明の第1の形態によれば、平坦若しくは微細な凹凸形状を有する陰極面の凸部先端と、平坦な表面を有する陽極面を接触させ、この接触点に電流を流してアークプラズマの発生を誘起することができる。アークプラズマの放出により前記凸部先端が蒸発した場合、次回のプラズマ起動時には、前記陽極面と接触可能な他の凸部先端が新たなプラズマ放出点となり、次々と継続してプラズマを生成することができる。従来のトリガー兼陽極の先端は棒状に形成され、前記陰極面にトリガー兼陽極を接触させてプラズマを発生させた場合、前記陰極面には、トリガー兼陽極の先端直径程度の大きさを有する放出孔が形成される。即ち、真空アーク放電において、放出孔内を充填していた陰極材料がプラズマ又はドロップレットとして放出される。また、陰極点は一定箇所に留まらず移動するという性質を持つため、数秒程度の短期間の放電であっても、回数が重なれば徐々に陰極表面を荒らす。一般に、トリガー電極が接触する場所の周囲が侵食される。従って、起動・維持・停止という断続的繰り返しを長時間に亘り連続して行うプラズマ生成装置には、陰極面を研磨する研磨部材が付設され、定期的に陰極面を研磨する必要性があった。しかし、研磨工程では多量の粉塵が発生し、真空チャンバー内の汚染を招いていた。また、プラズマ生成装置の稼働率低下の一因になっていた。
本発明に係るプラズマ生成装置では、陰極面上に形成された凸部先端と陽極面が接触するプラズマ放出点からプラズマが発生し、この凸部先端が蒸発した場合、次のプラズマ起動時には、前記陽極面と接触可能な他の凸部先端が新たなプラズマ放出点となる。幾つかの凸部先端が順次蒸発しても、凸部先端が次々と形成されるから、陰極面の微小な凹凸形状は保持され、前記陰極面から継続してプラズマを発生させることができ、真空チャンバーを開放することなく、安定且つ断続的にプラズマを生成することができる。しかも、長時間で見れば陰極面が平均的に消費されるため、陰極面は次第に後退してゆき、陰極物質が消失するまで真空アーク放電が継続し、陰極の完全消失までプラズマの連続生成が可能になる。
本発明の第2の形態によれば、前記トリガー兼陽極には駆動機構が付設され、この駆動機構により前記トリガー兼陽極は、プラズマ起動位置とプラズマ衝突回避位置の間を反復的に移動することができる。前記トリガー兼陽極を陰極面から引き離すと、陰極表面に陰極点が形成され、その陰極点から電界が生じているトリガー兼陽極方向に向かって拡散状に真空アークプラズマが形成される。更に、プラズマ衝突回避位置までトリガー兼陽極を移動させることにより、拡散状に発生した真空アークプラズマの大部分を引き出し側に送ることができる。更に、プラズマ構成粒子の一部はトリガー兼陽極に到達するから、放電を維持することができる。
本発明の第3の形態によれば、前記トリガー兼陽極の基端部に駆動機構が連結され、この駆動機構を支点としてトリガー兼陽極がプラズマ起動位置とプラズマ衝突回避位置の間を反復的に揺動するから、トリガー兼陽極の安定な揺動運動を実現することができる。前記駆動機構を支点としたトリガー兼陽極の揺動は、円弧状の軌道を描き、陰極とトリガー兼陽極の間に誘起される電圧によりプラズマを掃引しながら、プラズマ起動位置からプラズマ衝突回避位置まで円滑に移動することができる。
本発明の第4の形態によれば、前記トリガー兼陽極が幅狭の陽極基端部と幅広の陽極先端部を有したハンマー形状に構成されるから、プラズマ起動時に前記陰極面は陽極面の全面に完全に当接することができ、前記陽極面と凸部先端の良好な接触状態を確実にすることができる。また、トリガー兼陽極の重心位置は陽極先端部側に位置し、このトリガー兼陽極の揺動運動を単振り子様の安定した反復運動から構成することができる。
本発明の第5の形態によれば、前記トリガー兼陽極の先端部に永久磁石又は電磁石を配設することにより、トリガー兼陽極の中央部分にアーク放電を維持するためのプラズマ流を集中させることができ、トリガー兼陽極の周囲へ膜が付着するのを防ぐことができる。陽極周囲の絶縁体に導電性膜が付着すると、その部分も陽極として働いてしまい、その結果、陰極点から発生した蒸発物質がその部分に向かって輸送されるために、蒸発物質の利用効率が減少することになる。また、トリガー兼陽極は活性陽極として用いることができる。即ち、前記トリガー兼陽極の先端部に永久磁石又は電磁石を配設し、このトリガー兼陽極の中央部分にアーク電流を集中させることにより、前記トリガー兼陽極の陽極面前面に拡がるプラズマを収束することにより活性化及び高電離化することができる。磁石はトリガー兼陽極の内部又は外部に配置でき、特に陽極内部に磁石を埋設すると、磁石面が陰極と接触しないため、磁石の有効性を増大できる。前記永久磁石又は電磁石から生じる磁界と、プラズマの電磁相互作用(ローレンツ力)により陽極面近傍にプラズマを集中させ、プラズマ高密度領域(プラズマプルーム)を形成することができる。陰極から放出される中性原子が前記プラズマプルームに入射する場合、この中性原子はイオン化してプラズマ成分を形成するから、前記トリガー兼陽極が活性陽極を構成することにより高効率にプラズマを生成することができる。即ち、トリガー兼陽極を活性化させることにより、陰極から発生する中性粒子の一部をイオン化することができる。換言すれば、成膜に寄与しない中性粒子の一部を利用できるようになるから、成膜速度を増加させることができる。
本発明の第6の形態によれば、前記トリガー兼陽極の先端部がプラズマ生成物質から構成されるから、陰極とは異なる物質から構成されるプラズマを生成することができる。例えば、Alを混合したZnO膜を被処理物表面上に形成する場合には、AlとZnとを混合した合金で陰極を構成する必要があった。即ち、生成膜の組成比は合金の組成比に依存するため、生成膜の組成比を任意に制御することは困難であった。本発明に係るトリガー兼陽極をプラズマ生成物質から形成し、このトリガー兼陽極を活性陽極(活性陽極は、電流をより集中させることで、陽極表面から陽極物質を微量蒸発させることができる)とすることにより、陰極材料と異なる物質を含んだプラズマを生成することができる。従って、表面処理加工において、利用目的に応じたより多様なプラズマ処理を施すことができる。また、プラズマ生成物質を陽極面に埋設して、活性陽極を形成することもできる。更に陽極先端に永久磁石又は電磁石を配設することによって、プラズマが陽極面近傍に集中する結果、陽極面自身、又はプラズマ生成物質表面がプラズマの熱及びイオン・電子衝撃により加熱され、陰極面からのプラズマの発生効率を一層向上させることができる。
本発明の第7の形態によれば、プラズマ発生部に陰極材料を順次供給する陰極材料装填装置が設置され、陰極が消耗すると後続する陰極材料を瞬時に補充して、新たな陰極とすることができる。真空アーク加工法において、外部からの不純物及びコンタミネーションの混入を防ぐため、真空チャンバーは可能な限り開放されないことが望ましい。本発明に係る陰極材料装填装置を付設することにより、真空チャンバーを開閉することなく、陰極材料を補充することができ、長時間連続的に高密度のプラズマを発生させることができる。
本発明の第8の形態によれば、陰極材料を収容した格納室を設け、前記陰極材料装填装置に陰極材料を補給することができ、長時間連続的にプラズマを生成することができる。加工部に複数の被処理物を設定し、加工工程を中断することなく、プラズマ処理を実行することができる。更に、前記陰極材料を補給する場合、真空チャンバーを開放することなく、陰極材料を順次供給していくことができ、不純物やコンタミネーションの混入を抑制することができる。
以下、本発明に係るプラズマ生成装置の実施形態を、添付する図面に基づいて詳細に説明する。本発明において、被処理物を加工するプラズマ加工部を付設した装置又はプラズマ加工部を付設しない装置の両方がプラズマ生成装置として包含される。プラズマ加工部を有するプラズマ生成装置は、プラズマ加工装置と称されてもよい。あるいは、真空アーク蒸着装置、真空アークプラズマ蒸着装置、陰極アーク蒸着装置、アークイオンプレーティング装置、と称しても良く、蒸着装置は、成膜装置、着膜装置、コーティング装置でと称しても良い。また、イオン注入に利用することもできる。図1は本発明に係るプラズマ生成装置の断面構成図である。本装置にプラズマ加工部を付設することにより、プラズマ加工装置となる。
図1のプラズマ生成装置は、基本的に、真空チャンバー1内に形成されるプラズマ発生部2、ドロプレット捕集部16、第1プラズマガイド部9、第2プラズマガイド部10、及びプラズマ加工部12から構成される。前記プラズマ発生部2において、陰極4及びトリガー兼陽極6が絶縁導入端子26を介して外部のアーク電源22と接続されている。このアーク電源22には、汎用の直流電源、パルス電源、直流重畳パルス電源、交流重畳直流電源など、真空アーク放電を発生することが可能な電源を使用することができる。尚、トリガー兼陽極6とアーク電源22との間には、トリガー兼陽極22に流れる電流を制限(調整)するための制限用抵抗(0.1〜10Ω)24を挿入してもよい。但し、この場合のより好ましい形態は他の補助的陽極が付設される。図1では、プラズマ輸送ダクト5に電源が接続され、プラズマ輸送ダクト5自体が補助的陽極の役目も果たしている。勿論、プラズマ輸送ダクト5を絶縁して電気的に浮遊させた状態で、図示していないがダクト内に別途補助的陽極を敷設することもできる。更に、この補助陽極を活性陽極として利用することもできる。
前記プラズマ発生部2において、陰極4からプラズマ8及びドロップレット18が混合状態で生成される。陰極4から発生するドロップレット18は、電気的に中性であり、磁界の影響を受けないため、直進移動するという特性を有する。図1に示すように、プラズマ輸送ダクト5内でドロップレット18の進行方向とプラズマ8の進行方向は略T字形に分岐され、誘導磁界発生器35によって第1プラズマガイド部9に形成される合成磁界により、前記プラズマ8は屈曲して第2プラズマガイド部へ導かれる。
前記ドロップレット18はドロップレット捕集部16へ進行し、プラズマ8は磁界により第2プラズマガイド部10へ進行する。更に、第2プラズマガイド部10を進行するプラズマ8により被処理物14の表面処理加工を行うプラズマ加工部12が付設されている。前記プラズマ加工法には必要に応じて反応性ガスを導入することもできる。尚、プラズマ加工部を含めたプラズマ加工装置も本発明ではプラズマ生成装置と称され、本発明の技術的範囲に包含される。
プラズマ8の構成粒子は、プラズマ発生部2の陰極4からの蒸発物質、又は前記蒸発物質と導入ガスを起源(ソース)とするプラズマ化した荷電粒子(イオン、電子)ばかりでなく、プラズマ前駆状態の分子、原子等の中性粒子をも含む。プラズマ加工法(真空アーク蒸着法)における蒸着条件は、電流:1〜600A(望ましくは5〜500A、さらに望ましくは10〜150A)である。更に、電圧は、5〜100V(望ましくは10〜80V、更に望ましくは10〜50V)、圧力は、10−10〜10Pa(望ましくは10−6〜10Pa、更に望ましくは10−5〜10Pa)である。
プラズマ加工部(処理部)12には、ガス導入を行わない場合もあるが、ガス導入システム34a及びガス排出システム34bを接続することができる。これらのシステムとしては汎用のものを使用できる。ガス導入流量が一定に制御され、且つ排気流量を制御することにより真空チャンバー1全体の真空度(圧力)が一定に制御される。
導入ガスは、プラズマ発生部2から導入してもよく、プラズマ加工部(処理部)12とプラズマ発生部2の両方から導入してもよい。プラズマ加工部とプラズマ発生部の両方から導入する場合、ガスの種類が異なってもよい。そして、導入ガスとしては、反応性ガスを使用しない場合に、圧力を一定に保持するための希ガス(通常、Ar、He)のほかに、反応性ガスを適宜使用する。
この反応性ガスが、陰極材料等をソースとする蒸発粒子(プラズマ粒子)と反応して、複化合物膜を容易に形成できる。反応性ガスとしては、窒素(N)、酸素(O)、水素(H)、炭化水素ガス(C、C、CH、C等)、酸化炭素ガス(CO、CO)の群から1種又は複数種を適宜に選択して使用できる。ここで、反応性を制御するために前記希ガスを混合して反応性ガスの濃度を調整してもよい。又、アルコールの蒸気、有機金属ガス、又は有機金属液体の蒸気等を反応性ガスとして用いることができる。
図2は、プラズマ発生部の拡大図である。プラズマ発生部2は、陰極4、トリガー兼陽極6、アーク安定化磁界発生器(電磁コイル又は磁石)30a及び30bを具備している。前記陰極4は、プラズマの主構成物質を供給するソースであり、その形成材料は、導電性を有する固体なら特に限定されない。金属単体、合金、無機単体、無機化合物(金属酸化物・窒化物)等など単独又は2種以上混合して使用することができる。
金属単体としては、Al、Ti、Zn、Cr、Sb、Ag、Au、Zr、Cu、Fe、Mo、W、Nb、Ni、Mg、Cd、Sn、V、Co、Y、Hf、Pd、Rh、Pt、Ta、Hg、Nd、Pb等がある。また、合金(金属化合物)としては、TiAl、AlSi、NdFe等がある。また、無機単体としては、C、Si等がある。また、無機化合物(セラミックス)としては、TiO、ZnO、SnO、ITO(Indium-Tin-0xide :スズ混入酸化インジウム)、In、CdSnO、CuO等の酸化物がある。更に、TiN、TiAlC、TiC、CrN、TiCN等の炭化物・窒化物等も、それぞれ挙げることができる。
トリガー兼陽極6の先端部6aを形成する材料は、通常(トリガー兼陽極物質を蒸発させたくない場合、つまり、陰極蒸発物質のみのプラズマを発生させたい場合)、プラズマ温度でも蒸発せず、非磁性の材料で導電性を有する固体なら特に限定されない。金属単体、合金、無機単体、無機化合物(金属酸化物・窒化物)等、特に問わず、それらは単独又は2種以上混合して使用することができる。前述の陰極4に使用した材料を適宜選択して使用することができる。このトリガー兼陽極6はステンレス鋼、銅又は炭素材(黒鉛:グラファイト)等から形成されることが望ましい。
トリガー兼陽極6を一時的に陰極4の表面に接触させ、その後引き離すことで、陰極4とトリガー兼陽極6との間に、電気スパークを発生させる。この電気スパークが発生すると、陰極4とトリガー兼陽極6との間の電気抵抗が減少し、陰極−トリガー兼陽極間に真空アークが発生する。トリガー兼陽極の基端部6bの形成材料は、ステンレス鋼又は銅等から形成されることが望ましい。より好しくは、トリガー兼陽極6における基端部6bの外壁をセラミックスなどで絶縁して、陽極としての機能をトリガー兼陽極先端6aにのみ付与することができる。トリガー兼陽極6aの形成材料は、高融点金属である汎用のMo(融点:2610℃)やW(融点:3387℃)、炭素材、好ましくは、黒鉛(グラファイト)等が用いられる。
アーク安定化磁界発生器30a及び30bは、プラズマ発生部2における真空チャンバー1の外周に配置され、真空アークの陰極点、及び、アーク放電により発生したプラズマ8を安定化させる。プラズマに対する印加磁界が互いに逆方向(カスプ形)となるようにアーク安定化磁界発生器30a及び30bが配置された場合、プラズマ8はより安定する。プラズマ8の引き出し効率を優先する場合、又はトリガー兼陽極6が陰極面4aに対向しプラズマ8の進行を妨げない位置に配置されている場合、印加磁界が互いに同方向(ミラー形)となるように配置することもできる。又、ここではアーク安定化磁界発生器30aは真空チャンバー1の外周に配置してあるが、真空チャンバー1の端における陰極4の絶縁導入端子26a近傍に配置することもできる。
図3は、陰極面4aにおける凸部先端4b或いは4fと陽極面6cの接触状態の構成図である。(3A)は、凸部先端4bと陽極面6cの接触状態の構成図である。凸部先端4bと陽極面6cが接触点において接している。この接触点に電流を流し、トリガー兼陽極6を陰極面4aから引き離すと電気スパークが引起され、この電気スパークによりプラズマ8の発生が誘起される。この後、プラズマ8又はドロップレット18として放出されることにより、凸部4dは消失する。
(3B)は、凸部先端4fと陽極面6cの接触状態の構成図である。(3B)では、(3A)における凸部4dが消失し、凸部先端4fが陽極面6cと接触して陰極点となる。更に、真空アーク放電により凸部4eが消失すると、最も陽極面6cに近接する他の凸部が陰極点となる。前述のようなプラズマ放出機構において、1つの凸部が放電して凹部に変化し、その結果新たな凸部が形成され、陰極面は常に凹凸面を有しながら、陰極4は次第に消耗して後退していく。つまり、陰極面は常に凹凸形状を保持し、この陰極面の凸部は良好な陰極点を形成する。
図4は、活性陽極型トリガー兼陽極の説明図である。活性陽極型のトリガー兼陽極6内には、磁石6d(電磁石又は永久磁石)が配設されている。実際には、磁石6dはトリガー兼陽極6内に埋設されているから、永久磁石の方が扱い易い。磁石6dによって生じる磁界44により、陽極面の表面近傍において磁力線の密度が増加する。従って、陽極面に近傍において、陰極面4aから放出される電子40はラーマー運動により磁力線に巻きつき、その結果、前記陽極面近傍の電子密度が増加し、これらの電子に引き寄せられたイオンと共にプラズマ高密度領域43を形成する。
ここで、陰極から放出される電子軌道48a、イオン放出方向46c、中性原子放出方向46a、及びプラズマ高密度領域43(プラズマプルーム)は、模式的に示すものであって、実際に各々の粒子が辿る軌道を記述するものではない。前記活性型トリガー兼陽極6の先端部6a若しくは陽極面6cはプラズマ生成物質から形成することもできる。この場合、陰極4と異なる物質からトリガー兼陽極6の先端部6a若しくは陽極面6cを形成することにより、2種類の元素から構成されるプラズマを生成することができる。
更に、前記陰極4から中性原子放出方向46aに放出される中性原子42はプラズマ高密度領域43に入射し、この中性原子42がイオン化してプラズマ成分を形成(以下、「再活性化」と称する)する。従って、前記トリガー兼陽極6が活性陽極を形成することにより高効率にプラズマを生成することができる。
図5は、活性陽極型トリガー兼陽極の構成図である。前記トリガー兼陽極先端の一部に、プラズマ生成物質を配設することにより、活性陽極とすることもできる。(5A)は磁石6d及プラズマ生成物質6fが配設されたトリガー兼陽極6の構成図である。トリガー兼陽極6の先端部6aには、磁石6dが配設されている。前述のように先端部に磁石6dを配設することにより、陽極面近傍にプラズマの高密度領域が形成される。高密度領域を構成するプラズマは、前記陽極面を熱及びイオン・電子衝撃によって加熱或いはスパッタし、この陽極面に埋設されているプラズマ生成物質の蒸発を誘起する。
(5B)はプラズマ生成物質6fが配設されたトリガー兼陽極の構成図である。このトリガー兼陽極は磁石が配設されていない。この場合においても陽極面からプラズマ放出することができ、陰極材料とは異なる物質を含有するプラズマを形成することができる。
図6は、陰極材料装填装置3が付設されたプラズマ発生部2の構成図の一例である。前記陰極材料装填装置3の基本構造は、陰極予備材料4c及び装填部60から構成される。稼動中の陰極4の減少に伴い、陰極予備材料4cを装填部60により押し出していく。従って、前記陰極4が無くなった場合においても、プラズマの発生を中断することなく、陰極材料を補充して連続的にプラズマ生成を行うことができる。前記装填部60は陰極材料を前進させる装填部材52、この装填部材52を真空中で押し出すための真空ベローズ54、装填部材52の押し出し機構58、及び前記装填部材52を円滑に挿入するための支持部材56から構成される。図示しないが、格納室50から陰極予備材料4cを補充するために、陰極予備材料4cの長さを越えて装填部材52が前進した場合に、この装填部材52を後方に戻すための駆動装置を付設してもよい。また、真空ベローズを用いずに押し出し機構全体を真空糟に入れてしまっても良い。
更に、前記陰極材料装填装置3に格納室50を付設することにより、長時間の連続稼働が可能になる。前記格納室50には、陰極予備材料4cが格納されており、陰極4が消耗し、後続する陰極予備材料4cをプラズマ発生部2に移動させた後、順次格納室50に格納された陰極予備材料4cが陰極4の後続として補充されていく。この格納室50は連続運転時間に応じて、自在に拡張することができる。
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
本発明に係るプラズマ生成装置は、平坦若しくは微細な凹凸形状を有する陰極面と平坦な表面を有する陽極面が設けられ、プラズマ起動時に前記陽極面は少なくとも前記陰極面の全面に当接するように配置される。前記陽極面と接触する前記陰極面の凸部先端をプラズマ放出点とし、1つの凸部先端が消耗すると、次回のプラズマ起動時には前記陽極と接触可能な他の凸部先端が新たなプラズマ放出点となり、断続的にプラズマを生成することができる。従って、本発明に係るプラズマ生成装置を用いることにより、半導体製造プロセス等において、イオン注入、エッチングなどの繰り返し断続的表面改質処理を長時間連続的に行うことができる。更に、陰極材料装填装置が付設されたプラズマ生成装置を用いることにより、真空チェンバーを開放することなく、陰極材料を補充して表面処理加工を行うことができるから、被処理物表面への不純物やコンタミネーションの混入を防止することができる。即ち、本発明係るプラズマ生成装置を用いることにより、高品質又は高純度を保持した状態で被処理物にプラズマ処理を安定して長時間連続的に行うことができる。
本発明に係るプラズマ生成装置の断面構成図である。 図1におけるプラズマ発生部の拡大図である。 本発明に係る陰極面の凸部先端と陽極面の接触状態の構成図である。 本発明に係る活性陽極型トリガー兼陽極の説明図である。 本発明に係る活性陽極型トリガー兼陽極の構成図である。 本発明に係る陰極材料装填装置が付設されたプラズマ発生部の構成図である。 従来のプラズマ生成装置におけるプラズマ発生部の構成図である。 従来のプラズマ生成装置におけるプラズマ発生部の構成図である。
符号の説明
1 真空チャンバー
2 プラズマ発生部
3 陰極材料装填装置
4 陰極
4a 陰極面
4b、4f 凸部先端
4c 陰極予備材料
4d、4e 凸部
5 プラズマ輸送ダクト
6 トリガー兼陽極
6a 先端部
6b 基端部
6c 陽極面
6d 磁石
6e プラズマ衝突回避位置
6f プラズマ生成物質
8 プラズマ
9 第1プラズマガイド部
10 第2プラズマガイド部
12 プラズマ加工部
14 被処理物
16 ドロップレット捕集部
18 ドロップレット
20 ドロプレット放出方向
22 アーク電源
24 制限用抵抗
26 絶縁導入端子
26a 絶縁導入端子
28 駆動機構
30a アーク安定化磁界発生器
30b アーク安定化磁界発生器
32 接続端子
34a ガス導入システム
34b ガス排出システム
35 誘導磁界発生器
36 誘導磁界発生器
38a 陰極材料イオン
38b 陰極材料イオン
40 電子
42 中性原子又は分子
43 プラズマ高密度領域(プラズマプルーム)
44 磁界
46a 中性原子放出方向
46b 陰極材料イオン放出方向
46c 陰極材料イオン放出方向
48 電子軌道
48a 電子軌道
50 格納室
52 装填部材
54 真空ベローズ
56 支持部材
58 押し出し機構
60 装填部
102 プラズマ発生部
104 陰極
104a 陰極面
104b 放出孔
106 トリガー電極
108 プラズマ
118 ドロップレット
120 ドロップレット放出方向
122 アーク電源
124 制限用抵抗
126 絶縁導入端子
130a アーク安定化磁界発生器
130b アーク安定化磁界発生器
134 導入口
140 陽極
161 流入口
162 排出口
164 陰極冷却部材
165 フランジ
166 覗き窓
167 コントローラ
168 フランジ
169 固定部材
173 邪魔板

Claims (8)

  1. 真空雰囲気下に設定されたプラズマ発生部で真空アーク放電を行ってプラズマを発生させるプラズマ生成装置において、前記プラズマ発生部には陰極と真空アークプラズマの起動及び維持用のトリガー兼陽極が配置され、前記陰極の陰極面は微細な凹凸形状を有し、前記陰極面と接触するトリガー兼陽極の陽極面は平坦表面を有し、プラズマ起動時に前記陽極面は一時的に前記陰極面に接触するように配置され、前記陰極面における微細な凸部先端と前記陽極面との接触点をプラズマ放出点とすることを特徴とするプラズマ生成装置。
  2. 前記トリガー兼陽極には駆動機構が付設され、この駆動機構により前記トリガー兼陽極がアークプラズマ起動位置とプラズマ衝突回避位置の間を反復的に移動可能に構成される請求項1に記載のプラズマ生成装置。
  3. 前記トリガー兼陽極の基端部に駆動機構が連結され、この駆動機構を支点として前記トリガー兼陽極がアークプラズマ起動位置とプラズマ衝突回避位置の間を反復的に揺動可能に構成される請求項1に記載のプラズマ生成装置。
  4. 前記トリガー兼陽極は幅狭の陽極基端部と幅広の陽極先端部を有するハンマー形状に構成され、この陽極先端部の先端面が前記陽極面となる請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ生成装置。
  5. 前記トリガー兼陽極に永久磁石又は電磁石が配設される請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ生成装置。
  6. 前記トリガー兼陽極の先端部がプラズマ生成物質から構成される請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマ生成装置。
  7. 前記陰極を形成する陰極材料をプラズマ発生部に順次供給する陰極材料装填装置が設置され、直列配置された複数本の陰極材料の内、最先端にある陰極材料が前記陰極となり、陰極が消耗すると後続する陰極材料を前進させて新たな陰極とする請求項1〜6のいずれかに記載のプラズマ生成装置。
  8. 陰極材料を収容した格納室を設け、前記陰極材料装填装置に陰極材料を補給する請求項7に記載のプラズマ生成装置。
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