JP2014173129A - プラズマを用いた薄膜の成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】真空アーク放電によって生成したプラズマを基材上に流すことで成膜する際に、膜の品質を高くし、生産性を向上させる。
【解決手段】真空アーク放電によって生成したプラズマの流れを電磁的に屈曲させて、プラズマに含有されるドロップレットをプラズマから分岐させてドロップレット捕集部2において捕集する。ドロップレットが分岐した後のプラズマを成膜部3に導入し、成膜部3に設置された基材13に対してパルス電圧を印加して基材13上に膜を形成する。パルス電圧のパルス幅を10μs以下、0.1μs以上とし、成膜時の基材の温度を120℃以下、に保持する。
【選択図】 図1
【解決手段】真空アーク放電によって生成したプラズマの流れを電磁的に屈曲させて、プラズマに含有されるドロップレットをプラズマから分岐させてドロップレット捕集部2において捕集する。ドロップレットが分岐した後のプラズマを成膜部3に導入し、成膜部3に設置された基材13に対してパルス電圧を印加して基材13上に膜を形成する。パルス電圧のパルス幅を10μs以下、0.1μs以上とし、成膜時の基材の温度を120℃以下、に保持する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、プラズマを用いた薄膜の成膜方法に関するものである。
ダイヤモンドライクカーボン(DLC:Diamond-Like Carbon)薄膜は、高摺動性膜としての利用価値が高い。DLC膜の中でも、膜中にほとんど水素を含まないテトラヘドラル アモルファスカーボン(ta−Cと略記する;tetrahedral amorphous carbon)は、密度が高く、また、接触する固体相手材との融着性が低く、ハードディスクの保護膜や切削工具の保護膜として有用である。
金属イオンや非金属固体イオン(主に、炭素C)を含むプラズマを発生する方法として、真空アーク放電法(陰極アーク放電法)が知られている。真空アークプラズマは、アーク放電において陰極と陽極の間に発生するプラズマであり、陰極表面上に存在する陰極点から陰極材料が蒸発し、この陰極蒸発物質により形成されるプラズマである。一般に、陽極は不活性であり、蒸発しない。
本出願人は、特許文献1(特許第3811681)において、高電圧パルス発生装置を開示した。そして、特許文献2(特開2009−084951)において、この種の高電圧パルス発生装置を使用し、常圧でDLC膜を成膜したことを開示している。
一方、真空アーク放電によって発生したプラズマの流れを被処理物に向かって直進させ、被処理物を表面処理したり、成膜する場合には、いわゆるドロップレットと呼ばれる微粒子が被処理物上に付着するという問題がある。
このため、特許文献3(特許第3865570)では、真空アーク放電で発生したプラズマの流れを磁界誘導によって屈曲させ、プラズマ加工部内の基材に向かって流入させる。この屈曲の際にドロップレットは屈曲せずに直進する傾向があるので、直進してきたドロップレットを捕集することで、プラズマ加工部内にドロップレットが流入することを防止している。
更に、特許文献4(特開2008−223105)では、特許文献3記載のような方法を利用し、筒状基材の孔に面する成膜面にDLC膜を形成している。
本発明者が、特許文献3、4の記載を参考として成膜を実施したところ、薄膜形成に成功した。しかし、膜の硬度をより一層向上させ、また高い品質を保持した状態で生産性を更に向上させることが求められている。
本発明の課題は、真空アーク放電によって生成したプラズマを基材上に流すことで薄膜を成膜する方法において、膜の品質を高くできるようにし、生産性を向上させることである。
本発明は、真空アーク放電部において真空アーク放電によって生成したプラズマの流れを電磁的に屈曲させ、プラズマに含有されるドロップレットをプラズマから分岐させてドロップレット捕集部において捕集し、前記ドロップレットが分岐した後のプラズマを成膜部に導入し、成膜部に設置された基材に対してパルス電圧を印加することによって基材上に薄膜を形成する方法であって、
パルス電圧のパルス幅を10μs以下、0.1μs以上とし、成膜時の基材の温度を120℃以下に保持することを特徴とする。
パルス電圧のパルス幅を10μs以下、0.1μs以上とし、成膜時の基材の温度を120℃以下に保持することを特徴とする。
本発明者は、プラズマ流を磁界で屈曲させて基材上に供給し、炭素膜を成膜するのに際して、基材に対して適用するバイアス電圧に着目し、これをパルス幅10μs以下の短パルス電圧にして成膜を試みた。しかし、この結果としては、膜の品質は必ずしも上がらず、成膜速度の向上も特に見られないことを見いだした。
そこで、本発明者は、基材に対して適用するパルス電圧のパルス幅を10μm以下にしつつ、基材の周辺の様々な条件を探索した。このとき、基材の温度が上昇していることを見いだし、基材を保持する保持台の熱容量を大きくしたり、保持台の熱伝導率を上げたり、基材と並列に外付け抵抗を接続したり、成膜時における休止時間の長さを調節することで、基材からの熱の放出を促進することを種々試みてみた。この結果として、成膜が行われているとき(基材にバイアスとしてパルス電圧を印加しているとき)に、基材の温度を低く保持してみた。
この結果として、バイアス電圧のパルス幅を10μs以下としたときに、成膜時の基材温度を120℃以下に保持すると、膜品質が著しく向上し、成膜速度も向上することを見いだし、本発明に到達した。
以下、適宜図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に説明する。
図1は、本発明で使用可能な装置を示す模式図である。
本装置は、真空アーク放電部1、ドロップレット捕集部2、成膜部3を備えている。
図1は、本発明で使用可能な装置を示す模式図である。
本装置は、真空アーク放電部1、ドロップレット捕集部2、成膜部3を備えている。
真空アーク放電部には、アーク電源5、陰極6、トリガー電極7、陽極19が設けられており、この周囲にアーク安定化磁界発生器が設けられている。
トリガー電極7は、陽極19と陰極6との間に真空アークを誘起するための電極であり、高融点金属のWやMo等からなる。陰極6の表面にトリガー電極7を接触させた後に離すと、陽極19との間にスパークが発生し、陰極と陽極との間の電気抵抗が減少し、真空アーク16が発生する。トリガー電極、陰極、陽極は、それぞれ、絶縁端子を介してアーク電源5に接続されている。
アーク電源としては、直流電源、パルス電源又は直流分を重畳したパルス電源を用いる。アーク電源とトリガー電極の間には、トリガー電極に流れる電流を制限するための電流制限用抵抗が接続されている。
アーク安定化磁界発生器は、真空アークプラズマ発生部外周に配設され、真空アーク放電により発生したプラズマを安定化させるための一対のリング状磁石(電磁石又は永久磁石)からなる。アーク安定化磁界発生器の磁界により、アーク陰極点の運動が制御され、かつ真空アークプラズマを放射方向に拡散させて陰極と陽極間の電流路を確保してアーク放電を安定化させる。
真空アークプラズマ発生部の好ましいプラズマ発生条件は、アーク電流が1〜600A(直流、交流、パルス電圧)、電圧が5〜100V、圧力が10-5〜10Paである。また、好ましくは5eV〜200eVのイオンエネルギーを持つイオンを含んだ真空アークプラズマを生成する。
ドロップレット捕集部2は、真空アークプラズマ発生部により生成させたプラズマの放出方向に設置されている。陰極で副生するドロップレット9は、矢印Cのように直進し、ドロップレット捕集部2で捕集されるので、高純度のプラズマを成膜部3に導入できる。ドロップレット9は、電気的に中性であり、磁界の影響を受けず、直進する性質を有する。この結果、ドロップレットは磁界で屈曲せず、捕集部2の内壁に堆積し、回収可能となる。
また、ダクトバイアス電圧付与手段8を設けることによって、プラズマ電位と同程度のダクトバイアス電位が付与されている。陽極19を接地電位とし、ダクトバイアス電位をドロップレット捕集部2に付与して同電位にすることにより、プラズマの構成粒子が回収ダクトの内壁と反発するため、プラズマがドロップレット捕集部2側に移動する量を低減できる。
ダクトバイアス電圧は、−30V〜+30Vが好ましく、特にプラズマ電位と同じ電圧、つまり、+10V〜+20V、殊に+15V±3Vが好適である。
真空アーク放電部1と捕集部2との間には、プラズマを成膜部3に導入するためのプラズマ導入路がT字状に配設されている。プラズマ導入路の外周には、プラズマを成膜部3に向けて磁界誘導により屈曲させて移動させる磁界発生器10が設けられている。磁界発生器10により外部から磁界を印加することにより、真空アークプラズマ発生部からのプラズマ流れを所定角度に屈曲させ、プラズマを矢印Bのように成膜部3に直進させて導入する。
成膜部3内には、基材固定台12が設置されており、固定台12に基材13が取り付けられている。プラズマは矢印Bのように基材13に向かって導入される。本例では、固定台12に対してバイアス電源11が接続されており、基材13に対してバイアス電圧を印加可能である。14はイオンゲージであり、15は真空ポンプによる吸引方向である。
以下、本発明の各要素について更に述べる。
(陰極)
陰極は、プラズマの構成物質を供給するためのソース(導電性材料)であり、金属単体、無機単体、合金、無機化合物(金属酸化物・窒化物)等、あるいはそれらの1種又は2種以上混合して使用することができる。金属単体には、Al、Ti、Zn、Cr、Sb、Ag、Au、Hg、Nd、Pb、Zr、Cu、Fe、Mo、W、Nb、Ni、Mg、Cd、Sn、V、Co、Y、Hf、Pd、Rh、Pt、Ta等を使用できる。無機単体には、C、Si等を用い、合金・金属化合物には、AlSi、TiAl、TiAlSi,NdFe、CrAl、CrTiAl,CrAlSi,CrSi、TiSi、TiCr、TiCrSi等を用いる。無機化合物には、TiO2、ZnO、SnO2、Cd2 SnO4、CuO、In2 O3、ITO(Indium Tin 0xide)等の酸化物、あるいはTiN、TiAlC、TiC、TiCN、CrN等の炭化物又は窒化物を使用できる。
陰極は、プラズマの構成物質を供給するためのソース(導電性材料)であり、金属単体、無機単体、合金、無機化合物(金属酸化物・窒化物)等、あるいはそれらの1種又は2種以上混合して使用することができる。金属単体には、Al、Ti、Zn、Cr、Sb、Ag、Au、Hg、Nd、Pb、Zr、Cu、Fe、Mo、W、Nb、Ni、Mg、Cd、Sn、V、Co、Y、Hf、Pd、Rh、Pt、Ta等を使用できる。無機単体には、C、Si等を用い、合金・金属化合物には、AlSi、TiAl、TiAlSi,NdFe、CrAl、CrTiAl,CrAlSi,CrSi、TiSi、TiCr、TiCrSi等を用いる。無機化合物には、TiO2、ZnO、SnO2、Cd2 SnO4、CuO、In2 O3、ITO(Indium Tin 0xide)等の酸化物、あるいはTiN、TiAlC、TiC、TiCN、CrN等の炭化物又は窒化物を使用できる。
ここで、炭素膜を形成したい場合には,陰極として炭素陰極を用いる。そして、炭素陰極からプラズマを発生させ、成膜部に供給することによって、炭素膜を形成する。
(陽極)
陽極の材料は、プラズマの温度で蒸発せず、非磁性の材料で導電性を有する固体であれば特に限定されない。金属単体、合金、無機単体、無機化合物(金属酸化物・窒化物)等、特に問わず、それらは単独又は2種以上混合して使用することができる。陽極には水冷式又は空冷式などの冷却機構を付設することもできる。陽極の形状はアークプラズマの全体の進行を遮るものでなければ、特に限定されず、筒状体(円筒、角筒を問わない)、コイル状、U字形、更には、上下・左右に一対平行に配置したり、上下左右のどこか1箇所、又は複数箇所に配置して形成してもよい。
陽極の材料は、プラズマの温度で蒸発せず、非磁性の材料で導電性を有する固体であれば特に限定されない。金属単体、合金、無機単体、無機化合物(金属酸化物・窒化物)等、特に問わず、それらは単独又は2種以上混合して使用することができる。陽極には水冷式又は空冷式などの冷却機構を付設することもできる。陽極の形状はアークプラズマの全体の進行を遮るものでなければ、特に限定されず、筒状体(円筒、角筒を問わない)、コイル状、U字形、更には、上下・左右に一対平行に配置したり、上下左右のどこか1箇所、又は複数箇所に配置して形成してもよい。
(キャリアガス)
キャリアガスとして導入する不活性ガスとしては、圧力を一定に保持するためのAr、He等の希ガスを使用することもできる。
キャリアガスとして導入する不活性ガスとしては、圧力を一定に保持するためのAr、He等の希ガスを使用することもできる。
(バイアス電圧)
本発明では、成膜部に設置された基材に対してパルス電圧を印加することによって、基材上に膜を形成する。
このパルス電圧のパルス幅は10μs以下、0.1μs以上とする。このパルス幅を10μs以下とすることによって、膜の品質を高くできる。また、このパルス幅を0.1μs未満とすることは技術的には可能だが、構造が複雑でコストが高くなるため、パルス幅を0.1μs以上とすることが更に好ましい。
本発明では、成膜部に設置された基材に対してパルス電圧を印加することによって、基材上に膜を形成する。
このパルス電圧のパルス幅は10μs以下、0.1μs以上とする。このパルス幅を10μs以下とすることによって、膜の品質を高くできる。また、このパルス幅を0.1μs未満とすることは技術的には可能だが、構造が複雑でコストが高くなるため、パルス幅を0.1μs以上とすることが更に好ましい。
パルス電圧のパルス波形は、矩形波、正弦波、三角波、台形波等取りうるが矩形波がより好ましい。duty比は20%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。極性は負電圧を印加するのがより好ましい。
パルス幅とは、パルス波高値へ立上る時にその振幅の50%電圧変化した時の時刻t1から、立ち下る時の振幅の50%電圧変化した時の時刻t2の間の時間(t2−t1)を指す。
パルス電圧の波高値の絶対値は、基板へ成膜するためのイオンエネルギー制御の観点からは、10V以上が好ましく、30V以上が更に好ましい。また、温度抑制の観点からは、1kV以下が好ましく、200V以下が更に好ましい。
パルス電圧の周波数は、50Hz〜500kHzが好ましく、500Hz〜50kHzが更に好ましい。
パルス電圧の周波数は、50Hz〜500kHzが好ましく、500Hz〜50kHzが更に好ましい。
また、バイアス電圧は、ユニポーラパルスを用いて負電圧を間欠的に付与するものでもよいが、バイポーラパルスを付与することも好ましい。基材へのバイアス電圧の付与により、基材の孔や溝等のホローにおいて、所謂ホローカソード効果によりプラズマ中の電子の振動現象が発生し、プラズマが高密度化し、その結果、効率的に十分な量のプラズマを前記被処理物の内面に到達させることができ、均一な膜形成を行いやすい。また、チャージアップされた電荷が除去されることでマイクロスパークによるピンホールを抑制できる。
(バイアス電源)
バイアス電圧を発生させるパルス発生源は、特許文献1、2記載のような電源を用いることが好ましい。すなわち、電源の両端にインダクタ、第1半導体スイッチ及び第2半導体スイッチが直列接続され、前記インダクタは、一端が前記第1半導体スイッチのアノード端子に接続されると共に他端がダイオードを介して前記第1半導体スイッチのゲート端子に接続され、前記ダイオードは、アノード端子が前記第1半導体スイッチのゲート端子に接続されており、前記第2半導体スイッチがターンオンされると前記第1半導体スイッチの導通に伴って前記インダクタに誘導エネルギが蓄積され、前記第2半導体スイッチがターンオフされると前記第1半導体スイッチのターンオフに伴って前記インダクタでパルス電圧が発生するようにしてもよい。なお、前記インダクタは1次巻線とそれに磁気的に結合された2次巻線を有していてもよい。こうすれば、急峻に立ち上がるパルス電圧を発生させることが可能となる。
バイアス電圧を発生させるパルス発生源は、特許文献1、2記載のような電源を用いることが好ましい。すなわち、電源の両端にインダクタ、第1半導体スイッチ及び第2半導体スイッチが直列接続され、前記インダクタは、一端が前記第1半導体スイッチのアノード端子に接続されると共に他端がダイオードを介して前記第1半導体スイッチのゲート端子に接続され、前記ダイオードは、アノード端子が前記第1半導体スイッチのゲート端子に接続されており、前記第2半導体スイッチがターンオンされると前記第1半導体スイッチの導通に伴って前記インダクタに誘導エネルギが蓄積され、前記第2半導体スイッチがターンオフされると前記第1半導体スイッチのターンオフに伴って前記インダクタでパルス電圧が発生するようにしてもよい。なお、前記インダクタは1次巻線とそれに磁気的に結合された2次巻線を有していてもよい。こうすれば、急峻に立ち上がるパルス電圧を発生させることが可能となる。
(成膜時の基材の温度)
本発明では、成膜時の基材の温度を120℃以下に保持することによって、膜品質を向上させ、また成膜速度を向上させることができる。この観点からは、基材の温度を100℃以下とすることが好ましく、80℃以下とすることが更に好ましい。また、基材の温度の下限は本発明の観点からは特にないが、実質上、基材温度を20℃未満に維持することは強制的な冷却機構が必要となり、装置が複雑になって製造コストが高くなる。こうした観点からは、基材温度を20℃以上とすることが好ましい。また成膜によって実際上は基材温度が50℃以上となることが多い。
本発明では、成膜時の基材の温度を120℃以下に保持することによって、膜品質を向上させ、また成膜速度を向上させることができる。この観点からは、基材の温度を100℃以下とすることが好ましく、80℃以下とすることが更に好ましい。また、基材の温度の下限は本発明の観点からは特にないが、実質上、基材温度を20℃未満に維持することは強制的な冷却機構が必要となり、装置が複雑になって製造コストが高くなる。こうした観点からは、基材温度を20℃以上とすることが好ましい。また成膜によって実際上は基材温度が50℃以上となることが多い。
(基材)
基材は、特に限定されないが、例えば超硬や鉄系材質からなるものとしてもよい。鉄系材質としては、SUS材、SKD材(ダイス鋼)又はSKH材(ハイスピード鋼)が好ましい。SUS材としては、例えば鉄−クロム−ニッケル系のSUS304やSUS316、鉄−クロム系のSUS410やSUS430、SUS440などが挙げられる。SKD材としては、例えばSKD11やSKD61などが挙げられる。SKH材としては、例えばSKH2,SKH10,SKH51,SKH55などが挙げられる。また、アルミニウムを主成分とする材料からなる基材や銅、ニッケル、クロムを主成分とする材料からなる基材にも応用できることは当然である。その他の材質として、セラミックス、樹脂、ゴム、ガラス、酸化物、窒化物、炭化物、耐摩耗材などが挙げられる。
基材は、特に限定されないが、例えば超硬や鉄系材質からなるものとしてもよい。鉄系材質としては、SUS材、SKD材(ダイス鋼)又はSKH材(ハイスピード鋼)が好ましい。SUS材としては、例えば鉄−クロム−ニッケル系のSUS304やSUS316、鉄−クロム系のSUS410やSUS430、SUS440などが挙げられる。SKD材としては、例えばSKD11やSKD61などが挙げられる。SKH材としては、例えばSKH2,SKH10,SKH51,SKH55などが挙げられる。また、アルミニウムを主成分とする材料からなる基材や銅、ニッケル、クロムを主成分とする材料からなる基材にも応用できることは当然である。その他の材質として、セラミックス、樹脂、ゴム、ガラス、酸化物、窒化物、炭化物、耐摩耗材などが挙げられる。
(基材の形態と基材ホルダー)
基材は平坦な基板であってもよい。さらに、本発明では、バイアス電圧として短パルス電圧を用いていることから、凹部や幅の狭い孔、中空部にも成膜可能である。この観点からは、基材は、凹部が形成されていてよく、また筒状等の中空形状であってよい。筒状の場合も円筒、角筒、ハニカム形状であってよい。筒は直線形状以外にテーパ形状、段つき形状でもよく、止まり孔でも貫通孔でもよい。
基材は平坦な基板であってもよい。さらに、本発明では、バイアス電圧として短パルス電圧を用いていることから、凹部や幅の狭い孔、中空部にも成膜可能である。この観点からは、基材は、凹部が形成されていてよく、また筒状等の中空形状であってよい。筒状の場合も円筒、角筒、ハニカム形状であってよい。筒は直線形状以外にテーパ形状、段つき形状でもよく、止まり孔でも貫通孔でもよい。
基材を別体のホルダーによって保持することもできる。この場合には、ホルダーを固定台に対して取り付ける。基材にバイアス電圧を印加するために、ホルダーも耐蝕性の導電性材料であると配線が煩雑にならず好ましい。この観点からは、ホルダーの材質は、前述した基材の材質を好適に利用できる。また、一つのホルダーに複数の基材を保持することによって、生産性を向上できる。
例えば、図2(a)の例では、基材13は,同じ外径を持つ円筒13aと円筒13bとからなる。円筒13aの孔13cの直径を、円筒13bの孔13dの直径より大きくする。そして、円筒13aと13bとを接合した後、図2(b)に示すように、ホルダー20に基材13を取り付ける。ここで、直径の大きな孔を有する円筒13aがホルダー20から突出し、円筒13bがホルダー20内に隠れるようにする。
そして、図2(c)に示すように、ホルダー20を固定板35に取り付け、円筒13aの端面がプラズマBの流れに対向するようにする。この結果、プラズマBが孔13c内に入り込み、円筒13b上の成膜面36上に膜37が形成される。
(膜の材質、用途等)
本発明の炭素膜は、耐磨耗性、耐熱性、耐食性、導電性等が付与された種々の工業製品として用いることができる。より具体的には、硬質金属切削工具、軟質金属切削工具、ドライ切削用工具、高速切削用工具などの種々の切削工具、樹脂成形金型、半導体成形金型、焼結体・セラミック成形金型、離型性要求金型、プレス金型などの金型、機械部品、摺動部品、撥水要求部品、耐食要求部品など、種々の製造装置、製品及びそれらの構成部材として用いることができる。
本発明の炭素膜は、耐磨耗性、耐熱性、耐食性、導電性等が付与された種々の工業製品として用いることができる。より具体的には、硬質金属切削工具、軟質金属切削工具、ドライ切削用工具、高速切削用工具などの種々の切削工具、樹脂成形金型、半導体成形金型、焼結体・セラミック成形金型、離型性要求金型、プレス金型などの金型、機械部品、摺動部品、撥水要求部品、耐食要求部品など、種々の製造装置、製品及びそれらの構成部材として用いることができる。
本発明はDLC膜の形成に特に好適である。DLC膜は、ta−Cと、a−Cと、水素含有のDLCであるta−C:H及びおよびa−C:Hの四つに分類される。ta−Cは炭素結合のsp3構造を多く含むものであり、a−C(amorphous Carbon)はsp2構造を多く含むものである。更にそれぞれ水素を含むものが、ta−C:H及びa−C:Hである。ta−Cは、DLCの中でも最も固い。DLC膜は水素を多く含むほど柔らかくなる。
例えば、切削工具へのコーティングの中で、DLC膜は耐摩耗性・高摺動性膜として有用である。真空アーク以外の成膜方法、例えば、イオン化蒸着法、スパッタ法、CVD法、ホローカソードアーク蒸着法などでは、水素を含む場合がほとんどであり、ta−C膜を製造することができない。もちろん、水素を含んだa−Cやa−C:Hも、耐摩耗性・摺動性膜として利用可能である。しかし、例えば、AlあるいはAl合金製品の切削の場合、製品の切削屑と水素含有DLC膜とが融着してしまい、保護膜としての機能を果たすことができない。これに対し、ta−CはAl系切削屑との融着が発生しない。
ta−Cは極めて固い代わりに、内部応力が極めて高いという特性を持つ。そのため、成膜される基材との密着性が悪いということが知られている。この高い内部応力を緩和して、基材との高い密着性を確保する手段として、基材とDLC膜との間に、Cr,Ti,W,Si,SiCなどの薄い膜を緩衝膜(バッファ膜、バッファ層、接着膜、あるいは接着層)として挟むこともできる。
(外付け抵抗)
本発明では、バイアス電圧のエネルギーが大きく、基材の温度が上がりやすいので、基材の温度を低く保持するために、バイアス電圧に対して基材と並列に外付け抵抗を接続する方法が考えられる。
本発明では、バイアス電圧のエネルギーが大きく、基材の温度が上がりやすいので、基材の温度を低く保持するために、バイアス電圧に対して基材と並列に外付け抵抗を接続する方法が考えられる。
例えば、図1にて、バイアス電源11の一方の極が、電流導入端子を通じて基材に接続されており、また、バイアス電源の他方の極がチャンバーと同電位に接続されている。ここへ外付け抵抗の一方の極をバイアス電源の一方の極に、他方の極をバイアス電源の他方の極へ接続する。この結果、基材と外付け抵抗とが並列接続になっており、電流を外付け抵抗に逃がすようになっている。
(成膜期間および休止期間)
成膜を行うときに、成膜を連続的に行うのではなく、成膜期間と休止期間とを交互に設けることが、基板の温度上昇を抑制するという観点からは好ましい。
成膜を行うときに、成膜を連続的に行うのではなく、成膜期間と休止期間とを交互に設けることが、基板の温度上昇を抑制するという観点からは好ましい。
1サイクルあたりの成膜期間は基板の温度上昇を抑制するという観点から30分以内とすることが好ましく、5分以内とすることがより好ましく、1分以内とすることがさらに好ましい。また、休止期間は、連続成膜による温度上昇を抑制するという観点から長い方が好ましく、生産性の観点からは短い方が好ましい。
(プラズマを基材へと誘導する磁界)
好適な実施形態においては、基材へと向かってプラズマを誘導する誘導磁界を印加する。これによって、成膜速度を更に向上させることができる。
好適な実施形態においては、基材へと向かってプラズマを誘導する誘導磁界を印加する。これによって、成膜速度を更に向上させることができる。
図3は、この実施形態に係るものである。本例では、基材20を保持する固定板35の裏面側に永久磁石39を設置している。永久磁石39によって基材の成膜面周辺に形成される磁界の向きは、基材の成膜面36に対して垂直な成分が増加する。この結果、プラズマBが成膜面36へと向かって誘導される。
本実施形態では、磁界印加手段は、永久磁石が好ましいが、電磁石や磁化された物質等であってもよい。また、磁界の向きは、プラズマBを基材へと向かって誘導するものであり、好ましくは成膜面36へと向かって誘導するものである。従って、磁界は、成膜面36に対して垂直な方向Xの成分を含んでいることが好ましく、方向X成分のみからなっていてもよい。また、孔13cの内面へ成膜する際はその面に対して垂直な方向Yの成分を含んでいることが好ましい。
磁界を与える磁石は基板と密着させているが必ずしもこの限りではなく、基板から距離を離してもよい。また、基材が開口をもつ内部空間を有する場合(例えば孔を有する場合)には、磁界はプラズマの流れに沿って孔の開口部に近づくにつれ磁力線が密になるような磁界を形成するのと更に好ましい。
(固定台)
図4、図5は、いずれも使用可能な固定台を示すものである。ただし、図5の固定台のほうが熱容量が大きく、基材の温度を低下させる上で有効である。
図4、図5は、いずれも使用可能な固定台を示すものである。ただし、図5の固定台のほうが熱容量が大きく、基材の温度を低下させる上で有効である。
図4の固定台においては、支持部24上にテフロン等の絶縁材料からなるブロック23を対して支持部22が取り付けられており、支持部22に横板25を介して支持板21が取り付けられている。支持板21には複数の取り付け台座20が設けられており、各台座20に基材ホルダーを取り付け可能となっている。本例では固定台の熱容量が小さく、コンパクトな設計になっている。
図5の固定台では、支持台上にテフロン等の絶縁材料のブロック43を介して支持台42が固定されており、その上に直方体形状のカバー40が取り付けられている。カバー40には所定個数の支持台座41が取り付けられており、各台座41に対してそれぞれ支持板21を取り付け可能となっている。
(実施例1)
図1、図2、図5を参照しつつ説明してきた方法に従い、DLC膜の成膜を実施した。
具体的には、アーク発生前のベース圧力を0.001Pa以下とし、陰極を黒鉛とし、アーク電流を30Aとし、Arガスによるスパッタリングで炭素イオンを生成させた。ダクトバイアス電圧は15Vとした。固定台としては、図5記載の熱容量の大きい固定台を用いた。
図1、図2、図5を参照しつつ説明してきた方法に従い、DLC膜の成膜を実施した。
具体的には、アーク発生前のベース圧力を0.001Pa以下とし、陰極を黒鉛とし、アーク電流を30Aとし、Arガスによるスパッタリングで炭素イオンを生成させた。ダクトバイアス電圧は15Vとした。固定台としては、図5記載の熱容量の大きい固定台を用いた。
バイアス電圧をパルス電圧とし、電圧波形を矩形波とした。波形を図6aに示す。電圧を130Vとし、パルス幅を8μsとし、周波数を1.1kHzとし、デューティー比を0.9%とし、成膜期間30秒と休止期間30秒とを反復した。成膜時には、30秒の成膜期間と30秒の休止期間とを1サイクルとし、60サイクル実施した。
この結果、成膜時の基板温度は80°Cに保持された。得られたDLC膜について、ラマン分光装置(日本分光社製のNRS−1000)を使用して、ラマン分光分析を行った。その結果を図7の最下段に示す。波数1200〜1800cm-1にブロードなピークが確認できた。このピークは、Gピーク(1580cm−1付近)及びDピーク(1350cm−1付近)の混成ブロードバンドであり、DLC膜の特徴と合致する。
ここで、(Dピークの強度/Gピークの強度)は約0.4となり、テトラヘドラル アモルファスダイヤモンドライクカーボンが生成していることが確認された。(Dピークの強度/Gピークの強度)が0.5以下であれば、より硬度が高く高品質のテトラヘドラル アモルファスダイヤモンドライクカーボンであり、1.0以上になると、アモルファスダイヤモンドライクカーボンとなる。また、成膜レートは200nm/hrと非常に高くなった。
(比較例1)
実施例1と同様にしてDLC膜を形成した。ただし、実施例1とは異なり、バイアス電源として、電圧可変直流電源とチョッピング制御モジュレータから構成されたパルス電源(栗本製作所製)を用い、パルス電圧のパルス幅を20μsとし、波高値を−100Vとし、周波数を10kHzとし、デューティ比を20%とした。波形を図6bに示す。固定台としては、図4に示す熱容量の小さい固定台を用いた。
実施例1と同様にしてDLC膜を形成した。ただし、実施例1とは異なり、バイアス電源として、電圧可変直流電源とチョッピング制御モジュレータから構成されたパルス電源(栗本製作所製)を用い、パルス電圧のパルス幅を20μsとし、波高値を−100Vとし、周波数を10kHzとし、デューティ比を20%とした。波形を図6bに示す。固定台としては、図4に示す熱容量の小さい固定台を用いた。
この結果、成膜時の基板温度は75°Cに保持された。得られたDLC膜のラマンスペクトルを図7の中段に示す。得られた膜において、(Dピークの比率/Gピークの強度)は0.5となり、テトラヘドラル アモルファスダイヤモンドライクカーボンが生成していることが確認された。しかし、成膜レートは100nm/hrであり、実施例に比べて劣っていた。
(実施例2)
実施例1と同様にしてDLC膜を形成した。ただし、実施例1とは異なり、成膜期間30秒と休止期間25秒とを反復した。成膜時には、30秒の成膜期間と25秒の休止期間とを1サイクルとし、60サイクル実施した。
実施例1と同様にしてDLC膜を形成した。ただし、実施例1とは異なり、成膜期間30秒と休止期間25秒とを反復した。成膜時には、30秒の成膜期間と25秒の休止期間とを1サイクルとし、60サイクル実施した。
この結果、成膜時の基板温度は120°Cに保持された。得られたDLC膜のラマンスペクトルは、実施例1と類似していた。また,得られた膜において、(Dピークの比率/Gピークの強度)は0.5となり、テトラヘドラル アモルファスダイヤモンドライクカーボンが生成していることが確認された。成膜レートは170nm/hrであった。
(比較例2)
実施例1と同様にしてDLC膜を形成した。ただし、実施例1とは異なり、成膜期間30秒と休止期間20秒とを反復した。成膜時には、30秒の成膜期間と20秒の休止期間とを1サイクルとし、60サイクル実施した。
実施例1と同様にしてDLC膜を形成した。ただし、実施例1とは異なり、成膜期間30秒と休止期間20秒とを反復した。成膜時には、30秒の成膜期間と20秒の休止期間とを1サイクルとし、60サイクル実施した。
この結果、成膜時の基板温度は150°Cに保持された。得られたDLC膜のラマンスペクトルにおいて、(Dピークの強度/Gピークの強度)は1.0となり、アモルファスダイヤモンドライクカーボンが生成していることが確認された。成膜レートは120nm/hrであった。
(比較例3)
実施例1と同様にしてDLC膜を形成した。ただし、実施例1とは異なり、図4に示す熱容量の小さい固定台を用いた。
実施例1と同様にしてDLC膜を形成した。ただし、実施例1とは異なり、図4に示す熱容量の小さい固定台を用いた。
この結果、成膜時の基板温度は180°Cに保持された。得られたDLC膜のラマンスペクトルは、図7の最上段のものである。得られた膜において、(Dピークの強度/Gピークの強度)は1.4となり、アモルファスダイヤモンドライクカーボンが生成していることが確認された。成膜レートは100nm/hrであった。
(実施例3)
実施例1と同様にしてDLC膜を形成した。ただし、実施例1とは異なり、バイアスとして用いたパルス電圧のパルス幅を1μsとした。波形を図6cに示す。また、波高値を−130Vのまま、周波数を10kHzとし、デューティ比を1.0%とした。固定台としては、図5に示す熱容量の大きい固定台を用いた。
実施例1と同様にしてDLC膜を形成した。ただし、実施例1とは異なり、バイアスとして用いたパルス電圧のパルス幅を1μsとした。波形を図6cに示す。また、波高値を−130Vのまま、周波数を10kHzとし、デューティ比を1.0%とした。固定台としては、図5に示す熱容量の大きい固定台を用いた。
この結果、成膜時の基板温度は80°Cに保持された。得られたDLC膜のラマンスペクトルは、図7の最下段のものと類似していた。得られた膜において、(Dピークの比率/Gピークの強度)は0.4となり、テトラヘドラル アモルファスダイヤモンドライクカーボンが生成していることが確認された。成膜レートは200nm/hrであった。
(実施例4)
実施例1と同様にしてDLC膜を形成した。ただし、実施例1とは異なり、図3に示すように、基板固定板35の裏側にネオジム磁石39を設置し、磁石のS極を基材13側に配向させた。磁界の向きは成膜面36に対して垂直成分が主である。成膜時の基板温度は80℃に保持された。
実施例1と同様にしてDLC膜を形成した。ただし、実施例1とは異なり、図3に示すように、基板固定板35の裏側にネオジム磁石39を設置し、磁石のS極を基材13側に配向させた。磁界の向きは成膜面36に対して垂直成分が主である。成膜時の基板温度は80℃に保持された。
得られたDLC膜のラマンスペクトルは、図7の最下段のものと類似していた。得られた膜において、(Dピークの比率/Gピークの強度)は0.4となり、テトラヘドラル アモルファスダイヤモンドライクカーボンが生成していることが確認された。得られた膜の膜厚は200nmであり、成膜レートは400nm/hrにまで大きく向上していた。
Claims (7)
- 真空アーク放電部において真空アーク放電によって生成したプラズマの流れを電磁的に屈曲させ、前記プラズマに含有されるドロップレットを前記プラズマから分岐させてドロップレット捕集部において捕集し、前記ドロップレットが分岐した後のプラズマを成膜部に導入し、前記成膜部に設置された基材に対してパルス電圧を印加することによって前記基材上に薄膜を形成する方法であって、
前記パルス電圧のパルス幅を10μs以下、0.1μs以上とし、成膜時の前記基材の温度を120℃以下に保持することを特徴とする、薄膜の成膜方法。 - 電極から前記プラズマを発生させ、前記薄膜を形成することを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 前記薄膜が、炭素膜であることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
- 前記炭素膜が、テトラヘドラルアモルファスダイヤモンドライクカーボン膜であることを特徴とする、請求項3記載の方法。
- 成膜時に前記プラズマを前記基材へと向かって誘導する誘導磁界を印加することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 前記基材が、前記プラズマが流れて来る方向に向かう開口を有する内部空間を有しており、この内部空間に対して前記プラズマを導入することによって前記内部空間に面する成膜面に対して前記薄膜を形成することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の方法。
- 前記パルス電圧をバイポーラパルス電圧とすることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載の方法。
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