JP6347606B2 - 高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金 - Google Patents

高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金 Download PDF

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Description

本発明は、高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金に関し、詳しくは、1.60T以上の高飽和磁束密度、低保磁力、高い有効透磁率、更に良好なアモルファス形成能と優れた機械的強度と延性・加工性とを具備し、地球上に豊富で低コストな元素のみから成る鉄−半金属合金系で、粉末冶金成形による大量低コスト生産プロセスをも適用可能な高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金に関する。
1967年に米国カリフォルニア工科大学デュエイ(Duwez)らが液体からの急速凝固法(ピストンアンビル法)によりFe−P−C系の強磁性アモルファス合金を発見して以来、極めて多数の鉄基軟磁性非晶質(アモルファス)合金が開発されてきた。その後の約40年近くの間に開発された常温で軟磁性を示すアモルファス合金並びにガラス合金材料は、1975年にアライドケミカル社により開発され、産業化された液体急冷薄帯のFe−(Si,P)−(B,C)系アモルファス合金型と、1995年に銅鋳型鋳造により作製できるFe−(Al,Ga)−(Si,P)−(B,C)系バルク金属ガラス型に大別される。
1995年の本出願人の一人である井上明久らによる銅鋳型鋳造法によるバルク鉄基金属ガラスの発見を契機に、再び鉄基金属ガラスの研究開発が世界中で活発化し、最近の約15年間に数多くの鉄基軟磁性バルクガラス合金が開発されてきた。
これまでに報告されている代表的な鉄基アモルファス合金およびガラス合金の組成と飽和磁束密度は、アライドケミカル社が開発して、産業化を果たしたメタグラスでは、Fe78Si913(原子%)での1.54Tである。
ところで、このような鉄基軟磁性アモルファス合金としては、上述したように、従来より多くの提案がなされているが、例えば、特許文献1〜5に開示された鉄基アモルファス合金等も挙げることができる。
特許文献1には、鉄、ホウ素、及びケイ素からなり、Fe濃度が79.5〜80.5原子%である非晶質Fe−B−Si合金が開示されている。この非晶質Fe−B−Si合金は、従来の合金に比較して大きい飽和磁気誘導、高い結晶化温度、低いコアロス、低い励磁電力、良好な延性を備えることが開示されている。
また、特許文献2には、板厚が厚く、かつ、靭性に優れた高靭性非晶質合金薄帯が開示され、具体的には、Fe濃度が80.5原子%である非晶質Fe−B−Si−C合金であり、合金成分としては、Fe,Co,Ni等の遷移金属と、B、Si、C、Pなどの半金属の一種または二種以上からなることが開示されている。
また、特許文献3には、鉄、ホウ素、ケイ素及び炭素からなり、Fe濃度が77〜80原子%である非晶質Fe−B−Si−C合金が開示されている。この非晶質Fe−B−Si−C合金は、従来の合金に比較して、大きい飽和磁気誘導、高いキューリー温度、高い結晶化温度、線周波数での低い鉄損と低い励磁電力の組み合わせを示し、そして電力配電網用の変圧器の磁心への利用に特に適していることが開示されている。
また、特許文献4には、鉄、ホウ素、及びケイ素からなり、Fe濃度が81.〜81.7原子%である非晶質Fe−B−Si合金が開示されている。この非晶質Fe−B−Si合金は、従来の合金に比較して、磁気特性及び物理特性の特別な組み合わせを備えることが開示されている。
また、特許文献5には、鉄、ケイ素、ホウ素、炭素及びリンからなり、Fe濃度が78〜86原子%、Si濃度が2原子%以上4原子%未満、B濃度が2〜15原子%、C濃度が0.02〜4原子%、P濃度が1〜14原子%である鉄基非晶質合金薄帯が開示されている。この鉄基非晶質合金薄帯は、従来の鉄基非晶質合金に比較して、磁気特性及び物理特性の特別な組み合わせを備えることが開示されている。
特表平5−503962号公報(対応米国特許5496418号公報) 特開平7−100597号公報(対応米国特許5496418号公報) 特表2001−508129号公報(対応米国特許5871593号公報) 米国特許4217135号公報 再公表WO2003/085150号公報(対応米国特許公開2004/0140016号公報)
ところで、特許文献1に開示の非晶質Fe−B−Si合金は、3成分系であり、Fe−B−Si−P系の4成分系や、Fe−B−Si−P−C系の5成分系等の多成分系アモルファス合金では無いし、また、Fe濃度が81原子%未満であり、より高濃度では無く、十分に高い飽和磁束密度を達成できるかが不明であると言う課題があった。
また、特許文献2には、非晶質Fe−B−Si−C合金が開示されているが、Fe濃度が81原子%未満であり、特許文献1に開示の非晶質合金と同様に、より高濃度では無く、十分に高い飽和磁束密度を達成できるかが不明であると言う課題があった。また、合金成分として、Feに対し、B、Si、C、Pなどの半金属の2種以上を用いることを開示しているが、具体的な開示は無く、必要な特性が達成できるかが不明であると言う課題があった。
また、特許文献3には、4成分系の非晶質Fe−B−Si−C合金が開示されているが、Fe濃度が77〜80原子%と低く、十分に高濃度で無いと言う課題があった。
また、特許文献4に開示の非晶質Fe−B−Si合金は、3成分系であり、特許文献1に開示の非晶質合金と同様に、4成分系以上の多成分系アモルファス合金では無いし、特許文献1に開示の非晶質合金より、Fe濃度が81.〜81.7原子%と高いが、まだ不十分であると言う課題があった。
また、特許文献5には、5成分系のFe−B−Si−P−C鉄基非晶質合金薄帯が開示されているが、これらの5成分の組成比率が十分に検討されていないために、飽和磁束密度が最大1.52であり、十分に高い飽和磁束密度を達成できないと言う課題があった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解消し、鉄基合金のガラス形成能と基本構造の密接な関係に基づき、鉄濃度が81原子%以上の特定の高濃度鉄基合金における新規な高濃度鉄基合金組成域においても、相当に高いガラス形成能を持ち、1.60T以上の高飽和磁束密度、低保磁力、高い有効透磁率、更に良好なアモルファス形成能と優れた機械的強度と延性・加工性とを具備し、地球上に豊富で低コストな元素のみから成る鉄−半金属合金系で、粉末冶金成形による大量低コスト生産プロセスをも適用可能な高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者らは、鉄濃度が81at%以上のFe81−87(B,C)x(P,Si)y(x+y=13−19at%)組成域で、かなり大きな単位胞(32原子数)をもつ正方晶構造のFe3(B,P)相が非平衡相で存在できることに注目し、この相を基本とした鉄基多成分合金に注目した急冷アモルファス合金の作製と特性について鋭意研究を行い、本発明に至ったものである。
即ち、本発明の高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金は、合金元素として、鉄、ホウ素、硅素及び燐からなり、合金組成がFeaBbSicPdで表わされ、a,b,c,dが原子パーセントである時、a,b,c,及びdは、下記式 81≦a≦87、7≦b≦10、2.5≦d、0<d≦c<c+d<b、a+b+c+d100を満足し、飽和磁束密度が1.60T以上であることを特徴とする。
また、本発明の高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金は、合金元素として、鉄、ホウ素、硅素、燐及び炭素からなり、合金組成がFeabSieで表わされ、a,b,c,d及びeが原子パーセントである時、a,b,c,d及びeは、下記式 81≦a≦87、7≦b≦10、2.5≦d、0<d≦c<c+d<b、0<e<d、c+d+e<b、a+b+c+d+e100を満足し、飽和磁束密度が1.60T以上であることを特徴とする。
ここで、飽和磁束密度が1.65T以上であることが好ましい。
また、鉄の原子パーセントaが、下記式 82≦a≦86を満足することが好ましい。
また、ホウ素の原子パーセントbが、下記式 7≦b≦9を満足することが好ましい
た、保磁力が5A/m以下であり、有効透磁率が10000(1kHz,1A/m)以上であることが好ましい。
また、急速凝固リボン材からなる厚さ0.01〜0.03mmの前記鉄基非晶質合金は、密着曲げ変形が可能な靭性(ねばさ)を持つことが好ましい。
た、キュリー温度と、キュリー温度より80Kだけ高い温度との間の範囲内の温度では、結晶相が析出していないことが好ましい。
本発明によれば、鉄濃度が81原子%以上の特定の高濃度鉄基合金における新規な高濃度鉄基合金組成域においても、相当に高いガラス形成能を持ち、1.60T以上の高飽和磁束密度、低保磁力、高い有効透磁率、更に良好なアモルファス形成能と優れた機械的強度と延性・加工性とを具備し、地球上に豊富で低コストな元素のみから成る鉄−半金属合金系で、粉末冶金成形による大量低コスト生産プロセスをも適用可能な高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金を提供することができる。
本発明に係る鉄基非晶質合金の実施例6のX線解析図形である。 本発明に係る鉄基非晶質合金の実施例9のX線解析図形である。 本発明に係る鉄基非晶質合金の実施例25のX線解析図形である。 本発明に係る鉄基非晶質合金の実施例26のX線解析図形である。 本発明に係る鉄基非晶質合金の実施例1のDSC曲線である。 本発明に係る鉄基非晶質合金の実施例4のDSC曲線である。 本発明に係る鉄基非晶質合金の実施例25のDSC曲線である。 本発明に係る鉄基非晶質合金の実施例26のDSC曲線である。 本発明に係る鉄基非晶質合金の実施例17の急速凝固材、並びに第1及び第2発熱ピーク加熱材のX線解析図形と、同定結果を示すグラフである。 本発明に係る鉄基非晶質合金の実施例18の熱処理材の磁化−磁場曲線である。 本発明に係る鉄基非晶質合金の実施例18の熱処理材のヒステリシスB−H曲線である。 本発明に係る鉄基非晶質合金の実施例18の急速凝固リボン材の180度密着曲げ変形後の変形域の走査電子顕微鏡写真(SEM)を示している。 本発明に係る鉄基非晶質合金の実施例18の急速凝固リボン材の熱処理材の180度密着曲げ変形後の変形域の走査電子顕微鏡写真(SEM)を示している。 本発明に係る種々の鉄基非晶質合金(実施例1〜14)の急速凝固材およびその熱処理材のビッカース硬さを示すグラフである。 本発明に係る鉄基非晶質合金の色々な厚さを持つ実施例18のDSC曲線である。 本発明に係る鉄基非晶質合金の色々な厚さを持つ実施例18のX線回折パターン図形である。
以下に、本発明に係る高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金を添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明に係る高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金(以下、鉄基非晶質合金と言う)の合金元素として、鉄、ホウ素、硅素及び燐を含有し、合金組成がFeabSiで表わされる。ここで、a,b,c,dは、原子パーセントである。
本発明の鉄基非晶質合金においては、鉄(Fe)の原子パーセント(at%)aは、81以上87以下の範囲(81≦a≦87)である必要があり、82以上86以下の範囲(82≦a≦86)であるのがより好ましい。
また、ホウ素(B)の原子パーセントb(at%)は、7以上10以下の範囲(7≦b≦10)である必要があり、7以上9以下の範囲(7≦b≦9)であるのがより好ましい。
また、ケイ素(硅素;Si)の原子パーセントc(at%)は、リン(燐;P)の原子パーセントd(at%)以上の範囲(c≧d)であり、かつ、リン(P)の原子パーセントd(at%)は、0超の範囲(d>0)である必要がある。したがって、Siの原子パーセントc及びPの原子パーセントdは、c≧d>0を満足する必要がある。
更に、ホウ素(B)の原子パーセントbは、ケイ素(Si)及びリン(P)の原子パーセントc及びdの総和より大きい(b>c+d)必要がある。したがって、原子パーセントb,c,dは、不等式b>c+d>c≧d>0を満足する必要がある。
更にまた、原子パーセントa,b,c,dの総和(a+b+c+d)は、100以下(a+b+c+d≦100)である必要がある。
鉄(Fe)、ホウ素(B)、硅素(Si)及び燐(P)の原子パーセントa,b,c及びdを上記の各条件範囲に限定するのは、これらの原子パーセントa,b,c及びdが、上記の各条件範囲を満足すれば、高飽和磁束密度、低保磁力、高い有効透磁率、更に良好なアモルファス形成能と優れた機械的強度と延性・加工性を得ることができる合金組成となるからである。
特に、鉄(Fe)の濃度が、87原子(at)%超であると、アモルファス形成能が低下し、不均一なアモルファス相、或いはナノクラスターや結晶相を含んだアモルファス相となり、保磁力が上昇し、透磁率が低下し、目的とする高透磁率が得られなくなり、性能劣化を招くからであり、81at%未満であると、飽和磁束密度が低下し、目的とする1.60T以上の高飽和磁束密度が得られなくなるからであり、アニールするともろくなり、アニール後も目的とする軟磁性を維持することができなくなるからである。
また、ホウ素(B)の濃度が、7at%未満では、アモルファス形成能が低下し、アモルファスが安定して形成できなくなり、10at%超では、アモルファス形成能の向上が得られなくなるからである。
また、硅素(Si)及び燐(P)の濃度を上記範囲に限定するのは、優れたアモルファス形成能及びアモルファス性能を得るためであり、アニール後のアモルファスの性能の維持、特にアニール後の軟磁性を維持するためである。
なお、本発明の鉄基非晶質合金は、本発明の効果を阻害しない限り、特に、1.60T以上の高飽和磁束密度等の軟磁性、優れたアモルファス系性能、優れた機械的強度と延性・加工性などを具備している限り、合金元素として、鉄、ホウ素、硅素及び燐に加え、所定量以下の炭素を含有していても良く、炭素の原子パーセントをeとする時、合金組成は、FeabSieで表わされることになる。
ここで、炭素(C)の原子パーセントe(at%)は、0原子%超、d原子%未満(0<e<d)の範囲であり、下記式 c+d+e<b、a+b+c+d+e≦100を満足することが好ましく、下記式 0<e≦0.5を満足することがより好ましい。
本発明において、炭素(C)を上記範囲だけ添加しても良いのは、機械的強度と延性・加工性などの向上効果を望めるからである。
本発明の鉄基非晶質合金では、飽和磁束密度が1.60T以上である必要があり、1.65T以上であるのが好ましい。飽和磁束密度を1.60T以上に限定するのは、目標とする軟磁性を達成するために必要だからである。
本発明の鉄基非晶質合金では、保力が5A/m以下であり、有効透磁率が10000(1kHz,1A/m)以上であるのが好ましい。
また、本発明の鉄基非晶質合金は、急冷凝固状態、及びアニール状態のいずれにおいても、密着曲げ変形が可能な靭性(ねばさ)を持つことが好ましく、また、断面積減少率が40%以上の冷間加工性を持つことが好ましい。
また、本発明の鉄基非晶質合金は、急冷凝固状態よりアニール状態の方が硬さが、低下することが好ましい。
また、本発明の鉄基非晶質合金は、単ロール急冷凝固法により作製された厚さ0.01〜0.03mmの帯状であることが好ましい。
また、本発明の鉄基非晶質合金は、キュリー温度と、キュリー温度より80Kだけ高い温度との間の範囲内の温度では、結晶相が析出していないことが好ましい。
本発明の鉄基非晶質合金は、鉄基多成分合金に注目した急冷アモルファス合金の作製と特性についての研究に基づいて、この相当に複雑な正方晶Fe(B,P)相をベースに半金属元素で強制的に固溶ひずみの導入を図り、Fe原子とB原子,P原子, Si原子、更にはC原子とが中・長距離的範囲で互いに複雑に結合しあった高エントロピーなランダム構造相を創成して、高濃度鉄合金域においても、特別な合金元素を含むことなく、均質なアモルファス相が生成し、1.60T以上の高飽和磁束密度と優れた軟磁性、良好な薄帯形成能、機械的性質および熱的安定性を併せ持つ新規な鉄基非晶質(アモルファス)合金を通常の液体急冷法を用いて開発することができる。
以下に、本発明の鉄基非晶質合金の製造について説明する。
母合金
用いられる合金組成は、Fe8218−x−ySi,Fe8218−x−y−zSi, Fe82.517.5−x−ySi,Fe82.517.5−x−y−zSi,Fe8317−x−ySi,Fe8317−x−y−zSi,Fe83.516.5−x−ySi,Fe83.516.5−x−y−zSi,Fe8416−x−ySi,Fe8416−x−y−zSi(原子パーセント)である。
急速凝固合金の作製方法
これらの公称組成の母合金は、市販の純鉄、フェロボロン(Fe−B)、フェロシリコン(Fe−Si)、フェロ燐(Fe−P)、白銑鉄(Fe−C)を所定の組成に配合した後、アルミナるつぼを用いて高周波溶解炉で約0.07MPaの減圧下のアルゴンガス雰囲気中で溶解後、銅鋳型に鋳込むことにより作製する。
この母合金5グラムを硬質石英管中に挿入して、フローさせたアルゴンガス中で高周波コイルで再溶解後、約0.05MPaのアルゴンガス圧を負荷して、直径0.02mmの石英ノズルより、約3500rpmで回転している銅ロール(直径25cm、幅2cm)の外周上に噴出して、急速凝固リボン材を作製する。
即ち、本発明の鉄基非晶質合金は、単ロール急冷凝固法により作製される帯状の合金材料であるのが好ましい。
こうして作製される帯状リボン材は、幅1〜1.5mm,厚さ0.01mm(10μm)〜0.03mm(30μm)であるのが好ましく、20〜25μmであるのがより好ましい。
なお、合金の噴出し雰囲気は、0.02MPaのアルゴン雰囲気中であり、噴出し温度は、融点より約75度高くに調整する。
急速凝固合金の評価方法
急速凝固リボン材の構造をX線回折法(理学電(Bruker AXS)製、D8 Advance型)で調べることができる。ブロードなハローピークのみを示した試料において、示差走査熱量計(DSC)を用いて、昇温速度0.67K/sで、アルゴン雰囲気中で、磁気変態キュリー温度、結晶化開始温度、結晶化発熱量などを評価する。密度はトルエンを用いて、常温でアルキメデス法で測定した。硬さはビッカース硬度計を用いて、自由凝固面上で、負荷荷重100gで4回以上測定し、その平均値を採用する。なお、試料の熱処理は、リボン試料を減圧した石英管中に封入して、電気炉中で所定の温度と時間で行う。
磁気測定は、試料振動磁束計(VSM)を用いて、800kA/mの負荷磁場中で飽和磁束密度を常温で測定する。保磁力および最大透磁率をB−Hループトレーサーで、また、有効透磁率をインピーダンスアナライザーで1kHz、1A/mの条件下で、それぞれ、常温で測定する。さらに、磁気変態温度(キュリー温度)は、DSC曲線から評価する。
以下に、本発明の鉄基非晶質合金を実施例に基づいて具体的に説明する。
上述のような母合金を用い、上述の急速凝固合金の作製方法によって作製され、かつ上述の急速凝固合金の評価方法によって評価された本発明の2種の鉄基非晶質合金(実施例1〜2)を表1に示す。
このようにして作製され、かつ評価された表1に示す本発明の実施例1〜2の鉄基非晶質合金を用いて、本発明を説明する。
急速凝固層の同定
これらの実施例1〜2の鉄基非晶質合金において、代表的な実施例6、9、25及び26の各合金組成の急速凝固リボン材のX線回折図形を図1〜図4に示す。図1〜図4から明らかなように、いずれの実施例のリボン合金もブロードな回折ピークのみを示しており、急速凝固リボン材は、結晶を含まないアモルファス相で構成されていることを示している。
なお、図示してはいないが、他の実施例1〜5、7〜8、及び10〜24のリボン合金もブロードな回折ピークのみを示しており、急速凝固リボン材は、結晶を含まないアモルファス相で構成されていることを示している。
図5〜図8は、X線回折でアモルファス相の生成を確認した代表的な実施例1、4、25及び26の各合金組成の急速凝固リボン試料のDSC曲線を示している。いずれの実施例の合金も、約270〜30度付近でキュリー温度に対応する小さな吸熱ピークを示した後、結晶化による明瞭な二つの発熱ピークを示しており、アモルファス相の結晶化が2段階で生じることを表している。なお、この2段階の結晶化挙動は、図示してはいないが、他の実施例及び〜24のリボン合金でも、全て確認されている。また、第一発熱ピークと第二発熱ピークの温度間隔は鉄濃度の増加に伴って増大していることが認められる。いずれの合金においても、第一発熱ピークは、極めてシャープな形状となっており、第一発熱ピークに応する析出物は、ナノサイズを持っておらず、しかもその析出が核発生・成長の様式で生じることを示唆している。なお、約70〜70度付近の小さな吸熱反応ピークは、結晶析出物のキュリー温度に対応している。
図9は、二つの発熱ピークを示した実施例17のアモルファスリボン合金における、1段目および2段目の発熱ピーク終了温度まで加熱(アニール)した試料から得たX線回折図形を示している。図示していないが、他の実施例1〜16、及び18〜26のいずれの合金においても、1段目のピークまで加熱後の試料の回折ピークはbcc(体心立方格子構造)相として同定でき、bcc−Fe相がアモルファス相から初晶として析出することを示している。また、bcc−Fe相の回折ピークは極めてシャープな形状となっており、この回折ピークの半分価幅から評価されるbcc−Fe相の粒径は、少なくともナノサイズではないことを示している。また、2段目の発熱ピークまで加熱した試料のX線回折は、bcc−Fe,正方晶FeBおよび極めて弱い未同定物として解析でき、残存アモルファス相から複数の結晶がほぼ同時に析出することを示している。
図10及び図11に、それぞれ、実施例18の急速凝固リボン材(熱処理材)をキュリー温度より20度高い温度で真空減圧下で10分間加熱後、水中に急速冷却した試料のVSM曲線、及びB−Hヒステリシス曲線を示している。図示してはいないが、他の実施例1〜1、及び19〜26の急速凝固リボン合金材でも、急速冷却試料のVSM曲線、及びB−Hヒステリシス曲線が全て得られている。
図示の実施例18の急速凝固リボン材の急速冷却試料のVSM曲線、及びB−Hヒステリシス曲線のいずれのデータも、これらの試料が典型的な軟磁気特性を有していることを示している。
本発明の鉄基非晶質合金のB−H曲線は、特に、図11に示す実施例18の熱処理材のヒステリシスB−H曲線のように、直線性に優れており、本発明の鉄基非晶質合金(実施例18の熱処理材)を、例えば自動車用モータ磁心等に用いた場合、B−H曲線の比例的(直線的)に変化する関係がモータの制御に好ましいと言える。
上述の表1は、これらのデータから算出した飽和磁束密度(Ms),保磁力(Hc)を、有効透磁率(μe)およびキュリー温度(Tc)と共にまとめたものである。
上述の表1から明らかなように、実施例1〜26のすべての組成合金で、飽和磁束密度は1.60T以上であり、一部の合金系では、1.7Tを上回り、1.73Tに達していることが注目される。それらの合金の中で実施例1〜10、12、13、及び18の合金の保磁力は、5A/m以下であり、1kHzでの有効透磁率は10上であり、最大有効透磁率は10 以上となる大変優れた軟磁性を有している。なお、飽和磁束密度の鉄量依存性に注目する時、鉄濃度が約84at%で飽和しており、それ以上に鉄濃度を増加しても、合金密度も上昇するために、結果としてほぼ飽和してしまうものと推定される。いずれにしても、これらの磁気特性はすべての合金で、本発明の目的を達成しているものであり、アモルファス金属、ガラス金属分野における新しい軟磁性アモルファス金属として、産業化が期待できるものである。
ところで、上記したように、適度に高いレベルの磁気ひずみをもった鉄基アモルファス軟磁性合金において、優れた軟磁性を得るためには、キュリー温度と結晶化開始温度との間の温度域で加熱後、水中への冷却処理を行うことが必要である。なお、本発明の鉄基非晶質合金は、キュリー温度と、キュリー温度より80Kだけ高い温度との間の範囲内の温度では、結晶相が析出していないのが良いと言える。
このために、本発明において、優れた軟磁性特性を示す鉄基アモルファス合金の機械的性質を急速凝固したままの状態および最適熱処理後の状態において調べ、一連の鉄基アモルファス合金の軟磁気特性が工業化を考えることができる。
図12及び図13は、実施例18のアモルファス合金(Fe848.5Si4.10 。25 0.)の、それぞれ、急速凝固したままのリボン材および326℃で10分加熱後水中に冷却したリボン材の180度密着曲げ変形後の引張り応力側の走査電子顕微鏡写真を示している。急速凝固材および熱処理材ともに、密着曲げ変形域には多数のせん断変形帯が発生しているが、破壊クラックは見られず、本軟磁性アモルファス合金が180度の密着曲げ延性を有しており、しかもその曲げ延性が最適熱処理後においても保持されている。これまで、極めて多数の鉄基のアモルファス合金およびガラス合金が作成、開発されてきたが、最適熱処理状態においても密着曲げ変形が可能であることを示したものは全くないものと思われている。このように、本発明の鉄基アモルファス合金群は、優れた軟磁気特性の外に、極めて優れた曲げ延性とその高い熱的安定性を保持している。
また、図14は、一連の本発明の鉄基軟磁性アモルファス合金のビッカース硬さの最適熱処理による変化をまとめたものである。実施例1〜14のいずれの合金においても、硬さ値が熱処理により減少しており、その減少の程度は約5%〜10%であると評価される。即ち、本発明の鉄基軟磁性アモルファス合金においては、急冷凝固状態よりアニール状態の方が硬さが、低下するのが好ましい。
ところで、アモルファス合金の硬さの熱処理による変化に関する従来技術は膨大な数に達しているが、これまでのいずれの従来技術においても、アモルファス合金の硬さは熱処理により増加することが示されており、硬さが減少する本発明の結果は、上記した良好な曲げ延性が熱処理後においても保持される結果と同様に、極めて特異なものといえる。この硬さの熱処理による減少と、熱処理後においても良好な曲げ延性を保持していることは、互いに密接に関係しているものと言える。
以上のように、本発明の鉄基非晶質合金は、軟磁気特性のみならず、機械的諸性質とその熱的安定性においても優れているものである。
また、図15及び図16は、それぞれ、色々な厚さを持つ実施例18のFe848.5Si4.13.250.15の鉄基非晶質合金のDSC曲線、及びX線回折パターン図形を示す。図15及び図16から明らかなように、厚さが33μm、40μm、45μmの厚さのまで鉄基非晶質合金は、いずれも、DSC曲線において第1及び第2の2つの発熱ピークを持ち、X線回折パターン図形においてブロードな回折ピークのみを示しており、結晶を含まない完全なアモルファス相のみで構成されていることを示しているが、52μmの厚さの鉄基非晶質合金は、DSC曲線において第1及び第2の2つの発熱ピークを持ち、X線回折パターン図形においてブロードな回折ピークを持つものの、bccとアモルファス相とが混在するものであり、97μmの厚さの鉄基非晶質合金は、DSC曲線において発熱ピークが無く平坦な曲線を示し、X線回折パターン図形において低い回折ピークを複数持ち、bccで構成されていることを示している。
即ち、本発明の鉄基非晶質合金においては、アモルファス相の臨界厚さが存在していることを示しており、厚さが薄い場合にはアモルファス相のみで構成されているが、52μmを超えて厚くなるとbccが混在し始め、それより厚く97μmとなるとアモルファス相が無くなり、bccのみで構成されることが分かる。
ここで、本発明の鉄基アモルファス合金が急冷状態のみならず適切な熱処理後においても良好な密着曲げ変形を示すねばさを示す原因について考察する。最近、バルク金属ガラスにおいて延性と合金組成との関係が系統的に研究され、バルク金属ガラスが容易に作成できる共晶組成およびその近傍の組成合金は一般に良好なねばさを示さず、しかも熱処理後にその延性は大きく低下し、ほとんど塑性伸びが見られなくなる。一方、化合物組成およびそれに近い組成域のガラス合金は鋳造状態およびガラス遷移温度以下での熱処理状態においても良好な塑性伸びを示し、その延性は熱処理後においてもほとんど変化しないことが見いだされている。
この原因として、共晶組成合金では本質的にガラス相中の成分分布は不均質となっており、この不均質状態が均質状態に比べて内部エネルギーが低い、すなわち準安定性の高い状態にある。一方、化合物組成のガラス合金では成分の分布は均質な状態で内部エネルギーが低く、不均質な分布状態では逆に内部エネルギーは高くなる。この二つのタイプの合金が外部応力を負荷されて塑性変形する時、せん断変形帯では局部的に温度は極めて短時間内にガラス遷移温度以上に上昇し、粘性流動を起こすことが知られている。この事は、共晶タイプ合金ではせん断変形帯では成分分布は不均質からエネルギー的に高くなった均質分布状態に再配列を起こした状況となっており、破壊しやすい状態にあるといえる。一方、化合物組成合金では、成分は均質分布状態にあり、せん断変形帯域においてもその均質分布状態は再配列を起こさないまま、すなわち、内部エネルギー的には低い状態が維持されるために、せん断変形域においても破壊しづらい状態を維持でき、延性が保持されるものと考えられている。
現在の本発明の鉄基アモルファス合金の組成は、前述しているように、正方晶Fe(P,B,Si,C)を基本として合金設計され、作製されており、上記した二つのタイプの合金においては化合物タイプに属すると考えられる。このため、合金組成の分布は均質であり、せん断変形帯域においてもその均質状態は変化せず、すなわち、原子配列状態は、未変形域、変形域ともに本質的な変化を起こさないために、高延性が液体急冷状態および熱処理状態においても保持されたものと推察される。なお、従来のFe−Si−Bアモルファス合金(代表例として、Metglas2605;Fe78Si13)の結晶化相は、bcc−Feと斜方晶FeBとなっており、正方晶Fe(P,B)タイプの析出物は検出されていない。このことは、従来のアモルファス合金は成分分布が不均質な共晶組成タイプであり、このために上述したような機構に従って、熱処理後に脆くなったものと推察される。
その不均質の程度は熱処理後さらに明瞭となり、エネルギー的には低くなる。しかし、変形により発生したせん断変形帯域では成分分布状態がエネルギー的に高い、すなわち、不安定な成分が均質状態となる結果、最終破壊を起こしやすくなる。また、成分の不均質分布状態とせん断変形帯域での成分の均質な分布状態の差は、熱処理後に益々大きくなる結果、熱処理により脆化の程度も大きくなるものと考えられる。
この考えに基づく時、本研究開発で調べたすべての鉄基アモルファス合金において、硬さは熱処理により低下しており、従来の傾向と逆となっている。この原因としては、成分元素の分布状態はほとんど変化しない状況下で内部ひずみが除かれたために生じたと推察さすることにより説明される。
即ち、本発明の鉄基非晶質合金は、好ましい形態として、急冷凝固状態、及びアニール状態のいずれにおいても、密着曲げ変形が可能な靭性(ねばさ)を持ち、断面積減少率が40%以上の冷間加工性を持つ。
また、本発明の鉄基非晶質合金においては、結晶化初相の粒径が50nm以上となるのが良い。
また、本発明の鉄基非晶質合金は、結晶相中に正方晶Fe(B,P)を含むのが良い。
以上に、本発明に係る高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金について種々の実施形態及び実施例を挙げて説明したが、本発明は、上述の実施形態及び実施例に限定されず、本発明の要旨を逸脱しないかぎり、種々の改良や設計の変更を行っても良いことはもちろんである。
例えば、なお、本発明の鉄基非晶質合金は、本発明に必要なアモルファス合金としての性能を損なわない限り、Fe、B、Si、P及びC以外の金属元素や半金属元素を更に含んでいても良い。例えば、更に、アルミニウム(Al)及びガリウム(Ga)の両方あるいはいずれか一つが、即ち少なくとも一つが含まれていても良く、その含有量は、多くても、0.7原子パーセント以下である必要があり、更に、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)及びニオブ(Nb)の少なくとも一つが、含まれていても良く、その含有量は、多くても、総量で0.7原子パーセント以下である必要がある。
本発明の高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金は、その特徴を基盤として、軟磁性磁気コア材を作成し、インダクタ、モータ用鉄心材、特に自動車用モータ磁心、RFID材、磁気シールド材などとして応用することができる。

Claims (9)

  1. 合金元素として、鉄、ホウ素、硅素及び燐からなり、合金組成がFeabSiで表わされ、a,b,c,dが原子パーセントである時、a,b,c,及びdは、下記式
    81≦a≦87、
    7≦b≦10、
    2.5≦d、
    0<d≦c<c+d<b、
    a+b+c+d100
    を満足し、
    飽和磁束密度が1.60T以上であることを特徴とする高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金。
  2. 合金元素として、鉄、ホウ素、硅素、燐及び炭素からなり、合金組成がFeabSieで表わされ、a,b,c,d及びeが原子パーセントである時、a,b,c,d及びeは、下記式
    81≦a≦87、
    7≦b≦10、
    2.5≦d
    0<d≦c<c+d<b、
    0<e<d、
    c+d+e<b
    a+b+c+d+e100
    を満足し、
    飽和磁束密度が1.60T以上であることを特徴とする高延性・高加工性を持つ高磁束密度軟磁性鉄基非晶質合金。
  3. 前記飽和磁束密度が1.65T以上である請求項1または2に記載の鉄基非晶質合金。
  4. 前記鉄の原子パーセントaが、下記式
    82≦a≦86
    を満足する請求項1〜のいずれかに記載の鉄基非晶質合金。
  5. 前記ホウ素の原子パーセントbが、下記式
    7≦b≦9
    を満足する請求項1〜のいずれか1項に記載の鉄基非晶質合金。
  6. 前記炭素の原子パーセントeが、下記式
    0<e≦0.5
    を満足する請求項のいずれか1項に記載の鉄基非晶質合金。
  7. 保磁力が5A/m以下であり、有効透磁率が10000(1kHz,1A/m)以上である請求項1〜のいずれか1項に記載の鉄基非晶質合金。
  8. 急速凝固リボン材からなる厚さ0.01〜0.03mmの前記鉄基非晶質合金は、密着曲げ変形が可能な靭性(ねばさ)を持つ請求項1〜のいずれか1項に記載の鉄基非晶質合金。
  9. キュリー温度と、キュリー温度より80Kだけ高い温度との間の範囲内の温度では、結晶相が析出していない請求項1〜のいずれか1項に記載の鉄基非晶質合金。
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