JP2008196006A - Fe基ナノ結晶軟磁性合金、アモルファス合金薄帯およびFe基ナノ結晶軟磁性合金の製造方法並びに磁性部品 - Google Patents

Fe基ナノ結晶軟磁性合金、アモルファス合金薄帯およびFe基ナノ結晶軟磁性合金の製造方法並びに磁性部品 Download PDF

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Abstract

【課題】 特にカットコアに好適な特性を有する高飽和磁束密度で低磁歪のFe基ナノ結晶軟磁性合金と前記Fe基ナノ結晶軟磁性合金を製造する際に用いられるアモルファス合金薄帯および前記Fe基ナノ結晶軟磁性合金の製造方法並びにこれを用いた高性能磁性部品を提供する。
【解決手段】 一般式:Fe100−x-z-zAxMaSiyBz(原子%)で表され、式中、AはCu, Auから選ばれる少なくとも1種の元素、MはTi, V, Zr, Nb, Mo, Hf, Ta, Wから選ばれた少なくとも1種の元素を示し、x、y、aおよびzはそれぞれ0≦x≦2、13≦y≦18、0≦a≦1.5、4≦z≦10、x+y+a+z≦25を満足する組成であり、平均粒径120nm以下のbcc Fe-Si結晶粒とアモルファス相からなり、bcc Fe-Si結晶粒が体積分率で組織の50%以上を占めており、飽和磁束密度Bsが1.4T以上、飽和磁歪定数λsが-3.5×10-6以上+3.5×10-6以下の範囲にある高Bs低磁歪のFe基ナノ結晶軟磁性合金である。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種リアクトル、各種チョ−クコイル、各種トランス、モーター用鉄心、磁気シールド、磁気センサー、電流センサー等の磁性部品に用いられ、特にリアクトルやトランスに用いられるカットコアに好適な特性を有する高飽和磁束密度で低磁歪のFe基ナノ結晶軟磁性合金と前記Fe基ナノ結晶軟磁性合金を製造するのに用いられる靭性が良好で加工性に優れたアモルファス合金薄帯および前記Fe基ナノ結晶軟磁性合金の製造方法並びにこれを用いた高性能な磁性部品に関する。
各種リアクトル、各種チョ−クコイル、各種トランス、モーター用鉄心、磁気シールド、磁気センサー、電流センサー等の磁性部品に用いられる磁性材料としては、珪素鋼、フェライト、アモルファス合金やFe基ナノ結晶合金材料等が知られている。フェライトは高周波特性に優れるが飽和磁束密度が低く、温度特性が劣り磁気的に飽和しやすい問題があり直流重畳特性に劣るため特にリアクトルなどに用いた場合小型化や大電流回路対応に課題がある。珪素鋼は、磁束密度が高い特長を有するが、高周波の用途に対しては磁心損失が大きいという問題があり、特に10kHzを超えるような周波数で使用する場合発熱が大きい問題がある。Fe基アモルファス合金は、従来のFe基結晶質軟磁性合金材料よりも軟磁性に優れるが、磁歪が大きい。また、通常25μm程度の薄帯形状であるために、リアクトル・パワーチョークなどに使用する場合、巻磁心や積層磁心とし樹脂で含浸や接着を行い硬化後切断しギャップを設け、カットコアとする必要がある。このため、樹脂により発生する応力により特性が劣化する問題、可聴周波数帯の電流が重畳する用途に使用した場合、騒音が大きいという問題や振動が周囲に悪影響を及ぼすなどの問題がある。一方、Co基アモルファス合金は、飽和磁束密度が1 T以下と低く、熱的に不安定で温度上昇すると経時変化が大きくなる問題や原料が高価であるという問題がある。このため、ハイパワーの用途に使用した場合、部品が大きくなる問題や設計温度を高くできない等の問題がある。
Fe基ナノ結晶合金は優れた軟磁気特性を示すため、コモンモ−ドチョ−クコイル、高周波トランス、パルストランス等の磁心に使用されている。代表的組成系は特許文献1や特許文献2に記載のFe−Cu−(Nb,Ti,Zr,Hf,Mo,W,Ta)−Si−B系合金やFe−Cu−(Nb,Ti,Zr,Hf,Mo,W,Ta)−B系合金等が知られている。これらのFe基ナノ結晶合金は、通常液相や気相から急冷し非晶質合金とした後、これを熱処理により微結晶化することにより作製されている。液相から急冷する方法としては単ロ−ル法、双ロ−ル法、遠心急冷法、回転液中紡糸法、アトマイズ法やキャビテーション法等が知られている。また、気相から急冷する方法としては、スパッタ法、蒸着法、イオンプレ−ティング法等が知られている。Fe基ナノ結晶合金はこれらの方法により作製した非晶質合金を微結晶化したもので、非晶質合金にみられるような熱的不安定性がほとんどなく、Fe系アモルファス合金と同程度の高い飽和磁束密度と低磁歪で優れた軟磁気特性を示すことが知られている。更にナノ結晶合金は経時変化が小さく、温度特性にも優れていることが知られている。
特公平4-4393号公報 特開平1-242755号公報
Fe基ナノ結晶軟磁性合金は、ほぼ同一の飽和磁束密度の材料で比較した場合、従来の軟磁性材料より透磁率が高く、磁心損失も低く軟磁気特性が優れている。しかし、実用材として商品化されているFeCuNbSiB系などの低磁歪ナノ結晶軟磁性合金では、単ロール法などで作製された熱処理前のアモルファス合金が脆化しやすく、スリット、切断や打ち抜きなどの加工において割れが発生しやすいく、加工歩留まりが落ちるという問題がある。
一方、FeZrB系やFeNbB系ナノ結晶合金においては1.4Tを超える飽和磁束密度を有し、磁歪がほぼ零の材料が報告されている。しかしながら、これらの材料は高価なZrやNbを多量に含み、融点が高いため単ロール法で作製する場合にノズルの耐火物の寿命が短くなり、量産性に劣り材料を低価格で生産できない。このため、これらの材料を低価格が要求される上記カットコアなどの汎用の用途に適用するのは困難である。
ところで、カットコアなどの鉄心材料においては、従来知られているナノ結晶材のような高い透磁率は必要なく、むしろコア鉄心の磁気的飽和を防止するために、ギャップを設けて実効的な透磁率を下げて使用される。カットコアをリアクトルなどに使用する場合、素材の透磁率が高すぎると、実効的な透磁率を減少させるためにギャップを大きくする必要があり、ギャップ部からの漏れ磁束が大きくなり損失が増大する問題がある。
以上のように、従来使用されているFe基ナノ結晶軟磁性合金は、高飽和磁束密度材では低磁歪、低コストで薄帯製造が容易な材料を実現するのが困難である。従来のアモルファス合金よりも、磁性部品に用いた場合騒音や振動が少なく、従来のFe基ナノ結晶軟磁性合金を用いた鉄心よりも小型化が可能な、飽和磁束密度が高く低磁歪のFe基ナノ結晶軟磁性合金と前記Fe基ナノ結晶軟磁性合金を製造する際に用いられる靭性が良好なアモルファス合金薄帯および前記Fe基ナノ結晶軟磁性合金の製造方法並びにこれを用いた高性能な磁性部品の実現が強く望まれている。
そこで、本発明は各種リアクトル、各種チョ−クコイル、各種トランス、モーター用鉄心、磁気シールド、磁気センサー、電流センサー等の磁性部品に用いられ、特にこれらに用いられるカットコアに好適な特性を有する高飽和磁束密度で低磁歪のFe基ナノ結晶軟磁性合金と前記Fe基ナノ結晶軟磁性合金を製造する際に用いられる靭性に優れ加工が容易なアモルファス合金薄帯および前記Fe基ナノ結晶軟磁性合金の製造方法並びにこれを用いた高性能磁性部品を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために鋭意検討の結果、発明者らはリアクトル・パワーチョークなどに用いられるカットコアなどの素材では必ずしも高い透磁率は必要無く、むしろ従来有用と考えられていなかった材料の方がこれらの用途に適しており、しかも熱処理前の急冷状態のアモルファス合金の靭性が良好で加工性に優れており、熱処理後の特性が優れていることを見出した。
すなわち、本発明は、一般式:Fe100-x-a-y-zAxMaSiyBz(原子%)で表され、式中、AはCu, Auから選ばれる少なくとも1種の元素、MはTi,V,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,Wから選ばれた少なくとも1種の元素を示し、x、a、yおよびzはそれぞれ0≦x≦2、0≦a≦1.5、13≦y≦18、4≦z≦10、x+a+y+z≦25を満足する組成であり、平均粒径120nm以下のbcc Fe-Si結晶粒とアモルファス相からなり、bcc Fe-Si結晶粒が体積分率で組織の50%以上を占めており、飽和磁束密度Bsが1.4T以上、飽和磁歪定数λsが-3.5×10-6以上+3.5×10-6以下の範囲にあることを特徴とするFe基ナノ結晶軟磁性合金である。
本発明において、AはCu, Auから選ばれる少なくとも1種の元素であり、結晶粒微細化に効果がある。A量xが2at%を超えると材料の脆化が著しくなり、飽和磁束密度Bsも低下するため好ましくない。MはTi, V, Zr, Nb, Mo, Hf, Ta, Wから選ばれた少なくとも1種の元素であり、M量aは0≦a≦1.5である必要がある。M量aが1.5at%を超えると、飽和磁束密度の低下を招き、リアクトルなどに適する特性が得られず好ましくない。Si量yは12≦y≦18である必要がある。Si量yがこの範囲をはずれると磁歪が大きくなり、磁心損失も増加するため好ましくない。B量zは4≦z≦10であり、B量zが4at%未満では、磁心損失が増加し好ましくなく、B量zが10at%を超えると磁歪が大きくなり好ましくない。また、A量、M量、Si量、B量の総和はx+y+a+z≦25を満足する必要がある。x+y+a+zが25at%を超えると飽和磁束密度の低下を招き好ましくない。本発明合金は平均粒径120nm以下のbcc Fe-Si結晶粒とアモルファス相からなり、bcc Fe-Si結晶粒が体積分率で組織の50%以上を占めている。bcc Fe-Si相の結晶粒が体積分率で組織の50%以上を占めている必要がある。bcc Fe-Si結晶粒の体積分率が50%未満の場合、磁歪が大きくなり、カットコアなどに使用する場合、磁心損失の増加や騒音や振動が増加し好ましくない。
本発明において、特にSi量yが14.5≦y≦17、B量zが6≦z≦8の範囲である場合、磁歪が特に小さく含浸後も80W/kg以下の低い磁心損失を示し好ましい結果が得られる。
また、A量xは0.3≦x<1の範囲である場合、Feの5原子%以下をCo,Niから選ばれた少なくとも一種の元素で置換した場合、磁界中熱処理などにより誘導磁気異方性がつきやすく、磁化曲線の形状制御がしやすく高周波特性改善など応用上有用である。Feの一部をCr,Mn,Sn,Zn,In,Ag,Sc,白金属元素,Mg,Ca,Sr,Y,希土類元素,N,OおよびSから選ばれた少なくとも一種の元素で置換することができる。これらの元素はFe基軟磁性合金の耐食性を改善したり、磁気特性を調整することができる。また、Siの一部をC,Ge,GaおよびPから選ばれた少なくとも一種の元素で置換することができる。Siの一部をC,Ge,GaおよびPから選ばれた少なくとも一種の元素で置換することにより磁歪や磁気特性を調整することができる。飽和磁歪定数λsが-1.5×10-6以上+1.5×10-6以下の範囲にある場合、磁心損失が低くかつ振動や騒音が小さい磁性部品を実現できるため好ましい。
また、本発明高Bs低磁歪Fe基ナノ結晶軟磁性合金において、飽和磁束密度Bsが1.45 T以上である合金は、部品をより小型化できるようになり、たとえばリアクトル用カットコアの材料として適している。
もう一つの本発明は、前記高Bs低磁歪のFe基軟磁性合金から構成されている磁性部品である。本発明磁性部品は、小型で低損失であり、従来のFe基アモルファス合金や従来一般的に使用されているナノ結晶合金を使用したリアクトル・カットコアなどの磁性部品よりも小型化低損失化が可能である。特に前記Fe基軟磁性合金から構成されているカットコアはリアクトル(パワーチョーク)などに使用した場合、低損失で優れた直流重畳特性を示す。
もうひとつの本発明は、一般式:Fe100-x-a-y-zAxMaSiyBz(原子%)で表され、式中、AはCu, Auから選ばれる少なくとも1種の元素、MはTi,V,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,Wから選ばれた少なくとも1種の元素を示し、x、a、yおよびzはそれぞれ0.1≦x≦2、0≦a≦1.5、12≦y≦18、4≦z≦10、x+y+a+z≦25を満足する範囲の組成であることを特徴とするアモルファス合金薄帯である。本発明のアモルファス合金薄帯は、20μmを超えるような広幅材を大量に製造しても180°曲げが可能であり、従来の低磁歪ナノ結晶材用のアモルファス合金薄帯よりも靭性に優れている。従来の広幅のナノ結晶材用のアモルファス合金薄帯では、板厚を薄くすることにより冷却速度を上げ靭性を改善しており、板厚を厚くすることが困難で量産性に劣っている。また、従来のナノ結晶材はこのような制約から占積率を高くするのが困難である。
AはCu, Auから選ばれる少なくとも1種の元素であり、熱処理後の結晶粒微細化に効果がある。A量xが2at%を超えると脆化が著しくなり、熱処理したナノ結晶材の飽和磁束密度Bsが低下するため好ましくない。MはTi, V, Zr, Nb, Mo, Hf, Ta, Wから選ばれた少なくとも1種の元素であり、M量aは0≦a≦1.5である必要がある。M量aが1.5at%を超えると、熱処理後のナノ結晶材の飽和磁束密度の低下と熱処理前のアモルファス合金の靭性の劣化を招き好ましくない。Si量yは12≦y≦18である必要がある。Si量yがこの範囲をはずれると熱処理して製造されるナノ結晶材の磁歪が大きくなり、磁心損失も増加するため好ましくない。B量zは4≦z≦10であり、B量zが4at%未満では、アモルファス形成能が低下し好ましくなく、B量zが10at%を超えると熱処理し製造されるナノ結晶合金の磁歪が大きくなり好ましくない。また、A量、M量、Si量、B量の総和はx+a+y+z≦25を満足する必要がある。x+a+y+zが25at%を超えると飽和磁束密度の低下を招き好ましくない。Si量yは14.5≦y≦17、6≦z≦8の範囲である場合、熱処理によりナノ結晶材を製造し含浸した後の磁心損失が低く好ましい結果が得られる。また、A量xが0.3≦x<1の範囲である場合、熱処理によりナノ結晶材を製造した際によりBsが高く、熱処理前の合金の靭性に特に優れるため好ましい結果が得られる。Feの5原子%以下をCo,Niから選ばれた少なくとも一種の元素で置換した場合、磁界中熱処理などによりナノ結晶材を製造した際に誘導磁気異方性がつきやすく、磁化曲線の形状制御がしやすく高周波特性改善など応用上有用である。Feの一部をCr,Mn,Sn,Zn,In,Ag,Sc,白金属元素,Mg,Ca,Sr,Y,希土類元素,N,OおよびSから選ばれた少なくとも一種の元素で置換することができる。これらの元素はアモルファス合金薄帯の耐食性を改善したり、熱処理後のナノ結晶材の磁気特性を調整することができる。また、Siの一部をC,Ge,GaおよびPから選ばれた少なくとも一種の元素で置換することができる。Siの一部をC,Ge,GaおよびPから選ばれた少なくとも一種の元素で置換することにより、熱処理により作製したナノ結晶材の磁歪や磁気特性を調整することができる。
もう一つの本発明は、一般式:Fe100−x-a-y-zAxMaSiyBz(原子%)で表され、式中、AはCu,Auから選ばれる少なくとも1種の元素、MはTi,V,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,Wから選ばれた少なくとも1種の元素を示し、x、a、yおよびzはそれぞれ0.1≦x≦2、0≦a≦1.5、12≦y≦18、4≦z≦10、x+y+a+z≦25を満足する範囲の組成の合金溶湯を急冷し、厚さ2μmから100μmのアモルファス合金薄帯を作製する工程と、前記アモルファス合金薄帯を400℃以上600℃以下の温度で熱処理し、平均粒径120nm以下の結晶粒を形成する工程からなることを特徴とするFe基ナノ結晶軟磁性合金の製造方法である。本発明製造方法により作製されたFe基ナノ結晶軟磁性合金は高Bs低磁歪であり、リアクトル用カットコアなどに好適な特性を示す。
また、本発明の製造方法により作製した軟磁性合金のbcc構造(体心立方構造)の結晶相は、Fe-Si固溶体を主体としているが、B,Al,Ge, Ga等を固溶する場合がある。また、一部にCuやAu等の面心立方構造の相(fcc相)も存在しても良い。また前記Fe−Si固溶体はFeSi規則相を含む。
本発明製造方法により作製された本発明合金においては、化合物相が存在しない方が磁心損失が低く望ましいが、化合物相を一部に含んでも良い。
本発明において、溶湯を急冷する方法としては、単ロール法、双ロール法、回転液中防止法、キャビテーション法などがあり、薄帯・薄片や線材を製造することができる。また、溶湯急冷時の溶湯温度は、合金の融点よりも50℃〜300℃程度高い温度とするのが望ましい。
単ロール法などの超急冷法は、活性な金属を含まない場合は大気中あるいは局所Arあるいは窒素ガスなどの雰囲気中で行うことが可能であるが、活性な金属を含む場合はAr,Heなどの不活性ガス中、窒素ガス中あるいは減圧中、あるいはノズル先端部のロール表面付近のガス雰囲気を制御する。また、CO2ガスをロールに吹き付ける方法や、COガスをノズル近傍のロール表面付近で燃焼させながら合金薄帯製造を行う場合もある。
単ロール法の場合の冷却ロール周速は、15m/sから50m/s程度の範囲が望ましく、冷却ロール材質は、熱伝導が良好な純銅やCu−Be、Cu−Cr、Cu−Zr、Cu−Zr−Cr、Cu−Zr−Si、Cu−Ni−Siなどの銅合金が適している。大量に薄帯を製造する場合、板厚が厚い薄帯や広幅薄帯を製造する場合は、冷却ロールは水冷構造とした方が好ましい。薄帯は熱処理後機械的に粉砕し粉末やフレーク状で使用することもできる。
熱処理は通常アルゴンガス、窒素ガス、ヘリウム等の不活性ガス中で行う。熱処理によりbcc構造(体心立方構造)のFeを主体とする結晶粒の体積分率が増加し、磁歪が減少し、鉄損も低減される。本発明の軟磁性合金は、熱処理工程の少なくとも一部の期間に合金に磁界と/あるいは応力を印加することができる。磁界中熱処理と/あるいは応力下熱処理を行うことにより、誘導磁気異方性を付与することができる。磁界中熱処理は、熱処理期間の少なくとも一部の期間十分な強さの磁界を印加して行う。印加する磁界の強さは、合金の形状にも依存する。薄帯のままの状態の場合、一般には薄帯の幅方向に印加する場合は8 kAm−1以上の磁界を、長手方向に印加する場合は80Am−1以上の磁界を印加する。印加する磁界は、直流、交流、繰り返しのパルス磁界のいずれを用いても良い。熱処理は、通常露点が−30℃以下の不活性ガス雰囲気中で行うことが望ましく、露点が−60℃以下の不活性ガス雰囲気中で熱処理を行うと、ばらつきが更に小さくより好ましい結果が得られる。熱処理の際の最高到達温度は、通常400℃から600℃の範囲である。一定温度に保持する熱処理パターンの場合は、一定温度での保持時間は通常は量産性の観点から100時間以下であり、好ましくは4時間以下である。熱処理の際の平均昇温速度は好ましくは0.1℃/minから10000℃/min、より好ましくは1℃/minから10000℃/min、特に好ましくは3000℃/minから10000℃/min、平均冷却速度は好ましくは0.1℃/minから10000℃/min、より好ましくは1℃/minから5000℃/minであり、この範囲で特に低磁心損失の合金が得られる。熱処理は1段ではなく多段の熱処理や複数回の熱処理を行うこともできる。更に、合金に直流、交流あるいはパルス電流を流して合金を発熱させ熱処理することもできる。また、熱処理の際に、張力や圧縮力をかけながら熱処理し、磁気特性を改良することができる。
本発明軟磁性合金は必要に応じてSiO、MgO、Al等の粉末あるいは膜で合金薄帯表面、合金フレーク表面あるいは合金粉末表面を被覆する、化成処理により表面処理し絶縁層を形成する、アノード酸化処理により表面に酸化物絶縁層を形成する、あるいは有機樹脂層を形成し層間絶縁を行う等の処理を行うことができ、このような処理を適用することにより、高周波特性が更に改善され、より好ましい結果が得られる。これは特に磁心やシートなどの部品を作製した際に、合金薄帯や合金フレークの層間あるいは合金粒子間を渡る高周波における渦電流の影響を低減し、高周波における損失を改善する効果があるためである。
本発明によれば、各種リアクトル、各種チョ−クコイル、各種トランス、モーター用鉄心、磁気シールド、磁気センサー、電流センサー等の磁性部品に用いられ、特にこれらに用いられるカットコアに好適な特性を有する高飽和磁束密度で低磁歪のFe基ナノ結晶軟磁性合金と前記Fe基ナノ結晶軟磁性合金を製造する際に用いられる靭性に優れ加工性が良好なアモルファス合金薄帯および前記Fe基ナノ結晶軟磁性合金の製造方法並びにこれを用いた高性能磁性部品を提供できるため、その効果は著しいものがある。
以下、本発明を実施例にしたがって説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
Cu0.6原子%、Nb0.5原子%、Si16原子%、B6.5原子%残部実質的にFeからなる1300℃の合金溶湯をスリット状のノズルから周速28m/sで回転する外径400mmの水冷されたCu−Cr-Zr合金ロールに噴出し、幅50mm厚さ約23μmの合金薄帯を作製した。作製した合金薄帯のX線回折を行った結果、アモルファス特有のハローパターンを示しており、作製した合金はアモルファス状態にあることが確認された。作製したアモルファス合金薄帯を切断したところ割れなどは発生しなかった。スリット加工により幅10mmのリボンを作製したが、割れは発生しなかった。更にアモルファス合金薄帯の180°折曲げを行ったが割れは発生せず180°曲げが可能であった。
比較のため、典型的なナノ結晶軟磁性合金組成のFebal.Cu1Nb3Si15.5B7(原子%)組成の幅50mm厚さ約23μmのアモルファス合金薄帯を同様なプロセスで作製した。作製した合金薄帯のX線回折を行った結果、アモルファス特有のハローパターンを示しており、作製した合金はアモルファス状態にあることが確認された。作製したアモルファス合金薄帯は脆化しており、切断により割れが発生した。更にアモルファス合金薄帯の折曲げ試験を行ったところ割れが発生し180°曲げができなかった。
以上のように、本発明のアモルファス合金薄帯は急冷後の状態では脆化しにくく靭性が良好である。このため、スリット加工、切断や打ち抜き加工が容易である。これに対して、従来の典型的なナノ結晶軟磁性合金組成のアモルファス合金薄帯は、同一の板厚では脆化していた。
本発明のアモルファス合金薄帯を切断し10枚重ねて占積率を測定したところ、89%であった。これに対して従来の典型的なナノ結晶軟磁性合金組成のアモルファス合金薄帯では、23μmの板厚では割れがない状態で切断できず、18μmの板厚まで薄板化しないと割れがない状態で切断できなかった。この18μmの板厚のアモルファス合金薄帯を切断し10枚重ねて占積率を測定したところ83%の占積率であり、本発明のアモルファス合金よりも劣っていた。
次に、作製した本発明アモルファス合金を25mm幅にスリットした。この合金薄帯を図3に示す形状に巻きまわし閉磁路コアを作製した。このコアを図5に示す熱処理パターンで熱処理した。熱処理後の合金を透過電子顕微鏡により観察した結果、組織の50%以上が平均結晶粒径120nm以下の微細な結晶粒からなることが確認された。残部のマトリックスはアモルファス相であった。また、熱処理後の合金のX線回折を行った結果、結晶粒は主としてbccFe-Si固溶体相であり、Fe3Si規則相が存在していることが確認された。X線回折結果を図4に示す。熱処理後の合金の飽和磁歪定数λsを歪ゲージにて測定した結果、λsは、+0.7×10-6で非常に低磁歪であることが確認された。熱処理を行った閉磁路磁心に巻線を行ない、直流B-Hループ、交流比透磁率および磁心損失を測定した。飽和磁束密度Bsは1.47T、100 kHzにおける交流比透磁率は3700、20 kHz, 0.2Tにおける鉄損は19 W/kgであった。次にこのコアをエポキシ樹脂液中に浸漬し真空含浸を行ない取り出した後、含浸したコアを60℃で2時間半保持し硬化させた。含浸後のコアの飽和磁束密度Bsは1.47T、100 kHzにおける交流比透磁率は2400、20 kHz, 0.2Tにおける鉄損は22 W/kgであり、含浸後においても低い鉄損を示した。次にこのコアを外周スライサにより切断し、カットコアを作製した。カットしたコアの切断面を研磨した後にエッチングを行ない、切断面をつきあわせ磁心損失を測定した。20 kHz, 0.2Tにおける鉄損は24 W/kgであり、カットコア形成後も非常に低い鉄損を示した。
(実施例2)
実施例1で作製したカットコアを用いてリアクトルを作製した。コア突合せ部に挿入するスペーサを1mmとし、巻線をコアに挿入した後にカットコアを突合せリアクトルを作製し、直流重畳特性を測定した。測定結果を図2に示す。また比較のために従来の典型的な低磁歪ナノ結晶合金カットコアの直流重畳特性を示す。本発明カットコアは従来の低磁歪ナノ結晶合金カットコアよりも直流重畳特性に優れている。
(実施例3)
組成式:Febal.Cu0.6Nb0.5SiyB22.3-y (原子%)の1280℃に加熱した合金溶湯を周速29m/sで回転する外径400mmのCu-Be合金ロールに噴出しアモルファス合金薄帯を作製した。作製した合金薄帯は幅30mm、厚さ約22μmである。作製したアモルファス合金薄帯を切断したところ割れなどは発生しなかった。スリット加工により幅25mmの薄帯を作製したが、割れは発生しなかった。更にアモルファス合金薄帯の180°折曲げを行ったが割れは発生せず180°曲げが可能であった。
次に、幅25mmにスリット加工した合金薄帯を用いて図3に示す形状の巻磁心を作製し、図5と同様な熱処理パターンで熱処理を行った。保持は470℃で1時間とした。熱処理後の試料のX線回折および透過電子顕微鏡による観察を行った結果、組織の50%以上が平均粒径120nm以下の微細なbccFe-Si結晶粒からなり、残留マトリックス相はアモルファス相であることが確認された。次に熱処理した試料の直流磁気特性と20kHz, 0.2Tにおける磁心損失、飽和磁歪定数を測定した。得られた結果を図1に示す。
次に、熱処理した巻磁心試料をエポキシ樹脂で含浸硬化させ、外周スライサで切断しカットコアを作製し、同様な特性を評価した。スペーサは用いずにカットコアを突合せギャップほぼ零で測定を行った。得られた結果を図1に示す。Si量yが12〜18原子%の範囲で低い磁心損失が得られ、特にSi量yが14.5〜17原子%でカットコアにおいても低い磁心損失が得られることが分った。特に15.5〜16.5原子%で低い磁心損失のカットコアが得られた。
(実施例4)
表1に示す組成の1270℃に加熱した合金溶湯を周速30m/sで回転する外径600mmのCu-Cr-Zr合金ロールに噴出しアモルファス合金薄帯を作製した。作製したアモルファス合金薄帯は幅30 mm、厚さ約22μmである。次にこの合金薄帯を幅25mmにスリットし実施例1と同様な形状の巻磁心を作製した。次にこの合金磁心を図5と同様なパターンで熱処理を行った。熱処理後の試料のX線回折および透過電子顕微鏡による観察を行った結果、組織の50%以上が平均粒径120nm以下の微細なbccFe-Si結晶粒からなり、残留マトリックス相はアモルファス相であることが確認された。次に熱処理した試料の直流磁気特性と20kHz, 0.2Tにおける磁心損失、飽和磁歪定数を測定した。得られた結果を表1に示す。次に、熱処理後の合金磁心をエポキシ樹脂で含浸硬化させ、外周スライサで切断しカットコアを作製し、20kHz,0.2Tにおける磁心損失を測定した。本発明合金は、飽和磁束密度が1.4T以上と高く、低磁歪でありカットコアの磁心損失がFe基アモルファス合金や6.5mass%珪素鋼カットコアなどに比べて大幅に低く、カットコア用合金に適している。
Figure 2008196006
本発明は各種リアクトル、各種チョ−クコイル、各種トランス、モーター用鉄心、磁気シールド、磁気センサー、電流センサー等の磁性部品、特にカットコアに好適な特性を有する高飽和磁束密度で低磁歪のFe基ナノ結晶軟磁性合金として利用できる。また、前記Fe基ナノ結晶軟磁性合金を製造する際に用いられる靭性が良好で加工性に優れたアモルファス合金薄帯および前記Fe基ナノ結晶軟磁性合金の製造方法並びにこれを用いた高性能磁性部品を提供できる。
Febal.Cu0.6Nb0.5SiyB22.3-y (原子%)合金の熱処理後の直流磁気特性、20kHz, 0.2Tにおける磁心損失および飽和磁歪定数を示した図である。 本発明に係わるリアクトルと従来のナノ結晶合金を用いたリアクトルの直流重畳特性の一例を示した図である。 本発明に係わるコアの形状の一例を示した図である。 本発明に係わる合金を熱処理した後のX線回折パターンの一例を示した図である。 本発明に係わる合金の熱処理パターンの一例を示した図である。

Claims (19)

  1. 一般式:Fe100-x-a-y-zAxMaSiyBz(原子%)で表され、式中、AはCu, Auから選ばれる少なくとも1種の元素、MはTi,V,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,Wから選ばれた少なくとも1種の元素を示し、x、a、yおよびzはそれぞれ0≦x≦2、0≦a≦1.5、13≦y≦18、4≦z≦10、x+a+y+z≦25を満足する組成であり、平均粒径120nm以下のbcc Fe-Si結晶粒とアモルファス相からなり、bcc Fe-Si結晶粒が体積分率で組織の50%以上を占めており、飽和磁束密度Bsが1.4T以上、飽和磁歪定数λsが-3.5×10-6以上+3.5×10-6以下の範囲にあることを特徴とするFe基ナノ結晶軟磁性合金。
  2. 上記組成式において、y、zの範囲が14.5≦y≦17、6≦z≦8の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のFe基ナノ結晶軟磁性合金。
  3. 熱処理後の20 kHz, 0.2Tにおける鉄損が80 W/kg以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のFe基ナノ結晶軟磁性合金。
  4. 上記組成式において、xの範囲が0.3≦x<1の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のFe基ナノ結晶軟磁性合金。
  5. Feの5原子%以下をCo,Niから選ばれた少なくとも一種の元素で置換したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のFe基ナノ結晶軟磁性合金。
  6. Feの一部をCr,Mn,Sn,Zn,In,Ag,Sc,白金属元素,Mg,Ca,Sr,Y,希土類元素,N,OおよびSから選ばれた少なくとも一種の元素で置換したことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のFe基ナノ結晶軟磁性合金。
  7. Siの一部をC,Ge,Ga,AlおよびPから選ばれた少なくとも一種の元素で置換したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のFe基ナノ結晶軟磁性合金。
  8. 飽和磁歪定数λsが-1.5×10-6以上+1.5×10-6以下の範囲にあることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のFe基ナノ結晶軟磁性合金。
  9. 飽和磁束密度Bsが1.45 T以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のFe基ナノ結晶軟磁性合金。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれかに記載のFe基軟磁性合金から構成されていることを特徴とする磁性部品。
  11. 前記Fe基軟磁性合金から構成されている磁性部品がカットコアであることを特徴とする請求項10に記載の磁性部品。
  12. 一般式:Fe100-x-a-y-zAxMaSiyBz(原子%)で表され、式中、AはCu, Auから選ばれる少なくとも1種の元素、MはTi,V,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,Wから選ばれた少なくとも1種の元素を示し、x、a、yおよびzはそれぞれ0.1≦x≦2、0≦a≦1.5、12≦y≦18、4≦z≦10、x+y+a+z≦25を満足する範囲の組成であることを特徴とするアモルファス合金薄帯。
  13. 上記組成式において、y、zの範囲が、14.5≦y≦17、6≦z≦8の範囲であることを特徴とする請求項12に記載のアモルファス合金薄帯。
  14. 上記組成式において、xの範囲が、0.3≦x<1の範囲であることを特徴とする請求項12又は請求項13に記載のアモルファス合金薄帯。
  15. Feの5原子%以下をCo,Niから選ばれた少なくとも一種の元素で置換したことを特徴とする請求項12乃至請求項14のいずれかに記載のアモルファス合金薄帯。
  16. Feの一部をCr,Mn,Sn,Zn,In,Ag,Sc,白金属元素,Mg,Ca,Sr,Y,希土類元素,N,OおよびSから選ばれた少なくとも一種の元素で置換したことを特徴とする請求項12乃至請求項15のいずれかに記載のアモルファス合金薄帯。
  17. Siの一部をC,Ge,Ga,AlおよびPから選ばれた少なくとも一種の元素で置換したことを特徴とする請求項12乃至請求項16のいずれかに記載のアモルファス合金薄帯。
  18. 一般式:Fe100−x-a-y-zAxMaSiyBz(原子%)で表され、式中、AはCu,Auから選ばれる少なくとも1種の元素、MはTi,V,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,Wから選ばれた少なくとも1種の元素を示し、x、a、yおよびzはそれぞれ0.1≦x≦2、0≦a≦1.5、12≦y≦18、4≦z≦10、x+y+a+z≦25を満足する範囲の組成の合金溶湯を急冷し、厚さ2μmから100μmのアモルファス合金薄帯を作製する工程と、前記アモルファス合金薄帯を400℃以上600℃以下の温度で熱処理し、平均粒径120nm以下の結晶粒を形成する工程からなることを特徴とするFe基ナノ結晶軟磁性合金の製造方法。
  19. 熱処理工程の少なくとも一部の期間に合金に磁界、あるいは応力を印加することを特徴とする請求項18に記載のFe基ナノ結晶軟磁性合金の製造方法。
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