JP6346827B2 - 加工方法 - Google Patents

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本発明は、板状ワークにレーザ光線を照射して加工を施し、チップを生成する加工方法に関する。
従来、板状ワークとして、格子状に形成された複数のストリートによって区画された複数の領域に発光ダイオード、レーザーダイオード等の光デバイスが形成されたウエーハが知られている。このウエーハにあっては、ストリートに沿って切断することにより個々の光デバイスとなるチップが製造される。このようなウエーハの切断方法として、ストリートに沿ってレーザ光線を照射し、アブレーション加工を施す方法が提案されている(特許文献1及び2参照)。
しかしながら、ウエーハにレーザ光線を照射すると、レーザ光線が照射された領域に熱エネルギーが集中してデブリ(溶解物)が発生し、このデブリがチップの表面に付着してチップの品質を低下させる、という問題がある。そこで、特許文献1及び2では、デブリの付着を回避するため、保護部材で形成される保護膜によってウエーハの加工面側を被覆する方法が提案されている。
一方、光デバイス用のウエーハとなる板状ワークとして、基板の上面に、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂で形成される樹脂層を備えたものが知られている。樹脂層は発光部の表面を保護するものであり、高出力の基板では、発熱による樹脂層の変色防止を図るため、樹脂層がシリコーン樹脂で形成される。
特開2004−188475号公報 特開2008−78581号公報
特許文献1において、ウエーハの加工面を被覆するための保護部材は、ポリビニルアルコール等を主成分とする水溶性樹脂により構成されている。この保護部材をシリコーン樹脂で形成された樹脂層の表面に塗布して乾燥させた場合、シリコーン樹脂の表面が撥水性を有するため、保護部材が撥水されて保護膜が形成されない領域が存在し、その領域にデブリが付着する、という問題がある。また、シリコーン樹脂の表面に対し、保護膜の密着性が弱くなるため、レーザ加工によって保護膜が剥がれ、シリコーン樹脂やウエーハにレーザ焼けや、デブリの付着が発生する、という問題がある。
また、特許文献2では、水溶性シリコーンオイルを主体とする液状保護部材をウエーハの加工面に被覆し、保護部材が流動性を有する状態でレーザ光線を照射している。このレーザ光線の照射では、シリコーン樹脂をアブレーション加工する際にアシストガスをウエーハの加工面側に噴射することが望ましい。かかる液状の保護部材をシリコーン樹脂で形成された樹脂層の表面に塗布してレーザ光線を照射し、これと同時にアシストガスを噴射すると、保護部材がアシストガスの勢いで飛散してしまう。このため、シリコーン樹脂の表面が保護できなくなり、これによっても、シリコーン樹脂やウエーハにレーザ焼けや、デブリの付着が発生するという問題がある。
なお、上述した問題については、樹脂層をエポキシ樹脂で形成した場合も同様に発生する。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂で形成された樹脂層の表面に保護膜を密着させることができ、樹脂層や基板にデブリが付着することを防止することができる加工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る加工方法は、基板の上面にシリコーン樹脂又はエポキシ樹脂で形成される樹脂層を備え、分割予定ラインで区画される板状ワークの樹脂層側からレーザ光線を照射させ、分割予定ラインに沿って樹脂層と基板とを切断してチップを生成する加工方法であって、樹脂層の上面に、水溶性樹脂とシラン化合物と有機溶剤とを混合させた保護部材を塗布し、樹脂層の上面全面に保護部材で保護膜を形成する保護膜形成工程と、保護膜が形成された基板をチャックテーブルで保持して、保護膜の上面からレーザ光線を照射させ、保護膜を通過したレーザ光線で樹脂層を切断する樹脂層切断工程と、基板の樹脂層が切断された部分にレーザ光線を照射させて切断し、チップを生成するチップ生成工程と、から構成されることを特徴とする。
この構成によれば、水溶性樹脂とシラン化合物とを混合させた保護部材を用いたので、シラン化合物が接着助剤として機能し、樹脂層に対する保護膜の密着性を高めることができる。これにより、樹脂層上面において、保護部材が撥水されて保護膜の非形成領域が生じたり、レーザ加工による保護膜の剥離領域が生じたりすることを回避でき、それらの領域でデブリが付着したりレーザ焼けしたりすることを防止することができる。しかも、レーザ光線の照射時に、保護部材が流動性を有する状態とせずに乾燥した状態で保護膜を樹脂層の上面全面に形成することができる。従って、アシストガスを使用したレーザ加工を行うことができ、これによっても、樹脂層や基板にデブリが付着することを防止することができる。また、有機溶剤が混合されるので、板状ワークに対するレーザ加工時に、放熱性が良くなってレーザ焼けを防止することができる。
本発明によれば、水溶性樹脂とシラン化合物とを混合させた保護部材を用いたので、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂で形成された樹脂層の表面に保護膜を密着させることができ、樹脂層や基板にデブリが付着することを防止することができる。
図1Aは、本実施の形態に係る板状ワークの斜視図であり、図1Bは、本実施の形態に係るレーザ加工装置の斜視図である。 図2A及び図2Bは、本実施の形態に係る保護膜形成工程の説明図である。 本実施の形態に係る樹脂層切断工程の説明図である。 本実施の形態に係るチップ生成工程の説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る加工方法ついて説明する。先ず、図1Aを参照して、本実施の形態に係る加工方法によって加工される板状ワークについて説明する。図1Aは、板状ワークの概略斜視図である。
図1Aに示すように、板状ワークWは、長方形状のアルミナセラミック板で形成された基材94を備えている。基材94は、格子状の分割予定ライン96によって複数の領域に区画されている。分割予定ライン96で区画された各領域には、各領域に光デバイスが形成されている。基材94の表面には透光性を有するシリコーン樹脂が塗布されて、光デバイスを保護する樹脂層95が形成されている。
樹脂層95には、各光デバイスに対応して凸状(ドーム状)の半球面93が形成されている。この半球面93は、レンズとして機能しており、光デバイスの発光部から照射された光を拡散させることで輝度を向上させている。なお、板状ワークWは、光デバイス用のワークに限らず、半導体用のワークでもよいし、各種パッケージ基板でもよい。よって、基材94は、ガラス、サファイア系の無機材料基板でもよいし、シリコン、ガリウム砒素等の半導体基板でもよい。また、板状ワークWの樹脂層95は、シリコーン樹脂に替えてエポキシ樹脂によってデバイスを保護してもよい。
続いて、図1Bを参照して、本発明に係る加工方法が適用されるレーザ加工装置について説明する。図1Bは、本実施の形態に係るレーザ加工装置の斜視図である。なお、本発明に係るレーザ加工装置は、図1Bに示すレーザ加工装置に限定されない。レーザ加工装置は、本発明に係る加工方法が適用される構成であれば、どのように構成されてもよい。
図1Bに示すように、レーザ加工装置1は、チャックテーブル20上の矩形板状の板状ワークWにレーザ光線を照射して、板状ワークWを個々のチップC(図4参照)に切断するように構成されている。
チャックテーブル20は、基台となるベース部材21に板状ワークWの分割後の各チップCを個別に保持可能な保持ブロック22が配設されて構成される。保持ブロック22の上面(保持面)に形成された多数の穴は、ベース部材21の内部に形成された吸引路を介して吸引源(不図示)に連通されている。吸引源からの吸引力によって保持ブロック22の上面が負圧になることで、板状ワークWが保持ブロック22の上面に吸引保持される。
レーザ加工装置1の基台10上には、チャックテーブル20をX軸方向及びY軸方向に移動するチャックテーブル移動機構30が設けられている。チャックテーブル移動機構30は、基台10上に配置されたX軸方向に平行な一対のガイドレール31と、一対のガイドレール31にスライド可能に設置されたモータ駆動のX軸テーブル32とを有している。また、チャックテーブル移動機構30は、X軸テーブル32上に配置されたY軸方向に平行な一対のガイドレール33と、一対のガイドレール33にスライド可能に設置されたモータ駆動のY軸テーブル34とを有している。
X軸テーブル32及びY軸テーブル34の背面側には、それぞれ図示しないナット部が形成され、これらナット部にボールネジ35、36が螺合されている。そして、ボールネジ35、36の一端部に連結された駆動モータ37、38が回転駆動されることで、チャックテーブル20がガイドレール31、33に沿ってX軸方向及びY軸方向に移動される。Y軸テーブル34上には、θテーブル39を介してチャックテーブル20が回転可能に設けられている。
また、基台10の後方には、チャックテーブル移動機構30の後方に立壁部11が立設されており、立壁部11からはチャックテーブル20の上方に向かってアーム12が突出している。アーム12の先端には、板状ワークWの分割予定ライン96に沿ってレーザ光線を照射するレーザ照射手段50が設けられている。レーザ照射手段50には、レーザ光線の照射領域にアシストガスを噴射するガス供給部52と、レーザ光線のレーザ出力を可変する出力可変部53とが接続されている(図3、図4参照)。
レーザ照射手段50による板状ワークWの加工は、板状ワークWに対して吸収性を有する波長のレーザ光線を用いたアブレーション加工によって実施される。なお、アブレーションとは、レーザ光線の照射強度が所定の加工閾値以上になると、固体表面で電子、熱的、光科学的及び力学的エネルギーに変換され、その結果、中性原子、分子、正負のイオン、ラジカル、クラスタ、電子、光が爆発的に放出され、固体表面がエッチングされる現象をいう。また、本実施の形態に係るアシストガスは、圧縮エアであり、板状ワークWの材質等に応じて酸素や窒素等のガスに適宜変更される。
このように構成されたレーザ加工装置1では、レーザ照射手段50から板状ワークWにレーザ光線が照射されると共にレーザ光線の照射領域にアシストガスが噴射される。そして、レーザ光線が照射された状態でチャックテーブル20が移動されることで分割予定ライン96に沿って板状ワークWがアブレーション加工される。なお、本実施の形態では、アブレーション加工で板状ワークWを加工する構成にしたが、この構成に限定されない。レーザ光線によって板状ワークWを溶融させながら熱加工できる構成であれば、どのような加工でもよい。
本実施の形態に係る板状ワークWを分割するために、シリコーン樹脂製の樹脂層95の加工時とアルミナセラミック製の基材94の加工時とでレーザ出力が変更される。
基台10の側方であって立壁部11の前方には、保護膜形成手段40が設けられている。保護膜形成手段40は、板状ワークWを保持する保護膜形成用テーブル(保持部)41と、上面に略方形状の開口部42を有すると共に開口部42内に保護膜形成用テーブル41を収容可能な筐体43とを有している。筐体43の上面の開口部42近傍には、板状ワークWに液状の保護部材を供給する供給ノズル44と、開口部42を開放及び閉塞可能なシャッター機構45とが設けられている。筐体43の内部には、板状ワークWに洗浄水を供給する洗浄用ノズル(不図示)が設けられている。
保護膜形成用テーブル41は、上記チャックテーブル20と同様の構造とされ、板状ワークWを吸着保持可能に構成される。保護膜形成用テーブル41は、回転手段46を介してZ軸周りに回転可能に構成されている。また、保護膜形成用テーブル41は、筐体43の開口部42と筐体43内部との間で昇降可能に構成されている。供給ノズル44は、保護部材を貯留する保護部材タンク47に接続され、この保護部材タンク47から供給ノズル44に保護部材が供給される。
保護膜形成手段40の上方における立壁部11の前面には、基台10内のレーザ加工領域と保護膜形成手段40内の保護膜形成・除去領域との間で板状ワークWを搬送する搬送手段80が設けられている。
搬送手段80は、立壁部11の前面においてY軸方向に延在する上下一対のガイドレール81、81と、一対のガイドレール81、81にスライド可能に係合された搬送用アーム82とを有している。搬送用アーム82には、Y軸方向に延在するボールネジ83が螺合されている。ボールネジ83の一端には駆動モータ84が連結されており、この駆動モータ84によりボールネジ83が回転駆動され搬送用アーム82がY軸方向に移動される。搬送用アーム82の下端側には、板状ワークWの外周を挟み込んで保持する保持部85が設けられている。このように構成された搬送手段80は、板状ワークWへの保護膜の成膜後、保護膜形成手段40の保護膜形成用テーブル41から板状ワークWをピックアップして、チャックテーブル20上に板状ワークWを載置する。そして、搬送手段80は、板状ワークWへのレーザ加工後に、チャックテーブル20から板状ワークWをピックアップして保護膜形成手段40の保護膜形成用テーブル41に載置する。
ここで、保護部材の構成について以下に説明する。保護部材は、水溶性樹脂と、シラン化合物またはコロイダルシリカとを混合させて構成され、好ましくは、更に有機溶剤を混合させて構成される。シラン化合物は、シランカップリング剤単体、又は、シランカップリング剤とコロイダルシリカとを混合したものからなる。
シランカップリング剤は、下記[化1]の化学式で示すように構成される。この化学式において、X:メチル、エチル、ケトン等になり、Y:なし、エポキシ、メタクリル、ビニル、メルカプト等になる。
Figure 0006346827
コロイダルシリカは、下記[化2]の化学式で示すように構成される。この化学式において、Y:なし、エポキシ、メタクリル、ビニル、メルカプト等になる。コロイダルシリカは、5〜200nmの粒径のシリカを含んで構成される。シリカの粒子は、レーザ光がシリカによって散乱するため粒子が細かい方(5nm)が良い。
Figure 0006346827
水溶性樹脂は、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコールなどの非イオン性水溶性樹脂とされる。有機溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコール、乳酸を含む溶剤が例示できる。保護部材が有機溶剤を含むことによって、板状ワークに対するレーザ光線の照射時に、放熱性が良くなり、後述する保護膜の焼けを防止することができる。本実施の形態では、溶剤として、水溶性樹脂、有機溶剤及び水を混合したものが用いられる。その一例としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(有機溶剤):18wt%、水:82wt%の配合で混合した溶液の質量に対し、20wt%のポリビニルアルコール(PVA(水溶性樹脂))を調製した溶剤が挙げられる。なお、溶剤は、PVA:1〜15wt%、有機溶剤:1〜20wt%、水:60〜90wt%で総和が100wt%になるものでも良い。
次いで、図2を参照して、レーザ加工装置を用いた加工方法について説明する。図2乃至図4は、本実施の形態に係る加工方法の説明図である。図2は保護膜形成工程、図3は樹脂層切断工程、図4はチップ生成工程をそれぞれ示している。なお、図2乃至図4に示す各種の動作は一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
図2Aに示すように、先ず保護層形成工程が実施される。保護層形成工程では、板状ワークWの樹脂層95が上方に向けられた状態で、板状ワークWの下面側が保護膜形成用テーブル41によって吸引保持される。次いで、保護膜形成用テーブル41が供給ノズル44に対峙する位置まで上昇され、供給ノズル44から液状の保護部材Lが板状ワークWの被加工面に塗布される。そして、保護膜形成用テーブル41が筐体43(図1B参照)内部に下降され、図2Bに示すように、高速回転されて保護部材Lが板状ワークWにおける樹脂層95の上面全体に広がって保護膜98が形成される。この保護膜98は、所定時間経過することによって乾燥して固化される。
保護層形成工程が実施された後、保護膜98が形成された板状ワークWが搬送手段80によってチャックテーブル20上に搬送される(図1B参照)。その後、図3に示すように、樹脂層切断工程が実施される。この工程では、板状ワークWの樹脂層95が上方に向けられた状態で、基板94の下面側がチャックテーブル20の保持ブロック22で吸引保持される。チャックテーブル20がレーザ照射手段50の下方に移動され、レーザ照射手段50が板状ワークWの分割予定ライン96に位置付けられる。そして、レーザ照射手段50から出射されたレーザ光線が保護膜98を通過されて板状ワークWの樹脂層95に照射されると共に、レーザ光線の照射領域にアシストガスが吹き付けられる。
このとき、レーザ光線の集光点が調整されながら、板状ワークWに対してレーザ照射手段50が相対移動されることで、分割予定ライン96に沿って板状ワークWの樹脂層95を切断する分割溝99が形成される。分割溝99は、レーザ加工の熱エネルギーによって保護膜98に亘って形成される。樹脂層切断工程における加工条件は、シリコーン樹脂に対応した加工条件であり、例えば、以下のように設定されている。
レーザ種類:COレーザ
波長:9.4um
繰返し周波数:CW
出力:50[W]
加工送り速度:600[mm/sec]
ガス(アシストガス):エア200[L/min]
このような加工条件でレーザ加工することで、シリコーン樹脂からなる樹脂層95が適切に除去されて切断される。また、レーザ光線はパルス波を用いても良く、例えば、以下のように設定される。
レーザ種類:COレーザ
出力:20[W]
繰返し周波数:100[kHz]
加工送り速度:200[mm/sec]
ガス(アシストガス):エア200[L/min]
樹脂層切断工程が実施された後、図4に示すように、チップ生成工程が実施される。この工程では、シリコーン樹脂製の樹脂層95に対応した加工条件からアルミナセラミック製の基材94に対応した加工条件に変更される。また、レーザ照射手段50が板状ワークWの分割予定ライン96(分割溝99)に位置付けられる。そして、出力可変部53によってレーザ出力を増加させた状態で、レーザ照射手段50から、板状ワークWの樹脂層95が切断された部分となる分割溝99に対し、レーザ光線と共にアシストガスが吹き付けられる。
これにより、板状ワークWの溶解で生じるデブリがアシストガスで吹き飛ばされながら、レーザ光線によって基材94が切断される。そして、基材94が貫通して樹脂層95の分割溝99に連なることで、板状ワークWが完全切断されて個々のチップCが生成される。
チップ生成工程における加工条件は、アルミナセラミックに対応した加工条件であり、例えば、以下のように設定されている。この場合、アルミナセラミックに対応した加工条件は、シリコーン樹脂に対応した加工条件に対して、レーザ出力が増加されると共に、送り速度が低下されている。
レーザ種類:COレーザ
出力:50[W]
繰返し周波数:100[kHz]
送り速度:40[mm/s]
ガス(アシストガス):エア200[L/min]
切断工程においては、COレーザの代わりにファイバーレーザを使用してもよい。
チップ生成工程が実施された後、板状ワークWが搬送手段80(図1B参照)によって保護膜形成用テーブル41上に搬送される。その後、板状ワークWが高速回転されつつ洗浄用ノズルから洗浄水が噴射されることで、保護膜98が洗浄水によって溶解され、保護膜98に付着したデブリと共に除去されて板状ワークWが洗浄される。
以上のように、本実施の形態に係る加工方法によれば、シラン化合物が混合された保護部材Lによって保護膜98を形成したので、シラン化合物の作用によって保護膜98と樹脂層95との密着性を高めることができる。これにより、レーザ加工やアシストガスの噴射によって保護膜98が剥がれることを防止でき、樹脂層95や基板94にレーザ焼けや、デブリの付着が発生することを防ぐことができる。
また、保護部材Lがシラン化合物を含むことによって、シリコーン樹脂からなる樹脂層95の上面で保護部材Lが撥水されて保護膜98の非形成領域が生じることを防ぐことができる。従って、保護膜98の非形成領域に起因する樹脂層95や基板94のレーザ焼けや、デブリの付着を回避することができる。しかも、樹脂層95の上面全面に対し、保護部材Lが乾燥した状態で保護膜98を万遍なく形成でき、アシストガスを利用したレーザ加工を行うことができる。
本発明の実施例では、プロピレングリコールモノメチルエーテル(有機溶剤):18wt%、水:82wt%の配合で混合した溶液の質量に対し、20wt%のポリビニルアルコール(PVA(水溶性樹脂))を調製した溶液が20gに対し、トリメトキシフェニルシラン(シランカップリング剤)を1g加えて保護部材を調製した。この保護部材を、平面サイズが60mm×60mmとなる板状ワークの樹脂層上面に50ml塗布し、板状ワークを2000rpmで60秒回転させて保護膜を形成した。乾燥後の保護膜は、膜厚が20〜2000nmとなり、板状ワークにおける樹脂層の上面全面に形成された。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状、方向などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
また、上記した実施の形態では、単一のレーザ加工装置1によって保護膜形成工程、樹脂層切断工程、チップ生成工程が実施されたが、この構成に限定されず、各工程は、それぞれ別々の装置で実施されてもよい。
以上説明したように、本発明は、レーザ加工によるレーザ焼けや、デブリの付着を防止できるという効果を有し、特に、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等の樹脂保護層を有する光デバイス用のウエーハを個々のチップに分割する加工方法に有用である。
1 レーザ加工装置
20 チャックテーブル
94 基板
95 樹脂層
96 分割予定ライン
98 保護膜
C チップ
L 保護部材
W 板状ワーク

Claims (1)

  1. 基板の上面にシリコーン樹脂又はエポキシ樹脂で形成される樹脂層を備え、分割予定ラインで区画される板状ワークの該樹脂層側からレーザ光線を照射させ、分割予定ラインに沿って該樹脂層と該基板とを切断してチップを生成する加工方法であって、
    該樹脂層の上面に、水溶性樹脂とシラン化合物と有機溶剤とを混合させた保護部材を塗布し、該樹脂層の上面全面に該保護部材で保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    該保護膜が形成された該基板をチャックテーブルで保持して、該保護膜の上面からレーザ光線を照射させ、該保護膜を通過した該レーザ光線で該樹脂層を切断する樹脂層切断工程と、
    該基板の該樹脂層が切断された部分にレーザ光線を照射させて切断し、チップを生成するチップ生成工程と、
    から構成される加工方法。
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WO2022186356A1 (ja) * 2021-03-03 2022-09-09 古河電気工業株式会社 皮膜除去方法および皮膜除去装置

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