JP6346566B2 - 官能化ブロック複合体および結晶質ブロック複合体組成物 - Google Patents

官能化ブロック複合体および結晶質ブロック複合体組成物 Download PDF

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Description

本発明は、官能化ブロック複合体および官能化結晶質ブロック複合体に関する。
ポリオレフィン産業の進歩にもかかわらず、非相溶性ポリマーブレンドの相溶化と、新規ポリマーアロイの開発に使用可能な相溶化剤の開発に対するニーズが残されている。多くの消費財および産業製品が多種の熱可塑性材料で作られている。一部のよく使われるポリマーには、ポリプロピレン(PP)およびポリエチレン(PE)などの非極性ポリオレフィン、およびポリアミド、ポリエステル、ポリウレタンおよびポリカーボネートなどの極性ポリマーが含まれる。マレイン化ポリマーは、熱可塑性ポリマー用の有用な相溶化剤である。このようなポリマーには、無水マレイン酸グラフト化PP、PEおよびエチレン共重合体が含まれる。しかし、このようなマレイン化ポリオレフィンは、通常、PP/極性ポリマー系またはPE/極性ポリマー系用の相溶化剤として使用されており、PP/PE/極性ポリマー固有の不相溶性のために、PP/PE/極性ポリマー系では使われてこなかった。
さらに、コーティング、接着剤および結合層の用途に使用するためのポリオレフィンの開発に対するニーズがある。このようなポリオレフィンは、広い使用温度範囲にわたり、極性および/または非極性基材に対する強力な接着性を付与し、塗装性および/または印刷適性を改善し、良好な柔軟性と、構造的、化学的安定性を与える。
米国特許第7,897,689号は、ベースオレフィンインターポリマー由来の官能化インターポリマーに関し、このインターポリマーは、エチレンおよび1つまたは複数のコモノマーなどの1つまたは複数のモノマーまたはモノマーの混合物を重合し、特有の物理的性質を有するインターポリマー生成物を形成することにより調製される。官能化オレフィンインターポリマーは、2種以上の異なる領域またはセグメント(ブロック)を含み、特有の加工および物理的性質を生ずる。
米国特許公開第2010−0093942号は、アミン官能化、ヒドロキシル官能化、イミド官能化、無水物官能化、またはカルボン酸官能化ポリオレフィンポリマー、からなる群より選択される少なくとも1種の官能化ポリオレフィンポリマーを含む極性および/または非極性ポリマーのポリオレフィンブレンド組成物に関する。また、官能化ポリオレフィンポリマーおよび材料の製造方法、ならびに、このような組成物から調製された少なくとも1つの部材を含む物品も開示される。
米国特許第7,622,529号は、相溶化剤としてのオレフィンインターポリマーに関し、このインターポリマーは、1つまたは複数のモノマーまたはエチレンおよび1つまたは複数のコモノマーなどのモノマーの混合物を重合し、特有の物理的性質を有するインターポリマー生成物を形成することにより調製される。オレフィンインターポリマーは、2種以上の異なる領域またはセグメント(ブロック)を含み、特有の加工および物理的性質を生ずる。
国際公開第WO/2011/041696号は、ブロック複合体および耐衝撃性改良剤としてのその使用に関し、国際公開第WO/2011/041698号は、ソフトコンパウンドで使用するブロック複合体に関し、さらに国際公開第WO/2011/041699号は、熱可塑性加硫物で使用するブロック複合体に関する。
本発明は、少なくとも(A)および(B)から形成される官能化オレフィンベースポリマーを含む組成物を提供する:
(A)
i)プロピレンベース結晶質ブロックおよびエチレン/α−オレフィンブロックを含むブロック共重合体;
ii)プロピレンベース結晶質ポリマー;および、
iii)エチレン/α−オレフィンポリマー;
を含むブロック複合体、ならびに、
(B)少なくとも1種の官能化剤。
また、本発明は、少なくとも(A)および(B)から形成される官能化オレフィンベースポリマーを含む組成物を提供する:
(A)
i)結晶質プロピレンベースブロックおよび結晶質エチレンベースブロックを含むブロック共重合体;
ii)結晶質プロピレンベースポリマー;および、
iii)結晶質エチレンベースポリマー;
を含む結晶質ブロック複合体、ならびに、
(B)少なくとも1種の官能化剤。
CBC2のDSCプロファイルを示す図である。 CBC2のTREF分析を示す図である。 CBC2のHTLC分析を示す図である。 MAH−g−CBC2−4のIRスペクトルを示す図である。 MAH−g−CBC2−4のDSCプロファイルを示す図である。 MAH−g−CBC2−4のHTLC分析を示す図である。 CBC5、MAH−g−CBC2(実施例5)およびMAH−g−(EP1/iPP1:50/50ブレンド)(実施例C)のTEM像である。 イミド−g−CBC2−4のIRスペクトルである。
本明細書中の元素周期表に関する全ての言及は、CRC Press、Inc.により2003年に出版され、著作権で保護された元素周期表を参照するものとする。また、1つの族または複数の族に関して言及する場合、この元素の周期表中の、IUPACの族番号方式を反映した族または複数族に対するものとする。別段の記述、文脈からの暗示、または当技術分野での慣習がない限り、全ての部およびパーセントは、重量をベースにしている。米国特許実務のために、全ての特許、特許出願、または本明細書で引用された出版物の内容は、特に、合成技術、定義(本明細書で提供されるいずれかの定義と矛盾しない程度に)および当技術分野の一般知識の開示に関して、参照によってその全体が組み込まれる(または、それに対応する米国出願もまた、同様に参照によって組み込まれる)。
本発明は、本明細書記載のように、ブロック複合体(BC)官能化誘導体および結晶質ブロック複合体(CBC)を提供し、また、これらを含む組成物を提供する。本発明の官能化BCおよびCBCは、官能化プロセスの結果として、改善されたグラフト化効率および最小限の分子量変化を示す場合が多い。また、本発明は、処理要素と最終生成物の特有の物理的性質の特有の組み合わせを必要とする用途での、これらの官能化BCおよびCBCの使用方法を提供する。さらに別の態様では、本発明は、これらの官能化BCおよびCBCから調製された物品を提供する。
用語の「ポリエチレン」は、エチレンのホモポリマー、ならびに、エチレンが少なくとも50モルパーセントを構成するエチレンおよび1つまたは複数のC3−8α−オレフィンの共重合体を含む。
用語の「ポリプロピレン」は、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレンなどのプロピレンのホモポリマー、ならびに、プロピレンが少なくとも50モルパーセントを構成するプロピレンおよび1つまたは複数のC2,4−8α−オレフィンの共重合体を含む。
用語の「結晶質」は、示差走査熱量測定(DSC)または同等の技術で測定して、一次転移または結晶融点(Tm)を持つポリマーまたはポリマーブロックを意味する。この用語は、用語の「半晶質」と同義に使うことができる。
用語の「結晶化可能な」は、得られたポリマーが結晶質となるように重合できるモノマーを意味する。結晶質エチレンポリマーは、典型的な例では、限定されないが、0.89g/cc〜0.97g/ccの密度、および75℃〜140℃の融点を有する。結晶質プロピレンポリマーの典型的な例では、限定されないが、0.88g/cc〜0.91g/ccの密度、および100℃〜170℃の融点を有する。
用語の「無定形の」は、結晶融点のないポリマーを意味する。
用語の「アイソタクティック」は、13C−NMR分析で測定して、少なくとも70パーセントアイソタクティック五連子を有するポリマー反復単位として定義される。「高アイソタクティック」は、少なくとも90パーセントアイソタクティック五連子を有するポリマーと定義される。
用語の「ブロック共重合体」または「セグメント化共重合体」は、直鎖的に連結された2種以上の化学的に異なる領域またはセグメント(「ブロック」と呼ばれる)、すなわち、ペンダントまたはグラフト化形式ではなく、重合された官能基を基準にして端と端を連結(共有結合)された化学的に区別できる単位を含むポリマーを含むポリマーを意味する。好ましい実施形態では、ブロックは、その中に組み込まれたコモノマーの量またはタイプ、密度、結晶化度の大きさ、結晶化度のタイプ(例えば、ポリエチレン対ポリプロピレン)、このような組成のポリマーに起因する結晶子サイズ、タクティシティーのタイプまたは程度(アイソタクティックまたはシンジオタクチック)、位置規則性または位置不規則性、長鎖分岐または超分岐を含む分岐量、均質性、または他のいずれかの化学または物理的性質の差異がある。好ましい実施形態では、本発明のブロック共重合体は、触媒と組み合わせたシャトリング剤の効果に起因する、特有の両ポリマーの多分散度(PDIまたはMw/Mn)の分布、およびブロック長さ分布を特徴とする。
用語の「ブロック複合体」は、コモノマー含量が10mol%より多く、90mol%未満、好ましくは、20mol%より多く、80mol%未満、最も好ましくは、33mol%より多く、75mol%未満であるソフトコポリマー;重合単位、モノマーが、90mol%より多く、100mol%まで、好ましくは、93mol%より多く、100mol%まで、より好ましくは、95mol%より多く、100mol%まで、最も好ましくは、98mol%より多く、100mol%までの量で存在するハードポリマー;ならびに、好ましくは、ソフトセグメントおよびハードセグメントのジブロックを有し、ブロック共重合体のハードセグメントがブロック複合体中のハードポリマーと基本的に同じ組成であり、ブロック共重合体のソフトセグメントがブロック複合体のソフトコポリマーと基本的に同じ組成であるブロック共重合体、を含むポリマーを意味する。ブロック共重合体は、直鎖でも分岐でもよい。より具体的には、連続プロセスで生産される場合には、ブロック複合体は、望ましくは、1.7〜15、好ましくは、1.8〜3.5、より好ましくは、1.8〜2.2、最も好ましくは、1.8〜2.1のPDIであるのが望ましい。バッチまたは半バッチプロセスで生産される場合には、ブロック複合体は、1.0〜2.9、好ましくは、1.3〜2.5、より好ましくは、1.4〜2.0、最も好ましくは、1.4〜1.8のPDIであるのが望ましい。このようなブロック複合体は、例えば、米国特許公開第2011−0082257号、2011−0082258号および同2011−0082249号(全て、2011年4月7日に公告)に記載されている。これらの特許は、ブロック複合体、それらを作るプロセス、およびそれらを分析する方法の記述に関して、参照により本明細書に組み込まれる。
用語の「結晶質ブロック複合体」(CBC)は、結晶質エチレンベースポリマー(CEP);結晶質アルファオレフィンベースポリマー(CAOP);および結晶質エチレンブロック(CEB)および結晶質アルファオレフィンブロック(CAOB)を有し、ブロック共重合体のCEBは、ブロック複合体中のCEPと基本的に同じ組成であり、ブロック共重合体のCAOBは、ブロック複合体のCAOPと基本的に同じ組成であるブロック共重合体を含むポリマーを意味する。さらに、CEPおよびCAOPの量の間の組成分離は、基本的に、ブロック共重合体中の対応するブロックのものと同じと思われる。ブロック共重合体は、直鎖でも、分岐でもよい。さらに具体的には、それぞれのブロックセグメントの各々は、長鎖分岐部を含んでもよいが、ブロック共重合体セグメントは、グラフト化または分岐ブロックを含むものとは対照的に、実質的に直鎖である。連続プロセスで製造される場合には、結晶質ブロック複合体は、1.7〜15、好ましくは、1.8〜10、好ましくは、1.8〜5、より好ましくは、1.8〜3.5のPDIであるのが望ましい。このような結晶質ブロック複合体は、例えば、米国特許仮出願第61/356978号、同61/356957号および同61/356990号(全て、2010年6月21日出願)に記載されており、ブロック複合体、それらを作るプロセスおよびそれらを分析する方法の記載に関して、参照により本明細書に組み込まれる。
CAOBは、重合アルファオレフィン単位の高結晶質ブロックを意味し、その中に、モノマーが、90mol%より多く、好ましくは、93molパーセントより多い、より好ましくは、95molパーセントより多い、好ましくは、96molパーセントより多い量で存在する。換言すれば、CAOB中のコモノマー含量は、10molパーセント未満、好ましくは、パーセント未満、より好ましくは、5molパーセント未満、さらに、最も好ましくは、4mol%未満である。結晶質プロピレンを含むCAOBは、80℃以上、好ましくは、100℃以上、より好ましくは、115℃以上、最も好ましくは、120℃以上の対応する融点を有する。一部の実施形態では、CAOBは、全ての、または実質的に全てのプロピレン単位を含む。他方、CEBは、重合エチレン単位のブロックを意味し、この中のコモノマー含量は、10mol%以下、好ましくは、0mol%〜10mol%、より好ましくは、0mol%〜7mol%、さらに、最も好ましくは、0mol%〜5mol%である。このようなCEBは、好ましくは、75℃以上、より好ましくは、90℃および100℃以上の対応する融点を有する。
「ハード」セグメントは、高結晶質ブロックの重合単位を意味し、その中で、モノマーは、90molパーセントより多い、好ましくは、93molパーセントより多い、より好ましくは、95molパーセントより多い、最も好ましくは、98molパーセントより多い量で存在する。換言すれば、ハードセグメント中のコモノマー含量は、最も好ましくは、2molパーセント未満、より好ましくは、5molパーセント未満、好ましくは、7molパーセント未満、さらに、10molパーセント未満である。一部の実施形態では、ハードセグメントは、全ての、または、実質的に全てのプロピレン単位を含む。他方、「ソフト」セグメントは、無定形、実質的に無定形またはエラストマーブロックの重合単位を意味し、この中で、コモノマー含量は、10mol%より多く、90mol%未満、好ましくは、20mol%より多く、80mol%未満、最も好ましくは、33mol%より多く、75mol%未満、である。
ブロック複合体および結晶質ブロック複合体ポリマーは、付加重合条件下で付加重合可能モノマーまたはモノマーの混合物を、付加重合触媒、共触媒および鎖シャトリング剤の内の少なくとも1種を含む組成物と接触させることを含むプロセスにより調製されるのが好ましく、前記プロセスは、定常状態重合条件下で動作する2つ以上の反応器中の、またはプラグフロー重合条件下で動作する反応器の2つ以上のゾーン中の、差別化されたプロセス条件下で、少なくとも一部の成長ポリマー鎖の形成を特徴とする。好ましい実施形態では、本発明のブロック複合体は、最も可能性の高いブロック長さ分布を有するブロックポリマーの画分を含む。
ブロック複合体および結晶質ブロック複合体を製造に有用な好適プロセスは、例えば、2008年10月30日公告の米国特許公開第2008/0269412号で見つけることができる。この特許は、参照によって本明細書に組み込まれる。特に、重合は、連続重合、好ましくは、連続溶液重合で行うのが望ましく、この場合、触媒成分、モノマー、および任意選択の溶媒、アジュバント、捕捉剤、および重合助剤が連続的に1つまたは複数の反応器またはゾーンに供給され、ポリマー生成物が連続的にそこから取り出される。この文脈で使用される用語「連続」および「連続的に」の範囲内に入るのは、時間が経つにつれて、全体プロセスが実質的に連続となるように、短い規則的または不規則的な間隔での断続的な反応物質の添加、および生成物の除去があるプロセスである。さらに、前に説明したように、第1の反応器またはゾーン、第1の反応器の出口、もしくは出口のわずか前、または第1の反応器またはゾーンおよび第2のもしくは任意のその後の反応器もしくはゾーンの間、を含む重合中の任意の時点で鎖シャトリング剤を加えてもよい。モノマー、温度、圧力の差異、または少なくとも2つの直列に連結された反応器またはゾーンの間の他の重合条件の差異に起因して、コモノマー含量、結晶化度、密度、タクティシティー、位置規則性、または他の化学的もしくは物理的差異などの同じ分子内の異なる組成のポリマーセグメントが、異なる反応器またはゾーン中で形成される。各セグメントまたはブロックの大きさは、連続ポリマー反応条件により決定され、好ましくは、最も可能性の高い分布のポリマーサイズであるのが好ましい。
結晶質エチレンブロック(CEB)および結晶質アルファオレフィンブロック(CAOB)を有するブロックポリマーを2つの反応器またはゾーンで製造する場合、第1の反応器もしくはゾーンでCEBおよび第2の反応器もしくはゾーンでCAOBを製造するか、または第1の反応器もしくはゾーンでCAOBおよび第2の反応器もしくはゾーンでCEBを製造することが可能である。新しい鎖シャトリング剤を加えて、第1の反応器またはゾーンでCEBを製造するのがより好都合である。CEBを製造する反応器もしくはゾーン中の増加したレベルのエチレンの存在は、一般的に言って、CAOBを製造するゾーンまたは反応器中よりも、その反応器もしくはゾーン中で非常に高い分子量に繋がるであろう。新しい鎖シャトリング剤は、CEBを製造する反応器またはゾーン中のポリマーのMWを減らし、その結果、CEBおよびCAOBセグメントの長さの間のよりよい全体的バランスをもたらすであろう。
反応器またはゾーンを直列に連結して動作させる場合、多様な反応条件を維持し、それにより、1つの反応器でCEBを製造し、もう一方の反応器でCAOBを製造する必要がある。エチレンの第1の反応器から第2の反応器への持ち越し(直列連結)、または溶媒およびモノマーリサイクルシステムを介した第2の反応器から第1の反応器への戻しは、最小にするのが好ましい。このエチレンを除去するための多くの可能な単位操作が存在するが、エチレンは、高級アルファオレフィンより揮発性が高いので、1つの単純な方法は、CEB製造反応器流出物の圧力を下げてエチレンを蒸発させるフラッシュステップにより、多くの未反応エチレンを除去することである。もう一つの好ましい手法は、追加の単位操作を止めて、高級アルファオレフィンに比べてエチレンの非常に高い反応性を利用して、CEB反応器全域のエチレンの転化を100%に近づけることである。反応器全域でのモノマーの全転化は、アルファオレフィン転化を高レベル(90〜95%)に維持することにより、制御できる。
本発明で使用する適切な触媒および触媒前駆物質には、国際公開第WO2005/090426号に開示、特に、20ページ、30行から53ページ、20行までの開示のような金属錯体が含まれる。この特許は、参照によって本明細書に組み込まれる。また、適切な触媒は、米国特許公開第2006/0199930号;同2007/0167578号;同2008/0311812号;米国特許第7,355,089B2号;または国際公開第WO2009/012215号でも開示されている。これらの特許は、触媒に関して、参照によって本明細書に組み込まれる。
特に好ましい触媒は、下記の式:
の触媒であり、
式中、
20は、水素を除く5〜20原子を含む芳香族または不活性置換芳香族基、またはそれらの多価誘導体であり、
は、水素を除く1〜20原子を有するヒドロカルビレンまたはシラン基、またはそれらの多価誘導体であり、
は、基4金属、好ましくは、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
Gは、アニオン性、中性またはジアニオン性リガンド基;好ましくは、水素を除く20原子までのハリド、ヒドロカルビルまたはジヒドロカルビルアミド基であり、
gは、このG基の数を示す1〜5の数値であり、さらに
結合と電子供与性相互作用は、それぞれ、線と矢印で表されている。
好ましくは、このような錯体は、式:
の化合物に相当し、
式中、
は、水素を除く2〜20原子の二価架橋結合基、好ましくは、置換または未置換C3−6アルキレン基であり、および
Arは、独立に、それぞれ、水素を除く6〜20原子のアリーレンまたはアルキルまたはアリール置換アリーレン基であり、
は、4属金属、好ましくは、ハフニウムまたはジルコニウムであり、
Gは、独立に、それぞれ、アニオン性、中性またはジアニオン性リガンド基であり、
gは、このようなX基の数を示す1〜5の数値であり、さらに
電子供与性相互作用は、矢印で表されている。
前出の式の金属錯体の好ましい例には、下記:
の化合物が含まれ、
式中、
は、HfまたはZrであり、
Arは、C6−20アリールまたはその不活性置換誘導体、特に、3,5−ジ(イソプロピル)フェニル、3,5−ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル、またはアントラセン−5−イルであり、および
は、独立に、それぞれ、C3−6アルキレン基、C3−6シクロアルキレン基、またはその不活性置換誘導体を含み、
21は、独立に、それぞれ、水素、ハロ、水素を除く50原子までのヒドロカルビル、トリヒドロカルビルシリル、またはトリヒドロカルビルシリルヒドロカルビルであり、さらに、
Gは、独立に、それぞれ、ハロまたは水素を除く20原子までのヒドロカルビルもしくはトリヒドロカルビルシリル基、または2つのG基は、一緒に、前出のヒドロカルビルまたはトリヒドロカルビルシリル基の二価誘導体である。
特に好ましいのは、式:
の化合物であり、
式中、
Arは、3,5−ジ(イソプロピル)フェニル、3,5−ジ(イソブチル)フェニル、ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル、またはアントラセン−5−イルであり、
21は、水素、ハロ、またはC1−4アルキル、特に、メチルであり、
は、プロパン−1,3−ジイルまたはブタン−1,4−ジイルであり、さらに
Gは、クロロ、メチルまたはベンジルである。
他の適切な金属錯体は、式:
の錯体である。
前出の多価ルイス塩基錯体は、通常、4属金属源および中性多官能リガンド源を含む標準的メタル化およびリガンド交換法により調製される。さらに、錯体は、対応する4族金属テトラアミドおよびトリメチルアルミニウムなどのヒドロカルビル化剤から出発して、アミド脱離およびヒドロカルビレーションプロセスにより調製することもできる。他の技術も同様に使用できる。これらの錯体は、特に、米国特許第6,320,005、同6,103,657号、同6,953,764号ならびに国際公開第WO02/38628号および同WO03/40195号の開示中に認められる。
適切な共触媒は、WO2005/090426に開示されているもの、特に、54ページの1行目から60ページの12行目までに開示されているものである。これらの特許は、参照によって本明細書に組み込まれる。
適切な鎖シャトリング剤は、国際公開第WO2005/090426号に開示されているもの、特に、19ページの21行から20ページの12行までに開示されているものである。これらの特許は、参照によって本明細書に組み込まれる。特に好ましい鎖シャトリング剤は、ジアルキル亜鉛化合物である。
好ましくは、ブロック複合体ポリマーは、プロピレン、1−ブテンまたは4−メチル−1−ペンテンおよび1つまたは複数のコモノマーを含む。好ましくは、ブロック複合体のブロックポリマーは、重合形態のプロピレンおよびエチレンおよび/または1つまたは複数のC4−20α−オレフィンコモノマー、および/または1つまたは複数の追加の共重合可能なコモノマーを含むか、または、4−メチル−1−ペンテンおよびエチレンおよび/または1つまたは複数のC4−20α−オレフィンコモノマーを含むか、または1−ブテンおよびエチレン、プロピレンおよび/または1つまたは複数のC−C20α−オレフィンコモノマーおよび/または1つまたは複数の追加の共重合可能なコモノマーを含む。追加の適切なコモノマーは、ジオレフィン、環式オレフィン、および環式ジオレフィン、ハロゲン化ビニル化合物、およびビニリデン芳香族化合物、から選択される。好ましくは、モノマーは、プロピレンおよびコモノマーは、エチレンである。
得られたブロック複合体ポリマー中のコモノマー含量は、いずれかの適切な技術を使って測定できるが、核磁気共鳴(NMR)分光測定法に基づく技術が好ましい。一部または全てのポリマーブロックが、無定形または相対的に無定形ポリマー、例えば、プロピレン、1−ブテンまたは4−メチル−1−ペンテンおよびコモノマーの共重合体、特に、プロピレン、1−ブテンまたは4−メチル−1−ペンテンのエチレンとのランダム共重合体を含み、および、存在する場合、いずれかの残りのポリマーブロック(ハードセグメント)が、主に、重合形態のプロピレン、1−ブテンまたは4−メチル−1−ペンテンを含むのが極めて望ましい。このようなセグメントは、高度に結晶質、または立体特異的ポリプロピレン、ポリブテンまたはポリ−4−メチル−1−ペンテン、特に、アイソタクティックホモポリマーであるのが好ましい。追加の適切なコモノマーは、ジオレフィン、環式オレフィン、および環式ジオレフィン、ハロゲン化ビニル化合物、ならびにビニリデン芳香族化合物、から選択される。
コモノマーがエチレンである場合には、好ましくは、10mol%〜90mol%、より好ましくは、20mol%〜80mol%、および最も好ましくは、33mol%〜75mol%パーセントの量で存在する。好ましくは、共重合体は、90mol%〜100mol%プロピレンのハードセグメントを含む。ハードセグメントは、90mol%より多く、好ましくは、93mol%より多く、より好ましくは、95mol%より多くのプロピレン、最も好ましくは、98mol%より多くのプロピレンであってよい。このようなハードセグメントは、80℃以上の、好ましくは、100℃以上の、より好ましくは、115℃以上の、最も好ましくは、120℃以上の対応する融点を持つ。
一部の実施形態では、本発明のブロック複合体は、下記で定義されるブロック複合指数(Block Composite Index=BCI)を有し、その値は、0より大きく、約0.4より少ないか、または約0.1〜約0.3である。他の実施形態では、BCIは、約0.4より大きく、約1.0までである。さらに、BCIは、約0.4〜約0.7、約0.5〜約0.7、または約0.6〜約0.9の範囲であってよい。一部の実施形態では、BCIは、約0.3〜約0.9、約0.3〜約0.8、または約0.3〜約0.7、約0.3〜約0.6、約0.3〜約0.5、または約0.3〜約0.4の範囲であってよい。他の実施形態では、BCIは、約0.4〜約1.0、約0.5〜約1.0、または約0.6〜約1.0、約0.7〜約1.0、約0.8〜約1.0、または約0.9〜約1.0の範囲である。
ブロック複合体および結晶質ブロック複合体は、好ましくは、100℃を越える、好ましくは、120℃を越える、およびより好ましくは、125℃を越えるTmを有する。好ましくは、Tmは、100℃〜250℃、より好ましくは、120℃〜220℃、およびまた、好ましくは、125℃〜220℃の範囲である。好ましくは、ブロック複合体および結晶質ブロック複合体のMFRは、0.1〜1000dg/分、より好ましくは、0.1〜50dg/分、およびより好ましくは、0.1〜30dg/分である。
さらに好ましくは、ブロック複合体および結晶質ブロック複合体は、10,000〜約2,500,000、好ましくは、35,000〜約1,000,000、および、より好ましくは、50,000〜約300,000、好ましくは、50,000〜約200,000の重量平均分子量(Mw)を有する。
得られたブロック複合体ポリマー中のコモノマー含量は、いずれの適切な技術を使っても測定できるが、核磁気共鳴(NMR)分光測定法に基づく技術が好ましい。
好ましくは、本発明のブロック複合体ポリマーは、0.5〜95wt%のソフトコポリマー、0.5〜95wt%のハードポリマーおよび5〜99wt%のブロック共重合体を含む。より好ましくは、ブロック複合体ポリマーは、0.5〜79wt%のソフトコポリマー、0.5〜79wt%のハードポリマーおよび20〜99wt%のブロック共重合体を含み、より好ましくは、0.5〜49wt%のソフトコポリマー、0.5〜49wt%のハードポリマーおよび50〜99wt%のブロック共重合体を含む。重量パーセントは、ブロック複合体の合計重量をベースにしている。ソフトコポリマー、ハードポリマーおよびブロック共重合体の重量パーセントの合計は、100%である。
好ましくは、本発明の結晶質ブロック複合体ポリマーは、0.5〜95wt%のCEP、0.5〜95wt%のCAOPおよび5〜99wt%のブロック共重合体を含む。より好ましくは、結晶質ブロック複合体ポリマーは、0.5〜79wt%のCEP、0.5〜79wt%のCAOPおよび20〜99wt%のブロック共重合体を含み、より好ましくは、0.5〜49wt%のCEP、0.5〜49wt%のCAOPおよび50〜99wt%のブロック共重合体を含む。重量パーセントは、結晶質ブロック複合体の合計重量をベースにしている。CEP、CAOPおよびブロック共重合体の重量パーセントの合計は、100%である。
好ましくは、ブロック複合体のブロック共重合体は、5〜95の重量パーセントのソフトブロックおよび95〜5wtのパーセントハードブロックを含む。それらは、10wt%〜90wt%のソフトブロックおよび90wt%〜10wt%のハードブロックを含んでもよい。より好ましくは、ブロック共重合体は、25〜75wt%のソフトブロックおよび75〜25wt%のハードブロックを含み、さらにより好ましくは、それらは、30〜70wt%のソフトブロックおよび70〜30wt%のハードブロックを含む。
好ましくは、結晶質ブロック複合体のブロック共重合体は、5〜95重量パーセントの結晶質エチレンブロック(CEB)および95〜5wtパーセントの結晶質アルファオレフィンブロック(CAOB)を含む。それらは、10wt%〜90wt%のCEBおよび90wt%〜10wt%のCAOBを含んでもよい。より好ましくは、ブロック共重合体は、25〜75wt%のCEBおよび75〜25wt%のCAOBを含み、さらにより好ましくは、それらは、30〜70wt%のCEBおよび70〜30wt%のCAOBを含む。
一部の実施形態では、結晶質ブロック複合体は、0より大きく、約0.4未満、または約0.1〜約0.3の下記で定義の結晶質ブロック複合指数(CBCI)を有する。他の実施形態では、CBCIは、約0.4より大きく、約1.0までである。一部の実施形態では、CBCIは、約0.1〜約0.9、約0.1〜約0.8、約0.1〜約0.7または約0.1〜約0.6の範囲である。さらに、CBCIは、約0.4〜約0.7、約0.5〜約0.7、または約0.6〜約0.9の範囲であってもよい。一部の実施形態では、CBCIは、約0.3〜約0.9、約0.3〜約0.8、または約0.3〜約0.7、約0.3〜約0.6、約0.3〜約0.5、または約0.3〜約0.4の範囲である。他の実施形態では、CBCIは、約0.4〜約1.0、約0.5〜約1.0、または約0.6〜約1.0、約0.7〜約1.0、約0.8〜約1.0、または約0.9〜約1.0の範囲である。
本発明の一部の実施形態は、98〜0.5wt%の結晶質ブロック複合体および/または、残りがポリエチレン、ポリアルファオレフィン、およびこれらの組み合わせであるブロック複合体を含む組成物を含む。好ましくは、組成物は、50〜0.5wt%CBCおよび/またはBC、より好ましくは、15〜0.5wt%CBCおよび/またはBCを含む。
好ましい適切なBCおよび/またはCBC樹脂は、DSCで測定して、グラム当たり少なくとも約50のジュール(J/g)、より好ましくは、少なくとも約75J/g、さらにより好ましくは、少なくとも約85J/g、最も好ましくは、少なくとも約90J/gの融解熱を有するであろう。
ブロック複合体および結晶質ブロック複合体は、例えば、グラフト化、水素添加、ナイトレン挿入反応、または当業者に既知の官能化剤などを使った他の官能化反応により変性できる。好ましい官能化は、フリーラジカル機構を使ったグラフト化反応である。
ラジカル的にグラフト化可能な官能化剤としての種々の化学種は、個々に、または比較的短いグラフトとして、ポリマーに結合させることができる。これらの化学種には、それぞれ少なくとも1つのヘテロ原子を含む不飽和分子が含まれる。これらの化学種には、限定されないが、無水マレイン酸、ジブチルマレイン酸エステル、ジシクロヘキシルマレイン酸エステル、ジイソブチルマレイン酸エステル、ジオクタデシルマレイン酸エステル、N−フェニルマレイミド、無水シトラコン酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ブロモマレイン酸、無水クロロマレイン酸、無水ナド酸、無水メチルナド酸、無水アルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、フマル酸ジエチル、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、およびそれぞれのエステル、イミド、塩、ならびにこれらの化合物のディールスアルダー付加物、が含まれる。また、これらの化学種には、シラン化合物が含まれる。
シラン類の材料のラジカル的にグラフト化可能化学種は、個々に、または比較的短いグラフトとして、ポリマーに結合させることができる。これらの化学種には、限定されないが、ビニルアルコキシシラン類、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、などが含まれる。一般的に、この種の材料には、限定されないが、アルコキシ、アシルオキシ、またはハリド基などの、シリコンに結合する加水分解型基が含まれる。また、この種の材料には、アルキルおよびシロキシ基などの、シリコンに結合する非加水分解型基が含まれる。
他のラジカル的にグラフト化可能な化学種は、個々に、または短からやや長いグラフトとして、ポリマーに結合させることができる。これらの化学種には、限定されないが、メタクリル酸;アクリル酸;アクリル酸のディールスアルダー付加物;メチル、エチル、ブチル、イソブチル、エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル、ヒドロキシエチル、およびジメチルアミノエチルなどのメタクリラート;メチル、エチル、ブチル、イソブチル、エチルヘキシル、ラウリル、ステアリル、およびヒドロキシエチルなどのアクリラート;グリシジルメタクリラート;3−(メタクリロキシ)プロピルトリメトキシシランおよび3−(メタクリロキシ)プロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシメチルトリメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシシランなどのトリアルコキシシランメタクリラート;アクリロニトリル;2−イソプロペニル−2−オキサゾリン;スチレン;α−メチルスチレン;ビニルトルエン;ジクロロスチレン;N−ビニルピロリジノン、ビニルアセタート、メタクリロキシプロピルトリアルコキシシラン、メタクリロキシメチルトリアルコキシシランおよびビニルクロリド、が含まれる。
上記化学種の内の少なくとも1種を含むラジカル的にグラフト化可能化学種の混合物を使用できるが、スチレン/無水マレイン酸およびスチレン/アクリロニトリルはその例証となる実例である。
熱グラフト化プロセスは、反応の1つの方法であるが、種々の形態の照射、電子ビーム、またはレドックスラジカル生成を含む光反応開始などの他のグラフト化プロセスも使用可能である。
また、本明細書で開示の官能化インターポリマーは、限定されないが、過酸化物−、シラン−、硫黄−、照射−、またはアジドベース硬化系を含む種々の鎖延長または架橋結合プロセスにより変性できる。種々の架橋結合技術の包括的な説明は、米国特許第5,869,591号、および同5,977,271号に記載されている。両特許は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
適切な硬化剤には、過酸化物、フェノール、アジド、アルデヒド−アミン反応生成物、置換尿素、置換グアニジン;置換キサンタート;置換ジチオカルバマート;チアゾール、イミダゾール、スルフェンアミド、チウラムジスルフィドなどの硫黄含有化合物、パラキノンジオキシム、ジベンゾパラキノンジオキシム、硫黄;およびこれらの組み合わせ、を含めてもよい。硫黄元素は、ジエン含有ポリマーの架橋剤として使用できる。
一部の系、例えば、シラングラフト化系では、架橋は、架橋触媒を使って促進でき、この機能を持ついずれの触媒も本発明で使用可能である。これらの触媒には、通常、酸および塩基、特に、有機塩基、カルボン酸およびスルホン酸、ならびに有機チタナート、有機ジルコナート、および、鉛、コバルト、鉄、ニッケル、亜鉛およびスズの錯体またはカルボキシラート、などの、有機金属化合物が含まれる。ジブチルスズジラウラート、ジオクチルスズマレイン酸エステル、ジブチルスズジアセタート、ジブチルスズジオクトアート、第一スズアセタート、第一スズオクトアート、鉛ナフテナート、亜鉛カプリラート、コバルトナフテナート、などは、好適架橋触媒の例である。
化学架橋剤を使う代わりに、架橋は、照射の使用、または電子ビームの使用により行うことができる。有用な照射タイプには、紫外線(UV)もしくは可視照射、ベータ線、ガンマ線、X線、または中性子線、が含まれる。照射は、結合および架橋できるポリマーラジカルを生成することにより、架橋を行うと考えられている。
熱、湿気硬化、および照射ステップの組み合わせを使う二重硬化系を効果的に採用できる。二重硬化系は、米国特許第5,911,940号および同6,124,370号で開示されている。両特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例えば、シラン架橋剤と併せて過酸化物架橋剤;照射と併せて過酸化物架橋剤;またはシラン架橋剤と併せて硫黄含有架橋剤を用いるのが好ましい場合がある。
また、末端不飽和基(例えば、ビニル基)または内部不飽和基で、官能化を行ってもよい(ポリマー中にこのような基が存在する場合)。このような官能化には、限定されないが、水素添加、ハロゲン化(クロル化など)、オゾン化、ヒドロキシル化、スルホン化、カルボキシル化、エポキシ化、およびグラフト化反応、が含まれる。ハロゲン、アミン、アミド、エステル、カルボン酸、エーテル、シラン、シロキサン、などのいずれの官能基も、または無水マレイン酸などのいずれの官能性不飽和化合物も、既知の化学反応により、末端または内部不飽和に付加できる。他の官能化方法には、次の「ポリマーおよび共重合体のメタル化および官能化(Metalation and Functionalization of Polymers and Copolymers)」の名称の米国特許第5,849,828号;「アルキルスチレン含有ポリマーの酸化的官能化プロセス(Process for Oxidative Functionalization of Polymers Containing Alkyl styrene)」の名称の同5,814,708号;および「コッホ化学およびその誘導体に基づくポリマーの官能化(Functionalization of Polymers Based on Koch Chemistry and Derivatives Thereof)」の名称の同5,717,039号、で開示されているものが含まれる。これらの特許のそれぞれは、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。
分解してフリーラジカルを生成することによりグラフト化反応を開始できるいくつかのタイプの、特に、アゾ含有化合物、カルボン酸ペルオキシ酸およびペルオキシエステル、アルキルヒドロペルオキシド、ならびに、ジアルキルおよびジアシルペルオキシド、などの化合物が存在する。多くのこれらの化合物およびそれらの特性は、(文献:J.Branderup、E.Immergut、E.Grulke、eds.「ポリマーハンドブック(Polymer Handbook)」、第4版、Wiley、New York、1999、Section II、pp.1−76.)に記載されている。化学種は、酸素ベースフリーラジカルになる開始剤の分解により形成されるのが好ましい。開始剤は、カルボン酸ペルオキシエステル、ペルオキシケタール、ジアシルペルオキシド、およびジアシルペルオキシド、から選択されるのが、さらに好ましい。ポリマーの構造の改変によく使われるさらに好ましい開始剤の一部は、米国特許第7,897,689号の欄48の13行から欄49の29行にまたがる表に列挙されている。これは、ここでの参照によって本明細書に組み込まれる。
グラフト化反応に使われる無水マレイン酸の量は、10phr(オレフィンインターポリマーの重量をベースに、100部当たりの部)以下、好ましくは、5phr未満、より好ましくは、0.5〜10phr、さらに好ましくは、0.5〜5phrである。
グラフト化反応に使われる開始剤の量は、100グラムオレフィンインターポリマー当たり10ミリモルラジカル以下、好ましくは、100グラムオレフィンインターポリマー当たり6ミリモルラジカル以下、より好ましくは、100グラムオレフィンインターポリマー当たり3ミリモルラジカル以下である。
ポリオレフィン鎖にグラフト化した無水マレイン酸成分の量は、滴定分析、FTIR分析、または他のいずれかの適切な方法により測定して、0.05重量パーセントより多く、2.0wtパーセントまで(オレフィンインターポリマーの重量をベースにして)である。より好ましくは、この量は、0.25重量パーセントより多く、2.0重量パーセントまでであり、またさらなる実施形態では、この量は、0.3重量パーセントより多く、2.0重量パーセントまでである。好ましい実施形態では、無水マレイン酸の0.5重量パーセント〜2.0重量パーセントがグラフト化される。
グラフト化樹脂は、0.1〜300MFR(230℃@2.16kg)、より好ましくは、0.2〜200、より好ましくは、0.5〜100のMFRを有する。
グラフト化樹脂は、少なくとも約0.10、好ましくは、少なくとも約0.35、好ましくは、少なくとも約0.57、より好ましくは、少なくとも約0.97の結晶質ブロック複合指数を有する。
グラフト化CBCの融解熱、または融解エンタルピー値は、DSCで測定して、グラム当たり少なくとも約75ジュール(J/g)、より好ましくは、少なくとも約80J/g、さらにより好ましくは、少なくとも約85J/g、最も好ましくは、少なくとも約90J/gである。また、融解熱は、75J/g〜250J/g、好ましくは、80J/g〜200J/g、85J/g〜150J/gである。75J/g〜200J/gの全ての個別値およびサブレンジは、本明細書に含まれ、本明細書で開示される。
シラングラフト化に関しては、グラフト化反応に使われるシランの量は、0.05phr(オレフィンインターポリマーの量をベースにして)以下、より好ましくは、0.5phr〜6phr、さらにより好ましくは、0.5phr〜4phrである。0.05phr〜6phrの全ての個別値およびサブレンジは、本明細書に含まれ、本明細書で開示される。
別の実施形態では、シラングラフト化反応に使われる開始剤の量は、100グラムオレフィンインターポリマー当たり4ミリモルラジカル以下、好ましくは、100グラムオレフィンインターポリマー当たり0.01ミリモル〜2ミリモルラジカル、より好ましくは、100グラムオレフィンインターポリマー当たり0.02ミリモル〜2ミリモルラジカルである。100グラムオレフィンインターポリマー当たり0.01ミリモル〜4ミリモルラジカルの全ての個別値およびサブレンジは、本明細書に含まれ、本明細書で開示される。
別の実施形態では、ポリオレフィン鎖にグラフト化したシラン成分の量は、FTIR分析、中性子活性化分析を使ったSi元素分析、または他の適切な方法により測定して、0.05重量パーセント以上(オレフィンインターポリマーの重量をベースにして)である。さらなる実施形態では、この量は、0.5重量パーセント以上、またさらなる実施形態では、この量は、1.2重量パーセント以上である。好ましい実施形態では、オレフィンインターポリマーにグラフト化したシラン成分の量は、0.5重量パーセント〜4.0重量パーセントである。0.05重量パーセント〜4.0重量パーセントの全ての個別値およびサブレンジは、本発明の範囲にあると見なされ、本明細書で開示される。
適切なシランには、限定されないが、一般式(I):
CH=CR−(COO)(C2nSiR′(I)
のものが含まれる。
この式では、Rは、水素原子またはメチル基であり;xおよびyは、0または1(ただし、xが1の場合は、yは1)であり;nは1〜12(両端含む)、好ましくは、1〜4、の整数であり、各R′は、限定されないが、独立に、1〜12炭素原子のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ)、アラロキシ基(例えば、ベンジルオキシ)、脂肪族または芳香族シロキシ基、芳香族アシルオキシル基、1〜12炭素原子の脂肪族アシルオキシ基(例えば、ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロパノイルオキシ)、アミノまたは置換アミノ基(アルキルアミノ、アリールアミノ)、または1〜6炭素原子の低級アルキル基、などの有機基である。
一実施形態では、シラン化合物は、ビニルトリアルコキシシラン、ビニルトリアシルオキシシランまたはビニルトリクロロシラン、から選択される。さらに、オレフィンインターポリマーに効率的にグラフト化、および/または架橋するいずれのシラン、またはシランの混合物も、本発明の実施に使用できる。適切なシランには、ビニル、アリル、イソプロペニル、ブテニル、シクロヘキセニルまたはγ−(メタ)アクリルオキシアリル基、などのエチレン系不飽和ヒドロカルビル基、および、ヒドロカルビルオキシ、ヒドロカルボニルオキシ、またはヒドロカルビルアミノ基、またはハリドなどの加水分解型基、の両方を含む不飽和シランが含まれる。加水分解型基の例には、メトキシ、エトキシ、ホルミルオキシ、アセトキシ、プロプリオニルオキシ、クロロ、およびアルキルまたはアリールアミノ基が含まれる。好ましいシランは、ポリマーにグラフト化可能な不飽和アルコキシシランである。これらのシランおよびそれらの調製法は、米国特許第5,266,627号(Meverden、et al.)にさらに包括的に記載されている。この特許は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。好ましいシランには、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリラート(γ−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン)、およびこれらの混合物が含まれる。
本願発明の特定の実施形態では、照射、熱、湿気および架橋ステップの組み合わせを使う二重架橋系を効果的に採用できる。例えば、シラン架橋剤と併せて過酸化物架橋剤、照射と併せて過酸化物架橋剤、またはシラン架橋剤と併せて硫黄含有架橋剤を採用するのが望ましい場合がある。二重架橋系は、米国特許第5,911,940号および同6,124,370号で請求され、開示されている。両特許の全内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
また、ブロック複合体および結晶質ブロック複合体は、アジド化変性により変性できる。反応条件下でC−−H挿入可能な少なくとも2つのスルホニルアジド基を持つ化合物は、本明細書のカップリング剤として好ましい。本発明の目的のために、ポリ(スルホニルアジド)は、反応条件下でポリオレフィンと反応する少なくとも2つのスルホニルアジド基を有する化合物である。好ましくは、ポリ(スルホニルアジド)は、構造X−−R−−Xを有し、式中、各XはSOであり、Rは未置換または不活性置換ヒドロカルビル、ヒドロカルビルエーテルまたはシリコン含有基であり、好ましくは、官能基に十分な炭素、酸素またはシリコン、好ましくは、炭素原子を有し、より好ましくは、少なくとも1個、より好ましくは、少なくとも2個、最も好ましくは、少なくとも3個の炭素、酸素またはシリコン原子、好ましくは、炭素原子を有して、スルホニルアジド基を十分に離れさせ、ポリオレフィンとスルホニルアジド間の容易な反応を可能とする。Rの長さに絶対に必要な制限がない一方で、各Rは、X間に、少なくとも1個の炭素またはシリコン原子、好ましくは、約50個未満、より好ましくは、約30個未満、最も好ましくは、約20個未満の炭素、酸素またはシリコン原子があるのが好ましい。これらの制限内で、長ければ長いほど、熱および衝撃安定性を含む理由のためにますます好ましいものになる。Rが直鎖アルキル炭化水素の場合には、スルホニルアジド基間に4個未満の炭素原子が存在し、ナイトレンが後ろに曲がってそれ自身と反応する傾向を減らすのが好ましい。シリコン含有基には、シランおよびシロキサン、好ましくは、シロキサンが含まれる。用語の不活性置換は、得られたカップリングポリマーの所望の反応または所望の特性と不都合に干渉しない原子または基による置換を意味する。このような基には、3個以上のポリオレフィン鎖が連結される場合の、フッ素、脂肪族または芳香族エーテル、シロキサンならびにスルホニルアジド基が含まれる。適切な構造には、アリール、アルキル、アリールアルカリル、アリルアルキルシラン、シロキサンまたはヘテロ環式基および記載のように、不活性で、スルホニルアジド基を離れさせる他の基としてのRが含まれる。より好ましくは、Rには、スルホニル基間の少なくとも1個のアリール基、最も好ましくは、少なくとも2個のアリール基(Rが4,4’−ジフェニルエーテルまたは4,4’−ビフェニルである場合など)が含まれる。Rが1個のアリール基である場合、ナフチレンビス(スルホニルアジド)の場合のように、基が2個以上の環を持つのが好ましい。ポリ(スルホニル)アジドは、1,5−ペンタンビス(スルホニルアジド)、1,8−オクタンビス(スルホニルアジド)、1,10−デカンビス(スルホニルアジド)、1,10−オクタデカンビス(スルホニルアジド)、1−オクチル−2,4,6−ベンゼントリス(スルホニルアジド)、4,4’−ジフェニルエーテルビス(スルホニルアジド)、1,6−ビス(4’−スルホンアジドフェニル)ヘキサン、2,7−ナフタレンビス(スルホニルアジド)、および分子当たり平均1〜8塩素原子および約2〜5スルホニルアジド基を含む塩素化脂肪族炭化水素の混合スルホニルアジド、ならびに、これらの混合物、などの化合物が含まれる。好ましいポリ(スルホニルアジド)には、オキシビス(4−スルホニルアジドベンゼン)、2,7−ナフタレンビス(スルホニルアジド)、4,4’−ビス(スルホニルアジド)ビフェニル、4,4’−ジフェニルエーテルビス(スルホニルアジド)およびビス(4−スルホニルアジドフェニル)メタン、およびこれらの混合物が含まれる。
また、C−−H結合中に挿入可能な多官能化合物には、アルキルおよびアリールヒドラゾンの塩、ならびに、ジアゾ化合物などのカルベン形成化合物、ならびに、アルキルおよびアリールアジド(R−−N3)、アシルアジド(R−−C(O)N3)、アジドホルマート(R−−O−−C(O)−−N3)、スルホニルアジド(R−−SO2−−N3)、ホスホリルアジド((RO)2−−(PO)−−N3)、ホスフィン酸アジド(R2−−P(O)−−N3)およびシリルアジド(R3−−S1−−N3)、などのナイトレン形成化合物が含まれる。
レオロジーを調整するために(本明細書では、「カップリングさせるために」とも言う)、ポリマーの低剪断粘度(0.1 rad/秒での)を、好ましくは、出発材料ポリマーと比べて少なくとも約5パーセント高めるのに効果的な量で、架橋量未満の量であり、ASTM D2765の手順Aにより測定して、少なくとも約10重量パーセントゲルを生ずるのに十分な量のレオロジー調整量のアジド、過酸化物または他の架橋剤が使われる。
また、官能化ポリマーは、限定されないが、抗酸化剤、スリップ剤、UV吸収剤または安定剤、粘着防止剤、無機のまたは有機充填剤、着色顔料または染料および処理剤、などの添加物を含んでもよい。
試験方法
MFR:メルトフローレートは、ASTM D1238に従って、条件230℃/2.16kgで測定される。
DSC:示差走査熱量測定を使って、特に、結晶質ブロックおよびブロック複合体の融解熱の測定を、RCS冷却アクセサリーおよび自動サンプラーを備えたTA Instruments Q1000 DSCで行う。50ml/分の窒素パージガスフローを使用する。試料を薄膜にプレスし、プレス中で、約190℃で溶融し、その後、室温(25℃)まで空気冷却する。次に、約3〜10mgの材料を切断し、正確に秤量後、軽量アルミニウムパン(約50mg)中に置き、これを後で圧着閉止する。試料の熱挙動が次記の温度プロファイルを使って調査される:試料は、190℃まで急速に加熱され、等温で3分環保持され、以前の全ての熱履歴を除去する。次に、試料を10℃/分の冷却速度で−90℃に冷却し、−90℃で3分保持する。その後、試料を10℃/分の加熱速度で190℃へ加熱する。冷却および第2の加熱曲線が記録される。CBCおよび特定のBC樹脂の融解熱測定に関しては、この分野の熟練した専門家によって理解され、通常行われているように、溶融開始の前に、平坦な初期区域から計算用のベースラインが描かれ(これらのタイプの材料では、通常、約10〜約20℃の範囲で)、第2の加熱曲線の溶融の終わりまで伸ばされる。
MAHグラフト化レベル
ポリマーペレットを真空オーブン中で150℃で1.5時間乾燥する。Carver水圧プレスを使って、190℃で30秒間、3000lbの圧力と大気雰囲気下で、ペレットをフィルムに成形する。プレートを室温に設定した下方位置のプラテンに移すことにより、3ミル厚さのフィルムを冷却する。Nicolet 6700 FTIRを使って、IRスペクトルを採取する。FTIRスペクトルを使い、水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAOH)滴定に対し検量されている方法を使って、各試料中のg−MAHレベルを測定した。無水物のカルボニルの伸縮に相当する約1790cm−1のピークの高さの、2751cm−1のピークの高さに対する比率から、g−MAHのwt%を以下のように決定した。
TBAOH滴定にでは、1〜2gの乾燥樹脂をホットプレート上で100℃に加熱・攪拌することにより150mlのキシレン中に溶解した。溶解時の熱い間に、10滴のブロモチモールブルーを指示薬として使って、1:1のトルエン/メタノール中の0.025N TBAOHで試料を滴定した。溶液が青色に変わるときの終点を記録する。
シラングラフト化レベル分析
約3.0グラムのペレットを洗浄済みの2−ドラムのポリエチレンバイアル中に移すことより、複製試料を調製した。試料を140℃で20分間、真空オーブン中で真空脱気し、全ての残余揮発成分、または表面シランを除く。複製Si標準をNIST追跡可能標準溶液から類似のバイアル中に調製する。標準を純粋な水を使って試料と同様の容量に希釈する。また、水のブランク試料も調製する。次に、試料、標準、およびブランク中のSiを分析する。具体的には、250kW反応器出力で3分間照射を行う。待ち時間は9分で、計数時間は、HPGe検出器セットを使って、270秒であった。Canberraソフトウェアおよび比較技術を使って、Si濃度をppmで計算する。典型的な不確かさは、2%〜5%(相対的)の範囲であり、検出限界は、100ppm未満である。グラフト化がビニルトリメトキシシランのみを使って行われると仮定して、ビニルトリメトキシシラン含量は、化学量論を使って逆算される。
ゲル分率分析
ソックスレー抽出器およびキシレンを溶媒として使って、架橋シラングラフト試料のゲル分率を測定する。架橋試料を還流下で最低限でも19時間、抽出する。抽出試料を真空オーブン中90℃で3時間乾燥する。試料を、4ミル圧縮成形フィルムを、85%相対湿度と85℃下で3週間、架橋する。3回の試験の平均を報告した。
引張特性
引張特性測定のために、試料を、大気雰囲気下でCarver水圧プレスを使って、70ミル厚さのプラーク(5インチX5インチ)に、190℃、6000lbで、6分間圧縮成形する。その後、プラークを30000lbfの圧力のプレス中で15℃/分の速度で50℃に冷却する。ASTM D1708マイクロ引張試験片を使って、一軸張力下の応力−歪み挙動を測定する。プラークから試験片をASTM D1708指定寸法の構造に金型で打ち抜く。試料のゲージ長さは、22mmで、試料を、Instronを使って、23℃で、(初期ゲージ長さ)の554%/分の速度で引っ張る。引張特性を、5試験片の平均として報告する。
透過電子顕微鏡
マイクロ引張試験用に使った圧縮成形プラークをTEMで調査する。試料の余分な部分を除去し、試料の厚さの中心近傍の切片を採取する。切り出した試料を−60℃で冷凍研磨して、染色前に、Leica UCTミクロトームのダイアモンドナイフを使ってスミアを防ぐ。冷凍研磨ブロックを2%の四酸化ルテニウム水溶液の気相を使って、室温で3時間染色する。染色溶液は、0.2gmの塩化ルテニウム(III)水和物(RuClxHO)をねじ蓋付きガラス瓶中へ秤取し、10mlの5.25%水性ナトリウムヒポクロリットを広口瓶中に加えることにより調製する。試料を両面テープを使ってガラススライドに付着させる。スライドを広口瓶中に置き、染色溶液の上部約1インチの位置にブロックを3時間吊す。約100ナノメートルの厚さの切片を、染色した試料からLeica EMUC6ミクロトーム上でダイアモンドナイフを使って室温で集め、観察のために600メッシュの未使用TEMグリッド上に置く。TEM像を100kV加速電圧で操作されるJEOL JEM−1230を使って採取し、Gatan−791および794デジタルカメラを使って写真を取得する。
13 C標識無水マレイン酸グラフト化ポリオレフィンの 13 C NMR分光測定法
0.025Mクロムアセチルアセトナート(緩和剤)を含む約2.7gのTCE−dを、10mmのNMRチューブ中の0.2gの試料に加えることにより、試料を調製し、次に、Nボックス中で2時間パージした。チューブとその内容物を140〜150℃で加熱することにより、試料を溶解し、ホモジナイズした。
13C NMRに関しては、Bruker Dual DUL high−temperature CryoProbeを備えたBruker 400MHz分光計を使ってデータを採取した。この方法は、例えば、Z.Zhou、R.Kuemmerle、J.C.Stevens、D.Redwine、Y.He、X.Qiu、R.Cong、J.Klosin、N.Montanez、G.Roof、Journal of Magnetic Resonance、2009、200、328−333、およびZ.Zhou、J.C.Stevens、J.Klosin、R.Kummerle、X.Qiu、D.Redwine、R.Cong、A.Taha、J.Mason、B.Winniford、P.Chauveland N.Montanez、Macromolecules、2009、42、2291−2294、に記載されている。
120℃の試料温度で、データファイル当たり320トランジエント、7.3秒パルス繰り返し遅延(6秒遅延+1.3秒取得時間)、90度フリップ角、および改良逆ゲーテッドデカップリングの条件を使ってデータを取得した。全測定値は、ロックモードの非回転試料で行った。加熱(125℃)NMR試料交換器中への挿入の直前に試料をホモジナイズし、データ取得の前に、プローブ中で7分間、熱平衡にした。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
ゲル浸透クロマトグラフシステムは、Polymer Laboratories Model PL−210またはPolymer Laboratories Model PL−220装置から構成される。カラムとカルーセルコンパートメントは、140℃で操作される。3個のPolymer Laboratories 10−ミクロン Mixed−Bカラムを使用する。溶媒は、1,2,4−トリクロロベンゼンである。200ppmのブチルヒドロキシトルエン(BHT)含有50ミリリットルの溶媒中の0.1グラムのポリマーの濃度で試料を調製する。160℃で2時間、軽く攪拌して試料を調製する。使った注入容量は、100マイクロリットルで、流量は、1.0ml/分である。580〜8,400,000の分子量の21の狭い分子量分布ポリスチレン標準を個別分子量間で少なくとも1桁の分離になるように6種の「反応混液」混合物中に配置して、GPCカラムセットの較正を行う。標準は、Polymer Laboratories(Shropshire、UK)から購入する。ポリスチレン標準は、1,000,000以上の分子量に対しては50ミリリットルの溶媒中の0.025グラム、1,000,000未満の分子量に対しては50ミリリットルの溶媒中の0.05グラムの濃度で調製する。ポリスチレン標準を静かに撹拌しながら80℃で30分間溶解する。狭い標準混合物を最初に試験し、その後、最高分子量成分の小さくなる順に試験して、分解を最小限にする。ポリスチレン標準のピーク分子量を、次の式を使ってポリエチレン分子量に変換する(Williams and Ward、J.Polym.Sci.、Polym.Let.、6、621(1968)に記載のように):Mポリプロピレン=0.645(Mポリスチレン)。Viscotek TriSECソフトウェア:バージョン3.0を使って、ポリプロピレン当量分子量計算を行う。
急速昇温溶出分別(F−TREF)
F−TREF分析では、分析する組成物をオルトジクロロベンゼンに溶解し、温度を30℃までゆっくり下げる(0.4℃/分の推奨速度で)ことにより、不活性支持体(ステンレス鋼ショット)を含むカラム中で結晶化させる。カラムは、赤外検出器を備える。その後、溶出溶媒(o−ジクロロベンゼン)の温度を30から140℃(1.5℃/分の推奨速度で)までゆっくり上昇させて、結晶化ポリマー試料をカラムから溶出させることにより、F−TREFクロマトグラム曲線が生成される。
高温液体クロマトグラフィー(HTLC)
米国特許第8,076,147号および米国特許公開第2011−152499号で開示の方法に従ってHTLCを行う。両特許は、参照によって本明細書に組み込まれる。試料は、下記の方法により分析される。
WatersのGPCV2000高温SECクロマトグラフがHT−2DLC計器装備を構築するように再構成された。2台の島津LC−20ADポンプを2成分ミキサーを介して、GPCV2000の注入弁に連結した。第1の寸法(D1)のHPLCカラムを注入器と10ポートスイッチバルブ(Valco Inc)の間に連結した。第2の寸法(D2)のSECカラムを、10ポートバルブとLS(Varian Inc.)、IR(濃度と組成)、RI(屈折率)、およびIV(固有粘度)検出器の間に連結した。RIとIVはGPCV2000に組み込み型の検出器である。IR5検出器は、PolymerChar、Valencia、Spain、から入手した。
カラム:D1カラムは、Thermo Scientificから購入の高温Hypercarb黒鉛カラム(2.1×100mm)とした。D2カラムは、Varianから購入のPLRapid−Hカラム(10×100mm)とした。
試薬:HPLCグレードトリクロロベンゼン(TCB)をFisher Scientificから購入した。1−デカノールおよびデカンをAldrichから購入した。2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(Ionol)も、Aldrichから購入した。
試料調製:0.01〜0.15gのポリオレフィン試料を10mLのWaters自動サンプラーバイアル中に置いた。その後、バイアルに、7mLの200ppm Ionolを含む1−デカノールまたはデカンを加えた。ヘリウムを試料バイアルに約1分間スパージング後、試料バイアルを160℃に設定の加熱振盪器上に置いた。バイアルをその温度で2時間振盪して溶解を行った。次に、注入のために、バイアルを自動サンプラーに移した。溶媒の熱膨張のために、実際の溶液の容量は、7mLより多いことに留意されたい。
HT−2DLC:D1流量は、0.01mL/分とした。移動相の組成は、溶出の最初の10分間については、弱溶出剤(1−デカノールまたはデカン)100%とした。その後489分かけて、組成を60%の強溶出剤(TCB)にまで増加させた。生のクロマトグラムの時間長さとして、489分間のあいだデータを採取した。10ポートバルブを3分毎に切替え、489/3=163SECクロマトグラムを得た。489分のデータ取得時間後、溶出後勾配を使用して、次の操作のためにカラムを洗浄し、平衡化した。
洗浄ステップ:
1.490分:流量=0.01mL/分;//0〜490分、0.01mL/分の一定流量で維持する。
2.491分:流量=0.20mL/分;//流量を0.20mL/分まで上昇させる。
3.492分:%B=100;//移動相組成を100%TCBにする。
4.502分:%B=100;//2mLのTCBを使ってカラムを洗浄する。
平衡化ステップ:
5.503分:%B=0;//移動相組成を100%1−デカノールまたはデカンに変更する。
6.513分:%B=0;//2mLの弱溶出剤を使ってカラムを平衡化する。
7.514分:流量=0.2mL/分;//491〜514分、0.2mL/分の一定流量で維持する。
8.515分:流量=0.01mL/分;//流量を0.01mL/分に下げる。
ステップ8の後、流量および移動相組成を、溶出勾配の初期条件と同じとした。
D2流量を2.51mL/分とした。2個の60μLループを10ポートスイッチバルブに取り付けた。D1カラムからの30μLの溶出剤をバルブの切替毎にSECカラムに供給した。
IR、LS15(15°の光散乱信号)、LS90(90°の光散乱信号)、およびIV(固有粘度)信号を、SS420Xアナログ・デジタル変換ボックスを介して、EZChromを使って採取した。クロマトグラムをASCIIフォーマットで出力し、データ低減化用の社内製MATLABソフトウェアに導入した。分析するブロック複合体に含まれるハードブロックおよびソフトブロックの特性と類似性があるポリマーの、ポリマー組成と保持容量の適切な較正曲線を使用する。較正ポリマーは、狭い組成(分子量および化学組成の両方)で、分析中に対象の組成を包含する合理的な分子量範囲を含む必要がある。生データの分析は、次のように計算した。第1の寸法のHPLCクロマトグラムを、各カット(そのカットの全体IRSECクロマトグラムからの)のIR信号を溶出容量の関数としてプロットすることにより、再構成した。D1溶出容量に対するIRを合計IR信号により正規化して、D1溶出容量に対する重量比率のプロットを得た。IRメチル/測定値比を、再構成IR測定およびIRメチルクロマトグラムから得た。その比率を、SEC実験から得たPP wt.%(NMRによる)のメチル/測定値比に対する較正曲線を使って組成に変換した。MWを再構成IR測定値およびLSクロマトグラムから得た。PE標準を使ったIRおよびLS検出器両方の較正後、その比率をMWに変換した。
組成較正曲線により決定される単離ピークおよび保持容量に基づいてハードブロック組成物に対応する面積として単離PPの重量%を測定する。
キシレン可溶分の分別分析
秤量した量の樹脂を、還流条件下で2時間、200mlのo−キシレンに溶解する。次に、溶液を温度制御水浴中で25℃に冷却し、キシレン不溶性の(XI)画分を結晶化させる。溶液を冷却し、溶液から不溶性の画分が沈殿するとすぐに、キシレン不溶画分からのキシレン可溶(XS)画分の分離を、フィルターペーパーを通す濾過により行う。残ったo−キシレン溶液を濾液から留去する。XSおよびXIの両画分を真空オーブン中、100℃で60分間乾燥し、秤量する。
ソフトブロックポリマーの溶液結晶化温度が室温を越える場合、分別ステップは、ソフトブロック結晶化温度より10〜20℃高い温度で、かつ、ハードブロック結晶化温度より低い温度で行うことができる。分離温度は、文献、「ポリマーのキャラクタリゼーション用TREFおよびCRYSTAF技術(TREF and CRYSTAF technologies for Polymer Characterization)」、Encyclopedia of Analytical Chemistry.2000 Issue、Pages 8074−8094、に記載のように、TREFまたはCRYSTAF測定から決定できる。この分別は、Preparatory mc(Polymer Char、Valencia、Spain、から入手可能)などの研究室用加熱溶解および濾過装置または分別装置で行うことができる。
ブロック複合指数の推定
エチレンおよびプロピレンから得られるブロック複合体に対しては、不溶画分は、ポリマーがiPPホモポリマーとEP共重合体を単にブレンドした場合には存在しないと思われるほどの、かなりの量のエチレンを含む。この「余分のエチレン」を説明するために、物質収支計算を行って、キシレン不溶および可溶画分の量およびそれぞれの画分に存在する重量%エチレンからブロック複合指数を推定できる。
式1に従った各画分からのエチレン重量%の合計により、全体重量%エチレン(ポリマー中の)が得られる。また、この物質収支式を使って、2成分系ブレンド、または3成分、またはn成分のブレンドに拡張された系の各成分の量を定量できる。
式2〜4を適用して、不溶画分中に存在するソフトブロックの量(余分のエチレンの原因となる)を計算する。式2の左側の不溶画分の重量%Cを置換することにより、重量%iPPハードおよび重量%EPソフトが、式3と4を使って計算できる。EPソフト中のエチレンの重量%は、キシレン可溶画分中の重量%エチレンに等しいと設定されていることに注意されたい。iPPブロック中の重量%エチレンは、ゼロに設定されるか、または、他の方法で、そのDSC融点または他の組成測定から知ることができる場合は、その値をその場所に挿入できる。
不溶画分中に存在する「余分の」エチレンを説明するために、EP共重合体を不溶画分中に存在させる唯一の方法として、EPポリマー鎖は、iPPポリマーブロックに連結する必要がある(さもないと、EPポリマー鎖は、キシレン可溶画分中に抽出されることになる)。従って、iPPブロックが結晶化する場合、これにより、EPブロックが可溶化するのを防ぐことができる。
ブロック複合指数を推定するために、相対量の各ブロックを考慮しなければならない。これを近似するために、EPソフトとiPPハードの間の比率を用いる。EPソフトポリマーおよびiPPハードポリマーの比率は、ポリマー中で測定される全エチレンの物質収支から式2を使って計算できる。あるいは、重合中のモノマーおよびコモノマー消費の物質収支からも推定できる。iPPハードの重量比率とEPソフトの重量比率は、式2を使って計算され、iPPハードは、エチレンを含まないと仮定される。EPソフトの重量%エチレンは、キシレン可溶画分中に存在するエチレンの量である。
例えば、iPP−EPブロック複合体が全エチレン含量の47wt%のCを含み、7wt%のCおよびゼロエチレン含有iPPホモポリマーを含むEPソフトポリマーを生成する条件下で作られる場合、EPソフトとiPPハードの量は、それぞれ、70wt%と30wt%である(式3と4を使って計算して)。EPのパーセントが70wt%で、iPPが30wt%の場合、EP:iPPブロックの相対比率は、2.33:1と表現できる。
従って、当業者が、ポリマーのキシレン抽出を行い、40wt%の不溶分および60wt%の可溶分を回収する場合、予期しない結果になり、これは、ある比率のブロック共重合体が存在するという結論に繋がるであろう。不溶画分のエチレン含量が、その後に、25wt%Cであると測定される場合、式2〜4は、この余分なエチレンを説明するために解くことができ、不溶画分中に存在する37.3wt%EPソフトポリマーおよび62.7wt%iPPハードポリマーを生ずる。
不溶画分が37.3wt%EP共重合体を含むために、それは、2.33:1のEP:iPPブロック比率に基づいて、余分の16wt%のiPPポリマーに結合されるはずである。これは、不溶画分中の推定量のジブロックが53.3wt%である結果に繋がる。全体ポリマー(未分画の)に対しては、組成は、21.3wt%iPP−EPジブロック、18.7wt%iPPポリマー、および60wt%EPポリマーとして記載される。本明細書では、用語のブロック複合指数(BCI)は、ジブロックの重量パーセント/100%(すなわち重量比率)に等しいと定義される。ブロック複合指数の値は、0〜1の範囲であってよく、1は、100%ジブロックであり、0は、従来のブレンドまたはランダム共重合体などの材料に相当するものである。上述の例に対しては、ブロック複合体のブロック複合指数は、0.213である。不溶画分に対しては、BCIは、0.533で、可溶画分に対しては、BCIは、0の値に割り付けられている。
全体ポリマーで行った組成の推定およびハードおよびソフトブロックの組成の推定に使われる分析測定値の誤差に応じて、ブロック複合指数の計算値で、5〜10%の相対的誤差が起こりうる。このような推定には、DSC融点、NMR分析、またはプロセス条件から測定されるiPPハードブロック中のwt%C2;ソフトブロックのキシレン可溶分の組成、またはNMRによる、またはDSC融点による組成(検出の場合)、から推定されるソフトブロック中の平均wt%C2、が含まれる。しかし、全体的に見れば、ブロック複合指数計算は、不溶画分中に存在する予期しない量の「余分の」エチレンを、EP共重合体を不溶画分中に存在させる唯一の方法として、EPポリマー鎖が、iPPポリマーブロックに連結する必要がある(さもないと、EPポリマーはキシレン可溶画分に抽出されるであろう)ことを、合理的に説明する。
結晶質ブロック複合指数の推定(CBCI)
結晶質ポリプロピレンならびに結晶質ポリエチレンからなるCEPおよびCEBから構成されるCAOPおよびCAOBを有する結晶質ブロック複合体は、従来の手段では分別できない。溶媒または温度分別に基づく技術、例えば、キシレン分別、溶媒/非溶媒分離、昇温溶出分別、または結晶化溶出分別を使った技術は、CEBおよびCAOBが、それぞれ、CEPおよびCAOPと同時結晶化するために、ブロック共重合体を分解できない。しかし、混合溶媒/非溶媒および黒鉛カラムに組み合わせを使ってポリマー鎖を分離する高温液体クロマトグラフィーなどの方法を使って、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどの結晶質ポリマー種を相互に、およびブロック共重合体から分離できる。
結晶質ブロック複合体に対しては、単離PPの量は、ポリマーがiPPホモポリマー(本ケースではCAOP)とポリエチレン(本ケースではCEP)の単純ブレンドの場合より、少ない。従って、ポリエチレン画分は、ポリマーがiPPとポリエチレンのその他の単純なブレンドの場合には存在しないと思われるほどのかなりの量のプロピレンを含む。この「余分のプロピレン」を説明するために、物質収支計算を行い、ポリプロピレンおよびポリエチレン画分の量、およびHTLCで分離されるそれぞれの画分中に存在する重量%プロピレンから結晶質ブロック複合指数を推定できる。結晶質ブロック複合体内に含まれるポリマーは、iPP−PEジブロック、非結合iPP、および非結合PEを含み、個別PPまたはPE成分は、それぞれ、少量のエチレンまたはプロピレンを含んでもよい。
結晶質ブロック複合体の組成
式1に従ったポリマー中の各成分からの重量%プロピレンの合計により、全重量%プロピレン(全ポリマーの)が得られる。この物質収支の式を使って、ジブロック共重合体中に存在するiPPおよびPEの量を定量できる。また、この物質収支の式を使って、2成分ブレンドまたは3成分、またはn成分ブレンドまでの拡張成分中のiPPおよびPEの量を定量できる。結晶質ブロック複合体に対しては、全iPPまたはPEの量は、ジブロックならびに非結合iPPおよびPEポリマー中に存在するブロック内に含まれる。
式中、
pp=ポリマー中のPPの重量比率、
PE=ポリマー中のPEの重量比率、
wt%C3PP=PP成分またはブロック中のプロピレンの重量パーセント、
wt%C3PE=PE成分またはブロック中のプロピレンの重量パーセントである。
全重量%のプロピレン(C3)は、13C NMRまたは全ポリマー中に存在するC3の全量を示すいくつかの他の組成測定法により測定されるのが好ましいことに留意されたい。iPPブロック中の重量%プロピレン(wt%C3PP)は、100に設定されるか、または、他の方法のそのDSC融点、NMR測定、または他の組成推定法から知ることができる場合には、その値を、その場所に挿入できる。同様に、PEブロック中の重量%プロピレン(wt%C3PE)は、100に設定されるか、または、他の方法のそのDSC融点、NMR測定、または他の組成推定法から知ることができる場合には、その値を、その場所に挿入できる。
結晶質ブロック複合体中のPP/PE比率の計算
式1に基づいて、ポリマー中に存在するPPの全体重量比率を、ポリマー中で測定される全C3の物質収支から、式2を使って、計算できる。あるいは、重合中のモノマーとコモノマー消費の物質収支からも推定可能である。全体として、これは、非結合成分として存在するか、ジブロック共重合体中に存在するかにかわらず、ポリマー中に存在するPPとPEの量を表す。従来のブレンドに対しては、PPの重量比率およびPEの重量比率は、存在するそれぞれの量のPPおよびPEポリマーに対応する。結晶質ブロック複合体に対しては、この場合も、PP/PE重量比率は、この統計的ブロック共重合体中に存在するPPとPEの間の平均ブロック比率に相当すると仮定される。
式中、
PP=全ポリマー中に存在するPPの重量比率、
wt%C3PP=PP成分またはブロック中のプロピレンの重量パーセント、
wt%C3PE=PE成分またはブロック中のプロピレンの重量パーセントである。
結晶質ブロック複合体中のジブロック量の推定
式3〜5を適用して、HTLC分析により測定される単離PP量を使って、ジブロック共重合体中に存在するポリプロピレンの量を測定できる。HTLC分析で、最初に単離または分離された量は、「非結合PP」を表し、その組成は、ジブロック共重合体中に存在するPPハードブロックを代表するものである。式3の左側の全ポリマーの全重量%C3を置換することにより、およびPP(HTLCから単離された)の重量比率、およびPE(HTLCで分離された)の重量比率を、式3の右側に入れ替えることにより、PE画分中のC3の重量%が式4と5を使って計算できる。PE画分は、非結合PPから分離された画分として記載され、ジブロックおよび非結合PEを含む。単離PPの組成は、前に記載のように、iPPブロック中の重量%プロピレンを同じであると仮定される。
式中、
PP単離=HTLCからの単離PPの重量比率、
PE画分=HTLCから分離された、ジブロックおよび非結合PEを含むPEの重量比率、
wt%C3PP=PP中のプロピレンの重量%;これは、また、PPブロックおよび非結合PP中に存在するプロピレンの量と同じ、
wt%C3PE画分=HTLCから分離されたPE画分中のプロピレンの重量%、
wt%C3全体=全ポリマー中のプロピレン全重量%。
HTLCからのポリエチレン画分中のwt%C3の量は、「非結合ポリエチレン」中に存在する量より多いブロック共重合体画分中に存在するプロピレンの量を示す。
ポリエチレン画分中に存在する「余分の」プロピレンを説明するために、PPをこの画分中に存在させる唯一の方法は、PPポリマー鎖をPEポリマー鎖に連結させる必要があるということである(そうしなければ、PPポリマーは、HTLCにより単離されたPP画分と一緒に単離されてしまうことになるであろう)。このようにして、PPブロックは、PE画分が分離されるまで、PEブロックに吸着されたままで残る。
ジブロック中に存在するPPの量は、式6を使って計算される。
式中、
wt%C3PE画分=HTLCにより分離されたPE画分中のプロピレンの重量%(式4)、
wt%C3PP=PP成分またはブロック中のプロピレンの重量%(前に定義)、
wt%C3PE=PEまたはブロック中のプロピレンの重量%(前に定義)、
PPジブロック=HTLCによりPE画分と一緒に分離されたジブロック中のPPの重量比率。
このPE画分中に存在するジブロックの量は、PPブロック/PEブロックの比率が、全ポリマー中に存在する全体のPP/PEの比率に同じであるという仮定により推定できる。例えば、全ポリマー中のPP/PEの全体比率が1:1の場合、ジブロック中のPP/PE比率も、また1:1であると仮定される。従って、PE画分中に存在するジブロックの重量比率は、ジブロック中のPPの重量比率(wPPジブロック)を2倍した値になるであろう。これを計算する別の方法は、ジブロック中のPPの重量比率(wPPジブロック)を、全ポリマー中のPPの重量比率で除算することによる方法である(式2)。
全ポリマー中に存在するジブロックの量をさらに推定するために、PE画分中のジブロックの推定量に、HTLCから測定したPE画分の重量比率を乗じる。
結晶質ブロック複合指数を推定するために、ブロック共重合体の量が、式7により決定される。CBCIを推定するために、式6を使って計算されたPE画分中のジブロックの重量比率を、PPの全重量比率(式2で計算)で除算し、次に、PE画分の重量比率を乗じる。CBCIの値は、0〜1の範囲であってよく、1は、100%ジブロックであり、0は、従来のブレンドまたはランダム共重合体などの材料に相当するものであろう。
式中、
PPジブロック=HTLCによりPE画分と一緒に分離されたジブロック中のPPの重量比率(式6)
PP=ポリマー中のPPの重量比率
PE画分=HTLCから分離された、ジブロックおよび非結合PEを含むPEの重量比率(式5)
例えば、iPP−PEポリマーが合計62.5wt%C3を含み、10wt%C3を含むPEポリマーおよび97.5wt%C3を含むiPPポリマーを生成する条件下で作られる場合、PEとPPの重量比率は、それぞれ、0.400と0.600である(式2を使って計算して)。PEのパーセントは、40.0wt%で、iPPは、60.0wt%であるから、PE:PPブロックの相対比率は、1:1.5として表される。
従って、一当業者がポリマーのHTLC分離を行い、28wt%のPPおよび72wt%のPE画分を単離する場合、これは、予想外の結果となり、また、ある比率のブロック共重合体が存在するという結論に繋がるであろう。PE画分のC3含量(wt%C3PE画分)が、その後、式4と5から48.9wt%C3であると計算される場合、余分のプロピレンを含むPE画分は、0.556wt比率のPEポリマーおよび0.444重量比率のPPポリマーを含む(wPPジブロック、式6を使って計算)。
PE画分は、0.444重量比率のPPを含むので、それは、1.5:1のiPP:PEブロック比率に基づいて、余分の0.293重量比率のPEポリマーに結合するはずである。このように、PE画分中に存在するジブロックの重量比率は、0.741であり、全ポリマー中に存在するジブロックの重量比率のさらなる計算の結果は、0.533である。全体ポリマーに対しては、組成は、53.3wt%iPP−PEジブロック、28wt%PPポリマー、および18.7wt%PEポリマーとして記載される。結晶質ブロック複合指数(CBCI)は、全ポリマー中に存在するジブロックの推定重量比率である。上述の例に対しては、結晶質ブロック複合体のCBCIは、0.533である。
ジブロック内のCEB/CAOB比率は、全体結晶質ブロック複合体中の結晶質エチレン/結晶質アルファオレフィン比率と同じであるという仮定の下で、結晶質ブロック複合指数(CBCI)は、結晶質ブロック複合体内のブロック共重合体の量の推定値を与える。この仮定は、本明細書で記載のように、鎖シャットリング触媒を介したジブロックの形成に対する個別触媒動力学および重合機序の解釈に基づいたこれらの統計的オレフィンブロック共重合体に対しては、妥当である。
CBCIの計算は、遊離CAOPの量が、重合中に生成されたCAOPの全体量よりも少ないという分析的観察に基づいている。残りのCAOPは、CEBに結合し、ジブロック共重合体を形成している。HTLCにより分離したPE画分は、CEPおよびジブロックポリマーの両方を含むので、この画分で観察されるプロピレン量は、CEPの量より多い。この差異を使って、CBCIを計算できる。
重合統計の予備知識を持たず分析的観察のみに基づいて、ポリマー中に存在するブロック共重合体の最小および最大量を計算でき、従って、結晶質ブロック複合体と、単純な共重合体または共重合体ブレンドとを区別できる。
結晶質ブロック複合体内に存在するブロック共重合体の量の上限値、WDBMaxは、式8の比率から、HTLCで測定した非結合の比率を減算することにより得られる。この最大値は、HTLCからのPE画分が、完全なジブロックであり、全ての結晶質エチレンは、結晶質PPに結合し、非結合PEは無いことを仮定している。CBC中で唯一ジブロックでない材料は、HTLCで分離された一部のPPのみである。
結晶質ブロック複合体内に存在するブロック共重合体の量の下限値、WDBMinは、PEがPPに殆ど、または完全に結合していない状況に対応する。この下限値は、式9に示すように、試料中のPPの全体量から、HTLCにより測定された非結合PPの量を減算することにより得られる。
さらに、結晶質ブロック複合指数は、これらの2つの値の間に入る。
結晶質ブロック複合体の生成のための重合機序に基づいて、CBCIは、複合体中の実際のジブロック共重合体の比率の最良の推定値を示す。未知のポリマー試料に対しては、WDBMinを使って、材料が結晶質ブロック複合体であるがどうかを判定できる。この分析をホモポリマー、共重合体またはブレンドに適用することを考えてみよう。PEとPP物理的ブレンドに対しては、PPの全体重量比率は、HTLCからのwt%PPの比率と同じになり、ジブロック含量の下限値、式9、は、ゼロとなるはずである。この分析をPEを含まないPPの試料に適用する場合、HTLCから得たPPの重量比率およびPPの量の両方は、100%であり、この場合も、ジブロック含量の下限値、式9、はゼロである。最後に、この分析がPPを含まないPEの試料に適用される場合、PPの重量比率およびHTLCを介して回収されたPPの重量比率の両方は、ゼロで、ジブロックの下限値、式9、はゼロである。これらの3つのケースのいずれの場合でも、ジブロック含量の下限値は、ゼロより大きくないので、これらの材料は、結晶質ブロック複合体ではない。
実施例
結晶質ブロック複合体の合成
一般
触媒−1([[rel−2’,2’ ’ ’−[(1R,2R)−1,2−シクロヘキサンジイルビス(メチルエネオキシ−κO)]ビス[3−(9H−カルバゾール−9−イル)−5−メチル[1,1’−ビフェニル]−2−オラト−κO]](2−)]ジメチル−ハフニウム)および共触媒−1、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラートのメチルジ(C14−18アルキル)アンモニウム塩の混合物(長鎖トリアルキルアミン(Armeen(登録商標)M2HT、Akzo−Nobel、Inc.から購入)の反応により調製)、HClならびにLi[B(C](ほぼ、米国特許第5,919,983号、実施例2に開示の通り)、をBoulder Scientificから購入し、精製しないでそのまま使用する。
CSA−1(ジエチル亜鉛またはDEZ)および共触媒−2(変性メチルアルモキサン(MMAO))をAkzo Nobelから購入し、精製しないでそのまま使用した。重合反応用溶媒は、Exxon Mobil Chemical Companyから入手可能な炭化水素混合物(ISOPAR(登録商標)E)で、使用前に、13−Xモレキュラーシーブのベッドを通して精製した。
本実施例の結晶質ブロック複合体を、CBC1〜CBC6と命名する。これらを、2台の直列連結された連続攪拌タンク型反応器(CSTR)を使って調製した。第1の反応器は、約12ガロンの容量で、一方、第2の反応器は、約26ガロンであった。各反応器を液充満反応方式とし、定常状態条件で操作するように設定する。モノマー、溶媒、水素、触媒−1、共触媒−1、共触媒−2およびCSA−1を、表2に概要を示すプロセス条件に従って、第1の反応器に投入する。表2に記載の第1の反応器の含有物は、直列連結の第2の反応器へ流れていく。追加のモノマー、溶媒、水素、触媒−1、共触媒−1、および任意選択の、共触媒−2を第2の反応器に加える。表3は、CBC1〜CBC6の分析特性を示す。

表4は、CBC1〜CBC6のiPP/EP比率、ならびに推定結晶質ブロック複合指数を示す。
図1は、CBC2のDSCプロファイルを示す。DSCプロファイルは、129℃と113℃に溶融ピークを示し、129℃のピークは、CAOPとCAOBに特徴的なピークであり、また、113℃のピークは、CEPとCEBに対応する。観察された融解エンタルピーは、115J/gで、ガラス転移温度は、−11℃であった。
図2は、CBC2のTREF分析を示す。TREF溶出プロファイルは、CBC2が高度に結晶質であり、DSC溶融プロファイルと対照的に、CEPとCAOPまたはブロック共重合体の分離が殆ど無いか、全く無いことを示す。2.4wt%のみのパージが測定され、これもCBC2中の成分が非常に高結晶化度であることを示している。
図3は、CBC2のHTLC分析を示す。HTLCによるCBC2の溶出プロファイルは、1〜2mLの間の13.2wt%の早期溶出ピークおよび3〜5mLの間の86.8wt%の後期溶出ピークが溶出されたことを示した。濃度と組成測定から、CAOPであり、CAOBの特徴である早期溶出ピークは、単離PPであることが明らかになった。これは、存在するC3のwt%の組成プロファイルにより示される。第2のピークおよび後の溶出ピークは、C2に富み、C3の勾配を示す。このピークは、PE相であり、ブロック共重合体とCEPを含むと解釈できる。組成勾配は、ブロック共重合体が早期に溶出され、CEPが最後に溶出されることを示す。
ブロック複合体の合成
ブロック複合体試料を、結晶質ブロック複合体試料と同様の方法で二連の直列配列反応器で合成する。それぞれの場合の、第1の反応器は、約12ガロンの容量で、他方、第2の反応器は、約26ガロンであった。プロセス条件を表5に示す。
EP1およびiPP1の合成
同じ触媒と共触媒を使って、結晶質ブロック複合体およびブロック複合体として、試料EP1とiPP1を作製した。しかし、それぞれを、単一の反応器で作製した。試料EP1に対しては、DEZ流量を操作することにより最終生成物のMFRを調節した。試料iPP1を、反応器中でより高いプロピレン濃度で作成し、DEZではなく、水素を使って、最終生成物のMFRを調節した。12ガロン反応器中で試料EP1を作製し、52ガロン反応器中でiPP1を作製した。
MAHグラフト化OBC1(MAH−g−OBC1)の調製
11バレル(45L/D)を備えたZSK−92 Megacompounderを使って、MAHをINFUSE(登録商標)9807(OBC1)にグラフトする。OBC1樹脂をK−Tron T−60フィーダーで供給する。Lewaポンプを使って、MAHをバレル3、ポート1に注入する。Prominent Sigmaプランジャーポンプを使って、過酸化物/オイル混合物(50/50 wt/wt)をバレル3、ポート2に注入する。バレルの温度を、ゾーン1に対し80℃に、ゾーン2〜11に対し225℃に設定する。真空ポンプ系を使って、バレル9の揮発分除去を行う。最低でも20インチのHg柱の真空を使用する。スクリューRPMを200〜230、トルクを56%〜61%の範囲とする。OBC1の供給速度を1500lb/時間に設定する。供給配合物は、1.70%MAH、0.20%過酸化物/ミネラルオイル(50/50、wt/wt)混合物である。最終MAHグラフト化レベルは、0.95%で、MAH−g−OBC1のメルトインデックスは、8.0(2.16kg、190℃)である。
MAHグラフト化ポリマー(MAHグラフト化CBC、EP1、iPP1およびEP1とiPP1のブレンド)の調製
Coperion ZSK−25MC2軸スクリューエクストルーダーを使って反応押出成形プロセス処理を行い、ベースプラスチック樹脂を官能化する。25mm径エクストルーダーは、48の全体長さ/直径比に対し、12バレルセグメントを装備している。11個の電気加熱と水冷却により独立に制御されるバレル部を備える。K−tron Model KCLQX3ロス・イン・ウェイト・フィーダーを使って、ポリマーペレットをバレル1の主エクストルーダーホッパーに供給する。HPLC精密定量ポンプ(Alltech Model 627 HPLCポンプ)を使って、液体反応物質をエクストルーダーの3番目のバレル部に注入した。ジアルキル有機過酸化物(Luperox 101、CAS#78−63−7)を開始剤として使用する。エクストルーダーへの液体の供給物には、無水マレイン酸モノマーおよび有機過酸化物の両方を含む溶媒ブレンドを含めた。供給の正確さを改善するために、過酸化物および無水マレイン酸の両粉末をメチルエチルケトン(MEK)溶媒に溶解した。300グラムの無水マレイン酸結晶を秤量し、2リットルの密封可能蓋付きプラスチック容器に入れた。等重量のMEK溶媒を秤量し、無水マレイン酸を含む容器に加えた。ブレンドを、無水マレイン酸の溶媒への溶解を容易にするマグネット攪拌子を備えた実験室フード中に残した。実験試料無水マレイン酸/過酸化物の比率を、0.02部過酸化物と0.9部無水マレイン酸の一定比率に保持した。過酸化物とモノマーが一緒に混合される場合、時間を最小限するために、ブレンドを容積移送式ポンプの入口に移動する直前に、事前に作られたMEK/無水マレイン酸溶液に過酸化物を溶解した。HPLC注入速度を9.07g/分とし、典型的な液体注入圧を115〜160psiとした。MEK溶媒、未反応無水マレイン酸および揮発性化合物をバレル11の揮発分除去ポートにある真空系トラップシステムを介して除去した。真空系を508mmHg真空で稼働させた。GALA LPUアンダーウォーターペレタイジングシステムを使って、溶融物をペレット化した。7.2℃水温度と1700rpmのカッター速度の条件下で、2穴ダイを使用した。500rpmの固定エクストルーダースクリュー速度と55〜65%のモータートルク負荷下で、プロセスへのポリマー供給速度を6.80kg/hとした。
CBC1〜CBC4への無水マレイン酸(MAH)のグラフト化に使った配合を、表10に示す。MAHグラフト化CBC2の製造用のプロセス条件を表11に示す。CBC1およびCBC3〜CBC6に対しても、同様の条件を使った。
MAH−g−CBC2−4のIRスペクトルを図4に示す。無水物のピークが1785cm−1に認められる。MAH−g−CBC2−4の典型的なサーモグラムを図5に示す。DSCプロファイルは、CAOPとCAOBの特徴的な131℃の溶融ピーク、およびCEPとCEBに対応する113℃のピークを示す。観察された融解エンタルピーは、103J/gである。グラフト化CBC2の熱特性は、グラフト化前の元のCBC2と同等である。典型的なMAH−g−CBC2−4のHTLCを図6に示す。HTLCによるCBC2の溶出プロファイルは、29wt%の1.6〜2.2mLの間の早期溶出ピーク、および71wt%の3〜5mLの間の後期溶出ピークが溶出されるのを示す。濃度および組成測定から、早期溶出ピークは、CAOPであり、CAOBの特徴を示す単離PPであることが明らかになった。これは、存在するCのwt%の組成プロファイルにより示される。第2のピークおよび後期溶出ピークは、Cに富み、C3の勾配を示す。このピークは、PE相であり、ブロック共重合体およびCEPを含むと解釈できる。組成勾配は、ブロック共重合体が早期に溶出され、最後にCEPが溶出されることを示す。
MAH−g−CBCとMAH−g−OBC1のキャラクタリゼーションを表12に示す。実施例Aに比較して、発明の実施例1、2および5〜8は、より高い融解温度を有する。表12の全ての発明実施例は、実施例Aより高い融解エンタルピーを有し、これは、高い結晶化度に変換される。MAH−g−CBCとMAH−g−OBC1の引張特性を表13に示す。表12の発明実施例は、より高い引張係数、靱性および極限引張強さを有する。
MAH−g−CBCおよびMAH−g−iPP1/EP1ブレンドの比較
iPP1/EP1ブレンドのグラフト化プロセスは、上のCBCで記載のプロセスに同じである。iPP1およびEP1は、グラフト化前に乾式混合される。iPP1/EP1ブレンドならびにCBC5およびCBC6へのMAHグラフト化用の配合を、表14に示す。MAHグラフト化iPP1/EP1ブレンドならびにCBC5およびCBC6のキャラクタリゼーションを表15に示す。MAHグラフト化iPP1/EP1ブレンドならびにCBC5およびCBC6の引張特性を表16に示す。
46〜48wt%の合計C2含量の場合、実施例D[MAH−g−(EP1/iPP1:50/50ブレンド)]に比べて、実施例9(MAH−g−CBC5)は、より高いグラフト化レベルである。同様に、28〜29wt%の合計C2含量の場合、実施例10(MAH−g−CBC6)は、実施例E[MAH−g−(EP1/iPP1:30/70ブレンド)]より高いグラフト化レベルである。さらに明らかなのは、実施例9と10の引張特性は、極めて良好な伸び、および靱性を示すが、一方、実施例DとEは、事実上、脆性であることである。
図7は、CBC5、実施例9(MAH−g−CBC5)および実施例D[MAH−g−(EP1/iPP1:50/50ブレンド)]の、2μmの解像度および0.2μmの解像度でのTEM像を示す。適用した染色から判断すると、より暗い領域は、PEであり、より明るい領域は、PPである。CBC5および実施例9(MAH−g−CBC5)の非常に小さいPE領域サイズは、高レベルの、PPおよびPE相を相溶化させる役割を果たしたブロック共重合体の存在を強く示唆する。ナノスケールの性質は、ブロック共重合体がPE領域を減らすことに効果的であることを示す。対照的に、実施例D[MAH−g−(EP1/iPP1:50/50ブレンド)]は、一桁超大きい領域サイズの粗い相分離形態を示す。
MAH−g−BCの調製
iPP1/EP1ブレンドのグラフト化プロセスは、上のCBCの場合の記載と同様である。MAHのBCへのグラフト化に使った配合を表17に示す。MAH−g−BCのキャラクタリゼーションを表18に示す。実施例Aに比べると、発明実施例11と12は、実施例Aより高い融解温度、およびより高い融解エンタルピーを有する。
13 C標識無水マレイン酸によるグラフト化
13C標識無水マレイン酸のポリオレフィン樹脂に対するグラフト化に使った装置は、同期回転スクリューを備えたThermo Haake MiniLab RheomexモデルCTW5であった。温度設定点は、180 ℃で、スクリュー回転速度は、150RPMであった。ポリオレフィン樹脂(CBC5、CBC6、EP1、iPP1、EP1/iPP1:50/50ブレンド、またはEP1/iPP1:30/70ブレンド)をミキサーに加え、5分間溶融させた。EP1/iPP1ブレンド実験に対しては、ミキサーに添加前にペレットを環式混合した。その後、2,3−13−無水マレイン酸を添加し、2分間混合した。その後、ミネラルオイル中10wt%混合物として、2,5−ジ−t−ブチルペルオキシ−2,5−ジメチルヘキサンを加え、6分間、混合を続けた。量of各成分の量を表19に示す。反応後、集めた生成物を煮沸キシレンに溶解し、5wt%溶液を得て、その後、5倍量のメタノール中で沈殿させた。真空濾過により固形物を集め、145 ℃の真空オーブン中で乾燥した。生成物およびベース樹脂を13C NMR分光測定により分析した。
MAHグラフト化に使ったCBC5、CBC6、EP1およびiPP1の合計C2wt%を、13C NMRにより測定し、結果を表19に示す。EP1/iPP150/50:ブレンドおよびEP1/iPP1:30/70ブレンドの合計C2wt%を、13C NMRにより測定されたEP1およびiPP1のブレンド比率および合計C2wt%に基づいて計算する。エチレン/プロピレン(E/P)モル比率を、合計C2wt%から計算し、結果を表19に示す。
13C NMR分光測定法を使って、エチレン部位、プロピレン部位のどちらの場合であっても、13C−MAHのグラフト部位を決定する。13C NMRで決定されたE−グラフト/P−グラフトモル比を表19に示す。グラフト化樹脂中のE−グラフト/P−グラフトのモル比は、ベース樹脂のE/P部位の対応するモル比よりかなり大きいので、これは、エチレン部位へのグラフト化選択性があることを示す。E/Pグラフト選択性は、E−グラフト/P−グラフトモル比をE/Pモル比で除算することにより計算される。E/Pグラフト選択性が1より大きいことは、エチレン部位でのグラフト化に対する選択性があることを示す。プロピレン部位の3級C−H結合は、エチレン部位の2級C−H結合より速く過酸化物と反応することが期待されるが、前記結果から、プロピレン部位で形成される3級フリーラジカル中間体は、グラフト化よりも、より大きな分子鎖切断に対する選択性を示し、一方、2級フリーラジカル中間体は、グラフト化に対するより大きな選択性を示すことが想定される。驚くべきことに、CBCのE/Pグラフト選択性は、対応するEP1/iPP1ブレンドの選択性より大きい。グラフト選択性におけるこの対照は、CBCの特有の形態学に起因すると想定される。
MAH−g−CBC2−2およびMAH−g−CBC2−4を、それぞれ、イミド−g−CBC2−2およびイミド−g−CBC2−4に変換する。イミド−g−CBCの調製は、イミド基を有する第二級アミンペンダント型官能基の調製の特徴を示すものである。イミドは、窒素に結合した2個のカルボニル基を有する官能基である。MAH−g−CBC2の、DEDAグラフト化バージョンへの変換に使用される装置は、Thermo Haake Polylab、Model 557−9301(駆動ユニット)およびHaake Rheomix 3000p、Model 557−1306(ローラー混合ロータを装備)である。Polylab駆動ユニットおよびRheomixミキシングボウルの自動化操作の制御用、およびデータ取得用の自社開発Haakeソフトウェアを備えたウインドウズ2002上で動作するDellペンティアム4コンピュータ(Model DHM、S/N9D56K21)を使って制御を行う。
イミド−g−CBC2−4に対しては、195gのマレイン化樹脂(MAH−g−CBC2−4)を16オンスの広口ガラスジャーに秤取し、オーブン中、50℃の温度で30分間暖めた1モル無水物当たり3モル当量のDEDA(2−エチルアミノエチルアミン)/をガスタイトシリンジを使ってジャーに加える。具体的には、6.3mlのDEDA(5.23g)を加える。ジャーを振盪してアミンを分散させ、テフロン引き蓋で軽くキャップし、1時間、オーブンに戻す。ジャーを取り出し、再度振盪後、絶縁テープで蓋を固定し、二次容器として、1ガロンの広口HDPEジャグ内に入れた。ガラス瓶に茶色のクレープペーパーを詰め二次ジャー内で内容物が回転しないようにする。二次容器の蓋を絶縁テープでシールし、最大回転速度に設定したStovall動力付きロープロファイルローラー装置に乗せる。ジャーを2日間回転する。翌日調べて、まだいくつかの目視可能な「遊離した」液体が側面上に存在する場合、ジャーを2時間、50℃オーブンに戻す。実験前に、再度、試料を50℃オーブン中に少なくとも3時間入れる。
Haakeユニットを170℃に設定して平衡化し、ローターを100RPMローター速度で較正する。含浸ペレットを混合ボウルに加え、供給ラムを閉鎖位置に固定後、10分間駆動する。ボウルを開き、試料を取りだして、Teflonシート上で冷却する。生の試料(約3ミル厚さ)のフィルムをCarver水圧プレスを使って160℃でプレス成形し、FTIR(Perkin−Elmer Spectrum One)で変換をチェックする。その後、試料を真空下、120℃で一晩乾燥する。イミド−g−CBC2−4のIRスペクトルを図7に示す。無水物の(1785〜1790cm−1)のバンドは、ジアミンとの反応後、1700〜1710cm−1のイミドバンドに変換される。無水物バンドの消滅とイミドバンドの形成は、反応が完了していることを示す。
MAH−g−OBC1のイミド−g−OBC1への変換
MAH−g−OBC1のイミド−g−OBC1への変換では、190gのMAH−g−OBCを16オンス広口ガラスジャー中に秤取した後、オーブン中、50℃の温度で30分間暖める。ガスタイトシリンジを使って、6.1mlのDEDA(5.12g)をジャー中に加える。残りの作業も、MAH−g−CBC2のイミド−g−CBC2への変換の場合と同じ手続きで行う。
イミド−g−CBCおよびイミド−g−OBC1のキャラクタリゼーションを表20に示す。実施例J(イミド−g−OBC1)に比べ、発明の実施例15と16は、より高い融解温度およびより高い融解エンタルピーを有する。表20の発明実施例は、より高い引張係数、靱性および極限引張強さを有する。
シラングラフト化OBC2(VTMOS−g−OBC2)の調製
11バレル(45L/D)を備えたZSK−92 Megacompounderを使って、INFUSE(登録商標)9500(OBC2)にVTMOSをグラフト化する。K−Tron T−60フィーダーを使ってOBC2樹脂を供給する。ゾーン1とゾーン2を25℃、ゾーン3とゾーン4を190℃、ゾーン5〜8を230℃、およびゾーン9〜11を190℃のバレル温度に設定する。ダイ温度を190℃に設定する。真空ポンプ系を使って、バレル9で揮発分除去を行う。最低限でも20インチHgの真空で使う。流量測定用マイクロモーション流量計モデルCMP025を備えたAmerican Lewa、Inc.タイプEH−1ポンプを使って、VTMOS/過酸化物の混合物(20/1、wt/wt)を注入する。注入ポイントは、バレル#4である。20インチHgの真空ポンプ系を使ってバレル9で揮発分除去を行い、揮発成分と溶融物中の残余シランの濃度を最小限にする。スクリューRPMを250RPM、OBC2の供給速度を1800lb/時間に設定する。供給物配合は1.90%VTMOSおよび0.095%過酸化物である。最終VTMOSグラフト化レベルは、1.47%、VTMOS−g−OBC2のメルトインデックスは、4.9(2.16kg、190℃)である。
CBCとBCのシラングラフト化
同じ設備を使って、前に無水マレイン酸グラフト化の実施例(1〜8)で考察のように、シラングラフト化ポリマー試料の調製を行った。Coperion ZSK−25MC 2軸スクリューエクストルーダーを反応押出成形プロセスに使い、ベースプラスチック樹脂を官能化する。K−tron Model KCLQX3 ロス・イン・ウェイト・フィーダーを使って、ポリマーペレットをバレル1の主エクストルーダーホッパーに供給する。HPLC精密定量ポンプ(Alltech Model 627HPLCポンプ)を使って、液体反応物質をエクストルーダーの3番目のバレル部に注入した。ジアルキル有機過酸化物(Luperox101、CAS#78−63−7)を開始剤として使用する。エクストルーダーへの液体供給には、ビニルトリメトキシシランモノマーおよび有機過酸化物の両方を含むブレンドを含めた。時間短縮のために、過酸化物とモノマーを一緒に混合する場合は、ブレンドを容積移送式ポンプの入口に移動する直前に、過酸化物をビニルトリメトキシシランに溶解した。HPLC注入速度を4.0ml/分とした。典型的液体注入圧を2.56〜2.78MPaとした。未反応ビニルトリメトキシシランおよび揮発性化合物をバレル11の揮発分除去ポートにある真空系トラップシステムを介して除去した。真空系を508mmHg真空で動作させた。GALA LPUアンダーウォーターペレタイジングシステムを使って、溶融物をペレット化した。7.2℃の水温と3400rpmのカッター速度の条件で2穴ダイを使用した。450rpmの固定エクストルーダースクリュー速度および63〜73%のモータートルク負荷の条件下のプロセスへのポリマー供給速度を11.36kg/hとした。
VTMOSのCBCとBCへのグラフト化に使った配合を表21に示す。プロセス条件を表22に示す。シラングラフト化CBCとBCのキャラクタリゼーションを表23に示す。架橋VTMS−g−CBC、VTMS−g−BCおよびVTMS−g−OBC2のゲル比率を表24に示す。実施例K(VTMOS−g−OBC2)に比べて、発明実施例の17〜19は、より高い融解温度およびより高い融解エンタルピーを有する。また、表23の発明実施例は、より高い引張係数と極限引張強さを有する。硬化後の高ゲル比率から明らかなように、例えば、17と18で、かなりの架橋が起こっている。




本願発明は以下の発明に関するものである。
(1)
少なくとも
(A)
i)結晶質プロピレン系ブロックおよびエチレン/α−オレフィンブロックを含むブロック共重合体、
ii)結晶質プロピレン系ポリマー、および、
iii)エチレン/α−オレフィンポリマー
を含むブロック複合体と、
(B)少なくとも1種の官能化剤
とから構成される官能化オレフィン系ポリマーを含む、組成物。
(2)
少なくとも
(A)
i)結晶質プロピレン系ブロックおよび結晶質エチレン系ブロックを含むブロック共重合体、
ii)結晶質プロピレン系ポリマー、および、
iii)結晶質エチレン系ポリマー、
を含む結晶質ブロック複合体と、
(B)少なくとも1種の官能化剤
とから構成される官能化オレフィン系ポリマーを含む、組成物。
(3)
前記官能化剤が、シラン、無水マレイン酸、過酸化物、およびアミン、から選択される上記(1)に記載の組成物。
(4)
前記官能化剤が、シラン、無水マレイン酸、過酸化物、およびアミン、から選択される上記(2)に記載の組成物。

Claims (4)

  1. 少なくとも
    (A)
    i)結晶質プロピレン系ブロックおよびエチレン/α−オレフィンブロックを含むブロック共重合体、
    ii)結晶質プロピレン系ポリマー、および、
    iii)エチレン/α−オレフィンポリマー
    を含むブロック複合体と、
    (B)少なくとも1種の官能化剤
    とを反応させて得られる官能化オレフィン系ポリマーを含み、前記ブロック複合体が鎖シャトリング剤の存在下で重合される、組成物。
  2. 少なくとも
    (A)
    i)結晶質プロピレン系ブロックおよび結晶質エチレン系ブロックを含むブロック共重合体、
    ii)結晶質プロピレン系ポリマー、および、
    iii)結晶質エチレン系ポリマー、
    を含む結晶質ブロック複合体と、
    (B)少なくとも1種の官能化剤
    とを反応させて得られる官能化オレフィン系ポリマーを含み、前記ブロック複合体が鎖シャトリング剤の存在下で重合される、組成物。
  3. 前記官能化剤が、シラン、無水マレイン酸、過酸化物、およびアミン、から選択される請求項1に記載の組成物。
  4. 前記官能化剤が、シラン、無水マレイン酸、過酸化物、およびアミン、から選択される請求項2に記載の組成物。
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