JP7031287B2 - 3次元網目状構造体 - Google Patents

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Description

本発明は、変性ポリエチレンに関する。本発明はまた、この変性ポリエチレンを用いた変性ポリエチレン組成物と、この変性ポリエチレン組成物を用いた成形体、及びシラン架橋ポリエチレンに関する。
近年、熱可塑性樹脂をループ状に押出成形して得られた3次元網目状構造体を、クッション材等の緩衝材として使用した家具や、枕、ベッド用マットなどの寝具が普及しつつある。
この3次元網目状構造体は、一般的に次のようにして製造される。
即ち、熱可塑性樹脂を押出機内で溶融し、多数の孔を有するダイスから溶融した樹脂を押出成形してストランドとする。ダイスの下方には水槽が設けられており、ストランドが自然流下して水槽内に着水し、ストランドが水中に滞留すると、水による冷却で樹脂が固化し、ループ状の絡み合いを持つ3次元網目状構造体が製造される(特許文献1)。
成形に用いる熱可塑性樹脂としては、エチレン・α-オレフィン共重合体が提案されている。
熱可塑性樹脂よりなる3次元網目状構造体を用いた寝具等の緩衝材においては、高温下で変形(ヘタリ)が発生し、寝具の一部が陥没又は変形することが問題となっている。これは、3次元網目状構造体を構成する熱可塑性樹脂が、高温での荷重下において、流動又は塑性変形することに起因するものであるが、エチレン・α-オレフィン共重合体は融点が低く、融点以上で形状を保持できないため、特にこのヘタリや陥没が問題となる。
エチレン・α-オレフィン共重合体の耐熱性を高め、高温下でのヘタリの問題を改善するために、エチレン・α-オレフィン共重合体にエチレン性不飽和シラン化合物をグラフトさせた変性エチレン・α-オレフィン共重合体が特許文献2に開示されている。
国際公開第2012/035736号公報 特開2013-181117号公報
本発明者の詳細な検討により、特許文献2に記載されているような変性エチレン・α-オレフィン共重合体では、柔軟性を重視しているために、この変性エチレン・α-オレフィン共重合体とシラノール縮合触媒を含む組成物の融点は低く、やはり、高温下でのヘタリが問題となる。このため、3次元網目状構造体としての耐久性の向上、さらなるヘタリの改善が求められている。
本発明は、変性により、さらに機械物性が向上し、得られる架橋ポリエチレンの圧縮永久歪みが小さい変性ポリエチレンを提供することを目的とする。本発明はまた、この変性ポリエチレンを用いた変性ポリオレフィン組成物及び成形体とシラン架橋ポリエチレンを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、高融点の結晶領域を有すると共にJIS K6253によるA硬度が所定値以下のポリエチレンに不飽和シラン化合物を特定量グラフトさせることにより、高温で一定の歪を与えた後の残留歪を増大させることなく、従って、ヘタリが少なく、歪んだ形状を回復可能な3次元網目状構造体を提供することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]~[7]の通りである。
[1] 示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される補外結晶融解終了温度が100℃~130℃、およびJIS K6253によるA硬度が90以下の条件を満足するポリエチレンに不飽和シラン化合物が0.1~5質量%グラフト変性された変性ポリエチレン。
[2] 前記不飽和シラン化合物が下記式(1)で表される化合物である、[1]に記載の変性ポリエチレン。
RSi(R’) …(1)
(ただし、Rはエチレン性不飽和炭化水素基であり、R’は互いに独立して炭素数1~10の炭化水素基又は炭素数1~10のアルコキシ基であり、R’のうちの少なくとも1つは炭素数1~10のアルコキシ基である。)
[3] 前記ポリエチレンの密度が0.850~0.940g/cmである、[1]又は[2]に記載の変性ポリエチレン。
[4] 前記ポリエチレンがエチレン・α-オレフィン共重合体である、[1]乃至[3]のいずれかに記載の変性ポリエチレン。
[5] [1]乃至[4]のいずれかに記載の変性ポリエチレンとシラノール縮合触媒とを含む変性ポリエチレン組成物。
[6] [5]に記載の変性ポリエチレン組成物を成形してなる成形体。
[7] [5]に記載の変性ポリエチレン組成物を架橋反応させてなるシラン架橋ポリエチレン。
本発明の変性ポリエチレンは、エチレン・α-オレフィン共重合体において一般的に大きな問題である耐熱性が改善されたものであって、それ自体に残留歪があっても形状回復性に優れる。このため、本発明の変性ポリエチレンを用いた3次元網目状構造体は、電気毛布や湯たんぽなどの高温下で使用したり、高温・高湿下にさらされたりすることで、長期間の使用により発生するヘタリを低下させることができ、ヘタリ発生後も効率よく元の形状に回復させることが可能となる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下の説明は、本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。
〔変性ポリエチレン〕
本発明の変性ポリエチレンは、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される補外結晶融解終了温度が100℃~130℃、およびJIS K6253によるA硬度が90以下の条件を満足するポリエチレン(以下、「本発明のポリエチレン」と称す場合がある。)に不飽和シラン化合物が0.1~5質量%グラフト変性されたものである。
[ポリエチレン]
本発明のポリエチレンとしては、原料モノマーとしてエチレンを含むものであれば限定されず、公知のポリエチレン樹脂が適宜用いられる。
即ち、変性エチレン・α-オレフィン共重合体の耐熱性の問題について前述したが、変性エチレン・α-オレフィン共重合体に限らず、ポリエチレン全般に耐熱性の問題があり、これらは、本発明に従って補外結晶融解終了温度が100℃~130℃、及びJIS K6253によるA硬度が90以下の条件を満足するポリエチレンを用い、これを不飽和シラン化合物で変性することで、耐熱性をより改善することができる。
ポリエチレンの具体例としては、例えば、低・中・高密度ポリエチレン等の(分岐状又は直鎖状)エチレン単独重合体;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体等のエチレン・α-オレフィン共重合体;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合樹脂等が挙げられる。更に上記重合体を単独で用いるのみならず、2種類以上の重合体をブレンドして用いることも可能である。
これらの中でも本発明においては、耐熱性と強度のバランスに優れた高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・α-オレフィン共重合体が好ましく、エチレン・α-オレフィン共重合体がより好ましく、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合体、及びエチレン・1-オクテン共重合体が特に好ましい。
なお、エチレン・α-オレフィン共重合体は、1種又は2種以上のα-オレフィン2~60質量%と、エチレン40~98質量%とを共重合させたもの、即ち、α-オレフィン単位含有量が2~60質量%で、エチレン単位含有量が40~98質量%のものが好ましい。
本発明では、不飽和シラン化合物によるグラフト変性に供する原料ポリエチレンとして、示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される補外結晶融解終了温度(以下、単に「融解終了温度」と称す場合がある。)が100℃以上のものを用いる。融解終了温度が100℃より低いと残留永久歪が悪化する。この観点から、本発明のポリエチレンの融解終了温度は100℃以上であり、好ましくは105℃以上である。一方、本発明のポリエチレンの融解終了温度は135℃以下である。融解終了温度が135℃以下であると、押出機の負荷を抑え、ストランド同士は融着しやすく3次元網目状構造体としての均一性が良好となる傾向にあり、製品として性能、品質が向上しやすいために好ましい。この観点から、融解終了温度は130℃以下であることが好ましい。
ポリエチレンの融解終了温度は示差走査熱量測定器(DSC)における結晶部に由来するピークを測定することで求められる。より詳細な測定方法の具体例は後掲の実施例において示す。
本発明のポリエチレンは、JIS K6253によるA硬度(以下、単に「A硬度」と称す場合がある。)が90以下である。JIS K6253によるA硬度が90を超えるポリエチレンであると、3次元網目状構造体として硬い感触になってしまいクッションやマットレスとして不快な印象を与える。使用時の柔軟な感触の観点から、本発明のポリエチレンのA硬度は89以下であることが好ましい。一方、A硬度が過度に小さいと3次元網目状構造体としてヘタリやすいことから、本発明のポリエチレンのA硬度は50以上、特に60以上であることが好ましい。
なお、本発明においては、不飽和シラン化合物によるグラフト変性に供する原料ポリエチレンとして、1種のみを用いてもよく、モノマー組成や物性の異なるものの2種以上を用いてもよい。2種以上のポリエチレンを混合して用いる場合、融解終了温度およびA硬度は、このポリエチレン混合物に対して測定された値である。
本発明のポリエチレンは、密度(JIS K6922-1,2:1997にて測定)が通常0.850~0.940g/cmであることが好ましく、より好ましくは0.855~0.935g/cm、さらに好ましくは0.860~0.935g/cm、特に好ましくは0.860~0.910g/cmである。密度が上記上限値以下であると押出成形時にストランド同士の熱接着性が悪化しにくく、ループ状のストランドを形成しやすくなる傾向がある。また、密度が上記下限値以上では、ダイス出口で融着しにくく、やはりループ状のストランドを形成しやすくなる傾向がある。
本発明のポリエチレンのメルトフローレート(MFR)は、JIS K7210(1999)に準拠して温度190℃、荷重2.16kgの条件で測定されるメルトフローレート(MFR)で、0.1~50g/10分であることが好ましい。MFRが上記上限値よりも大きいと、複数のストランドを押出して成形する際、溶融張力が低いためストランド切れが発生するためループが安定せず、ストランド径もストランド毎に異なるものとなり、3次元網目状構造体としてストランドの絡み合いの均一性が劣り、製品としての性能、品質が低下する傾向がある。また、MFRが上記下限値よりも小さいと、押出成形時のモーター負荷、樹脂圧力が上昇し、溶融張力が高いためストランド径が増加し、溶融状態のストランドが変形しにくくループ形成が困難となる傾向がある。これらの観点から、ポリエチレンのMFRは、好ましくは1g/10分以上であり、より好ましくは2g/10分以上であり、一方、好ましくは40g/10分以下であり、より好ましくは30g/10分以下である。
上記のポリエチレンの密度及びMFRについても、2種以上のポリエチレンを用いる場合は、ポリエチレン混合物としての密度及びMFRが該当する。
本発明のポリエチレンは、市販品として入手することもできる。例えば、日本ポリエチレン社製カーネル(登録商標)シリーズ、三井化学社製タフマー(登録商標)シリーズ、東ソー社製ニポロン(登録商標)シリーズ、デュポンダウエラストマー社製エンゲージ(登録商標)シリーズ、エクソンモービル社製エクシード(登録商標)等から該当品を選択して用いることができる。
本発明のポリエチレンとしては、1種を単独で用いてもよく、上記のポリエチレンのうち、モノマー組成や物性等の異なるものの2種以上を混合して用いてもよい。
[不飽和シラン化合物]
本発明に用いる不飽和シラン化合物は限定されないが、下記式(1)で表される不飽和シラン化合物が好適に用いられる。
RSi(R’) …(1)
上記式(1)において、Rはエチレン性不飽和炭化水素基であり、R’は互いに独立して炭素数1~10の炭化水素基又は炭素数1~10のアルコキシ基であり、R’のうちの少なくとも1つは炭素数1~10のアルコキシ基である。
式(1)において、Rは好ましくは炭素数2~10のエチレン性不飽和炭化水素基であり、より好ましくは炭素数2~6のエチレン性不飽和炭化水素基である。具体的には、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基が挙げられる。
式(1)において、R’は好ましくは炭素数1~6の炭化水素基又は炭素数1~6のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1~4の炭化水素基又は炭素数1~4のアルコキシ基である。また、R’のうちの少なくとも1つは、好ましくは炭素数1~6のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1~4のアルコキシ基である。
R’の炭素数1~10の炭化水素基は脂肪族基、脂環族基、芳香族基のいずれであってもよいが、脂肪族基であることが望ましい。また、R’の炭素数1~10のアルコキシ基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよいが、直鎖状又は分岐状であることが好ましい。R’が炭化水素基の場合、具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-ブチル基、i-ブチル基、シクロヘキシル基等に代表されるアルキル基、又はフェニル基等に代表されるアリール基等が挙げられる。R’がアルコキシ基の場合、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、β-メトキシエトキシ基が挙げられる。
不飽和シラン化合物が前記式(1)で表される場合、3つのR’のうち少なくとも1つはアルコキシ基であるが、2つのR’がアルコキシ基であることが好ましく、全てのR’がアルコキシ基であることがより好ましい。
不飽和シラン化合物としては、式(1)で表されるものの中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、プロペニルトリメトキシシラン等に代表されるビニルトリアルコキシシランが望ましい。これはビニル基によってポリエチレンへの変性を可能とし、アルコキシ基によって後述の架橋反応が進行するからである。即ち、不飽和シラン化合物により変性ポリエチレンにグラフト変性されて導入されたアルコキシ基が、シラノール縮合触媒の存在下、水と反応して加水分解してシラノール基を生成させ、シラノール基同士が脱水縮合することにより、変性ポリエチレン同士が結合して架橋反応が起こる。
なお、これらの不飽和シラン化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の変性ポリエチレンは、不飽和シラン化合物の変性量(グラフト変性により変性ポリエチレンに導入された不飽和シラン化合物量)が、0.1~5質量%である。変性量が上記下限値未満の場合は、耐熱性に劣り、3次元網目状構造体とした場合に変形しやすいので好ましくない。また、変性量が上記上限値を超える場合は粘度が高くなり、押出成形時のストランド径が太くなるほか、表面荒れを起こすので好ましくない。これらをより良好なものとする観点から、不飽和シラン化合物の変性量は、好ましくは0.2質量%以上であり、より好ましくは0.3質量%以上であり、一方、好ましくは4.0質量%以下であり、より好ましくは3.0質量%以下である。
不飽和シラン化合物の変性量は、変性前のエチレンに対するグラフト変性により導入された不飽和シラン化合物の重量割合であり、サンプルを加熱燃焼させて灰化し、灰分をアルカリ融解して純水に溶解後定量し、高周波プラズマ発光分析装置を用いるICP発光分析法により確認することができる。
なお、本発明の変性ポリエチレンは、本発明の効果を損なわない範囲で不飽和シラン化合物以外の化合物を併用してグラフト変性したものであってもよい。不飽和シラン化合物以外の化合物としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸等の不飽和カルボン酸、及び、これらの酸無水物等が例示される。
[グラフト変性]
本発明の変性ポリエチレンは、上記の本発明のポリエチレンに上記の不飽和シラン化合物をグラフト変性することにより製造することができる。グラフト変性の方法には特に制限は無く、公知の手法に従って行うことができ、例えば、溶液変性、溶融変性、電子線や電離放射線の照射による固相変性、超臨界流体中での変性等が好適に用いられる。これらの中でも設備やコスト競争力に優れた溶融変性が好ましく、連続生産性に優れた押出機を用いた溶融混練変性が更に好ましい。溶融混練変性に用いられる装置としては、例えば単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ロールミキサー等が挙げられる。これらの中でも連続生産性に優れた単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機が好ましい。
一般に、ポリエチレンへの不飽和シラン化合物のグラフト変性は、ポリエチレンの炭素-水素結合を開裂させて炭素ラジカルを発生させ、これへ不飽和官能基が付加する、といったグラフト反応によって行われる。炭素ラジカルの発生源としては、上述した電子線や電離放射線の他、高温度とする方法や、有機、無機過酸化物等のラジカル発生剤を用いることで行うこともできる。コストや操作性の観点で有機過酸化物を用いることが好ましい。
変性ポリエチレンを製造する際に用いるラジカル発生剤には限定は無いが、例えば、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル及びケトンパーオキサイド群に含まれる有機過酸化物、並びにアゾ化合物等が挙げられる。
具体的には、例えば、ハイドロパーオキサイド群にはキュメンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等が含まれ、ジアルキルパーオキサイド群にはジクミルパーオキサイド、ジターシャリーブチルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジターシャリーブチルパーオキシヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジターシャリーブチルパーオキシヘキシン-3等が含まれ、ジアシルパーオキサイド群にはラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等が含まれる。パーオキシエステル群にはターシャリーパーオキシアセテート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエイト、ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等が含まれ、ケトンパーオキサイド群にはシクロヘキサノンパーオキサイド等が含まれる。アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル、メチルアゾイソブチレート等が挙げられる。
これらのラジカル発生剤は1種類を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
一般的に用いられる溶融押出変性の操作としては、上記本発明のポリエチレン、不飽和シラン化合物、及び有機過酸化物を配合、ブレンドして混練機や押出機に投入し、加熱溶融混練しながら押出しを行い、先端ダイスから出てくる溶融樹脂を水槽等で冷却して変性ポリエチレンを得るものである。
本発明のポリエチレンと不飽和シラン化合物との配合の比率としては特に制限は無いが、好ましい配合の範囲としては、ポリエチレン100質量部に対し、不飽和シラン化合物が1~10質量部である。ポリエチレンに対して不飽和シラン化合物が少なすぎると、本発明の効果を奏するために必要な所定の変性量が得られない場合があり、また多すぎると未反応の不飽和シラン化合物が多量に残留し、性能に悪影響を及ぼす可能性を生じる。
不飽和シラン化合物と有機過酸化物との配合の比率としては特に制限は無いが、好ましい配合の範囲としては、不飽和シラン化合物100質量部に対し、有機過酸化物が1~10質量部である。不飽和シラン化合物に対して有機過酸化物の量が上記下限値以上であると、十分な量のラジカルが発生して必要な所定の変性量が得られ易く、また、上記上限値以下であるとポリエチレンの劣化を抑えやすくなる傾向にある。
また、溶融押出変性条件としては、例えば単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出機においては150~300℃程度の温度で押出すことが好ましい。
[配合剤]
本発明の変性ポリエチレンには、樹脂組成物に常用されている配合剤を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。このような配合剤としては、例えば熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤、結晶核剤、防錆剤、粘度調整剤、及び顔料等を挙げることができる。
このうち、酸化防止剤、特にフェノール系、硫黄系、又はリン系の酸化防止剤を含有させるのが好ましい。酸化防止剤は、変性ポリエチレン100質量部に対して0.1~1質量部含有させるのが好ましい。
また、紫外線吸収剤や粘度調整剤を含有させてもよい。
紫外線吸収剤としては、具体的には、2-ヒドロキシ-4-ノルマル-オクチルオキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-N-オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアリゾール系;フェニルサルチレート、p-オクチルフェニルサルチレート等のサリチル酸エステル系のものが用いられる。紫外線吸収剤は、変性ポリエチレン100質量部に対して1.0~0.01質量部含有させるのが好ましい。
粘度調整剤としてはゴム配合油、具体的にはパラフィン系プロセスオイルが好ましい。粘度調整剤は、変性ポリエチレン100質量部に対して0.5~5質量部含有させるのが好ましい。
[物性]
本発明の変性ポリエチレンは、JIS K7210(1999)に準拠して190℃、2.16kg荷重にて測定したメルトフローレート(MFR)が、通常1g/10分以上、好ましくは2g/10分以上、より好ましくは3g/10分以上であり、通常100g/10分以下、好ましくは50g/10分以下、より好ましくは25g/10分以下である。MFRが前記下限値以上であると、ダイスウェル及び溶融張力が低いためストランド径が増加しにくく、3次元網状構造体の側面に沿ってループを形成しやすく、良好な反発感を持つ製品を作製しやすくなる。MFRが前記上限値以下であると、複数のストランドを押出成形する際、ストランドの吐出が安定しやすく、複数のストランドが丸まって固まった樹脂塊を形成しにくい。またループ形成及びストランドの融着が安定し、ストランド径も均一となりやすく、3次元網状構造体としての均一性が良好となり、製品としての性能、品質が向上する傾向にある。
〔変性ポリエチレン組成物〕
本発明の変性ポリエチレンとシラノール縮合触媒とを用いて変性ポリエチレン組成物とすることができる。
この変性ポリエチレン組成物は、本発明の変性ポリエチレンが流動性に優れることから、組成物としたときの流動性、成形性にも優れる。
[シラノール縮合触媒]
本発明に用いることのできるシラノール縮合触媒としては、金属有機酸塩、チタネート、ホウ酸塩、有機アミン、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、無機酸及び有機酸、並びに無機酸エステルからなる群から選択される1種以上の化合物等が挙げられる。
金属有機酸塩としては例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、酢酸第一錫、オクタン酸第一錫、ナフテン酸コバルト、オクチル酸鉛、ナフテン酸鉛、オクチル酸亜鉛、カプリル酸亜鉛、2-エチルヘキサン酸鉄、オクチル酸鉄、ステアリン酸鉄等が挙げられる。チタネートとしては例えば、チタン酸テトラブチルエステル、チタン酸テトラノニルエステル、ビス(アセチルアセトニトリル)ジ-イソプロピルチタネート等が挙げられる。有機アミンとしては例えば、エチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルソーヤアミン、テトラメチルグアニジン、ピリジン等が挙げられる。アンモニウム塩としては例えば、炭酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。ホスホニウム塩としては例えば、テトラメチルホスホニウムハイドロオキサイド等が挙げられる。無機酸及び有機酸としては例えば、硫酸、塩酸、酢酸、ステアリン酸、マレイン酸、トルエンスルホン酸、アルキルナフチルスルホン酸などのスルホン酸等が挙げられる。無機酸エステルとしては例えば、リン酸エステル等が挙げられる。
これらの中で、好ましくは金属有機酸塩、スルホン酸、リン酸エステルが挙げられ、更に好ましくは錫の金属カルボン酸塩、例えばジオクチル錫ジラウレート、アルキルナフチルスルホン酸、エチルヘキシルリン酸エステルが挙げられる。
なお、以上に挙げたシラノール縮合触媒は1種のみを用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シラノール縮合触媒の配合量としては特に限定されるものではないが、変性ポリエチレン100質量部に対し、好ましくは0.0001~0.5質量部であり、更に好ましくは0.0001~0.1質量部である。シラノール縮合触媒の配合量が上記下限値以上であると架橋反応が十分に進行し、耐熱性が良好となる傾向にあるために好ましく、上記上限値以下であると押出機内で早期架橋が起こりにくく、早期架橋によるストランド切れ、及びストランド切れによる樹脂塊が発生しにくくなる傾向があるために好ましい。
シラノール縮合触媒は、ポリオレフィンとシラノール縮合触媒とを配合したマスターバッチとして用いることが好ましい。このマスターバッチに用いることのできるポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびプロピレン-エチレン共重合体が挙げられる。
ポリエチレンとしては、例えば、低・中・高密度ポリエチレン等の(分岐状又は直鎖状)エチレン単独重合体;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体等のエチレン・α-オレフィン共重合体;エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のエチレン系共重合樹脂等が挙げられる。
ポリプロピレンとしては、ランダム、ブロック、またはホモポリプロピレンが挙げられ、この中でもランダムポリプロピレンが好ましい。
プロピレン・エチレン共重合体としては、高融点の観点からエチレン5~20質量%とプロピレン95~80質量%とを共重合させたものが好ましい。
これらの中でも本発明においては、耐熱性と強度のバランスに優れた高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・α-オレフィン共重合体が好ましい。エチレン・α-オレフィン共重合体としては、より好ましくはエチレン・1-ブテン共重合体、エチレン・4-メチル-1-ペンテン共重合体、エチレン・1-ヘキセン共重合体、エチレン・1-オクテン共重合体等のエチレン・α-オレフィン共重合体であり、このエチレン・α-オレフィン共重合体は、1種又は2種以上のα-オレフィン2~60質量%と、エチレン40~98質量%とを共重合させたものであることがより好ましい。
シラノール縮合触媒のマスターバッチには、これらのポリオレフィンの1種のみを用いてもよく、2種以上をブレンドして用いてもよい。
シラノール縮合触媒を、ポリオレフィンとシラノール縮合触媒とを配合したマスターバッチとして用いる場合、マスターバッチ中のシラノール縮合触媒の含有量には特に制限は無いが、通常0.1~5.0質量%程度とすることが好ましい。
シラノール縮合触媒含有マスターバッチとしては市販品を用いることができ、例えば、三菱化学(株)製「LZ082」を用いることができる。
[その他の成分]
本発明の変性ポリエチレン組成物には、本発明の変性ポリエチレン、及びシラノール縮合触媒以外に、その他の成分として各種の添加剤や変性ポリエチレン及び触媒マスターバッチ中のポリオレフィン以外の樹脂等を、本発明の効果を損なわない範囲で含有させることができる。
そのような例としては、接着性、相溶性を改善するために、粘着付与剤として熱可塑性固形樹脂や固形状ゴム、液状樹脂、軟化剤、可塑剤等を含有させることが挙げられる。例えば、ロジンとその誘導体、テルペン樹脂や石油樹脂とその誘導体、アルキッド樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂、クマロンインデン樹脂、合成テルペン樹脂、アルキレン樹脂、ポリイソブチレン、ポリブタジエン、ポリブテン、イソブチレンとブタジエンの共重合物、鉱油、プロセスオイル、パイン油、アントラセン油、松根油、可塑剤、動植物油、重合油等を含有させることができる。
また、前述の変性ポリエチレンに配合し得る配合剤を含有させることができる。
〔シラン架橋ポリエチレン〕
本発明の変性ポリエチレンとシラノール縮合触媒を含む本発明の変性ポリエチレン組成物を押出成形、射出成形、プレス成形等の各種成形方法により成形した後、水雰囲気中に曝すことにより、シラノール基間の架橋反応を進行させ、シラン架橋ポリエチレンとすることができる。水雰囲気中に曝す方法は、各種の条件を採用することができ、水分を含む空気中に放置する方法、水蒸気を含む空気を送風する方法、水浴中に浸漬する方法、温水を霧状に散水させる方法等が挙げられる。
本発明の変性ポリエチレン組成物は、ポリエチレンのグラフト変性に用いた不飽和シラン化合物由来の加水分解可能なアルコキシ基がシラノール縮合触媒の存在下、水と反応して加水分解することによりシラノール基が生成し、更にシラノール基同士が脱水縮合することにより、架橋反応が進行し、変性ポリエチレン同士が結合してシラン架橋ポリエチレンを生成する。
架橋反応の進行速度は水雰囲気中に曝す条件によって決まるが、通常20~130℃の温度範囲、かつ10分~1週間の範囲で曝せばよい。特に好ましい条件は、20~130℃の温度範囲、1時間~160時間の範囲である。水分を含む空気を使用する場合、相対湿度は1~100%の範囲から選択される。
シラン架橋ポリエチレンが長期間に亘って優れた特性を発揮するために、本発明のシラン架橋ポリエチレンは、ゲル分率(架橋度:JIS K6796にて測定)は通常30~90%であることが好ましく、より好ましくは32~80%、さらに好ましくは35~50%である。ゲル分率が上記上限値以下であると押出成形時にストランドが太くなりにくく、優れたクッション性の3次元網目状構造体を効率よく形成しやすくなる傾向がある。また、ゲル分率が上記下限値以上では、シラン架橋が十分に進行し、高温での荷重下でもヘタリの問題がなく、耐熱性に優れた3次元網目状構造体を形成しやすくなる傾向がある。シラン架橋ポリエチレンのゲル分率は、変性ポリエチレンの不飽和シラン化合物のグラフト率(変性量)、シラノール縮合触媒の種類と配合量、架橋させる際の条件(温度、時間)等を変えることにより、調整することができる。
シラン架橋ポリエチレンのゲル分率は、後掲の実施例の項に記載される方法で測定することができる。
本発明の変性ポリエチレンとシラノール縮合触媒とを含む本発明の変性ポリエチレン組成物は、これを押出成形してストランドとし、次いでこのストランド同士を熱融着してから、水冷却することにより、3次元網目状構造体とすることができる。例えば国際公開第2012/035736号に記載されているような製造装置及び成形方法により、変性ポリエチレン組成物を3次元網目状構造体に成形することができる。このようにして得られた3次元網目状構造体は前述したように水雰囲気に曝し、シラン架橋ポリエチレンとして用いることが好ましい。
特に、本発明の変性ポリエチレン組成物は成形時には架橋せずに成形することができるため、成形直後のループ性、熱接着性等特殊な成形性を必要とする3次元網目状構造体を効率よく成形することができ、しかも得られた成形品は、エチレン・α-オレフィン共重合体等のポリエチレンの大きな課題である耐熱性が改善されていることから、高温での荷重下でもヘタリの問題がなく、優れたクッション性を示す3次元網目状構造体を提供することができる。
〔用途〕
本発明の変性ポリエチレン、変性ポリエチレン組成物及びシラン架橋ポリエチレンの用途は特に限定されないが、家具、ベッド用マット、枕等の寝具;車両用、船舶などの乗物用座席等のクッション材として好適に用いることができる。なお、これらの用途に適用される場合、前述の3次元網目状構造体として用いることが好ましい。この3次元網目状構造体は、必要に応じて、他の材料との積層体として用いることもできる。
ただし、本発明の成形体は何ら3次元網目状構造体に限定されるものではない。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。また、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味を持つものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
〔原料〕
本発明の実施例及び比較例では、以下の原料を用いた。
<ポリエチレン>
・PE-1:ニポロン(登録商標)HM510R(東ソー社製、エチレン・1-ヘキセン共重合体、MFR:12g/10分(190℃、2.16kg荷重)、密度:0.905g/cm、融解終了温度:98℃、A硬度:92)
・PE-2:インフューズ(登録商標) 9807(ダウデュポンエラストマー社製、エチレン・1-オクテン共重合体、MFR:8g/10分(190℃、2.16kg荷重)、密度:0.866g/cm、融解終了温度:125℃、A硬度:61)
[触媒マスターバッチ(MB)]
・触媒MB:LZ082(三菱化学社製、錫触媒(ジオクチル錫ジラウレート)を下記物性の線状低密度ポリエチレン中に1質量%含有するもの)を使用した。
(線状低密度ポリエチレンの物性)
MFR:4g/10分(190℃、2.16kg荷重)
密度:0.900g/cm
融点:90℃
[測定・評価方法]
各種物性、特性の測定・評価方法は以下の通りである。
<ポリエチレン及び変性ポリエチレンの測定>
(融解終了温度)
(株)日立ハイテクサイエンス社製の示差走査熱量計、商品名「DSC6220」を用いて、JIS K7121に準じて、試料約5mgを加熱速度100℃/分で20℃から200℃まで昇温し、200℃で3分間保持した後、冷却速度10℃/分で-10℃まで降温し、その後、加熱速度10℃/分で200℃まで昇温した時に測定されたサーモグラムから補外ピーク終了点(℃)を算出し融解終了温度とした。
(A硬度)
JIS K6253に準拠して、高分子計器社製ASKER CL-150にて測定した。
(メルトフローレート(MFR))
JIS K7210(1999)に準拠して、190℃、2.16kg荷重にて測定した。
(変性量)
シラン変性ポリエチレンを加熱燃焼させ灰化し、灰分をアルカリ融解して純水に溶解後定量し、高周波プラズマ発光分析装置(島津製作所社製ICPS7510)を用いてICI発光分析法によりグラフト変性により導入された不飽和シラン化合物量の定量を行った。
<シラン架橋ポリエチレンの評価>
(ゲル分率)
キシレン沸点にて10時間ソックスレー抽出した後の不溶分の質量%を測定した。
(圧縮永久歪み)
製造されたシート状の成形品を直径30mmの円形状に打ち抜き、これを6枚重ね、JIS K6262に準拠して、スペーサーにより25%圧縮した状態で、23℃で24時間、次いで表1に示す試験温度(20℃、50℃又は70℃)で22時間熱処理を行い、圧縮をとき、処理後23℃の恒温室に30分放置した後、厚さを測定し、圧縮永久歪み(CS:単位%)を計算した。圧縮永久歪みの値は低い方が良好である。
(形状回復後の永久歪)
上記圧縮永久歪みの測定において、70℃で圧縮永久歪を測定したサンプルを無荷重で85℃・85%Rhの条件で3時間保管し形状回復させた。その後、23℃の恒温室に30分放置し、厚さを測定し形状回復後の永久歪(単位%)を計算した。形状回復後の永久歪の値は低い方が良好である。
[実施例及び比較例]
<実施例1>
ポリエチレンとしてPE-1を75質量部、およびPE-2を25質量部用い、不飽和シラン化合物としてビニルトリメトキシシラン(VTMOS)2.0質量部と、有機過酸化物としてジクミルパーオキサイド0.2量部をブレンダーにて攪拌した。その後、温度220℃に設定された二軸スクリュー押出機(池貝社製、PCM45)に投入し、ノズルより出てきたストランドを水槽にて冷却固化させた後にペレット状にカッティングして変性ポリエチレン-Aを得た。得られた変性ポリエチレン-Aの物性を表-1に示す。
上記で得られた変性ポリエチレン-A100質量部に対して、触媒MBとしてLZ082を5質量部加えて変性ポリエチレン組成物-Aを得た。これを射出成形機により200℃の条件下で成形し、80℃の温水に24時間浸してシラン架橋ポリエチレン-Aよりなる厚さ2mmのシート状成形品を製造した。得られたシラン架橋ポリエチレン-Aのゲル分率、圧縮永久歪み、形状回復後の永久歪を評価した。結果を表-1に示す。
<実施例2>
ポリエチレンとしてPE-1を50質量部およびPE-2を50質量部用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、変性ポリエチレン-Bを得た。変性ポリエチレン-Bを用い実施例1と同様な操作を行い変性ポリエチレン組成物-Bを製造し、更に、シラン架橋ポリエチレン-Bを製造した。
変性ポリエチレン-B及びシラン架橋ポリエチレン-Bについて評価を行った結果を表-1に示す。
<実施例3>
ポリエチレンとしてPE-1を25質量部およびPE-2を75質量部用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、変性ポリエチレン-Cを得た。変性ポリエチレン-Bを用い実施例1と同様な操作を行い変性ポリエチレン組成物-Cを製造し、更に、シラン架橋ポリエチレン-Cを製造した。
変性ポリエチレン-C及びシラン架橋ポリエチレン-Cについて評価を行った結果を表-1に示す。
<実施例4>
ポリエチレンとしてPE-2を100質量部用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、変性ポリエチレン-Dを得た。変性ポリエチレン-Dを用い実施例1と同様な操作を行い変性ポリエチレン組成物-Dを製造し、更に、シラン架橋ポリエチレン-Dを製造した。
変性ポリエチレン-D及びシラン架橋ポリエチレン-Dについて評価を行った結果を表-1に示す。
<比較例1>
ポリエチレンとしてPE-1を100質量部用い、VTMOS、有機過酸化物を用いない以外は、実施例1と同様の操作を行い、非変性ポリエチレン-Eを得た。非変性ポリエチレン-Eを用い、触媒MB:LZ082を用いない以外は実施例1と同様の操作を行い非架橋ポリエチレン組成物-Eを製造し、更に、非架橋ポリエチレン-Eを製造した。
非変性ポリエチレン-E及び非架橋ポリエチレン-Eについて評価を行った結果を表-1に示す。
<比較例2>
ポリエチレンとしてPE-1を100質量部用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、変性ポリエチレン-Fを得た。変性ポリエチレン-Fを用い実施例1と同様の操作を行い変性ポリエチレン組成物-Fを製造し、更に、シラン架橋ポリエチレン-Fを製造した。
変性ポリエチレン-F及びシラン架橋ポリエチレン-Fについて評価を行った結果を表-1に示す。
Figure 0007031287000001
上記の結果より次のことが分かる。
実施例1~4に示すように、融解終了温度100~130℃で、A硬度90以下のポリエチレンを用いた変性ポリエチレンは高いMFRを示し、これらの変性ポリエチレンを用いたシラン架橋ポリエチレンは20℃、50℃および70℃で低い圧縮永久歪みを示し、さらに、形状回復後の永久歪も低い値を示した。実施例1~4の変性ポリエチレンは、流動性に優れるため、樹脂圧が低いなど優れた成形性を期待できる。また、実施例1~4のシラン架橋ポリエチレンは圧縮永久歪も低いため、ヘタリ難い3次元網目状構造体を成形でき、さらに形状回復後の永久歪も低いため、熱水消毒などの熱水処理でもヘタリが回復しやすい3次元網目状構造体を与えるものであることが分かる。
実施例1~4の変性ポリエチレンは圧縮永久歪が小さく、形状回復後の永久歪も小さいため、耐久性、耐熱性、および形状回復性に優れるものである。
一方、比較例1のように、融点が100℃未満、A硬度90超のポリエチレンを用いた非変性ポリエチレンの場合は、圧縮永久歪も形状回復後の永久歪も大きい。
このポリエチレンをシラン変性した比較例1の変性ポリエチレンも、圧縮永久歪も形状回復後の永久歪も大きい。
このため、これらは、歪が残りやすく耐久性、および耐熱性に劣る。
以上のことから、高融点及び低硬度のポリエチレンを用いたシラン変性ポリエチレンから、圧縮永久歪みの小さい、形状復元性に優れるシラン架橋ポリエチレンを製造することができることが分かる。
本発明の変性ポリエチレンは耐久性、耐熱性に優れるため、加温条件下でも圧縮永久歪みが小さく、使用による陥没やヘタリが発生しにくいシラン架橋ポリエチレンを与えることができる。また、本発明の変性ポリエチレンは形状回復性に優れるため、消毒工程などの熱水処理でヘタリを回復しやすい3次元網目状構造体を製造することが可能となる。このため、本発明の変性ポリエチレン、変性ポリエチレン組成物及びシラン架橋ポリエチレンは、家具、ベッド用マット、枕等の寝具;車両用、船舶用座席等のクッション材の構成材料として好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. 示差走査熱量測定における加熱速度10℃/分で測定される補外結晶融解終了温度が100℃~130℃、およびJIS K6253によるA硬度が60以上90以下の条件を満足するエチレン・α-オレフィン共重合体に不飽和シラン化合物が0.1~5質量%グラフト変性された変性ポリエチレンと、
    シラノール縮合触媒とを含む変性ポリエチレン組成物を架橋反応させたシラン架橋ポリエチレンよりなる3次元網目状構造体であって、
    該シラン架橋ポリエチレンをキシレン沸点にて10時間ソックスレー抽出した後の不溶分であるゲル分率が35~50%である3次元網目状構造体。
  2. 前記不飽和シラン化合物が下記式(1)で表される化合物である、請求項1に記載の3次元網目状構造体
    RSi(R’) …(1)
    (ただし、Rはエチレン性不飽和炭化水素基であり、R’は互いに独立して炭素数1~10の炭化水素基又は炭素数1~10のアルコキシ基であり、R’のうちの少なくとも1つは炭素数1~10のアルコキシ基である。)
  3. 前記エチレン・α-オレフィン共重合体の密度が0.850~0.940g/cmである、請求項1又は2に記載の3次元網目状構造体
  4. 前記変性ポリエチレン組成物の押出成形ストランド同士の熱融着物を前記架橋反応させてなる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の3次元網目状構造体。
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