JP6083257B2 - 難燃性ポリオレフィン樹脂組成物 - Google Patents
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Description
ポリオレフィン系の難燃性樹脂組成物における上記の問題点を解決するために耐熱性を向上させる手法としては、樹脂組成物を電子線照射、化学架橋、水架橋などの方法で架橋させる方法が知られている(例えば特許文献2、3参照)。このうち、水架橋法は、電子線照射法や化学架橋法に比べ、特殊な架橋設備が不要であり、簡便に架橋することが可能であるため好適に用いられている。
特許文献4では、ポリオレフィン系の難燃性樹脂組成物の耐油性及び柔軟性を改良する方法として、結晶性ポリオレフィン、過酸化物架橋型のエラストマー、金属水和物等からなる樹脂組成物を有機過酸化物で架橋する方法が開示されている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、強度や伸度などの力学特性、耐熱性、柔軟性、難燃性に優れ、しかも耐油性、特に高温下での耐油性に優れた難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を提供することにある。また、本発明の目的は、力学特性、耐熱性、柔軟性、難燃性及び耐油性に優れ、電線被覆用樹脂として好適な難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を提供することにある。
[1]熱可塑性樹脂及び金属水酸化物を含有する樹脂組成物を架橋してなる難燃性ポリオレフィン樹脂組成物であって、該熱可塑性樹脂が架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーを含有し、該架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーが、オレフィン系熱可塑性エラストマーをシラン化合物でグラフト変性したものであり、該オレフィン系熱可塑性エラストマーの融点ピーク温度が120℃以上であり、架橋後の該熱可塑性樹脂のゲル含率が30質量%以上であることを特徴とする難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
[2]オレフィン系熱可塑性エラストマーが、プロピレン並びにエチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンを重合成分として含有する重合体であり、かつo−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出分が全溶出量に対して10〜60質量%である、[1]に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
[3]金属水酸化物の含有量が、難燃性ポリオレフィン樹脂組成物の全質量に対して40質量%以上である、[1]又は[2]に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
[4]熱可塑性樹脂が、さらにエチレン・酢酸ビニル共重合体を含有する、[1]乃至[3]の何れかに記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
[5][1]乃至[4]の何れかに記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形品。
[6][1]乃至[4]の何れかに記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を被覆してなることを特徴とする電線。
本発明における熱可塑性樹脂は、架橋が可能な熱可塑性樹脂、すなわち以下に詳述する架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーを少なくとも含有する。
本発明おいて、架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーとは、架橋反応が可能であるが、未だ架橋されていない重合体(樹脂)を意味する。すなわち、架橋することによって得られる本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を構成する原料としての、架橋前のオレフィン系熱可塑性エラストマーを意味する。
ここで、架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーの架橋度は0である必要は無く、実質的に溶融成形可能な程度の熱可塑性を有していればよい。具体的には、架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーの架橋度は、後述する測定方法におけるゲル含率として、通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下であり、下限は0質量%である。
なお、融点ピ−ク温度は一般的にはJIS K7121に準拠して示差走査熱量計(DSC)で測定される値である。
かかる性質をもつオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることにより、後述するとおり、本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物の柔軟性と耐油性が良好となる。
溶出温度(℃):0,5,10,15,20,25,30,35,40,45,49,52,55,58,61,64,67,70,73,76,79,82,85,88,91,94,97,100,102,120,140。
具体的には、例えば、一段目でプロピレン単独重合体またはプロピレンと少量のエチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンとのランダム共重合体を製造後、二段目以降でプロピレンとエチレンおよび/または炭素数4〜8の他のα−オレフィンのランダム共重合体を製造する、少なくとも二段以上の逐次重合方法;プロピレン単独重合体またはプロピレンと少量のエチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンのランダム共重合体と、エチレンと炭素数4〜8のα−オレフィンとのランダム共重合体、またはエチレンおよび/または炭素数4〜8とプロピレンとのランダム共重合体をそれぞれ別に重合したものをブレンドする方法等が挙げられる。これら方法としては、少なくとも二段以上の逐次重合方法が好ましい。
R1SiR2 nY3−n
(式中、R1はエチレン性不飽和炭化水素基を示し、R2は炭化水素基を示し、Yは加水分解可能な有機基を示し、nは0〜2の整数である。)
で表される化合物が挙げられる。
ここで、シラングラフトエラストマーのグラフト量の測定は、赤外吸収スペクトル、1H−NMR、高周波プラズマ発光分析装置(ICP)等を用いた分析法により確認することができる。
なお、MFRは、JIS K7210に準拠して温度230℃、荷重21.18Nで測定することができる。
本発明において金属水酸化物は、本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物に難燃作用を付与するために用いる。
金属水酸化物の種類は特に限定されないが、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カリウム、ハイドロタルサイト等が挙げられる。中でも、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが好適に用いられる。これらの金属水酸化物は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の組合と比率で併用してもよい。
また、金属水酸化物の平均粒子径は、機械的特性、分散性、難燃性の点から4μm以下のものが好適である。
本発明において架橋触媒は、上記の架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーを架橋するために用いる。
架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーとしてシラングラフトエラストマーを用い、架橋方法として水架橋を行う場合、架橋触媒としては、触媒の存在下に水分と接触させてオレフィン系熱可塑性エラストマー内に架橋構造を形成させることができる化合物、いわゆるシラノール縮合触媒が選択される。
架橋触媒のマスターバッチは市販品を用いることもでき、例えば、三菱化学社製の「リンクロン触媒マスターバッチ」(商品名)から選択して用いることができる。
本発明では、架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーの他に、架橋性ではないオレフィン系熱可塑性エラストマーやポリオレフィン樹脂(以下、「その他のポリオレフィン樹脂」ということがある。)を併用することができる。このような「その他のポリオレフィン樹脂」も、本発明における前記熱可塑性樹脂に包含されるものである。
その他のポリオレフィン樹脂を前記範囲の使用量で用いた場合、加工性や得られる成形品の外観、諸物性が良好となる場合があるが、前記範囲を超えて用いた場合は、耐熱性や難燃性が低下する場合がある。
本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物には、本発明の効果を著しく妨げない範囲で、上述の成分以外の樹脂を、「その他の樹脂」として必要に応じて用いてもよい。その他の樹脂は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の組合せと比率で併用してもよい。
なお、前記の「その他のポリオレフィン樹脂」のみならず、このような「その他の樹脂」も、本発明における前記熱可塑性樹脂に包含されるものである。
ブロックQは、重合後に有する二重結合を水素添加した水素添加誘導体であってもよい。ブロックQの水素添加率は特に限定されないが、50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%がより好ましい。ブロックQを前記範囲で水素添加することにより、本発明の樹脂組成物の熱安定性が向上する傾向にある。なお、ブロックPが、原料としてジエン成分を用いた場合についても同様である。水素添加率は、13C−NMRにより測定することができる。
P−(Q−P)m (1)
(P−Q)n (2)
(式中、Pは重合体ブロックPを示し、Qは重合体ブロックQを示し、mは1〜5の整数を示し、nは2〜5の整数を示す。)
本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物には、本発明の効果を著しく妨げない範囲で、上述の成分以外の添加剤等を、「その他の成分」として必要に応じて用いてもよい。その他の成分は、1種類のみを用いても、2種類以上を任意の組合せと比率で併用してもよい。
なお、炭化水素系ゴム用軟化剤は、上述の各種軟化剤の何れか1種のみを用いても、2種以上を任意の組合せと比率で併用してもよい。
炭化水素系ゴム用軟化剤の引火点(COC法)は特に限定されないが、好ましくは200℃以上、より好ましくは250℃以上である。
また、炭化水素系ゴム用軟化剤の含有量は特に限定されないが、金属水酸化物を除く全成分に対し、上限が通常35質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは25質量%以下であり、下限が通常0.5質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上である。
本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物は、架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマー、金属水酸化物、必要に応じて用いる架橋触媒を同時に又は任意の順序で混合した後、これを架橋することによって製造することができる。
混合方法は具体的には、(1)架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーと金属水酸化物を先に混合し、架橋触媒を後に加える方法、(2)架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーと架橋触媒を先に混合し、金属水酸化物を後に加える方法、(3)全てを一括して混合する方法などがある。
なお、その他の成分は、均一に分散させることができればどのタイミングで加えてもよい。
なお、本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物は、架橋処理前の樹脂組成物においても、230℃、21.2N荷重でのメルトフローレート(MFR)の測定が困難な場合がある。しかしながら、異形押出を含む押出成形や圧縮成形等の種々の成形に十分な程度の流動性を有している。
本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を水架橋によって得る場合は、通常、水分と接触させることにより樹脂組成物内に架橋構造を形成させる。水架橋処理は、常温〜200℃程度、通常は常温〜100℃程度の液状又は蒸気状の水に、通常10秒〜1週間程度、好ましくは1分〜1日程度接触させることによりなされるが、このような処理を行わなくても空気中の水分によって架橋させることができる。
上記のとおり架橋させることによって、難燃性、機械的特性、耐油性等に優れた本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を得ることができる。
ここで架橋後の熱可塑性樹脂中のゲル含率とは、難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を構成する樹脂成分中のゲル含率を意味する。すなわち、難燃性ポリオレフィン樹脂組成物から樹脂以外の成分(金属水酸化物やその他の成分等)を除外した残分である樹脂成分を100質量%とした際のゲル含率をいう。
なお、架橋後の熱可塑性樹脂中のゲル含率は、上記のとおり、30質量%以上であるが、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは40質量%以上である。
また、架橋後の熱可塑性樹脂中のゲル含率の上限は特に限定されず、100質量%であってもよいが、加工性の観点から、好ましくは85質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーの架橋後のゲル含率が前記範囲内であると、加工性、耐油性が良好となる傾向にある。
また、本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物の引張伸度(破断伸度)は、100%以上であることが好ましい。難燃性ポリオレフィン樹脂組成物の引張伸度が前記範囲であることにより、電線被覆の用途に好適に用いることができる。
ここで引張強度や引張伸度は、JIS C−3005に準拠し、3号ダンベル試験片を用い、引張速度200mm/分で試験を行った際の引張特性をいうものとする。
ここで引張強度残率、引張伸度残率とは、オイルに浸漬しない引張試験の値を基準(100%)とし、引張強度、引張伸度の各々についてその保持率を算出た値を意味する。
本発明の成型品は、本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を成形してなるものであり、また本発明の電線は本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を被覆してなるものである。
また、本発明の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を被覆用樹脂として電線を調製する方法も特に限定されず、それ自体既知の材料および方法を用いて行えばよい。
架橋性樹脂の製造には、以下の原料を使用した。
<オレフィン系熱可塑エラストマー>
オレフィン系熱可塑エラストマー−1;三菱化学社製、「ゼラス 5013」〔密度:0.88g/cm3、MFR(230℃、21.2N荷重):0.8g/10分)、o−ジクロロベンゼン(0℃)溶出分:全溶出量に対して44質量%、融点ピーク温度:164℃〕。
オレフィン系熱可塑エラストマー−2;LyondellBasell社製、「キャタロイ Q300F」〔密度:0.89g/cm3、MFR(230℃、21.2N荷重):0.8g/10分、o−ジクロロベンゼン(0℃)溶出分:全溶出量に対して42質量%、融点ピーク温度:141℃〕。
ポリエチレン:エチレン・1−ブテン共重合体;ダウケミカル社製、「エンゲージENR 7256」〔密度:0.885g/cm3、MFR(190℃、21.2N荷重):2g/10分)、o−ジクロロベンゼン(0℃)溶出分:全溶出量に対して3質量%、融点ピーク温度:75℃〕。
ビニルトリメトキシシラン;信越化学社製。
パーオキサイド−1:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート;日油社製、「パーブチルO」。
パーオキサイド−2:ジ−t−ブチルパーオキシド;日油社製、「パーブチルD」。
オレフィン系熱可塑エラストマー−1 100質量部に対し、不飽和シラン化合物を4質量部、ラジカル発生剤を0.5質量部添加して配合し、これを26mmφの2軸押出機(L/D=49、フルフライトスクリュー)にて押出樹脂温度200℃で押出した。押出したストランドをペレタイザーでペレット化して「架橋性オレフィン系熱可塑エラストマー−1」を製造した。
オレフィン系熱可塑エラストマー−1をオレフィン系熱可塑エラストマー−2に変更した以外は、架橋性オレフィン系熱可塑エラストマー−1と同様の方法で「架橋性オレフィン系熱可塑エラストマー−2」を製造した。
ポリエチレン100質量部に対し、不飽和シラン化合物を2質量部、ラジカル発生剤を0.044質量部添加して配合し、これを26mmφの2軸押出機(L/D=49、フルフライトスクリュー)にて押出樹脂温度200℃で押出した。押出したストランドをペレタイザーでペレット化して「架橋性ポリエチレン−1」を製造した。
実施例及び比較例の樹脂組成物の製造には、上記の原料とともに、以下の原料を使用した。
ランダム共重合ポリプロピレン;日本ポリプロピレン社製、「ノバテックPP EG6D」〔密度:0.90g/cm3、MFR(230℃、21.2N荷重):1.9g/10分、o−ジクロロベンゼン(0℃)溶出分:全溶出量に対して3質量%、融点ピーク温度:143℃〕。
水酸化マグネシウム;神島化学工業社製〔平均粒径1.0μm、シランカップリング剤表面処理品〕。
表1に記載の通りの配合割合で、架橋触媒を除く全ての原料を混合したものを、バンバリー混練機(神戸製鋼所社製、BB−4(3L))を用い、回転数90rpmで樹脂温度200℃に達するまで溶融混練した後、FR押出機(モリヤマ社製)を用いペレット化して樹脂組成物を製造した。
得られた樹脂組成物100質量部に対して架橋触媒マスターバッチ3質量部を配合した後、単軸押出機を用いて200℃で押出成形し、幅50mm×厚さ1mmの押出シート(架橋前の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物)を得た。
得られた押出シートを、80℃の温水に24時間浸漬することによって水架橋処理を行い、難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を得た。得られた難燃性ポリオレフィン樹脂組成物の架橋シートについて、以下の方法にてゲル含率、引張試験、耐油試験を行った結果を表1に示す。なお、表1中「o−ジクロロベンゼン(0℃)溶出分」は変性前の値である。
架橋処理を行った押出シートを144℃の沸騰キシレン中で10時間ソックスレー抽出を行った。次いで、溶解しなかった樹脂を乾燥後に質量を測定し、ソックスレー抽出前のサンプル質量に対する抽出されない樹脂の割合(質量%)としてゲル含率を算出した。なお、樹脂以外の成分については、原料配合割合に基づき、ゲル含率の計算から除外した。
架橋処理を行った押出シート(厚さ1mm)を用い、JIS C−3005に準拠して引張強度及び引張伸度の測定を行った。試験片は3号ダンベルを用い、引張速度は200mm/分とした。
引張強度、引張伸度の何れも値が高い方が好ましいが、引張強度は10MPa以上を合格とし、引張伸度は100%以上を合格とした。
架橋処理を行った押出シート(厚さ1mm)から打ち抜き作成した3号ダンベル片を121℃に調整したオイル(サンオイル社製、IRM902)に18時間浸漬した。その後、付着した油分を拭き取り、23℃、50%RHの環境下に24時間保持した後、JIS C−3005に準拠して引張強度及び引張伸度の測定を行った。引張速度は200mm/分とした。
オイルに浸漬しない引張試験の値を基準(100%)とし、引張強度、引張伸度の各々についてその保持率を算出し、それぞれ引張強度残率、引張伸度残率とした。引張強度残率、引張伸度残率の何れも、値が高い方が好ましいが、引張強度残率は35%以上を合格とし、引張伸度残率は40%以上を合格とした。なお、引張強度残率は40%以上、引張伸度残率は60%以上であることが更に好ましい。
Claims (6)
- 熱可塑性樹脂及び金属水酸化物を含有する樹脂組成物を架橋してなる難燃性ポリオレフィン樹脂組成物であって、
該熱可塑性樹脂が架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーを含有し、
該架橋性オレフィン系熱可塑性エラストマーが、オレフィン系熱可塑性エラストマーをシラン化合物でグラフト変性したものであり、該オレフィン系熱可塑性エラストマーの融点ピーク温度が120℃以上であり、架橋後の該熱可塑性樹脂のゲル含率が30質量%以上であることを特徴とする難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。 - オレフィン系熱可塑性エラストマーが、プロピレン並びにエチレンおよび/または炭素数4〜8のα−オレフィンを重合成分として含有する重合体であり、かつo−ジクロロベンゼンを溶媒として用いた温度0〜140℃の間の温度上昇溶離分別における0℃での溶出分が全溶出量に対して10〜60質量%である、請求項1に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
- 金属水酸化物の含有量が、難燃性ポリオレフィン樹脂組成物の全質量に対して40質量%以上である、請求項1又は2に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
- 熱可塑性樹脂が、さらにエチレン・酢酸ビニル共重合体を含有する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物。
- 請求項1乃至4の何れか1項に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を成形してなることを特徴とする成形品。
- 請求項1乃至4の何れか1項に記載の難燃性ポリオレフィン樹脂組成物を被覆してなることを特徴とする電線。
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