JP6339732B1 - 空気流搬送装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬送用の補助部材が不要であり、紙葉類等のような被搬送物の変形を防ぎながら、被搬送物を空気流により安定して搬送できる空気流搬送装置を提供する。【解決手段】空気流搬送装置1は、搬送路110に沿って搬送される被搬送物Sの両主面S1と夫々並行する2つの主内壁としての第一内壁101を有した搬送管100と、搬送路110の一方から他方に向かう主搬送気流10を搬送路110内に発生させる気流発生装置20と、各第一内壁101との間に所定のギャップを隔てて夫々対向配置されて、搬送される被搬送物Sの両主面S1と夫々対向する対向面121を備え、対向面121間に搬送路110を形成する対向部材としての対向板120と、各対向板120に夫々形成されて、搬送中の被搬送物Sが対向面に接触又は吸着することを防止する壁流11を発生させる複数の壁流発生部130を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、シート状又は薄板状の被搬送物を空気流にて搬送する空気流搬送装置に関する。
従来、紙幣(シート状の被搬送物)の搬送には、紙幣と接触しながら搬送する搬送ベルトや、これを駆動する駆動ローラ等の搬送機構を備えた搬送装置が用いられている。例えば、パチンコ、スロットマシンの遊技場においては、各遊技機の紙幣投入部から投入された紙幣は、遊技機の裏側に配置された島設備に導入されて、紙幣集積部に向けて長距離搬送される。
しかし、従来の搬送装置を用いて紙幣を長距離搬送しようとすると、搬送装置が大型化し、搬送機構の駆動のためのランニングコストが増大するという問題がある。
そこで、近年においては、中空の搬送管内に搬送用の空気流を発生させて、空気流に乗せて紙幣を搬送する搬送装置が提案されている(特許文献1、特許文献2)。しかし、一般的には、紙幣を単に搬送管に挿入して空気流を用いて搬送しようとすると、搬送管の内壁面に紙幣が吸着されて搬送されなくなるという問題がある。
図13は、従来例に係る搬送管の模式図であり、図13(a)は斜視図であり、図13(b)は図13(a)のC−C断面図である。
搬送管200は、四つの平滑な内壁面201によって形成される四角柱状の搬送路205を有する。搬送管200は、搬送路205内に長手方向の一方から他方に向かって流れる空気流210を発生させると共に、長手方向の一方から紙幣220を搬送管200内に挿入する。
しかし、紙幣220を概ね搬送路205に沿って伸長した姿勢とした場合には、紙幣220の搬送上、以下のような問題が生じる。
第一の問題は、紙幣220の主面221と対向する搬送管200の内壁面201に紙幣220が吸着されてしまい、紙幣220が搬送できなくなるという問題である。これは、紙幣220が搬送管200の内壁面201に偏った場合に、偏った側の空気流の流速が速くなって、紙幣220と内壁面201との間が負圧となり、紙幣220が内壁面201に引き寄せられるためと考えられる。
第二の問題は、搬送管200内を流れる空気流210を高速化すると乱流が発生し、紙幣220を搬送できなくなるという問題である。搬送管200内を流れる空気流210の速度が比較的遅い場合には、搬送管200内を流れる空気流210は、搬送管200の長手方向に沿って規則正しく運動する層流を維持する。
しかし、搬送管200内を流れる空気流210の速度がある値を超えて高速化すると、空気流が搬送管200の内壁面201に衝突することが原因で、搬送管200内に乱流が発生する。乱流は、空気流が搬送管200内で不規則に運動する流れの状態である。搬送管200内で乱流が発生すると、紙幣220が搬送管200内でばたつき、最終的には紙幣220が内壁面201に吸着、接触して搬送されなくなるか、搬送不良に陥る。
搬送管を利用して空気流により紙幣を搬送するために、特許文献1においては、紙幣の後端部をJ字状に湾曲変形させ、湾曲変形部に搬送用の空気流の風圧を作用させることにより、紙幣の搬送を実現している。また、特許文献2においては、押し込みユニット(ビュレット、搬送補助体)を紙幣の後方に配置して、押し込みユニットが紙幣を後方から押し込むことで、紙幣の搬送を実現している。
特許第4130697号公報 特許第5563883号公報
しかし、上記従来技術には、以下のような問題がある。
特許文献1においては、紙葉類を変形させる為に、紙葉類の搬送先である紙葉類収納部での詰まりが発生する原因となっていた。また、紙葉類が有する癖、皺、よれ具合、コシの強さ等は紙葉類毎に異なっているために、搬送中に維持するべき変形形状が一定とならず、搬送管内での詰まりの要因となっていた。更に、搬送のために変形させた紙葉類を搬送後に伸長させる必要があるため、紙幣の変形と伸長を繰り返すことで、紙葉類の劣化が加速するという問題もある。
特許文献2においては、押し込みユニットを用いて紙葉類を強制的に押し出すため、紙葉類が内壁面に強力に吸着した場合には紙葉類が圧縮変形し、搬送管内での詰まりの要因になると共に、紙葉類に致命的なダメージが加わるといった問題がある。また、押し込みユニット方式は風量の影響を受けやすく、湾曲部の搬送や長距離搬送には不向きである。
また、空気流を用いて紙葉類を水平方向に搬送する従来の技術では、紙葉類の幅方向が重力方向となる姿勢での搬送に限定されており、紙葉類を水平にした姿勢で搬送することはできなかった。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、搬送用の補助部材が不要であり、紙葉類等のような被搬送物の変形を防ぎながら、被搬送物を空気流により安定して搬送でき、更に重力方向に対して被搬送物の主面の角度を自由な角度に設定して被搬送物を搬送可能な、新規な空気流搬送装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の空気流搬送装置は、シート状又は薄板状の被搬送物を気流により搬送する搬送路を形成し、該搬送路に沿って搬送される前記被搬送物の両主面と夫々並行する2つの主内壁を有した搬送管と、前記搬送路の一方から他方に向かう主搬送気流を前記搬送路内に発生させる気流発生装置と、前記各主内壁との間に所定のギャップを隔てて夫々対向配置されて、搬送される前記被搬送物の両主面と夫々対向する対向面を備え、該対向面間に前記搬送路を形成する対向部材と、前記各対向部材に夫々形成されて、搬送中の前記被搬送物が前記対向面に接触又は吸着することを防止する壁流を発生させる複数の壁流発生部と、を備えたことを特徴とする。
また、上記の課題を解決するために、本発明の空気流搬送装置は、シート状又は薄板状の被搬送物を気流により搬送する搬送路を形成し、該搬送路に沿って搬送される前記被搬送物の両主面と夫々対向する2つの主内壁を有した搬送管と、前記搬送路の一方から他方に向かう主搬送気流を前記搬送路内に発生させる気流発生装置と、前記各主内壁に夫々形成されて、搬送中の前記被搬送物が前記主内壁に接触又は吸着することを防止する壁流を発生させる凹所から成る複数の壁流発生部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の空気流搬送装置によれば、搬送用の補助部材が不要であり、紙葉類等のような被搬送物の変形を防ぎながら、被搬送物を空気流により安定して搬送できる。
(a)、(b)は、本発明の空気流搬送装置の好ましい実施形態が備える搬送管の搬送路の構成を原理的に説明するために、この搬送管の搬送路を模式的に示す概念図である。 本発明の一実施形態に係る空気流搬送装置の全体的な構成を示した概略図である。 本発明の第一の実施形態に係る搬送管を示す図であり、(a)は横断面図であり、(b)は(a)のB−B断面図であり、(c)は(a)のC−C断面図である。 壁流発生部の詳細を示す図であり、(a)は部分拡大斜視図であり、(b)は(a)のE−E断面図である。 壁流発生部の他の例を示す部分拡大斜視図である。 搬送管の一部断面斜視図である。 本発明の第一の変形実施形態に係る搬送管を示す横断面図である。 本発明の第二の実施形態に係る搬送管を示す横断面図である。 本発明の第三の実施形態に係る搬送管を示す横断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の第三の実施形態に係る壁流発生部の一例を説明する対向面の平面図及び部分拡大縦断面図である。 本発明の第三の実施形態の変形例に係る搬送管を示す横断面図である。 本発明の第四の実施形態に係る搬送管の湾曲部を示す縦断面図である。 従来例に係る搬送管の模式図であり、(a)は斜視図であり、(b)は(a)のC−C断面図である。
以下に、本発明の好ましい実施形態の空気流搬送装置を、図面を参照して詳しく説明する。本発明の理解のために、本発明の原理をまず図1を参照しながら説明して、その後に本発明の各実施形態を、図2以降を参照して順次詳細に説明する。
本発明の実施形態は、本発明の好ましい具体的な例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されている。しかし、本発明の特許請求の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限定されない。また、本発明の各実施形態では、同様の構成要素には同一の符号を付して、構成要素の詳細な説明は適宜省略する。
〔本発明の原理〕
図1(a)、(b)は、本発明の空気流搬送装置の好ましい実施形態が備える搬送管の搬送路の構成を原理的に説明するために、この搬送管の搬送路を模式的に示す概念図であり、図1は、図13のC−C断面に相当する断面図である。
図1に示す搬送管100は、内部に搬送路110を有する。被搬送物Sを搬送するための主搬送気流10(10a、10b)は、搬送管100の搬送路110内に形成されている。主搬送気流10は、搬送路110の長手方向の一方(図中左側)から他方(図中右側)に向かって流れている。
本発明の実施形態においては、壁流11(11a、11b)が、主搬送気流10とは異なる空気流として、搬送路110内に発生されるように構成した点に特徴がある。この壁流11(11a、11b)は、図1(a)に示すように、正規の搬送姿勢で搬送される被搬送物Sの両主面S1、S1と、これらの両主面S1、S1と夫々対向する搬送路110の対向面121(121a、121b)との間において、それぞれ発生される。
ここで、壁流11(11a、11b)とは、搬送中の被搬送物Sが対向面121へ接近、接触、或いは吸着することを防止するように作用する空気流のことである。この壁流11(11a、11b)は、被搬送物Sに向けて吹き付ける空気流であっても、対向面121上に発生して被搬送物Sと対向面121との間でクッションのように機能する微少渦流であってもよい。壁流発生部は、後で図2を参照しながら説明するが、搬送路110内に送られる主搬送気流10の状態に応じた壁流11(11a、11b)を発生させる。
この壁流11(11a、11b)は、搬送路110内に送られる主搬送気流10(10a、10b)に対して、被搬送物Sの搬送を補助する搬送補助流とも呼ぶことができる。
図1に示す空気流搬送装置の搬送管100により搬送される被搬送物Sとしては、例えば紙葉類、カード類、札束類等のようなシート状又は薄板状のものであるが、被搬送物Sの材質は特に限定されない。
被搬送物Sが搬送される際の正規の搬送姿勢とは、図1(a)に例示するように、被搬送物Sが、搬送管100内のほぼ中央位置で通過することで、被搬送物Sが搬送路110の対向面121へ接近、接触、或いは吸着しないで、被搬送物Sが圧縮変形の無いように、搬送方向に沿って搬送できる姿勢のことを言う。
<レイノルズ数>
ここで、空気のような流体のふるまいを特徴付ける値としてレイノルズ数が知られている。流体が層流から乱流に遷移するときのレイノルズ数である上臨界レイノルズ数は、以下のように定義される。
Re=Ud/v ・・・式(1)
但し、U:空気流の流速[m/s]、d:送風管内の断面における代表長さ[m]、v:流体の動粘性係数[m^2/s]。
また、流体の動粘性係数vは以下の式により定義される。
v=μ/q ・・・式(2)
但し、μ:流体の粘性係数[kg/ms]、q:流体の密度[kg/m^3]。
一般的には、図13に例示する通常用いられる搬送管200の内壁面201が平滑面である場合、レイノルズ数Reが2300〜4000程度になると、搬送管200内の空気流は層流から乱流に遷移する。
上記式(1)(2)から、粘性係数μを限りなく低下させることができれば、上臨界レイノルズ数Reを限りなく増加させることができる。つまり、層流から乱流に遷移する上臨界レイノルズ数を上昇させることができるので、空気流の流速Uを高めても層流を維持することができる。
<壁流による効果>
図1に示すように、本発明の実施形態において、壁流11(11a、11b)が、主搬送気流10(10a、10b)とは異なる空気流として、搬送路110内に発生されることによって、以下の効果が生じる。
第一に、対向面121と空気との粘性抵抗を減少させることができる。
第二に、粘性抵抗の減少によって動粘性係数vを低下させることができ、上臨界レイノルズ数が向上する。即ち、主搬送気流10の流速Uを高めても、層流を維持することができ、被搬送物Sの搬送時のばたつきを防止できる。
第三に、壁流11は、対向面121に接近した被搬送物Sを搬送路110の中央部に向けて押し返して、被搬送物Sが対向面121に吸着することを防止できる。この第三の効果について説明する。
図1(a)に示すように、被搬送物Sが、搬送路110の厚さ方向(搬送方向である長手方向と直交する方向)の中央部付近を搬送される場合に、被搬送物Sと夫々の対向面121a、121bとの間を流れる主搬送気流10(10a、10b)の流速及び気圧はほぼ均等であり、夫々の対向面121a、121bにおいて発生する壁流11(11a、11b)の大きさもほぼ均等となる。
図1(b)に示すように、図1(a)の場合と異なり、例えば被搬送物Sが、一方の対向面121a寄りに偏って搬送される場合には、主搬送気流10aの流れは主搬送気流10bの流れよりも速くなる。対向面121aには、主搬送気流10の状態に応じた大きさの壁流11aが発生するため、対向面121aと被搬送物Sの主面S1との間には、高速となった主搬送気流10aに応じた強い壁流11aが発生する。被搬送物Sは、この強い壁流11aにより、図1(a)に示すように、搬送路110の中央部に向けて押し返される。その結果、被搬送物Sは、対向面121aに吸着することなく、搬送路110内をスムーズに搬送される。
〔第一の実施形態〕
本発明の第一の実施形態に係る空気流搬送装置1について、図2を参照して説明する。空気流搬送装置1は、紙幣やカード等の被搬送物Sを空気流により搬送する装置である。
本実施形態に係る空気流搬送装置1は、搬送管100の搬送路110の対向面に壁流を形成することによって、対向面上に壁流を発生させて被搬送物Sの対向面への吸着を防止すると共に、被搬送物Sを搬送する主搬送気流10を層流に維持して、被搬送物Sが搬送方向に沿って安定して搬送されるようにした点に特徴がある。この搬送方向は、搬送管100の搬送路110の長手方向に沿っている。
なお、空気流搬送装置1によって搬送される被搬送物Sには、好ましくはシート状の部材(例:紙幣や有価証券等の紙葉類)、薄板状の部材(例:カード類)、及びこれらの束等を含む。被搬送物Sの材質としては、紙製、プラスチック製、或いは金属箔、その他どのような材質であってもよい。
以下の説明において、被搬送物Sの主面とは、被搬送物Sの厚さ方向(搬送方向である長手方向と直交する方向)に伸びる端面以外の広い面のことである。また、被搬送物Sは、搬送時に搬送方向(長手方向)に沿って、概ね伸長した姿勢を維持しつつ搬送されるものとする。
図2以降を参照しながら、空気を利用して被搬送物Sを搬送する空気流搬送装置1について説明するが、被搬送物Sを搬送する気体としては、好ましくは空気であるが、空気以外の気体、流体を用いてもよい。
本発明は、図示した好ましい実施形態に基づいて説明するが、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
搬送管100の搬送路110について、被搬送物Sの搬送方向に沿った方向を長手方向、被搬送物Sの幅方向に沿った方向を幅方向、長手方向と幅方向の双方に直交する方向を厚さ方向として説明する。
<空気流搬送装置1>
次に、空気流搬送装置1について、詳しく説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る空気流搬送装置1の全体的な構成を示した概略図である。
図2に示すように、空気流搬送装置1は、被搬送物Sを空気流により搬送する搬送路110を形成する搬送管100と、搬送路110の長手方向の一方から他方に向かう(搬送方向に流れる)空気流である主搬送気流10を搬送路110内に発生させる気流発生装置20とを備える。
更に、空気流搬送装置1は、搬送管100の長手方向の中間部適所に配置されて、被搬送物Sを搬送路110内に投入する複数の投入口30と、搬送路110の長手方向の他端部に配置されて搬送されてきた被搬送物Sを回収する回収装置40とを備える。被搬送物Sが紙幣である場合の回収装置40は、例えば紙幣を収容する金庫である。
図2に示すように、気流発生装置20は、搬送管100の長手方向の一端部(搬送方向の上流側端部)に配置されている。気流発生装置20は、搬送路110内に空気を吹き込むことにより、搬送路110の長手方向の一方から他方に向かう主搬送気流10を発生させる。気流発生装置20が発生する空気流である主搬送気流10は、搬送路110内を層流として均等に流すことができる。
なお、図2に示す例とは異なり、気流発生装置20は、上述したように搬送管100の長手方向の他端部(搬送方向の下流側端部)に配置されて、搬送路110内の空気を吸入して外部に排気することにより、主搬送気流10を発生させる装置でもよい。また、気流発生装置20は、搬送管100の長手方向の中間部に配置されて、搬送路110から空気を吸引するか又は搬送路110内に空気を流入させることにより、主搬送気流10を発生させる装置でもよい。さらに、気流発生装置20は、空気流搬送装置1に複数備えられてもよい。
図2には、一例として直線的な搬送路110を有する搬送管100を備える空気流搬送装置1を示しているが、搬送管100の搬送路110は湾曲又は屈曲していてもよく、空気流搬送装置1は、気流発生装置20が発生させた主搬送気流を循環させる環状の搬送路110を備えていてもよい。また、空気流搬送装置1は分岐を有する搬送路110を備えていてもよい。
<搬送管100>
次に、搬送管100について、図3を参照して説明する。
図3は、本発明の第一の実施形態に係る搬送管100を示す図であり、図3(a)は横断面図であり、図3(b)は図3(a)のB−B断面図であり、図3(c)は図3(a)のC−C断面図である。なお、図3(a)は、被搬送物Sの搬送方向と直交する面にて切断した断面図であり、図2のA−A断面に相当する図である。
図3に示す搬送管100は、特に図3(a)と図3(c)に示すように、複数の対向板(対向部材)120と、複数の壁流発生部130とを備えている。各対向板(対向部材)120は、被搬送物Sの両主面S1、S1と夫々対向する対向面121、121を有する。壁流発生部130は、対向板120にそれぞれ形成されており、壁流発生部130は、搬送中の被搬送物Sの対向板120への吸着を防止する壁流11を発生させる。
図3(a)に示すように、搬送管100は、横断面形状が概略矩形状の中空空間を有するダクトである。搬送管100は、図3(a)と図3(c)に示す長手方向(搬送方向)に沿って伸びると共に互いに対向する搬送管100の第一内壁101、101と、図3(a)と図3(b)に示す第二内壁103、103とを備える。搬送管100の第一内壁101、101は、搬送される被搬送物Sの主面S1、S1に沿った方向に伸びる比較的広い面であり、搬送管100の第二内壁103、103は搬送管100の第一内壁101、101と略直交する比較的狭い面である。
図3(a)から図3(c)に示すように、搬送管100内には、搬送方向に沿って伸びる一対の対向板120、120が、搬送方向に沿って平行に配置されている。図3(a)と図3(c)に示すように、対向板120、120の間には、搬送路110が形成されている。
図3(a)と図3(c)に示すように、対向板120、120は、搬送管100の第一内壁101、101から所定の間隔を設けることで離して配置されており、対向板120、120と搬送管100の第一内壁101、101との間には、第一気流路111、111が形成されている。また、図3(a)と図3(b)に示すように、対向板120、120は、第二内壁103、103から所定の間隔を設けることで離して配置されている。
図3(a)と図3(b)に示すように、対向板120、120と第二内壁103、103との間の領域には、第二気流路113、113が形成されている。第一気流路111、111は、対向板120、120を間に挟んで搬送路110と並行に配置されている。
対向板120、120は、例えば搬送管100の第一内壁101、101又は第二内壁103、103に取り付けられた複数の固定部材としてのステー(不図示)によって支持される。ステーは、好ましくは搬送管100の長手方向に沿って所定の間隔を開けて配置されており、搬送管100内での各種の空気流を阻害しない位置において対向板120を支持する。
ただし、対向板120、120は、例えば搬送管100の第一内壁101、101又は第二内壁103、103に対して、間隔を設けるようにして、例えば固定部材としてのスタッドやカラー等を用いて固定しても良い。
対向板120間の幅は、好ましくは9mmから16mm程度の範囲で設定することができるが、より好ましくは10mm〜13mmの範囲とすることが望ましい。
例えば対向板間が9mm未満であると、折り目や曲がりのある癖札を搬送管に挿入した場合に、対向板120間双方に接触する現象が発生することにより摩擦抵抗が発生し安定して搬送できないので、好ましくない。
また、対向板間が16mmを超えると、搬送管100の体積が大きくなり、気流発生装置20の出力を大きくする必要がある為、好ましくない。
図3(b)に例示した例では、複数の壁流発生部130が、対向面121上に、好ましくは互い違いに配置されている状態として、例えば千鳥格子状になるように配置されている。このように、複数の壁流発生部130が、千鳥格子状になるように配置されていると、各壁流発生部130が発生する壁流11は、搬送方向に関して前後に位置する壁流発生部130が発生する壁流11による影響を受け難い。このため、各壁流発生部130は、搬送路110において、安定した壁流11を形成できるので、被搬送物Sは、搬送路110内をより安定して搬送させることができる。
なお、千鳥格子状とは、幅方向に隣接配置された複数の壁流発生部130から成る一つの壁流発生部列が、長手方向前後方向に位置する他の壁流発生部列を構成する個々の壁流発生部との間で幅方向位置をずらして配置されている状態を指称する。
<壁流発生部130>
次に、壁流発生部130について、説明する。
図4は、壁流発生部130の詳細を示す図であり、図4(a)は壁流発生部130の部分拡大斜視図であり、図4(b)は図4(a)のE−E断面図である。
図3(a)から図3(c)に例示したように、複数の壁流発生部130が、対向板120に形成されている。複数の壁流発生部130は、搬送中の被搬送物Sの対向面121への吸着を防止するために、図4(a)と図4(b)に例示するような壁流11を発生させる構造を有する。
図4(a)と図4(b)に示すように、壁流発生部130は、貫通孔131と、ガイド部材133とを備える。貫通孔131は、対向板120に貫通形成されている。ガイド部材133は、貫通孔131に対応して形成されている。このガイド部材133は、貫通孔131の上流側端縁131aを除いた周縁131bから第一気流路111側へ延出(突出)して形成されている。ガイド部材133は、第一気流路111内の空気流を、貫通孔131を経由して搬送路110へ噴出するための空気導入用の案内部材である。
図4(a)と図4(b)に示すように、ガイド部材133は、ガイド部材133の搬送路110に面した側に、湾曲したガイド面133aを有する。このガイド面133aは、第一気流路111側から流入させた空気流を搬送路110側に壁流11として、搬送路110に向けて斜め方向に噴出させる。
ここで、貫通孔131は、好ましくはその幅が搬送方向の下流側に向うほど漸減する形状を有している。これにより、第一気流路111側から流入させた空気流は、湾曲したガイド面133aにより案内されながら、搬送路110側に壁流11として噴出させることができる。また、ガイド部材133は、第一気流路111側への突出量が、搬送方向の上流側に向かうほど漸増する形状である。これにより、第一気流路111側から流入させた空気流は、湾曲したガイド面133aにより案内されながら、搬送路110側に壁流11として確実に噴出させることができる。
図4(b)に示す傾斜角度θは、ガイド面133aの幅方向中央部において対向面121に対して傾斜していることを示す角度である。
このガイド面133aの傾斜角度θは、好ましくは20度から60度程度の範囲で設定することができるが、より好ましくは30度〜45度の範囲とすることが望ましい。傾斜角度θが、好ましくは20度〜60度の範囲とすると、被搬送物Sが変形することなく、被搬送物Sを搬送路110の搬送方向に沿って安定して搬送することができる。
もし、傾斜角度θが、例えば20度未満であると、搬送路110側への壁流11の噴出が弱く壁流11が不足して、被搬送物Sが対向面121に付着しやすくなり、被搬送物Sを搬送路110の搬送方向に沿って安定して搬送できないので、好ましくない。
また、傾斜角度θが、例えば60度を超えると、ガイド面133aに対する反発係数が強くなり壁流11の噴出が弱くなるおそれがあり、被搬送物Sを搬送路110の搬送方向に沿って安定して搬送できず、好ましくはない。
傾斜角度θは、より好ましくは30度〜45度の範囲とすると、被搬送物Sが例えば紙幣のようなものである場合には、被搬送物Sが変形することなく、被搬送物Sを搬送路110の搬送方向に沿ってさらに安定して搬送することができる。
この傾斜角度θは、被搬送物Sが例えば紙幣のようなものである場合には、特に好ましくは30度である。本発明者らの実験により、傾斜角度θが30度であると、被搬送物Sは最も安定して搬送方向に搬送することができることが判明している。
なお、図4(b)に示すように、ガイド部材133は、ガイド面133aの傾斜角度θが搬送方向に一定となる形状でもよいし、第一気流路111側(或いは搬送方向下流側)に凸状に膨出した湾曲形状でもよいし、搬送路110側に凸状に膨出した湾曲形状でもよい。
一例として、被搬送物Sが幅76mm、長さ160mmの紙幣である場合、貫通孔131の大きさは、幅(W)8mm×搬送方向長(L)7mm×深さ(D)2.5mmの三角形の出窓形状とすることができる。
図5は、図4に示す壁流発生部130とは異なる他の例である壁流発生部130Aを示す部分拡大斜視図である。
図5に示すように、壁流発生部130Aは、貫通孔131と、ガイド部材133とを備える。貫通孔131は、対向部材120に貫通形成されている。ガイド部材133は、貫通孔131に対応して形成されている。このガイド部材133は、貫通孔131の上流側端縁131aを除いた周縁131bから第一気流路111側へ延出(突出)して形成されている。ガイド部材133は、第一気流路111内の空気流を、貫通孔131を経由して搬送路110へ導く。
ガイド部材133は、ガイド部材133の搬送路110に面した側に、ガイド面133aを有する。このガイド面133aは、第一気流路111側から流入させた空気流を搬送路110側に壁流11として、搬送路110に向けて斜め方向に噴出させる。
図5に示す壁流発生部130Aは、貫通孔131の幅が搬送方向に沿って一定に維持されている点で、図4に示した壁流発生部130とは形状が異なる。しかし、図5に示す壁流発生部130Aのガイド部材133の第一気流路111側への突出量は、搬送方向の上流側に向かうほど漸増する点で、図4に示した壁流発生部130と同様の形状である。壁流発生部130Aは、図4に示した壁流発生部130と同様に、第一気流路111側から流入させた空気流を搬送路110側に壁流11として噴出させることができる。
例えば、図4と図5に示す対向板120が金属平板から構成される場合には、壁流発生部130は、金属平板に対して幅方向に伸びるように形成されたスリット状の切り込みよりも搬送方向下流側を板面から立体的に起こすことにより形成される。壁流発生部130は、例えば射出成型又はルーバー状に開口させる押出し加工により形成することができる。
壁流発生部130の配置及び数量については、図3を参照して説明する。
図3に示すように、搬送される被搬送物Sの大きさ(図3(c)に示す主面S1の占める面積)に対して、壁流発生部130の数が少なすぎると壁流の噴出量が不足して、被搬送物Sが対向面121に接近して付着しやすくなる。また、逆に搬送される被搬送物Sの大きさに対して、壁流発生部130の数が多すぎると、主搬送気流による搬送力が低下する。
従って、搬送される被搬送物Sの大きさに対して適切な数量の壁流発生部130を設けて、被搬送物Sに対して供給する壁流の量を適切に調整する必要がある。
具体的には、壁流発生部130は、被搬送物Sの大きさに対応して、搬送方向に3〜5列程度、幅方向に2〜5列程度、配置されることが望ましい。つまり、被搬送物Sは搬送中に、常時、搬送方向に3〜5列程度、幅方向に2〜5列程度の壁流発生部130と対向することが望ましい。一例としては、被搬送物Sが例えば紙幣である場合には、紙幣の長手方向に沿って、例えば最小限で3列の壁流発生部130があれば、紙幣は良好に浮上して搬送方向に安定して搬送できる。被搬送物Sが例えば紙幣である場合には、紙幣の短手方向に沿って、同様に例えば最低限2列あれば、紙幣は良好に浮上して搬送方向に安定して搬送できる。
また、壁流発生部130は、搬送中の被搬送物Sに対して常時平均的な壁流を機能させるために、図3(b)に例示するように、すでに説明したように、搬送方向に沿って互い違い(交互に)に配置されていることが望ましい。しかし、壁流発生部130は、搬送方向に沿って格子状(グリッド状)に配置されていてもよい。
<循環流>
次に、搬送管100内を流れる空気流の循環について、図6を参照して説明する。図6は、搬送管100の一部断面斜視図である。
図6に示すように、搬送管100内を流れる空気流には、主搬送気流10と壁流11の他に、搬送路110から第二気流路113を経由して第一気流路111に向かう回帰流13が存在する。搬送管100内の第一気流路111と第二気流路113の配置位置は、図3(a)と図3(b)を参照してすでに説明している。回帰流13は、壁流11となる空気を搬送路110から第二気流路113を通過して、第一気流路111に供給する。
これにより、搬送管100内の空気は、第一気流路111→貫通孔131→搬送路110→第二気流路113→第一気流路111・・・のように流れて、循環する。つまり、貫通孔131から搬送路110に流入する過程で壁流11を発生させた空気は、第二気流路113から回帰流13として第一気流路111に戻り、再び貫通孔131から搬送路110に流入して壁流11を発生させる。
このように、搬送管100内の空気が循環するので、第一気流路111内の空気と、搬送路110内の空気の密度のバランスが貫通孔131を通じて確保できるので、搬送管100内の空気の流れが安定する。
また、この循環流の空気は、搬送管100内を循環する過程で主搬送気流10の流れに沿って搬送方向の上流から下流側に流れるので、空気流は対向板120を間に挟んで螺旋状に旋回しながら下流側に流れていくと考えられる。
このように、搬送管100内には、搬送路110の他に、貫通孔131を介して搬送路110と連通する第一気流路111と、搬送路110と第一気流路111とを連通させる貫通孔131とは異なる第二気流路113とを設けたことにより、空気は、搬送管100内で螺旋状に循環させることができる。
この第二気流路113は、図3(a)に例示するように、搬送管100の第二内壁103と対向板120の幅方向端縁(対向板120の搬送方向に沿った端部)との間に設けることが、循環流を良好に形成する観点から最も望ましい。
空気を搬送管100内で循環させることにより、均一な壁流11が、搬送管100内で途切れることなく連続して発生させることができることから、この均一な壁流11と主搬送気流10は、被搬送物Sを対向面121に付着(接触、吸着)させることなく、被搬送物Sを安定して搬送方向に沿って搬送することができる。
ここで、図4(a)に示す貫通孔131の幅方向長の最大値をW、対向板120に形成された貫通孔131の幅方向における最大の個数をn、図3(a)に示す第二気流路113の幅方向長(第二内壁103と対向板120の幅方向端縁との距離)をFとした場合に、
W×n≒F×2 ・・・式(3)
を満たすようにすることで、搬送管100内で上記循環流が安定して発生し、被搬送物Sは、安定して効率的に搬送できる。
また、図4(b)に示すように貫通孔131の開口の深さ(厚さ方向の長さ)をD、図3(a)と図3(c)に示すように第二気流路113の厚さ方向における長さ(対向板120と第一内壁101との間隔)をGとした場合に、
2×D≒G ・・・式(4)
を満たすようにすることで、搬送管100内で上記循環流が安定して発生し、被搬送物Sは、安定して効率的に搬送方向に搬送できる。
式(3)、及び式(4)を満たすことで、図6に示す搬送路110内を流れる主搬送気流10の搬送方向における速度よりも、第一気流路111内を流れる空気流の搬送方向における速度の方が速くなるので、壁流11が均一に発生し、被搬送物Sの搬送を安定させることができる。
<搬送管100の角度>
ここで、搬送管100は、図3(a)に示す搬送管100の幅方向(又は搬送路110の幅方向)が重力方向(鉛直方向或いは上下方向)に沿って伸びるように配置してもよいし、搬送管100の幅方向が重力方向に対して直交するように(つまり搬送管100の幅方向が水平方向に伸びるように)配置してもよいし、搬送管100の幅方向が重力方向に対して任意の方向に伸びるように配置してもよい。即ち、搬送管100の幅方向は、重力方向に対して任意の角度に設定することができる。
本発明の第一の実施形態においては、被搬送物Sの各主面S1に働く壁流11は、重力に抗して被搬送物Sを対向面121から浮き上がらせる効果を有する。従って、搬送管100の幅方向を重力方向に対して任意の角度に設定しても(つまり、搬送中の被搬送物Sの主面S1の角度が重力方向に対して任意の角度となるように搬送管100を設置しても)、被搬送物Sは対向面121に接触することなく、安定して搬送される。
<第一の実施形態の効果>
上述した、本発明の第一の実施形態の空気流搬送装置1は、搬送管100を有する。この搬送管100は、被搬送物Sを気流により搬送する搬送路110を形成しており、この搬送路110に沿って正規の搬送姿勢で搬送される被搬送物Sの両主面S1と夫々並行する2つの主内壁としての第一内壁101を有している。気流発生装置20は、搬送路110の一方から他方に向かう主搬送気流10を搬送路110内に発生させる。
対向板120は、各主内壁としての第一内壁101との間に所定のギャップGを隔てて夫々対向配置されて、正規の搬送姿勢で搬送される被搬送物Sの両主面S1と夫々対向する対向面121を備える。対向板120は、対向面121間に搬送路110を形成する対向部材である。
複数の壁流発生部130は、各対向板120に夫々形成されて、搬送中の被搬送物Sが対向面に接触又は吸着することを防止する壁流11を発生させる。これにより、対向板120の各壁流発生部130は、搬送中の被搬送物Sが対向面に接触又は吸着することを防止する壁流11を発生させる。
このため、空気流搬送装置1は、搬送用の補助部材が不要であり、紙葉類等のような被搬送物Sの変形を防ぎながら、被搬送物Sを空気流により安定して搬送できる。
また、各壁流発生部130は、対向部材としての対向板120に貫通形成されており、対向板120と各主内壁101との間に形成される第一気流路111と、搬送路110と、を連通させる貫通孔131を備える。
貫通孔131は、対向板120に貫通形成されており、貫通孔131は、第一気流路111と搬送路110を連通している。このため、壁流11を、第一気流路111側から搬送路110側に発生させることができるので、搬送中の被搬送物Sが対向面121に接触又は吸着することを防止することができる。
さらに、図4と図5に示すように、各壁流発生部130は、貫通孔131の上流側端縁131aを除いた周縁131bから各第一気流路111側へ延出して第一気流路111内の空気流を、貫通孔131を経由して搬送路110へ導くガイド部材133を備える。
これにより、ガイド部材133は、第一気流路111側から流入させた空気流を搬送路110側に壁流11として、搬送路110に向けて斜め方向に確実に噴出させることができる。このため、搬送中の被搬送物Sが、対向面121に接触又は吸着することを防止することができる。
図4と図5に示すように、貫通孔131における搬送方向と直交する幅方向における長さが、搬送方向の下流側へ向かう程漸減する。これにより、第一気流路111側から流入させた空気流は、搬送路110側に壁流11として確実に噴出させることができる。
図6に示すように、搬送管100は、搬送路110内の気流を第一気流路111へ導入する第二気流路113を備えている。これにより、搬送管100内を流れる空気流には、主搬送気流10と壁流11の他に、搬送路110から第二気流路113を経由して第一気流路111に向かう回帰流13が形成される。この回帰流13は、壁流11となる空気を搬送路110から第二気流路113を通過して、第一気流路111に供給する。このため、貫通孔131から搬送路110に流入する過程で壁流11を発生させた空気は、第二気流路113から回帰流13として第一気流路111に戻り、再び貫通孔131から搬送路110に流入して壁流11を発生させる。従って、壁流11をより確実に形成することができる。
また、上記壁流11は、対向面121から被搬送物Sを浮き上がらせる効果を有する。従って、搬送管100の幅方向が鉛直方向以外の方向に伸びるように搬送管100を設置したとしても、被搬送物Sは対向面121に接触することなく、安定して搬送される。
〔第一の変形実施形態〕
次に、本発明の第一の変形実施形態を、図7を参照して説明する。
図7は、本発明の第一の変形実施形態に係る搬送管を示す横断面図である。以下、本発明の第一の変形実施形態の搬送管100が、上述した本発明の第一の実施形態の搬送管100と同様の機能を有する部位については、同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図7に示すように、第二気流路113、113は、搬送管100の幅方向の中間部に配置してもよい。本例においては、厚さ方向に離間して配置した夫々の対向板120、120を幅方向に二分割することによって、幅方向の中間部に夫々第二気流路113、113が形成されている。2つの第二気流路113、113は、共に搬送路110の搬送方向に沿って延在する気流路である。なお、第二気流路113、113は、搬送路110の搬送方向に断続的に設けられてもよい。
第二気流路113、113を幅方向の中間部に配置したため、図7においては対向板120の片側の幅方向端部は、第二内壁103に密着させた構成としている。
本発明の第一の変形実施形態によっても、循環流が、搬送路110、第二気流路113、第一気流路111、及び貫通孔131を順に流れるように発生するために、壁流11が安定的に発生し、被搬送物Sを安定して効率的に搬送方向に搬送できる。
〔第二の実施形態〕
次に、本発明の第二の実施形態を、図8を参照して説明する。
図8は、本発明の第二の実施形態に係る搬送管を示す横断面図である。本発明の第二の実施形態の搬送管100は、上述した第一の実施形態の搬送管100と本発明の第一の変形実施形態の搬送管100とは異なり、第二気流路を省略した点に特徴がある。なお、本発明の第二の実施形態に係る搬送管100が、本発明の第一の実施形態の搬送管100と同様の機能を有する部位には同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図8に示すように、搬送管100内に配置された2つの対向板120、120は、夫々第一内壁101、101から離間して配置されており、対向板120、120と第一内壁101、101との間には、第一気流路111、111が形成されている。対向板120、120の幅方向両端部は、第二内壁103、103に対して密着して固定されている。
対向板120、120には、本発明の第一の実施形態と同様に、貫通孔(符号省略)を有する複数の壁流発生部130が形成されており、第一気流路111、111を流れる空気は、壁流発生部130の貫通孔を介して搬送路110内に流入して壁流11を発生させる。本発明の第二の実施形態においても、壁流11を発生させる空気を第一気流路111から供給することができるので、壁流11が発生し、被搬送物Sは、対向面121に付着させることなく安定して搬送方向に搬送できる。
なお、壁流11を発生させる空気を第一気流路111から搬送路110に効率的、且つ継続的に供給するために、第一気流路111内において、主搬送気流よりも高速の空気流を、搬送路110を流れる主搬送気流と同方向に流すようにしてもよい。
<第二の実施形態の効果>
本発明の第二の実施形態の搬送管100では、対向板120、120の幅方向両端部は、第二内壁103、103に密着して固定されていることで第二気流路を省略する構造を採用している。このため、対向板120、120は、搬送管100の第二内壁103、103に対して確実に固定することができ、搬送管100の構造を簡素化することができる。
〔第三の実施形態〕
図9は、本発明の第三の実施形態に係る搬送管を示す横断面図である。図9に示す本発明の第三の実施形態では、壁流発生部130は、対向面に形成した凹所(凹面)により構成されている点に特徴がある。なお、本発明の第三の実施形態に係る搬送管100が、本発明の第一の実施形態の搬送管100と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図9に示すように、搬送管100は、被搬送物を空気流により搬送する搬送路110を形成している。搬送管100の第一内壁101は、すでに説明した対向面(対向部材)121を兼ねており、対向面121は、被搬送物の両主面と夫々対向する。これらの対向面121には、複数の壁流発生部130が形成されている。
複数の壁流発生部130は、図10に例示するような凹状部分もしくは凹所としての凹面137である。複数の壁流発生部130は、搬送中の被搬送物の第一内壁101への吸着を防止する壁流を発生させる。
図10(a)〜図10(c)は、図9に示す本発明の第三の実施形態に係る壁流発生部130の形状例を説明する図であり、夫々対向面121の平面図と壁流発生部の部分拡大縦断面図を示している。部分拡大断面図に示すように、壁流発生部130は、対向面121に形成された凹状部分もしくは凹所としての凹面137である。
図10(a)では、壁流発生部130としての凹面137は、平面で見て真円形状とした例である。壁流発生部130の縦断面形状は、円弧状又は楕円形状等である。壁流発生部130の最深部135は搬送方向の中央部に位置しているが、壁流発生部130としての凹面137の最深部135は、搬送方向の上流側に偏位させてもよい。
図10(b)では、壁流発生部130は、平面で見て楕円形状(或いは、長円形)とした例である。壁流発生部130の縦断面形状は、円弧状又は楕円形状等である。壁流発生部130としての凹面137の最深部135は、搬送方向の上流側に偏位させてもよい。壁流発生部130を楕円形状とする場合には、壁流発生部130としての凹面137は、その長軸が搬送方向に沿って伸びるように配置されることが望ましい。なお、壁流発生部130としての凹面137の長軸は、搬送方向に対して傾斜又は直交させてもよい。
図10(c)では、壁流発生部130としての凹面137は平面で見て涙型もしくは水滴型とした例である。この場合には、壁流発生部130としての凹面137の先端角部が搬送方向の下流側を向くように配置する。つまり、壁流発生部130の搬送方向の上流端から下流側に向かう幅方向長の増加率が、壁流発生部130の搬送方向の下流端から上流側に向かう幅方向長の増加率よりも大きくなるように、壁流発生部130を配置する。
更に、図10(c)の凹面137は、図10(b)に示した楕円形状の壁流発生部の凹面137と同様に、長軸(最長の内径)が搬送方向に沿って伸びるように配置することが望ましいが、長軸は、搬送方向に対して傾斜させてもよい。
図10(c)に示す壁流発生部130は、部分拡大断面図に示すように、最深部135が搬送方向の上流側に変位した位置に配置されている。即ち、壁流発生部130の上流端から最深部135にかけての勾配は、壁流発生部130の下流端から最深部135にかけての勾配よりも急となるように形成されている。これにより、搬送中の被搬送物が第一内壁101へ吸着するのを防止するために、壁流11をより確実に発生させることができる。
以上、図10(a)〜図10(c)に基づいて、壁流発生部130が凹状部分もしくは凹所としての凹面137である場合の例について説明したが、壁流発生部130の平面視の形状は、真円形状、楕円形状、涙型以外にも、多角形状やオーバル形状、その他の形状とすることができる。また、壁流発生部130の凹面137は、湾曲面から形成されてもよいし、複数の平面を組み合わせて形成されてもよい。
図10では、壁流発生部130が対向面121において互い違いに、例えば千鳥状になるように配置された例を示している。壁流発生部130が対向面121において互い違いに配置されていることにより、複数の壁流発生部130は、搬送路において、壁流11をムラの無いようにほぼ均一になるように形成することができる。このため、搬送中の被搬送物が第一内壁101へ吸着するのを防止するために、壁流11を確実に発生させることができる。
壁流発生部130が対向面121において互い違いに、例えば千鳥状になるように配置されていると、各壁流発生部130が発生する壁流11は、前後の壁流発生部130が発生する壁流11による影響を受け難い。このため、搬送路110には、安定した壁流11を形成できるので、被搬送物Sは、安定して搬送路110内を搬送させることができる。
なお、壁流発生部130が対向面121において互い違いに配置された例の他に、壁流発生部130は、対向面121において格子状(グリッド状)に整列して配列されてもよい。
壁流発生部130の配置数量と被搬送物の主面の占める面積との関係は、本発明の第一の実施形態(図3)にて説明した通りである。
図11は、本発明の第三の実施形態の変形例に係る搬送管を示す横断面図である。壁流発生部130を凹状部分あるいは凹所(凹面137)により形成する場合であっても、対向板120が、搬送管100の第一内壁101と第二内壁103からそれぞれ離間した位置に配置され、壁流発生部130が対向板120の対向面121に形成されるようにしてもよい。
また、搬送管100の角度についても、本発明の第一の実施形態にて説明したのと同様に、重力方向に対して任意の角度に設定することができる。
<第三の実施形態の効果>
図9と図10に示す本発明の第三の実施形態では、壁流発生部130は、搬送管100の第一内壁101を兼ねる対向面(対向部材)121において設けられた凹状部分あるいは凹所としての凹面137により形成されている。このため、搬送管100を構成する部品点数を減らして、搬送管100の内部構造の簡素化が図れる。しかも、壁流発生部130は、搬送管100の第一内壁101を兼ねる対向面(対向部材)121に対して、例えばプレスにより形成することができるので、壁流発生部130の形成が簡単に行える。
図11に示す本発明の第三の実施形態の変形例では、壁流発生部130は、対向板120において設けられた凹状部分あるいは凹所としての凹面137により形成されている。このため、壁流発生部130としての凹面137は、対向板120の対向面(対向部材)121に対して、例えばプレスにより簡単に形成できる。
〔第四の実施形態〕
図12は、本発明の第四の実施形態に係る搬送管の湾曲部を示す縦断面図である。図12には、搬送管100の搬送路110が湾曲(又は屈曲)する場合の好ましい例を示している。このように搬送管100を湾曲させることで、空気流搬送装置の搬送管は、例えば必要とされる搬送経路に沿って湾曲させた構造にしたり、リング状に形成した構造にしたり、あるいは分岐させた構造にすることができる。
図12に示すように、搬送路110の外周側の主搬送気流10cの流速の方が、内周側の主搬送気流10dの流速よりも速くなる。搬送路110の外周側と搬送路110の内周側との間に発生する主搬送気流10c、10dの流速差のために、搬送路110の湾曲部外周側上流領域115と湾曲部内周側下流領域117においては、乱流(空気流の淀み)が発生する。湾曲部外周側上流領域115と湾曲部内周側下流領域117においては、他の部位に比較してエネルギー損失(圧力損失)が増大する。この乱流は、搬送路110に沿った被搬送物Sの搬送を阻害する。
そこで、本発明の第四の実施形態においては、搬送路110が湾曲(又は屈曲)する場合において、エネルギー損失が他の部位よりも比較的大きくなる搬送路110の湾曲部外周側上流領域115と湾曲部内周側下流領域117に対応して形成される壁流発生部130の数量と面積の少なくとも一方を、他の部位よりも増大させた点に特徴がある。
例えば、もし、搬送路110の搬送方向の全域に渡って壁流発生部130の数量と面積を一定にした場合には、搬送中の被搬送物Sは、湾曲部外周側上流領域115において発生する乱流の影響により、湾曲部外周側上流領域115の対向面121に付着して搬送不能になるという問題が発生する。なお、湾曲部内周側下流領域117においても同様の問題が発生する。
そこで、本発明の第四の実施形態においては、湾曲部外周側上流領域115と湾曲部内周側下流領域117においては、壁流発生部130の数量と面積の少なくとも一方を、他の部位(直線搬送路)よりも増大させることで、湾曲部外周側上流領域115と湾曲部内周側下流領域117における壁流11を増大させるようにした。このように、壁流11を増大させることで、湾曲部外周側上流領域115と湾曲部内周側下流領域117の粘性抵抗を極限まで低下させて、乱流の発生を防止する。
また、湾曲部外周側上流領域115と湾曲部内周側下流領域117における壁流11を増大させることで、壁流11により被搬送物Sを搬送路110の中心部へと押し戻すことができる。このため、被搬送物Sの対向面121への付着を防止し、被搬送物Sの湾曲部(又は屈曲部)に沿ってスムーズな方向転換を実現する。このため、被搬送物Sは、空気流により安定して搬送方向に沿って搬送できる。
<第四の実施形態の効果>
図12に示す本発明の第四の実施形態では、搬送管100の搬送路110が湾曲(又は屈曲)する形状であっても、被搬送物Sは、空気流により安定して搬送できる。このため、搬送管100が曲げて形成されていることで、例えば被搬送物Sの搬送方向が曲線になっている場合や、1つの搬送管100から複数の搬送管100が分岐する場合にも対応して、被搬送物Sは、空気流により安定して搬送できる。
〔本発明の実施態様例と作用、効果のまとめ〕
上述した本発明の好ましい実施形態の空気流搬送装置1は、シート状又は薄板状の被搬送物Sを気流により搬送する搬送路110を形成し、該搬送路110に沿って搬送される被搬送物の両主面S1、S1と夫々並行する2つの主内壁(例えば第一内壁101)を有した搬送管100と、搬送路110の一方から他方に向かう主搬送気流10を搬送路110内に発生させる気流発生装置20と、各主内壁との間に所定のギャップGを隔てて夫々対向配置されて、搬送される被搬送物Sの両主面S1と夫々対向する対向面121を備え、該対向面121間に搬送路110を形成する対向部材としての対向板120と、各対向板120に夫々形成されて、搬送中の被搬送物Sが対向面121に接触又は吸着することを防止する壁流11を発生させる複数の壁流発生部130と、を備えたことを特徴とする。
ここで、壁流11とは、搬送中の被搬送物Sが対向面121へ接近、接触、或いは吸着することを防止するように作用する空気流のことである。壁流11は、被搬送物Sに向けて吹き付ける空気流であっても、対向面121上に発生して被搬送物Sと対向面121との間でクッションのように機能する微少渦流であってもよい。このような壁流11は、対向部材120に貫通形成した貫通孔131を備える壁流発生部130や、対向面121に形成した有底の凹所からなる壁流発生部130により発生することが、本発明者の実験により確認されている。
壁流11を発生させることによって、対向面121と空気との粘性抵抗を減少させることができる。また、動粘性係数を低下させることで、上臨界レイノルズ数を上昇させることができ、主搬送気流の流速を高めても主搬送気流10が層流を維持し、搬送される被搬送物Sのばたつきを防止できる。更に、壁流11は、被搬送物Sが対向面121に接近した場合に被搬送物を搬送路110の中央部に向けて押し返し、被搬送物Sが対向面121に接触又は吸着することを防止する。
以上のように、本発明の好ましい実施形態の空気流搬送装置1は、壁流発生部130が対向部材120の対向面121に壁流11を発生させるので、従来必要であった搬送用の補助部材が不要であり、紙葉類等のような被搬送物の変形を防ぎながら、被搬送物Sを空気流により安定して搬送できる。
本発明の好ましい実施形態の空気流搬送装置1において、各壁流発生部130は、対向部材120に貫通形成されており、各壁流発生部130は、対向部材120と各主内壁(第一内壁101)との間に形成される第一気流路111と搬送路110とを連通させる貫通孔131を備えることを特徴とする。各壁流発生部130の貫通孔131は、第一気流路111の空気を搬送路110に供給する流路であり、被搬送物に向けて吹き付ける壁流11を発生させる。
本態様によれば、貫通孔131は、対向板120に貫通形成されており、貫通孔131は、第一気流路111と搬送路110を連通している。このため、壁流11は、第一気流路111側から搬送路110側に形成されるので、搬送中の被搬送物Sが対向面121に接触又は吸着することを防止できる。
本発明の好ましい実施形態の空気流搬送装置1において、各壁流発生部130は、貫通孔131の上流側端縁131aを除いた周縁131bから各第一気流路111側へ延出して第一気流路111内の空気流を、貫通孔131を経由して搬送路110へ導くガイド部材133を備えることを特徴とする。
本態様によれば、ガイド部材133は、第一気流路111側から流入させた空気流を搬送路110側に壁流11として、搬送路110に向けて斜め方向に噴出させることができる。このため、搬送中の被搬送物Sが対向面121に接触又は吸着することを防止することができる。
このガイド部材133は、好ましくは貫通孔131の下流側端縁から上流側に向けて、第一気流路111側に傾斜した傾斜面としてのガイド面133aを備える。これにより、ガイド部材133のガイド面133aは、第一気流路111側から流入させた空気流を搬送路110側に壁流11として、搬送路110に向けて斜め方向に確実に噴出させることができる。
本発明の好ましい実施形態の空気流搬送装置1において、貫通孔131は搬送方向と直交する幅方向における長さが、搬送方向の下流側へ向かう程漸減することを特徴とする。
本態様によれば、第一気流路111側から流入させた空気流は、搬送路110側に壁流11として確実に噴出させることができる。
本発明の好ましい実施形態の空気流搬送装置1において、搬送路110内の気流を第一気流路111へ導入する第二気流路113を備えたことを特徴とする。
本態様によれば、貫通孔131から搬送路110に流入する過程で発生した壁流11は、第二気流路113から回帰流13として第一気流路111に戻り、再び貫通孔131から搬送路110に流入して再び壁流11を発生させる。従って、壁流11は、より確実に形成することができる。
本発明の好ましい実施形態の空気流搬送装置1において、壁流発生部130は、対向面121に形成された有底の凹所(凹面137)であることを特徴とする。
本態様によれば、搬送管100を構成する部品点数を減らして、搬送管100の内部構造の簡素化が図れる。しかも、壁流発生部130は、搬送管100の第一内壁101を兼ねる対向面(対向部材)121に対して、例えばプレスにより形成することができるので、壁流発生部130の形成が簡単に行える。
本発明の好ましい実施形態の空気流搬送装置1において、凹所(凹面137)の対向面121からの深さは、被搬送物Sの搬送方向の上流側において深く、搬送方向の下流側において浅いことを特徴とする。
本態様によれば、凹所(凹面137)は、搬送路110側に壁流11を確実に形成することができる。
本発明の好ましい実施形態の空気流搬送装置1において、壁流発生部130は、被搬送物Sの搬送方向に互い違いに配置されていることを特徴とする。
本態様によれば、複数の壁流発生部130は、搬送路110において、壁流11をムラの無いようにほぼ均一になるように形成することができる。このため、搬送中の被搬送物Sが第一内壁101へ吸着するのを防止するために、壁流11を確実に発生させることができる。また、壁流発生部130が対向面121において互い違いに、例えば千鳥状になるように配置されていると、各壁流発生部130が発生する壁流11は、前後の壁流発生部130が発生する壁流11による影響を受けにくい。このため、搬送路110には、安定した壁流11を形成できるので、被搬送物Sは、安定して搬送路110内を搬送させることができる。
また、本発明の好ましい実施形態の空気流搬送装置1では、主搬送気流10の圧力損失が増大する部位(湾曲部外周側上流領域115、湾曲部内周側下流領域117)において、壁流発生部130の数量と大きさの少なくとも一方を、他の部位よりも増大させたことを特徴とする。
本態様によれば、湾曲部外周側上流領域115と湾曲部内周側下流領域117では、壁流11を増大させることで、湾曲部外周側上流領域115と湾曲部内周側下流領域117の粘性抵抗を極限まで低下させて、乱流の発生を防止する。また、湾曲部外周側上流領域115と湾曲部内周側下流領域117では、壁流11を増大させることで、被搬送物Sは、壁流11により搬送路110の中心部へと押し戻すことができ、被搬送物Sの対向面121への付着を防止し、被搬送物Sの湾曲部(又は屈曲部)に沿ってスムーズな方向転換を実現する。このため、被搬送物Sは、空気流により安定して搬送できる。
また、本発明の好ましい実施形態の空気流搬送装置1は、シート状又は薄板状の被搬送物Sを気流により搬送する搬送路110を形成し、該搬送路に沿って搬送される被搬送物の両主面S1と夫々対向する2つの主内壁(第一内壁)を有した搬送管100と、搬送路の一方から他方に向かう主搬送気流10を搬送路110内に発生させる気流発生装置20と、各主内壁に夫々形成されて、搬送中の被搬送物が主内壁に接触又は吸着することを防止する壁流11を発生させる凹所である凹面137から成る複数の壁流発生部130と、を備えたことを特徴とする。
本発明の好ましい実施形態の空気流搬送装置1によれば、壁流発生部130が対向部材120の対向面121に壁流11を発生させるので、従来必要であった搬送用の補助部材が不要であり、紙葉類等のような被搬送物Sの変形を防ぎながら、被搬送物Sを空気流により安定して搬送できる。また、複数の壁流発生部130が、凹所である凹面137から成るので、搬送管100の部品点数を減らして搬送管100の構造を簡素化することができる。
ところで、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更ができる。本発明の各実施形態の構成は、任意に組み合わせることも可能である。
例えば、図1と図2に示すように、搬送管100は、一例として直線状に形成されており、被搬送物Sの搬送方向は直線状である。しかし、これに限らず、搬送管100は、湾曲、又は屈曲して形成されることで、被搬送物Sの搬送方向を曲線としても良いし、1つの搬送管100から複数の搬送管100が分岐して形成されていても良い。
本発明の実施形態の空気流搬送装置は、例えばパチンコやスロットマシン等の遊技機を備えた遊技場に適用することができる。すなわち、本発明の実施形態の空気流搬送装置は、各遊技機の紙幣投入部から投入される被搬送物である紙幣を、遊技機の裏側に配置された島設備を通じて紙幣集積部に向けて長距離搬送するのに有用である。
本発明の実施形態では、壁流発生部130の形状は、図示例に限定されず、任意の形状を採用することができる。図10に例示する壁流発生部130の凹所である凹面137は、ディンプルあるいはスプーンカット形状であってもよい。
本発明の実施形態では、壁流発生部130を備える対向板120としては、例えばパンチングメタルのような複数の貫通孔を有する板部材を使用することも含まれる。
S…被搬送物、S1…主面、1…空気流搬送装置、10、10a〜10d…主搬送気流、11、11a、11b…壁流、13…回帰流、20…気流発生装置、30…投入口、40…回収装置、100…搬送管、101…第一内壁(主内壁)、103…第二内壁、110…搬送路、111…第一気流路、113…第二気流路、115…湾曲部外周側上流領域、117…湾曲部内周側下流領域、120…対向板(対向部材の例)、121、121a、121b…対向面、130、130A…壁流発生部、131…貫通孔、131a…上流側端縁、131b…周縁、133…ガイド部材、133a…ガイド面、135…最深部、137…凹面(凹所)、200…搬送管、201…内壁面、205…搬送路、210…空気流

Claims (10)

  1. シート状又は薄板状の被搬送物を気流により搬送する搬送路を形成し、該搬送路に沿って搬送される前記被搬送物の両主面と夫々並行する2つの主内壁を有した搬送管と、
    前記搬送路の一方から他方に向かう主搬送気流を前記搬送路内に発生させる気流発生装置と、
    前記各主内壁との間に所定のギャップを隔てて夫々対向配置されて、搬送される前記被搬送物の両主面と夫々対向する対向面を備え、該対向面間に前記搬送路を形成する対向部材と、
    前記各対向部材に夫々形成されて、搬送中の前記被搬送物が前記対向面に接触又は吸着することを防止する壁流を発生させる複数の壁流発生部と、を備えたことを特徴とする空気流搬送装置。
  2. 前記各壁流発生部は、前記対向部材に貫通形成されて、前記対向部材と前記各主内壁との間に形成される第一気流路と、前記搬送路と、を連通させる貫通孔を備えることを特徴とする請求項1に記載の空気流搬送装置。
  3. 前記各壁流発生部は、前記貫通孔の上流側端縁を除いた周縁から前記各第一気流路側へ延出して前記第一気流路内の空気流を、前記貫通孔を経由して前記搬送路へ導くガイド部材を備えることを特徴とする請求項2に記載の空気流搬送装置。
  4. 前記貫通孔における搬送方向と直交する幅方向における長さが、搬送方向の下流側へ向かう程漸減することを特徴とする請求項2又は3に記載の空気流搬送装置。
  5. 前記搬送路内の気流を前記第一気流路へ導入する第二気流路を備えたことを特徴とする請求項2乃至4の何れか一項に記載の空気流搬送装置。
  6. 前記壁流発生部は、前記対向面に形成された有底の凹所であることを特徴とする請求項1に記載の空気流搬送装置。
  7. 前記凹所の前記対向面からの深さは、前記被搬送物の搬送方向上流側において深く、搬送方向下流側において浅いことを特徴とする請求項6に記載の空気流搬送装置。
  8. 前記壁流発生部は、前記被搬送物の搬送方向に互い違いに配置されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の空気流搬送装置。
  9. 前記主搬送気流の圧力損失が増大する部位において、前記壁流発生部の数量と大きさの少なくとも一方を、他の部位よりも増大させたことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の空気流搬送装置。
  10. シート状又は薄板状の被搬送物を気流により搬送する搬送路を形成し、該搬送路に沿って搬送される前記被搬送物の両主面と夫々対向する2つの主内壁を有した搬送管と、
    前記搬送路の一方から他方に向かう主搬送気流を前記搬送路内に発生させる気流発生装置と、
    前記各主内壁に夫々形成されて、搬送中の前記被搬送物が前記主内壁に接触又は吸着することを防止する壁流を発生させる凹所から成る複数の壁流発生部と、を備えたことを特徴とする空気流搬送装置。
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