次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技が行われるパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口内側に、遊技盤20が着脱可能に配設される本体枠としての中枠12が前側から組み付けられて、外枠に対して中枠12が開閉し得るように構成されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20の遊技領域21と対応する位置に視認口13aが開口する装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられている。そして、前枠13には、ガラス板や透明な合成樹脂板で形成された透視保護板(図示せず)が視認口13aを覆うよう配設されており、遊技盤20を前側から目視可能な状態で保護している。また、実施例の前枠13には、上下の位置関係で2つの球受け皿14(図1には上側の球受け皿のみ図示)が組み付けられており、上下の球受け皿14に所定数のパチンコ球を貯留し得るようになっている。また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられており、当該操作ハンドル16を遊技者が操作することで打球発射装置18が作動されて、前記上側の球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。なお、前記上下の球受け皿14の一方および両方を、前枠13とは個別に中枠12に組み付けるようにしてもよい。また、中枠12や前枠13に、1つの球受け皿のみを備える構成とすることもできる。
図1、図3、図5、図10に示すように、前記パチンコ機10(実施例では中枠12)の後面上部には、パチンコ球を貯留可能な球貯留部材19が配設されている。球貯留部材19は、外枠11より後側に位置して上方に開口する箱状の球タンク19aと、該球タンク19aの傾斜下端側(実施例では図3の右下端部側)に接続されてパチンコ球を一列に整列させる球整流部19bとを備え、遊技店の図示しない球補給機構から補給されたパチンコ球を球タンク19aの底面上で受けるように構成されている。そして、球貯留部材19における球整流部19bの傾斜下端部に接続する球通路17が前記球受け皿14に連通するよう構成されると共に、当該球通路17の経路途中に球払出装置(図示せず)が配設されており、当該球払出装置が作動することで球貯留部材19(球タンク19a)に貯留されたパチンコ球が球受け皿14に供給されるようになっている。なお、実施例では、球貯留部材19を中枠12の後側上部に配設しているが、球貯留部材19が中枠12の後側上部に位置するように該球貯留部材19を外枠11に配設してもよい。
(遊技盤20について)
図2に示すように、前記遊技盤20は、パチンコ球が流下可能な遊技領域21が前面側に形成された板部材(遊技領域形成部材)20aと、該板部材20aの裏側に配設されて当該板部材20aとの間に収容空間60を画成する設置部材(収容空間画成部材)50とを備えており、これら板部材20aおよび設置部材50を取付対象として各種の部材が取り付けられている。前記板部材20aは、合成樹脂材やベニヤ材等から所定板厚の略矩形状に形成されており、前面(盤面)に配設された略円形状のレール部材22によりパチンコ球が流下可能な遊技領域21が画成されて、前記打球発射装置18から発射されたパチンコ球が遊技領域21に打ち出されるよう構成されている。また、前記板部材20aには、パチンコ球の流下方向に変化を与える複数の遊技釘25や風車とも称される回転案内部材26が前記遊技領域21の適宜位置に設けられており、遊技領域21を流下するパチンコ球が遊技釘25や回転案内部材26に接触することによりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。そして、前記遊技盤20の板部材20aにおいて前記遊技領域21の最下部位置に、パチンコ球を遊技領域21の外側に排出するためのアウト口23が開設されている。
また、図2に示すように、前記遊技盤20(板部材20a)には、前後に貫通する図示しない装着口が前記遊技領域21内の適宜位置に開設されて、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品が配設されている。なお、実施例の遊技盤20には、遊技盤設置部品として演出装置30や各種入賞部(始動入賞部42、普通入賞部43,44等)を設置する装着口が形成されている。ここで、実施例の前記板部材20aには、前記レール部材22で囲まれた前記遊技領域21の略中央にセンター役とも称される演出装置30が配設されて、当該演出装置30に、表示演出を実行可能な表示部31が遊技盤20の前側から視認可能に設けられている。また、前記演出装置30には、開閉部材41aにより入賞口41bを遊技領域21に対して開閉する可変入賞部41が設けられている。すなわち、前記開閉部材41aが入賞口41bを遊技領域21に対して開口することで、当該遊技領域21を流下するパチンコ球の入賞口41bへの入賞が許容され、開閉部材41aが入賞口41bを遊技領域21に対して閉鎖することで、当該遊技領域21を流下するパチンコ球の入賞口41bへの入賞が阻止されるよう構成されている。なお、前記可変入賞部41の入賞口41bは、前記演出装置30の左右上部位置に設けられて、各入賞口41bに対応して設けられた開閉部材41aにより開閉されるようになっている。また、前記演出装置30には、前後に開口する窓口35が設けられており、前記設置部材50に配設された動作演出を実行可能な可動演出装置(図4参照)が当該窓口35介して遊技盤20の前側から視認可能に構成されている。なお、前記演出装置30は、前記板部材20aの候補に突出して、前記設置部材50の第1収容部54で画成された第1空間部61(何れも後述)に収容されるようになっている。
また、図2に示すように、前記板部材20aには、前記遊技領域21における前記演出装置30の下方位置に、複数(実施例では、3つ)の始動入賞部42および複数(実施例では、2つ)の第1の普通入賞部43を有する複合入賞装置33が配設され、当該演出装置30を挟む左右両側方に、所定数(実施例では1つずつ)の第2の普通入賞部44が配設されている。なお、実施例の複合入賞装置33には、左右方向に離間して3つの始動入賞部42が設けられると共に、左右両端に位置する始動入賞部42よりも左右の側方に前記第1の普通入賞部43が1つずつ設けられている。前記始動入賞部42は、前記遊技領域21内において入賞口42aが上方へ開口するよう構成されており、当該遊技領域21を流下するパチンコ球が所定の確率で入賞口42aに入賞し得るようになっている。そして、始動入賞部42の入賞口42aにパチンコ球が入賞することを契機として、前記可変入賞部41の開閉部材41aが開放作動されるようになっている。また、前記第1および第2の普通入賞部43,44は、前記遊技領域21内において入賞口43a,44aが上方へ開口するよう構成されており、当該遊技領域21を流下するパチンコ球が所定の確率で入賞口43a,44aに入賞し得るようになっている。すなわち、始動入賞部42および普通入賞部43は、パチンコ球の入賞確率が変化しない固定入賞部である。
なお、前記遊技盤20に設けられた前記入賞部(可変入賞部41、始動入賞部42、普通入賞部43,44)の入賞口41b,42a,43a,44aに入賞したパチンコ球は、入賞部41,42,43,44の種類に応じて設けられた入賞検出センサによって検出されるようになっている。なお、図5、図8に第2の普通入賞部44に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出センサSEのみ図示してある。前記各入賞検出センサは、遊技制御基板(図示せず)に配線接続されており、入賞検出センサからのパチンコ球の検出信号の入力を条件として、遊技制御基板が賞球数の情報を含む賞球コマンドを払出制御基板(図示せず)に送信するようになっている。そして、払出制御基板が賞球コマンドに基づいて前記球払出装置を駆動制御することで、入賞が発生した入賞口41b,42a,43a,44aの種類に応じて定められた個数のパチンコ球を賞球として払い出するようになっている。また、遊技制御基板は、始動入賞部42に対応する入賞検出センサからの検出信号の入力を条件として当り判定を実行し、当該当り判定の結果が当りとなる判定結果となった場合に、遊技制御基板が前記開閉部材41aを作動制御して可変入賞部41の入賞口41bをパチンコ球が入賞し得る状態に変化させるようになっている。ここで、当り判定の結果が特定の当りとなる判定結果となった場合には、遊技制御基板が特別の開閉態様で入賞口41bを開放するよう前記開閉部材41aを作動制御することで特別遊技が行われ、多数の賞球を獲得し得る機会を遊技者に付与するよう構成されている。また、遊技制御基板は、前記当り判定の判定結果に基づいて決定したコマンドを演出制御基板に送信して、当該パターンコマンドに基づいて演出制御基板が前記表示部31の表示を制御することで、当り判定の結果を判別可能な演出が前記表示部31に表示されるようになっている。なお実施例では、後述する第3基板103が演出制御基板とされている。
(設置部材50について)
図3、図4に示すように、前記設置部材50は、前記板部材20aの後面の略全体を覆う大きさで前方に開口する箱状に形成されている。前記設置部材50には、外郭を形成する外周壁部52の前端部の複数箇所に、前記板部材20aの後面に沿って延在する固定片53が形成されており、当該固定片53に形成された挿通孔53aに後方から挿通した固定手段としての固定ネジを板部材20aに螺挿することで、当該外周壁部52の前端部を板部材20aの後面に当接した状態で設置部材50が固定されて、板部材20aと設置部材50との間に前記収容空間60が画成されるようになっている。
ここで、前記設置部材50は、図4に示すように、前記板部材20aの後面に対向する壁部を形成して回路が形成された基板(後述する第1基板101、第2基板102)を保持するカバー体(基板保持部材)81,82(後述)が着脱可能に設置される基板設置部111,121と、当該基板設置部111,121より後方に突出するよう形成されると共に前方へ開口する箱状に形成された所定数(実施例では3つ)の収容部54,55,56とを備えており、当該基板設置部111,121および板部材20aの間に画成される空間部64,65および収容部54,55,56の前面内側に画成される空間部61,62,63により前記収容空間60が形成されるようになっている。具体的に、実施例の設置部材50には、前記板部材20aに配設された演出装置30や可動演出装置32を収容する第1空間部61を画成する収容部(以下、第1収容部という)54と、当該第1収容部54の下方に位置して前記複合入賞装置33を収容する第2空間部62を画成する収容部(以下、第2収容部という)55と、当該第1収容部54の上方に位置して不正検出センサ(図示せず)を収容する第3空間部63を画成する収容部(以下、第3収容部という)56とが設けられている。なお、収容部の形成数は、3つに限られるものでなく、必要に応じて形成し得ることは当然である。
図4に示すように、前記第1および第3収容部54,56は、前記設置部材50の左右方向の中央側に位置するよう設けられて、当該第1および第3収容部54,56の左右側方に基板設置部111,121が位置すると共に、前記第2収容部55は、当該設置部材50の左右方向の略全幅に亘って位置するよう設けられて、当該第2収容部55の上方に基板設置部111,121が位置するよう構成されている。そこで、以下の説明では、実施例の設置部材50において前記第1収容部54の左右一方側(図3における右側)に位置する基板設置部を第1基板設置部111と指称すると共に、当該第1基板設置部111に設置されて第1基板101を保持するカバー体を第1カバー体81と指称して区別する場合がある。同様に、実施例の設置部材50において前記第1収容部54の左右他方側(図3における左側)に位置する基板設置部を第2基板設置部121と指称すると共に、当該第2基板設置部121に設置されて第2基板102を保持するカバー体を第2カバー体(第1の基板保持部材)82と指称して区別する場合がある。また、実施例の設置部材50には、前記第2基板設置部121に設置される第2カバー体82の後方に、当該第2カバー体82に対して前後重なるようにベース部材131(図4,図8〜図10参照)が着脱可能に配設されると共に、当該ベース部材131に対して第3基板(基板、制御基板)103を内部に収容保持した第3カバー体(第2の基板保持部材)83が着脱可能に設置されている。なお、実施例では、前記第1および第2収容部54,55は、各収容部54,55により画成される空間部61,62が上下に連通するようになっており、前記演出装置30の下部が部分的に第2空間部62に収容されるよう構成してある。
ここで、図4に示すように、前記第1収容部54には、前記板部材20aに対向する後壁部54aにおいて前記演出装置30の後方位置に、前後に開口する開口部54bが形成されており、当該開口部54bを介して演出装置30の後部が第1収容部54の後方に露出するよう構成されている。すなわち、前記板部材20aと設置部材50とを分解することなく、前記第1収容部54の開口部54bを介して、前記第1空間部61に収容された演出装置30(可変入賞部41)の駆動機構等のメンテナンスを行い得るようになっている。また、前記第2収容部55には、前記複合入賞装置33に設けられた始動入賞部42の間に位置するように不正検出センサ(図示せず)が前記第2空間部62内に夫々配設されており、当該始動入賞部42を狙った不正行為を不正検出センサで検出し得るよう構成されている。なお、実施例のパチンコ機10は、前記不正検出センサとして磁気を検出する磁気検出センサや電波を検出する電波検出センサ、振動を検出する振動検出センサを備えており、磁気センサ、電波検出センサおよび振動検出センサの夫々が前記第2収容部55の第2空間部62に収容されると共に、第3収容部56の第3空間部63には磁気検出センサが収容されるようになっている。
(第1基板101、第2基板102および第3基板103について)
次に、図4〜図10を参照して、実施例の設置部材50に配設される前記第1基板101、第2基板102および第3基板103の構成の構成について説明する。前記第1〜第3基板101,102,103は、一方の基板面(以下、実装面KFと指称する)に電子部品が集約的に実装され、この実装面KFに実装された電子部品の端子(端子部)TMが他方の基板面(以下、端子面KRと指称する)から突出するよう構成されている(図5参照)。具体的に、前記第1〜第3基板101,102,103の実装面KFには、他の基板等の部品に繋がる配線のコネクタが接続されるコネクタ接続部CNが実装されるほか、コンデンサや抵抗器、ICチップ等の部品が基板の種類や用途に応じて適宜に配設されている。なお、各図において、コネクタ接続部CN以外の電子部品の図示を省略してある。そして、第1〜第3基板101,102,103の夫々における適宜に、複数の孔部105が厚み方向に貫通形成されており、各カバー体81,82,83に形成された位置決めピン部92を、対応する基板101,102,103の孔部105に嵌入することで、各基板101,102,103がカバー体81,82,83と位置決めされると共に、各基板101,102,103の別の孔部105に挿通した固定ネジを、対応するカバー体81,82,83に形成された基板用固定部91に螺挿することで、基板101,102,103がカバー体81,82,83に固定されるようになっている。なお、図6に第1カバー体81の基板用固定部91および位置決めピン部92と、第1基板101の孔部105の一部を図示してある。
前記第1基板101は、前記遊技制御基板と、前記不正検出センサおよび前記入賞検出センサとを中継接続するよう構成されており、遊技制御基板、複数の不正検出センサおよび前記入賞検出センサに繋がる各配線のコネクタが接続される複数のコネクタ接続部CNが配設されている。具体的に、前記第1基板101の実装面KFには、前記不正検出センサおよび入賞検出センサに繋がる配線のコネクタに対応するコネクタ接続部CNが上縁部に集約して実装されると共に、前記遊技制御基板に繋がる配線のコネクタに対応するコネクタ接続部CNが下縁部に実装されている。また、前記第2基板102は、前記遊技制御基板と第3基板(前記演出制御基板)103とを中継接続する演出制御用中継基板であり、遊技制御基板および第3基板103に繋がる各配線のコネクタが接続される複数のコネクタ接続部CNが配設されている。この第2基板102には、第1基板101と較べて大容量のコンデンサや抵抗器等の発熱量が大きい電子部品が多く配設されており、該電子部品の温度上昇を防ぎ得る環境下に設ける必要性が高い構成となっている。更に、前記第3基板103は、前記演出装置30の表示部31や、遊技盤20に配置された装飾用の発光体基板(図示せず)を制御するよう構成されており、第2基板102、表示部31および発光体基板に繋がる各配線のコネクタが接続される複数のコネクタ接続部CNが配設されている。なお、各基板101,102,103の各コネクタ接続部CNは、配線のコネクタが接続される接続口が実装面KFから離間する方向(鉛直方向)を向くように配設されている。
(カバー体81,82,83について)
図5、図6に示すように、前記第1カバー体81は、前記第1基板101の実装面KFを被覆する被覆板部84Aと、当該被覆板部84Aの外周縁に連設して第1基板101の外周端面に対向する外周板部85Aとから全体が一方(具体的には第1基板設置部111側)に開口する箱状に形成されて、内側の空間内に第1基板101を保持し得るように構成されている。前記被覆板部84Aは、前記コネクタ接続部CNが実装された第1基板101の実装面KFに当接する第1被覆部86Aと、当該第1被覆部86Aに連設されると共に第1基板101の実装面KFから離間するよう後方へ膨出して前方へ開口する箱状の第2被覆部87Aとから構成されて、当該第2被覆部87Aによりコネクタ接続部CNとは別の電子部品の実装領域が覆われるようになっている。すなわち、前記第1被覆部86Aは、前記第1基板101の実装面KFの上縁部および下縁部に対応して設けられて、前記第2被覆部87Aは、第1被覆部86Aの間に位置するよう設けられている。
そして、図5に示すように、前記第1カバー体81における上下の第1被覆部86Aに、前記コネクタ接続部CNの配設位置に対応して接続用開口90Aが形成されており、当該接続用開口90Aを介してコネクタ接続部CNが第1カバー体81の外側に露出するようになっている。ここで、前述したように、前記第1基板101における実装面KFの上縁部に実装されたコネクタ接続部CNに不正検出センサに繋がる全ての配線が接続される。すなわち、不正検出センサが接続される第1基板101のコネクタ接続部CNを、前記第1カバー体81において後方へ突出する第2被覆部87Aの上側に位置する第1被覆部86A側に集約して設けることで、当該第2被覆部87Aにより作業者の視線が妨げられることなく不正検出センサに対応する全てのコネクタ接続部CNに対するコネクタの接続状態を容易に点検し得るようになっている。なお、実施例の第1カバー体81には、上側の第1被覆部86Aに接続用開口90Aが1つ設けられて、不正検出センサが接続される全てのコネクタ接続部CNが同じ接続用開口90Aに挿通されるように構成されているが、各コネクタ接続部CNの個々に対応するよう設けてもよい。
また、図4および図5に示すように、前記第1カバー体81には、当該第1カバー体81の上面および下面を形成する外周板部85Aに、前記第1基板設置部111に対する固定手段88,89が形成されている。すなわち、前記第1カバー体81の下面を形成する外周板部85Aに、前記固定手段を構成する係合突部88が下方に突出するよう設けられると共に、当該第1カバー体81の上面を形成する外周板部85Aに、前記固定手段を構成する被固定部89が上方に突出するよう設けられている。ここで、前記係合突部88は、前記第1カバー体81の外周板部85Aの前端部(延出端部)に形成されており、前記第1基板設置部111に設けた係合受部113(後述)の差込口113aに係合突部88を上方から差込係合することで、第1カバー体81の下部位置を第1基板設置部111に対して固定し得るようになっている。そして、前記被固定部89は、前記第1カバー体81の外周板部85Aの後端部に、左右に離間する複数箇所(実施例では2箇所)に設けられると共に、被固定部89の夫々に、前後に貫通する挿通孔89aが形成されており、当該挿通孔89aに後方から挿通した固定ネジを前記第1基板設置部111に設けた第1カバー用固定部112(後述)に螺挿することで、第1カバー体81の上部位置を第1基板設置部111に対して固定し得るようになっている。また、前記被固定部89の前面には、前記第1基板設置部111の第1カバー用固定部112を嵌合可能な嵌合凹部89bが形成されており、当該嵌合凹部89bに第1カバー用固定部112を嵌合することで、前記挿通孔89aが第1カバー用固定部112のネジ孔に整列するようになっている。
前記第2カバー体82は、図4、図8〜図10に示すように、前述した第1カバー体81と同様に、一方に開口する箱状に形成されて、内側の空間内に第2基板102を保持し得るように構成されている。すなわち、前記第2カバー体82は、前記第2基板102の実装面KFを被覆する被覆板部84Bと、当該被覆板部84Bの外周縁に連設して第2基板102の外周端面に対向する外周板部85Bとから構成されている。前記被覆板部84Bは、前記コネクタ接続部CNが実装された第2基板102の実装面KFに当接する第1被覆部86Bと、当該第1被覆部86Bに連設されると共に第2基板102の実装面KFから離間するよう後方へ膨出して前方へ開口する箱状の第2被覆部87Bとから構成されて、当該第2被覆部87Bにより第2基板102に実装されたコネクタ接続部CNとは別の電子部品の実装領域が覆われるようになっている。なお、第2カバー体82では、前記第2基板102の実装面KFの下縁部に対応して前記第1被覆部86Bが設けられて、当該第1被覆部86Bに、第2基板102のコネクタ接続部CNを外部に露出する接続用開口90Bが形成されている。また、前記第2カバー体82には、第2基板102の実装面KFに対向する第2被覆部87Bおよび上面を形成する外周板部85Bに放熱孔82aが形成されると共に、当該第2カバー体82の外周板部85Bと第2基板102の外周端面との間に間隙Sが画成されるよう構成されており、当該放熱孔82aや間隙Sを介して第2カバー体82の内外での空気循環を行い得るようになっている。ここで、前記間隙Sは、第2基板102の外周端面の全周に亘って画成されており、第2カバー体82の内外の空気循環の効率を高めている。
ここで、図9に示すように、前記第2カバー体82は、前記外周板部85Bの一面を前記第2基板設置部121に向けた姿勢で取り付けられるよう構成される。すなわち、前記第2カバー体82には、前記被覆板部84B(第2被覆部87B)と、上面および下面を形成する外周板部85Aに前記第2基板設置部121に対する固定手段95が形成されている。具体的には、前記第2カバー体82における前記被覆板部84B(第2被覆部87B)および上下面を形成する外周板部85Bの前端部(第2基板設置部121側の端部)の夫々に、各板部84B,85Bから外方へ突出するよう固定手段としての被固定部95が形成されている。前記第2カバー体82の被固定部95は、前後に貫通する挿通孔95aが形成されており、当該挿通孔95aに後方から挿通した固定ネジを前記第2基板設置部121に設けた第2カバー用固定部122(後述)に螺挿することで、第2カバー体82の上下および中間位置を第2基板設置部121に対して固定し得るようになっている。また、前記被固定部95の前面には、前記第2基板設置部121の第2カバー用固定部122を嵌合可能な嵌合凹部95bが形成されており、当該嵌合凹部95bに第2カバー用固定部122を嵌合することで、前記挿通孔95aが第2カバー用固定部122のネジ孔に整列するようになっている。これにより、第2カバー体82は、前記第2基板設置部121に第2基板102の外周板部85Bが当接して、前記第2基板102の実装面KFが設置部材50の側方に向く姿勢(以下単に横向き姿勢という)で設置し得るように構成される。
また、前記第3カバー体83は、図9に示すように、前記第3基板103の実装面KFを被覆する第1ケース部97と、該第3基板103の端子面KRを被覆する第2ケース部98とを備え、当該第1ケース部97および第2ケース部98を組み付けることで、第3基板103の実装面KFおよび端子面KRの両面を覆う箱状に形成されている。なお、前記第3基板103のコネクタ接続部CNは、前記第1ケース部97の接続用開口(図示せず)を介して外部に露出するようになっている。すなわち、前記表示部31等の演出制御を実行する第3基板103には、コネクタ接続部CN以外の電子部品として演出制御用IC等が配設されていることから、実装面KFおよび端子面KRの両面を覆う箱状の第3カバー体83によってコネクタ接続部CNを除く第3基板103の全体を覆うことで、当該演出制御用IC等を狙った不正行為を防ぐようになっている。
(カバー体81,82,83の取付構造について)
次に、前記設置部材50に対する第1カバー体81、第2カバー体82および第3カバー体83の取付構造に関して説明する。
(第1基板設置部111について)
図4〜図6に示すように、前記第1基板設置部111は、前記板部材20aの後面に対して個法に離間した位置で対向する平板状に形成されて、当該第1基板設置部111の前面と板部材20aの後面との間に前記収容空間60の一部としての空間部(以下、第1の設置前空間部という)64が画成されている。この第1の設置前空間部64は、前記設置部材50の前側で前記第1〜第3空間部61〜63に連通すると共に、当該第1〜第3空間部61〜63と較べて前後寸法が小さく形成される。
そして、図4に示すように、前記第1基板設置部111の後面には、前記第1カバー体81を固定する固定手段112,113が形成されている。すなわち、前記第1基板設置部111の下部位置に、前記固定手段を形成する係合受部113が形成されると共に、当該第1基板設置部111の上部位置に、固定手段を形成する第1カバー用固定部112が形成されている。ここで、前記係合受部113は、前記第1収容部54の側方(具体的には、図3における右側方)に設けられ、前記第1カバー用固定部112は、前記第3収容部56の側方(具体的には、図3における右側方)に設けられている。すなわち、前記第1カバー体81は、前記第1収容部54および第3収容部56の側方(右側方)に離間する位置に前記第1基板設置部111に配設されて、当該第1カバー体81の上面が前記球貯留部材19の下面19cに対して対向するようになっている。
前記係合受部113は、図4、図5に示すように、前記第1基板設置部111から後方へ突出すると共に、上方に開口するよう差込口113aが形成されており、当該差込口113aを介して係合受部113の上方から前記第1カバー体81の係合突部88を差込み得るようになっている。なお、前記差込口113aの前側の開口縁部は、前記第1基板設置部111の形成位置に形成され、前記係合突部113を第1基板設置部111の後面に沿って差込口113aに挿入し得ると共に、第1カバー体81の外周壁部85Aの延出端部(前端部)を第1基板設置部111に当接させ得るようになっている。そして、前記第1カバー用固定部112は、前記係合受部113に係合突部88を差込係合した状態で、前記第1カバー体81の各被固定部89(嵌合凹部89b)と前後に整列する位置に、前記第1基板設置部111の後面から後方へ突出するよう左右に離間した2箇所に設けられている。
すなわち、前記第1カバー体81の係合突部88を第1基板設置部111の係合受部113に差込係合した状態で、当該第1カバー体81の前記被固定部89に設けた嵌合凹部89bに当該第1基板設置部111の第1カバー用固定部112を嵌合することにより、第1基板設置部111に対して第1カバー体81を仮止めし得るようになっており、仮止めしたもとで被固定部89の挿通孔89aに後側から挿通した固定ネジを第1カバー用固定部112に螺挿することで、第1カバー体81が第1基板設置部111に設置される。そして、前記第1カバー体81を前記第1基板設置部111に設置した状態では、前記第1基板101の実装面KFが後方を向くと共に、端子面KRが第1基板設置部111側を向くようになっている。ここで、図5、図6に示すように、前記第1カバー体81の外周板部85Aは、前記第1基板101の端子面KRに対する端子TMよりも第1基板設置部111側に全周の延出端部が位置するよう形成されると共に、当該外周板部85Aの全周の延出端部が同じ平面上に位置するよう構成されている。すなわち、第1カバー体81を第1基板設置部111に設置した際に、端子面KRから突出する前記コネクタ接続部CN等の電子部品の端子TMが第1基板設置部111から離間した位置で端子面KRが第1基板設置部111に対向すると共に、当該第1カバー体81の外周板部85Aの延出端部が第1基板設置部111に対し全周に亘って当接するようになっている。
ここで、前記第1基板設置部111の前側に形成される前記第1の設置前空間部64は、図5に示すように、前記演出装置30の左側方に配設した前記第2の普通入賞部44に連通する球排出路部117を配設可能な前後寸法に形成されている。すなわち、前記第1基板設置部111は、前記球排出路部117の通路幅分だけ前記板部材20aの後面から離間する位置に形成されている。すなわち、前記第1カバー体81が配設される前記第1基板設置部111を、前記板部材20aの後面に近接するよう位置させることで、第1基板設置部111に設置される前記第1カバー体81の後端が、前記球貯留部材19の後端より前側に位置するように構成され、当該球貯留部材19から零れ落ちたパチンコ球が第1カバー体81に接触しないよう構成されている。
また、前記第1基板設置部111の前面(第1カバー体81が設置される壁面とは反対側の壁面)には、図5および図6に示すように、前記板部材20aへ向けて突出する突出部150が設けられている。具体的には、前記第1基板設置部111の前面には、左右方向に延在する第1突壁151が上下に離間して複数設けられると共に、上下方向に延在する第2突壁152が左右に離間して複数設けられて、当該第1および第2突壁151,152により一体的な格子状の壁を形成している。このように、前記第1の設置前空間部64は、突出部150(第1突壁151や第2突壁152)により格子状の小さな空間に分断するよう構成されており、第1の設置前空間部64に所定の不正部品が設置されるのを防いでいる。
すなわち、前記第1基板設置部111に形成された突出部150は、第1の設置前空間部64を小さな領域に分割することで、所定サイズの不正部品が、第1の設置前空間部64へ設置されるのを防止すべく機能する。ここで、不正部品は、例えば、前記可変入賞部41や始動入賞部42を誤作動させたり、予め設定された制御条件とは異なった制御条件で前記遊技制御基板に制御を実行させるために調製された基板や装置、器具等を指している。また、前記突出部150により空間を分割するとは、不正行為を実行するために必要となる不正部品の大きさを想定して、この想定した不正部品が設置し得ない空間に前記第1の設置前空間部64を分断または区分けすることを意味する。換言すれば、突出部150の設置態様は、想定された不正部品が設置不能なスペースを画成するように適宜設定される。
また、前記突出部150は、少なくとも1つの突壁151,152が、第1カバー体81の設置範囲を第1基板設置部111の前側で横切るように構成されており、これにより第1基板設置部111における第1カバー体81の設置範囲(すなわち、第1カバー体81が後方から対向する範囲)が補強されて、該第1カバー体81を第1基板設置部111に安定して支持し得るようになっている。具体的には、突出部150は、少なくとも1つの突壁151が、第1カバー体81の左右に対向する外周板部85Aが当接する部位の壁面裏側(前面側)の間を横切るように設けられると共に、少なくとも1つの第2突壁152が、第1カバー体81の上下に対向する外周板部85Aが当接する部位の壁面裏側(前面側)の間を横切るように設けられている。実施例では、前記第1カバー体81の設置範囲の前方全体に突出部150が位置するように設けられている。
また、前記第1基板設置部111には、図4に示すように、前記第1カバー体81(第1基板101)の設置範囲の周囲に、前後に貫通するセンサ用挿通口115および複数の配線挿通口114が形成されている。上側の配線挿通口114は、前記第3空間部63に収容された不正検出センサに繋がる配線を第1基板設置部111の後側に引き出し得るように、前記第1カバー体81(第1カバー用固定部112)の上方に形成されている。下側の配線挿通口114は、前記第2空間部62に収容された不正検出センサに繋がる配線を第1基板設置部111の後側に引き出し得るように、前記第1収容部54と第1カバー体81の間に形成されている。また、前記第1基板設置部111において、前記第1カバー体81の下方位置には、前記排出通路117に設けられたセンサ着脱部117aの後方位置に、前後に開口する前記センサ用挿通口115が開設されると共に、当該センサ着脱部117aを塞ぐ蓋部材118がセンサ用挿通口115に合わせて着脱可能に配設されている。すなわち、前記第1カバー体81を第1基板設置部111から取り外すことなく、蓋部材118を取り外すことで開口する前記センサ用挿通口115を介して前記センサ着脱部117aに入賞検出センサを着脱し得るようになっている。このとき、前記第1カバー体81の下部位置に前記第1被覆部86Aが位置するよう構成してあるから、蓋部材118や入賞検出センサの着脱作業に際して第1カバー体81に手指が干渉することを防ぐことができる。
(第2基板設置部121について)
図4,図7〜図10に示すように、前記第2基板設置部121は、前記板部材20aの後面に対して個法に離間した位置で対向する平板状に形成されて、当該第2基板設置部121の前面と板部材20aの後面との間に前記収容空間60の一部としての空間部(以下、第2の設置前空間部という)65が画成されている。この第2の設置前空間部65は、前記設置部材50の前側で前記第1〜第3空間部61〜63に連通すると共に、当該第1〜第3空間部61〜63と較べて前後寸法が小さく形成される。
そして、図4、図7に示すように、前記第2基板設置部121の後面には、前記第2カバー体82を固定する固定手段122が形成されている。すなわち、前記第2基板設置部121における左右の中間位置に、固定手段を構成する第2カバー用固定部122が上下方向に離間する複数箇所(実施例では3箇所)に形成されている。具体的には、前記第3収容部56の側方(具体的には、図3における左側方)に前記第2カバー用固定部122が1つ設けられ、前記第1収容部54の側方(背面視における側左方)に上下に離間して第2カバー用固定部122が2つ設けられている。
すなわち、前記第2カバー体82の被固定部95に設けた嵌合凹部95bに前記第2基板設置部121の第2カバー用固定部122を嵌合することにより、第2基板設置部121に対して第2カバー体82を仮止めし得るようになっており、仮止めしたもとで被固定部95の挿通孔95aに後側から挿通した固定ネジを第2カバー用固定部122に螺挿することで、第2カバー体82が第1基板設置部111に設置される。そして、前記第2カバー体82を前記第2基板設置部121に設置した状態では、前記第2基板102の実装面KFが遊技盤20の側方(背面視において第1収容部54と反対側となる左側方)を向くと共に、端子面KRが第1収容部54側を向くようになっている。そして、前記第2カバー体82は、前記第1収容部54および第3収容部56の左側方に離間する位置に前記第2基板設置部121に配設されて、当該第2カバー体82の上面が前記球貯留部材19の下面19cに対して対向するようになっている。
ここで、図4,図9、図10に示すように、前記第2カバー体82は、前記第1および第3収容部54,56に対して側方に離間すると共に、前記第2収容部55に対して上方に離間するよう前記第2基板設置部121に配設される。すなわち、前記第2カバー体82の周囲に空気循環用の空間が確保されて、第2カバー体82の放熱孔82aや第2カバー体82の外周板部85Bと第2基板102との間の間隙Sを介して、第2カバー体82の内外の空気循環が促進されるようになっている。言い換えると、前記第2基板102が横向きとなる姿勢で前記第2カバー体82を第2基板設置部121に設置することで、当該第2基板102の実装面KFおよび端子面KRが向く方向(図7における左右方向)の空間を確保して、実装面KFおよび端子面KRが向く両面で効果的に空気循環させ得るようにしている。
ここで、前記第2基板設置部121の前側に形成される前記第2の設置前空間部65は、図8に示すように、前記演出装置30の右側方に配設した前記第2の普通入賞部44に連通する球排出路部117を配設可能な前後寸法に形成されている。すなわち、前記第2基板設置部121は、前記球排出路部117の通路幅分だけ前記板部材20aの後面から離間する位置に形成されている。すなわち、前記第1基板設置部111および第2基板設置部121の後面は、同一平面上に位置している。そして、前記第2カバー体82が配設される前記第2基板設置部121を、前記板部材20aの後面に近接するよう位置させることで、図10に示すように、第2基板設置部121に設置される前記第2カバー体82の後端が、前記球貯留部材19の後端より前側に位置するように構成され、当該球貯留部材19から零れ落ちたパチンコ球が第2カバー体82に接触しないよう構成されている。また、前記第2基板設置部121には、前記第2カバー体82の下方位置に、前記排出通路117に設けられたセンサ着脱部117aの後方に位置するよう前後に開口するセンサ用挿通口115が開設されると共に、当該センサ着脱部117aを塞ぐ蓋部材118がセンサ用挿通口115に合わせて着脱可能に配設されている、すなわち、前記第2カバー体82を第2基板設置部121から取り外すことなく、蓋部材118を取り外すことで開口する前記センサ用挿通口115を介して前記センサ着脱部117aに入賞検出センサを着脱し得るようになっている。このとき、前記第2カバー体82を横向き姿勢で設置してあるから、蓋部材118や入賞検出センサの着脱作業に際して第2カバー体82に手指が干渉することを防ぐことができる。
そして、前記第2基板設置部121の前面(第2カバー体82と反対側)には、図8および図10に示すように、前記板部材20aへ向けて突出する突出部150が設けられている。なお、前記第2基板設置部121の前面に設けられた突出部150の構成は、前述した第1基板設置部111の前面に設けられた突出部150の構成と基本的に同じであるので、詳細な説明は省略する。すなわち、前記第2の設置前空間部65は、突出部150(第1突壁151や第2突壁152)により格子状の小さな空間に分断するよう構成されており、第2の設置前空間部65に対して所定の不正部品が設置されるのを防いでいる。なお、前記第2基板設置部121の前面に設けられた突出部150は、第2カバー体81の設置範囲の一部(具体的には上部位置)を第2基板設置部121の前側で横切るように構成されている。
図4、図7〜図10に示すように、前記第2基板設置部121には、後方へ突出する支持突部123が形成されており、当該支持突部123の後端部に、前記第3カバー体83が設置される前記ベース部材131を取り付け得るよう構成される。前記支持突部123は、設置状態での前記第2基板102の前後寸法より後方まで突出するよう設けられている。実施例では、前記第2基板設置部121に設置された前記第2カバー体82を挟む左右方向の両側(すなわち、前記第2基板102の実装面KFおよび端子面KRが向く方向)に、前記支持突部123が夫々形成されている。
具体的に、前記第2カバー体82に保持された第2基板102の実装面KF側には、前記第2基板設置部121の側端部(図7の左端部)に1つの支持突部123が設けられている。このように、前記第2基板設置部121の側端部に位置する図7において左側の支持突部123は、前記第2カバー体82の上下方向の略中間に位置するよう設けられて、当該第2カバー体82の上部および下部が遊技盤20の側方に露出するようになっている。すなわち、前記第2カバー体82の上下方向の略中間に支持突部123が位置するよう設けることで、当該第2カバー体82の下部から外部空気を効率よくカバー内部に取り込み得ると共に、カバー内部で発生した熱を第2カバー体82の上部から効率よく排出し得るようになっている。また、前記第2カバー体82に保持された第2基板102の端子面KR側では、前記第2基板設置部121において前記第1収容部54と第3収容部56との間に、当該第3収容部56の下方に隣接して支持突部123が設けられている。そして、前記第2カバー体82の端子面KR側では、当該第2カバー体82の下部よりも上部位置においてより広い空間が確保されるよう構成されている。すなわち、前記第2カバー体82の内部で発生した熱を第2基板102の端子面KR側の上部において外部に効率よく排出することができ、当該端子面KRでの空気の循環を促進することができる。また、第2基板102において電子部品が実装されることで発熱量が大きくなる実装面KFを、遊技盤20の側部に露出するよう構成することで、実装面KFおよび端子面KRにおいて効率的な空気循環を実現することができる。
前記支持突部123は、図8〜図10に示すように、前記第2基板設置部121から後方へ突出する円筒状の支持台部124a,124bと、当該支持台部124a,124bの突出端部に設けられて前記ベース部材131が固定されるベース用固定部125とから構成されている。ここで、前記支持台部124a,124bは、前記第2基板設置部121との連設基部から突出端部に向かうにつれて、当該支持台部124a,124bの直径が縮小するよう構成されており、第2基板設置部121およびベース部材131の間に画成される空間Kを確保し、空気循環を妨げないようにしている。具体的には、前記支持台部124a,124bは、前記第2基板設置部121に連設する第1台部124aと、当該第1台部124aの端部に連設されて第1台部124aより小径な第2台部124bとを備えた段差状に形成成されている。なお、前記支持台部124a,124bは、前記第2基板設置部121との連設基部から突出端部に向かうにつれて連続的に直径が漸減する先細り状に形成してもよく、また直径が縮小する2以上の段差(台部)を有する多段状に形成することも可能である。
ここで、図4に示すように、前記第1収容部54の後壁部54aおよび前記第2収容部55の後壁部55aには、前記第2基板設置部121側の端部(図4において第1収容部54の左側端部および第2収容部55の左側上端部)に、前記ベース部材131を固定するベース用固定部126が夫々設けられている。ここで、前記第1および第2収容部54,55のベース用固定部126は、前記第2基板設置部121を基準にして、前記支持突部123のベース用固定部125と同じ前後位置に位置するよう設けられており、当該支持突部123のベース用固定部125と、第1および第2収容部54,55のベース用固定部126とに対して前記ベース部材131を固定した状態で、当該ベース部材131の取付面132(後述)が第2基板設置部121と略平行となる安定した姿勢で支持されるようになっている。すなわち、前記設置部材50において、前記第1収容部54(段部58)の後壁部54aおよび前記第2収容部55の後壁部55aは、前記ベース部材131を支持する支持壁として機能している。なお、前記第1収容部54のベース用固定部126は、前記第1収容部54における後端周縁部(第1基板設置部111および第2基板設置部121から後方へ立ち上がる壁部の後端部)に形成された段部58に設けられている。
(ベース部材131について)
図4、図7に示すように、前記ベース部材131は、上下に延在する略矩形板状に形成され、前記第3カバー体83が着脱可能に配設される平面状の取付面(第2取付部)132が後面側(第2基板設置部121と反対側の面)に設けられている。前記ベース部材131は、前記第2基板設置部121に配設された前記第2カバー体82を全体的に覆う大きさに形成されて、当該第2基板設置部121とベース部材131との間に、空気循環を許容する空間Kを画成するよう構成されている。すなわち、該第2基板設置部121とベース部材131との間に画成される空間Kは、前記設置部材50の上方および側方(図7の左側方)に開放するようになっている。前記ベース部材131の外縁部には、前記支持突部123のベース用固定部125、および前記第1および第2収容部54,55のベース用固定部126の夫々と前後に整列する位置に、当該ベース用固定部125,126が固定されるベース被固定部133が設けられている。
前記ベース被固定部133は、前面側(第2基板設置部121側)に、前記ベース用固定部125,126が嵌合可能な嵌合凹部133a(図10参照)が形成されると共に、前後に貫通する挿通孔133bが形成されており、当該挿通孔133bに後方から挿通した固定ネジをベース用固定部125,126に螺挿することで、前記ベース部材131が設置部材50に固定されるようになっている。このように、前記第2基板設置部121に設けられた前記支持突部123だけでなく、該第2基板設置部121に隣接して設けられた第1収容部54および第2収容部55によって前記ベース部材131を支持することで、当該ベース部材131およびベース部材131に配設される第3カバー体83を前記設置部材50に対して安定して支持し得るようになっている。
ここで、前記設置部材50に固定された前記ベース部材131は、図10に示すように、当該ベース部材131の上端部が前記球貯留部材19の後端より前側(第2基板設置部121側)に位置するように構成されている。すなわち、前記球貯留部材19から零れ落ちたパチンコ球が前記第2カバー体82の配設領域(空間K)側に進入するのをベース部材131で防止するよう構成されて、第2カバー体82に保持された第2基板102の端子面KRにパチンコ球が接触して短絡する等の不具合を効果的に防止している。また、前記ベース部材131の上端部は、前方から後方(第2基板設置部121から離間する方向)に下方傾斜するよう形成されており、前記球貯留部材19から零れ落ちてベース部材131の上端部にパチンコ球が接触した際に、当該パチンコ球を後方へ誘導して前記第2カバー体82の配設領域(空間K)側への進入を防止するよう構成されている。
また、図4、図7に示すように、前記第2収容部55の後壁部55aには、前記ベース用固定部126の側方(図7の左側方)に隣接して、上下および後方に開口する配線挿通凹部128が形成されている。前記配線挿通凹部128は、前記第2カバー体82が配設される空間Kで開口すると共に、前記第2収容部55の後方で開口するよう構成されており、第2基板102に接続する配線を、前記空間Kから第2収容部55の後方に挿通して、前記第3カバー体83の第3基板103に接続し得るよう構成されている。また、前記配線挿通凹部128の後方開口は、前記ベース部材131により塞がれるよう構成されており、当該配線挿通凹部128に挿通した配線が配線挿通凹部128から外れて、他の部材に引っ掛かる等の不具合が生じないようになっている。
また、図7に示すように、前記ベース部材131の取付面132には、前記第3カバー体83を固定する固定手段135,136が形成されている。すなわち、前記ベース部材131の取付面132の下部位置に、前記固定手段を形成する下側係合受部135が形成されると共に、当該ベース部材131の取付面132の上部位置に、固定手段を形成する上側係合受部136が形成されている。なお、前記下側係合受部135および上側係合受部136は、前記取付面132の上下の端部に位置するよう設けられている。前記下側係合受部135は、前記取付面132から後方へ突出すると共に、上方に開口するよう差込口135aが形成されており、当該差込口135aを介して下側係合受部135の上方から前記第3カバー体83の係合突部99を差込み得るようになっている。なお、前記差込口135aの前側の開口縁部は、前記取付面132の形成位置に形成され、前記下側係合突部135を取付面132に沿って差込口135aに挿入し得ると共に、第3カバー体83を取付面132に当接させ得るようになっている。そして、前記上側係合受部136は、前記下側係合受部135に係合突部99を差込係合した状態で、前記第3カバー体83の回転固定具100と前後に整列する位置に設けられて、当該回転固定具100の係止部を差込可能な差込口136aが前後に開口する形成されている。ここで、前記回転固定具100は、作業者の回転操作に伴って、前記上側係合受部136の差込口136aに係止部を後方から差込可能な係合解除位置と、当該差込口136aから係止部を抜き出し不能な係合位置とに変位するよう構成されている。
すなわち、前記第3カバー体83の係合突部99を前記ベース部材131の取付面132に設けた下側係合受部135に上方から差込係合すると共に、当該第3カバー体83に設けた回転固定具100を係合解除位置に変位した状態で、当該取付面132の上側係合受部136の差込口136aに差し込むことにより、ベース部材131に対して第3カバー体83を仮止めし得るようになっており、仮止めしたもとで回転固定具100を係合位置に回転変位させることで、第3カバー体83がベース部材131の取付面132に設置される。ここで、第3カバー体83は、前記第3基板103の実装面KFに実装される各コネクタ接続部CNがベース部材131の下端部側に位置するよう取り付けられて、前記球貯留部材19からパチンコ球が零れ落ちた際にコネクタ接続部CNに接触しないようになっている。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記第1基板101を内側に保持した第1カバー体81は、当該第1カバー体81に設けた係合突部88を、前記第1基板設置部111に設けた係合受部113の差込口113aに上方から差し込んで係合させた状態で、当該第1カバー体81の被固定部89の嵌合凹部89bに第1基板設置部111の第1カバー用固定部112に嵌合することで、当該第1基板設置部111に仮止めされる。そして、この状態で前記第1カバー体81の被固定部89に設けた挿通孔89aの後側から挿通させた固定ネジを、第1基板設置部111の第1カバー用固定部112に螺挿することで、第1カバー体81が第1基板設置部111に固定される。同様に、前記第2基板102を内側に保持した第2カバー体82は、当該第2カバー体82に設けた被固定部95の嵌合凹部95bに前記第2基板設置部121の第2カバー用固定部122に嵌合することで、当該第2基板設置部121に対して仮止めされ、この状態で第2カバー体82の被固定部95に設けた挿通孔95aの後側から挿通させた固定ネジを、第2基板設置部121の第2カバー用固定部122に螺挿することで固定される。このように、第1カバー体81および第2カバー体82の夫々を、対応する第1基板設置部111および第2基板設置部121に対して一旦仮止めした後に最終的に固定するようにしたことで、当該基板設置部111,121に対する第1および第2カバー体81,82の取付作業を容易に行うことが可能となる。
そして、前記第3基板103を内側に保持した第3カバー体83を支持する前記ベース部材131は、当該ベース部材131に設けたベース被固定部133の嵌合凹部133aに対して、前記第2基板設置部121に設けた支持突部123のベース用固定部125と、前記第1および第2収容部54,55の夫々に設けたベース用固定部126に嵌合することで、前記第2基板設置部121に対向すると共に前記第2カバー体82の後方を覆う位置に仮止めされ、この状態でベース被固定部133の挿通孔133bの後側から挿通させた固定ネジを、対応するベース用固定部125,126の夫々に螺挿することで、当該ベース部材131を固定することができる。そして、前記ベース部材131に対しては、前記第3カバー体83に設けた係合突部99をベース部材131の下側係合受部135の差込口135aに上方から差し込んで係合させた状態で、係合解除位置に変位した回転固定具100の係止部をベース部材131の上側係合受部136の差込口136aに前側から差し込んで係合することで、当該ベース部材131に対して第3カバー体83が仮止めされ、この状態で回転固定具100を係合解除位置から係合位置に回転変位することで、第3カバー体83を固定することができる。このように、前記第2カバー体82の後方を覆う位置に前記ベース部材131を一旦仮止めした後に、当該ベース部材131を最終的に固定するよう構成し、更に当該ベース部材131に対して第3カバー体83を一旦仮止めした後に最終的に固定するようにしたことで、当該ベース部材131や第3カバー体83の取付作業に関しても容易に行うことが可能となる。
ここで、前記第1基板設置部111に第1カバー体81を配設した際に、前記第1カバー体81に保持された前記第1基板101は、当該基板101の実装面KFおよび外周端面が第1カバー体81で覆われると共に、当該第1カバー体81における外周板部85Aの前端部が第1基板設置部111に当接する。このとき、前記第1カバー体81における外周板部85Aの延出端部が前記第1基板設置部111に対して全周に亘って当接して、第1基板101の端子面KRの全体が第1基板設置部111で覆われるから、当該第1基板101が第1カバー体81の外側に露出することはなく、第1基板101の損傷を防ぐことができる。また、前記第1基板101の端子面KRを覆う板部を前記第1カバー体81に設ける必要はないから、当該第1基板101を第1基板設置部111に近づけることができ、第1カバー体81(第1基板101)を設置するために必要となるスペースを抑制することが可能となる。更に、前記第1カバー体81における外周板部85Aの延出端部が前記第1基板設置部111に対して全周に亘って当接させて、前記第1カバー体81により画成される空間を前記第1基板設置部111により塞ぐようにすることで、実装面KFおよび端子面KRを覆うケース体に前記第1基板101を収容することなく当該第1基板101に対する不正行為を抑止することができる。
また、前記第1カバー体81を第1基板設置部111に配設した際に、第1基板101の端子面KRから突出するコネクタ接続部CN等の電子部品の端子TMが第1基板設置部111に接触(干渉)しないように構成したことで、第1基板101の回路に対するコネクタ接続部CN等の電子部品の端子TMの接続状態が悪化することはない。そして、前記第1カバー体81の内側に第1基板101を保持した状態で、第1カバー体81を前記第1基板設置部111に設置するようにしたことで、当該第1カバー体81の設置作業において電子部品が実装された第1基板101の実装面KFや外周端面を誤って損傷させることを防ぐことができる。
また、第1基板101を保持する第1カバー体81には、前記第1基板設置部111の係合受部113差込係合される係合突部88および第1基板設置部111の第1カバー用固定部112にネジ固定される被固定部89の夫々を、当該外周板部85を挟んで第1基板101と反対側に位置するよう設けられている。すなわち、第1カバー体81の外周板部85の前端部から係合突部88や被固定部89が突出しないから、外周板部85の全周を第1基板設置部111に当接させることができ、設置状態の第1カバー体81の外側から第1基板101にアクセスしようとする
ここで、前記第1基板設置部111には、前記第1カバー体81の設置面とは反対の面側に突出部150が設けるようにしたことで、当該第1基板設置部111の剛性を高くすることができ、1カバー体81の外周板部85Aとの間に隙間を形成するように第1基板設置部111を強制的に変形させることが困難になる。すなわち、第1基板設置部111を第1カバー体81の外周板部85Aから強制的に離間させることが困難となるから、第1基板設置部111や第1カバー体81を損傷させることなく当該第1基板設置部111に配設された状態の第1カバー体81の外側から第1基板101へアクセスする不正行為を防止できる。
また、前記突出部150は、前記第1基板設置部111において、前記第1カバー体81において上下および左右に対向する一対の外周板部85Aが当接する部位の壁面裏側(前面側)の間を横切るように設けられている。すなわち、前記第1基板設置部111の前面には、前記第1カバー体81において左右に対向する外周板部85Aの間を横切るように突出部150を構成する第1突壁151が延在し、当該第1カバー体81において上下に対向する外周板部85Aの間を横切るように突出部150を構成する第2突壁152が延在している。このように、前記第1基板設置部111における前記第1カバー体81の設置範囲に亘って突出部150を設けることで、当該第1基板設置部111の強制的な変形をより困難にでき、第1カバー体81に保持された第1基板101に対する不正なアクセスを効果的に防ぐことができる。
ここで、前記設置部材50を透明な樹脂材等により形成して、パチンコ機10の後方から不正部品が設置されているかを確認し易くした場合に、透過性のない第1基板101を保持した第1カバー体81を第1基板設置部111に設置することにより、当該第1基板設置部111の前側に位置する第1の設置前空間部の視認性が第1カバー体81(第1基板101)で妨げられることは避けられない。そこで実施例では、前記第1基板設置部111と板部材20aとの間に画成される前記第1の設置前空間部64を前記突出部150により規定の不正部品を設置不能な格子状の小さな空間に分断するようになっている。すなわち、前記第1カバー体81の前側に位置する前記第1の設置前空間部64を前記突出部150により分断することで、視認性が妨げられる状況でも当該第1の設置前空間部64が不正部品を隠すスペースとして利用されるのを防止することができる。
また、前記パチンコ機10の後側上部に設けられた前記球貯留部材19の下面19cに、前記第1基板設置部111に設置した第1カバー体81の上面が対向すると共に、当該第1カバー体81の後端が球貯留部材19の後端より前側に位置するよう構成してあるから、球貯留部材19から零れたパチンコ球が第1カバー体81の上面に直接落下するのを防ぐことができ、パチンコ球が強い衝突力で第1カバー体81に接触するのを防止できる。すなわち、球貯留部材19から零れたパチンコ球が第1カバー体81に接触する可能性を小さくして、当該接触に伴う第1カバー体81の損傷を防ぐことができる。また、前記第1カバー体81の後端を球貯留部材19の後端より前側に位置するように構成することで、当該第1カバー体81の後方の空間を他の部品の設置スペースとして有効活用することもでき、パチンコ機10の裏側(遊技盤20の裏側)におけるスペース効率向上に寄与し得る。
また、前記設置部材50には、前記第2基板設置部121に対して支持突部123の延在方向(前後方向)に重なるように前記ベース部材131が配設されて、当該第2基板設置部121とベース部材131との間に画成される空間Kに、前記第2カバー体82が配置されると共に、当該第2カバー体82の後方に重なるよう当該ベース部材131の取付面132に第3カバー体83が配置される。このように、前記設置部材50に対して第2カバー体82および第3カバー体83を支持突部123の延在方向に重ねて配置できるから、支持突部123の延在方向と交差する左右方向のスペースを確保することができる。すなわち、前記第2カバー体82の周囲にスペースを確保しつつ、第3カバー体83の設置スペースを確保することができ、基板102,103を保持する複数のカバー体82,83の配置を適正化することが可能となる。
また、前記第2基板設置部121とベース部材131との間の空間Kを、設置部材50の上方および側方(図7の左側方)に開放するよう構成したことで、前記第2カバー体82(第2基板102)で発生した熱を拡散させて、第2カバー体82の周囲に熱が篭もるのを効果的に防止することができ、熱による第2基板102の異常を防ぐことができる。また、前記第2基板102が横向きとなる姿勢で前記第2カバー体82を第2基板設置部121に設置するようにしたことで、当該第2基板102の実装面KF側および端子面KR側の夫々で空気が循環する空間を確保することができ、第2基板102の熱を効率よく分散させ得る。
そして、前記第2カバー体82を第2基板設置部121に配設した状態では、前記第2基板102の実装面KFが前記設置部材50の側方に開口する前記空間Kの開放側に向くように構成されているから、第2基板設置部121とベース部材131との間に第2カバー体82を設置するよう構成しても、ベース部材131を取り外すことなく第2カバー体82に保持された第2基板102の実装面KFを目視により容易に点検することができる。また、前記第2基板102の実装面KFには、接続口が実装面KFから離間する方向(鉛直方向)を向く姿勢でネクタ接続部CNが配設され、設置部材50の側方に開口する前記空間Kの開放側に、当該コネクタ接続部CNの接続口が向くよう構成してあるから、設置部材50とベース部材131との間に位置する第2基板102のコネクタ接続部CNに対して、ベース部材131を取り外すことなく配線のコネクタを容易に着脱し得る構成とすることができる。
また、前記ベース部材131を支持する前記支持突部123を、前記第2基板設置部121との連設基部から突出端部に向かうにつれて直径が縮小するよう形成することで、前記空間Kの容量を大きくして熱が籠もるのを効果的に防止できる。また、前記支持突部123の直径が縮小することで、設置部材50の側方や上方からの空間K内の視認性が当該支持突部123により阻害されにくくなるから、前記ベース部材131や第3カバー体83を取り外すことなく空間K内に位置する第2カバー体82の状態を確認し易くなる。
更に、前記ベース部材131の上端部が前記球貯留部材19の後端より前側(第2基板設置部121側)に位置するよう配置したことで、上方に開口する空間K内に球貯留部材19から零れ落ちたパチンコ球が入り込むのを防ぐことができる。これにより、第2基板102の端子面KRを空間Kに露出する状態で第2カバー体82に保持して放熱効果を高めつつ、当該端子面KRにパチンコ球が接触して短絡する等の不具合を防止できる。
また、前記第2基板設置部121より後方へ突出するよう設けられた前記第1収容部54(段部58)の後壁部54aおよび第2収容部55の後壁部55aに前記ベース用固定部126を設けて、当該第1および第2収容部54,55の後壁部54a,55aに前記ベース部材131を支持するようにしたことで、筒状の支持突部123に設けたベース用固定部125だけでベース部材131を支持する構成と比べてベース部材131を設置部材50に対して安定して支持することができる。また、演出装置30を収容する第1収容部54や、複合入賞装置33を収容する第2収容部55の周縁部を、ベース部材131を支持する支持部として利用することで、当該ベース部材131を支持するための構成を簡略化することができ、設置部材50の形状の複雑化を防止することができる。また、第2基板102の端子面KRが前記第1収容部54に対向することで、前記空間K内で露出する当該端子面KRを保護することに寄与し得る。
(変更例)
本発明は、前述の実施例に限定されず、以下の如く変更することも可能である。
(1) 実施例では、設置部材50において遊技領域形成部材(板部材20a)に対向する壁部を基板設置部として基板保持部材(カバー体81,82)を配設するよう構成したが、これに限られるものではない。すなわち、において遊技領域形成部材の後面に交差する方向に延在する設置部材の外周壁部に基板設置部を設けて、当該外周壁部に対して基板の端子面KR(他方の基板面)が対向する姿勢で基板保持部材(カバー体81,82)を配設するようにしてもよい。すなわち、設置部材の外周壁部に基板設置部を設けて基板保持部材を設置することで、設置部材の後方にスペースを確保することができる。このため、設置部材に前後の深さのある収容空間を画成することができる。なお、基板設置部設ける外周壁部としては、設置部材の上下左右の何れの壁部であってもよい。
(2) 実施例では、第1基板(基板)の実装面(一方の基板面)に全ての電子部品を実装したが、少なくともコネクタ接続部を実装面に配置するようにしてもよい。また、コネクタ接続部を実装面および端子面の夫々に設けることもできる。
(3) 実施例では、基板設置部に設置した基板保持部材(第1カバー体81)における外周板部の延出端部が当該基板設置部に対して全周に亘って当接するように構成したが、外周板部の延出端部の少なくとも一部が基板設置部から離間するように構成してもよい。
(4) 実施例では、基板設置部の前面に格子状の突出部を設け、当該突出部および板部材(基板設置部に対向する部材)との間に画成される空間部を突出部により複数の小空間に分断して、当該空間部への所定の不正部品の設置を防止するよう構成したが、不正部品が設置不能となる程度に占有す突出部が空間部を占有(充塞)するように構成してもよい。すなわち、突出部としては、実施例のように格子状に形成されている必要はなく、棒状或いはブロック状に突出するよう形成したり、井桁状のように格子とは異なる模様をなすように形成したり、ランダムな壁部により形成することもできる。
(5) 実施例では、突出部を形成する格子状の第1および第2突壁は、基板保持部材の上下および左右に対向する一対の外周板部が当接する部位の壁面裏側の間を横切るように連続的に延在するよう設けたが、当該第1および第2突壁の何れか一方のみを連続的に延在するよう構成してもよい。また、第1および第2突壁を断続的に設けることもできる。
(6) 実施例では、基板保持部材(第2カバー体82を)を横向き姿勢で基板設置部に配設したが、当該基板保持部材に保持した基板の基板面(端子面)が基板設置部に対向する姿勢で配設するようにしてもよい。すなわち、基板保持部材として実施例の第1カバー体81の後方に重なるように基板設置部材としてベース部材131を配設して、当該第1カバー体81とベース部材131との間に空間Kを画成するようにしてもよい。
(7) 実施例では、設置部材に設けた収容部を利用して基板設置部材を支持するよう構成したが、当該設置部材に基板設置部材を支持するために設けた支持部(支持突部123)のみで当該基板設置部材を支持するようにしてもよい。
(8) 実施例では、基板設置部(第2基板設置部121)と基板設置部材(ベース部材131)との間に画成される空間Kの開放側に、当該空間Kに配設された基板(第2基板102)の実装面KFを向けて、当該実装面KFを視認可能に構成したが、空間Kの開放側に基板の端子面を向けるようにしてもよい。この場合には、基板の端子面側での空気の循環をより効率的になし得る。
(9) 実施例では、基板設置部に設置された基板保持部材(第1および第2カバー体81,82)の上面が、球貯留部材の下面に対向すると共に、基板保持部材の後端が、球貯留部材の後端より前側に位置するよう構成したが、球貯留部材と基板保持部材の間に他の部材が介在するよう構成してもよいし、基板保持部材の後端が球貯留部材の後端より後側に位置するよう構成してもよい。
(10) 実施例では、遊技機の1種であるパチンコ機を例として説明したが、遊技メダルを遊技媒体として用いるスロットマシンに本発明を採用してもよい。