JP6332869B2 - Co又はFeを含有するスパッタリングターゲット - Google Patents

Co又はFeを含有するスパッタリングターゲット Download PDF

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Description

本発明は、磁気記録媒体の磁性体薄膜、特に垂直磁気記録方式を採用したハードディスクの磁気記録媒体におけるグラニュラー膜の成膜に使用される磁性材スパッタリングターゲットに関し、スパッタリングの際にパーティクル発生の原因となる非磁性材の異常放電を抑制することができる、Co又はFeを主成分とする非磁性材粒子分散型磁性材スパッタリングターゲットに関する。
垂直磁気記録方式を採用するハードディスクの記録層には、強磁性金属であるCo、Fe、Niをベースとした材料が用いられている。中でも、CoやFeを主成分とするCo−Cr系、Co−Pt系、Co−Cr−Pt系、Fe−Pt系などの強磁性合金と非磁性の無機材料からなる複合材料が多く用いられている。そして、このようなハードディスクなどの磁気記録媒体の磁性薄膜は、生産性の高さから、上記の材料を成分とする強磁性材スパッタリングターゲットをスパッタリングして作製されることが多い。
このような磁気記録媒体用スパッタリングターゲットの作製方法としては、溶解法や粉末冶金法が考えられる。どちらの手法で作製するかは、要求される特性によるので一概には言えないが、垂直磁気記録方式のハードディスクの記録層に使用される、強磁性合金と非磁性の無機物粒子からなるスパッタリングターゲットは、一般に粉末冶金法によって作製されている。これは無機物粒子を合金素地中に均一に分散させる必要があるため、溶解法では作製することが困難だからである。
粉末冶金法として、例えば、特許文献1には、Co粉末とCr粉末とTiO粉末とSiO粉末を混合して得られた混合粉末とCo球形粉末を遊星運動型ミキサーで混合し、この混合粉をホットプレスにより成形し特許文献2に磁気記録媒体用スパッタリングターゲットを得る方法が提案されている。
この場合のターゲット組織は、無機物粒子が均一に分散した金属素地である相(A)の中に、球形の相(B)を有している様子が見える(特許文献2の図1参照)。このような組織は、漏洩磁束向上の点では良いが、スパッタ時のパーティクルの発生抑制の点からは好適な磁気記録媒体用スパッタリングターゲットとは言えない。
また、特許文献2には、Co−Cr二元系合金粉末とPt粉末とSiO粉末を混合して、得られた混合粉末をホットプレスすることにより、磁気記録媒体薄膜形成用スパッタリングターゲットを得る方法が提案されている。
この場合のターゲット組織は、図によって示されていないが、Pt相、SiO相およびCo-Cr二元系合金相が見られ、Co-Cr二元系合金相の周囲に拡散層が観察できたことが記載されている。このような組織も、好適な磁気記録媒体用スパッタリングターゲットとは言えない。
さらに、特許文献3には、Co、Ptのマトリックス相と、平均粒径が0.05μm以上7.0μm未満の金属酸化物相からなるスパッタリングターゲットが提案され、結晶粒の成長を抑制し、低透磁率、高密度のターゲットを得て、成膜効率を上げる提案がなされている。
その他、特許文献4には酸化物相が形成する粒子の平均粒径を3μm以下とすること、特許文献5にはシリカ粒子又はチタニア粒子はスパッタリングターゲットの主表面に垂直な断面において、スパッタリングターゲットの主表面に対して垂直な方向の粒径をDn、前記主表面に平行な方向の粒径をDpとした時に、2≦Dp/Dnを満たすことが記載されている。
しかし、これらの条件では、いずれも充分ではなく、さらなる改善が求められているのが現状である。
国際公開第2011/089760号パンフレット 特開2009−1860号公報 特開2009−102707号公報 特開2009−215617号公報 特開2011−222086号公報 特願2012−036562
一般に、Co又はFeを主成分とする非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲットにおいては、含有するSiO、Cr、TiOなどの非磁性材が絶縁体であるため異常放電の原因となっている。そして、この異常放電が原因でスパッタリング中のパーティクル発生が問題となる。
本発明は上記問題を鑑みて、高PTFを維持しつつ、上記非磁性材の異常放電を抑制し、異常放電が原因となるスパッタリング中のパーティクル発生を減少させることを課題とする。これまで、非磁性材粒子の粒径を小さくすることで異常放電の確率を減らすことが行われてきたが、磁気記録媒体の記録密度向上に伴い、許容パーティクルレベルが厳しくなってきていることから、より改善された非磁性材粒子分散型強磁性材スパッタリングターゲットを提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明者らは鋭意研究を行った結果、ターゲットの組織(非磁性材粒子)構造を調整することにより、スパッタリング時の非磁性材による異常放電が生じず、パーティクルの発生の少ないターゲットが得られることを見出した。
このような知見に基づき、本発明は、以下の発明を提供するものである。
1)Co又はFeを含有する磁性材の中に非磁性材粒子が分散した材料からなる焼結体スパッタリングターゲットであって、
前記ターゲット中の研磨面で観察される組織が平均粒径1.8μm以下の非磁性材粒子と該非磁性材粒子が分散したCo又はFeを含有する金属相及び金属粒とから構成されており、
前記非磁性材粒子の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同粒子を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、その最大径と最小径の差が0.7μm以下である非磁性材粒子が前記ターゲット中の研磨面で観察される組織内の非磁性材粒子に対して60%以上占めており、かつ、
前記金属粒の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同金属粒を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、その最大径と最小径の和が30μm以上の金属粒が1mm視野内に平均1個以上存在することを特徴とするスパッタリングターゲット。
2)前記非磁性材粒子が、B、CoO、Co、MnO、Mn、SiO、SnO、TiO、Ti、Cr、Ta、WO、WO、ZrOから選択した一種以上の酸化物であり、これらを0.5〜20mol%含有することを特徴とする上記1)記載のスパッタリングターゲット。
3)Crが0mol%以上15mol%以下、Ptが5mol%以上30mol%以下、非磁性材料を除き残部がCo及び不可避的不純物であることを特徴とする上記1)又は2)記載のスパッタリングターゲット。
4)さらにMg、Al、Si、Mn、Nb、Mo、Ru、Pd、Ta、W、Bから選択した一種以上の元素を、0.5mol%以上12mol%以下含有することを特徴とする上記3)記載のスパッタリングターゲット。
5)前記金属粒が、Co又はFeからなることを特徴とする上記1)〜4)のいずれか一に記載のスパッタリングターゲット。
このように調整した本発明の非磁性材粒子分散型の磁性材スパッタリングターゲットは、高PTFを維持しつつ、スパッタリング時の非磁性材による異常放電が生ぜず、パーティクルの発生の少ないターゲットが得られる。これにより、歩留まり向上によるコスト改善効果を得ることができるという優れた効果を有する。
実施例1のCo−Pt−Cr−SiO−TiO−Crターゲット組織を示す図(写真)である。 実施例1のターゲットの非磁性材粒子が金属相に分散した組織を示す図(図1の拡大写真)である。 非磁性材粒子の輪郭を明確にするために図2を画像解析処理(二値化処理)した図である。 実施例2のCo−Pt−Ru−Ta−SiO−TiO−CoO−Bターゲット組織を示す図(写真)である。 実施例2のターゲットの非磁性材粒子が金属相に分散した組織を示す図(図4の拡大写真)である。
本発明のスパッタリングターゲットは、Co又はFeを含有する磁性材の中に非磁性材粒子が分散した材料からなる焼結体スパッタリングターゲットであって、ターゲットの研磨面で観察される組織が、平均粒径1.8μm以下の非磁性材粒子と、前記非磁性材粒子が分散したCoもしくはFeを含む金属相と金属粒とから構成されるものである。非磁性材粒子の大きさを平均粒径1.8μm以下とすることによりパーティクルの発生を抑制することができるからである。
本願発明者らは以前、非磁性材粒子の形状が真球状であることが望ましく、少なくともそれに近い形状であることが、パーティクルの発生を防止できる有効な手段であるという知見を得た(特許文献6)。
つまり、磁気的性質を向上させるためには一定量の酸化物(非磁性材)の存在が必要であるが、それが異形状であると、ターゲット表面の一定面積における酸化物の存在する場所と酸化物の存在しない場所とにおいて、分布に差異が生じ、偏析が生じ易くなる。真球又は真球に近い酸化物粒子であれば、粒の形状が揃っているため偏析が少なくなり、パーティクル発生を効果的に抑制できるという知見を得た。
本発明は上記知見に沿って、ターゲット中の研磨面で観察される非磁性材粒子の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同粒子を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、その最大径と最小径の差が0.7μm以下とする。
また、このような非磁性材粒子がターゲットの大半を占めること、すなわち60%以上を占めること、好ましくは90%以上、さらに好ましくは100%であることが望ましい。これによって、パーティクルの発生を大きく抑制することができる。
本発明は上記知見にさらに新たな知見を見出したもので、非磁性材粒子の形態だけでなく、Co又はFeを含む金属粒の形態を特定することで異常放電を抑え、パーティクルの発生をさらに大きく抑制することができる。
すなわち、ターゲット中の研磨面で観察される金属粒の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同金属粒を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、その最大径と最小径の和が30μm以上の金属粒が1mm視野内に平均1個以上、また好ましくは平均3個以上、さらに好ましくは平均5個以上存在することを特徴とするものである。
なお、本発明では、ターゲット面内の任意の5箇所を顕微鏡観察して、それぞれの場所の1mm視野内における最大径と最小径の和が30μm以上の金属粒の数をカウントして、その合計から平均個数を求めている。
金属粒の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同金属粒を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、その最大径と最小径の和が30μm以上で1mm視野内に平均1個以上存在すると、漏洩磁束が大きくなる。そして、マグネトロンスパッタ装置で使用したとき、不活性ガスの電離促進が効率的に進み、安定した放電が得られる。
一方、金属粒の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同金属粒を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、その最大径と最小径の和が30μmよりも小さいか、もしくは30μm以上の金属粒の存在が1mm視野内に平均1個未満の場合、上記の効果はほとんど得られない。
また、前記最大径と最小径の和は50μm以上であると、上記の効果はより一層強く現れるが、前記最大径と最小径との和が300μmを超えると、酸化物粒子の存在分布に偏りが生じることがある。
本発明の強磁性材スパッタリングターゲットは、Co−Cr系合金、Co−Pt系合金、Co−Cr−Pt系合金などのCo系合金あるいはFe−Pt系合金などのFe系合金に特に有効であるが、本願発明は、すでに公知の強磁性材に適用でき、磁気記録媒体として必要とされる成分の配合割合は目的に応じて適宜調整できる。
Co系合金としては、Crが0mol%以上15mol%以下、Ptが5mol%以上30mol%以下、非磁性材料を除き残部がCo及び不可避的不純物からなるスパッタリングターゲットとすることができる。Fe系合金としては、Ptが0mol%を超え60mol%以下、非磁性材料を除き残部がFe及び不可避的不純物からなるスパッタリングターゲットとすることができる。
これらの成分組成は、強磁性材としての特性を活かすための好適な数値範囲を示すもので、これ以外の数値に適用できることは言うまでもない。
前記強磁性材に添加する非磁性材については、B、CoO、Co、MnO、Mn、SiO、TiO、Ti、Cr、Ta、WO、WO、ZrOから選択した一種以上の酸化物であり、通常、ターゲット中に、これらを0.5〜20mol%含有させる。これらの酸化物は、必要とされる強磁性膜の種類に応じて、任意に選択し添加することができる。前記添加量は、添加の効果を発揮させるための有効量である。
また、本発明のスパッタリングターゲットは、Mg、Al、Si、Mn、Nb、Mo、Ru、Pd、Ta、W、Bから選択した一種以上の元素を、0.5〜12mol%を添加することができる。これらは磁気記録媒体としての特性を向上させるために、必要に応じて添加される元素である。前記添加量は、添加の効果を発揮させるための有効量である。
また、本発明のスパッタリングターゲットの組織は、非磁性材粒子と非磁性材粒子が分散したCoもしくはFeを含む金属相及び金属粒とから構成されるが、該金属粒はCo又はFeからなることが好ましい。
この金属粒は、組成の異なる金属素地(非磁性材粒子が分散した金属相)よりも最大透磁率が高く、金属素地からなる周囲の組織によって各々が分離された構造になっている。このような組織を有するターゲットにおいて、漏洩磁界が向上する理由は現時点で必ずしも明確ではないが、ターゲット内部の磁束に密な部分と疎な部分が生じ、均一な透磁率を有する組織と比較して静磁エネルギーが高くなるため、磁束がターゲット外部に漏れ出た方がエネルギー的に有利になるためと考えられる。
本発明のスパッタリングターゲットは、粉末冶金法によって作製することができる。粉末冶金法の場合、後述する金属粗粉を除き、Co、Cr、Pt、Feなどの金属原料粉とSiOなどの非磁性材原料粉、必要に応じて、Ruなどの添加金属粉を用意する。原料の粒度は、金属粉で平均粒径10μm以下、非磁性材粉で5μm以下のものを用いることが望ましい。非磁性材原料粉はできるだけ球状に近い方が、本発明の微細組織を達成しやすい。また、各金属元素の粉末の代わりにこれら金属の合金粉末を用意してもよい。なお、粉末の粒径はレーザー回折式粒度分布計(HORIBA LA−920)で測定することができる。
そして、これらの金属粉末及び合金粉末を所望の組成になるように秤量し、ボールミル等の公知の手法を用いて粉砕を兼ねて混合する。混合時間を短縮して生産性を高めるためには、高エネルギーボールミルを用いることが好ましい。ここで、金属原料粉について、粒径を50μm以上300μm以下の範囲とした少なくとも1成分の金属粗粉を少量混ぜることが好ましい。その際、ボールミルを用いて長時間混合した後に添加するか、あるいは、ミキサーのような粉砕性のない弱い混合機にて混合することが粒径を維持する上で好ましい。または、ボールミル混合の途中で添加して、短時間のボールミル混合を行ってもよい。これにより金属粒は扁平状となり、長径と短径との差が大きくなる。
このようにして金属粒を球形又は扁平状(片状)とすることができるが、この球形又は扁平状の金属粒は、それぞれ形状に応じた利害得失を備えている。この形状の選択は、ターゲットの使用目的に応じて選択することが望ましい。
具体的には、球形の方が、焼結法でターゲット素材を作製する際、金属素地(A)と相(B)の境界面に空孔が生じにくく、ターゲットの密度を高めることができる。また、同一体積では球形の方が、表面積が小さくなるので、ターゲット素材を焼結させる際に金属素地(A)と相(B)との間で金属元素の拡散が進みにくい。なお、ここでいう球形とは、真球、擬似真球、扁球(回転楕円体)、擬似扁球を含む立体形状を表す。いずれも、長軸と短軸の差が0〜50%であるものを言う。
一方、金属粒を扁平状とした場合、まさに楔の効果でスパッタ時に周囲の金属素地(A)から金属粒が脱離するのを防ぐ効果を有する。また、球形を破壊することによって、球形のときに生じやすいエロージョン速度の偏りを軽減することができ、エロージョン速度の異なる境界起因のパーティクル発生を抑制することができる。
本発明において、重要なことは、前記の通り、ターゲット中の研磨面で観察される組織内の非磁性材粒子の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同粒子を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、最大径と最小径の差が0.7μm以下とすることである。
また、本発明において、特に重要なことは、ターゲット中の研磨面で観察される金属粒の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同金属粒を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、その最大径と最小径の和が30mm以上の金属粒が1mm視野内に平均1個以上存在することである。
最大径と最小径の算出は、ターゲット中の研磨面の顕微鏡画像をPCに映し、画像処理解析ソフトを用いて行う。画像処理解析ソフトは、キーエンス社製形状解析ソフト(VK−Analyzer VK−H1A1)を使用した。
以上のように得られる混合粉をホットプレスや熱間静水圧プレスを用いて焼結を行う。ターゲットの成分組成にもよるが、上記原料の混合条件、焼結条件の設定により非磁性材粒子が真球状になる条件及び金属粒が扁平状となる条件を見出して、その製造条件を固定すれば、常時そのような非磁性材粒子や金属粒が分散した焼結体ターゲットを得ることができる。
以下、実施例および比較例に基づいて説明する。なお、本実施例はあくまで一例であり、この例によって何ら制限されるものではない。すなわち、本発明は特許請求の範囲によってのみ制限されるものであり、本発明に含まれる実施例以外の種々の変形を包含するものである。
(実施例1)
金属原料粉末として、平均粒径4μmのCo粉末、平均粒径5μmのCr粉末、平均粒径3μmのPt粉末を、非磁性材粉末として平均粒径1.2μmのTiO粉末、平均粒径0.7μmの球形SiO粉末、平均粒径1μmのCr粉末を用意した。また、粒径が50μm以上150μm以下の範囲となるように調整したCo粗粉を準備し、平均粒径4μmのCo粉末と前記Co粗粉との比率を重量比で7:3とした。これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成:69Co−18Pt−2Cr−5SiO−2TiO−4Cr(mol%)
次に、Co粗粉を除き、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。その後、Co粗粉をボールミルポットに追加で添加して、1時間混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度1100°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件のもとホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が180mm、厚さが5mmの円盤状のターゲットを得た。
このようにして得られたターゲットの平均漏洩磁束密度を測定した結果、30%であった。なお、漏洩磁束の測定は、ASTM F2086−01(Standard Test Method for Pass Through Flux of Circular Magnetic Sputtering Targets, Method 2)に則して実施した。具体的には、ターゲットの中心を固定し、0度、30度、60度、90度、120度と回転させて測定した漏洩磁束密度を、ASTMで定義されているreference fieldの値で割り返し、100を掛けてパーセントで表した。そして、これら5点について平均した結果を、平均漏洩磁束密度(%)とした。
このターゲット表面を研磨して組織を顕微鏡で観察したところ図1に示すように非磁性材粒子が金属相に分散した組織中に、金属粒が点在していることが分かる。金属粒の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同金属粒を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、その最大径と最小径の和が30μm以上の金属粒が1mm視野内に平均40個確認された。
また、非磁性材粒子を観察するため、図1を拡大したものを図2に示す。非磁性材粒子の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同粒子を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、最大径と最小径の差が0.7μm以下である酸化物粒子が顕微鏡視野内において85%存在しており、平均粒径は0.75μmであった。
なお、酸化物粒子の最大径、最小径、平均粒径を算出するにあたっては、図3に示すように、顕微鏡像をPC画面に映し出し、画像解析処理(二値化処理)して、酸化物粒子(黒い部分)の輪郭を明確にした上で、これらを算出した。
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、スパッタパワー1.2kW、Arガス圧1.5Paとし、2kWhrのプレスパッタを実施した後、4インチ径のシリコン基板上へ目標膜厚1000nmでスパッタした。そして、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は4個であった。
なお、スパッタリングしない場合でも、パーティクルカウンターで測定すると、シリコン基板上にパーティクル数が0〜5個とカウントされる場合があるので、本実施例のパーティクル数4個は、極めて少ないレベルにあると言える。
(実施例2)
金属原料粉末として、平均粒径4μmのCo粉末、平均粒径3μmのPt粉末、平均粒径7μmのRu粉末、平均粒径6μmのTa粉末、酸化物粉末として平均粒径1.2μmのTiO粉末、平均粒径0.7μmの球形SiO粉末、平均粒径0.8μmのCoO粉末、平均粒径5μmのB粉末を用意した。また、粒径が50μm〜300μmの範囲となるように調整したCo粗粉を準備し、平均粒径4μmのCo粉末と前記Co粗粉との比率を重量比で7:3とした。これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成:61.2Co−22Pt−3Ru−0.8Ta−6SiO−2TiO−4CoO−1B(mol%)
次に、Co粗粉を除き、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。その後、Co粗粉をボールミルポットに追加で添加して、1時間混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度1000°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件のもとホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が180mm、厚さが5mmの円盤状のターゲットを得た。
実施例2のターゲットの平均漏洩磁束密度は、28%であった。このターゲット表面を研磨して組織を顕微鏡で観察したところ図4に示すように非磁性材粒子が金属相に分散した組織中に、金属粒が点在していることが分かる。実施例1と同様に評価した最大径と最小径の和が30μm以上の金属粒は1mm視野内に平均19個確認された。また、非磁性材粒子を観察するため、図4を拡大したものを図5に示す。実施例1と同様に評価した最大径と最小径の差が0.7μm以下の非磁性材粒子の割合は64%であり、平均粒径は1.26μmであった。
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、実施例1と同様とし、スパッタパワー1.2kW、Arガス圧1.5Paとし、2kWhrのプレスパッタを実施した後、4インチ径のシリコン基板上へ目標膜厚1000nmでスパッタした。そして、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は4個であった。
(実施例3)
金属原料粉末として、平均粒径4μmのCo粉末、平均粒径3μmのPt粉末、平均粒径7μmのCo−B粉末、酸化物粉末として平均粒径1.2μmのTiO粉末、平均粒径0.7μmの球形SiO粉末、平均粒径0.8μmのMnO粉末、平均粒径2μmのCo粉末を用意した。また、粒径が50μm〜300μmの範囲となるように調整したCo粗粉を準備し、平均粒径4μmのCo粉末と前記Co粗粉との比率を重量比で7:3とした。これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成:63Co−21Pt−3B−6SiO−2TiO−4MnO−1Co(mol%)
次に、Co粗粉を除き、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。その後、Co粗粉をボールミルポットに追加で添加して、1時間混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度1000°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件のもとホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が180mm、厚さが5mmの円盤状のターゲットを得た。
実施例3のターゲットの平均漏洩磁束密度は、31%であった。このターゲット表面を研磨して組織を顕微鏡で観察したところ非磁性材粒子が金属相に分散した組織中に、金属粒が点在していることが分かる。実施例1と同様に評価した最大径と最小径の和が30μm以上の金属粒は1mm視野内に平均18個確認された。また、実施例1と同様に評価した最大径と最小径の差が0.7μm以下の非磁性材粒子の割合は60%であり、平均粒径は1.16μmであった。
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、実施例1と同様とし、スパッタパワー1.2kW、Arガス圧1.5Paとし、2kWhrのプレスパッタを実施した後、4インチ径のシリコン基板上へ目標膜厚1000nmでスパッタした。そして、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は5個であった。
(実施例4)
金属原料粉末として、平均粒径4μmのFe粉末、平均粒径3μmのPt粉末、平均粒径7μmのFe−B粉末、酸化物粉末として平均粒径0.8μmの球形SiO粉末を用意した。また、粒径が50μm〜300μmの範囲となるように調整したFe粗粉を準備し、平均粒径4μmのFe粉末と前記Fe粗粉との比率を重量比で8:2とした。これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成:52Fe−25Pt−5B−18SiO(mol%)
次に、Fe粗粉を除き、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。その後、Fe粗粉をボールミルポットに追加で添加して、1時間混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度1300°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件のもとホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が180mm、厚さが5mmの円盤状のターゲットを得た。
実施例4のターゲットの平均漏洩磁束密度は、61%であった。このターゲット表面を研磨して組織を顕微鏡で観察したところ非磁性材粒子が金属相に分散した組織中に、金属粒が点在していることが分かる。実施例1と同様に評価した最大径と最小径の和が30μm以上の金属粒は1mm視野内に平均4個確認された。実施例1と同様に評価した最大径と最小径の差が0.7μm以下の非磁性材粒子の割合は65%であり、平均粒径は1.29μmであった。
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、実施例1と同様とし、スパッタパワー1.2kW、Arガス圧1.5Paとし、2kWhrのプレスパッタを実施した後、4インチ径のシリコン基板上へ目標膜厚1000nmでスパッタした。そして、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は6個であった。
(比較例1)
金属原料粉末として、平均粒径4μmのCo粉末、平均粒径5μmのCr粉末、平均粒径3μmのPt粉末、酸化物粉末として平均粒径1.2μmのTiO粉末、平均粒径0.7μmの球形SiO粉末、平均粒径1μmのCr粉末を用意した。そして、これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成:69Co−18Pt−2Cr−5SiO−2TiO−4Cr(mol%)
次に、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、120時間回転させて混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、実施例1と同様に、真空雰囲気中、温度1100°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件のもとホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が180mm、厚さが5mmの円盤状のターゲットを得た。
比較例1のターゲットの平均漏洩磁束密度は、18%であった。このターゲット表面を研磨して組織を顕微鏡で観察したところ、実施例1と同様に評価した最大径と最小径の和が30μm以上の金属粒は1mm視野内に平均1個なかった。また、実施例1と同様に評価した最大径と最小径の差が0.7μm以下の非磁性材粒子の割合は89%であり、平均粒径は0.71μmであった。
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、実施例1と同様に、スパッタパワー1.2kW、Arガス圧1.5Paとしたが、安定した放電が得られなかったため、スパッタパワー1.7kW、Arガス圧を2.8Paとして放電を安定させ、2kWhrのプレスパッタを実施した後、4インチ径のシリコン基板上へ目標膜厚1000nmでスパッタした。そして、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は9個であった。
(比較例2)
金属原料粉末として、平均粒径4μmのCo粉末、平均粒径5μmのCr粉末、平均粒径3μmのPt粉末、酸化物粉末として平均粒径1.2μmのTiO粉末、平均粒径0.7μmの球形SiO粉末、平均粒径1μmのCr粉末を用意した。また、粒径が50μm〜300μmの範囲となるように調整したCo粗粉を準備し、平均粒径4μmのCo粉末と前記Co粗粉との比率を重量比で7:3とした。これらの粉末を以下の組成比で2000g秤量した。
組成:69Co−18Pt−2Cr−5SiO−2TiO−4Cr(mol%)


次に、Co粗粉を除き、秤量した粉末を粉砕媒体のタングステン合金ボールと共に容量10リットルのボールミルポットに封入し、70時間回転させて混合した。その後、Co粗粉をボールミルポットに追加で添加して、1時間混合した。このようにして得られた混合粉をカーボン製の型に充填し、真空雰囲気中、温度1100°C、保持時間2時間、加圧力30MPaの条件のもとホットプレスして焼結体を得た。さらにこれを旋盤で切削加工して直径が180mm、厚さが5mmの円盤状のターゲットを得た。
比較例2のターゲットの平均漏洩磁束密度は、29%であった。このターゲット表面を研磨して組織を顕微鏡で観察したところ、実施例1と同様に評価した最大径と最小径の和が30μm以上の金属粒は1mm視野内に平均36個確認された。また、実施例1と同様に評価した最大径と最小径の差が0.7μm以下の非磁性材粒子の割合は54%であり、平均粒径は1.87μmであった。
次に、このターゲットをDCマグネトロンスパッタ装置に取り付けスパッタリングを行った。スパッタ条件は、実施例1と同様とし、スパッタパワー1.2kW、Arガス圧1.5Paとし、2kWhrのプレスパッタを実施した後、4インチ径のシリコン基板上へ目標膜厚1000nmでスパッタした。そして、基板上へ付着したパーティクルの個数をパーティクルカウンターで測定した。このときのシリコン基板上のパーティクル数は28個と多かった。
本発明は、スパッタリングターゲットの組織構造、特に非磁性材粒子と金属粒の形状を調整することにより、スパッタリング時の漏洩磁界の向上と、非磁性材による異常放電を抑制するので、本発明のターゲットを使用すれば、マグネトロンスパッタ装置でスパッタリングする際に安定した放電が得られる。さらに、非磁性材の異常放電を抑制し、異常放電が原因となるスパッタリング中のパーティクル発生を減少させ、歩留まり向上によるコスト改善効果を得ることができるという優れた効果を有するので、磁気記録媒体の磁性体薄膜、特にハードディスクドライブ記録層の成膜に使用される強磁性材スパッタリングターゲットとして有用である。

Claims (5)

  1. Co又はFeを含有する磁性材の中に非磁性材粒子が分散した材料からなる焼結体スパッタリングターゲットであって、前記ターゲット中の研磨面で観察される組織が平均粒径1.8μm以下の非磁性材粒子と該非磁性材粒子が分散したCo又はFeを含有する金属相及び金属粒とから構成されており、前記非磁性材粒子の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同粒子を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、その最大径と最小径の差が0.7μm以下である非磁性材粒子が前記ターゲット中の研磨面で観察される組織内の非磁性材粒子に対して60%以上占めており、かつ、前記金属粒の外周上にある任意の2点の距離の最大値を最大径とし、平行な2本の直線で同金属粒を挟んだときの2直線間の距離の最小値を最小径とした場合、その最大径と最小径の和が30μm以上の金属粒が1mm視野内に平均1個以上存在することを特徴とするDCスパッタリング用ターゲット。
  2. 前記非磁性材粒子が、B、CoO、Co、MnO、Mn、SiO、SnO、TiO、Ti、Cr、Ta、WO、WO、ZrOから選択した一種以上の酸化物であり、これらを0.5〜20mol%含有することを特徴とする請求項1記載のDCスパッタリング用ターゲット。
  3. Crが0mol%以上15mol%以下、Ptが5mol%以上30mol%以下、非磁性材料を除き残部がCo及び不可避的不純物であることを特徴とする請求項1又は2記載のDCスパッタリング用ターゲット。
  4. さらにMg、Al、Si、Mn、Nb、Mo、Ru、Pd、Ta、W、Bから選択した一種以上の元素を、0.5mol%以上12mol%以下含有することを特徴とする請求項3記載のDCスパッタリング用ターゲット。
  5. 前記金属粒が、Co又はFeからなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のDCスパッタリング用ターゲット。
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