JP6330740B2 - 温度実測値の精度判定装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、温度実測値の精度判定装置および方法に関する。
従来から、製造過程での金属帯において金属帯表面温度の計測は品質管理のため重要である。連続鋳造機における鉄鋼スラブの表面温度を計測する例を挙げると、例えば幅方向の温度分布にムラが大きい場合には表面割れの確率が高くなり、またスラブコーナー部の温度低下はコーナー部割れに繋がる。
スラブ表面温度を計測する手法は様々あるが、オンラインでの連続使用やメンテナンス性などを考慮して接触式よりは、放射温度計やサーモビュアなどのスラブから一定距離離れた位置で計測する非接触式の手法を用いる場合が多い。
非接触式の計測の場合では、ダストや蒸発したオイル、水蒸気などが原因でセンサ部やカメラレンズ部などが汚れて温度低下し、温度実測値の精度が低下する場合がある。また、接触式においても、センサの劣化などで温度ドリフトする場合がある。
従来、温度計の異常判定を行う際には単純に一つの閾値を設けて自動監視を行い、閾値以下になった場合には警報などを鳴らして作業員に温度計のメンテナンスを促していた。例えば、閾値を600℃として、対象スラブが温度計の測定範囲内にあるにも係らず、600℃を下回った場合は警報を鳴らす構成などがある。
他の従来手法として、特許文献1や特許文献2に示すように対象温度計測値と他のプロセスデータとの関係性の変化で計測値のドリフト、異常を検知する方法もある。
特開2009−175870号公報 特開2013−195188号公報
センサ異常判定を単なる一つの異常判定用の温度閾値を設けて行う場合、特に非接触式のセンサやカメラを用いて温度計測を行う場合には、操業条件や操業状態、季節要因などで対象物の温度が大きく変動するケースでは適切な閾値を設定するのが難しく、異常検知の設定値は余裕を持って設定する場合が多い。その場合には温度計測値異常やセンサそのものの異常の検知が遅くなってしまい、品質判定が正常にできない場合があるといった課題があった。温度低下を検知するためには同じ場所に複数温度計を設置し、互いの比較による方法も考えられるが、全く同じ場所を計測するには設置スペースやコストの問題があり、困難な場合が多い。
また特許文献1、2の方法は、他プロセスデータとの挙動の違いから統計的に異常を検知する方法であるため、操業データの大量蓄積が必要である。鉄鋼スラブでは多成分、多サイズ、多製造条件のスラブがあるため、製造実績が比較的少ない場合には、統計的な手法では適切なドリフト判定が困難である。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、製造過程での金属帯の温度実測値が正常値であるか異常値であるかを精度よく判定できる温度実測値の精度判定装置および方法を提供することを目的とする。
本発明は、製造過程での金属帯の温度を計測する温度計を対象とする温度実測値の精度判定装置において、熱伝導モデル計算を用いて前記金属帯の温度計算値を算出する計算手段と、前記温度計で計測した前記金属帯の温度実測値と前記温度計算値との偏差が所定閾値よりも大きいか否かを判定する異常判定手段と、前記偏差が前記閾値よりも大きい場合に前記温度実測値を出力した前記温度計は異常であることを外部へ報知する報知手段とを備えていることを特徴とする。
上記発明において、前記温度計は、連続鋳造機で2次冷却中の金属帯の温度を計測し、前記計算手段は、2次冷却モデルを用いて前記温度計算値を算出することが好ましい。
本発明は、製造過程での金属帯の温度を計測する温度計を対象とする温度実測値の精度判定方法において、熱伝導モデル計算を用いて前記金属帯の温度計算値を算出するステップと、前記温度計で計測した前記金属帯の温度実測値と前記温度計算値との偏差が所定閾値よりも大きいか否かを判定するステップと、前記偏差が前記閾値よりも大きい場合に前記温度実測値を出力した前記温度計は異常であることを外部へ報知するステップとを含むことを特徴とする。
上記発明において、前記温度計によって連続鋳造機で2次冷却中の金属帯の温度を計測するステップと、2次冷却モデルを用いて前記温度計算値を算出するステップとをさらに含むことが好ましい。
本発明によれば、製造過程での金属帯の温度計測において、温度計の異常、特にセンサ汚れなどによる温度低下をより早期に検知可能となり、それによって温度計を用いた金属帯の品質異常判定の精度を向上させることができる。
図1は、本実施形態が対象とする連続鋳造機を示す概略図である。 図2は、本実施形態における温度実測値の精度判定装置を模式的に示す機能ブロック図である。 図3は、温度実測値の異常判定フローを示すフローチャートである。 図4は、実施例における温度モデルとしての2次冷却計算結果を示すグラフである。 図5は、実施例における第1実験データとしての温度実測値を示すグラフである。 図6は、実施例における第2実験データとしての温度実測値を示すグラフである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態における温度実測値の精度判定装置および方法について具体的に説明する。なお、本実施形態によって本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
[1.連続鋳造機]
図1は、本実施形態で対象とする連続鋳造機の構成例を示す模式図である。連続鋳造機1は、いわゆる垂直曲げ型連鋳機である。連続鋳造機1では、溶鋼2が注入されるタンディッシュ3の下方に鋳型4が設けられ、タンディッシュ3の底部に鋳型4への溶鋼供給口となる浸漬ノズル5が設けられている。鋳型4の下方には、複数のサポートロール6が設置され、これら複数のサポートロール6に沿って鋳片(金属帯)Sが所定の引き抜き速度で引き抜かれる構成となっている。
引き抜き方向である鋳片Sの長手方向(鋳造方向)には、分割された複数の冷却ゾーン7a〜15a,7b〜15bが配置されており、2次冷却ゾーンを構成している。各冷却ゾーン7a〜15a,7b〜15bには複数のスプレー用またはエアミストスプレー用のノズル等の冷却ノズル(不図示)が設置されており、各冷却ノズルから鋳片Sの表面に2次冷却水が噴霧され、目標とする鋳片Sの2次冷却が実施される。なお、図1では、冷却ゾーン7a〜15a,7b〜15bのうち、反基準面側(上面側)に配置されたものを冷却ゾーン7a〜15aとし、基準面側(下面側)に配置されたものを冷却ゾーン7b〜15bとしている。また、図1では、2次冷却ゾーンを構成する冷却ゾーンは合計9ゾーンであるが、ゾーン数はこれに限定されない。実際の連続鋳造機において2次冷却ゾーンがいくつに分割されるか(ゾーン数をいくつにするか)は、連続鋳造機の機長等によって様々である。
また、連続鋳造機1の機内には、鋳片長手方向に沿った2次冷却ゾーン内の適所において、鋳片Sの表面温度を計測する温度計21が設置されている。温度計21は、鋳片長手方向の所定位置に設置され、この設置位置において鋳片幅方向に沿って鋳片Sの表面温度を計測するものである。例えば、温度計21は、センサ部分が鋳片Sの鉛直方向上方で鋳片幅方向に沿ってスキャンしながら鋳片Sの表面温度を計測し、そのセンサ部分の移動経路内に存在する水蒸気等が温度計測に与える影響を例えばセンサ部分をパージする等の方法で抑制した環境の下、温度を計測する。なお、図1に示す例では、冷却ゾーン12a,12bと冷却ゾーン13a,13bとの間に温度計21が設置されているが、この温度計21の設置位置は一例であってこれに限定されない。
[2.温度実測値の精度判定装置]
図2は、連続鋳造機1に適用される温度実測値の精度判定装置の機能構成例を示すブロック図である。本実施形態における温度実測値の精度判定装置(以下、単に「精度判定装置」という)20は、温度計21と、異常判定装置22と、オペレータ監視用画面23とを備えている。
精度判定装置20は、温度計21が計測した鋳片Sの表面温度(以下「温度実測値」という)の精度を異常判定装置22によって判定するように構成されている。異常判定装置22には、入力部としての温度計21と、出力部としてのオペレータ監視用画面23とが、データの送受信が可能に接続されており、温度計21からの出力値(温度実測値)が入力される。
異常判定装置22は、マイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて所定のプログラムに従って演算を実行し、その演算結果に基づく信号を出力する。その異常判定装置22は、2次冷却計算部22aと、異常判定部22bとを備えている。
2次冷却計算部22aは、2次冷却モデルを用いた2次冷却計算を連続鋳造機1の機内全長においてオンラインで実施する。2次冷却計算部22aでは、2次冷却計算により、水冷、空冷、ミスト冷却、ロール抜熱等からなる2次冷却の冷却条件(2次冷却条件)を少なくとも用いて熱流束を求め、求めた熱流束を用いた熱伝導モデル(2次冷却モデル)によって鋳片Sの温度を算出する。なお、2次冷却モデルを用いた2次冷却計算についての詳細を後述する。
異常判定部22bは、温度計21から入力された温度実測値が異常値であるか否かを判定する。具体的には、異常判定部22bは、2次冷却計算部22aが2次冷却モデルによって求めた鋳片S表面の温度計算値と、温度計21からの温度実測値とを比較し、その比較結果に基づき温度実測値が異常値であるか否かを判定する。実際の処理では、異常判定部22bは、温度計算値と温度実測値との差が所定の閾値よりも大きい場合に、その温度実測値は異常値であると判定する。すなわち、異常判定部22bは、温度実測値を用いて、その温度実測値を出力した温度計21が異常であるか否かを判定する。また、異常判定に用いる温度計算値は、鋳片長手方向における温度計21の設置位置と同じ位置について求めた温度計算値を用いる。そして、異常判定部22bによる異常判定の結果に基づき、異常判定装置22からオペレータ監視用画面23へ異常の旨を通知する信号(異常報知指令)が出力される。
オペレータ監視用画面23は、異常判定装置22からの異常報知指令が入力されると、温度計21の異常発生を識別可能な情報(例えば異常アラーム画面)を表示する。要するに、オペレータ監視用画面23は、異常判定部22bによる異常判定結果を精度判定装置20の外部へ報知するものである。
[2−1.2次冷却計算]
ここで、2次冷却計算部22aによる2次冷却モデルを用いた2次冷却計算を説明する。連続鋳造機1の2次冷却計算では、例えば、鋳片長手方向(鋳造方向)に沿って単位長さでスライスされた鋳片断面(幅x,厚さy)を考え、鋳造中のストランド内の場所に応じて、水冷、空冷、ミスト冷却、ロール抜熱などからなる2次冷却条件によるスラブ表面での境界条件を示す下記(1)式に基づき熱流束を求め、その求めた熱流束を使用して、下記(2)式の2次元熱伝導方程式を解くことで実施される。
Figure 0006330740
ここで、上記(1)式において、Qは熱流束、φは変換温度、Tは温度、Tは基準温度、kは基準温度での熱伝導率である。
Figure 0006330740
ここで、上記(2)式において、cは比熱、ρは密度、kは熱伝導率、xはx座標(幅方向)、yはy座標(厚さ方向)である。
上記(2)式で示される2次元熱伝導方程式は、鋳片断面において、スラブの鋳造方向には熱伝導が無いものと仮定した式である。一般に比熱、密度、熱伝導率の物性値は鋳片の温度変化とともに変化するので、物性値を温度の関数として変化させて、上記(2)式を解く必要がある。物性値に温度依存性がある場合、上記(2)式はこのままでは差分式に展開できない。そこで、実際の計算では公知の手法である「含温度−変換温度法」を用いて、温度を以下のように置き換えて線形化している。
Figure 0006330740
Figure 0006330740
ここで、φは変換温度、Hは含熱量、Tは基準温度、kは基準温度での熱伝導率である。また、cは比熱、kは熱伝導率、Tは温度である。
そして、上記(3),(4)式を上記(2)式に代入すると、下記(5)式となる。
Figure 0006330740
ここで、Hは変換温度、tは時間、kは基準温度での熱伝導率、ρは密度、Tは温度、xはx座標、yはy座標である。
上記(5)式を差分化することにより、スライス毎の伝熱計算が数値解析可能となる。ここで、スライスの内部点と表面点で差分式が異なる。スラブ表面では、下記(6)式で表される。
Figure 0006330740
ここで、kは基準温度での熱伝導率、φは変換温度、hは熱伝達係数、Tは雰囲気温度、xはx座標である。
また、スラブ鋳造方向の速度をv(z方向)とすると、下記(7)式が求まる。
Figure 0006330740
ここで、tは時間、vはスラブ速度、zはz座標である。
これら(6),(7)式を踏まえ、上記(5)式を内部点、表面点のそれぞれで差分化(離散化)すると、下記(8),(9)式となる。
Figure 0006330740
ここで、Hは含熱量、Qは熱流束、kは基準温度での熱伝導率、ρは密度、vはスラブ速度、lは計算時間ステップ、xはx座標、yはy座標、zはz座標である。計算時間ステップ「l」の各値から次の計算ステップ(時間)の「l+1」の値を求めている。上記(8),(9)式で表される差分化式を用いて、差分化法により実際の伝熱計算を行う。この実際の計算過程では、以下のような(1)〜(9)の手続きを踏んで3次元計算をトレースしている。
(1)解析開始とともに1枚の2次元シートがモールド(鋳型)に入り進んでいく。
(2)このシートが外部の境界条件と2次元内部の熱伝導のみで計算されていく。(進行方向の熱伝導は考えない。)
(3)途中で、速度のデータにより各時刻で速度が変化していく。
(4)途中で、外部冷却パターンデータにより、スプレーパターンが切り替わる。
(5)この1枚のシートが、解析時間の終了時刻まで計算される。
(6)次のシートに移ったとき、入力に合わせ物性値、初期温度を変える。
(7)1枚のシートの計算が終了したら、タイムステップの時間だけ離れて次のシートの計算を開始し解析時間終了時刻まで計算する。
(8)以上の計算を各シートにつき、引き抜き終了時刻まで行う。
(9)途中必要に応じてファイル出力を行う。
[3.異常判定フロー]
図3は、温度計21を対象とする温度実測値の異常判定フローを示すフローチャートである。なお、図3に示すフローは、精度判定装置20によって連続鋳造機1が操業中に繰り返し実行される。
異常判定装置22の2次冷却計算部22aは、連続鋳造機1の機内全長において2次冷却モデルを用いた2次冷却計算をオンラインで実施する(ステップS1)。異常判定装置22は、ステップS1で2次冷却計算部22aが2次冷却計算を実施することによって、鋳片Sの温度計算値を連続鋳造機1の全長に亘り取得する。
2次冷却計算部22aは、ステップS1の2次冷却計算結果に基づき、温度計21の測定位置と同じ位置の温度計算値を取得する(ステップS2)。ステップS1で取得した温度計算値は連続鋳造機1の機長全長に亘るため、そのモデルにおいて長手方向および幅方向でどの位置の温度計算値を判定処理に用いるかをステップS2で特定していることになる。
例えば、ステップS2では、温度計21設置の長手位置において、温度計21が特定の幅位置を計測するピンポイント式の温度計である場合は、このモデルにおいても温度計21と同じ幅位置での温度計算値を使用する。あるいは、鋳造方向の所定位置に設置された温度計21がその設置位置で鋳片Sの全幅を測定可能な場合には、鋳片Sのコーナー部は非定常性が強く、モデル計算と合わない場合が多い。そのため、コーナー部から所定長さ内側(例えば両コーナーから内側に250mmまでの範囲)の温度値(温度計算値)は、異常判定に用いるモデル値から除外する。すなわち、それよりも内側の温度値(温度計算値)を異常判定に使用するモデル値とする。なお、温度計21は、センサ部分が鋳片Sの鉛直方向上方で鋳片幅方向に沿って移動しながらスキャンすることによって、鋳片Sの温度を計測してもよい。また、上述した内側の温度値(判定対象の温度)は、内側区間内の平均温度でもよいし、スプレームラなどが原因で幅方向において極端に温度落ち込みが見られる場合には内側区間内の最高温度でもよい。つまり、鋳片Sの冷却状態によって使い分けるとよい。
異常判定部22bは、ステップS2で算出した温度計算値(モデル値)と、温度計21から異常判定装置22に入力された温度実測値(センサ値)とについて、同タイミングのデータを用いて比較し、温度実測値(センサ値)が異常値であるか否かを判定する(ステップS3)。要は、異常判定部22bは、実際の測定位置(温度計21の位置)と同じ位置の温度計算値(モデル値)を用いてステップS3の判定処理を行えばよい。また、異常判定部22bは、温度計算値(モデル値)を基準にして温度実測値(センサ値)が異常値であるか否かを判定する処理手段であって、ステップS3において温度実測値(センサ値)と温度計算値(モデル値)との偏差が予め定められた閾値よりも大きいか否かを判定する。つまり、異常判定部22bは、その偏差が所定閾値よりも大きいか否かを判定することによって温度実測値(センサ値)が異常であるか否かを判定している。精度判定装置20は、温度実測値(センサ値)が異常値でないことによりステップS3で否定的に判断された場合、この制御ルーチンは終了する。
温度実測値(センサ値)が異常値であることによりステップS3で肯定的に判断された場合、異常判定装置22は、その温度実測値を出力した温度計21は異常であることを示す信号(異常報知指令)をオペレータ監視用画面23へ出力し、オペレータ監視用画面23に異常アラーム画面を表示することによって温度計21の異常を精度判定装置20の外部へ報知する(ステップS4)。なお、温度実測値の異常判定を行う場合は連続鋳造機1での鋳造開始後、温度計21の測定対象が十分に定常状態になって以降、例えば鋳片Sの最ボトム(スラブ先頭)が連続鋳造機1の機端を抜けた以降に行うのが望ましい。
[実施例]
ここで、所定条件で温度実測値の精度判定を行った実施例について説明する。図4には、温度モデルとして、ステップS1においてオンラインで2次冷却計算を行い、ステップS2で温度計21の該当位置の計算を取得した結果を示す。図5,図6には、温度実測値として、温度計設置位置における同一鋳造条件の温度実測値例(第1実験データ,第2実験データ)を示す。図4〜図6の横軸はスラブ幅方向位置を表す。
本実施例では、所定の鋳造条件において温度計21で鋳片Sの温度を計測し、異常判定処理において鋳片S(スラブ)幅方向の温度平均値を用いた。なお、鋳造条件、鋼種は本発明では本質的に重要でないため、ここでは示さない。
図4に示す温度モデルでは、2次冷却計算の同長手位置において、鋳片S幅方向位置−750〜+750mmの範囲内(判定対象範囲内)での温度計算値の平均値は856℃であった。図5に示す実測例(第1実験データ)では、判定対象範囲内で温度実測値の平均値は827℃であった。図6に示す実測例(第2実験データ)では、判定対象範囲内で温度実測値の平均値は755℃であった。なお、本実施例では、スラブのコーナー部の非定常部を避けるために、判定対象範囲を、スラブ幅位置−750〜+750mmの範囲内に設定し、その範囲内の平均値を用いて異常判定を行った。
本実施例では、温度計21の温度実測値(第1実験データ,第2実験データ)が温度計算値(図4に示すモデル値)よりも100℃以下の場合に温度計異常であると判定した。つまり、本実施例では、上述したステップS3の閾値を100℃に設定している。本実施例の結果、図5に示す第1実験データの平均値827℃はモデル温度の856℃から100℃以内であるため、第1実験データは正常と判定された。一方、図6に示す第2実験データの平均値755℃はモデル温度の856℃よりも100℃以上低いため、第2実験データは異常と判定された。
本実施例によれば、従来のように固定の閾値(例えば600℃)を用いて温度実測値(センサ値)を異常判定する構成に比べると、早期に温度計異常検知が可能になることが確認された。つまり、従来のように単に600℃の閾値を固定して温度実測値(センサ値)の異常判定する構成では、図6に示す第2実験データの平均値755℃が600℃(従来閾値)よりも高いため温度計異常と判定されないことになる。したがって、本実施例は、上述した熱伝導モデルを使用した温度計の異常判定が従来構成よりも有用であることを示すものである。
以上説明した通り、本実施形態における温度実測値の精度判定装置および方法によれば、温度計の異常による温度低下を早期に検知可能となる。さらに、温度計を用いたスラブ品質異常判定をより正しく行えるように精度を向上させることができる。
1 連続鋳造機
2 溶鋼
3 タンディッシュ
4 鋳型
5 浸漬ノズル
6 サポートロール
7a〜15a,7b〜15b 冷却ゾーン
20 温度実測値の精度判定装置
21 温度計
22 異常判定装置
22a 2次冷却計算部
22b 異常判定部
23 オペレータ監視用画面
S 鋳片(金属帯)

Claims (2)

  1. 製造過程での金属帯の温度を計測する温度計を対象とする温度実測値の精度判定装置において、
    熱伝導モデル計算を用いて前記金属帯の温度計算値を算出する計算手段と、
    前記温度計で計測した前記金属帯の温度実測値と前記温度計算値との偏差が所定閾値よりも大きいか否かを判定する異常判定手段と、
    前記偏差が前記閾値よりも大きい場合に前記温度実測値を出力した前記温度計は異常であることを外部へ報知する報知手段と備え、
    前記温度計は、連続鋳造機で2次冷却中の金属帯の温度を計測し、
    前記計算手段は、2次冷却モデルを用いて前記温度計算値を算出する
    とを特徴とする温度実測値の精度判定装置。
  2. 製造過程での金属帯の温度を計測する温度計を対象とする温度実測値の精度判定方法において、
    熱伝導モデル計算を用いて前記金属帯の温度計算値を算出するステップと、
    前記温度計で計測した前記金属帯の温度実測値と前記温度計算値との偏差が所定閾値よりも大きいか否かを判定するステップと、
    前記偏差が前記閾値よりも大きい場合に前記温度実測値を出力した前記温度計は異常であることを外部へ報知するステップと、
    前記温度計によって連続鋳造機で2次冷却中の金属帯の温度を計測するステップと、
    2次冷却モデルを用いて前記温度計算値を算出するステップと
    を含むことを特徴とする温度実測値の精度判定方法。
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