JP6330258B2 - 虚像表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、映像表示素子によって形成された映像を観察者に提示する虚像表示装置及びプロジェクターに関し、特に観察者の頭部に装着するヘッドマウントディスプレイに好適な虚像表示装置に関する。
観察者の頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDとも言う)等の虚像表示装置として様々なものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
HMD等の虚像表示装置については、小型化及び軽量化を進展させつつ、画質を低下させないで広画角化を達成することが望まれている。
ところで、テレビ等からの映像を見る場合に、真っ直ぐ前を向いた状態で長時間眺めると、人間の眼の構造上、眼を大きく見開いた状態で観察を行うことになるため、観察者のまぶた等に大きな負担が掛かる。従って、観察者は、ダークフォーカスと呼ばれる観察者が目を閉じている際のリラックス状態にある視線角度にすることで、テレビ等に対して観察者の目線の方向(視線)が観察者にとって自然に下方側となった状態で観察するように姿勢を調整することが重要である。上記のような観察時の眼への負担については、HMD等の虚像表示装置による映像の観察の場合でも同様であり、真っ直ぐ前を向いて負担が掛かった状態が長く続くと、観察者は眼の疲労によるストレスを感じることになる。
しかしながら、HMD等の虚像表示装置の場合、観察者は、装置を装着した状態で映像を観察するため、テレビ等の場合と異なり、自己の体勢を映像の位置に合せて変えるといったことが困難である。さらに、観察者の眼や耳、鼻等の大きさや位置関係といった固体差によっても、映像の見える位置が変わってしまい、たとえ標準的な装着状態において観察者の視線が下方側を向くように考慮して設計を行っても、狙った設計通りに映像の観察がなされるとは限らない。
特開2012−163640号公報
本発明は、上記背景技術に鑑みてなされたものであり、観察者の使用中の眼への負担を軽減して、長時間の使用であっても観察者のストレスを抑えることができる虚像表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る虚像表示装置は、映像素子と、観察者の眼前に配置されるとともに、映像素子からの光を観察者の眼に向けて画像を視認させる導光部材と、少なくとも標準的な眼の位置を想定して定まる支持位置基準面に基づいて、導光部材を眼前の所定の位置に配置させて支持するフレームと、観察者の眼に対する導光部材からの光の射出状態を調整する調整部とを備え、導光部材は、観察者に視認させるべき光を、支持位置基準面に対して角度をもった方向から射出して、観察者の眼を下方側に俯瞰させる俯瞰方向から画像を視認させ、調整部は、導光部材からの光の射出状態の調整により、観察者の眼の位置に対する俯瞰方向の角度を変化させる。ここで、支持位置基準面とは、人間の眼、鼻、耳について標準的な大きさや位置関係等を想定して虚像表示装置の支持位置を設計をする場合の基準として用いる指標として少なくとも人間の眼の標準的な位置を含む面である。この支持位置基準面を基準とすることで、標準的な目鼻立ちを有する観察者に対して、理想とする狙い通りの俯角(例えば正面方向に対して俯角10°)となるような俯瞰方向からの視線で画像を視認させる状態となるように定めることが可能になる。
上記虚像表示装置では、標準的な人間の眼等の位置を想定して定められた支持位置基準面に基づく設計において、観察者の視線を下方側に俯瞰させた状態で映像を観察することが可能になるため、観察者の使用中の眼への負担を軽減して、長時間の使用であっても観察者のストレスを抑えることができる。特に、上記虚像表示装置では、観察者の眼、鼻、耳の位置が標準的な位置から外れていて、標準的な設定での装着状態では狙いとする俯瞰方向での観察ができていないような場合であっても、上記調整部によって観察者の個体差に応じて導光部材からの光の射出状態を調整することで、俯瞰方向の角度を変化させ、適した視線での観察を行わせることが可能になる。
本発明の具体的な側面では、支持位置基準面は、標準的な位置として想定された眼球の中心位置と標準的な位置として想定された耳の付け根の上端位置とを含む平面である。この場合、映像の観察位置である眼の位置と装置の支持位置である耳の付け根の上端位置とを考慮して装置が構成されるものとなる。
本発明の別の側面では、上記調整部は、装着時において観察者の鼻に接触して装置を支持する鼻受部を含み、鼻受部の姿勢を変化させる。この場合、鼻受部の姿勢を変えることによって、俯瞰方向の角度を変化させることができる。
本発明のさらに別の側面では、上記調整部は、鼻受部として、装置本体部の複数の位置においてパッド部を取付け可能にする取付構造部を含む。この場合、取付構造部によってパッド部を取り付ける位置の選択が可能となることによって、鼻受部の姿勢を変化させることができる。
本発明のさらに別の側面では、上記調整部は、鼻受部の一部として装置本体部に取り付けられた突起部を有し、鼻に接触させるパッド部を、鼻受部の一部として突起部に取付け可能としている。この場合、例えば突起部に対してパッド部を着脱可能なものとし、互いに異なる形状を有する複数のパッド部のうち一のパッド部を選択することによって、鼻受部の姿勢を変化させることができる。
本発明のさらに別の側面では、上記調整部は、装着時において観察者の耳に接触して装置を支持するテンプル部を含み、テンプル部の姿勢を変化させる。この場合、テンプル部姿勢を変えることによって、俯瞰方向の角度を変化させることができる。
本発明のさらに別の側面では、上記調整部は、テンプル部を、支持位置基準面に対して角度をつけた方向に延びるように変化させるラチェット機構をさらに有する。この場合、ラチェット機構によって、テンプル部の姿勢を変化させ、結果として俯瞰方向の角度を変化させることができる。
本発明のさらに別の側面では、上記調整部は、装置を支持する支持部の一部に組み込まれた可変性の芯金部を含む。この場合、芯金部によって、例えば鼻受部やテンプル部等の装置を支持する支持部の姿勢を変化させ、俯瞰方向の角度を変化させることができる。
本発明のさらに別の側面では、上記調整部は、映像素子による画像形成の範囲を調整する画像補正部を含む。この場合、画像補正部での画像補正により、導光部材からの光の射出される範囲を変えることで、俯瞰方向の角度を変化させることができる。
本発明のさらに別の側面では、上記調整部は、観察者の眼の正面方向に対する俯瞰方向の角度を、0°よりも大きく15°以下の角度の範囲となるように調整する。これにより、違和感を生じさせない範囲で適度に俯瞰方向の角度を変化させることができる。
本発明のさらに別の側面では、導光部材は、映像素子からの光を導光するとともに外界の光の透視を可能にし、導光部材に連結され外界の光の透視機能を補う光透過部材をさらに有する。この場合、一体化された導光部材と光透過部材とによって、外界光と映像光とを重畳させたシースルーの状態とすることが可能になる。
本発明のさらに別の側面では、上記調整部は、外界の光の観察における観察者の眼の正面方向に対して俯瞰方向の角度を調整する。この場合、外界を認識するシースルーの状態において、映像光の俯瞰方向の角度を最適とするように調整できる。
第1実施形態に係る虚像表示装置の外観を簡単に説明する斜視図である。 (A)は、虚像表示装置の外観斜視図であり、(B)は、虚像表示装置からフレームや外装部材を取り除いた内部構造を示す斜視図である。 虚像表示装置の表側についての部分分解正面図である。 虚像表示装置を構成する第1表示装置の上下に関する対称面における断面図である。 (A)は、虚像表示装置を左側から見た側面図であり、(B)は、虚像表示装置を左側から見た断面図であり、(C)は、虚像表示装置の設計において規定される各方向の関係について説明するための図である。 虚像表示装置の一部を拡大し装着状態を説明する拡大断面図である。 (A)は、装着した状態での映像光の射出方向と、各方向との関係との関係を示す図であり、(B)は、装着した状態における各方向の関係について説明するための図である。 (A)及び(B)は、鼻受部の一例として、鼻受部を構成するパッド部の着脱について模式的に示す図であり、(C)は、他のパッド部を取り換えた状態について模式的に示す図であり、(D)は、別のパッド部の一例について模式的に示す図である。 (A)は、第2実施形態に係る虚像表示装置における鼻受部の一例について模式的に示す図であり、(B)及び(C)は、鼻受部を構成するパッド部の着脱について模式的に示す図である。 (A)は、第3実施形態に係る虚像表示装置におけるテンプル部の一例について示す図であり、(B)は、テンプル部の一変形例について示す図である。 (A)は、第4実施形態に係る虚像表示装置における画像補正について説明するための図であり、(B)は、画像補正の一変形例について説明するための図である。
〔第1実施形態〕
以下、図1等を参照しつつ、本発明の第1実施形態に係る虚像表示装置について詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の虚像表示装置100は、眼鏡のような外観を有するヘッドマウントディスプレイであり、この虚像表示装置100を装着した観察者又は使用者に対して虚像による画像光を視認させることができるとともに、観察者に外界像をシースルーで視認又は観察させることができる。虚像表示装置100は、観察者の眼前を透視可能に覆う第1及び第2光学部材101a,101bと、両光学部材101a,101bを支持する枠部102と、枠部102の左右両端から後方のつる部分(テンプル)104にかけての部分に付加された第1及び第2像形成本体部105a,105bとを備える。ここで、図面上で左側の第1光学部材101aと第1像形成本体部105aとを組み合わせた第1表示装置100Aは、右眼用の虚像を形成する部分であり、単独でも虚像表示装置として機能する。また、図面上で右側の第2光学部材101bと第2像形成本体部105bとを組み合わせた第2表示装置100Bは、左眼用の虚像を形成する部分であり、単独でも虚像表示装置として機能する。なお、虚像表示装置100は、撮像動作可能な小型のカメラCAを第1表示装置100Aの側方部分に有している。
図2(A)は、虚像表示装置100の表側の外観を説明する斜視図であり、図2(B)は、虚像表示装置100を部分的に分解した表側の斜視図である。
図示のように、虚像表示装置100に設けた枠部102は、上側に配置されるフレーム107と下側に配置されるプロテクター108とを備える。枠部102のうち、図2(A)に示す上側のフレーム107は、XZ面内でU字状に折れ曲がった細長い板状の部材であり、左右の横方向(X方向)に延びる正面部107aと、前後の奥行き方向(Z方向)に延びる一対の側面部107b,107cとを備える。フレーム107、すなわち正面部107aと側面部107b,107cとは、アルミダイカストその他の各種金属材料で形成された金属製の部分(アルミフレーム部)を主体として含んで構成されている。フレーム107がアルミフレーム部を含むことで、フレーム107を小型かつ軽量としつつ、十分な剛性を維持して装置全体としての耐久性を確保できる。正面部107aの奥行き方向(Z方向)の幅は、第1及び第2光学部材101a,101bに対応する導光装置20の厚み又は幅よりも十分に厚いものとなっている。フレーム107の左側方、具体的には正面部107aにおける向かって左端部から側面部107bにかけての部分である側方端部65aには、第1光学部材101aと第1像形成本体部105aとがアライメントされネジ止めによって直接固定されることにより、支持されている。また、フレーム107の右側方、具体的には正面部107aにおける向かって右端部から側面部107cにかけての部分である側方端部65bには、第2光学部材101bと第2像形成本体部105bとがアライメントされネジ止めにより直接固定されることによって、支持されている。なお、第1光学部材101aと第1像形成本体部105aとは、嵌合によって互いにアライメントされ、第2光学部材101bと第2像形成本体部105bとは、嵌合によって互いにアライメントされる。また、光学系ユニットを構成する第1及び第2像形成本体部105a,105bは、カバー状の外装部材105dによってそれぞれ覆われている。
図2(A)及び2(B)に示すプロテクター108は、アンダーリム状の部材であり、図2(A)に示すフレーム107の下方に配置されて固定されている。プロテクター108の中央部108gは、フレーム107の中央部107gに嵌合及びネジ止めによって固定される。プロテクター108は、2段のクランク状に折れ曲がった細長い板状の部材であり、金属材料又は樹脂材料から一体的に形成されている。プロテクター108の第1先端部108iは、第1像形成本体部105aを覆う外装部材105dのうち外部材105eに設けた凹部105iに嵌合した状態で固定される。また、プロテクター108の第2先端部108jは、第2像形成本体部105bを覆うカバー状の外装部材105dのうち外部材105eに設けた凹部105jに嵌合した状態で固定される。
フレーム107は、第1及び第2像形成本体部105a,105bを支持する。また、フレーム107は、外装部材105dと協働して第1及び第2像形成本体部105a,105bの内部を保護する役割も有している。なお、フレーム107及びプロテクター108は、第1及び第2像形成本体部105a,105bに連結される根元側を除いた導光装置20の長円状の周囲部分と離間するか又は緩く接している。このため、中央の導光装置20と、フレーム107及びプロテクター108を含む枠部102との間に熱膨張率の差があっても、枠部102内での導光装置20の膨張が許容され、導光装置20に歪み、変形、破損が生じることを防止できる。
フレーム107に付随して、鼻受部40が設けられている。鼻受部40は、観察者の鼻に当接する(接触する)ことによって枠部102を支持する役割を有する。鼻受部40は、枠部102を構成する一方のフレーム107の正面部107aの中央部107gにおいて、枠部102を構成する他方のプロテクター108の中央部108gに挟まれるようにして、ねじ止めによって固定されている。また、図3に示すように、鼻受部40は、中央上部の被固定部43と、上下に延びる一対の長さ調整部材41と、調整部材41の先端に形成されたパッド部42とを有する。被固定部43は、鼻受部40をフレーム107に安定して固定するための部分となっている。長さ調整部材41は、パッド部42の間隔、高さ位置等を調整する役割を有する。つまり、図示のように、鼻受部40を含む中央部CR1は、観察者の眼に対する導光装置20の位置を調整することにより、導光装置20から射出される映像光の射出状態を調整する調整部として機能している。
テンプル部104は、フレーム107に設けた一対の側面部107b,107cの先端に固定されている。テンプル部104は、観察者の耳に当接する(接触する)ことによって枠部102を支持する役割を有する。なお、テンプル部104と側面部107b,107cとの連結部CN(図5参照)は、ヒンジ構造を有し、テンプル部104の折畳みが可能になっている。
以上のように、枠部102及びこれに支持される導光装置20は、鼻に支持される鼻受部40と耳に支持される一対のテンプル部104とによって、観察者の顔前に配置されることになる。言い換えると、観察者の眼に対する映像光の射出状態は、虚像表示装置100における光学設計を前提として、鼻受部40やテンプル部104の形状等と観察者の眼や鼻の位置といった身体的特徴によって定まることになる。これに対して、本実施形態では、上述のように、鼻受部40を含む部分が、導光装置20から射出される映像光の射出状態を調整する調整部として機能することで、観察者の個体差に応じて観察時の負担を軽減させた状態にできるものとなっている。
以下、虚像表示装置100の光学系の構成について説明する。まず、第1表示装置100Aは、投影用の光学系である投射透視装置70と、映像光を形成する画像表示装置80とを備えると見ることができる。投射透視装置70は、第1像形成本体部105aによって形成された画像を虚像として観察者の眼に投射する役割を有する。投射透視装置70は、導光及び透視用の導光部材10と、透視用の光透過部材50と、結像用の投射レンズ30とを備える。つまり、第1光学部材101a又は導光装置20は、導光部材10と光透過部材50とで構成され、第1像形成本体部105aは、画像表示装置80と投射レンズ30とで構成される。
図2や図3に示すように、導光部材10と光透過部材50とは、互いに固定されて一体的な導光装置20を構成している。導光装置20は、映像の光を内部で反射させつつ観察者の眼に導く光透過性の光学ブロック状又はプリズム状の部材である。導光装置20のうち周囲部分に囲まれた本体部分は、長円状の輪郭を有する。ここで、光透過部材50は、導光部材10の先端側、すなわち射出側又は光射出側の第1導光部分11に連結するようにその延長方向に配置され、接着剤を利用した接合によって第1導光部分11に固定されている。導光部材10及び光透過部材50を組み合わせた導光装置20は、図1における第1光学部材101aに相当し、投射透視装置70の投射レンズ(投射光学系)30と表示用の画像パターンを形成する画像表示装置80とは、図1における第1像形成本体部105aに相当する。
以下、図4等を参照して、第1像形成本体部105aを構成する画像表示装置80と投射レンズ30とについて説明する。
画像表示装置80は、照明光を射出する照明装置81と、透過型の空間光変調装置である映像表示素子82と、照明装置81及び映像表示素子82の動作を制御する駆動制御部84とを有する。
画像表示装置80の照明装置81は、赤、緑、青の3色を含む光を発生する光源81aと、この光源からの光を拡散させて矩形断面の光束にするバックライト導光部81bとを有する。映像表示素子82は、例えば液晶表示デバイスで形成され、照明装置81からの照明光を空間的に変調して動画像等の表示対象となるべき画像光を形成する。駆動制御部84は、光源駆動回路84aと、液晶駆動回路84bとを備える。光源駆動回路84aは、照明装置81に電力を供給して安定した輝度の照明光を射出させる。液晶駆動回路84bは、映像表示素子82に対して画像信号又は駆動信号を出力することにより、透過率パターンとして動画や静止画の元になるカラーの映像光又は画像光を形成する。なお、液晶駆動回路84bに画像処理機能を持たせることができるが、外付けの制御回路に画像処理機能を持たせることもできる。
投射レンズ30は、構成要素として3つの光学素子31〜33を備える投射光学系であり、これらの光学素子31〜33を収納して支持する鏡筒39を含む。光学素子31〜33は、例えば非球面レンズであり、導光部材10の一部と協働して導光部材10の内部に映像表示素子82の表示像に対応する中間像を形成する。鏡筒39は、前端側に矩形枠状の係合部材39aを有する。係合部材39aは、導光部材10の第2導光部分12側の先端部と嵌合することで、鏡筒39に対する導光部材10の位置決めを可能にしている。
以下、図5等を参照して、虚像表示装置100による画像の投射方向と、画像の観察における観察者の目線の方向(視線)との関係等について説明する。このため、まず、虚像表示装置100における設計上の構成について説明する。
図5(A)は、虚像表示装置100を左側から見た側面図であり、図5(B)は、虚像表示装置100を左側から見た断面図である。なお、図5(B)は、導光装置20を垂直方向に切断した断面であって、射出側光軸AXO(図4参照)を含むように切断したものとなっている。また、図5(C)は、導光装置20を垂直方向に切断した断面(図5(B)に示す断面)に平行な面に対して各部で規定される方向を射影して、角度の関係を示した図である。
虚像表示装置100は、眼、鼻、耳について標準的な大きさや位置を想定して各部の構成がなされている。ここでは、図5(B)に示すように、標準的な位置にあるものとして想定される仮想の眼EYi及び仮想の耳EAiに基づいて装置の姿勢を定める部分すなわち装着時に人体に接して支持される部分が構成されている。より具体的に説明すると、眼EYiの眼球の中心位置YPと、耳EAiの付け根の上端位置APとを含む平面を各部の配置を定める基準である支持位置基準面SSと呼ぶものとし、虚像表示装置100のうち装置を支持する部分やこれに連関する部分は、この支持位置基準面SSに基づいて形状や配置等が定められて構成されている。なお、仮想の眼EYi及び仮想の耳EAiの位置については、例えば人体の眼と耳との位置関係についての平均値等から適宜決定されるものであり、図示を省略しているが、ここでは眼や耳は左右対称に位置にあるものとし、支持位置基準面SSは、想定された標準的な位置にある左右の眼に関する中心位置YPと左右の耳に関する上端位置APとの合計4つの点を含む平面となっているものとする。このように、人体の平均値等から決定される支持位置基準面SSは、図示のように、やや前傾した面となる。このため、人体に接して支持される部分に連関する部分の一例であるフレーム107において、例えば側頭部側に配置される部分である側面部107b,107cの上端部分107tは、支持位置基準面SSに対応して略平行な方向にやや前傾した状態で延びている。フレーム107がこのように支持位置基準面SSに合せた形状を有して配置されていることで、標準的な位置に眼や耳がある者が虚像表示装置100を装着した場合には、すなわち仮想の眼EYi及び仮想の耳EAiの位置に眼や耳がある者が虚像表示装置100を装着した場合には、フレーム107に組み付けられた導光装置20が、眼前の適切な位置及び角度で配置されるものとなる。さらに、導光装置20を含む映像光を形成する各光学系は、上記のような姿勢で装置が支持されることを前提として、理想的な角度から映像光を射出するように設計されている。以上のように、虚像表示装置100は、支持位置基準面SSを基準として構成されることで、標準的な目鼻立ちを有する観察者に対しては、理想的な視線で画像を視認させられるように設計されている。
以下、虚像表示装置100のうち映像光を形成する光学系の設計について説明するため、まず、虚像表示装置100において光学系に関与する各方向について説明する。なお、図5(C)は、以下に規定する各方向の関係を抽象的に示している。虚像表示装置100において、支持位置基準面SSに平行な方向であって、かつ、図5(B)の断面において示される方向を基準方向と呼ぶものとし、符号FDで示すものとする。また、虚像表示装置100を装着した観察者にとっての正面方向を符号SDで示すものとする。図5に示す場合では、設計上の正面方向として、標準的な骨格を有する観察者が真っ直ぐ座って或いは立った状態で正面を向いて装着している場合の水平方向を正面方向SDと規定している。さらに、観察者が視線を正面方向SDに比べて下方側に向けて俯瞰した状態で画像を眺める方向である俯瞰方向を符号BDで示すものとする。俯瞰方向BDは、映像光を形成する光学系から射出される画像光の中心軸の向きを示すものである。すなわち、図5(B)に示すように、俯瞰方向BDは、導光装置20から射出される映像光の中心を示す射出側光軸AXOの延びる方向に平行である。観察者は、正面方向SDに対して俯瞰方向BDがある程度の下方の角度となっていることによって観察時の負担を軽減される。
虚像表示装置100のうち、映像光を形成する光学系は、上述したように支持位置基準面SSに基づいてすなわち基準方向FDに基づいて人体に接して支持される部分が構成されることを踏まえた上で、最適な角度で俯瞰方向BDが射出されるように画像表示装置80や導光装置20等の映像光を形成する光学系の配置や形状等が規定されて、俯瞰方向BDから光が射出されるような構成となっている。
この俯瞰方向BDを観察者にとって最適化されるように、ここでは、虚像表示装置100の設計において、基準方向FDから規定の角度θをなすような方向から映像光を射出させるように構成されているものとする。また、図5(B)に示す標準的な(理想的な)位置関係で装着される場合において、正面方向SDと基準方向FDとは、角度αをなしているものとする。以上の場合、正面方向SDと俯瞰方向BDとのなす角の角度をηとすると、角度ηは、観察者の眼を下方側に向ける度合いを示す俯角の値であり、
η=θ+α…(1)
と表されることになる。この角度ηがダークフォーカスと呼ばれる観察者が目を閉じている際のリラックス状態にある視線角度(10°前後)となるように設計されている。つまり、虚像表示装置100の設計において、まず、人体に接して支持される部分の設計において定まる基準方向FDと図5に示すように想定される理想的な状態での正面方向SDとの角度αを規定し、次に、映像光を形成する光学系の設計において角度αとの関係で俯瞰方向BDが最適な角度で射出されるように角度θを規定している、すなわち角度αと角度θとの和である角度ηが最適な状態となるように規定している。これにより、標準的な状態で装着される場合、すなわち観察者が標準的な目鼻立ちを有する者であれば、調整等を要することなく理想的な状態でストレスフリーに画像を観察することができるような設計となっている。
しかしながら、人間には性別や人種等に伴う個体差があり、一般的には、多かれ少なかれ眼や耳等の実際の位置は、図5(B)に示すような標準的に設定した仮想の眼EYi及び仮想の耳EAiの位置からずれていると考えられる。これに対して、標準的な状態に基づいて設計された虚像表示装置100について見た場合、数値的には、上式(1)の各値において、右辺の角度θは、虚像表示装置100の設計段階で定まる固定的な値であり不変である。一方、角度αは、図5に示す理想的な状態での正面方向SDに基づいた角度であり、理想的な状態で装着された時のみに想定できる値である。つまり、実際の装着時では、観察者の個体差によって異なる角度となる。結果として、角度ηについては、必ずしも実際の装着時において想定通りの状態すなわちダークフォーカスの状態になるとは限らない。以上に対して、本実施形態では、位置調整をする調整部として機能する鼻受部40(図3等参照)を有することで、上記のような角度関係を変更可能とすることで、俯瞰方向BDを変化させて、観察の状態を調整することで、観察者によって異なる個人間の感覚の差に応じて最適な状態を選択可能とし、観察時の負担軽減を可能にしている。また、正面方向SDについて、例えば図5のような理想的な状態では標準的な装着状態において正面を向いている場合の水平方向と規定できるが、観察者がどの方向を正面として認識するかについては、例えば骨格の違いや眼の付き方の違い等があることから、一般には個人差がある。本実施形態では、結果的にこのような個人間の差も踏まえた調整が可能となっている。
図6は、上記のように標準的な目及び耳の位置を基準として設計された虚像表示装置100を、実際に装着した様子について一例を示す図である。また、図7(A)及び7(B)は、実際の装着における観察者の眼EYと各方向FD等との関係について説明するための図である。
図6に示すように、実際の装着においては、観察者の眼EYや鼻NOの大きさや形状、位置関係等に個人差があることよって、虚像表示装置100と観察者の眼EYとの配置は、図5を参照して説明したような理想的な状態になっているとは限らない。ここで、映像と観察者の眼EYとの位置関係を、図7(A)に示す正面方向SD、基準方向FD及び俯瞰方向BDについて抽象化して示すと、これらの方向の関係は、図5(C)に示した場合と同様にして、図7(B)のように示されることになる。具体的に説明すると、まず、図7(A)において、導光装置20から射出される映像光によって認識される虚像についての仮想的な映像の範囲を示す面を仮想面IMとし、その中心を中心CTとする。この場合、射出側光軸AXOは、中心CTから仮想面IMに対して垂直な方向に延び、射出側光軸AXOが延びる方向は、俯瞰方向BD(視線軸の方向)に一致することになる。また、この場合、基準方向FDに対して正面方向SDのなす角の角度をαとし、正面方向SDと俯瞰方向BDとのなす角の角度をηとすると、虚像表示装置100の設計段階で既に確定している角度θを用いて、
η=θ+α…(2)
と表されることになる。ここで、上式(2)の角度αは、既述のように、個体差によって異なる値であり、理想的に規定された上式(1)の角度αとは必ずしも一致しない。言い換えると、ここでの正面方向SDは、個々の観察者が正面と感じる方向であり、個体差があるので、正面方向SDと基準方向FDとのなす角である上式(2)の角度αは、一概に決定されない値である。一方、角度θの値は、既述のように虚像表示装置100の設計時に定まった規定値であり、装着時においては、不変の値であり、上式(1)の場合と一致するものとなっている。従って、この場合、角度ηを一般的に理想的な値であるとされる10°前後に保つように調整するためには、角度αを調整して理想的な角度αに一致させる或いはこれに略等しい値にすることが望ましいことになる。これは、見方を変えて言えば、正面方向SDに対して基準方向FDを変更する、すなわち観察者に対する虚像表示装置100の姿勢を変化させることを意味し、さらに、この結果として俯瞰方向BDも変更されることを意味する。なお、角度ηは、理想的な値としては10°前後であるが、個人差や虚像表示装置としての外観的な違和感のなさ等の観点から、調整部である鼻受部40によって、観察者の眼EYの正面方向SDに対する俯瞰方向BDの角度は、0°よりも大きく15°以下の角度の範囲となるように調整されていることが望ましい。
以下、図8を参照して、鼻受部40のより具体的な構成の一例等について説明する。図8(A)及び8(B)は、一例の鼻受部40において、鼻受部40を構成するパッド部42の着脱について模式的に示す図である。ここで、パッド部42は、左右一対の構成であるが(図3等参照)、左右対称な構造であるため、パッド部42のうち一方についてのみ示すものとし、他方については、図示及び説明を省略する。
図示のように、鼻受部40は、プロテクター108等(図3等参照)の装置本体部100s(例えば図3に示すプロテクター108や鼻受部40の被固定部43に相当する部分)側に取り付けられた突起部TPを有している。一方、鼻受部40のパッド部42は、突起部TPに対応して設けられた差込部42pを有している。差込部42pは、凹部RPを形成している。突起部TPは、球状に膨らんだ先端部BPを有している。これに対して、差込部42pは、例えば弾性のある樹脂やゴム材料で作製され、凹部RPを突起部TPの先端部BPに合わせた形状としている。これにより、パッド部42は、差込部42pの凹部RPを突起部TPに対して嵌め込んで取り付けることにより、装置本体部100sに対して着脱可能に固定できるものとなっている。さらに、図8(B)及び8(C)に例示するように、パッド部42は、サイズや大きさの異なるものが複数用意されており、観察者の眼や鼻等の大きさや位置に応じて適切なものを選択可能となっている。
また、図8(D)は、別のパッド部42の一例について模式的に示す図である。図示のように、パッド部42の内部に可変性の芯金部42aが組み込まれていてもよい。つまり、芯金部42aを変形させることで、位置調整を行うものとしてもよい。
以上により、本実施形態の虚像表示装置100では、調整部として機能する鼻受部40によって、観察者の個体差に応じて正面方向SDに対する俯瞰方向BDの角度ηを変化させ、適した視線での観察を行わせることが可能になる。
以下、図4を参照して、投射透視装置70等の機能、動作等の詳細について説明する。投射透視装置70のうち、導光装置20の一部である導光部材10は、平面視において顔面に沿うように湾曲した円弧状の部材である。導光部材10のうち、第1導光部分11は、鼻に近い中央側つまり光射出側に配置され、光学的な機能を有する側面として、第1面S11と、第2面S12と、第3面S13とを有し、第2導光部分12は、鼻から離れた周辺側つまり光入射側に配置され、光学的な機能を有する側面として、第4面S14と、第5面S15とを有する。このうち、第1面S11と第4面S14とが連続的に隣接し、第3面S13と第5面S15とが連続的に隣接する。また、第1面S11と第3面S13との間に第2面S12が配置され、第4面S14と第5面S15とは大きな角度を成して隣接している。
導光部材10において、第1面S11は、Z軸に平行な射出側光軸AXOを中心軸とする自由曲面であり、第2面S12は、XZ面に平行な基準面(図示の断面)に含まれZ軸に対して傾斜した光軸AX1を中心軸とする自由曲面であり、第3面S13は、射出側光軸AXOを中心軸とする自由曲面である。第4面S14は、XZ面に平行な上記基準面に含まれZ軸に対して傾斜した一対の光軸AX3,AX4の2等分線に平行な光軸AX5を中心軸とする自由曲面であり、第5面S15は、XZ面に平行な上記基準面に含まれるとともにZ軸に対して傾斜した一対の光軸AX4,AX5の2等分線又はこれに対して小角度をなす線を中心軸とする自由曲面である。なお、以上の第1〜第5面S11〜S15は、水平(又は横)に延びXZ面に平行で光軸AX1〜AX5等が通る基準面(図示の断面)を挟んで、鉛直(又は縦)のY軸方向に関して対称な形状を有している。
導光部材10のうち本体10sは、可視域で高い光透過性を示す樹脂材料で形成されており、例えば金型内に熱可塑性樹脂を注入・固化させることにより成形する。なお、本体10sの材料としては、例えばシクロオレフィンポリマー等を用いることができる。本体10sは、一体形成品とされているが、導光部材10は、既に説明したように機能的に第1導光部分11と第2導光部分12とに分けて考えることができる。第1導光部分11は、映像光GLの導波及び射出を可能にするとともに、外界光HLの透視を可能にする。第2導光部分12は、映像光GLの入射及び導波を可能にする。
第1導光部分11において、第1面S11は、映像光GLを第1導光部分11外に射出させる屈折面として機能するとともに、映像光GLを内面側で全反射させる全反射面として機能する。第1面S11は、眼EYの正面に配されるものであり、観察者に対し凹面形状を成している。なお、第1面S11は、本体10sの表面に施されたハードコート層27によって形成される面である。
第2面S12は、本体10sの表面であり、当該表面にハーフミラー層15が付随している。このハーフミラー層15は、光透過性を有する反射膜(すなわち半透過反射膜)である。ハーフミラー層(半透過反射膜)15は、第2面S12の全体ではなく、第2面S12を主にY軸に沿った鉛直方向に関して狭めた部分領域PA上に形成されている(図7(A)参照)。ハーフミラー層15は、本体10sの下地面のうち部分領域PA上に、金属反射膜や誘電体多層膜を成膜することにより形成される。ハーフミラー層15の映像光GLに対する反射率は、シースルーによる外界光HLの観察を容易にする観点で、想定される映像光GLの入射角範囲において10%以上50%以下とする。具体的な実施例のハーフミラー層15の映像光GLに対する反射率は、例えば20%に設定され、映像光GLに対する透過率は、例えば80%に設定される。
第3面S13は、映像光GLを内面側で全反射させる全反射面として機能する。第3面S13は、眼EYの正面に配されるものであり、第1面S11と同様に観察者に対し凹面形状を成しており、第1面S11と第3面S13とを通過させて外界光HLを見たときに、視度が略0になっている。なお、第3面S13は、本体10sの表面に施されたハードコート層27によって形成される面である。
第2導光部分12において、第4面S14は、映像光GLを内面側で全反射させる全反射面として機能する。第4面S14は、映像光GLを第2導光部分12内に入射させる屈折面としても機能する。なお、第4面S14は、本体10sの表面に施されたハードコート層27によって形成される面である。
第2導光部分12において、第5面S15は、既述のように、本体10sの表面上に無機材料で形成される光反射膜RMを成膜することで形成され、反射面として機能する。
光透過部材50は、既述のように導光部材10と一体的に固定され1つの導光装置20となっている。光透過部材50は、導光部材10の透視機能を補助する部材(補助光学ブロック)であり、光学的な機能を有する側面として、第1透過面S51と、第2透過面S52と、第3透過面S53とを有する。ここで、第1透過面S51と第3透過面S53との間に第2透過面S52が配置されている。第1透過面S51は、導光部材10の第1面S11を延長した曲面上にあり、第2透過面S52は、当該第2面S12に対して接着層CCによって接合され一体化されている曲面であり、第3透過面S53は、導光部材10の第3面S13を延長した曲面上にある。このうち第2透過面S52と導光部材10の第2面S12とは、薄い接着層CCを介しての接合によって一体化されるため、略同じ曲率の形状を有する。
光透過部材(補助光学ブロック)50は、可視域で高い光透過性を示し、光透過部材50の本体部分は、導光部材10の本体10sと略同一の屈折率を有する熱可塑性樹脂材料で形成されている。なお、光透過部材50は、本体部分を導光部材10の本体10sに接合した後、接合された状態で本体10sとともにハードコートによる成膜がなされて形成されるものである。つまり、光透過部材50は、導光部材10と同様、本体部分の表面にハードコート層27が施されたものとなっている。第1透過面S51と第3透過面S53とは、本体部分の表面に施されたハードコート層27によって形成される面である。
以下、虚像表示装置100における映像光GL等の光路について説明する。映像表示素子(映像素子)82から射出された映像光GLは、投射レンズ30によって収束されつつ、導光部材10に設けた正の屈折力を有する第4面S14に入射する。
導光部材10の第4面S14を通過した映像光GLは、収束しつつ進み、第2導光部分12を経由する際に、比較的弱い正の屈折力を有する第5面S15で反射され、第4面S14に内側から再度入射して反射される。
第2導光部分12の第4面S14で反射された映像光GLは、第1導光部分11において、比較的弱い正の屈折力を有する第3面S13に入射して全反射され、比較的弱い負の屈折力を有する第1面S11に入射して全反射される。なお、映像光GLは、第3面S13を通過する前後において、導光部材10中に中間像を形成する。この中間像の像面IIは、映像表示素子82の像面OIに対応するものである。
第1面S11で全反射された映像光GLは、第2面S12に入射するが、特にハーフミラー層15に入射した映像光GLは、このハーフミラー層15を部分的に透過しつつも部分的に反射されて第1面S11に再度入射して通過する。なお、ハーフミラー層15は、ここで反射される映像光GLに対して比較的強い正の屈折力を有するものとして作用する。また、第1面S11は、これを通過する映像光GLに対して負の屈折力を有するものとして作用する。
第1面S11を通過した映像光GLは、観察者の眼EYの瞳又はその等価位置に略平行光束として入射する。つまり、観察者は、虚像としての映像光GLにより、映像表示素子(映像素子)82上に形成された画像を観察することになる。
一方、外界光HLのうち、導光部材10の第2面S12よりも−X側に入射するものは、第1導光部分11の第3面S13と第1面S11とを通過するが、この際、正負の屈折力が相殺されるとともに収差が補正される。つまり、観察者は、導光部材10越しに歪みの少ない外界像を観察することになる。同様に、外界光HLのうち、導光部材10の第2面S12よりも+X側に入射するもの、つまり、光透過部材50に入射したものは、これに設けた第3透過面S53と第1透過面S51とを通過する際に、正負の屈折力が相殺されるとともに収差が補正される。つまり、観察者は、光透過部材50越しに歪みの少ない外界像を観察することになる。さらに、外界光HLのうち、導光部材10の第2面S12に対応する光透過部材50に入射するものは、第3透過面S53と第1面S11とを通過する際に、正負の屈折力が相殺されるとともに収差が補正される。つまり、観察者は、光透過部材50越しに歪みの少ない外界像を観察することになる。なお、導光部材10の第2面S12と光透過部材50の第2透過面S52とは、略同一の曲面形状をともに有し、略同一の屈折率をともに有し、両者の隙間が略同一の屈折率の接着層CCで充填されている。つまり、導光部材10の第2面S12や光透過部材50の第2透過面S52は、外界光HLに対して屈折面として作用しない。
ただし、ハーフミラー層15に入射した外界光HLは、このハーフミラー層15を部分的に透過しつつも部分的に反射されるので、ハーフミラー層15に対応する方向からの外界光HLは、ハーフミラー層15の透過率に弱められる。その一方で、ハーフミラー層15に対応する方向からは、映像光GLが入射するので、観察者は、ハーフミラー層15の方向に映像表示素子(映像素子)82上に形成された画像とともに外界像を観察することになる。
導光部材10内で伝搬されて第2面S12に入射した映像光GLのうち、ハーフミラー層15で反射されなかったものは、光透過部材50内に入射するが、光透過部材50に設けた不図示の反射防止部によって導光部材10に戻ることが防止される。つまり、第2面S12を通過した映像光GLが光路上に戻されて迷光となることが防止される。また、光透過部材50側から入射してハーフミラー層15で反射された外界光HLは、光透過部材50に戻されるが、光透過部材50に設けた上述の不図示の反射防止部によって導光部材10に射出されることが防止される。つまり、ハーフミラー層15で反射された外界光HLが光路上に戻されて迷光となることが防止される。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の虚像表示装置100によれば、観察者の視線を下方側に俯瞰させた状態で映像を観察することが可能になるため、観察者の使用中の眼EYへの負担を軽減して、長時間の使用であっても観察者のストレスを抑えることができる。特に、虚像表示装置100では、観察者の眼、鼻、耳の位置が標準的な位置から外れていて、標準的な装着状態では狙いとする俯瞰方向での観察ができていないような場合であっても、調整部として機能する鼻受部40によって、標準的な位置を規定する支持位置基準面SSに基づいて設計された虚像表示装置100の姿勢(装着状態)を調整して、観察者の個体差に応じて導光部材10からの映像光GLの射出状態を調整することで、正面方向SDに対する俯瞰方向BDの角度ηを変化させ、観察者の固体差に応じて適した視線での観察を行わせることが可能になる。また、この場合、観察者は、外界を認識できるシースルーの状態において、外界像から正面方向を認識し、認識された正面方向に合せて俯瞰方向の角度を調整することで、外界像に対する映像光の俯瞰方向の角度を最適とするように調整できる。
〔第2実施形態〕
以下、図9(A)〜9(C)により、第2実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、本実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態の虚像表示装置100の変形例であり、鼻受部を含む調整部の構造以外については、第1実施形態の場合と同様であるので、鼻受部及びその周辺の箇所のみを示し、全体の構成等については、図示及び説明を省略する。
図9(A)は、本実施形態に係る虚像表示装置における鼻受部140を含む調整部の一例について模式的に示す図であり、図9(B)及び9(C)は、図9(A)に示す鼻受部140における左右一対のパッド部142の着脱について模式的に示す図である。図示のように、鼻受部140は、左右一対のパッド部142のほか、各パッド部142に対応して設けられる取付構造部ASを有している。図示のように、取付構造部ASは、装置本体部100s(例えば図3に示すプロテクター108や鼻受部40の被固定部43に相当する部分)において一列に一定間隔で並んで複数設けられた同一形状の凸部PP(図示の例では3個)で構成されている。これに対して、パッド部142は、取付構造部ASの凸部PPに対応して一列に並んで複数設けられた同一形状の凹部RR(図示の例では3個)を有している。鼻受部140は、図9(B)及び9(C)に示すように、パッド部142の凹部RRを、取付構造部ASの凸部PPに嵌めこむことによって位置決め固定される。この際、例えば図9(B)に示す場合と図9(C)に示す場合とのように、複数並ぶ凹部RRと凸部PPとを組み合わせる位置を変えることで、破線P1,P2に示すように、鼻受部140の高さを変えることができる。
〔第3実施形態〕
以下、図10(A)〜10(C)により、第3実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、本実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態等の虚像表示装置100の変形例であり、テンプル部の構造以外については、第1実施形態の場合と同様であるので、テンプル部及びその周辺の箇所のみを示し、全体の構成等については、図示及び説明を省略する。また、一対のテンプル部は、左右対称な構造であるため、テンプル部のうち一方についてのみ示すものとし、他方については、図示及び説明を省略する。
図10(A)は、本実施形態に係る虚像表示装置100におけるテンプル部104の一例について示す図である。既述のように、一対のテンプル部104は、装着時において、耳に支持されることで、虚像表示装置100を支持している。また、図示のように、テンプル部104とフレーム107の側面部107bとの連結部CNは、ヒンジ構造を有しており、これにより、テンプル部104は、折畳み可能になっている。さらに、本実施形態では、図10(A)において模式的に示すように、連結部CNからテンプル部104にかけて内部に可変性の芯金部104aが組み込まれている。つまり、芯金部104aを変形させることで、例えば矢印A1に示す方向についてテンプル部104の姿勢を変え、映像の位置に関する位置調整が可能となっている。より詳しく説明すると、テンプル部104の延びる方向をテンプル部104の上端部104tが延びる方向を示す基準軸TXとし、基準軸TXの延びる方向をテンプル軸方向TDとした場合、基準方向FDに対して、テンプル部104が延びるテンプル軸方向TDの角度を調整することで、結果として正面方向SDに対する基準方向FDの方向(角度)を変化させることができ、すなわち観察者の眼EYに対する虚像表示装置100の姿勢を変化させることができる。つまり、テンプル部104を含む部分が調整部として機能していることになる。
図10(B)は、テンプル部104の一変形例について示す図である。本変形例では、ラチェット機構RTを有することで、テンプル部104を含む部分が調整部として機能するものとなっている。具体的には、テンプル部104は、連結部CNに固定的に取り付けられる取付部分104fと、取付部分104fに対して矢印A2に示す方向に可動な状態で取り付けられる本体部分104sと、ラチェット機構RTとを有している。ラチェット機構RTは、テンプル部104のうち、取付部分104fに付随するギヤ部GEと、テンプル部104の本体部分104sに付随する楔状の突起部GFとで構成されている。ギヤ部GEは、円盤状であり、その外周に一方向に偏った形状を有する複数のラチェット歯を有している。取付部分104fは、円盤状のギヤ部GEの中心軸として回転可能となっている。テンプル部104の突起部GFは、先端側においてギヤ部GEのラチェット歯と噛み合わさり、逆転を阻止する回転規制がかかりつつ、矢印A2に示す方向について多段階でテンプル部104の姿勢を変化可能としている。なお、この場合、逆転を阻止する回転規制があるため、姿勢の調整は、例えば矢印A2に示すように一方向のみとなるが、例えば突起部GFとラチェット歯との噛み合わせを解いて、ラチェット機構RTによる回転規制を解除可能な機構を有するものとすることで、テンプル部104の姿勢を初期の状態に戻すことができる。
また、上記のほか、例えばテンプル部104全体又は一部を着脱可能とし、大きさや形状の異なるものから選択する態様とすることもできる。さらに、側頭部に接触する部分(内側部分)に取り付けるテンプル用パッドを着脱可能とし、当該テンプル用パッドの形状によって観察者の眼に対して姿勢を変化させるものとしてもよい。
〔第4実施形態〕
以下、図11(A)等により、第4実施形態に係る虚像表示装置について説明する。なお、本実施形態の虚像表示装置は、第1実施形態の虚像表示装置100の変形例であり、画像補正の処理以外については、第1実施形態等の場合と同様であるので、全体の構成等については、図示及び説明を省略する。
図11(A)は、本実施形態に係る虚像表示装置における画像補正について説明するための図であり、表示される映像の範囲を示すものである。つまり、観察者の眼に画像として認識されるべき虚像が映し出される範囲に関して仮想的に示すものである。図示において、表示可能領域DPは、画像表示装置80(図4等参照)によって映像を表示させることが可能な範囲を示している。一方、映像領域DDは、表示可能領域DPに示す範囲のうち実際に映像を表示する範囲を示している。この場合、映像領域DDとして表示可能領域DPの全体を使わず、マージンMGを設け、マージンMGの範囲内で表示可能領域DP面内について例えば矢印AA1,AA2の方向(上下方向)に映像領域DDを適宜シフトさせる画像補正の処理を可能としている。つまり、映像領域DDとして映し出される位置を調整することで、結果的に観察者の視線を変化させることができる。なお、映像領域DDの位置調整の処理については、例えば画像表示装置80の液晶駆動回路84b(図4参照)に画像処理機能を持たせること等により可能となる。すなわち、本実施形態の場合、液晶駆動回路84bが映像表示素子82による画像形成の範囲を調整する画像補正部となることで、調整部として機能している。
なお、以上のように画像補正部を調整部とする調整の場合、画像の中心位置を変化させることに相当する。従って、第1実施形態に示す式(2)で言えば、角度θの値を調整することによって角度ηを理想的な状態に変更することになる。
また、上記において、表示可能領域DPの範囲をさらに広げるものとしてもよい。例えば、図11(B)に示すように、より広い範囲で画像情報を持つ仮想的な映像領域DIを設定し、表示可能領域DPが映像領域DIの中で指定可能であるものとすれば、映像領域DIの範囲内で表示可能領域DPを変化させることができる。この場合、例えば虚像表示装置にジャイロセンサーを搭載しておくことで、観察者の体の動きに表示可能領域DPの範囲の変化をシンクロさせて、矢印AB1〜AB4に示す方向について、表示可能領域DPにおいて映し出すべき画像の範囲を変化させることができる。
また、映像領域DIの範囲については、矢印AC1〜AC4に示すように、さらに仮想的な範囲を広げることができ、例えば360°回転して矢印AC1に示す方向の先端と矢印AC2に示す方向の先端とが繋がり、また、矢印AC3に示す方向の先端と矢印AC4に示す方向の先端とが繋がって、全体が繋がるような範囲を、仮想的な映像領域DIとしてもよい。
以上、各実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の各実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
まず、上記の説明では、虚像表示装置100を構成するための基準である支持位置基準面SSを、標準的な位置にある眼球の中心位置YPと耳の付け根の上端位置APとによって規定しているが、支持位置基準面SSは、これに限らず様々な位置を基準なるべき、面として設定することができる。例えば、フレームが耳の付け根の上端以外の箇所として耳全体で支持される場合には、標準的な眼球の中心位置とフレームを支持する耳全体のうちの中心位置とを含む面を支持位置基準面としてもよい。
また、上記の説明では、フレーム107は、虚像表示装置100のうち映像光を形成する光学系である画像表示装置80や導光装置20を直接的に支持しているが、フレームがこれら全てを直接的に支持する場合に限らず、例えば画像表示装置80や導光装置20を一体のケース等に納め、当該ケース等を介して間接して支持しているものとしてもよい。
上記の説明では、第1実施形態では鼻受部が調整部として機能し、第2実施形態ではテンプル部が調整部として機能し、第3実施形態では画像補正部が調整部として機能しているが、鼻受部やテンプル部、画像補正部を組み合わせて調整を行い、これら全体をもって調整部としてもよい。この場合、例えば装着時においては、鼻受部やテンプル部によって調整を行い、例えば観察中に調整しきれていないと分かれば、画像観察時に画像補正部によって再調整を行う、といったことも可能となる。また、複数の調整機能を有することで、調整可能な範囲をより広くして、眼や鼻、耳の位置が標準的な位置から大きく外れているような観察者が使用する場合であっても、長時間の観察に適した状態とすることができる。また、例えば先に鼻受部やテンプル部等の外部機構的な手法による調整がなされていれば、画像補正部による画像処理的(内部機構的)な処理での補正量が少なくて済むとも考えられる。つまり、図11(A)に示す映像領域DDを大きくする(マージンMGを減らす)ことができる。また、個体差に関しては、鼻の形状や位置による影響が最も大きいのが一般的である。従って、例えば各調整部を組み合わせる場合、鼻受部による調整を他の調整部による調整よりも優先することとしてもよい。
また、上記以外の調整部として、例えば弾性を有しており、観察者の側頭部から後頭部にかけて一周するように巻き付けるヘッドバンドを用い、当該ヘッドバンドによって、虚像表示装置を観察者の眼に対して所望の位置及び角度に調整された状態を維持して固定するものとしてもよい。
上記実施形態では、画像表示装置80において、透過型の液晶表示デバイス等からなる映像表示素子82を用いているが、画像表示装置80としては、透過型の液晶表示デバイス等からなる映像表示素子82に限らず種々のものを利用可能である。例えば、反射型の液晶表示デバイスを用いた構成も可能であり、液晶表示デバイス等からなる映像表示素子82に代えてデジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。また、画像表示装置80として、LEDアレイやOLED(有機EL)などに代表される自発光型素子を用いることができる。
映像表示素子82と投射レンズ30との固定方法は、映像表示素子82を鏡筒39に直接固定する様々な手法を用いることができる。
枠部102については、実施形態に例示した形状又は眼鏡のフレームに似た外観に限らず、投射レンズ30と導光装置20とを橋渡しすることができる様々な形状とできる。また、鼻受部40,140の形状についても種々のものが適用できる。
上記実施形態では、フレーム107と投射レンズ30とが別体でネジ止めによって投射レンズ30をフレーム107に固定しているが、投射レンズ30の鏡筒39をフレーム107と一体成形することもできる。鏡筒39をフレーム107と一体成形する方法として、アウトサート成形、ダイカスト一体成形後の鏡筒部削り出し等の手法がある。
導光装置20又は投射レンズ30については、ネジ止めによる締結に限らず、様々な手法でフレーム107に固定することができる。
上記実施形態では、投射レンズ30の鏡筒39に導光装置20との係合部材39aを設けているが、導光装置20側に例えば鏡筒39を挟むように鏡筒39と嵌合する係合部材を設けることができる。
上記実施形態では、ハーフミラー層(半透過反射膜)15が横長の矩形領域に形成されるとしたが、ハーフミラー層15の輪郭は用途その他の使用に応じて適宜変更することができる。また、ハーフミラー層15の透過率や反射率も用途その他に応じて変更することができる。
上記実施形態では、ハーフミラー層15が単なる半透過性の膜(例えば金属反射膜や誘電体多層膜)であるとしたが、ハーフミラー層15は、平面又は曲面のホログラム素子に置き換えることができる。
上記実施形態では、映像表示素子82における表示輝度の分布を特に調整していないが、位置によって輝度差が生じる場合等においては、表示輝度の分布を不均等に調整することができる。
上記の説明では、一対の表示装置100A,100Bを備える虚像表示装置100について説明しているが、単一の表示装置とできる。つまり、右眼及び左眼の双方に対応して、一組ずつ投射透視装置70及び画像表示装置80を設けるのではなく、右眼又は左眼のいずれか一方に対してのみ投射透視装置70及び画像表示装置80を設け、画像を片眼視する構成にしてもよい。この場合、フレーム107やテンプル部104は、例えば図1等に示すままで左右対称に配置する形状とする。
上記実施形態では、導光部材10の第1面S11及び第3面S13において、表面上にミラーやハーフミラー等を施すことなく空気との界面により映像光を全反射させて導くものとしているが、本願発明の虚像表示装置100における全反射については、第1面S11又は第3面S13上の全体又は一部にミラーコートや、ハーフミラー膜が形成されてなされる反射も含むものとする。例えば、映像光の入射角度が全反射条件を満たした上で、上記第1面S11又は第3面S13の全体又は一部にミラーコート等が施され、実質的に全ての映像光を反射する場合も含まれる。また、十分な明るさの映像光を得られるのであれば、多少透過性のあるミラーによって第1面S11又は第3面S13の全体又は一部がコートされていてもよい。
上記の説明では、導光部材10等が眼EYの並ぶ横方向に延びているが、導光部材10を縦方向に延びるように配置することもできる。この場合、導光部材10は、例えば上部での片持ち状態によって支持される。
また、対向して配置される第1面S11と第3面S13は、観察者に対し凹面形状を成しているものとしているが、第1面S11及び第3面S13が平行な平面形状であるものとしてもよい。この場合、観察者が第1面S11及び第3面S13を透過して外界を見た場合に視度を0とすることができる。また、第1面S11及び第3面S13が平行な平面形状である場合において、例えば第1面S11及び第3面S13以外の他の面については曲面を持たせることで、中間像を形成させるものとしてもよく、中間像を形成しない構成の画像形成であるものとすることも可能である。
AX4〜AX5…光軸、 GL…映像光、 HL…外界光、 OI…像面、 PA…部分領域、 RM…光反射膜、 S11〜S15…第1〜第5面、 S51〜S53…透過面、 31〜33…光学素子、 10…導光部材、 10g…取付部、 10s…本体、 11,12…導光部分、 15…ハーフミラー層、 20…導光装置、 30…投射レンズ、 39…鏡筒、 39a…係合部材、 39g…取付部、 39h…後端部、 40、140…鼻受部(調整部)、 42、142…パッド部、 TP…突起部、 RP…凹部、 AS…取付構造部、 42a…芯金部、 50…光透過部材、 61e,61f…固定部、 65a,65b…側方端部、 70…投射透視装置、 80…画像表示装置、 81…照明装置、 81a…光源、 81b…バックライト導光部、 82…映像表示素子、 84…駆動制御部、 84a…光源駆動回路、 84b…液晶駆動回路(画像補正部、調整部)、 88…素子用ケース、 100…虚像表示装置、 100s…装置本体部、 100A,100B…表示装置、 101a,101b…光学部材、 102…枠部、 104…テンプル部(調整部)、 RT…ラチェット機構、 104a…芯金部、 105a,105b…像形成本体部(光学ユニット)、 105d…外装部材、 107…フレーム、 107a…正面部、 107b,107c…側面部、 108…プロテクター、 SS…支持位置基準面、 FD…基準方向、 SD…正面方向、 BD…俯瞰方向

Claims (11)

  1. 映像素子と、
    観察者の眼前に配置されるとともに、前記映像素子からの光を観察者の眼に向けて画像を視認させる導光部材と、
    少なくとも標準的な眼の位置を想定して定まる支持位置基準面に基づいて、前記導光部材を眼前の所定の位置に配置させて支持するフレームと、
    観察者の眼に対する前記導光部材からの光の射出状態を調整する調整部と
    装着時において観察者の耳に接触して装置を支持するテンプル部と
    を備え、
    前記導光部材は、観察者に視認させるべき光を、前記支持位置基準面に対して角度をもった方向から射出して、観察者の眼を下方側に俯瞰させる俯瞰方向から画像を視認させ、
    前記調整部は、前記導光部材からの光の射出状態の調整により、観察者の眼の位置に対する前記俯瞰方向の角度を変化させ、
    前記支持位置基準面は、標準的な位置として想定された眼球の中心位置と、標準的な位置として想定された耳の付け根の上端位置と、を含む平面であり、
    前記調整部は、装着時において観察者の鼻に接触して装置を支持する鼻受部を含み、
    前記鼻受部は、装着時において観察者の鼻に接触するパッド部を有し、
    前記パッド部は、装置本体部に着脱可能に固定され
    前記フレームは、前記フレームから観察者の後頭部に向かって延びる一対の側面部を有し、前記一対の側面部において少なくとも前記映像素子を含む画像形成本体部をそれぞれ支持し、
    前記テンプル部は、前記側面部にそれぞれ連結され、前記支持位置基準面に平行な基準方向に対して交差する方向に傾き、観察者の耳の付け根を通り、観察者の後頭部に向かって延び、
    前記調整部は、前記側面部に対して前記テンプル部の延びる方向の角度を変化させることにより、前記テンプル部の姿勢を変化させる、
    虚像表示装置。
  2. 前記鼻受部は、前記パッド部を嵌め込むことにより前記装置本体部に前記パッド部を着脱可能に固定する取付構造部を有する、請求項1に記載の虚像表示装置。
  3. 前記取付構造部は、前記パッド部を嵌め込むことにより着脱可能に固定する突起部を有し、
    前記パッド部は、前記突起部に対応する凹部を有する差込部を有する、請求項2に記載の虚像表示装置。
  4. 前記突起部は、前記装置本体部に対して下側に延び、
    前記パッド部は、装着時において観察者の鼻から上側に沿って延び、先端部に前記差込部を有する、請求項3に記載の虚像表示装置。
  5. 前記取付構造部は、前記装置本体部の複数の位置において前記パッド部を着脱可能に取り付ける複数の凸部を有し、
    前記パッド部は、前記複数の凸部に対応する凹部を有する、請求項2に記載の虚像表示装置。
  6. 前記調整部は、前記側面部に対して前記テンプル部の延びる方向の角度を変化させるラチェット機構をさらに有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  7. 前記調整部は、装置を支持する支持部の一部に組み込まれた可変性の芯金部を含む、請求項1からまでのいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  8. 前記調整部は、前記映像素子による画像形成の範囲を調整する画像補正部を含む、請求項1からまでのいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  9. 前記調整部は、観察者の眼の正面方向に対する前記俯瞰方向の角度を、0°よりも大きく15°以下の角度の範囲となるように調整する、請求項1からまでのいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  10. 前記導光部材は、前記映像素子からの光を導光するとともに外界の光の透視を可能にし、
    前記導光部材に連結され外界の光の透視機能を補う光透過部材をさらに有する、請求項1からまでのいずれか一項に記載の虚像表示装置。
  11. 前記調整部は、外界の光の観察における観察者の眼の正面方向に対して前記俯瞰方向の角度を調整する、請求項1に記載の虚像表示装置。
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