JP5998738B2 - 導光装置及び虚像表示装置並びに導光装置の製造方法 - Google Patents

導光装置及び虚像表示装置並びに導光装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5998738B2
JP5998738B2 JP2012180798A JP2012180798A JP5998738B2 JP 5998738 B2 JP5998738 B2 JP 5998738B2 JP 2012180798 A JP2012180798 A JP 2012180798A JP 2012180798 A JP2012180798 A JP 2012180798A JP 5998738 B2 JP5998738 B2 JP 5998738B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light guide
prism
light
joint
counter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012180798A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014038227A (ja
Inventor
将行 ▲高▼木
将行 ▲高▼木
貴洋 戸谷
貴洋 戸谷
武田 高司
高司 武田
小松 朗
朗 小松
敏明 宮尾
敏明 宮尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2012180798A priority Critical patent/JP5998738B2/ja
Priority to CN201320503208.6U priority patent/CN203587827U/zh
Publication of JP2014038227A publication Critical patent/JP2014038227A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5998738B2 publication Critical patent/JP5998738B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、映像光や外界光を導く導光装置等に関し、特に映像光を観察者に提示するために観察者の頭部に装着されるヘッドマウントディスプレイに好適な導光装置及びこれを用いた虚像表示装置、並びに導光装置の製造方法に関する。
観察者の頭部に装着するヘッドマウントディスプレイ(以下、HMDとも言う)等の虚像表示装置に組み込まれる光学系として様々なものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
HMD等の虚像表示装置については、小型化及び軽量化を進展させることと、画質を低下させないで広画角化を達成することとが望まれている。また、観察者の視界を全て覆ってしまい、映像光のみが見える状態にしてしまうと、観察者に外界の状態が判らず、不安を与えてしまう。むしろ、外界と映像を重ねて見せることによって、仮想現実の様な新しい用途が生み出される。このため、外界の視界を妨げず、映像光を重ねて表示するディスプレイが望まれている。さらに、観察者の装着感を向上させ、見た目のフォルムを良くするためには、一般には眼鏡の形態に近づくことが望ましく、映像表示装置を眼の上方に置かないで顔の横側に離れて配置することが望ましくなる。
ところで、外界光と映像光とを重ねて表示させるシースルー機能を持った虚像表示装置に適用する導光装置の場合、例えば外界光と映像光とを重ね合せるためにブロック状の導光部材の一端に傾斜した半透過面を設けることが行われ、この場合、当該半透過面の傾斜を補って眼前を一様に覆うために、対となる他のブロック状の透光部材を接合させる必要がある。しかしながら、この接合に際して接合箇所に気泡が入り込んでしまうと、良好なシースルー性能が確保されないことになる。
また、シースルー機能を持たない場合であっても、例えば映像光を取り出すために傾斜させた反射面を設けることが行われ、この場合、外観や強度の問題から、反射面を設ける箇所に対となるブロック状の部材を接合させることがあり、この接合に際して接合箇所に気泡が入り込んでしまうと、反射面に歪みを生じさせる等の可能性がある。
特開2012−27350号公報
本発明は、映像光を導いて表示させる導光装置であって、反射面を形成する接合部において気泡が入り込むことを抑制でき、例えば映像光に外界光を重ねて表示させるシースルー機能を持つ場合に良好なシースルー性能を確保できる導光装置及びこれを用いた虚像表示装置並びに導光装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る導光装置は、(a)内部を伝搬させた映像光の反射を行うミラー層を支持する接合面を有する導光プリズムと、(b)導光プリズムのうち接合面に対向して配置される対向面を有し、ミラー層を接合面と対向面との間に配置して接合する対向プリズムと、(c)導光プリズムの接合面と対向プリズムの対向面との接着領域に接着剤で形成され、導光プリズムと対向プリズムとを接合する接合部と、を備え、(d)映像光を視認させる導光装置であって、(e)導光プリズムの接合面と対向プリズムの対向面とが、接合部を介し互いの距離の差分を所定の極小位置から遠ざかるにしたがって増大させる形状となっており、
導光プリズムは映像光を内面側で主導光方向への反射を行う全反射面を備え、前記全反射面は観察者に近い側に位置する全反射と外界側に位置する観察者に遠い側の全反射からなり、全反射面の間に接合面は配置され、
導光プリズムの接合面と対向プリズムの対向面とは、接合部を介在させた互いの距離の差分に関して、接合面に沿って、映像光の反射を行う全反射面と接合面との交線方向に対して垂直を成す方向となる接合面に沿った主導光方向となる横方向への増大率に比べて、全反射面と接合面との交線方向となる接合面の縦方向への増大率のほうが高くなる形状となっている


上記導光装置では、接合部において、導光プリズムの接合面に対する対向プリズムの対向面間の距離が、上記所定の極小位置から遠ざかるほど離れていく関係となっている。つまり、接着剤を充填させる接着領域の厚みが所定の極小位置から徐々に広がっていく形状となる。これにより、接合部の形成において、接着領域のうち例えば所定の極小位置に対応する位置に接合部となるべき接着剤を塗布し、塗布された接着剤を周囲に押し広げれば、接着剤が塗布された位置から外側へと徐々に一様に安定して広がるので、気泡の発生を抑制することができる。
本発明の具体的な側面では、導光プリズムにおいて、ミラー層が、映像光の部分的な反射及び外界光の部分的な透過を行うハーフミラー層である。この場合、気泡の発生を抑制することで、出来上がった接合部すなわち導光プリズムと対向プリズムとの間において、良好なシースルー性能を確保できる。
本発明の別の側面では、導光プリズムの接合面と対向プリズムの対向面とが、上記所定の極小位置を接着領域のうちミラー層と重畳する範囲内に設ける形状となっている。この場合、映像光と外界光とを重畳させるミラー層に対応する領域において気泡の発生を特に抑制できる。
本発明のさらに別の側面では、導光プリズムの接合面と対向プリズムの対向面とが、上記所定の極小位置を接合部の中央部に設ける形状となっている。この場合、接合部となるべき接着剤を必要な箇所全体に隈なく充填させることが容易になる。
本発明のさらに別の側面では、導光プリズムの接合面と対向プリズムの対向面とが、上記所定の極小位置を接着領域の端部に設ける形状となっている。この場合、接着剤の塗布位置を接着領域のうちミラー層と重畳する範囲から外した周辺側とすることができる。
本発明のさらに別の側面では、導光プリズムの接合面と対向プリズムの対向面とが、それぞれ曲面形状である。この場合、例えば導光プリズムの接合面を映像光の反射面としてパワーを有するものにできる。
本発明のさらに別の側面では、導光プリズムの接合面が、対向プリズムの対向面の曲率半径よりも小さい曲率半径の曲面形状である。この場合、曲面形状である接合面と対向面との間を、上記所定の極小位置から遠ざかるにしたがって単調に増大させる形状となるようにできる。なお、両面間の曲率半径の差を小さくすることによって接合部の厚みの差の偏りを抑えることができる。
本発明のさらに別の側面では、導光プリズムの接合面と対向プリズムの対向面とが、接合部を介在させた互いの距離の差分に関して、接合面に沿って、映像光の反射を行う全反射面と接合面との交線方向に対して垂直を成す方向への増大率に比べて、全反射面と接合面との交線方向への増大率のほうが高くなる形状となっている。この場合、導光プリズムと対向プリズムとの接合に際して、接合部を形成する接着剤を交線方向へより流動させやすくすることができるので、接合後において接着剤残りが目立たないようにすることができる。
本発明のさらに別の側面では、導光プリズムの接合面と対向プリズムの対向面とが、接合部を介在させた互いの距離の差分に関して、接合部を形成する接着領域のうち観察者に近い側の端部の厚みが遠い側の端部の厚みよりも大きくなる形状となっている。この場合、接合部となるべき部分のうち観察者にとって接合部の幅を大きくしても比較的目立ちにくい側を大きくとって、接合工程において、接合部となるべき接着剤を均一に押し広げるのに十分な領域を確保できる。
本発明のさらに別の側面では、導光プリズムと対向プリズムとが、樹脂材料でそれぞれ形成される。この場合、導光プリズム及び対向プリズムを射出成型等により所望の形状で成形できる。また、その反面、樹脂材料の表面粗さといった製造誤差を生じ、これが接合時に気泡を生じさせる可能性があるが、接合面と対向面との距離の差分を、所定の極小位置から遠ざかるにしたがって単調に増大させる形状とすることで、気泡の発生を抑制できる。
本発明のさらに別の側面では、接着剤の屈折率と、樹脂材料の屈折率との差が、±0.05以内である。この場合、導光プリズムや対向プリズムに対する接合部の屈折率差に起因する歪みを十分に抑制することができる。
本発明のさらに別の側面では、導光プリズムが、映像光を内部に導く導光面を3つ以上含み、導光プリズムを構成する複数の導光面のうち第1面と第3面とを通過させて外界を視認したときに、視度が略0になっており、第1面と第3面との間に配置される第2面上においてミラー層を形成し、第1面と第3面とは、観察側に対し凹面形状を成しており、導光プリズムが、映像光を第3面で全反射し、第1面で全反射し、第2面で反射した後、第1面を透過させて、観察側に到達させる。この場合、プリズムを薄型にして光学系全体を小型で軽量なものにできるため、重心を観察者に近づけて装着感を向上させることができる。なお、第2面は、対向プリズムと接合される接合面ともなっている。
本発明のさらに別の側面では、導光プリズムと対向プリズムとは、外界光に対する視度を略0にして、外界光と映像光とを重ねて観察者に提示する。この場合、第2面越しに観察する外界光のデフォーカスや歪みを低減できる。
本発明に係る虚像表示装置は、(a)上記のいずれかに記載の導光装置と、(b)映像光を生じさせる映像表示素子と、(c)映像表示素子からの映像光を導光装置に向けて射出する投射レンズと、を備える。この場合、上記いずれかの導光装置を用いることで、良好なシースルー性能を確保できる。
本発明に係る導光装置の製造方法は、(a1)映像光の反射を行うミラー層を支持する接合面を有する導光プリズムと、(a2)導光プリズムのうち接合面として対向して配置される対向面を有する対向プリズムと、を備え、(b)映像光を視認させる導光装置の製造方法であって、(c)導光プリズムの接合面と対向プリズムの対向面とが、互いの距離の差分を、所定の極小位置から遠ざかるにしたがって増大させる形状となっており、接合面と対向面との間のうち上記所定の極小位置に対応する塗布位置に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、(d)接着剤塗布工程において塗布された接着剤を塗布位置から押し広げて、接着領域に充填させる接着剤充填工程と、(e)接着剤充填工程において充填された接着剤を硬化させて、接着剤で接合部を形成する接合部形成工程と、を有する。
上記導光装置の製造方法では、接着剤塗布工程において上記所定の極小位置に対応する塗布位置に塗布された接着剤を、接着剤充填工程において塗布位置から外側へと徐々に広げて、接合部形成工程において、導光プリズムの接合面に対する対向プリズムの対向面の距離が、塗布位置から遠ざかるほど離れていく関係となるように両プリズムを接合することで、接着剤を一様に安定して広げられるので、作製工程において気泡が発生することを抑制できる。従って、出来上がった接合部すなわち導光プリズムと対向プリズムとの間において、良好なシースルー性能を確保できる。
第1実施形態の導光装置を含む虚像表示装置の外観を説明する斜視図である。 虚像表示装置の本体構造を説明する斜視図である。 (A)は、虚像表示装置を構成する第1表示装置の本体部分の平面視の断面図であり、(B)は、本体部分の正面図である。 (A)は、導光装置の構造を示す水平方向についての一断面図であり、(B)は、導光装置の構造を示す正面図である。 (A)は、導光装置の構造を示す垂直方向についての一断面図であり、(B)は、導光装置の構造を示す正面図である。 (A)は、導光プリズムと対向プリズムとに対して接着剤を塗布する様子を示す図であり、(B)は、導光プリズムと対向プリズムとで接着剤を挟む様子を示す図であり、(C)は、挟まれた接着剤を押し広げる様子を示す図である。 (A)〜(D)は、第1実施形態の導光装置の作製工程を示す図である。 (A)〜(D)は、図7(A)〜図7(D)に対する比較例の作製工程を示す図である。 (A)は、第2実施形態の導光装置及びこれを用いた虚像表示装置について説明するための平面視の断面図であり、(B)は、正面図である。 導光装置の他の一例の構造を示す断面図である。 (A)は、導光装置及びこれを用いた虚像表示装置のその他の一例について説明する断面図であり、(B)は、正面図である。 (A)は、導光装置及びこれを用いた虚像表示装置のその他の別の一例について説明する斜視図であり、(B)は、正面図である。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る第1実施形態の導光装置を含む虚像表示装置について詳細に説明する。
〔A.虚像表示装置の外観〕
図1に示す本実施形態の虚像表示装置100は、眼鏡のような外観を有するヘッドマウントディスプレイであり、この虚像表示装置100を装着した観察者に対して虚像による画像光を視認させることができるとともに、観察者に外界像をシースルーで視認又は観察させることができる。虚像表示装置100は、観察者の眼前を覆う透視部材101と、透視部材101を支持するフレーム102と、フレーム102の左右両端のカバー部から後方のつる部分(テンプル)にかけての部分に付加された第1及び第2内蔵装置部105a,105bとを備える。ここで、透視部材101は、観察者の眼前を覆う肉厚で湾曲した光学部材(透過アイカバー)であり、第1光学部分103aと第2光学部分103bとに分かれている。図面上で左側の第1光学部分103aと第1内蔵装置部105aとを組み合わせた第1表示装置100Aは、右眼用の虚像を形成する部分であり、単独でも虚像表示装置として機能する。また、図面上で右側の第2光学部分103bと第2内蔵装置部105bとを組み合わせた第2表示装置100Bは、左眼用の虚像を形成する部分であり、単独でも虚像表示装置として機能する。
〔B.表示装置の構造〕
図2、図3(A)、3(B)等に示すように、第1表示装置100Aは、投射透視装置70と、画像表示装置80とを備える。このうち、投射透視装置70は、導光部材を含む導光装置20と、結像用の投射レンズ30とを備える。これらのうち、導光装置20は、導光部材である導光プリズム10と、対向プリズム50とで構成される。言い換えると、導光プリズム10と対向プリズム50とは、接合部60で接合されることで導光装置20を構成している。また、導光プリズム10の上面10eとフレーム61の下面61eとが接するようにフレーム61の下側にしっかりと固定されている。投射レンズ30は、これを収納する鏡筒62を介して導光プリズム10の端部に固定されている。投射透視装置70のうち導光プリズム10及び対向プリズム50すなわち導光装置20は、図1における第1光学部分103aに相当し、投射透視装置70の投射レンズ30と、画像表示装置80とは、図1における第1内蔵装置部105aに相当する。なお、図1に示す第2表示装置100Bは、第1表示装置100Aと同様の構造を有し左右を反転させただけであるので、第2表示装置100Bの詳細な説明は省略する。
投射透視装置70のうち、導光装置20の一部である導光プリズム10は、下地の本体部分であるプリズム本体10sと、光反射膜RMとを有している。導光プリズム10は、平面視において顔面に沿うように湾曲した円弧状の部材であり、鼻に近い中央側の第1プリズム部分11と、鼻から離れた周辺側の第2プリズム部分12とに分けて考えることができる。第1プリズム部分11は、光射出側に配置され、光学的な機能を有する側面として、第1面S11と、第2面S12と、第3面S13とを有し、第2プリズム部分12は、光入射側に配置され、光学的な機能を有する側面として、第4面S14と、第5面S15と、第6面S16とを有する。このうち、第1面S11と第4面S14とが隣接し、第3面S13と第5面S15とが隣接し、第1面S11と第3面S13との間に第2面S12が配置され、第4面S14と第5面S15との間に第6面S16が配置されている。また、導光プリズム10は、第1〜第6面S11〜S16に隣接するとともに互いに対向する第1の側面10eと第2の側面10fとを有する。
導光プリズム10において、第1面S11は、Z軸に平行な射出側光軸AXOを中心軸とする自由曲面であり、第2面S12は、XZ面に平行な基準面SRに含まれZ軸に対して傾斜した光軸AX1を中心軸とする自由曲面であり、第3面S13は、射出側光軸AXOを中心軸とする自由曲面である。第4面S14は、XZ面に平行な基準面SRに含まれZ軸に対して傾斜した一対の光軸AX3,AX4の2等分線を中心軸とする自由曲面であり、第5面S15は、XZ面に平行な基準面SRに含まれZ軸に対して傾斜した一対の光軸AX4,AX5の2等分線を中心軸とする自由曲面であり、第6面S16は、XZ面に平行な基準面SRに含まれZ軸に対して傾斜した光軸AX4を中心軸とする自由曲面である。なお、以上の第1〜第6面S11〜S16は、水平(又は横)に延びXZ面に平行で光軸AX1〜AX5等が通る基準面SRを挟んで、鉛直(又は縦)のY軸方向に関して対称な形状を有している。
導光プリズム10のうちプリズム本体10sは、可視域で高い光透過性を示す樹脂材料で一体的に形成されており、例えば型内に熱可塑性樹脂を注入・固化させることにより成形する。なお、プリズム本体10sの材料としては、例えばシクロオレフィンポリマー等を用いることができる。
導光プリズム10は、既述のように、第1プリズム部分11と第2プリズム部分12とに分けて考えることができるが、このうち、第1プリズム部分11は、映像光GLの導波及び射出を可能にするとともに、外界光HLの透視を可能にする。第2プリズム部分12は、映像光GLの入射及び導波を可能にする。
第1プリズム部分11において、第1面S11は、映像光GLを第1プリズム部分11外に射出させる屈折面として機能するとともに、映像光GLを内面側で全反射させる全反射面として機能する。第1面S11は、眼EYの正面に配されるものであり、観察者に対し凹面形状を成している。
第2面S12は、プリズム本体10sの光学的側面であり、当該光学的側面にハーフミラー層15が付随している。このハーフミラー層15は、光透過性を有する反射膜(すなわちハーフミラー膜あるいは半透過反射膜)である。ハーフミラー層15は、第2面S12の全体ではなく、その部分領域PA上に形成されている。つまり、ハーフミラー層15は、第2面S12が広がる全体領域QAを主に鉛直方向に関して狭めた部分領域PA上に形成されている。より詳細には、この部分領域PAは、鉛直のY軸方向に関する中央側に配置されており、水平の基準面SRに沿った方向に関して略全体に配置されている。ハーフミラー層15は、プリズム本体10sの下地面(光学的側面)のうち部分領域PA上に、金属反射膜や誘電体多層膜を成膜することにより形成される。ハーフミラー層15の映像光GLに対する反射率は、シースルーによる外界光HLの観察を容易にする観点で、想定される映像光GLの入射角範囲において10%以上50%以下とする。具体的な実施例のハーフミラー層15の映像光GLに対する反射率は、例えば20%に設定され、映像光GLに対する透過率は、例えば80%に設定される。
また、第2面S12は、詳しくは後述するように、接合部60を介在して対向プリズム50と接合される接合面JSでもある。第2面S12を接合面JSとして見た場合、第2面S12の全体領域QAは、対向プリズム50との接着領域JDに相当する。つまり、接着領域JDである全体領域QAに接合部60となるべき接着剤が充填されることで、導光プリズム10と対向プリズム50とが接合され、導光装置20が形成される。
第3面S13は、映像光GLを内面側で全反射させる全反射面として機能する。第3面S13は、眼EYの正面に配されるものであり、第1面S11と同様に観察者に対し凹面形状を成しており、第1面S11と第3面S13とを通過させて外界光HLを見たときに、視度が略0になっている。
第2プリズム部分12において、第4面S14は、映像光GLを内面側で全反射させる全反射面として機能する。
第2プリズム部分12において、第5面S15は、プリズム本体10sの表面に無機材料で形成される光反射膜RMを付随させることで形成され、反射面として機能する。
第6面S16は、映像光GLを第2プリズム部分12内に入射させる屈折面として機能する。
対向プリズム50は、導光プリズム10と一体的に固定され1つの導光装置20となっている。対向プリズム50は、導光プリズム10の透視機能を補助する光透過部材(補助プリズム)であり、光学的な機能を有する側面として、第1透過面S51と、第2透過面S52と、第3透過面S53とを有する。ここで、第1透過面S51と第3透過面S53との間に第2透過面S52が配置されている。第1透過面S51は、導光プリズム10の第1面S11を延長した曲面上にある。第2透過面S52は、当該第2面S12に対して接着層である接合部60によって接合され一体化されている曲面である。つまり、第2透過面S52は、接合部60を介在して接合面JSである第2面S12に対向して配置され、導光プリズム10と接合される対向面PSでもある。第3透過面S53は、導光プリズム10の第3面S13を延長した曲面上にある。このうち第2透過面S52と導光プリズム10の第2面S12とは、接合によって一体化するため、略同じ曲率であるが、第2面S12の曲率よりも第2透過面S52の曲率は若干緩い曲率の形状を有する(図4(A)参照)。つまり、接着領域JDのうち中心側から遠ざかるほど面S12と面S52とが互いに離れていくような形状となっている。これにより、両面S12,S52の接合時に接合部60となるべき接着剤の充填を均一化させ、気泡の発生を抑制し、シースルーを良好な状態に保つことを可能にしている。
光透透過部材(補助プリズム)50は、可視域で高い光透過性を示し、対向プリズム50の本体部分は、導光プリズム10のプリズム本体10sと略同一の屈折率を有する熱可塑性樹脂材料で形成されている。
接合部60は、導光プリズム10と対向プリズム50との間における接着領域JDに充填された接着剤が硬化することで形成され、導光プリズム10と対向プリズム50とを接合させ、一体化された導光装置20を形成させている部材である。なお、接合部60は、略同一の屈折率を有する材料で形成されている。
投射レンズ30は、鏡筒62内に保持され、画像表示装置80は、鏡筒62の一端に固定されている。導光プリズム10の第2プリズム部分12は、投射レンズ30を保持する鏡筒62に連結され、投射レンズ30及び画像表示装置80を間接的に支持している。導光プリズム10の光入射側は、投射レンズ30等とともに、カバー部材63に覆われ遮光されている。導光プリズム10上端部又は下端部もカバー部材63に覆われている。導光プリズム10の周辺には、導光プリズム10に外光が入射することを防止する追加の遮光部を設けることができる。遮光部は、例えば遮光性の塗装や光散乱層で構成することができる。
投射レンズ30は、入射側光軸AXIに沿って例えば3つのレンズ31,32,33を有している。各レンズ31,32,33は、軸対称なレンズであり、少なくとも1つ以上が非球面を有するものとなっている。投射レンズ30は、画像表示装置80から射出された映像光GLを再結像させるために導光プリズム10の第6面S16を介して導光プリズム10内に入射させる。つまり、投射レンズ30は、映像表示素子82の像面OI上の各点から射出された映像光又は画像光を導光プリズム10内に再結像させるためのリレー光学系である。なお、導光プリズム10の各面は、投射レンズ30と協働することでリレー光学系の一部として機能する。
画像表示装置80は、2次元的な照明光SLを射出する照明装置81と、透過型の空間光変調装置である映像表示素子82と、照明装置81及び映像表示素子82の動作を制御する駆動制御部84とを有する。
画像表示装置80の照明装置81は、赤、緑、青の3色を含む光を発生する光源81aと、光源81aからの光を拡散させて矩形断面の光束にするバックライト導光部81bとを有する。映像表示素子82は、例えば液晶表示デバイスで形成され、照明装置81からの照明光SLを空間的に変調して動画像等の表示対象となるべき画像光を形成する。駆動制御部84は、光源駆動回路84aと、液晶駆動回路84bとを備える。光源駆動回路84aは、照明装置81の光源81aに電力を供給して安定した輝度の照明光SLを射出させる。液晶駆動回路84bは、映像表示素子82に対して画像信号又は駆動信号を出力することにより、透過率パターンとして動画や静止画の元になるカラーの画像光を形成する。なお、液晶駆動回路84bに画像処理機能を持たせることができるが、外付けの制御回路に画像処理機能を持たせることもできる。
なお、以上において、導光プリズム10の接合面JSである第2面S12は、既述のように自由曲面である。この自由曲面の働きを特徴付けるのが、曲面の曲率であり、ここでは一例として、第2面S12の原点近傍において定めた有効領域でフィッティングした場合の曲率をもって接合面JSの曲率とする。この曲率は、曲面の原点を基準としてローカル座標で表現した面形状の表現式を直交座標に関して多項式展開したものとしたときの多項式の項の係数で定まる。同様に、第2透過面S52の原点近傍の曲率をもって対向面PSの曲率とする。例えば第2面S12の原点OXは、第2面S12の面上にあり、ローカル座標のz方向は、射出側光軸AXOと、第2面S12から第1面S11に向けての光束中心の光軸AX1との中間方向になっている。また、詳しくは後述するが、図示の例では、原点OXは、接合面JSである第2面S12と対向面PSである第2透過面S52との間を最小にする位置、言い換えると接合部60の厚みを最小にする位置である極小位置MNにあるものとする。言い換えると、極小位置MNのうち第2面S12上の点として原点OXと一致しているものが存在している。
〔C.映像光等の光路〕
以下、図3(A)等を虚像表示装置100における映像光GL等の光路について説明する。
映像表示素子82から射出された映像光GLは、投射レンズ30によって収束されつつ、導光プリズム10に設けた比較的強い正の屈折力を有する第6面S16に入射する。
導光プリズム10の第6面S16を通過した映像光GLは、収束しつつ進み、第2プリズム部分12を通過する際に、比較的弱い正の屈折力を有する第5面S15で反射され、比較的弱い負の屈折力を有する第4面S14で反射される。
第2プリズム部分12の第4面S14で反射された映像光GLは、第1プリズム部分11において、比較的弱い正の屈折力を有する第3面S13に入射して全反射され、比較的弱い負の屈折力を有する第1面S11に入射して全反射される。なお、映像光GLは、第3面S13を通過する前後において、導光プリズム10中に中間像を形成する。この中間像の像面IIは、映像表示素子82の像面OIに対応するものであるが、第3面S13で折り返されたものとなっている。
第1面S11で全反射された映像光GLは、第2面S12に入射するが、特にハーフミラー層15に入射した映像光GLは、このハーフミラー層15を部分的に透過しつつも部分的に反射されて第1面S11に再度入射して通過する。なお、ハーフミラー層15は、ここで反射される映像光GLに対して比較的強い正の屈折力を有するものとして作用する。また、第1面S11は、これを通過する映像光GLに対して負の屈折力を有するものとして作用する。
第1面S11を通過した映像光GLは、観察者の眼EYの瞳に略平行光束として入射する。つまり、観察者は、虚像としての映像光GLにより、映像表示素子82上に形成された画像を観察することになる。
一方、外界光HLのうち、導光プリズム10の第2面S12よりも−X側に入射するものは、第1プリズム部分11の第3面S13と第1面S11とを通過するが、この際、正負の屈折力が相殺されるとともに収差が補正される。つまり、観察者は、導光プリズム10越しに歪みの少ない外界像を観察することになる。同様に、外界光HLのうち、導光プリズム10の第2面S12よりも+X側に入射するもの、つまり、対向プリズム50に入射したものは、これに設けた第3透過面S53と第1透過面S51とを通過する際に、正負の屈折力が相殺されるとともに収差が補正される。つまり、観察者は、対向プリズム50越しに歪みの少ない外界像を観察することになる。さらに、外界光HLのうち、導光プリズム10の第2面S12に対応する対向プリズム50に入射するものは、第3透過面S53と第1面S11とを通過する際に、正負の屈折力が相殺されるとともに収差が補正される。つまり、観察者は、導光プリズム10及び対向プリズム50越しに歪みの少ない外界像を観察することになる。なお、導光プリズム10の第2面S12と対向プリズム50の第2透過面S52とは、略同一の曲面形状をともに有し、略同一の屈折率をともに有し、両者の隙間が略同一の屈折率の接合部60で充填されている。つまり、導光プリズム10の第2面S12や対向プリズム50の第2透過面S52は、外界光HLに対して屈折面として作用しない。
ただし、ハーフミラー層15に入射した外界光HLは、このハーフミラー層15を部分的に透過しつつも部分的に反射されるので、ハーフミラー層15に対応する方向からの外界光HLは、ハーフミラー層15の透過率に対応して弱められる。その一方で、ハーフミラー層15に対応する方向からは、映像光GLが入射するので、観察者は、ハーフミラー層15の方向に映像表示素子82上に形成された画像とともに外界像を観察することになる。ハーフミラー層15の周辺の構造について詳しくは後述するが、ハーフミラー層15を挟持する導光プリズム10の第2面S12と対向プリズム50の第2透過面S52との間は、透明な接合部60によって気泡を除くように充填された状態となっているので、ハーフミラー層15の周辺においてもシースルーの状態が良好に保たれている。
なお、導光プリズム10内で伝搬されて第2面S12に入射した映像光GLのうち、ハーフミラー層15で反射されなかったものは、対向プリズム50内に入射するが、対向プリズム50に設けた不図示の反射防止部によって導光プリズム10に戻ることが防止される。つまり、第2面S12を通過した映像光GLが光路上に戻されて迷光となることが防止される。また、対向プリズム50側から入射してハーフミラー層15で反射された外界光HLは、対向プリズム50に戻されるが、対向プリズム50に設けた上述の不図示の反射防止部によって導光プリズム10に射出されることが防止される。つまり、ハーフミラー層15で反射された外界光HLが光路上に戻されて迷光となることが防止される。
〔D.導光装置の接合部分の構造〕
以下、図4(A)等を参照して、導光装置20のうち、特に接合部60による導光プリズム10と対向プリズム50との接合部分の構造について詳細に説明する。
導光装置20において、導光プリズム10の接合面JSである第2面S12は、対向プリズム50の対向面PSである第2透過面S52よりも曲率が大きいすなわち曲率半径が小さいものとなっている。これにより、図示のように、第2面S12と第2透過面S52とは、第1面S11や第3面S13や側面10e,10fに近い周辺側に近づくほど互いに遠ざかる(すなわち互いの距離が大きくなっていく)形状となっている。より具体的には、一部拡大して図示するように、接合部60を介在させた状態での第2面S12と第2透過面S52との互いの距離の大きさである距離の差分を差分dとすると、この差分dが周辺側に向かって徐々に増大していくものとなっている。なお、この差分dは、接合部60の各位置での厚さに相当する。ここでは、特に、第2面S12の曲面形状の基準となる原点OXが、差分dを最小にする極小位置MNのうち第2面S12上の点に一致するものとしている。つまり、原点OXから遠ざかるにしたがって差分dが単調に増大する形状となっている。なお、導光プリズム10と対向プリズム50との接合に際して、接合部60となるべき接着剤の塗布位置FP(初期塗布位置FP)が原点OXに対応する位置となる。また、塗布位置FP(初期塗布位置FP)である原点OXは、接着領域JDである全体領域QAのうちハーフミラー層15と重畳する部分領域PAの範囲内であり、より詳細には、全体領域QA或いは部分領域PAの中央部である。
ここで、接合面JSである第2面S12と対向面PSである第2透過面S52との相対的な位置関係を以上のようにするために、各面S12,S52の形状の調整が必要となる。ただし、これらの面S12,S52のうち、第2面S12は、映像光GLの反射方向を適切な状態に確保する観点から、面形状に比較的制限が掛かる。これに対して、第2透過面S52は、外界光の透過において視度を略0の状態に保つべく第2面S12との間に気泡等を生じさせない状態が保たれればよい。さらに、本実施形態では、第2面S12との間に介在させる接合部60を略同一屈折率の接着剤によって形成させているため、第2面S12との接合において当該接着剤を所望の状態に充填させるための隙間を形成させる形状を有するものであれば、光学的な面形状の精度は問われない。従って、映像光GLの反射面として機能する曲率を有する第2面S12に対して、第2透過面S52の曲率を第2面S12の曲率よりもやや大きくする調整を行うことで、接合部60となるべき接着剤の流れを所望の状態に制御できるような接着領域JDに形成させることが可能となる。
以下、図4(A)及び図4(B)や図5(A)及び図5(B)により、接合部60の形状を定める接合部60の形成領域、言い換えると接合部60となるべき接着剤の接着領域JD等に関してより詳細に説明する。なお、図4(A)は、導光装置20の構造を示す一断面図であり、図4(B)に示す正面図のうち、XZ面に平行な基準面SRについてすなわち水平方向についての断面図である。また、図5(A)は、導光装置20の構造を示す別の方向からの断面図であり、図5(B)に示す正面図のうち、YZ面に平行で原点OXを含む面SQについてすなわち垂直方向についての断面図である。
まず、図4(A)及び図4(B)に示すように、接合部60は、第2面S12が広がる全体領域QAに形成される。つまり、第2面S12上における接合部60が形成される接着領域JD(接着範囲)は、全体領域QAに等しい。全体領域QAは、第2面S12の曲面に沿った横方向(水平方向)についての幅Lxと、Y方向である縦方向(垂直方向)についての幅Lyとで画定される。言い換えると、幅Lyは、接着領域JDのうち、映像光の反射を行う全反射面である第3面S13と接合面JSである第2面S12との交線方向(垂直方向)についての幅であり、幅Lxは、これに対して垂直を成す方向(水平方向)についての幅である。なお、図示の場合、幅Lyのほうが幅Lxよりも大きいものとなっている。つまり、全体領域QAにおいて、幅Lyについての方向である縦方向が長手方向であり、幅Lxについての方向である横方向が短手方向である。この場合、第2面S12上での接着領域JD(接着範囲)である全体領域QAに、接合部60となるべき接着剤を充填させるにあたっては、接合後において接着剤残りが目立たないようにするため、観察者の視線が向くことの少ない上下方向である幅Lyについての方向に接着剤が拡がりやすくなっていることが望ましい。このため、本実施形態では、接合面JSである第2面S12と対向面PSである第2透過面S52とについて、差分dに関して、幅Lxについての方向への増大率よりも幅Lyについての方向への増大率が高くなるような形状にしている。具体的には、図4(A)に示すように幅Lxが延びる方向についての差分dを差分dxとし、図5(A)及び図5(B)に示すように幅Lyが延びる方向についての差分dを差分dyとした場合において、さらにそれぞれの方向についての差分の増大率を、Δdx/ΔLx、Δdy/ΔLyとした場合に、
Δdy/ΔLy>Δdx/ΔLx
となっているような形状とすることで、接着剤のはみだし量を水平方向よりも垂直方向について多くでき、接合後において接着剤残りが目立たないものとなる。なお、図示の場合、交線方向に対して垂直を成す方向(水平方向)が短手方向となり、交線方向(垂直方向)が長手方向となっており、短手方向への増大率よりも長手方向への増大率が大きくなるような形状となっている。このため、接着剤を押し広げて接着領域JDに充填させる工程において、長手方向へより接着剤を多く押し広げて接着剤を接着領域JDに隈なく充填させることができる。
なお、図示の場合、接合部60のうち観察者の眼EYに近い側の端部T1の幅H1が遠い側の端部T2の幅H2よりも大きくなっている。つまり、接合部60の厚さである差分dに関して、端部T1側の厚みが端部T2側の厚みよりも大きくなっている。眼EYに近い側は、観察者にとってぼけやすく、相対的に接合部60の幅を大きくしても比較的目立ちにくいためである。この場合、端部T1側を大きくすることで、接合工程において、接合部60となるべき接着剤を均一に押し広げるのに十分な領域を確保できる。
ここで、既述のように、シースルーを良好に保つために、導光プリズム10と対向プリズム50との接合時において気泡の発生を抑制することが非常に重要となるが、基材が樹脂材料であると、表面形状に製造誤差による表面粗さ等に起因して接着剤の充填のされ方に斑が生じ、気泡が発生しやすくなる。これに対して、本実施形態では、導光プリズム10と対向プリズム50とが上述した形状を有していることにより、接着剤CCの充填の工程において気泡が生じることを抑制している。
〔E.導光装置の作製工程〕
以下、図6(A)〜図6(C)等を参照して、導光装置20の作製工程のうち、接合部60となるべき接着剤CCの充填の工程を中心として各工程について説明する。なお、図6(A)〜図6(C)等の例では、接着剤CCの接着面となる第2面S12と第2透過面S52とのうち第2面S12を初期の塗布面としている、つまり、第2面S12側が重力下側となるようにしている。図中においてもこれに合わせて紙面下側に第2面S12を含む導光プリズム10があり、紙面上側に第2透過面S52を含む対向プリズム50があるように描いている。
まず、図6(A)に示すように、第2面S12上において原点OXを中心に含んだ近傍範囲を塗布位置FP(初期塗布位置FP)として、接着剤CCを塗布する(接着剤塗布工程)。つまり、接着剤CCを塗布する塗布位置FP(初期塗布位置FP)は、完成した状態において接合部60のうち導光プリズム10と対向プリズム50との距離の差分dを最小にする極小位置MNに対応する位置となっている。次に、図6(B)に示すように、塗布位置FP(初期塗布位置FP)を中心としてすなわち原点OXの位置を中心として、第2面S12と対向プリズム50の第2透過面S52とで接着剤CCを挟持した状態にして両面S12,S52から矢印AAに示す方向押し付けることで、接着剤CCを押し広げていき、図6(C)に示すように、接着領域JDである第2面S12の全体領域QAについて、第2面S12上に成膜されているハーフミラー層15によって生じる段差部分を含めて隈なく埋め尽くすように充填させる(接着剤充填工程)。なお、以上において、接着剤塗布工程での接着剤CCの塗布量は、接合部60となるべき部分が占める体積を見越して予め定量となっており、例えば、製造誤差を考慮して若干多めに塗布することで、不足が生じることがないようにし、端部からはみ出した余剰分の接着剤CCについては適宜除去する。余剰分の接着剤CCが除去された状態で接着剤CCを硬化させることで、接着剤CCによって接合部60が形成され(接合部形成工程)、導光装置20作製される。なお、以上において、第2面S12を初期の塗布面としているため、塗布位置FP(初期塗布位置FP)が第2面S12上にあるものとしているが、塗布位置FP(初期塗布位置FP)は、極小位置MNに対応する位置であればよく、例えば第2透過面S52を初期の塗布面とし、塗布位置FP(初期塗布位置FP)が第2透過面S52上にあるものとしてもよい。
以下、図7(A)〜7(D)を参照して、導光装置20の作製工程における接着剤CCの広がり方について説明する。なお、図示のように、接着剤CCの占める範囲を領域QQとする。図7(A)に示すように、原点OXを中心に含んだ塗布位置FP(初期塗布位置FP)の範囲内に塗布された接着剤CCは、図7(B)に示すように、接合面JSである導光プリズム10の第2面S12と、対向面PSである対向プリズム50の第2透過面S52とに挟持される。次に、図7(C)に示すように、導光プリズム10と対向プリズム50とを押し付けあうことで、接着剤CCが押し広げられるが、この際、既述のように、第2面S12と第2透過面S52とは、両面間の差分を極小位置MNである原点OXから外側へと単調に増大させる形状を有しているので、接着剤CCの広がり方を示す領域QQは、原点OXから外側へ徐々に均一的かつ一様に安定して広がる形状となる。さらに、このため、領域QQの形状は、長手方向であるY方向について長い長円形状となっている。これにより、図7(D)に示すように、接着剤CCの領域QQは、隈なく全体領域QAの全体に広がるようになっている。
これに対して、図8(A)〜8(D)に示す比較例のように、極小位置MNである原点OXから遠ざかるにしたがって単調に増大させる形状となっていない場合には、図8(A)に示すように中央部に接着剤CCを塗布しても、一様な広がり方をせず、例えば図8(B)に示すように広がり方にばらつきがあり、図8(C)に示す気泡の元となる領域BBaのように接着剤CCの広がりが遅い部分に取り残された空気が、最終的に図8(D)に示すように、接着剤CCに取り囲まれ逃げ場を失って気泡BBとなってしまう。
以上のように、本実施形態の虚像表示装置100に適用する導光装置20では、導光プリズム10の接合面JSである第2面S12と対向プリズム50の対向面PSである第2透過面S52とが、接合部60を介在させた互いの距離の差分dを、極小位置MNである原点OXから遠ざかるにしたがって単調に増大させる形状となっている。これにより、接合部60の形成において、接着領域JDのうち極小位置MNに対応する塗布位置FP(初期塗布位置FP)に接合部60となるべき接着剤CCを塗布し、塗布された接着剤CCを押し広げながら接合部60となるべき部分を形成すれば、接着剤CCが極小位置MNに対応する塗布位置FP(初期塗布位置FP)から外側へと徐々に均一的に安定して広がるので、気泡の発生を抑制することができる。従って、出来上がった接合部60すなわち導光プリズム10と対向プリズム50との間において、良好なシースルー性能を確保できる。
なお、以上では、導光プリズム10や対向プリズム50をハードコート層で被覆したものとしてもよく、さらに、例えば導光プリズム10のうち光入射面である第6面S16について、ハードコート層の上からさらに反射防止膜で被覆することもできる。
また、導光プリズム10の第1面S11と第3面S13との間隔は5mm以上15mm以下となっている。また、第1面S11に対する第2面S12の傾斜角が20°以上40°以下となっている。
また、導光プリズム10の第4面S14又は第5面S15ついては、光路の調整や収差のより精密な補正のために設けられたものであり、投射透視装置70の仕様等を考慮して省略することができる。
また、上記では、第2面S12においてハーフミラー層15を有する構成としているが、このハーフミラー層15に代えて、ホログラムを成膜することによって画像形成をするものとしてもよい。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る導光装置及びこれを用いた虚像表示装置について説明する。なお、本実施形態に係る導光装置及びこれを用いた虚像表示装置は、第1実施形態等に係る導光装置20及びこれを用いた虚像表示装置100の変形例であり、画像を形成するための光学系の構造が異なるが、接合部60の構造については、第1実施形態等に示す導光装置20及びこれを用いた虚像表示装置100の場合と同様であるため、画像を形成するための光学系についてのみ説明し他の説明を省略する。
図9(A)及び9(B)は、本実施形態に係る虚像表示装置の平面図である。図示のように、本実施形態に係る虚像表示装置100の第1表示装置100Aは、投射透視装置70と、画像表示装置80とを備える。このうち、投射透視装置70は、導光部材である導光プリズム10と、対向プリズム50と、投射レンズ30とを備え、導光プリズム10と対向プリズム50とは、導光装置20を構成する。なお、本実施形態に係る虚像表示装置100では、投射透視装置70において映像光GLが導光プリズム10中に中間像を形成させず、投射レンズ30において平行光束が射出され、これを導光装置20において維持して射出する光学系となっている点において、上記他の実施形態とは異なっている。
導光装置20は、導光プリズム10と対向プリズム50とを接合したものであり、全体としてXY面に平行に延びる平板状の光学部材を構成している。
導光装置20のうち、導光プリズム10は、平面視において台形の部材であり、第1面SS11、第4面SS14及び第6面SS16を共通化させた共通面21aと、第2面SS12と、第3面SS13と、第5面SS15とを有する。第5面SS15を通る光軸AXIと第2面SS12を通る光軸AXOとは平行である。導光プリズム10の各面が平面でパワーを有しないことで、投射レンズ30から射出された平行光束の状態が維持される。
導光プリズム10は、対向して延びる共通面21aと第3面SS13とによる全反射を利用して導光を行う。
導光プリズム10は、プリズム本体10sを一体形成品とするが、機能的に、光入射部B1と導光部B2と光射出部B3とに分けて考えることができる。
光入射部B1は、三角プリズム状の部分であり、共通面21aの一部であり光入射面である第6面SS16と、第6面SS16に対向する第5面SS15とを有する。第5面SS15は、投射レンズ30の光軸AXI又はXY面に対して例えば鋭角α=25°〜27°で傾斜しており、第6面SS16から入射し全体として+Z方向に向かう映像光GLを、全体として−Z方向寄りの−X方向に向かわせるように折り曲げることで、映像光GLを導光部B2内に確実に結合させる。
導光部B2は、互いに対向しXY面に平行に延びる2平面として、光入射部B1で折り曲げられた映像光GLをそれぞれ全反射させる共通面21aと第3面SS13とを有している。
光入射部B1の第5面SS15で反射された映像光GLは、まず、共通面21aの一部である第4面SS14に入射し、全反射される。次に、当該映像光GLは、第3面SS13に入射し、全反射される。以下この動作が繰り返されることで、映像光GLは、全体として導光装置20の奥側の主導光方向すなわち光射出部B3を設けた+X側に導かれる。
光射出部B3は、三角プリズム状の部分であり、共通面21aの一部であり光射出面としても機能する第1面SS11と、第1面SS11に対向する第2面SS12とを有する。第1面SS11は、映像光GLを観察者の眼EYに向けて射出するための裏側の平面であり、第6面SS16と同様に共通面21aの一部となっており、光軸AXOに垂直に延びている。第2面SS12は、矩形の平坦面であり、ハーフミラー層15を有する。
第2面SS12は、共通面21aに垂直な光軸AXO又はXY面に対して例えば鋭角α=25°〜27°で傾斜している。
対向プリズム50は、光学的な機能を有する側面として、第1透過面SS51と、第2透過面SS52と、第3透過面SS53とを有する。対向面PSである第2透過面SS52は、第1透過面SS51と第3透過面SS53との間に配置されている。
対向プリズム50と導光プリズム10とは、両者の接合部分及びその近傍において、透視部B4を構成している。
本実施形態の場合も、接合部60を介在させた互いの距離の差分dを、極小位置である原点OXから遠ざかるにしたがって単調に増大させる形状とすることにより、気泡の発生を抑制し、良好なシースルー性能を確保できる。なお、本実施形態の場合、一部拡大して示すように、接合面JSである第2面SS12を平坦面とする構造であるため、例えば、対向プリズム50の第2透過面S52の形状を第2面SS12に対して若干湾曲した形状とすることで、差分dの変化を所望の状態とすることができる。
〔その他〕
以上各実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上記の説明では、差分dを最小にする極小位置MNが第2面S12上において原点OXに一致している点を有するものとしているが、図10に示すように、第2面S12上のうち原点OXから外れた位置に極小位置MNがあるものとすることも可能である。
また、図11(A)及び11(B)に示すように、導光プリズム10の接合面JSである第2面S12と対向プリズム50の対向面PSである第2透過面S52とにおいて、極小位置MNが接着領域JDの端部TPに設けられているものとすることも可能である。なお、図示の場合、極小位置MNは、ハーフミラー層15が形成される部分領域PAの範囲外にあることになる。
また、上記の実施形態では、導光装置20が装着者の眼EYの前全体を覆うような構成となっているが、これに限らず、例えば図12(A)及び12(B)に示すように、ハーフミラー層15を有する曲面形状である第2面S12を含んだ導光装置20が眼EYの一部のみを覆っている、すなわち眼前の一部を覆い、覆わない部分も存在する小型の構成としてもよい。また、この場合、導光装置20を十分小さくすることで、導光装置20をシースルーとせず、ハーフミラー層15に代えて全反射をするミラーを配置させた構成としても、装着者が導光装置20の周囲から外界を観察できる。なお、図示の場合、第2面S12の全体又は略全体にハーフミラー層15が形成されているが、第2面S12の一部にのみハーフミラー層15が形成されていてもよい。また、図12(B)の例では、眼EYの略正面に導光装置20のハーフミラー層15が配置されるものとなっているが、導光装置20のハーフミラー層15を正面よりずらして配置し、視線を動かすことで映像を視認可能にするものとしてもよい。例えば、眼EYの位置をやや下げる(導光装置20の位置をやや上げる)ものとしてもよい。この場合、例えば眼EYの下半分が導光装置20の下から見える状態となる。
また、この他にも、例えば第1実施形態等に示す導光装置20の前面にシェードを施すことにより、外界光の透過率を調整してシースルーの状態を変更でき、例えば完全に外界光を遮断することも可能である。
上記の説明では、ハーフミラー層(半透過反射膜)15が横長の矩形領域に形成されるとしたが、ハーフミラー層15の輪郭は用途その他の使用に応じて適宜変更することができる。また、ハーフミラー層15の透過率や反射率も用途その他に応じて変更することができる。
上記の説明では、対向プリズム50の本体部分と、導光プリズム10のプリズム本体10sとが略同一の屈折率を有する熱可塑性樹脂材料で形成され、接合部60も、これらと略同一の屈折率を有する材料で形成されるものとしているが、具体的な一例としては、接合部60となるべき接着剤CCの屈折率と、対向プリズム50の本体部分や導光プリズム10のプリズム本体10sを形成する樹脂材料の屈折率との差が、±0.05以内であるものとする。これにより、導光プリズム10や対向プリズム50に対する接合部60の屈折率差に起因する歪みを十分に抑制することができる。
上記の説明では、映像表示素子82における表示輝度の分布を特に調整していないが、位置によって輝度差が生じる場合等においては、表示輝度の分布を不均等に調整することができる。
上記の説明では、画像表示装置80として、透過型の液晶表示デバイス等からなる映像表示素子82を用いているが、画像表示装置80としては、透過型の液晶表示デバイス等からなる映像表示素子82に限らず種々のものを利用可能である。例えば、反射型の液晶表示デバイスを用いた構成も可能であり、液晶表示デバイス等からなる映像表示素子82に代えてデジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。また、画像表示装置80として、LEDアレイやOLED(有機EL)などに代表される自発光型素子を用いることもできる。
上記の説明では、一対の表示装置100A,100Bを備える虚像表示装置100について説明しているが、単一の表示装置とできる。つまり、右眼及び左眼の双方に対応して、一組ずつ投射透視装置70及び画像表示装置80を設けるのではなく、右眼又は左眼のいずれか一方に対してのみ投射透視装置70及び画像表示装置80を設け、画像を片眼視する構成にしてもよい。
上記の説明では、一対の表示装置100A,100BのX方向の間隔について説明していないが、両表示装置100A,100Bの間隔は固定に限らず、機械機構等によって間隔の調整が可能である。つまり、両表示装置100A,100BのX方向の間隔は、着用者の眼幅等に応じて調整することができる。
上記の説明では、ハーフミラー層15が単なる半透過性の膜(例えば金属反射膜や誘電体多層膜)であるとしたが、ハーフミラー層15は、平面又は曲面のホログラム素子に置き換えることができる。
上記の説明では、虚像表示装置100がヘッドマウントディスプレイであるすなわち導光装置20をヘッドマウントディスプレイに適用可能として具体的な説明を行ったが、光装置20は、ヘッドアップディスプレイに適用することもできる。さらに、導光装置20をファインダー光学系に応用することもできる。
上記の説明では、例えば第1実施形態において導光プリズム10の第1面S11及び第3面S13において、表面上にミラーやハーフミラー等を施すことなく空気との界面により映像光を全反射させて導くものとしているが、本願発明の虚像表示装置100における全反射については、第1面S11又は第3面S13上の全体又は一部にミラーコートや、ハーフミラー膜であるハーフミラー層が形成されてなされる反射も含むものとする。例えば、映像光の入射角度が全反射条件を満たした上で、上記第1面S11又は第3面S13の全体又は一部にミラーコート等が施され、実質的に全ての映像光を反射する場合も含まれる。また、十分な明るさの映像光を得られるのであれば、多少透過性のあるミラーによって第1面S11又は第3面S13の全体又は一部がコートされていてもよい。
上記の説明では、導光プリズム10等が眼EYの並ぶ横方向に延びているが、導光プリズム10を縦方向に延びるように配置することもできる。
AX1−AX5…光軸、 AXI…入射側光軸、 AXO…射出側光軸、 EY…眼、 GL…映像光、 HL…外界光、 II…中間像の像面、 PA…部分領域、 QA…全体領域、 JD…接着領域、 S11…第1面、 S12…第2面、 JS…接合面、 S13−S16…第3面−第6面、 S51…第1透過面、 S52…第2透過面、 PS…対向面、 S53…第3透過面、 SL…照明光、 SR…基準面、 10…プリズム、 10s…プリズム本体、 11,12…プリズム部分、 15…ハーフミラー層(ミラー層)、 20…導光装置、 30…投射レンズ、 31,32,33…レンズ、 50…対向プリズム、 60…接合部、 70…投射透視装置、 80…画像表示装置、 81…照明装置、 82…映像表示素子、 84…駆動制御部、 100…虚像表示装置、 100A,100B…表示装置、 103a,103b…光学部分、 101…透視部材、 102…フレーム、 CC…接着剤、 MN…極小位置、 OX…原点、 FP…塗布位置(初期塗布位置)

Claims (14)

  1. 内部を伝搬させた映像光の反射を行うミラー層を支持する接合面を有する導光プリズムと、
    前記導光プリズムのうち前記接合面に対向して配置される対向面を有し、前記ミラー層を前記接合面と前記対向面との間に配置し接合する対向プリズムと、
    前記導光プリズムの前記接合面と前記対向プリズムの前記対向面との接着領域に接着剤で形成され、前記導光プリズムと前記対向プリズムとを接合する接合部と、を備え、
    映像光を視認させる導光装置であって、
    前記導光プリズムの前記接合面と前記対向プリズムの前記対向面とは、前記接合部を介し互いの距離の差分を所定の極小位置から遠ざかるにしたがって増大させる形状となっており、
    前記導光プリズムは前記映像光を内面側で主導光方向への反射を行う全反射面を備え、前記全反射面は観察者に近い側に位置する全反射と外界側に位置する観察者に遠い側の全反射からなり、前記全反射面の間に前記接合面は配置され、
    前記導光プリズムの前記接合面と前記対向プリズムの前記対向面とは、前記接合部を介在させた互いの距離の差分に関して、前記接合面に沿って、映像光の反射を行う前記全反射面と前記接合面との交線方向に対して垂直を成す方向となる前記接合面に沿った主導光方向となる横方向への増大率に比べて、前記全反射面と前記接合面との交線方向となる前記接合面の縦方向への増大率のほうが高くなる形状となっている、
    導光装置。
  2. 前記導光プリズムにおいて、前記ミラー層は、映像光の部分的な反射及び外界光の部分的な透過を行うハーフミラー層である、請求項1に記載の導光装置。
  3. 前記導光プリズムの前記接合面と前記対向プリズムの前記対向面とは、前記所定の極小位置を前記接着領域のうち前記ミラー層と重畳する範囲内に設ける形状となっている、請求項1及び2のいずれか一項に記載の導光装置。
  4. 前記導光プリズムの前記接合面と前記対向プリズムの前記対向面とは、前記所定の極小位置を前記接合部の中央部に設ける形状となっている、請求項1から3までのいずれか一項に記載の導光装置。
  5. 前記導光プリズムの前記接合面と前記対向プリズムの前記対向面とは、前記所定の極小位置を前記接着領域の端部に設ける形状となっている、請求項1及び2のいずれか一項に記載の導光装置。
  6. 前記導光プリズムの前記接合面と前記対向プリズムの前記対向面とは、それぞれ曲面形状である、請求項1から5までのいずれか一項に記載の導光装置。
  7. 前記導光プリズムの前記接合面は、前記対向プリズムの前記対向面の曲率半径よりも小さい曲率半径の曲面形状である、請求項6に記載の導光装置。
  8. 前記導光プリズムの観察者に近い側に位置する全反射と前記接合面とが交差する端部と観察者に遠い側の全反射と前記接合面との交差する端部とを有し、
    前記導光プリズムの前記接合面と前記対向プリズムの前記対向面とは、前記接合部を介在させた互いの距離の差分に関して、前記接合部を形成する接着領域のうち観察者に近い側の端部の厚みが遠い側の端部の厚みよりも大きくなる形状となっている、請求項1からまでのいずれか一項に記載の導光装置。
  9. 前記導光プリズムと前記対向プリズムとは、樹脂材料でそれぞれ形成される、請求項1から8までのいずれか一項に記載の導光装置。
  10. 前記接着剤の屈折率と、前記樹脂材料の屈折率との差は、±0.05以内である、請求項9に記載の導光装置。
  11. 前記導光プリズムは、映像光を内部に導く導光面を3つ以上含み、
    前記導光プリズムを構成する複数の導光面のうち第1面と第3面とを通過させて外界を視認したときに、視度が略0になっており、
    前記第1面と前記第3面との間に配置される第2面上において前記ミラー層を形成し、
    前記第1面と前記第3面とは、観察側に対し凹面形状を成しており、
    前記導光プリズムは、映像光を前記第3面で全反射し、前記第1面で全反射し、前記第2面で反射した後、前記第1面を透過させて、観察側に到達させる、請求項1から10までのいずれか一項に記載の導光装置。
  12. 前記導光プリズムと前記対向プリズムとは、外界光に対する視度を略0にして、外界光と映像光とを重ねて観察者に提示する、請求項1から11までのいずれか一項に記載の導光装置。
  13. 請求項1から12までのいずれか一項に記載の導光装置と、
    映像光を生じさせる映像表示素子と、
    前記映像表示素子からの映像光を前記導光装置に向けて射出する投射レンズと、
    を備える、虚像表示装置。
  14. 映像光の反射を行うミラー層を支持する接合面を有する導光プリズムと、前記導光プリズムのうち前記接合面として対向して配置される対向面を有する対向プリズムと、
    前記導光プリズムの前記接合面と前記対向プリズムの前記対向面との接着領域に接着剤で形成され、前記導光プリズムと前記対向プリズムとを接合する接合部と、を備え、映像光を視認させる導光装置の製造方法であって、
    前記導光プリズムの前記接合面と前記対向プリズムの前記対向面とは、互いの距離の差を、所定の極小位置から遠ざかるにしたがって増大させる形状となっており、
    前記導光プリズムは前記映像光を内面側で主導光方向への反射を行う全反射面を備え、前記全反射面は観察者に近い側に位置する全反射と外界側に位置する観察者に遠い側の全反射からなり、前記全反射面の間に前記接合面は配置され、
    前記導光プリズムの前記接合面と前記対向プリズムの前記対向面とは、前記接合部を介在させた互いの距離の差分に関して、前記接合面に沿って、映像光の反射を行う前記全反射面と前記接合面との交線方向に対して垂直を成す方向となる前記接合面に沿った主導光方向となる横方向への増大率に比べて、前記全反射面と前記接合面との交線方向となる前記接合面の縦方向への増大率のほうが高くなる形状となっており、
    前記接合面と前記対向面との間のうち前記所定の極小位置に対応する塗布位置に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    前記接着剤塗布工程において塗布された前記接着剤を前記塗布位置から押し広げて、接着領域に充填させる接着剤充填工程と、
    前記接着剤充填工程において充填された前記接着剤を硬化させて、前記接着剤で前記接合部を形成する接合部形成工程と、を有する導光装置の製造方法。
JP2012180798A 2012-08-17 2012-08-17 導光装置及び虚像表示装置並びに導光装置の製造方法 Active JP5998738B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012180798A JP5998738B2 (ja) 2012-08-17 2012-08-17 導光装置及び虚像表示装置並びに導光装置の製造方法
CN201320503208.6U CN203587827U (zh) 2012-08-17 2013-08-16 导光装置及虚像显示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012180798A JP5998738B2 (ja) 2012-08-17 2012-08-17 導光装置及び虚像表示装置並びに導光装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014038227A JP2014038227A (ja) 2014-02-27
JP5998738B2 true JP5998738B2 (ja) 2016-09-28

Family

ID=50286410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012180798A Active JP5998738B2 (ja) 2012-08-17 2012-08-17 導光装置及び虚像表示装置並びに導光装置の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5998738B2 (ja)
CN (1) CN203587827U (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014222260A (ja) 2013-05-13 2014-11-27 セイコーエプソン株式会社 光学素子、表示装置、および光学素子の製造方法
TWI579590B (zh) * 2014-12-03 2017-04-21 An optical system for displaying motion information images and a display device thereof
CN104570354A (zh) * 2015-01-09 2015-04-29 京东方科技集团股份有限公司 交互式眼镜和导览系统
US10317215B2 (en) 2015-01-09 2019-06-11 Boe Technology Group Co., Ltd. Interactive glasses and navigation system
JP6488870B2 (ja) * 2015-05-12 2019-03-27 コニカミノルタ株式会社 光学レンズの製造方法
CN106814413B (zh) * 2015-11-27 2019-07-09 宁波长阳科技股份有限公司 一种增亮膜及其制备方法
JP6852501B2 (ja) * 2017-03-28 2021-03-31 セイコーエプソン株式会社 表示装置
JP2018169428A (ja) * 2017-03-29 2018-11-01 セイコーエプソン株式会社 画像表示装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5880888A (en) * 1989-01-23 1999-03-09 Hughes Aircraft Company Helmet mounted display system
JP3068641B2 (ja) * 1990-11-02 2000-07-24 旭光学工業株式会社 接合樹脂レンズ
JP3720464B2 (ja) * 1995-07-03 2005-11-30 キヤノン株式会社 光学素子及びそれを用いた観察系
JP2004029544A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Nikon Corp ホログラムコンバイナ光学系及び情報表示装置
JP2010008901A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Fujitsu Ltd 光学部品の接着面構造
JP5567924B2 (ja) * 2010-07-27 2014-08-06 オリンパス株式会社 プリズム光学系、プリズム光学系を用いた画像表示装置及びプリズム光学系を用いた撮像装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN203587827U (zh) 2014-05-07
JP2014038227A (ja) 2014-02-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5998738B2 (ja) 導光装置及び虚像表示装置並びに導光装置の製造方法
JP6135095B2 (ja) 虚像表示装置
JP6019918B2 (ja) 虚像表示装置
CN106896501B (zh) 虚像显示装置
JP6244631B2 (ja) 虚像表示装置
JP6065630B2 (ja) 虚像表示装置
JP6264878B2 (ja) 導光装置、虚像表示装置及び導光装置の製造方法
JP6330258B2 (ja) 虚像表示装置
JP6307793B2 (ja) 虚像表示装置
JP6111636B2 (ja) 虚像表示装置
JP6402444B2 (ja) 虚像表示装置
JP6201361B2 (ja) 虚像表示装置
JP6163791B2 (ja) 虚像表示装置
US20120200935A1 (en) Virtual image display apparatus
TW201510572A (zh) 虛像顯示裝置
JP2013200553A (ja) 虚像表示装置
JP6269046B2 (ja) 虚像表示装置
JP2013080039A (ja) 虚像表示装置及びその製造方法
JP2017120384A (ja) 虚像表示装置
JP2014035395A (ja) 虚像表示装置及び虚像表示装置の製造方法
JP2013061594A (ja) 虚像表示装置及び虚像表示装置の製造方法
JP6471784B2 (ja) 虚像表示装置
US11550154B2 (en) Virtual image display device and light-guiding member
JP6369593B2 (ja) 虚像表示装置
JP6380620B2 (ja) 虚像表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150108

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150602

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160127

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160209

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160517

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160610

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20160624

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160815

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5998738

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150