JP6327736B2 - 桟橋構築方法および杭材ガイド構造 - Google Patents
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Description
図8〜図11に基づいて、従来の桟橋施工について説明する。
図8は、従来の桟橋施工を示す斜視図であって、桟橋パネルをクレーンで設計位置に運搬している様子を示している。
図9は、図8の後工程を示す斜視図であって、延設した桟橋パネルをガイドに利用し、管状杭を地盤に打ち込んでいる様子を示している。
図10は、桟橋施工で用いる掘削装置を示している。
図11は、従来の桟橋施工において数十mに及ぶ杭長の管状杭を打設している様子を示している。
次に、図10に基づいて、上述した桟橋施工で用いる掘削装置について説明する。
ドリルロッド93はダウンザホールハンマ94を含んで構成されており、該ハンマは、打撃力発生用のピストンを内部に具備している。ドリルロッド93の上端側は、略スリーブ状の排土キャップ92の内側を通って、回転駆動装置91に連結されている。一方、ドリルロッド93の下端にはハンマービット95が設けられている。
杭打ちの際には、図10に示すように管状杭73の内空部にドリルロッド93を挿通させ、管状杭73の先端からハンマービット95を突き出した状態で対象地盤を掘削する。
また、直進性を失った杭材を強引に打設し続ければ、杭材の鉛直性が失われて鉛直精度の確保が困難となり、結果として、構築される桟橋の品質低下を招くことになる。
特に、玉石や転石といった障害物を包含する堆積層や、傾斜した岩盤層への打設に際しては直進性を失い、杭曲がりが発生しやすい。そのような杭曲がりが生ずると、杭自体の仕上がりが悪いばかりでなく、杭にとりつける下部補強材や上部工桁材の設置も困難になり、桟橋構造全体の品質の低下の原因となっていた。
はじめに、図1及び図2に基づいて、本発明の桟橋構築方法で利用する杭材ガイド構造について説明する。
図1は、杭材ガイド構造を示す正面図である。
図2(A)は、図1の杭材ガイド構造が具備する第1の導材を示す平面図である。
図2(B)は、図1の杭材ガイド構造が具備する第2の導材を示す平面図である。
導材1は、杭材4を打設方向にガイドするとともに、導材2と協働して杭材4の直進性を維持する役割を担っている。この導材1は、図9に示す従来技術の桟橋パネルと同様に桟橋構築完了部分から張り出すように取り付けられる。この導材1を介して必要数の杭材(本実施形態の場合では一つの導材につき3本の杭材)を打設したら、当該導材1を桟橋構築完了部分から取り外すことなくそのまま上部構造の一部として(すなわち桟橋パネルとして)利用することが可能である。桟橋パネルとは、桁材としての機能を具備するフレーム状部材である。
導材2は、杭材4を打設方向にガイドするとともに、上記導材1と協働して杭材4の直進性を維持する役割を担っている。この導材2は、図1に示すように連結部材3,3を介して導材1に連結される。この導材2は、必要数の杭材(本実施形態の場合では3本の杭材)を打設したら撤去できるように、導材1に対して連結され固定されている。
連結部材3は、図1に示すように、導材2を導材1に対して連結する役割を担っている。この連結により、導材1に対する導材2の相対姿勢や位置が固定されるので、導材1,2を通って打設される杭材4の直進性が確りと維持される。
次に、図3A〜図3Fを参照しながら、上述した杭材ガイド構造を利用した桟橋構築方法について説明する。なお、以下説明する工程a〜fは、それぞれ図3A〜図3Fに対応している。
図3Aに示す桟橋構築完了部分は、主として、上部構造とそれを支える下部構造とで構成されている。桟橋構築完了部分は、完成予定の桟橋全体の一部分の構造物であるが、構築済みの当該部分(図示する構造物部分)だけであっても、上部構造と下部構造を具備する構台として機能する。したがって、桟橋構築完了部分は機械足場として利用可能であり、各種施工用機材や重機をその上に搬入することが可能である。
次に、桟橋構築完了部分の前方に用意した導材1を、該桟橋構築完了部分の桟橋パネル1’に連結する。この桟橋パネル1’は、既打設の杭材4’の打設時に第1の導材として機能していた部材であって、図示する状態では上部構造の一部として機能している。桟橋パネル1’と導材1は、同様の構成を有している。
次に、延設した導材1の横桁15の下方に、導材2を吊り下ろし、図3Cに示すように連結部材3にて導材1,2を相互連結し、導材2を導材1に対して固定する。この状態を桟橋構築完了部分の正面側から見たときの様子を図1に示す。
上述した作業を経て、導材1,2の取り付けと連結が完了したら、下部構造の一部として利用可能な杭材4を、導材1,2に通して地盤上に建込み、図3Dに示すように掘削装置90を使って打設する。掘削装置90の構成やこれを用いた打設原理は、図10を引用して説明した従来技術と同様である。打設する杭材4の具体例としては、例えば鋼管杭(管状杭)などが挙げられる。
杭材4を所定深度まで打設したら、掘削装置90を杭材4から引き抜く。そして、必要本数(本実施形態では3本)の杭材の打設が完了したら、導材2は「杭ガイド」としての役目を終えて、連結部材3とともに撤去する。
次に、導材1(桟橋パネル)上に覆工板55を取り付けるとともに、打設した杭材4と、既打設の杭材4’との間に補強材5を取り付ける。また、今回打設した杭材同士の間にも同様に補強材を取り付ける。この工程を経て、導材1(桟橋パネル)は桟橋構築完了部分の上部構造の一部として機能し、打設された杭材4は桟橋構築完了部分の下部構造の一部として機能し、その結果、桟橋構築完了部分が桟橋パネル1枚分拡張される。
上述した実施形態は、本発明の実施形態の一例であって、本発明は様々な形態で実施することが可能である。以下、本発明のその他の実施形態について説明する。
1’ 既設の桟橋パネル(杭ガイドしての役割を終えた第1の導材)
2 第2の導材
3 連結部材
3’ 連結部材
4 杭材
4’ 既打設の杭材
5 補強材(ブレース材)
6 連結部材
7 連結部材
8 補強材(ブレース材)
9 補強材(ブレース材)
13 連結部材
14 メインフレーム
15 横桁
16 ガイド部
17 連結部材
19 挿通孔
21 定規本体
23 位置決め部材
31 連結金具
51 反力ポール
53 ワイヤ
55 覆工板
71 桟橋パネル
73 管状杭(支持杭)
90 掘削装置
91 回転駆動装置
92 排土キャップ
93 ドリルロッド
94 ダウンザホールハンマ
95 ハンマービット
96 飛散防止カバー
Claims (6)
- 杭ガイドをなす第1の導材を桟橋構築完了部分から張り出すように設ける工程と、
前記第1の導材と協働して杭材の直進性を維持する第2の導材を設ける工程と、
前記第1及び第2の導材を介して杭材を打設する工程と、を含んでおり、
前記第2の導材は、杭材の打設後に撤去可能に構成されており、
打設した前記杭材を桟橋の下部構造の一部として機能させる、桟橋構築方法。 - 第1の導材を撤去することなく上部構造の一部として機能させる、ことを特徴とする請求項1に記載の桟橋構築方法。
- 前記第2の導材を設ける工程において、前記第1及び第2の導材の一方を他方に対して連結部材を介して固定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の桟橋構築方法。
- 前記第2の導材を設ける工程において、当該第2の導材を、連結部材を介して前記桟橋構築完了部分の下部構造に対して固定する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の桟橋構築方法。
- 前記第1及び第2の導材の少なくとも何れか一方は足場として利用可能に構成されている、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の桟橋構築方法。
- 請求項1の方法で用いられ、桟橋構築の際に打設する杭材をガイドするための構造であって、
桟橋構築完了部分から張り出すように設けられる第1の導材と、
該第1の導材と協働して杭材の直進性を維持する第2の導材と、を有しており、
前記第1及び第2の導材を任意の離隔で固定できるように構成された杭材ガイド構造。
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