JP6681148B2 - 橋梁構築方法、橋梁構築方法で用いる柱体及びガイド手段 - Google Patents

橋梁構築方法、橋梁構築方法で用いる柱体及びガイド手段 Download PDF

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Description

本発明は、橋梁の梁構造を利用して該橋梁の支持杭を打設する架設方法と、この方法で用いる柱体及びガイド手段に関するものである。なお、この出願で言及する「橋梁」には、桟橋、仮桟橋、工事用道路、作業構台、災害復旧時の応急橋、人工地盤、その他の橋の様な構造物などが含まれる。
起伏にとんだ我が国の土木事業では、桟橋、工事用道路、作業構台、災害復旧時の応急橋などの橋梁構築方法において、例えば斜張式設備を利用して上部工をなす梁構造を先行して片持ち状に取り付けるといった施工方法が提案されている。特許文献1には、そのような斜張式の桟橋架設工法が開示されている。
(従来の桟橋架設工法の概要)
図13〜図16に基づいて、従来の桟橋架設工法について説明する。
図13は従来の桟橋架設工法を示す斜視図であって、桟橋の梁構造をなす桟橋パネル50を、クレーンで目的位置(構築済み部分に対する連結位置)の近傍まで運搬して、吊り降ろしている様子を示している。
図14は、図13の後工程を示す斜視図であって、片持ち状に延設した桟橋パネル50(桟橋の梁構造)をガイドに利用し、橋脚をなす支持杭4を地盤に打ち込んでいる様子を示している。
図15は、図13及び図14に示す桟橋架設工法で用いる桟橋パネル50(桟橋の梁構造)を示す平面図である。
図16は、削孔装置90を利用して、桟橋パネル50(桟橋の梁構造)をガイドに支持杭4を打ち込んでいる様子を示している。
図17は、削孔装置90による削孔と杭の打ち込みの原理を示している。
特許文献1に開示された桟橋架設工法では、はじめに図13に示すように、桟橋構築済み部分からなる足場上に移動式クレーンを用意し、該クレーンで桟橋パネル50を吊り込んで、延設地点(桟橋構築済み部分の先端位置)の近傍へ運搬する。この桟橋パネル50は、桟橋完成後に上部構造の一部として機能し得る「上部構造構成部材(桟橋の梁構造)」であると同時に、図14に示すように支持杭4の打設時において「導材(杭ガイド)」として機能する部材である。図15に桟橋パネル50の平面図を示す。
桟橋の梁構造をなす桟橋パネル50は、図15の平面図に示すように、主として、メインフレーム51と、該メインフレームに連結された横桁52とで構成されている。メインフレーム51は、主桁・横桁としての機能を具備するフレーム状部材である。横桁52は、打設時に支持杭を地盤へガイドする筒状の杭ガイド管53(杭頭固定管)と、次段のメインフレームに対して連結される連結部55を有している。筒状の杭頭固定管53は、支持杭4を挿通させるための挿通孔(ガイドホール)を有している。
図13に示すようにクレーンで運搬してきた桟橋パネル50を、桟橋構築済み部分の先端側の既設桁(既設桟橋パネル50’)に対し連結して、図14に示すように、桟橋構築済み部分から張り出すように取り付ける。なお、既設桟橋パネル50’は、延設した桟橋パネル50と同様に、メインフレームと横桁を具備していて(図15参照)、桟橋構築済み部分の梁構造を構成している。
図14に示す状態において、桟橋構築済み部分から張り出すように延設された桟橋パネル50は、ワイヤ42を介して丈の長い反力ポール43の上端部に連結されている。この反力ポール43は、桟橋構築済み部分の先端側において、既設桟橋パネル50’に上に直立状態で固定されており、更に後方で斜め方向に張設した補強材41によって反力の補強が図られている。
延設した桟橋パネル50を、図14に示すようにワイヤ42を介して反力ポール43に連結することで、該桟橋パネル50の荷重が桟橋構築済み部分側に預けられる。つまり、反力ポール43やワイヤ42を利用して、桟橋構築済み部分側から桟橋パネル50を斜張式に吊り込んでいる。
そして前述したとおり、立設した丈の長い反力ポール43により桟橋パネル50を斜め方向から吊った状態が確保されたら、次に図14に示すように、橋脚を成す管状の支持杭4を、片持ち状に延設した桟橋パネル50でガイドしながら、打設予定位置の地盤上にセットする。このとき、削孔装置90のドリルロッドは、支持杭4の内空部を貫いており、更に、支持杭4の先端からはドリルロッドの先端ビット(ハンマービット)が突き出ている。
続いて、削孔装置90で対象地盤を回転掘削しつつ、同時に打撃力で支持杭4の打ち込みを行う。そして、打設した支持杭4の頭部を桟橋パネル50に固定して、支持杭4の頭部と桟橋パネル50の両者を一体化させる。
図示する例では、1つの桟橋パネル50を延設する毎に3本の支持杭を横並びに打設して、これらの杭頭部を延設した桟橋パネル50の先端側に固定して一体化させる。このように、打設した支持杭4の頭部に桟橋パネル50を固定することで、桟橋パネル50の荷重が支持杭4によって支えられる。これらの工程を経て、1支間長分(桟橋パネル50枚分)の上部構造及び下部構造の拡張作業が完了する。
なお、打設した支持杭4と桟橋パネル50を一体化させたら、この新設桟橋パネル50からワイヤ42を切り離し、更に反力ポール43と補強材41を既設桟橋パネル50’から取り外す。そして、取り外した反力ポール43と補強材41は、今回新設した桟橋パネル50に付け直して、次回延設する桟橋パネルを斜めに吊るための斜張式設備として再利用する。
そして、上述した工程を繰り返して、支持杭で支持される桟橋パネルを拡張方向に延設し続けることにより桟橋全体を完成させる。
(削孔装置による削孔と杭打ち込みの原理)
図16及び図17は、桟橋施工において、削孔装置90(施工機材)を用いて対象地盤を削孔すると同時に、該削孔装置で支持杭4を地盤に打ち込んでいる様子を示している。
図17に示す削孔装置90は、主として、回転駆動装置91と、該駆動装置の下部に固定された排土キャップ92と、該排土キャップの内側を通って回転駆動装置91に連結された長尺のドリルロッド93とを有している。
回転駆動装置91は、その下部のドリルロッド93を回転駆動する。
ドリルロッド93はダウンザホールハンマ94を含んで構成されており、該ハンマは、打撃力発生用のピストンを内部に具備している。ドリルロッド93の上端側は、略スリーブ状の排土キャップ92の内側を通って、回転駆動装置91に連結されている。一方、ドリルロッド93の下端にはハンマービット95が設けられている。
杭打設時には、図17に示すように支持杭4の内空部にドリルロッド93を挿通させ、該支持杭の下端からハンマービット95を突き出し、該ハンマービットを拡径状態にセットして対象地盤を削孔する。
削孔の際には、ダウンザホールハンマ94による連続的打撃を対象地盤に対し加えながら回転掘削を行う。掘削土は、ダウンザホールハンマ94の駆動用エアを利用してエアリフト式に吹き上がる。吹き上げられた掘削土は、エアの流れに乗って支持杭4内の排土経路を通り、支持杭4の上端開口部から噴出する。
支持杭4の上部から噴出した掘削土は、図17に矢印で示すように、支持杭4の上部と排土キャップ92との間の隙間を通って外部へ排出される。排土キャップ92を介して排出された掘削土は、支持杭4と飛散防止カバー96の間の隙間を通って下方へ落下する。
特許第3211673号公報
上述した桟橋架設工法は、その施工の急速性が認められ、全国規模で施工が普及しつつあり、現在では全国各地の難工事区間の工事で採用され始めている。
しかしながら、施工の難度が高まるにつれ、上述した桟橋架設工法を利用しても施工が困難となるような現場が出始めている。
具体的には図18に示すように、片持ち状に張り出した「桟橋の梁構造」を杭打ち用のガイドとして用いる桟橋架設工法において、打設する杭長(支持杭の長さ)が長くなると、杭および削孔装置重量が重くなるため、クレーンの吊り上げ能力が不足する場合がある。また、河川内施工では河積阻害率を抑えるため、例えば12.5m支間、15m支間といった長支間の桟橋を架設することが求められるが、支間長が長くなるにしたがってクレーンで吊り上げる重量に制限が生じる。
このような場合、その解決策として一般的には桟橋架設用のクレーン規格を上げることが考えられるが、その場合、桟橋の供用目的よりも架設時の荷重条件が支配的となることで、桟橋の規格が上がり、その結果、コスト高や施工の長期化などの問題が生じることになる。
一方で、大規模な自然災害が各地で起こり、その防災および減災を目的として河川内、ダム湖内の構造物の維持補修・機能追加工事など様々な工事が行われている現在、桟橋等重仮設のプロセスには、工期短縮のための急速施工がますます求められるようになっている。
そこで上述した従来技術の問題点と急速施工の要求に鑑み、本発明の目的は、長支間や長大杭の桟橋などの橋梁の構築に際して、使用するクレーンの規格を最小限に抑えることができる方法や手段を提供することにある。
上記目的は、片持ち状に張り出した橋梁の梁構造を利用して該橋梁の支持杭を打設する架設方法において、片持ち状に張り出した梁構造の中間部を支持するための柱体を立設し、該梁構造を一時的に支持する、ことによって達成される。
上記の橋梁構築方法では、前記柱体により、
(1)前記梁構造とともに
(2)橋梁の構築または撤去に用いる施工機械を
一時的に支持する。
また上記橋梁構築方法では、前記柱体は支持杭で構成されており、
前記柱体を立設する際に、支持杭からなる該柱体を地中に貫入させる。
また上記橋梁構築方法では、前記支持杭を打設し、該支持杭によって梁構造が支持された状態で前記柱体を撤去する。
また上記橋梁構築方法では、立設した前記柱体に反力をとって前記梁構造を設計位置に保持する。
また上記橋梁構築方法では、立設した前記柱体に対して相対的に昇降可能に設けられた昇降装置を利用して、前記梁構造を設計位置に保持する。
また上記目的は、上述した橋梁構築方法で用いる柱体であって、下端部が板状に拡がり鉛直方向の荷重を地盤に伝達する構成の柱体によって達成される。(図4参照)
また上記目的は、上述した橋梁構築方法で用いるガイド手段であって、片持ち状に張り出した梁構造の中間部を支持するための柱体を立設する際に、該柱体を位置決めするために用いられ、前記梁構造に対して固定可能および/または一体的に構成されたガイド手段によって達成される。すなわち、脱着自在に構成することで、梁構造を簡素化することもでき、梁構造そのものが一体的にガイド手段を有していても良い。
なお、梁構造はガイド手段を機能的に具備していれば足り、梁構造に対するガイド手段の取り付け態様や固定態様などは特に限定されない。例えば梁構造は、ガイド手段を(梁構造の一部分として)一体的に具備してもよく、また、梁構造に対してガイド手段を後付けしてもよい。また、梁構造に対して、別部材を介してガイド手段を間接的に固定してもよい。
このガイド手段は柱体を挿通自在な開口部を有している。
本発明では、片持ち状に張り出した梁構造の中間部を支持する柱体を立設して、例えば支持杭の打設(後の工程で打設される橋脚用の支持杭の打設)が完了するまで、該梁構造の中間部を一時的に支持するようになっている。
つまり、1支間分の橋梁構築途中部分の範囲おいて、梁構造を中間支持する柱体を立設することによって、橋梁の梁構造(上部構造)が一時的に地盤に支持された状態が確保できるので、中間支持された該梁構造の上にクレーンを前進させ、該クレーンを杭心方向(支持杭の打ち込み位置)の方へ更に近寄らせることが可能になる。
なお従来技術の場合では、片持ち状に張り出した梁構造(橋梁構築途中部分の梁構造)は、支持杭打設前の段階で地盤に未だ支持されていないので、片持ち状に張り出した梁構造の上にクレーンを進入させることができなかった。
したがって本発明によれば、片持ち状に張り出した梁構造の上に、支持杭打設完了前の段階でクレーンが進入することができるようになって、支持杭打設位置にクレーンが更に近寄れるようになり、その結果、支持杭を打ち込む際のクレーンの作業半径を可及的に短くできるため、長支間や長大杭の橋梁の構築においてクレーン規格を最小限に抑えることができるという優れた効果が奏される。
また本発明によれば、橋梁構築途中部分における梁構造を一時的に中間支持する「柱体」を立設することで、梁構造とともに、橋梁の構築や撤去時に用いる各種施工機械を一時的に支持することが可能になる。これにより、延設方向先端の支持杭(橋脚)を欠いた状態であっても、施工機械の重量の大小にかかわらず、片持ち状に張り出した状態(すなわち橋脚をなす支持杭を欠いた状態)の梁構造の上に各種施工機械を配置することが可能になるので、橋梁の構築や撤去時の作業を効率的に進めることができる。
また本発明では、梁構造を一時的に中間支持する柱体を支持杭(仮杭)で構成し、この支持杭からなる柱体を地盤に貫入させることも可能である。このように中間部支持用の柱体を支持杭で構成するとともに地盤に確りと貫入させることで、中間支持される梁構造の安定性が増し、その上で行われるクレーン作業等の安全性・安定性が向上する。
また本発明では、橋脚をなす支持杭を打設して、該支持杭によって梁構造が支持された状態で中間部支持用の柱体(一時支持用の仮杭)を撤去するようになっている。このように、支持杭の打設後に中間部支持用の柱体を撤去することで、施工において該柱体を使いまわすことが可能になって、橋梁の構築に必要な柱体の本数を抑えることができ、施工コストを抑えることができる。
また本発明で用いる前記柱体は、例えば、下端部が板状に拡がり鉛直方向の荷重を地盤に伝達するように構成されている(一例として図4参照)。これにより、立設した柱体の安定性が増すので、仮に柱体を地盤内に貫入しない場合でも、梁構造を安定的に支持することが可能になる。
また本発明の橋梁構築方法では「ガイド手段」を用いるようになっている。このガイド手段は、片持ち状に張り出した梁構造を中間支持する柱体を立設する際に、該柱体を所定位置に位置決めするために用いられ、前記梁構造に対して固定可能に構成されている。このようなガイド手段を梁構造に対して確りと固定することで、片持ち状に張り出した梁構造そのものを、柱体立設時の柱体ガイドとして機能させることができ、立設する該柱体を所定位置に速やかに且つ正確に位置決めすることが可能になる。
また本発明の橋梁構築方法で用いるガイド手段は、柱体を挿通自在な開口部を有している。これにより、立設する柱体の位置決めが容易になり、橋梁の構築を効率的に進めることが可能になる。
本発明の上記のような多様な効果により、河積阻害の抑制が必要で長支間の橋梁や作業構台が求められる河川内施工などにおいて工期短縮と施工コストの縮減が可能となる。
本発明で利用可能な桟橋の梁構造(桟橋パネル)の一例を示す(a)側面図と(b)平面図である。 図1の桟橋梁構造(桟橋パネル)に対してガイド手段を取り付けた状態を例示する(a)側面図と(b)平面図である。 本発明の一工程を例示する(a)側面図と(b)平面図である。 図3Aの続きを示す図であって、本発明の一工程を例示する(a)側面図と(b)平面図である。 図3Bの続きを示す図であって、本発明の一工程を例示する(a)側面図と(b)平面図である。 図3Cの続きを示す図であって、本発明の一工程を例示する(a)側面図と(b)平面図である。 図3Dの続きを示す図であって、本発明の一工程を例示する(a)側面図と(b)平面図である。 図3Eの続きを示す図であって、本発明の一工程を例示する(a)側面図と(b)平面図である。 本発明で使用可能な柱体(仮杭)のバリエーションを例示する図である。 本発明で使用可能な柱体(仮杭)のバリエーションを例示する図である。 長支間の桟橋架設工事に本発明を適用した様子を示す図である。 本発明の変形例の一工程を例示する(a)側面図と(b)平面図である。 本発明の第2実施形態を示す(a)側面図と(b)平面図である。 本発明の第3実施形態を示す(a)側面図と(b)平面図である。 本発明の第4実施形態を示す(a)側面図と(b)平面図である。 図1の桟橋梁構造(桟橋パネル)に対するガイド手段の固定方法を例示する図である。 桟橋梁構造(桟橋パネル)の荷重をガイド手段を介して柱体に伝達する具体例を示す図である。 従来の桟橋施工を示す斜視図であって、桟橋の梁構造をなす桟橋パネルを、クレーンで所定位置(延設予定位置)の近傍に運搬して吊り降ろしている様子を示している。 図13の後工程を示す斜視図であって、延設した桟橋パネルを杭ガイドに利用し、支持杭を打設している様子を示している。 図13及び図14に示す橋梁構築方法で用いる桟橋パネルを示す平面図である。 削孔装置を利用して支持杭を打設している様子を示す図である。 削孔装置による削孔と杭の打ち込みの原理を示す図である。 従来の橋梁構築方法の課題を示す図である。
本発明の橋梁構築方法は、片持ち状に張り出した梁構造を利用して支持杭を打設するといった特徴を含む橋梁構築方法である。
以下、橋梁構築方法の一例として桟橋架設工法を挙げ、また、当該桟橋架設工法で用いる梁構造の一例として桟橋パネルを挙げる。
本実施形態の桟橋架設工法では、図1に示すような桟橋パネル1を用いる。この桟橋パネル1は、図13〜図16に示す従来技術の桟橋パネル50と同様に、桟橋の梁構造として機能し得る構成である。
本実施形態で用いる桟橋パネル1(桟橋の梁構造)は、図1に示すように、主として、平面視略格子状のメインフレーム11(梁)と、該メインフレームに連結された横桁12(梁)とで構成されている。
梁として機能するメインフレーム11は、主桁・横桁としての機能を具備する平面視略格子状の部材である。
梁として機能する横桁12は、打設時に支持杭を地盤へガイドする筒状の杭ガイド管13(杭頭固定管)と、次段のメインフレームに対して連結される連結部15を有している。
筒状の杭頭固定管13は、橋脚用の支持杭を挿通させるための挿通孔(ガイドホール)を有している。
また、本実施形態の桟橋架設工法では、片持ち状に張り出した桟橋パネル1(梁構造)の中間部を支持する柱体(仮杭)を地盤上に立設する際に、該柱体を鉛直方向に位置決めする「ガイド手段」を用いる。図2にガイド手段を例示する。
図2に示すように、ガイド手段2は、桟橋パネル1に取り付けて用いられ、後述する柱体3(仮杭)を立設する際に、桟橋パネル1と一体となって該柱体をガイドする役割を担っている。このガイド手段2は、桟橋パネル1の主桁16の上面に取り付けられる本体21と、柱体3をガイドするためのガイド管23とを有している。
ガイド手段2の本体21は、例えばH形鋼などの梁状部材で構成されている。図示する実施形態では、H形鋼からなる本体21の下フランジが、桟橋パネル1のメインフレーム11上に横切るように載置され、かつ、外力を受けても動かないように締結金具、ボルト等で固定されている。その際固定方法は、専用の簡易なピン連結構造や、溶接など適宜簡易で確実な方法が選択できることは勿論である。
ガイド手段2のガイド管23は、後述する柱体3が自在に挿通できる挿通孔(開口部)を有している。このガイド管23は、H形鋼などからなる本体21に対して一体的に構成されている。
ガイド手段2のガイド管23が上記のような挿通孔(開口部)を有することで、立設する柱体3(仮杭)を挿通孔を介して簡単に位置決めすることが可能になり、桟橋施工を効率的に進めることが可能になる。
なお、ガイド手段は、後述する柱体(仮杭)を地盤方向に向けてガイドできる構造を具備すれば足り、必ずしも、図2に示すような「管状」のガイド部材を有している必要はない。
また、本実施形態では一例として、ガイド手段2と、桟橋パネル1(桟橋の梁構造)とを、それぞれ別部材で構成し、ガイド手段2を桟橋パネル1に対して固定しているが、ガイド手段2と桟橋パネル1を一体的に構成してもよい。また、ガイド手段2を、台座などの別部材を介して、桟橋パネル1に対して間接的に固定することも可能である。また、桟橋パネル1が具備するガイド手段2は、「梁」としての機能(桟橋パネルの一部として機能する構造)を兼ね備えるものであってもよい。
また、桟橋パネル(桟橋の梁構造)におけるガイド手段の位置は、本実施形態で例示するものに限定されず、任意の位置に設定することが可能である。例えば、桟橋パネルの脇(側面)にガイド手段が位置するように構成することも可能である。
(橋梁構築方法/桟橋架設工法)
次に、図2、図3A〜図3Fを参照しながら、上述した桟橋パネル1(桟橋の梁構造)およびガイド手段2を利用した桟橋架設工法について説明する。なお、以下説明する工程a〜fは、それぞれ図3A〜図3Fに対応している。
はじめに図2に示すように、前述したガイド手段2を、桟橋パネル1のメインフレーム11(主桁16)の上面側に取り外し可能に固定する。ガイド手段2は桟橋パネル1の上面側を横切る位置に取り付ける。
ガイド手段2を桟橋パネル1に固定する方法は特に限定されず、例えばボルト締結や溶接により桟橋パネル1の主桁上面側に対して固定してもよい。あるいは、図11に例示するように、締結具25(挟締具)その他の挟持するような固定治具を利用して、ガイド手段2の本体21のフランジ部を桟橋パネル1に対して取り外し可能に固定してもよい。また、ガイド手段2の取付位置は必ずしも図示する位置に限定されず、例えば、桟橋パネル1の底面側に固定してもよい。
<工程a>桟橋構築済み部分の前方に桟橋パネルを吊り下ろす工程
図3Aに示す桟橋構築済み部分は、構築途中の桟橋の完成部分であり、主として、上部構造(梁構造)やそれを支える下部構造(橋脚をなす支持杭)で構成されている。桟橋構築済み部分は、完成予定の桟橋全体の一部分の構造物であるが、構築済みの当該部分(図示する構造物部分)だけであっても、上部構造と下部構造を具備する構台として機能する。したがって、桟橋構築済み部分は機械足場として利用可能であり、各種施工用機械や重機をその上に搬入することが可能である。
そこで、図3Aに示すように桟橋構築済み部分(機械足場)にクレーンを用意し、これを使って、桟橋パネル1を、該桟橋構築済み部分の前方または側方(すなわち桟橋構築方向/桟橋拡張方向)に吊り下ろす。
この桟橋パネル1には、ガイド手段2を取り付けているため、該桟橋パネル1は後述する柱体3の打ち込み時には杭ガイドとして機能する(図3C参照)。更に、桟橋パネル1は、杭ガイド管13を具備しているため、後述する支持杭4の打ち込み時にも杭ガイドとして機能する(図3D参照)。そしてこの桟橋パネル1は、支持杭4の打設完了後には杭ガイドとしての役目を終えるが、その後は、上部構造の一部(桟橋の梁構造としての機能を発揮する用途)として利用できる。
<工程b>桟橋パネルを片持ち状に延設する工程
次に、桟橋構築済み部分の前方に用意した桟橋パネル1を、該桟橋構築済み部分の桟橋パネル1’に連結する。この桟橋パネル1’は、既設支持杭4’の打設時に杭ガイドとして機能していた部材であって、図示する状態では上部構造(桟橋の梁構造)の一部として機能している。桟橋パネル1’と桟橋パネル1は、同様の構成を有している。
この桟橋パネル1’の端に桟橋パネル1を連結して、桟橋構築済み部分から張り出すように、該桟橋パネル1を片持ち状に延設する。延設した桟橋パネル1は、図3Bに示すとおり、桟橋構築途中部分に張り出している。「桟橋構築済み部分」は桟橋の完成部分であるのに対して、「桟橋構築途中部分」は桟橋の未完成部分である。また、「桟橋構築途中部分」の長さは、一支間長分の長さである。
続いて、桟橋構築途中部分において片持ち状に延設した桟橋パネル1を、「杭ガイド」兼「作業足場」として利用できるように、該桟橋パネル1を、桟橋構築済み部分側に立設された反力ポール43に対してワイヤ42で連結する。これにより、桟橋パネル1の荷重を、桟橋構築済み部分側に預けることができる。なお、本実施形態で利用するワイヤ42については、チェーンブロックなどの牽引部材を用いる、またはそれらを組み合わせで用いるなど適宜最適な吊設手段を選択できる。
このように片持ち状に取り付けられた桟橋パネル1は、後工程(工程d)での支持杭打設が完了するまでは、柱体3や支持杭4をガイドするための部材(導材)として機能する。一方、必要本数(当該桟橋パネルを使って打設する本数)の支持杭4の打設が完了した後では、杭ガイドとしての役割を終えるが、撤去することなく現状の取付位置で、上部構造の一部(桟橋の梁構造)として機能する。
<工程c>桟橋パネルを介して柱体を立設する工程
上述した作業を経て、桟橋パネル1,1’の連結が完了したら、次に、片持ち状に張り出した桟橋パネル1の中間部を支持するための「柱体3(仮杭)」を立設する。このとき、予め桟橋パネル1に固定しておいたガイド手段2のガイド管23に柱体3を通し、該ガイド手段2(ガイド管23)をガイドに利用して、柱体3を地盤上に立設する。
本実施形態で用いる柱体3は一例として柱体で構成され、桟橋パネル1を仮支持する支持杭(一時的に支持する杭)として機能するものである。なお、後の工程で打設する支持杭4(図3D参照)は、桟橋が撤去されるまで橋脚として機能するものであるが、工程cで打ち込む柱体3は支持杭4(本杭)が打設されるまでの間、一時的に桟橋パネル1を支持するものである。つまり、支持杭4(本杭)によって桟橋パネル1が支持された後は、柱体3は撤去される。
なお、本実施形態で打ち込む柱体3は、桟橋完成後に橋脚として機能するものではないが(後の工程eで引き抜くため)、この柱体3を引き抜くことなく桟橋完成後も橋脚として機能させることも勿論可能である。例えば、一時的に積載する重量が大きく荷重条件が厳しくなるような場合、柱体3によって支持することができる。
柱体3の立設にあたっては、この柱体3を、桟橋パネル1に固定したガイド手段に通して地盤上に建込み、続いて、図3Cに示すように削孔装置90を使って打ち込んで地中に貫入させる。削孔装置90の構成やこれを用いた杭の打ち込み原理は、図16や図17を引用して説明した従来技術と同様である。
この工程を繰り返して、必要本数の柱体3(本実施形態の場合では1つの桟橋パネルにつき4本の柱体)を対象地盤上に立設する。続いて図12(a)の上下に例示するように、桟橋パネル1に固定されたガイド手段2のガイド管23に荷重受け板を被せるとともに、この荷重受け板をガイド管23の上部に固定し、立設した各柱体3の頭部を、当該ガイド手段2のガイド管23に固定する。つまり本実施形態では、ガイド手段2は、柱体3の立設作業時には柱体ガイドとして機能し、柱体3の立設完了後には荷重伝達手段(桟橋パネル1の荷重を柱体3に伝達する手段)として機能する。
なお、ガイド手段2を荷重伝達手段として機能させる手法は、図12(a)の上下に示すような方法に限定されるものではなく、例えば図12(b)の上下に例示するように、フランジを備える一対のバンド状の半割れ部材で柱体3を挟持するとともに、当該一対の半割れ部材をガイド手段2のガイド管23に対してボルト等で固定してもよい。その際半割れ部材の片側の連結部を蝶番式に繋いでおき、その反対側の連結部をボルト等で固定するようにしてもよいことは勿論である。また例えば図12(c)の上下に例示するように、ガイド手段2の本体21と柱体3のそれぞれに、ピン連結用の貫通孔を形成し、ガイド手段2と柱体3の両者をピン連結で固定してもよい。また例えば図12(d)の上下に例示するように、ガイド手段2のガイド管23を貫くように柱体3を立設するとともに、該柱体3の頭部と桟橋パネル1とをワイヤーやチェーンブロックなどの引っ張り部材で、吊設式(引張式、懸垂式、斜張式などを含む)に連結することも可能である。勿論、荷重伝達手段は上記に限定されるものではなく、ガイド手段2を油圧式に締め付けるバンド状装置により構成するなど自在な手段が選択できる。
以上の手順を経て、桟橋パネル1の荷重が、荷重伝達手段として機能するガイド手段2を介して、立設した柱体3によって支持されるようになる。
なお、本実施形態では図3Cに示すように、削孔装置90を利用して柱体3を打ち込んで地中に貫入させているが、柱体3は必ずしも地中に貫入させる必要はなく、地盤上の鉛直方向に縦置き固定された脚体となっているだけでもよい。
また本実施形態で用いる柱体3は、一例として、図4(a)に示す鋼管杭のような単なる管状の柱体で構成しているが、柱体の構成は必ずしもこれに限定されない。
例えば、図4(b)に示すように、柱体3の下端部に歯型が突設されていてもよく、あるいは、図4(c)に示すように、地盤面との接触部分が板状に拡がり鉛直方向の荷重を地盤面に伝達するように構成されていてもよく、一例として図4(c)に例示するように側方に張り出すようなフランジ形状でもよい。これにより、立設状態で建て込んだ柱体の安定性が増すので、柱体を地盤内に貫入しなくても、地盤上に縦置きするだけで桟橋パネル1(梁構造)を安定的に支持することが可能になる。
また図4(d)に示すように、板状に拡がる板状部の下部に更に柱体が連続して突出するといった構成を採用することもでき、さらに、図4(e)に示すように、その板状部の下方突出した柱体下端部に歯型を設けて、それらの突出部(板状より下側の柱体部分)を地盤中に貫入させることも可能である。
さらに、図4(f)に示すように、板状部の底面側にスパイク状の突起を設けて地中に食い込ませるようにすることにより、更に確実に安定的に支持することもできる。
さらに、例えば図5に例示するように、地中に貫入する管状の柱体下端部の内側に底蓋を設けて、該柱体の下端側を底蓋状に閉じるようにしてもよい。
また、柱体の断面形状は必ずしも円形に限定されず、例えば四角形などの断面多角形状にしてもよく、あるいは、山形鋼やH形鋼などの形鋼に見られる断面形状で構成されてもよい。
また本実施形態において、柱体3は桟橋パネル1の中間部を一時的に支える役割を担うものであるが、この出願でいう「中間部」とは、必ずしも桟橋パネル1の真ん中の位置(中心位置)に限定されるものではなく、桟橋パネル1の両端の間の領域を広く含む趣旨である。すなわち、施工上許容される設置位置であれば、ある荷重条件に応じて、桟橋パネルの梁構造を成す長さ方向の任意の位置を支持するようにして、前記桟橋パネル桁材の梁長さ(支間長)を一時的に短くする(従って、前記梁構造が補強される)ことが達成できるどのような位置に設置されても良い。また、運搬(運搬の可否)やヤードの広さ(地組・移動スペースの有無)などの制約により梁構造を、梁の長さ方向に複数のモジュールに分割する場合に、先行して取り付ける分割モジュール(梁構造の分割部分)の端部に柱体3の設置位置を設けて、前記柱体3を立設した後に、残りのモジュール(残りの分割部分)を片持ち状に取り付けても良い。勿論、施工条件等により前記梁構造は1支間を2つより多くのモジュールに分割してもよく、その際は、モジュールが継ぎ足す過程で必要に応じて、複数回柱体3を盛替えして延伸していけばよい。
以上の手順を経て、立設した柱体3の頭部が桟橋パネル1に固定され、それによって桟橋パネル1の中間部が一時的に支持されるので、桟橋パネル1とその上に載せる施工機械の荷重が、柱体を介して地盤に支持される状態が確保される。
<工程d>中間支持された桟橋パネルを介して支持杭(本杭)を打設する工程
上述した作業を経て、桟橋パネル1,1’の連結と桟橋パネル1の中間支持が完了したら、クレーンの前方に(新設した桟橋パネル1の上に)覆工板を必要枚数敷設して、該クレーンを桟橋パネル1の方へ前進させ、該クレーンを支持杭の打ち込み位置、すなわち桟橋パネル1の先端(杭ガイド管13)に近づける。
なお、この時点では、橋脚として機能する支持杭4(本杭)はまだ打設されていないが、柱体3がすでに立設済みでその杭頭が(桟橋パネル1と一体の)ガイド手段2に固定されているので、桟橋パネル1が地盤に支持された状態が確保されている。つまり、図3Dに示すように桟橋パネル1の上にクレーンが前進して来ても、桟橋パネル1やクレーンの荷重を(柱体3を介して)地盤で支持することができる。
続いて、下部構造の一部として利用可能な支持杭4(本杭)を、桟橋パネル1の杭ガイド管13に通して地盤上に建込み、図3Dに示すように削孔装置90を使って打設する。支持杭4を所定深度まで打設したら、削孔装置90を支持杭4から引き抜く。なお、この工程で打ち込む支持杭4(本杭)は、前述した柱体3のように桟橋パネル1を一時的に支持するものではなく、桟橋が撤去されるまで橋脚として機能するものである。
支持杭4の打設に使う削孔装置90の構成やこれを用いた杭打設原理は、図16や図17を引用して説明した従来技術と同様である。打設する支持杭4の具体例としては、例えば橋脚として利用可能な鋼管杭(管状杭)などが挙げられる。
この工程を繰り返して、必要本数の支持杭4(本実施形態の場合では1つの桟橋パネルにつき5本の支持杭)を対象地盤に打設する。
必要本数(本実施形態では5本)の支持杭4の打設が完了したら、打設したすべての支持杭4の各頭部を、桟橋パネル1の杭ガイド管13に挿入された状態で固定する。これにより、桟橋パネル1及びその上に載せる各種機材や重機等の荷重を、打設された支持杭4によって支持することが可能になる。
なお、必要本数の支持杭4の打設が完了すると、桟橋パネル1は「杭ガイド」としての役割は終えるが、撤去することなくそのまま残して、桟橋構築済み部分の上部構造の一部(桟橋の梁構造)として機能させる。
<工程e>桟橋パネルを中間支持している柱体を引抜く工程
必要本数の支持杭4の打設が完了したら、該支持杭4によって桟橋パネル1(梁構造)を支持できる状態が確保されるので、その状態において、前記工程cで打ち込んだ中間部支持用の柱体3(一時支持用の仮杭)を引抜いて撤去する。その際図3Eに示すように、クレーンは、柱体3の引き抜きに適した位置まで後退させる。
このように、支持杭4の打設後に、中間部支持用の柱体3を撤去することで、桟橋パネルの延設のたびに該柱体を使いまわすことができるので、桟橋施工に必要な柱体の本数を最小限に抑えることが可能になり、施工コストの上昇を抑えることができる。
<工程f>ガイド手段を取り外す工程
続いて、桟橋パネル1の上に固定していたガイド手段2を取り外すとともに、該桟橋パネル上面側の残りの部分に覆工板を取り付ける。
取り外したガイド手段2は、次回延設する予定の桟橋パネルに対して、同様に固定する。つまり、ガイド手段2は、桟橋パネルを延設するたびに使いまわすことができる。また、河川を横過するような桟橋においてその下部工(杭橋脚部分)を配置するにあたり、河川管理上、例えば河積阻害率を抑える、又は舟通しとしての効用を兼ねるなどのために径間長を一定程度(例えば12.5m、15m、20m等)長く確保することを求められることがあるが、桟橋の手延べ式の架設作業などのためにその径間長(支間長)を一時的に短くし補強し、クレーンなどの架設重機が前進することができるようになるため、これまでよりも規格の小さい重機により長支間の架設施工に対応が可能となり、工期、工費を短縮することができる。
以上の工程を経て、桟橋パネル1(桟橋パネル)は桟橋構築済み部分の上部構造の一部として機能するようになり、また、打設された支持杭4は桟橋構築済み部分の下部構造の一部として機能するようになり、その結果、桟橋構築済み部分が桟橋パネル1枚分(1支間長分)拡張される。
<上記工程の繰り返し>
そして、上記一連の工程を繰り返すことで、上部構造と下部構造からなる桟橋構築済み部分が徐々に(桟橋パネル1枚分ずつ)拡張され、最終的に、完成体としての桟橋の構築が完了する。
なお、上述した実施形態は、本発明の実施形態の例示であり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した実施形態で図示した支間長はあくまでも一例であり、施工条件に応じた種々の支間長に対して本発明は対応することが可能である。図6には、上述した実施形態によりも長い支間長での桟橋施工を例示しており、このような長支間の桟橋施工に本発明を適用することも可能である。
また、前述した実施形態では、柱体を桟橋の構築時に利用する方法について例示したが、前述した工程を逆順に進めることで、桟橋を撤去する際にも柱体を利用することができる。つまり、本発明で利用する「柱体(仮杭)」は、桟橋の構築時において桟橋パネルとともに施工機械を一時的に支持する手段として利用することができ、また、桟橋の撤去時において桟橋パネルとともに撤去用施工機械を一時的に支持する手段として利用することもできる。
また、本発明において、桟橋パネル1(梁構造)を一時的に支持する柱体(仮杭)の本数は特に限定されない。例えば、柱体を1本だけ地盤上に立設して、この1本の柱体によって、桟橋構築途中部分における桟橋パネルを仮支持(一時的に支持)するようにしてもよい。あるいは、2本一組、3本一組、5本一組といった複数本の柱体を横並びに立設し、該複数本の柱体によって桟橋パネルを仮支持するようにしてもよい。
(第2実施形態)
上述した実施形態では、反力ポール43やワイヤ42を使って桟橋パネル1を斜めに吊り込む、いわゆる斜張式の桟橋架設工法を例示したが、本発明の適用範囲は斜張式の桟橋架設工法に限定されるものではない。
すなわち例えば図7に示す実施形態では、既設桟橋パネル1’に対して延設した桟橋パネル1の上方において、反力アーム5が桟橋パネル1に対して略並行に張り出すように取り付けられている。この反力アーム5は、桟橋構築済み部分側に固定されていて、その先端側が、新設した桟橋パネル1の上面側に張り出している。この反力アーム5は、反力ポール43などの斜張式設備(図14参照)に代わるものであり、片持ち状に延設した桟橋パネル1を、「杭ガイド」兼「作業足場」として利用できるようにするための構成である。
このような反力アーム5を利用した桟橋架設工法に本発明を適用することも可能である。
(第3実施形態)
図8には、立設した柱体3(仮杭)に反力をとり、斜張式設備を利用して桟橋パネル1(梁構造)を設計位置に保持する実施形態が記載されている。
図8に示す実施形態では、柱体3の頭部が桟橋パネル1の上から突き出るように該柱体を立設し、その柱体3の上端側と桟橋パネル1とを、チェーンブロック61などの牽引手段で斜張式に連結している。チェーンブロック61が桟橋パネルを吊り上げるための反力は、立設済みの柱体3に確保されている。したがって図8に示す実施形態では、チェーンブロック61,61を締め上げることで、桟橋構築途中部分における桟橋パネル1の撓みを抑制し、該桟橋パネルの全体を(支持杭4の打設が完了するまで)所望の設計位置に保持することができる。
(第4実施形態)
図9には、立設した柱体3(仮杭)に反力をとり、反力アーム設備を利用して桟橋パネル1(梁構造)を設計位置に保持する実施形態が記載されている。
図9に示す実施形態では、桟橋構築済み部分から反力アーム5が張り出している。この反力アーム5は、桟橋パネル1の上方において、略並行に張り出している。反力アーム5の張り出し部分における荷重は、立設された柱体3によって部分的に支えられている。そして、張り出した反力アーム5の先端側と、片持ち状態の桟橋パネル1とは、チェーンブロック61などの牽引手段によって連結されている。チェーンブロック61が桟橋パネル1を吊り上げるための反力は、柱体3に確保されている。したがって図9に示す実施形態では、チェーンブロック61を締め上げることで、桟橋構築途中部分における桟橋パネル1の撓みを抑制し、該桟橋パネルの全体を(支持杭4の打設が完了するまで)所望の設計位置に保持することができる。
(第5実施形態)
図10には、立設した柱体3に対して相対的に昇降可能な昇降装置63を利用して、桟橋パネル1を設計位置に保持する実施形態が記載されている。
昇降装置63は、ガイド手段2の上に固定されている。すなわち、昇降装置63は、ガイド手段2を介して桟橋パネル1に固定されている。この昇降装置63は、柱体3に設けた歯型状(ラック状)に設けた凸状部(あるいは凹上部)に対するギヤなどの係合手段、あるいは嵌合手段や、ジャッキなどの柱体3に対する圧着手段など多様な昇降手段を具備することができ、立設した柱体3に対して相対的に昇降可能に構成されている。したがって、このような昇降装置を利用することで、該昇降装置と一体の桟橋パネル1を設計位置に保持することが可能になる。また、片持ち状態で張り出した桟橋パネル1の撓みを抑制し、その高さ位置を微調整することが可能になる。
(その他)
上述した実施形態は特許請求の範囲に記載した橋梁構築方法、柱体、ガイド手段の例示であって、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
また、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態で例示した桟橋施工に限定されるものではなく、桟橋のほか、仮桟橋、工事用道路、作業構台、災害復旧時の応急橋、人工地盤、その他の橋の様な構造物の構築方法が広く含まれる。
1 桟橋パネル(桟橋の梁構造)
1’ 既設の桟橋パネル(桟橋の梁構造)
2 ガイド手段(ガイド装置/ガイドリング/荷重伝達手段)
3 柱体(仮杭)
4 支持杭(本杭/橋脚/管状杭)
4’ 既打設の支持杭(本杭/橋脚/管状杭)
5 反力アーム
11 メインフレーム(梁)
12 横桁(梁)
13 杭ガイド管(杭頭固定管)
15 連結部
16 主桁
21 本体
23 ガイド管
25 締結具(挟締具)
41 補強材
42 ワイヤ
43 反力ポール
50 桟橋パネル
50’ 桟橋パネル
51 メインフレーム
52 横桁
53 杭頭固定管(杭ガイド管)
55 連結部
61 チェーンブロック(牽引手段)
63 昇降装置
90 削孔装置(打設装置/施工機材)
91 回転駆動装置
92 排土キャップ
93 ドリルロッド
94 ダウンザホールハンマ
95 ハンマービット
96 飛散防止カバー

Claims (8)

  1. 構築する橋梁の一支間長分の長さごとに、はじめに、片持ち状に張り出すように梁構造を設置し、その後に、片持ち状に張り出した梁構造を利用して橋梁の支持杭を打設する架設方法において、
    片持ち状に張り出した梁構造の中間部を支持するための柱体を、前記梁構造に対して固定可能および/または一体的に構成されたガイド手段でガイドして立設することによって、該梁構造を一時的に支持し、
    前記柱体によって一時的に支持された梁構造の上にクレーンを前進させて、該クレーンによって支持杭を前記梁構造でガイドしながら打設し、該支持杭によって梁構造が支持された状態で前記柱体を撤去する、ことを特徴とする橋梁構築方法。
  2. 前記柱体により、
    (1)前記梁構造とともに
    (2)橋梁の構築または撤去に用いる施工機械を
    一時的に支持する、ことを特徴とする請求項1に記載の橋梁構築方法。
  3. 前記柱体が支持杭からなる、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の橋梁構築方法。
  4. 立設した前記柱体に反力をとって前記梁構造を設計位置に保持する、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の橋梁構築方法。
  5. 立設した前記柱体に対して相対的に昇降可能な昇降装置を利用して、前記梁構造を設計位置に保持する、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の橋梁構築方法。
  6. 請求項1乃至5の何れかに記載の橋梁構築方法で用いる柱体であって、
    下端部が板状に拡がり鉛直方向の荷重を地盤に伝達する、ことを特徴とする柱体。
  7. 請求項1乃至5の何れかに記載の橋梁構築方法で用いるガイド手段であって、
    片持ち状に張り出した梁構造の中間部を支持するための柱体を立設する際に、該柱体を位置決めするために用いられ、前記梁構造に対して固定可能および/または一体的に構成されたガイド手段。
  8. 柱体を挿通自在な開口部を有する請求項7に記載のガイド手段。
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