JP6387321B2 - 橋梁の構築方法 - Google Patents
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Description
これらの工法は山間部での道路建設や海岸等での桟橋の施工を対象として、手延べ工法によって橋梁を構築していた。
本発明によれば、既設の支柱に設けた主桁及び床版の前方に移動式架設桁を張り出し、この移動式架設桁に沿って新たな主桁及び床版を張り出して連結して片持ち梁構造にし、新たな床版を作業床として杭打機を配置させて回転杭を地中に打設して張り出した主桁と一体化するものとし、この作業を繰り返すことで騒音や振動を低減させて橋梁を構築できる。
回転杭を回転して打設する際に杭打機に働く回転反力によって張り出した床版と主桁に作用するねじれ変形の力を、片持ち梁構造の両側に設けた移動式架設桁によって受けて抑えることができる。
移動式架設桁によって既に設置した複数の支柱に押し込み力と引き抜き力が作用するが、これらの支柱をなす回転杭に設けた羽根によって受けることができる。
横桁のさや管に予め回転杭を嵌挿して仮固定しておき、横桁を移動式架設桁の前側に設置して杭打機で回転杭を打設することでラーメン構造を成立させて、精度よく地中に打設することができる。
(1)移動式架設桁に横桁を取り付ける工程と、横桁に新たな主桁及び床版を張り出して連結する工程とによって施工するか、または
(2)新たな主桁及び床版を張り出して設置する工程と、移動式架設桁と新たな主桁に横桁を取り付ける工程とによって施工するようにしてもよい。
移動式架設桁に横桁を仮固定した後で、新たな主桁及び床版を張り出して横桁に連結することで、片持ち梁構造を構築できる。
或いは、新たな主桁及び床版を張り出して設置した後で、移動式架設桁と新たな主桁に横桁を取り付けることで、片持ち梁構造を構築してもよい。
図1は本発明の実施形態によるパイルベント(杭橋脚)式橋梁1の構築方法における回転杭2の打設工程を示すものである。図1に示す橋梁の構築途中の構造は、地中の硬質の地盤に所定間隔に打設された回転杭2からなる鋼管杭2A(支柱)の上部にPC床版等の床版3が設置されている。床版3は間隔を開けて配設された一対の横桁4の間で長手方向に延びる縦桁である複数本の主桁5の上部に固定されている。主桁5と床版3は上部工として予め工場等で製造され、一体化されている。図1では主桁5と床版3を一体化した上部工は例えばトラックで運搬されてクローラクレーン9で吊り込む準備がされている。
先端側の鋼管杭2Aの前方には所定間隔に配列した主桁5が張り出し、その上部に床版3が配置されて片持ち支持されており、その両側部には移動式架設トラス桁7がねじ等で取り外し可能に鋼管杭2Aに連結されている。なお、先端側の鋼管杭2Aの前方に手延べした片持ち支持部分の移動式架設トラス桁7、横桁4、主桁5及び床版3を片持ち梁構造8というものとする。
また、図2に示す片持ち梁構造8における新たな床版3aの前端には横桁4が主桁5aと移動式架設トラス桁7に連結されている。移動式架設トラス桁7は、図2に示すように、床版3aの両側部に一対のトラス桁12が長手方向に沿って配設され、これらのトラス桁12は支保工13やタイロッド14によって互いに連結されている。トラス桁12には、主桁5の下側に位置する主桁取り付け足場12aを設けている。
まず、図1及び図5において、施工途中の橋梁1において既に設置された前端の鋼管杭2Aに横桁4が支持され、横桁4に床版3を設置した主桁5が連結されている。鋼管杭2Aで支持された主桁5上の床版3の先端部分にクローラクレーン9を設置する。そして、移動式架設トラス桁7をクローラクレーン9で吊り上げて前方に移動させてその後部を既に構築が完了した鋼管杭2A(支柱)、主桁5または横桁4に連結する。或いは、移動式架設トラス桁7を吊り上げて移動することに代えてスライド移動によって前方に移動させてもよい。これによって移動式架設トラス桁7の先端側が既設の床版3の前方に張りだして片持ち支持される。
この状態で、図8に示すように、張り出し支持された主桁5a上の床版3aの先端側に小型の杭打機10を移動させ、この床版3aを杭打機10の作業床とする。そして、片持ち支持された移動式架設トラス桁7の先端側の横桁4のさや管15内に仮固定された回転杭2を、小型の杭打機10で回転させながら地中に押し込むことで回転圧入して打設する。回転杭2の先端には例えば螺旋状に羽根17が形成されているため、羽根17の推進力で回転杭2が回転しながら地中に貫入される。なお、図4に示す例では、横桁4に回転杭2とさや管15は2列で6基設置されているが、回転杭2とさや管15の数や列は任意であり、例えば一列に配設してもよい。
なお、一般に橋梁1に用いる回転杭2は比較的杭径が大きく、回転圧入するために大きな回転力を要するため、クローラクレーン9等のクレーンを使用したフライング方式では回転施工できない。そのため、回転杭2の打設位置の近くに杭打機10を設置する必要がある。本実施形態では、片持ち支持された移動式架設トラス桁7と横桁4と上部工の主桁5aを結合することによって、杭打機10の重量、回転杭2の回転トルクの反力に抵抗できる。
これらの場合でも、各鋼管杭2Aである回転杭2の下端部には先端に拡径された羽根17が固定されているために、鋼管杭2Aの押し込み応力FAと引き抜き応力FBの両方に抵抗できる。そのため、回転杭2の羽根17は押し込み応力FAと引き抜き応力FBの反力として利用するのに合理的である。
また、回転杭2の地中への回転圧入時に大きな回転反力が発生して杭打機10を介して片持ち梁構造8の床版3a及び主桁5aに捩じり変形の力が伝達されるが、移動式架設トラス桁7によって捩じり変形に抵抗して抑えることができる。
また、本実施形態では、予め工場等で、横桁4にさや管15を取り付けて各さや管15内に回転杭2を嵌挿して仮固定したものを橋梁1の構築現場で杭打機10によって回転圧入するようにしたため、回転杭2の施工精度が高い。
例えば、移動式架設トラス桁7を片持ち梁状に取り付けた後、新たな床版3aを敷き並べた主桁5aを取り付けて、横桁4を移動式架設トラス桁7と主桁5aに固定して、回転杭2の打設を行うようにしてもよい。或いは、移動式架設トラス桁7を片持ち梁状に取り付けた後、床版3aを備えた主桁5aを取り付け、次いで横桁4を主桁5aとトラス桁12に取り付けて回転杭2の打設を行ってもよい。
なお、上述した実施形態では、回転杭2の下端に羽根17を設けて押し込み力FAと引き抜き力FBに抵抗するようにしたが、必ずしも回転杭2に羽根17を設けなくてもよい。この場合、回転杭2の長さをより長くして回転杭2の地中への打設深さをより深くするか、或いは回転杭2の杭径をより大きく設定すればよい。
なお、本発明による橋梁1の構築方法は回転杭2を杭打機10によって地中に回転圧入するため低騒音、低振動であるため、町中や市街地等での橋梁1の構築方法に好適であるが、上述した従来の技術で示すように山間地や海岸等での橋梁1の構築方法にも採用できることはいうまでもない。
2 回転杭
2A 鋼管杭
3 床版
3a 新たな床版
5 主桁
5a 新たな主桁
4 横桁
7 移動式架設トラス桁
8 片持ち梁構造
9 クローラクレーン
10 杭打機
12 トラス桁
15 さや管
Claims (5)
- 既に設置した支柱と主桁と床版の前方に移動式架設桁を張り出す工程と、
前記移動式架設桁に沿って新たな主桁と床版を張り出して配置して片持ち梁構造にする工程と、
前記新たな床版上に杭打機を配置して前記張り出した主桁の前側で回転杭を打設して支柱として一体化する工程とを備え、
前記各工程を繰り返して橋梁を構築するようにしたことを特徴とする橋梁の構築方法。 - 前記回転杭を回転して打設する杭打機に働く回転の反力を、張り出した前記移動式架設桁によって抑えるようにした請求項1に記載された橋梁の構築方法。
- 前記移動式架設桁によって先に設置した前記支柱に作用する押し込み力と引き抜き力を、先に設置した前記支柱に設けた羽根によって受けるようにした請求項1または2に記載された橋梁の構築方法。
- 前記片持ち梁構造における前記張り出した移動式架設桁の前側に横桁を設置し、前記横桁は予め配列したさや管内に前記回転杭を仮固定している請求項1から3のいずれか1項に記載された橋梁の構築方法。
- 前記片持ち梁構造を構築する工程は、
(1)前記移動式架設桁に前記横桁を取り付ける工程と、前記横桁に新たな主桁及び床版を張り出して連結する工程とによって施工するか、または
(2)前記新たな主桁及び床版を張り出して設置する工程と、前記移動式架設桁と前記新たな主桁に前記横桁を取り付ける工程とによって施工するようにした請求項4に記載された橋梁の構築方法。
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