JP6416474B2 - 構造物の構築方法および支持装置 - Google Patents

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Description

本発明は、構築途中にある施工部材を支えるための支持装置と、これを用いて構造物を構築する方法に関するものである。ここでいう構造物とは、例えば構築済み部分を足場に利用して側方に拡張しながら構築する構造物など(例えば橋梁、桟橋、人工地盤など)が挙げられる。支持装置で支える施工部材には、構造物の一部分を構成する材料のほか、前記の構造物に沿って任意の離隔を有する位置に設置される目的構造物(抑止杭、土留め杭、鋼管矢板壁、鋼殻構造等)およびそれらの構造物の構築作業に用いられる器具、機材、導材、型枠、道具その他のものが含まれる。
(構築済み部分を足場に利用して拡張しながら構築する構造物の具体例)
図14〜図17に基づいて、現在、急速施工で広く利用されている従来の桟橋施工について説明する。
図14は、従来の桟橋施工を示す斜視図であって、桟橋パネル71をクレーンで目的位置(構築済み部分に対する連結位置)に運搬して吊り降ろしている様子を示している。
図15は、図14の後工程を示す斜視図であって、延設した桟橋パネル71をガイドに利用し、支持杭73を地盤に打設している様子を示している。
図16は、図14及び図15に示す桟橋工で用いる桟橋パネル71を示す平面図である。
図17は、削孔装置90を利用して支持杭73を打設している様子を示している。
特許文献1に開示された桟橋施工では、はじめに図14に示すように、桟橋構築済み部分からなる足場上に移動式クレーンを用意し、該クレーンで桟橋パネル71を吊り込んで、延設地点(桟橋構築済み部分の先端位置)へ運搬する。この桟橋パネル71は、桟橋完成後に上部構造の一部として機能し得る「上部構造構成部材(施工部材)」であると同時に、図15に示すように支持杭の打設時においておよび構造物の位置決め部材たる「導材(杭ガイド手段)」として機能する部材である。図16に桟橋パネル71の平面図を示す。
桟橋パネル71は、図16の平面図に示すように、主として、メインフレーム51と、該メインフレームに連結された横桁52とで構成されている。メインフレーム51は、主桁・横桁としての機能を具備するフレーム状部材である。横桁52は、打設時に支持杭を地盤へガイドする筒状の杭頭固定管53(杭ガイド管)と、次段のメインフレームに対して連結される連結部材55を有している。筒状の杭頭固定管53は、支持杭35を挿通させるための挿通孔(ガイドホール)を有している。
続いて、図14に示すようにクレーンで運搬してきた桟橋パネル71を、桟橋構築済み部分の先端側の既設桁(既設桟橋パネル71’)に対し連結して、図15に示すように、桟橋構築済み部分から張り出すように取り付ける。なお、既設桟橋パネル71’は、延設した桟橋パネル71と同様に構成されている。
図15に示す状態において、桟橋構築済み部分から張り出すように延設された桟橋パネル71は、ワイヤ42を介して丈の長い反力ポール43の上端部に連結されている。この反力ポール43は、桟橋構築済み部分の先端側において、既設桟橋パネル71’に上に直立状態で固定されており、更に後方で斜め方向に張設した補強材41によって反力の補強が図られている。
延設した桟橋パネルを、図15に示すようにワイヤ42を介して反力ポール43に連結することで、該桟橋パネルの荷重が桟橋構築済み部分側に預けられる。したがって、反力ポール43やワイヤ42を用いて桟橋構築済み部分側から桟橋パネル71を斜張式に吊り込むことで、それ以降、図14に示すようなクレーンによる吊り込みが不要となって、図15に示すように当該クレーンを杭打設に利用することが可能になる。
そして前述したとおり、立設した丈の長い反力ポール43により桟橋パネル71を斜め方向から吊った状態が確保されたら、次に図15に示すように、橋脚を成す管状の支持杭73を、延設した桟橋パネル71でガイドしながら、打設予定位置の地盤上にセットする。このとき、削孔装置90のドリルロッドは、支持杭73の内空部を貫いており、更に、支持杭73の先端からはドリルロッドの先端ビット(ハンマービット)が突き出ている。
続いて、削孔装置90で対象地盤を回転掘削しつつ同時に打撃力で支持杭73の打ち込みを行い、次いで、打設した支持杭73の頭部を桟橋パネル71に固定して、支持杭73の頭部と桟橋パネル71の両者を一体化させる。
図示する例では、1つの桟橋パネル71を延設する毎に3本の支持杭を横並びに打設して、これらの杭頭部を延設した桟橋パネル71の先端側に固定して一体化させる。このように、打設した支持杭73の頭部に桟橋パネル71を固定することで、桟橋パネル71の荷重が支持杭73によって支えられる。これらの工程を経て、1支間長分(桟橋パネル1枚分)の上部構造及び下部構造の拡張作業が完了する。
なお、打設した支持杭73と桟橋パネル71を一体化させたら、この新設桟橋パネル71からワイヤ42を切り離し、更に反力ポール43と補強材41を既設桟橋パネル71’から取り外す。そして、取り外した反力ポール43と補強材41は、今回新設した桟橋パネル71に取り付けて、次回延設する桟橋パネルを斜めに吊るための支持部材として利用する。
そして、上述した工程を繰り返して、支持杭で支持される桟橋パネルを拡張方向に延設し続けることにより桟橋全体を完成させる。
特許第3211673号公報
上述した桟橋工では、延設した上部構造構成部材である桟橋パネル(導材)を、桟橋構築済み部分側に立設した反力ポールを利用してワイヤで斜めに吊ることで、該桟橋パネルを一時的に安定的に支持するようにしている。しかしながら上述した従来技術において、桟橋パネルを支えるための反力ポール、補強材、ワイヤなどが、クレーンの上部旋回体の旋回動作を妨げていたため、反力ポール等が設置された付近ではクレーンの動作が制限されるといった問題が生じていた。
したがって、図14や図15に示すクレーンに旋回作業が必要なときには、例えば上部旋回体の旋回動作を妨げない後方位置まで後退してからクレーンを旋回させる必要があり、そのため、クレーンの後退などに手間や時間がかかり更に急速施工の妨げになっていた。
また、上記のようにクレーンを後退させて作業を進める場合には、桟橋パネルの延設地点からクレーンが遠ざかるため、クレーンの定格荷重がより一層制限され、図14に示すような桟橋パネルの連結作業などの妨げとなる虞があった。また、吊荷の荷重と吊り込み地点までの距離によっては、安全に作業を行うために部材を小分割するなどして更に急速性が妨げられる虞があった。さらに、作業が細分化されることで工程が複雑になり安全性の確保が難しくなる虞があった。
なお、このような問題は必ずしも桟橋工に限った問題ではなく、構築済み部分を足場に利用して拡張を続けることで構造物を構築する方法(例えば桟橋工のほか、橋梁や人工地盤などの構築工事)においてクレーンを利用する場合においても、上記と同様の問題が生じていた。
そこで、上述した問題点に鑑み、本発明の目的は、構築済み部分を足場に利用して拡張を続けて構造物を構築する工事において、クレーンの旋回動作を妨げることがなく、且つ、構築途中にある施工部材(例えば上部構造や下部構造、またはそれに付随する部材、その他構造物の構築に必要な器具や部材など)を安定的に支持でき、構築作業の安全性を損ねることなく作業効率を改善できる装置および方法を提供することにある。
上記目的は、構築済み部分を利用して構造物を構築する方法であって、構築済み部分の拡張方向に施工部材を配置する工程と、前記施工部材を支持可能な略梁状の支持装置を、前記構築済み部分から拡張方向に張り出すように設置する工程と、を含み、張り出した前記支持装置で前記施工部材を支えることを特徴とする構造物の構築方法によって達成される。
また上記目的は、構築済み部分を利用して構造物を構築する工事において用いる装置であって、構造物の構築済み部分に固定され、構造物の構築済み部分から拡張方向に張り出して構築途中部分にある施工部材を支えるように構成された支持装置によって達成される。
また上記目的は、構築済み部分を利用して構造物を構築する工事において用いる装置であって、構造物の構築済み部分から拡張方向に張り出して構築途中部分にある施工部材を支える支持部と、構造物の構築済み部分に固定され前記支持部のための反力を確保する反力確保部と、を有する支持装置によって達成される。
上記支持装置において、前記反力確保部は、例えば略梁状に構成され、構造物の構築済み部分に横向きに固定される。
また上記支持装置において、前記支持部は、例えば構築途中部分にある施工部材の上方に張り出して、当該施工部材に上向きの引っ張り力を与えて支える、ように構成されている。
また上記支持装置において、前記支持部は、構築途中部分にある施工部材を吊り上げるための吊設手段を具備していることが好ましい。
また上記支持装置は、前記吊設手段を引張るための引張り手段を有していることが好ましい。
また上記支持装置において、略梁状の前記支持部は、前記施工部材を持ち上げるようにして支えるための持ち上げ手段を有していることが好ましい。
また上記支持装置において、前記支持部は、例えば、張り出し方向と反張り出し方向に動かすことができるように構成されていてもよい。
従来技術では、構築済み部分に立設された反力ポールが、ワイヤなどを介して、未完成部分である拡張領域にある施工部材(従来技術の場合では「連結された桟橋パネル」)を支える構成になっていた。そのため、丈の長いの反力ポールを構築済み部分に立設してその先端部からワイヤを斜め下方向に繰り出し、構築途中部分にある施工部材を斜張式に支えて目的位置に保持する必要があった。ところが、この丈の長いの反力ポールなどの上空に張り出した吊り込み部材が、クレーンの旋回動作などを妨げて構築作業の遅延を招くなど、様々な問題を招いていた。
これに対し本発明では、支持装置が、構造物の構築済み部分から拡張方向に張り出して、該支持装置が構築途中部分の施工部材を持ち上げるようにして(或いは引張り上げるようにして)支えるようになっている。このように、支持装置が構築済み部分側に固定され、且つ、拡張方向に張り出すことで、拡張領域にある施工部材を支える目的で「反力ポール」などの斜張用の丈の長い部材を立設する必要がなくなる。
したがって、本発明の支持装置を利用することで、クレーンの旋回動作などを妨げることが無くなり、桟橋などの各種構造物の構築・拡張を円滑に進めることができるようになる。
また本発明では、反力確保部は略梁状に構成され、構造物の構築済み部分に横向きに固定される構成となっている。このように、構築済み部分側に固定される部分を略梁状に構成し、且つ、構築済み部分に横向きに固定することで、クレーンの旋回動作などを妨げることが無くなる。また、構築済み部分側に固定される部分を略梁状に構成することで、該支持装置の片持ち式の梁としてそこから張り出す部分(支持部)を安定的に保持することが可能になる。
また本発明では、支持装置の一部分である支持部は、例えば構築途中部分にある施工部材の上方に張り出して、当該施工部材に上向きの引っ張り力(持ち上げる作用)を与えて支えるように構成されている。これにより、支持部の下側にある施工部材を目的位置に保持できるようになる。また、構築途中部分における杭打設などに起因して、施工部材が振動を受ける場合でも、上向きの引っ張り力(持ち上げ力)を与えて支えることで、支える施工部材の姿勢を安定させ、揺れを抑えることができる。これにより例えば、支えている施工部材のガイドに利用して杭を打設する場合には、打設する杭の直進性が確保され、精度良く支持杭を打設することが可能になる。
また本発明では、支持装置の一部分である支持部は、構築途中部分の施工部材を吊り上げるための吊設手段(例えばワイヤ)を具備しており、支持部は離れた上方から施工部材を引張り上げる(持ち上げる)ようになっている。このようにワイヤなどの吊設手段を介して施工部材を上に引張り上げることで、仮に張り出した支持部そのものに撓みが生じたときでも、施工部材が支持部と一体となって撓むのを防止でき、当該施工部材の姿勢を設計通りの位置に保持できる。
また本発明では、支持装置には、上記吊設手段を引張るための引張り手段を有している。これにより、支えている施工部材の位置や勾配を微調整したり撓みを補正することが可能になるので、定められた目的位置に施工部材をセットすることができる。
また本発明では、前記略梁状に構成され片持ち状に張り出している支持装置は、伸縮機構を具備する伸縮シリンダなどの持ち上げ手段を介して施工部材を支持するように構成されている。これにより、油圧式の伸縮シリンダの伸縮動作等を通じて施工部材の目的位置を確保することが可能となる。
また本発明において、支持装置の支持部は、張り出し方向と反張り出し方向に動かすことができるように構成されている。これにより、例えば、張り出していた支持部を構築済み部分側に収納したり折り畳んだり、あるいは引っ込めたりすることが可能になるので、施工の進行状況に応じて、拡張方向(構築途中部分側)における作業の自由度を確保できるようになる。
また本発明では、上記支持装置を、クレーンを利用する構造物構築方法において応用するようになっている。このような支持装置を利用した構造物構築方法であれば、クレーンの旋回動作が妨げられることが無く、また、拡張側にある構築途中の施工部材を安定的に保持できるようになるので、安定性・安全性が確保された状況で効率的に構築作業を進めることができる。
第1実施形態の支持装置と、これを利用した構造物構築方法の一例(桟橋工)を示す側面図である。 第1実施形態の支持装置を利用した構造物構築方法の一例(桟橋工)を示す工程図である。 図2(a)-(c)に対応する概略平面図である。 第2実施形態の支持装置を示す側面図である。 第3実施形態の支持装置を示す側面図である。 第3実施形態の支持装置の変形例を示す側面図である。 第4実施形態の支持装置を示す側面図である。 第4実施形態の支持装置の変形例を示す側面図である。 第5実施形態の支持装置を示す側面図である。 第5実施形態の支持装置の変形例を示す側面図である。 第6実施形態の支持装置を示す側面図である。 第7実施形態の支持装置を示す側面図である。 第8実施形態の支持装置を示す側面図である。 従来の桟橋施工を示す斜視図であって、桟橋パネルをクレーンで目的位置(延設予定位置)に運搬して吊り降ろしている様子を示している。 図14の後工程を示す斜視図であって、延設した桟橋パネルを杭ガイドに利用し、支持杭を打設している様子を示している。 図14及び図15に示すような構造物構築方法で用いる桟橋パネル(導材)を示す平面図である。 削孔装置を利用して支持杭を打設している様子を示している。
本発明に係る支持装置は、構築済み部分を足場に利用して、その隣接部に拡張工事を続けて構造物を構築する方法において用いる装置である。
はじめに、図1に基づいて、支持装置の構成と機能の概略について説明する。
図1に示す「構築済み部分21」は、図14及び図15の桟橋構築済み部分と同様の構成を有している。また、図1に示す「拡張領域22(構築途中部分)」は、図14及び図15の構築途中領域と同様に、現在構築途中(拡張段階)にある領域を示している。
なお、本発明および本実施形態において「構築済み部分」とは、少なくとも支持装置の固定に利用できる程度に構築が完了した部分を含む趣旨であり、必ずしも当該部分に関して予定されるすべての作業が完了している必要はなく、また、本発明を実施する施工場所に隣接していて(本発明の実施に)利用可能な既設構造物であってもよい。
つまり「構築済み部分」とは、
・支持装置その他の施工用機械などを置ける又は固定できる程度に強度とスペースを有し、構築が完了した状態の構造物のことであり、
・具体的には、護岸、ダム堤体、橋梁、人工地盤などの恒久構造物、また土留め壁、止水矢板壁、桟橋などの仮設構造物等の部分を広く含み、
・それらの構造物が、本発明の実施により構築される構造物自体であって且つその施工が完了した部分は勿論のこと、本発明を実施する施工場所の近傍に隣接して存在していて本発明の実施に利用できる構造物の一部分(または全部)も含んでいる。
なお、本発明がその実施に際して上記のような様々な「構築済み部分」を用いるのは、起伏の激しい国土に構築された道路・鉄道・橋梁・ダムといった社会資本において様々な構造物が老朽化しその維持・補修や更新が喫緊の課題であり、また地震や津波、異常多雨といった地象・気象現象に対応する補強や機能追加が必要となっており、更に産業構造の転換と経済活動の活性化のため建造物が密集する都市部において各種設備・施設の更新が急ピッチで進められている等々の現在のわが国の建設業の多様な状況下において、既設構造物の近傍が施工場所となることが極めて多く、それらの現場ではスペース上、コスト上、工程上の制約から、従来の方法では中空の目的位置に施工部材を一時的に固定することが困難となっているためである。
また、本発明および本実施形態において「構築途中部分」又は「拡張領域」とは、上記構築済み部分を足場などに利用して拡張工事を進めている部分又は当該拡張工事を行う領域を含む趣旨である。
したがって、以下説明する実施形態では、「構築済み部分を足場に利用して側方に拡張工事を続けて構造物を構築する方法」の具体例として桟橋工を挙げて説明するが、本発明を適用可能な方法はかかる桟橋工に限定されるものではなく、桟橋以外の他の構造物(例えば橋梁や、営業路線を跨ぎ杭打ち等を行う人工地盤や作業構台など)の構築や、重機足場からの離隔がある災害復旧現場における土留め杭、抑止杭施工、ダムの機能追加工事における鋼管矢板壁等の種々の追加構造物の構築作業等々にも広く適用可能である。
すなわち、本発明は、構築済み部分から中空に施工部材(たとえば杭打ち用の導材や橋梁構造の上部工)を張り出し保持、固定しながら、その施工部材を利用して、次の工程(たとえば杭打ちや支柱の立設、下部・基礎構造のコンクリート打設、硬化養生など)を行う工事に広く用いられるものである。
(支持装置の第1実施形態)
本実施形態における支持装置1は、図1に示すように、主として、
桟橋構築済み部分21の上部構造(既設桟橋パネル31’)に固定される横向き略梁状の反力確保部2と、
桟橋の拡張領域22(新たに拡張すべく構築途中段階にある領域)に張り出すように位置決めされる横向き略梁状の支持部3と、
桟橋の拡張領域22に配置された構造物(この場合は支持杭)の位置決め部材の役割を果たす導材31と支持部3とを連結するワイヤ4(吊設手段)と、で構成されている。
なお、本実施形態において導材31は、位置決め・ガイド手段であると同時に上部構造構成部材(施工部材)であるが、たとえば目的の構造物が長支間の橋梁構造であり重量物を積載するため上部構造構成部材の重量が大きくなりすぎる場合は、導材31は先行して杭打設のみを行う導材の目的に特化して重量を抑え、その結果支持部3を施工性、経済性、安全性等を考慮して小さい部材(したがって軽量)にすることもできる。以降、導材であると同時に上部構造構成部材(施工部材)として機能する部材31を、導材31と省略して記す。
反力確保部2は、支持装置1の本体部である。この反力確保部2は、図1に示すとおり、桟橋構築済み部分21に固定され、拡張領域22に張り出した支持部3のための反力を確保する役割を担っている。この反力確保部2は略梁状に構成され、桟橋構築済み部分21において横向きに固定される。このように桟橋構築済み部分21に横向き固定された状態において、反力確保部2は、移動式クレーン20の上部旋回体に干渉しない高さ範囲に収まった状態で固定されている。
支持部3は、構築途中領域21にある導材31(桟橋パネル/上部構造構成部材/施工部材)の上方に張り出して、当該導材31に上向きの引っ張り力を与えて支える役割(持ち上げるようにして支える役割)を担っている。この支持部3は略梁状に構成され、基端側が上記反力確保部2によって片持ち状に保持される。支持部3の先端側には、拡張領域22に張り出した導材31を吊り込むためのワイヤ4(吊設手段)が取り付けられている。
このように桟橋構築済み部分21の側で片持ち状に保持された支持部3は、構築済み部分にある移動式クレーン20の上部旋回体に干渉しない高さ範囲で張り出している。張り出した支持部3は、その下方に延設された導材31の上方に位置している。なお、本実施形態では、導材31の上方に支持部3が張り出す態様を採用しているが、導材31の下方に支持部3が張り出すように支持装置1を固定してもよい。
また本実施形態において、この支持部3は、張り出し方向と反張り出し方向にスライド動作可能に、すなわち出し入れ動作可能な状態で、反力確保部2により片持ち式に保持されている。したがって、本実施形態において、支持装置3は全体として長手方向において伸縮自在に構成されており、必要に応じて支持部3を出し入れすることができる。
なお、本実施形態で例示する桟橋工では、上記構成のビーム状の支持装置1が2セット用意され、図3(a)に示すように、構築済み部分21の両側に配置し、既設桟橋パネル31’上に横向きに固定される。図1に示す例では、クレーン20の片側に配置・固定されたビーム状の支持装置1を示している。
(支持装置を用いた構造物の構築方法)
次に、上述した支持装置の具体的適用事例として桟橋工を挙げて、図1〜図3に基づいて構造物構築方法の具体的手順について説明する。図2は、図1に示す支持装置を利用した構造物構築方法の一例(桟橋工)を示す工程図である。図3(a)-(c)はそれぞれ、図2(a)-(c)に対応する平面図である。
なお、桟橋工を引用する本実施形態はあくまでも一例であって、本発明の適用対象は桟橋工に限定されるものではなく、「構築済み部分を足場に利用して拡張を続けて構造物を構築する工事」において広く適用可能であることに留意されたい。
1.工程a(支持装置を構築済み部分に固定する工程)
図2(a)に示す桟橋構築済み部分21は、主として、上部構造(既設桟橋パネル31’)とそれを支える下部構造(既設支持杭35’)とで構成されている。この構築済み部分21は、図14及び図15に示す従来技術と同様に、完成予定の桟橋全体の一部分の構造物であるが、構築済みの当該部分(図2(a)に示す構造物部分21)だけであっても、上部構造と下部構造を具備する構台として機能する。したがって、桟橋構築済み部分21は機械足場として利用可能であり、各種施工用機材やクレーンなどの重機をその上に搬入することが可能である。
このような上部構造と下部構造からなる桟橋構築済み部分21が出来上がったら、この構築済み部分21の上部構造の上に、前述したビーム状の支持装置1(2セット)を図2(a)及び図3(a)に示すように固定する。なお、図2(a)に示す支持装置1は、図示しない後方の構築済み部分に位置するクレーンを利用して、既設桟橋パネル31’上に吊り下ろされている。
桟橋構築済み部分21において支持装置1を固定する箇所や方法は特に限定されないが、例えば、既設桟橋パネル31’の杭頭固定管53に対して、支持装置の反力確保部2をボルト締結する。なお、構造物構築済み部分21の上部構造の一部をなす既設桟橋パネ3ル1’は、従来技術の説明で引用した図16に示す桟橋パネル71や既設桟橋パネル71’と同様の構成を有している。
なお、工程aにおいて、構築済み部分たる桟橋構築済み部分21が存在しない施工基点部においては、反力確保部を固定可能な護岸などの既設構造物が構築済み部分として代替できるのは勿論、人工の既設構造物の無い地盤上が基点になる場合においても、反力確保部を固定するために地盤上に打設される仮杭やアンカー、設置されるカウンターウエイト等の設備が構築済み部分を構成することができる。
2.工程b(構造物構築済み部分から張り出すように導材を連結する工程)
次に、図2(b)や図3(b)に示すように構築済み部分21(機械足場)に移動式クレーン20を用意し、これを利用して、予め地組みしておいた導材31を、該構築済み部分21の前方または側方(すなわち桟橋の拡張方向の前方)に吊り下ろす。なお、この導材31は、支持杭打設時には杭ガイドとして機能し、支持杭の打設完了後には、上部構造構成部材(すなわち上部構造の一部である桟橋パネル)として機能する。
次に、桟橋構築済み部分21の前方や側方に吊り降ろした導材31を、構築済み部分21から張り出した状態で位置決めして、構築済み部分の既設桟橋パネル31’の先端側にボルト等で連結する。これにより、図2(b)及び図3(b)に示すように、導材31が構築済み部分21から張り出して延設された状態が確保される。
なお、構造物構築済み部分21の既設桟橋パネル31’は、既打設の支持杭35’の打設時に導材(ガイド手段)として機能していた部材であって、図示する状態では上部構造の一部として機能している。既設桟橋パネル31’と導材31は、同様の構成を有している。
以上の手順を経て、支持杭打設対象の地盤の上方に導材が延設状態で新たに配置され、その杭頭固定管53が打設位置の真上に位置する状態が確保される。この状態では、設置された導材位置と打設対象地盤との間には、離隔(高低差)が生じている。
なお、この工程では、導材31は桟橋構築済み部分21から張り出すように連結されているが、該導材31はクレーン20から繰り出されたワイヤ25により目的位置に保持されている。つまり、この段階では、導材31は構築済み部分21によって保持されている段階には至っていないので、クレーン20によってその荷重が支えられている。
3.工程c(構造物構築済み部分に固定した支持装置で導材を支える工程)
前記工程で構築済み部分21から張り出すように連結した導材31は、桟橋構築後には上部構造の一部として機能するものであるが、支持杭の打設工程では「支持杭ガイド手段」兼「作業足場」として機能するものである。一方、支持杭の打設に必要なクレーンは、図2(b)に示すとおり現状では導材31の吊設に供されているので、このままでは杭打設のために当該クレーンを利用することができない。
そこで本工程では、後工程でクレーン20を利用して支持杭の打設ができるように、導材31を支えるための手段を、構築済み部分上のクレーン20から、横向きに固定し張り出した支持装置1に吊り替える作業を行う。
この工程の具体的手順としては、はじめに、図2(c)及び図3(c)に示すように支持装置1の反力確保部2から支持部3を引き出す。(前述したとおり、本実施形態にける支持装置の支持部3は反力確保部2に対して出し入れ可能に構成されている。)次いで、上側にある支持部3の先端部と、下側にある導材31とを、ワイヤ4で連結する。
なお、このように、構築済み部分21側に固定される反力確保部2と、構築済部分から拡張領域へ張り出す支持部3とを、別体の部材で構成するにあたり、反力確保部と支持部で分割し、ボルト、ピン等で簡易な連結を行うようにして着脱自在に構成することや、反力確保部先端をヒンジ構造にして支持部を回転自在に構成して拡張領域へ張り出す構造にするなど、様々な手段を取りうることは勿論である。
このとき、下側の導材31が上向きに引張られて(上方に持ち上げられて)、所定の目的位置に保持されるように、ワイヤ4で支持部3と導材31とを連結する。すなわち、前工程までクレーン20によって保持されていた導材31の位置・姿勢が、支持装置1による支持後においても設計通りに維持されるように、張り出した上側の支持部3で下側の導材31を吊り上げるようにして支持する。
このように、張り出した支持部3で上方に向かって(真上でも斜め上でも可)持ち上げることで、支持装置1側の撓みその他の挙動にかかわらず、導材31の撓みや揺れなどが可及的に防止され、当該導材31を目的位置に保持することが可能になる。
4.工程d(支持杭の打設準備)
以上の手順を経て、図2(d)に示すように、導材31の上方に片持ち状に張り出した支持部3によって当該導材31が支えられ、且つ、当該導材が所定の目的位置に保持される状態が確保されたら、クレーン20からのワイヤを導材31から切り離す。これにより、導材31やその上にある機材や足場部材などの荷重が、桟橋構築済み部分21側に預けられる。
そして、構築済み部分21から導材31が張り出す状態が確保され、且つ、張り出した導材31が支持装置1によって上方に持ち上げられるように支持された状態が確保できたら、図2(d)に示すように、クレーン20の上部旋回体を後方に旋回させる。そして、クレーン20の後方に予め用意しておいた支持杭や削孔装置などをクレーンで吊り込み(図15参照)、支持杭の打設の準備を進める。
なお、本実施形態で用いる支持装置1は、クレーン20の上部旋回体に干渉しないサイズになるように形成され、且つ、上部旋回体に干渉しない高さの範囲内に取り付けられているので(図1参照)、反力ポールや補強材、斜張式ワイヤなどを用いる従来技術と異なり、クレーン20の上部旋回体の動作が何ら妨げられないといった優れた効果が達成される。
6.工程e(張り出した支持装置で支持された導材を介して支持杭を打設する工程)
打設予定の支持杭と削孔装置をクレーンで吊り込んだら、クレーンを再び前方に旋回させる。そして、図2(e)に示すように、クレーン20で吊り込んだ削孔装置90と支持杭35を、支持装置1で支持された導材31の杭頭固定管53に通し、該導材でガイドしながら打設を進める。1本の支持杭の打設が完了したら、クレーンを後方に旋回させて新たな支持杭を吊り込み、再び前方に旋回させて同様に(図2(e)に示すように)打設を行う。このような支持杭の打設を複数回行う。なお、本実施形態の場合では、1つの導材を延設するたびに、3本の支持杭を横並びに打設する。
必要本数の支持杭を打設したら、打設した各杭頭を、導材31の杭頭固定管53に固定して、導材31と支持杭35の頭部を一体化させる。これにより、導材31が支持杭35により支持された状態が確保され、その結果、構造物構築済み部分21が一支間長分拡張される。続いて、支持装置1を既設桟橋パネル31’から取り外してクレーン20で吊り込み、今回拡張した部位の導材31(新設桟橋パネル)の方へ前進させる。
このように、上述した工程a〜工程eを繰り返すことで、上部構造と下部構造からなる構築済み部分が徐々に拡張され(すなわち1支間長分ずつ拡張され)、最終的に、完成体としての桟橋の構築が完了する。
(第2実施形態)
次に、図4に基づいて、支持装置の第2実施形態について説明する。
なお、以後の説明では、前述した第1実施形態の支持装置と共通する構成については、説明を省略する。
第1実施形態では、構築済み部分21側に固定される反力確保部2と、構築済部分から拡張領域へ張り出す支持部3とを、別部材で構成していたが、図4に示すように、両者を一体化させた一体のビーム構造を採用することもできる。
また、第1実施形態では、支持部3と導材31を単にワイヤで連結していたが、図4に示すように、連結したワイヤを引張り上げるためのチェーンブロック5(引張り手段)などを支持部3に装備させることも可能である。
このように、第2実施形態の支持装置1では、反力確保部2と支持部3が一体化した簡易な構造となっているので、支持装置を簡単かつ低コストで製造できる。また、チェーンブロックなどの引張り手段を具備させることで、張り出し状態の支持部3の姿勢や撓みにかかわらず、持ち上げる導材31を所定の目的位置に保持できるようになる。
(第3実施形態)
次に、図5に基づいて、支持装置の第3実施形態について説明する。
第3実施形態の支持装置1は、略梁状の支持部3を押し引きするための油圧シリンダ10(押し引き手段)と、支持部3の下側にある導材31を手前側へ持ち上げるための油圧シリンダ12(持ち上げ手段)と、油圧シリンダ10,12をそれぞれ作動させるための油圧ユニット14を有している。
油圧ユニット14は、反力確保部2の後部に設置されている。この油圧ユニット14には、図示しない複数本の油圧ホースの一端が接続され、該油圧ホースの他端はそれぞれ、油圧シリンダ10,12に個別に接続されている。
横向きの油圧シリンダ10(油圧駆動式伸縮シリンダ)は、反力確保部2に対して出し入れ自在の支持部3を、その長手方向に沿って押し引きする役割を担っている。この油圧シリンダ10の基端側は反力確保部2の後端に固定され、そのシリンダロッドの先端側は支持部3の後端に固定されている。
縦型の油圧シリンダ12(油圧駆動式伸縮シリンダ)は、略梁状の支持部3の先端側に固定されており、支持部3の下側にある導31を上方に持ち上げる役割を担っている。この油圧シリンダ12は、そのシリンダ状本体が支持部3に固定されており、そこから延出するシリンダロッドの先端部が導材31に連結されている。
この第3実施形態の支持装置によれば、油圧シリンダ10を備えていることで、鋼材などからなる支持部3の押し引き作業が省力化される。また、油圧シリンダ12を備えていることで、導材31の上方で張り出した支持部3の姿勢や撓みにかかわらず、該導材31を所定の目的位置に保持することが可能になる。
なお、支持部3に装備させる持ち上げ用の油圧シリンダは1セットに限らず、複数セット装備させてもよい。例えば図6に示すように、油圧シリンダ12に加えて補助用の油圧シリンダ16を装備させることで、導材31の重量が大きい場合でも、導材支持の安全性・安定性が確保され、また、導材31の歪みを可及的に防止して、より高い精度で該導材を目的位置に保持できるようになる。
(第4実施形態)
次に、図7に基づいて、支持装置の第4実施形態について説明する。
前述した第1実施形態では、構築済み部分21から拡張領域22方向へ張り出す支持部3は、側方から見て横向き直線状に形成されていたが、図7に示すように、側方から見て斜め上向きに折れ曲がる様に又は湾曲する様に、屈曲又は湾曲させて形成してもよい。あるいは、図8に示すように、支持部3の先端側を斜めカット状に形成して、導材31を斜めに持ち上げる際に支持部先端が障害とならないようにしてもよい。このような屈曲形状または斜めカット形状の支持部3により、図7や図8に示すように、勾配を付けて導材31を目的位置に保持する場合に、支持部3の先端が導材31の傾斜を妨げることがないので、目的通りの傾斜角度で導材を保持することができる。
(第5実施形態)
次に、図9に基づいて、支持装置の第5実施形態について説明する。
前述した第1実施形態の支持装置では、図3に示すように、反力確保部2に対して支持部3を出し入れできるようにスライド式に構成していたが、図9に示すように、反力確保部2と支持部3とを回転軸で連結して、支持部3が回転できるように構成している。このように回転式構造とすることで、導材31の設置作業の際には、構築済み部分21側に支持部3が引っ込んだ状態で待機させておき、拡張領域22における作業の自由度を確保できる。
なお、山間部での構造物の構築となると、隣接する立ち木の伐採が許されない等の条件があるので、そのような場合、図9に示す態様では、支持部3の回転動作が周辺環境によって妨げられる虞がある。
そこで、そのような条件で施工する場合には、図10に示すように、支持部3が作業エリアの内側で回転するように支持装置を構成してもよい。図10に示す実施形態では、支持部3を90度内側に折り込んで幅員方向にゲートを設けるようなイメージで格納しておいて、導材31の延設が完了すると、前方に観音扉の如く開くようにする。このような実施形態によれば、支持部3を作業エリアの外側で回転させる必要がないので、周辺環境によって支持部3の回転動作が妨げられることがなく、また、作業員が構築済み部分や足場を利用して、展開させることができるので作業の安全を確保できる。
なお、第5実施形態の態様として、図9、図10のように支持部3が水平に回転するように構成したものを図示したが、なんらかの事情で水平方向の回転ができない場合(たとえば、既設の構造物等に干渉する場合など)には、施工条件に応じて、支持部3が垂直、すなわち下から上(もしくは上から下)に回転するようにも構成することができることは勿論である。
(第6実施形態)
次に、図11に基づいて、支持装置の第6実施形態について説明する。
第6実施形態の支持装置では、反力確保部2を構築済み部分21の既設支持杭に固定するとともに、そこから支持部3が拡張領域22に張り出すように構成している。そして、張り出した支持部3の上方には、図示するとおり導材31を延設する。本実施形態において、支持部3には、油圧駆動式の伸縮シリンダ18が固定されており、支持部3の上方に張り出した導材31を持ち上げるようにして目的位置に保持する。
このように、支持装置1を既設桟橋パネル31’や導材31の下側に配置することで、これらの上面側での障害物が無くなって、作業性が向上するといった効果が達成される。
(第7実施形態)
次に、図12に基づいて、支持装置の第7実施形態について説明する。
第7実施形態の支持装置では、管状の反力確保部2,2を構築済み部分21の既設支持杭35’に固定するとともに、そこから支持部3が拡張領域に張り出すように構成している。そして、張り出した支持部3の上方には、図示するとおり導材31を延設している。延設された導材31は、略梁状の支持部3の上に載置され、該支持部によって支えられている。
(第8実施形態)
次に、図13に基づいて、支持装置の第8実施形態について説明する。
第8実施形態の支持装置では、反力確保部2を構築済み部分21の既設桟橋パネル31’の側部に固定するとともに、そこから支持部3が拡張領域に張り出すように構成している。そして、張り出した支持部3と略並行に導材31を延設する。本実施形態において、支持部3には、作業エリアの内側に張り出した連結部7が設けられており、支持部3と略並行に張り出した導材31に連結固定され、該導材31を目的位置に保持するようになっている。
なお、第7実施形態の上記支持部3の導材31の載置部分や、第8実施形態の上記支持部3の導材31との連結固定部分には、導材31の目的位置を保持できるように、縦型の油圧シリンダ、ワイヤー設備等が設置できることは勿論である。
(他の実施形態)
上述した実施形態は、本発明の実施形態の例示であって、本発明は様々な形態で実施することが可能である。以下、本発明のその他の実施形態について説明する。
上述した実施形態では、支持部が導材の上方に張り出すように支持装置を取り付けていたが、支持装置と導材の位置関係はこれに限定されるものではなく、例えば、導材の下側に支持部が張り出すように支持装置を取り付けてもよい。また、その場合には、支持部に対して、導材を下から上に持ち上げるための伸縮シリンダを具備させてもよい。
また、上述した実施形態では、導材を延設する度に図2(a)に示すように支持装置をクレーンで移動して構築済み部分に固定していたが、支持装置の移動を省力化するために、支持装置に自走式手段を具備させてもよい。例えば、支持装置に車輪を複数取り付けて、既設桟橋パネルに固定されていないときに、拡張方向・反拡張方向に自在に滑動できるようにしてもよい。またこの場合には、支持装置の滑動を補助するためのレールのような軌道手段を予め敷設してもよい。
また、上述した実施形態では、支持装置で支える施工部材の一例として、導材(桟橋パネル/上部構造構成部材/位置決め・ガイド手段)を挙げたが、本発明の支持装置により支持可能なものはこれに限定されず、構造物の構築にあたって必要なあらゆる部材、材料、機械、機材、器具、道具その他の物が含まれる。
なお、上述した実施形態では、2つの支持装置を使うことを事例として挙げたが、支持装置の数は必要に応じて決めれば良く、また2つ以上の支持装置を使用する場合には、支持装置の補強や安定のためそれらを相互に連結する(たとえば横つなぎ材やトラス構造で連結する)ことは設計上、自由に選択できるものである。
また、上述した実施形態では、構造物構築方法の一例として桟橋工を挙げたが、本発明の適用対象は桟橋工に限定されるものではなく、「構築済み部分を利用して構造物を構築する工事」を含む現場において広く適用可能である。
たとえば、橋脚補強工事のために上述の手順により構築された桟橋施工の後に、連続的に行われる締め切り工、橋脚基礎、下部工などに関わる各種工事の際にも、それらの構築プロセスにおいて、上記の支持装置を用いることで、上記桟橋の側面に打設される鋼管矢板の導材や鋼管矢板、矢板壁に代わる鋼殻部材、更には下部工、基礎工や、各種構造物の追加工事や拡張工事、また補強工事で利用する様々な資材、機材等々の設置に際し、施工状況に応じて、桟橋や既打設の矢板壁、既設置の鋼殻部材等々を構築済み部分としてフレキシブルに利用しつつそれらの施工部材を支持することができ、幅広い用途に用いられるものである。
1 支持装置
2 反力確保部
3 支持部
4 ワイヤ(吊設手段)
5 チェーンブロック(引張り手段)
7 連結部
10 油圧シリンダ(押し引き手段/油圧駆動式伸縮シリンダ)
12 油圧シリンダ(持ち上げ手段/油圧駆動式伸縮シリンダ)
14 油圧ユニット
16 補助用の油圧シリンダ(持ち上げ手段/油圧駆動式伸縮シリンダ)
18 伸縮シリンダ(持ち上げ手段)
20 移動式クレーン
21 桟橋構築済み部分(構造物構築済み部分/施工済み部分)
22 拡張領域(構築途中部分)
25 ワイヤ
31 導材(桟橋パネル/上部構造構成部材/施工部材/位置決め・ガイド手段)
31’ 既設桟橋パネル(導材/上部構造構成部材/施工部材)
35 支持杭(管状杭)
35’ 支持杭(管状杭)
41 補強材
42 ワイヤ
43 反力ポール
44 チェーンブロック
51 メインフレーム
52 横桁
53 杭頭固定管(杭ガイド管)
55 連結部材
71 桟橋パネル
71’ 桟橋パネル
73 支持杭(支持杭)
90 削孔装置(打設装置/施工機材)

Claims (7)

  1. 構築済み部分を利用して構造物を構築する方法であって、
    構築済み部分の拡張方向に施工部材を配置する工程と、
    前記施工部材を支持可能な略梁状の支持装置を、前記構築済み部分から拡張方向に張り出すように設置する工程と、
    張り出した前記支持装置で前記施工部材を支える工程と、
    旋回可能なクレーンを利用し、略梁状の前記支持装置により支えられた前記施工部材を介して杭の打設を行う工程と、
    を含むことを特徴とする構造物の構築方法。
  2. 構築済み部分を利用して構造物を構築する方法であって、
    構築済み部分の拡張方向に施工部材を配置する工程と、
    前記施工部材を支持可能な略梁状の支持装置を、前記構築済み部分から拡張方向に張り出すように設置する工程と、
    張り出した前記支持装置で前記施工部材を支える工程と、
    略梁状の前記支持装置により支えられた前記施工部材を杭ガイドとして利用しつつ、旋回可能なクレーンを利用して杭の打設を行う工程と、
    を含むことを特徴とする構造物の構築方法。
  3. 請求項1又は2に記載の方法で用いる装置であって、
    構築済み部分を利用して構造物を構築する工事において用いる装置であって、構造物の構築済み部分に固定され、構造物の構築済み部分から拡張方向に張り出して構築途中部分にある施工部材を支えるように構成された支持装置。
  4. 請求項1又は2に記載の方法で用いる装置であって、
    構築済み部分を利用して構造物を構築する工事において用いる装置であって、構造物の構築済み部分から拡張方向に張り出して構築途中部分にある施工部材を支える支持部と、構造物の構築済み部分に固定され前記支持部のための反力を確保する反力確保部と、を有する支持装置。
  5. 前記反力確保部は、略梁状に構成され、構造物の構築済み部分に横向きに固定される、ことを特徴とする請求項4に記載の支持装置。
  6. 前記支持部は、構築途中部分にある施工部材の上方に張り出して、当該施工部材に上向きの引っ張り力を与えて支える、ように構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の支持装置。
  7. 前記支持部は、張り出し方向と反張り出し方向に動かすことができるように構成されている、ことを特徴とする請求項4乃至6の何れかに記載の支持装置。
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