JP7250302B2 - 橋の構築方法およびユニット構造物 - Google Patents

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本発明は、橋の構築方法とその実施において利用可能なユニット構造物に関するものである。なお、この出願で言及する「橋」には、桟橋、仮桟橋、工事用道路、作業構台、災害復旧時の応急橋、人工地盤、その他の橋の様な構造物などが含まれる。
起伏にとんだ我が国の土木事業では、桟橋、工事用道路、作業構台、災害復旧時の応急橋などの橋梁構築方法において、例えば斜張式設備を利用して上部工をなす橋桁構造物を先行して片持ち状に取り付けるといった施工方法が提案されている。特許文献1(特許第3211673号公報)には、そのような斜張式の桟橋架設工法が開示されている。
(従来の桟橋架設工法の概要)
図17~図21に基づいて、従来の桟橋架設工法について説明する。
図17は従来の桟橋架設工法を示す斜視図であって、桟橋の橋桁構造物50(上部工構成物)を、クレーンで目的位置(構築済み部分に対する連結位置)の近傍まで運搬して、吊り降ろしている様子を示している。
図18は、図17の後工程を示す斜視図であって、片持ち状に延設した橋桁構造物50(上部工構成物)をガイドに利用し、橋脚をなす支持杭6を地盤に打ち込んでいる様子を示している。
図19は、図17及び図18に示す桟橋架設工法で用いる橋桁構造物50を示す平面図である。
図20は、打ち込み装置90を利用して、橋桁構造物50をガイドに支持杭6を打ち込んでいる様子を示している。
図21は、打ち込み装置90による杭の打設の原理を示している。
特許文献1に開示された桟橋架設工法では、はじめに図17に示すように、桟橋構築済み部分からなる足場上に移動式クレーンを用意し、該クレーンで橋桁構造物50を吊り込んで、延設地点(桟橋構築済み部分の先端位置)の近傍へ運搬する。
この橋桁構造物50は、桟橋完成後に上部構造(橋桁)の一部として機能し得る「上部工構成物」であると同時に、図18に示すように支持杭6の打設時において「導材(杭ガイド手段)」として機能する部材である。図19に橋桁構造物50の平面図を示す。
上部工構成物をなす橋にかかる鉛直荷重を支持する橋桁構造物50(桟橋パネル)は、図19の平面図に示すように、主として、第一の構成物(第一の桁)である「桁A」と、多くの場合それに直交する方向に延びる(斜橋の場合など直交でない場合もある)ように連結された第2の構成物(第2の桁)である桁Bとを含んで構成されている。
桁Aは、桟橋の主桁としての機能を具備するフレーム状部材である。桁Bは、打設時に支持杭を地盤へガイドする筒状の杭ガイド部53(杭頭固定部)と、次段の桁A(橋桁構造)に対して連結される連結部55を有している。筒状の杭ガイド部53は、支持杭6を挿通させるための挿通孔(ガイドホール)を有している。
図17に示すようにクレーンで運搬してきた橋桁構造物50を、桟橋構築済み部分の先端側の既設桁(既設の橋桁構造物50’)に対し連結して、図18に示すように、桟橋構築済み部分から張り出すように取り付ける。なお、既設の橋桁構造物50’は、延設した橋桁構造物50と同様に、桁Aと桁Bを具備していて(図19参照)、桟橋構築済み部分の上部構造を構成している。
図18に示す状態において、桟橋構築済み部分から張り出すように延設された橋桁構造物50は、線材72を介して丈の長い反力ポール73の上端部に連結されている。この反力ポール73は、桟橋構築済み部分の先端側において、既設の橋桁構造物50’に上に直立状態で固定されており、更に後方で斜め方向に張設した補強材71によって反力の補強が図られている。
張り出すように延設した橋桁構造物50を、図18に示すように線材72を介して反力ポール73に連結することで、該橋桁構造物50の荷重が桟橋構築済み部分側に預けられる。つまり、反力ポール73や線材72を利用して、桟橋構築済み部分側から橋桁構造物50を斜張式に吊り保持している。
そして前述したとおり、立設した丈の長い反力ポール73により橋桁構造物50を斜め方向から吊った状態が確保されたら、次に図18に示すように、橋脚を成す管状の支持杭6を、片持ち状に延設した橋桁構造物50でガイドしながら、打設予定位置の地盤上に建て込む。このとき、打ち込み装置90のドリルロッドは、支持杭6の内空部を貫いており、更に、支持杭6の先端からはドリルロッドの先端ビット(ハンマービット)が突き出ている。
続いて、打ち込み装置90で対象地盤を回転掘削しつつ、同時に打撃力で支持杭6の打ち込み(打設)を行う。そして、地盤に打ち込んだ支持杭6の頭部を橋桁構造物50に固定して、支持杭6の頭部と橋桁構造物50の両者を一体化させる。
図示する例では、1つの橋桁構造物50を延設する毎に3本の支持杭を横並びに打設して、これらの杭頭部を延設した橋桁構造物50の先端側に固定して一体化させる。このように、打設した支持杭6の頭部に橋桁構造物50を固定することで、延設した橋桁構造物50の荷重の大部分が支持杭6によって支えられる。これらの工程を経て、1支間長分(すなわち橋桁構造物50ひとつ分)の上部構造及び下部構造の拡張が完了する。
なお、打設した支持杭6と橋桁構造物50を一体化させたら、この新設の橋桁構造物50から線材72を切り離し、更に反力ポール73と補強材71を既設の橋桁構造物50’から取り外す。そして、取り外した反力ポール73と補強材71は、今回新設した橋桁構造物50に付け直して、次回延設する橋桁構造物を斜めに吊るための斜張式設備として再利用する。
そして、上述した工程を繰り返して、複数本の支持杭で支持される橋桁構造物を拡張方向に延設し続けることにより桟橋全体を完成させる。
(打ち込み装置による削孔と杭打ち込みの原理)
図20及び図21は、桟橋施工において、打ち込み装置90(施工機材)を用いて対象地盤を削孔すると同時に、該打ち込み装置90で支持杭6を地盤に打ち込んでいる様子を示している。
図21に示す打ち込み装置90は、主として、回転駆動装置91と、該駆動装置の下部に固定された排土キャップ92と、該排土キャップの内側を通って回転駆動装置91に連結された長尺のドリルロッド93とを有している。
回転駆動装置91は、その下部のドリルロッド93を回転駆動する。
ドリルロッド93はダウンザホールハンマ94を含んで構成されており、該ハンマは、打撃力発生用のピストンを内部に具備している。ドリルロッド93の上端側は、略スリーブ状の排土キャップ92の内側を通って、回転駆動装置91に連結されている。一方、ドリルロッド93の下端にはハンマービット95が設けられている。
杭打設時には、図21に示すように支持杭6の内空部にドリルロッド93を挿通させ、該支持杭の下端からハンマービット95を突き出し、該ハンマービットを拡径状態にセットして対象地盤を削孔する。
削孔の際には、ダウンザホールハンマ94による連続的打撃を対象地盤に対し加えながら回転掘削を行う。掘削土は、ダウンザホールハンマ94の駆動用エアを利用してエアリフト式に吹き上がる。吹き上げられた掘削土は、エアの流れに乗って支持杭6内の排土経路を通り、支持杭6の上端開口部から噴出する。
支持杭6の上部から噴出した掘削土は、図21に矢印で示すように、支持杭6の上部と排土キャップ92との間の隙間を通って外部へ排出される。排土キャップ92を介して排出された掘削土は、支持杭6と飛散防止カバー96の間の隙間を通って下方へ落下する。
特許第3211673号公報 特許第6007307号公報
(第1の課題)
上述したような桟橋の構築にあたっては、一般的に図22に示すように、隣り合う支持杭6,6の間に、鉄骨などからなる補強材32,34を架け渡すことで、高い安定性を確保している。このような補強材32,34を支持杭間に取り付ける際には、該補強材を支持杭6に固定するための固定部材83が用いられる。
しかしながら、例えばダム湖等の水上に構築される桟橋では、図22に示すように、補強材32,34や固定部材83の多くが水中に取り付けられるため、その取付作業はダイバー85が長時間にわたって水中に潜って行う必要があった。このようなダイバーによる水中作業は、水上での作業に比べると作業性が著しく悪いため、水中作業に多くの手間と時間を要していた。
また、近年の増大する社会資本の老朽化リスクに対応した維持補修、更新工事の増加にともない、非出水期に限定される河川内施工では、本体工の工期の十分なゆとり(猶予)を残すために、その作業構台となる桟橋工等の重仮設工の工程を確実に極限まで短縮することが強く求められている現在、架設工程を遅延させる水中施工を可及的に低減することが必要となっていた。
特に、そのような非出水期内の河川内施工において、施工計画の当初に行われる桟橋架設工事は、非出水期の初頭すなわち台風シーズン末期となる10月~11月に不可避的に行われるため、桟橋工に人力による水中作業が含まれていると、河川の流量が増大すると危険であり、また流速が一定程度以上に上がるたびに水中作業をしばしば休止することになる結果、桟橋の下部工架設工程で工事がストップすることとなり、桟橋工全体の急速性が失われ、その結果として桟橋を作業スペースとするその後の本体工の工程全体を圧迫してしまうという施工計画全体に影響する深刻な問題が発生することとなる。
現在は、上出の近年特許第3211673号公報(特許文献1)の桟橋の急速施工方法があるが、上記のような水中作業の生ずる場合の工程の圧迫は、維持・補修、更新などの本体工の施工期間の不足を生じさせる結果、確実な本体工を行うために、本来単年度施工が望ましい工程でも複数年度に亘る施工計画となることもあり、そのような工事費の増大を可及的に抑制するためにも、現在も桟橋の水中部分の施工時間の短縮が強く望まれている。
また、ダム湖等の湖沼は、水の濁度が高くて視界が悪いため、支持杭への固定部材の取付といった水中作業(水中でのボルト締め等)に多くの手間と時間がかかり、施工コストの高騰と工期の長期化を招いていたため、作業性の改善が強く求められていた。また、このように水の濁度が高くて視界が悪い状況のもとでは、寸法取りなどが困難なため、固定部材や補強材を、支持杭の所定位置に正確に取り付けることが困難であった。
また、陸上で施工される桟橋工においても、補強材32,34や固定部材83の取り付けには、高所であって且つ不安定な足場での作業が必要となるため、上記のような桟橋工における急速施工への要望の高まりに対応して、その取り付け作業は高所作業を低減して危険を最小限に抑える必要が生じているものであった。
(第2の課題)
上述したダイバーの作業負担や高所での作業負担の軽減を目的として、特許文献2(特許第6007307号公報)に開示された技術が、本願出願人によって提案されている。
特許文献2に開示の方法を、図22に示すような長尺の支持杭の打設を伴う桟橋架設工法に適用すると、図23に示すような態様になるが、これには次のような問題がある。
すなわち、特許文献2に開示の方法では、橋桁構造物50の先端で支える筒状の支持杭ガイド部材51が、図23に示すように全体として長尺になる。そのため、桟橋構築済み部分から張り出した橋桁構造物50で支える筒状の支持杭ガイド部材51は全体として大重量となり、図23の矢印Xで示すように、橋桁構造物50に撓みが発生する。
また、橋桁構造物50の先端で支える筒状の支持杭ガイド部材51が長尺になると、当該長尺の支持杭ガイド部材が潮流や波浪、風といった環境の影響を直接的に受ける。しかも、支持杭の打設前において筒状の支持杭ガイド部材51は、単に橋桁構造物50の先端部で支えられているだけなので、支持杭打設時に、長尺の支持杭ガイド部材によってガイドされる支持杭が、図23の矢印Yで示すように揺れ動いて杭心から外れ、打設する支持杭の鉛直精度が損なわれるといった問題がある。
そこで上述した従来技術の問題点に鑑み、この出願の発明の目的は、桟橋などの各種の橋を構築する際におけるダイバーの作業負担や高所での作業負担を軽減して危険を最小限に抑え安全性を確保しつつ急速施工を実現することを可能にすると同時に、高い鉛直精度を確保することを可能にする方法と構造物を提供することにある。
上記目的は、
(a) 橋完成状態で上部構造の一部として機能する上部工構成物を、橋構築済み部分から張り出すように設置する工程と、
(b) 支持杭の打設時に該支持杭を地盤方向にガイドする導材として利用可能な第1のユニット構造物を、前記上部工構成物に対して固定する工程と、
(c) 前記第1のユニット構造物を支える支持手段として利用可能な第2のユニット構造物を、橋構築済み部分に対して固定する工程と、
(d) 前記第1のユニット構造物が前記上部工構成物と前記橋構築済み部分の両方に固定された状態で、該第1のユニット構造物を介して支持杭を打設する工程と、
を含む橋の構築方法によって達成される。
また前述した目的は、
(a) 橋完成状態で上部構造の一部として機能する上部工構成物を、橋構築済み部分から張り出すように設置する工程と、
(b) 橋完成状態で下部構造を補強する補強材を具備し、支持杭の打設時に該支持杭を地盤方向にガイドする導材として利用可能な第1のユニット構造物を、予め定めた位置に位置決めする工程と、
(c) 橋構築済み部分から張り出す前記上部工構成物に対して前記第1のユニット構造物を連結する工程と、
(d) 橋完成状態で下部構造を補強する補強材を具備し、支持杭の打設時に該支持杭をガイドする前記第1のユニット構造物を支える支持手段として利用可能な第2のユニット構造物を、予め定めた位置に位置決めする工程と、
(e) 橋構築済み部分に対して前記第2のユニット構造物を連結する工程と、
(f) 前記第1のユニット構造物と前記第2のユニット構造物の一方を他方に対して連結する工程と、
(g) 前記第1のユニット構造物を支持杭打設用の導材として利用し、該第1のユニット構造物を介して支持杭を打設する工程と、
を含む橋の構築方法によって達成される。
なお、ここでいう「予め定めた位置」とは、構成物がその機能を発揮可能な位置(設計位置)でもよく、あるいは、そのような設計位置に至る前の途中で一時的に仮受けされた様な位置(一時的な仮の取り付け位置)でもよい。
また前述した目的は、
(a) 橋完成状態で上部構造の一部として機能する第1の上部工構成物を、橋構築済み部分から張り出すように設置する工程と、
(b) 橋完成状態で前記第1の上部工構成物と一体となって橋桁構造物として機能する第2の上部工構成物と、橋完成状態で下部構造を補強する補強材を具備する下部工構成物と、を具備しており、支持杭の打設時に該支持杭を地盤方向にガイドする導材として利用可能な第1のユニット構造物を、予め定めた位置に位置決めする工程と、
(c) 橋構築済み部分から張り出す前記第1の上部工構成物に対して前記第1のユニット構造物を連結する工程と、
(d) 橋完成状態で下部構造を補強する補強材を具備し、支持杭の打設時に該支持杭をガイドする前記第1のユニット構造物を支える支持手段として利用可能な第2のユニット構造物を、予め定めた位置に位置決めする工程と、
(e) 橋構築済み部分に対して前記第2のユニット構造物を連結する工程と、
(f) 前記第1のユニット構造物と前記第2のユニット構造物の一方を他方に対して連結する工程と、
(g) 前記第1のユニット構造物を支持杭打設用の導材として利用し、該第1のユニット構造物を介して支持杭を打設する工程と、
を含む橋の構築方法によって達成される。
なお、ここでいう「予め定めた位置」とは、構成物がその機能を発揮可能な位置(設計位置)でもよく、あるいは、そのような設計位置に至る前の途中で一時的に仮受けされた様な位置(一時的な仮の取り付け位置)でもよい。
上記の橋の構築方法において、第1のユニット構造物は、
橋完成状態では下部構造の一部として機能し、支持杭の打設時には該支持杭の周面を360°を囲った状態で該支持杭をガイドする、支持杭ガイド部を有している。
また前述した目的は、上記の方法で用いる第1のユニット構造物であって、
橋の下部構造を補強する補強材を具備し、
支持杭の打設時に該支持杭を地盤方向にガイドする導材として利用可能なユニット構造物によって達成される。
また前述した目的は、上記の方法で用いる第2のユニット構造物であって、
橋の下部構造を補強する補強材を具備し、
支持杭の打設時に該支持杭をガイドする前記第1のユニット構造物を支える支持材として利用可能なユニット構造物によって達成される。
上記の第2のユニット構造物は、橋構築済み部分の既設支持杭に対して、直接的に又は間接的に、第2のユニット構造物の少なくとも一部の荷重を預けるための支持手段を有していてもよい。
また前述した目的は、
橋の構築で用いる第1のユニット構造物であって、
橋完成状態で橋の下部構造を補強するための補強材と、
橋の構築で用いる第2のユニット構造物と係合可能な継手と、を具備し、
支持杭の打設時に該支持杭を地盤方向にガイドする導材として利用可能で、
前記継手を介して第1のユニット構造物と第2のユニット構造物が互いに係合した状態で、一方が他方に対して相対的にスライド可能に構成されている、
ことを特徴とするユニット構造物によって達成される。
また前述した目的は、
橋の構築で用いる第2のユニット構造物であって、
橋完成状態で橋の下部構造を補強するための補強材と、
橋の構築で用いる第1のユニット構造物と係合可能な継手と、を具備し、
「支持杭打設時の支持杭ガイド手段である前記第1のユニット構造物」を支える支持材として利用可能で、
前記継手を介して第1のユニット構造物と第2のユニット構造物が互いに係合した状態で、一方が他方に対して相対的にスライド可能に構成されている、
ことを特徴とするユニット構造物によって達成される。
上記のとおり、第2のユニット構造物は、支持杭打設時の支持杭ガイド手段である第1のユニット構造物を支える支持材として利用可能である。ここで、「支持杭打設時の支持杭ガイド手段である」という「第1のユニット構造物」の修飾節は、「構造物の機能を限定している」のであって、「構造物をスライドして設置するタイミングは限定していない」。すなわち、上記の「第2のユニット構造物」には、次の(1)(2)の両方が含まれる。
(1)橋の構築で用いる第2のユニット構造物であって、
橋完成状態で橋の下部構造を補強するための補強材と、
橋の構築で用いる第1のユニット構造物と係合可能な継手と、を具備し、
「支持杭打設時に支持杭ガイド手段として利用される(後の工程で支持杭ガイド手段として利用される予定の)前記第1のユニット構造物」を支える支持材として利用可能で、
前記継手を介して第1のユニット構造物と第2のユニット構造物が互いに係合した状態で、一方が他方に対して相対的にスライド可能に構成されている、
ことを特徴とするユニット構造物によって達成される。
(2)橋の構築で用いる第2のユニット構造物であって、
橋完成状態で橋の下部構造を補強するための補強材と、
橋の構築で用いる第1のユニット構造物と係合可能な継手と、を具備し、
「支持杭打設時に支持杭ガイド手段として利用された(支持杭ガイド手段としての役目を既に終えた)前記第1のユニット構造物」を支える支持材として利用可能で、
前記継手を介して第1のユニット構造物と第2のユニット構造物が互いに係合した状態で、一方が他方に対して相対的にスライド可能に構成されている、
ことを特徴とするユニット構造物によって達成される。
本発明では、次の2つのユニット構造物を用いる。
(1)第1のユニット構造物(横断ユニット)
橋完成状態で下部構造を補強する補強材を具備し、支持杭の打設時に該支持杭を地盤方向にガイドする導材として機能するユニット構造物。
(2)第2のユニット構造物(縦断ユニット)
橋完成状態で下部構造を補強する補強材を具備し、支持杭の打設時に該支持杭をガイドする前記第1のユニット構造物を支える支持手段として機能するユニット構造物。
加えて、第1のユニット構造物が上部工構成物に対して固定された状態を確保するとともに、第1のユニット構造物が第2のユニット構造物を介して橋構築済み部分に対し固定された状態を確保する。そしてこのように第1のユニット構造物が少なくとも2方向で固定された状態で、該第1のユニット構造物を介して支持杭を打設する。
このような方法で桟橋などの橋を構築することで、次のような優れた効果が達成される。
すなわち、支持杭の打設時に該支持杭を地盤方向にガイドする「第1のユニット構造物」は、前述したとおり、少なくとも2方向(異なる複数方向)で確りと固定されているので、支持杭の打設時に、潮流や波浪、風などの現場環境に影響を受けることがない。つまり、潮流や波浪、風などの現場環境にかかわらず、支持杭打設時に第1のユニット構造物がブレることがなく、支持杭の直進性が確実に維持される。したがって、第1のユニット構造物によってガイドされる支持杭は杭心から外れることがなく、打設する支持杭の鉛直精度を確保することができ、高品質の橋を構築することができる。
また、打設途中での貫入抵抗の増大を回避でき、また、打設時の杭曲がりが防止される。
よって本発明によれば、近年の桟橋施工等の杭の長尺化とその施工の急速化のニーズに確実に応えることが可能となり、また、同時に長尺杭の桟橋等を高品質で構築することが可能になる。
また本発明では、第1のユニット構造物および第2のユニット構造物を、それぞれ施工現場で組み立て(地組し)、または、別の現場で予め組み立てたものを施工現場に搬入し、これをクレーン設備等を利用して予め定めた位置に(例えば設計位置に)位置決めする。これらのユニット構造物は、支持杭を打設する“前に”、予め定めた位置に取り付けられる。
したがって、支持杭打設した“後に”、下部工補強部材を一から十まですべて取り付ける従来技術と比べて、下部工補強部材の取り付けのための高所作業や水中作業が減り、その結果、ダイバーや高所作業者の作業負担が激減するとともに安全性が増す。
また、「第1のユニット構造物」および「第2のユニット構造物」の組み立て作業は、他の工程と同時並行的に進めることができ、また、簡易に気中(平場)で組み立てることが可能なので、ダイバーや高所作業者の作業負担の軽減と、水中作業で生ずる各種の工程の停滞の解消や抑制に貢献可能である。
また、特許文献2に開示の従来技術の場合では、支持杭の打設“後に”、既設の支持杭(橋構築住み部分の先端にある支持杭)と新設の支持杭との間を連結するように下部工補強部材を取り付ける必要がある。これに対し、本発明の場合では、このような下部工補強部材を含むユニット構造物を予め組み立てておいてユニット化し、このユニット構成物を支持杭打設“前に”所定の位置に取り付けるので、前記従来技術と比べても、下部工補強部材の取り付けのための高所作業や水中作業が減り、ダイバーや高所作業者の作業負担が激減するとともに安全性が増すことが明らかである。つまり、少なくとも、予め組み立ててユニット化した分については、高所作業や水中作業が不要なるので、ダイバーや高所作業者の作業負担を大幅に軽減することができ、橋の構築をより安全に進めることができる。
また、上述したように、支持杭の打設“後に”、既設の支持杭と新設の支持杭との間を連結するように下部工補強部材を取り付ける場合には、当該下部工補強部材の寸法は、新設の支持杭の直進性によって影響される。すなわち、新設の支持杭がわずかに傾斜して打設された場合には、既設支持杭~新設支持杭の寸法が設計値から外れるため、下部工補強部材の取り付けが著しく煩雑になる。これに対し、本発明の場合では、支持杭打設開始の時点で、このような下部工補強部材は(設計どおりのサイズで)設計どおりの位置に既に取り付けられているので、下部工補強部材の取り付け時の作業効率の点で従来よりも遥かに優れている。
また、本発明によれば、支持杭ガイド部が、わずかなクリアランスを空けて支持杭の周囲を360°包囲し、その状態で支持杭を打設する。つまり、ガイドする支持杭が、施工現場の環境の影響によって何れかの方向(ただし鉛直方向を除く)に動こうとしても、360°包囲する支持杭ガイド部によって、鉛直性を損なうような動き(傾斜等)が阻止される。この特徴に加え、支持杭ガイド部を具備する第1のユニット構造物が、前述したとおり、少なくとも2方向(異なる複数方向)で確りと固定されている。したがって、これらの特徴が組み合わせることによって、打設する支持杭の鉛直精度をより堅固に確保することができ、従来技術を凌駕する高品質の橋を構築することができる。
また、本発明の技術的範囲には、「第1のユニット構造物」と「第2のユニット構造物」の各単体も含まれる。桟橋施工等の橋の構築工事において、これらのユニット構造物を活用することで、上述した優れた効果を達成することができる。
また、本発明に係る「第2のユニット構造物」は、橋構築済み部分の既設支持杭に対して、直接的に又は間接的に、自身の少なくとも一部の荷重を預けるための支持手段を有していてもよい。
このような支持手段を第2のユニット構造物に具備させることで、当該第2のユニット構造物の荷重や現場環境にかかわらず、第2のユニット構造物の姿勢が安定し、ひいては、打設する杭の鉛直性を堅固に保持することが可能になる。
また、本発明では、「第1のユニット構造物」および「第2のユニット構造物」が、それぞれ互いに係合可能な継手を有していてもよく、また、この継手を介して第1のユニット構造物と第2のユニット構造物が互いに係合した状態で、一方が他方に対して相対的にスライド可能に構成されてもよい。
これにより、例えば、すでに取り付け済みの「第1のユニット構造物」に対して「第2のユニット構造物」を係合させて、その状態で、第2のユニット構造物を第1のユニット構造物に対してスライドさせることで、第2のユニット構造物を精度よく位置決めすることができ、また、簡単で効率的に取り付けを行うことができる。
本発明で利用可能な桁A(第1の上部工構成物)と桁B(第2の上部工構成物)の一例を示す(a)側面図と(b)平面図である。 本発明の一実施形態に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図2Aの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図2Bの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図2Cの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図2Dの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図2Eの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図2Fの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図2Gの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図2Hの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図2Bに示す工程の部分拡大図である。 図2Dに示す工程の部分拡大図である。 図2Bの工程で使う横断ユニットの第1の分割部分(第1のユニット構造物の下半分)を示す拡大図である。 図2Cの工程で使う横断ユニットの第2の分割部分(第1のユニット構造物の上半分)を示す拡大図である。 図2Fの工程で使う縦断ユニットの第1の分割部分(第2のユニット構造物の下半分)を示す拡大図である。 図2Gの工程で使う縦断ユニットの第2の分割部分(第2のユニット構造物の上半分)を示す拡大図である。 第2実施形態に係る縦断ユニット(第2のユニット構造物)を示す部分拡大図である。 第2実施形態に係る縦断ユニット(第2のユニット構造物)を用いた桟橋施工の様子を示す図である。 第2実施形態に係る縦断ユニット(第2のユニット構造物)を用いた桟橋施工の様子を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図12Aの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図12Bの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図12Cの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図12Dの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図12Eの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図12Fの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図12Gの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図12Hの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図12Iの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 図12Jの続きを示す図であって、本発明に係る橋の構築方法の一工程を例示する図である。 第3実施形態に係る横断ユニットと縦断ユニット(第1と第2のユニット構造物)を示す平面図である。 横断ユニットと縦断ユニット(第1と第2のユニット構造物)が具備する継手を示す平面図である。 第3実施形態に係る横断ユニットと縦断ユニット(第1と第2のユニット構造物)を用いた桟橋施工の様子を示す図である。 第3実施形態に係る横断ユニットと縦断ユニット(第1と第2のユニット構造物)を用いた桟橋施工の様子を示す図である。 従来の桟橋施工を示す斜視図であって、橋桁構造物を、クレーンで所定位置(延設予定位置)の近傍に運搬して吊り降ろしている様子を示している。 図17の後工程を示す斜視図であって、延設した橋桁構造物を杭ガイドに利用し、支持杭を打設している様子を示している。 図17及び図18に示す橋梁構築方法で用いる橋桁構造を示す平面図である。 打ち込み装置を利用して支持杭を打設している様子を示す図である。 打ち込み装置による杭の打設の原理を示す図である。 従来の橋梁構築方法の課題を示す図である。 従来の橋梁構築方法の課題を示す図である。
以下、橋の構築方法の一例として桟橋架設工法を挙げて、本発明の実施形態について説明する。また、図17~図21に示す従来技術と相違する点を中心に、本発明の実施形態について説明し、従来技術と共通する点については必要に応じて説明を省略するとともに従来技術の説明を援用する。
(橋の構築に用いる構成物の概要)
はじめに、図1に基づいて、本実施形態で用いる上部工構成物の概要について説明する。
なお、この出願において「上部工」とは、橋の上部構造を意味するものであり、主として橋にかかる鉛直荷重を支持する構造物であり、クレーンや各種施工機械、工事用車両等を支持しその荷重を下部工へ伝達できるように堅牢な構造を有しており、「上部工構成物」とは例えばそのような構造物を指す。
また、この出願で用いる「下部工」とは、上記積載荷重を、その基礎部分に伝達するための下部構造である。
後述する桟橋架設工法では、図1に示すような上部工構成物を用いる。
上部工構成物は、打設時に支持杭を地盤へガイドする筒状の杭ガイド部21(杭頭固定部)を有する。この上部工構成物は、図1に示すように、第1の上部工構成物Aと第2の上部工構成物Bに分割できる。杭ガイド部21(杭頭固定部)は、図1に示すように第2の上部工構成物Bに含ませてもよいし、あるいは、第1の上部工構成物Aに含ませてもよい。
図1に示す上部工構成物A,Bは、図17~図20に示す従来技術で使用している橋桁構造物50と同様に、相互に連結させた状態で桟橋の「橋桁構造物(梁構造)」として機能し得る構造物である。また、桟橋構築時(支持杭の打設時)においては、上部工構成物A,Bは、相互に連結させた状態で協動し、上述のようなその堅牢な構造を利用し、杭打設前の未完成状態でありながら、支持杭を地盤の所定方向(杭心位置)にガイドする「導材」として、また上記ダウンザホールハンマ等の杭打設に伴う地盤の掘削を行う際の掘削機の回転駆動装置の回転反力材(回転反力の供給源)や、オールケーシング掘削機等の足場として押し込み力/引き抜き力の反力材としても機能し得る構造物である。
第1の上部工構成物A(第1の梁構造)は、桟橋完成状態で主に主桁として機能し得る平面視略格子状の構造物である。この第1の上部工構成物Aは、一対の梯子状の桁部材13,13を含んで構成されており、図19に示す従来技術と同様に、第2の上部工構成物Bに対する連結部11を有している。
第2の上部工構成物B(第2の梁構造)は、桟橋構築時には、(第1の上部工構成物Aと協動して)打設する支持杭をガイドするための導材として機能し、桟橋完成状態では、主として横桁として機能し得る構造物である。この第2の上部工構成物Bは、上記の打設時に支持杭を地盤へガイドする筒状の杭ガイド部21(杭頭固定部)と、次段の第1の上部工構成物に対して連結される連結部23を有している。筒状の杭ガイド部21は、橋脚用の支持杭を挿通させるための挿通孔(ガイドホール)を有しており、当該支持杭の打設後には杭頭固定部(杭頭と一体化する部分)としても機能する。
以下、説明の便宜上、
第1の上部工構成物A(第1の桁)を「桁A」と称する。
第2の上部工構成物B(第2の桁)を「桁B」と称する。
桁Aと桁Bを図19に示す従来技術の如く相互連結させたものを「橋桁構造物」と称する。
なお、特許請求の範囲に記載の「上部工構成物」は、横繋ぎ、対傾構、桁受けなどをも含み、必ずしも主桁や横桁などとして機能する構造物に限定されるものではない。
(橋の構築方法の概要)
次に、本実施形態に係る橋の構築方法の概要について説明する。
本実施形態では、前述した桁Aを、図2Aに示すように、既設の桟橋構築済み部分から張り出すように連結する。なお、「既設の桟橋構築済み部分から張り出すように連結する」という取り付け態様の点で、図18に示す従来技術と共通しているが、既設の桟橋構築済み部分に対して連結するのは「桁A」であって、「橋桁構造物5」の全体ではない。すなわち、この工程において、既設の桟橋構築済み部分に対して連結する「桁A」には、「桁B」は連結されていない。この点で図17や図18などに示す従来技術と相違する。
また、上記工程とは別に(つまり別工程として)、図2Hに示すような第1、第2のユニット構造物に係る部分を予め気中(平場)にて組み立てておく。これらの組み立ては、施工現場で地組するようなものでもよく、あるいは、別の現場(例えば施工現場から離れた組立て工場など)で組み立てるものであってもよい。
「第1のユニット構造物」は、桟橋完成状態で下部構造の一部として機能する下部工構成物を具備する。この第1のユニット構造物は、支持杭の打設時には、該支持杭を地盤方向にガイドする導材として機能する。
なお、本実施形態において、第1のユニット構造物は、(平面視で)構築する桟橋を横断する方向に沿って配設され、前述した桁Aに対して取り付けられる。桟橋横断方向は、言い換えると、構築する桟橋を横切る方向(すなわち横断する方向)である。図2D参照。
このように、第1のユニット構造物2は桟橋“横断”方向に沿って配置されることから、本実施形態では、第1のユニット構造物を「横断ユニット」と称する。
「第2のユニット構造物」は、橋完成状態で下部構造を補強する補強材を具備する。この第2のユニット構造物は、支持杭の打設時には、該支持杭をガイドする横断ユニットがブレないように支える支持手段として機能する。
なお、本実施形態において、第2のユニット構造物は、(平面視で)構築する桟橋を縦断する方向に沿って配設され、前後の横断ユニット間に架け渡すように取り付けられる。桟橋縦断方向は、言い換えると、構築する桟橋の延設方向(長手方向/橋軸方向)である。図2H参照。
このように、第2のユニット構造物は桟橋“縦断”方向に沿って配置されることから、本実施形態では、第2のユニット構造物を「縦断ユニット」と称する。
上記のような構成の横断ユニット2および縦断ユニット3に係る部分を、それぞれ予め組み立てておく。
次に、予め組み立てておいた横断ユニット2の分割部分2a,2bを、クレーン設備(図示省略)を使って吊り下ろして、図2Bや図2Cに示すように予め定めた位置(予め定めた横断ユニットの取り付け予定位置)に位置決めし、さらに分割部分2a,2bを連結してなる横断ユニット2の上端部を、図2Dに示すように片持ち状態の桁Aの先端部に対して連結する。この連結によって、横断ユニット2は、図4に示すように桁Aの先端部に対して固定される。
なお、本実施形態では説明の便宜上、符号2a,2bで示す各構成要素を「分割部分」と称し、これらの結合体である符号2で示す構造物の全体を「横断ユニット」と称しているが、(例えば図12に例示する別実施形態の如く)分割部分の如き構成要素のそれぞれを「横断ユニット」として扱い、また、これらの結合体である構造物の全体も「横断ユニット(複数段の横断ユニット)」として扱ってもよい。
次に、予め組み立てておいた縦断ユニット3の分割部分3a,3bを、クレーン設備(図示省略)を使って、図2Fや図2Gに示すように吊り下ろして予め定めた位置(予め定めた縦断ユニットの取り付け予定位置)に位置決めし、桟橋構築済み部分の横断ユニット2’、桟橋構築途中部分の横断ユニット2の両方に対して連結する。この連結によって、横断ユニット2が、縦断ユニット3を介して桟橋構築済み部分に対して確りと固定される。
なお、本実施形態では説明の便宜上、符号3a,3bで示す各構成要素を「分割部分」と称し、これらの結合体である符号3で示す構造物の全体を「縦断ユニット」と称しているが、(例えば図12に例示する別実施形態の如く)分割部分の如き構成要素のそれぞれを「縦断ユニット」として扱い、また、これらの結合体である構造物の全体も「縦断ユニット(複数段の縦断ユニット)」として扱ってもよい。
ここまでの工程を経て、横断ユニット2は、桟橋完成部分から張り出した桁Aに対して固定されているとともに、縦断ユニット3を介して桟橋構築済み部分に対しても固定されている。このような固定状態が確保されたら、続いて図2Iに示すように、横断ユニット2が具備する支持杭ガイド機能を利用し、該横断ユニット2を介して支持杭6を打設する。
このようにして、横断ユニットを介して必要本数の支持杭6を打設した後、桁Bを支持杭6の頭部に対して固定する。これにより桁Bを具備する橋桁構造物5の全体が打設済み支持杭6と一体化する。
以上の工程を経て、1支間長分(橋桁構造物ひとつ分)の桟橋の構築が完了する。
この状態に至ると、桁Aと桁Bが連結してなる橋桁構造物は、桟橋の上部構造の一部として機能している。また、横断ユニット2は下部構造の一部として機能し、縦断ユニット3は下部構造の補強手段(下部構造の一部)として機能している。
(橋の構築方法の具体的実施形態)
次に、主として図2A~図2Iを参照しながら、本発明の具体的実施形態について説明する。なお、以下説明する工程a~iは、それぞれ図2A~図2Iに対応している。
<工程a> 桁Aを予め定めた位置に取り付ける工程
図2Aにおいて、桟橋構築済み部分は、構築途中の桟橋の完成部分であり、主として、上部構造(橋桁構造物)やそれを支える下部構造(橋脚をなす支持杭)で構成されている。桟橋構築済み部分は、完成予定の桟橋全体の一部分の構造物であるが、構築済みの当該部分(図示する構造物部分)だけであっても、上部構造と下部構造を具備する構台として機能する。したがって、桟橋構築済み部分は機械足場として利用可能であり、各種施工用機械や重機をその上に搬入することが可能である。
この工程では、図17に示す従来技術と同様に桟橋構築済み部分に。クローラクレーンなどのクレーン設備(図示省略)を用意し、これを使って、地組した桁Aを、該桟橋構築済み部分の前方または側方(すなわち桟橋構築方向/桟橋拡張方向)に吊り下ろす。以後、各種構造物の吊り上げ・吊り下ろしは、原則としてこのようなクレーン設備を利用することを前提とする。
次に、桟橋構築済み部分の前方に用意した桁Aを、当該桟橋構築済み部分の橋桁構造物5’が具備する桁B’に対して連結する。この橋桁構造物5’は、図1に示す桁Aと同様の構成の桁A’と、図1に示す桁Bと同様の構成の桁B’とを相互連結したもので構成されている。
この橋桁構造物5’の端に桁Aを連結して、桟橋構築済み部分から張り出すように(突き出るように)、該桁Aを片持ち状に延設する。延設した桁Aは、図2Aに示すとおり、桟橋構築途中部分に張り出している。「桟橋構築済み部分」は桟橋の完成部分であるのに対して、「桟橋構築途中部分」は桟橋の未完成部分である。また、「桟橋構築途中部分」の長さは、ほぼ一支間長分の長さに相当する。
続いて、桟橋構築途中部分において片持ち状に延設した桁Aを、「杭ガイド」兼「作業足場」として利用できるように、該桁Aを、桟橋構築済み部分側に立設された反力ポール73に対して線材72で連結する。これにより、桁Aの荷重を、桟橋構築済み部分側に預けることができる。なお、本実施形態で利用する線材72については、チェーンブロックなどの牽引部材を用いる、またはそれらを組み合わせで用いるなど適宜最適な引っ張り手段を選択できる。
このように片持ち状に取り付けられた桁Aは、後工程(工程i)での支持杭打設が完了するまでは、(主桁としてではなく)作業足場などとして機能する。
また、後工程(工程i)で支持杭6を打ち込むときには、横断ユニットと協動して、当該支持杭6を地盤方向にガイドする導材として機能する。
一方、必要本数(1支間長ごとに打設する本数)の支持杭6の打設が完了した後では、撤去することなく現状の取付位置で、上部構造の一部(桟橋の橋桁構造物)として機能する。
<工程b> 横断ユニットを取り付ける工程(その1)
次に、桟橋構築済み部分に用意したクレーン設備を利用し、桟橋構築済み部分から張り出した桁Aに対し横断ユニット(第1のユニット構造物)を取り付ける。
横断ユニットは、橋完成状態で主として下部構造を補強する構造物として機能するものであるほか、支持杭の打設時に該支持杭を地盤方向にガイドする導材として利用可能な構造物である。
本実施形態では、横断ユニットの取り付けは次の3工程に分けて実施する。
(その1)横断ユニットの下半分である「第1の分割部分2a」を吊り下ろし、
桟橋構築済み部分から張り出した桁Aの先端部で仮受けする工程。
(その2)仮受けされた第1の分割部分2aに対し、
横断ユニットの上半分である「第2の分割部分2b」を吊り下ろして
分割部分2a,2bを連結して一体化させる工程。
(その3)分割部分2a,2bからなる一体化した「横断ユニット2」を
吊り下ろして予め定めた位置に取り付ける工程。
本工程では、桟橋構築済み部分に用意したクレーン設備を利用し、予め地組しておいた第1の分割部分2a(横断ユニットの下半分)を、片持ち状に延設された桁Aの前方に吊り下ろす。そして、その吊り下ろした第1の分割部分2aの上端側を、桁Aの先端部で仮受けする。つまり、第1の分割部分の上端部を桁Aで一時的に保持する。その結果、第1の分割部分2aの荷重が、桁Aに一時的に預けられる。
横断ユニットの構成部分である「第1の分割部分2a」を図5に詳細に図示する。
同図に示すように、第1の分割部分2aは、筒状の下部工補強部材31(支持杭ガイド部)と、補強材32,34、仮受け用金具36を有している。
筒状の下部工補強部材31は、後工程で打設する支持杭6が挿通自在のサイズ・形状に形成されている。この筒状の下部工補強部材31は、桟橋完成状態では下部構造の一部として機能するほか、支持杭の打設時には該支持杭の周面を360°を囲った状態で該支持杭をガイドする機能を持っている。支持杭の打設時において、下部工補強部材31が(わずかなクリアランスを空けて)打設する支持杭の周面を360°を囲うことで、支持杭が杭心から外れること無く打設される。
補強材32,34は、桟橋の下部構造を補強する役割を担う部材であり、隣り合う下部工補強部材31,31(支持杭ガイド部)の間に架け渡されるように取り付けられる。この補強材は、水平材32と斜材34で構成される。なお、本実施形態では補強材の一例として、水平材32と斜材34を採用しているが、水平材・斜材のいずれか一方で補強材を構成する態様を採用することも可能である。
仮受け用金具36は、桁Aによる第1の分割部分2aの仮受けの際に利用される。
図3に示すように、この仮受け用金具36を桁Aの連結部11に差し込み、ピンで抜け止めすることで、第1の分割部分2aが桁Aによって仮受けされる。
<工程c> 横断ユニットを取り付ける工程(その2)
次に、予め地組しておいた第2の分割部分2b(横断ユニットの上半分)をクレーン設備で吊り下ろして、仮受けされている第1の分割部分2aに対し第2の分割部分2bを連結する。
横断ユニットの第2の分割部分2bを図6に詳細に図示する。
同図に示すように、横断ユニットの上半分である第2の分割部分2bは、筒状の下部工補強部材31(支持杭ガイド部)と、補強材32,34に加えて、前述した桁Bを上端に有している。つまり、桁Bを具備している点で、第1の分割部分2aと大きく相違する。
図2Cに示すように、第1及び第2の分割部分2a,2bを上下方向で連結して一体化させることで、上端に桁Bを具備し全体としてひとまとまりの横断ユニット2が構成される。
<工程d> 横断ユニットを取り付ける工程(その3)
分割部分2a,2bが上下方向で連結したら、一体化した横断ユニット2の全体をあらためてクレーン設備で吊り込むととともに、桁Aによる第1の分割部分2aの仮受けを解除し、吊り込んだ横断ユニット2の全体を、予め定めた設計位置に向かって更に吊り下ろす。
続いて、吊り下ろした横断ユニット2の上端に位置する桁Bを、片持ち状態で設計位置に保持されている桁Aに対して連結する。そのとき、桁Aと桁Bを、図4に示すような位置関係で相互連結しボルトで固定する。
このようにして設計位置に取り付けられた横断ユニット2は、図2Dに示すように、桁Aの先端で保持される。すなわち、横断ユニット2は、桁Aの先端部で下向きの状態で保持されている。
この横断ユニット2は、
1) 支持杭打設時に該支持杭をガイドする第1の手段(杭ガイド部21)を具備し、橋の完成状態で上部構造の一部として機能するように構成された桁Bと、
2) 支持杭打設時に該支持杭をガイドする第2の手段(下部工補強部材31/支持杭ガイド部)を具備し、橋の完成状態で下部構造を補強する手段として機能するように構成された複数本の下部工構成物30と、
3) 桟橋の下部構造を補強する役割を担う部材であり、隣り合う下部工補強部材31,31(支持杭ガイド部)の間に架け渡されるように取り付けられた補強材32,34と、
を具備する。
なお、下部工構成物30は、複数の下部工補強部材31の結合体である。すなわち、下部工構成物30は、複数本の下部工補強部材31からなる筒状の構造物である。横断ユニット2において、下部工構成物30は複数本設けられ、本実施形態では3本設けられている。
横断ユニット2は、橋の構築時には打設する支持杭をガイドするなどの施工補助機能を発揮し、構築完了後には(撤去されることなく)橋の構造物の一部として機能する。
なお、本実施形態で利用する横断ユニット2を構成する第1および第2の分割部分は、それぞれ、予め施工現場で地組することを想定しているが、組立て工場などの別の現場で予め組み立てたものを施工現場に搬入することも可能である。
また、本実施形態では、クレーン設備の吊り能力や安全性などを考慮して、横断ユニットを予め複数に分割された状態に組み立てておき、複数回に分けて予め定めた位置に取り付けるようにしているが、このように分割することなく、一体化された横断ユニットを1回の吊り込みで予め定めた位置に一気に取り付けるようにしてもよい。
<工程e> 足場設置工程
次に、図2Eに示すように、足場を設置する。
これらの足場は、次工程の縦断ユニットを取り付ける際の作業足場として利用される。
<工程f> 縦断ユニットを取り付ける工程(その1)
次に、桟橋構築済み部分に用意したクレーン設備を利用し、桟橋構築済み部分と横断ユニット2との間に架け渡すように縦断ユニット(第2のユニット構造物)を取り付ける。また、この縦断ユニットの取り付けでは、前工程で取り付けた足場を利用する。
縦断ユニットは、橋完成状態で主として下部構造を補強する構造物として機能するほか、支持杭の打設時に該支持杭をガイドする横断ユニット2を支える支持手段として利用可能な構造物である。
本実施形態では、縦断ユニットの取り付けは次の2工程に分けて実施する。
(その1)縦断ユニットの下半分である「第1の分割部分3a」を取り付ける工程。
(その2)縦断ユニットの上半分である「第2の分割部分3b」を取り付ける工程。
本工程では、桟橋構築済み部分に用意したクレーン設備を利用し、予め地組しておいた第1の分割部分3a(縦断ユニットの下半分)を吊り下ろして、予め定めた位置に位置決めする。
ここでいう予め定めた位置とは、新設した横断ユニット2が具備する筒状の下部工補強部材31と、これと縦断方向で向かい合う既設の横断ユニット2’が具備する筒状の下部工補強部材31’と、の間であって、下部工補強部材31,31’間の下半分のスペースである。
そして、このように位置決めした第1の分割部分3aを、新設した横断ユニット2が具備する筒状の下部工補強部材31と、これと向かい合う既設の横断ユニット2’が具備する筒状の下部工補強部材31’と、の両方に対して固定する。つまり、第1の分割部分3aを、縦断方向で向かい合う筒状の下部工補強部材(支持杭ガイド部)の間に架け渡すように取り付ける。
縦断ユニットの第1の分割部分3aを図7に詳細に図示する。
第1の分割部分は、桟橋の下部構造を補強する役割を担う部材であり、同図に示すように、複数本の補強材32,34を含んで構成されている。
なお、本実施形態では補強材の一例として、水平材32と斜材34を採用しているが、水平材・斜材のいずれか一方で補強材を構成する態様を採用することも可能である。
<工程g> 縦断ユニットを取り付ける工程(その2)
次に、桟橋構築済み部分に用意したクレーン設備を利用し、予め地組しておいた第2の分割部分3b(縦断ユニットの上半分)を吊り下ろして、予め定めた位置に位置決めするとともに、取り付け済みの第1の分割部分3aに対して連結する。
ここでいう予め定めた位置とは、新設した横断ユニット2が具備する筒状の下部工補強部材31と、これと縦断方向で向かい合う既設の横断ユニット2’が具備する筒状の下部工補強部材31’と、の間であって、下部工補強部材31,31’間の上半分のスペースである。
そして、このように位置決めした第2の分割部分3bを、新設した横断ユニット2が具備する筒状の下部工補強部材31と、これと向かい合う既設の横断ユニットが具備する筒状の下部工補強部材31’と、の両方に対して固定する。つまり、第2の分割部分3bを、縦断方向で向かい合う筒状の下部工補強部材(支持杭ガイド部)の間に架け渡すように取り付ける。
縦断ユニットの第2の分割部分3bを図8に詳細に図示する。
第2の分割部分3bは、桟橋の下部構造を補強する役割を担う部材であり、同図に示すように、複数本の補強材32,34を含んで構成されている。
なお、本実施形態では補強材の一例として、水平材32と斜材34を採用しているが、水平材・斜材のいずれか一方で補強材を構成する態様を採用することも可能である。
第2の分割部分3bの取り付けが完了すると、分割部分3a,3bが連結して一体化し、全体としてひとまとまりの縦断ユニット3が構成される。そして、この縦断ユニットによって、横断ユニット2が(桁Aに対して固定されているのみならず)桟橋構築済み部分に対しても確りと固定される。
なお、本実施形態で利用する縦断ユニットを構成する分割部分3a,3bは、それぞれ、予め施工現場で地組することを想定しているが、組立て工場などの別の現場で予め組み立てたものを施工現場に搬入することも可能である。
また、本実施形態では、クレーン設備の吊り能力や安全性などを考慮して、縦断ユニットを予め複数に分割された状態に組み立てておき、複数回に分けて予め定めた位置に取り付けるようにしているが、このように分割することなく、一体化された縦断ユニットを1回の吊り込みで予め定めた位置に一気に取り付けるようにしてもよい。
<工程h> 横断ユニットを介して支持杭を建て込む工程
桟橋構築済み部分(機械足場)に用意したクレーンを使って、支持杭6を、横断ユニット2に含まれる桁Bの杭ガイド部21と、その真下の下部工補強部材31(支持杭ガイド部)に通して地盤上に建込む。
<工程i> 横断ユニットを介して支持杭を打設する工程
図2Iに示すように打ち込み装置90を使って対象地盤に支持杭を打ち込む。打設する支持杭6の具体例としては、例えば橋脚として利用可能な鋼管杭(管状杭)などが挙げられる。
支持杭6を打ち込むとき、桁Aによって固定(予め定めた位置に保持)された横断ユニット2は、(桁Aと協動して)当該支持杭6を地盤方向にガイドする導材として機能する。具体的には、横断ユニット2に含まれる桁Bの「杭ガイド部21」と、同じく横断ユニット2に含まれる下部工構成物30の「下部工補強部材31(支持杭ガイド部)」とが、それぞれ、支持杭6の打ち込み時において当該支持杭を地盤方向にガイドする導材として機能する。
加えて、本実施形態では、支持杭6を地盤方向にガイドする横断ユニット2が、縦断ユニット3を介して桟橋構築済み部分に対しても固定されている。したがって、支持杭6の打設時に、(たとえ潮流や波浪、風といった環境の影響を直接的に受けたとしても)横断ユニット2がフラつくことがなく、打設する支持杭6の鉛直性が堅固に保持される。
なお、支持杭打ち込み原理は、図20や図21を引用して説明した従来技術と同様である。
この工程を繰り返して、桁Aを片持ち状に延設するたびに、必要本数の支持杭6(本実施形態の場合では1つのユニット構造物につき3本の支持杭)を対象地盤に打設する。
なお、下部工補強部材31(支持杭ガイド部)は、桟橋工などにおける杭打設時の導材として機能するばかりでなく、構築完了後も存置されることで、例えば河川内で使用する場合、その杭を包囲する構成上の特長を生かし、洪水時に河川や荒天時の海上において、水面に浮遊しながら急流や高波に流される流木などの漂流物の桟橋支持杭(鋼管杭)に対する不測の衝突に対応した杭の防護カバーとしても機能する(させる)ことができる。
<工程j> 打設した支持杭の杭頭を処理する工程 ※図示省略
横断ユニット2を介して必要本数(本実施形態では3本)の支持杭6の打設が完了したら、桁Bから突き出た杭部分(杭頭部分)を切断し、桁Bを支持杭6の頭部に対して固定する。
必要本数の支持杭6を打設して桁Bへの固定が完了すると、桁A、桁B、下部工構成物30の結合体は、「導材(杭ガイド)」としての役割は終えるが、撤去することなくそのまま残して、桟橋構築済み部分の上部構造の一部(桟橋の橋桁構造物)および下部構造の一部(下部構造の補強手段)として機能させる。
以上の工程を経て、桁Aと桁Bの組合せ(橋桁構造物5)は、桟橋構築済み部分の上部構造の一部として機能するようになり、また、打設された支持杭6と横断ユニット2と縦断ユニット3は、桟橋構築済み部分の下部構造の一部として機能するようになる。
<工程k> 覆工板を設置する工程 ※図示省略
続いて、支持杭6によって支えられた橋桁構造物5(桁Aと桁B)に対して覆工板を敷設する。以上の工程を経て、桟橋構築済み部分が橋桁構造物ひとつ分(1支間長分)拡張される。
<上記工程の繰り返し>
そして、上記一連の工程を繰り返すことで、上部構造と下部構造からなる桟橋構築済み部分が徐々に(橋桁構造物ひとつ分ずつ)拡張され、最終的に、完成体としての桟橋の構築が完了する。
なお、上述した実施形態では、図2H、図2Iに示すように、横断ユニット2と縦断ユニット3をそれぞれ完成位置(桟橋完成状態で在るべき位置)に取り付けてから、これらのユニットを利用して支持杭6を建て込んで打設しているが、支持杭6を建て込んで打設するタイミングはこれに限定されるものではない。
例えば、図12A~図12Kに例示する別実施形態の一連の工程図に示すように、必要段数の横断ユニット2と縦断ユニット3を仮受け位置(一時的な仮の取り付け位置)に取り付けて、その段階でこれらのユニットを利用して支持杭6を建て込んで打設し、その後に、必要段数の横断ユニット2と縦断ユニット3を完成位置に取り付けるようにしてもよい。
その際、仮受け位置とは、たとえば、
・桟橋上のクレーンにより構成物を、
その機能を発揮可能な位置(設計位置)に吊り降し移動する途中の位置であって、
・設計位置と異なる高さで、且つ
・平面的には設計位置と同じ杭心位置を確保できるように
仮受けされた様な位置(一時的な仮の取り付け位置)
となっている。
つまり、支持杭6の建込みや打設は、横断ユニット2・縦断ユニット3の一方または両方が完成位置に取り付けられた状態で実行するものでもよく、あるいは、横断ユニット2・縦断ユニット3の一方または両方が仮受け位置に取り付けられた状態で実行するものでもよい。
なお、ここでいう「完成位置」および「仮受け位置」は、いずれも、施工にあたって予め定めた位置である。
(第2実施形態)
第2実施形態は、上述した桟橋施工で用いる縦断ブレスの構造に関するものである。
図9は、第2実施形態に係る縦断ユニットを示す側面図である。
図9に示すように、第2実施形態に係る縦断ユニットは、前述したものと同様の構成に加え、橋構築済み部分の既設支持杭に対して、自身の少なくとも一部の荷重を預けるための支持構造4(支持手段/荷重預け手段)を有している。
この支持構造4は、
・内側に湾曲面を有する半割れ状の部材41と、
・該半割れ部材を縦断ブレス3の下端の水平材32に連結する連結部材43と、
を具備している。
半割れ部材41は、外観が略ハーフパイプ状に構成されており、既打設の支持杭6’の外周面に対して面接触できるように内側が湾曲している。
このような支持構造4を具備する縦断ユニットを、桟橋の構築において図10に示すように予め定めた位置に取り付けると、縦断ユニット3の少なくとも一部の荷重を橋構築済み部分の既設支持杭6’に対して預けることができる。
したがって、このような支持構造4を縦断ユニット3に具備させることで、当該縦断ユニットの荷重や現場環境にかかわらず、縦断ユニット3の姿勢が安定し、ひいては、横断ユニット2の安定につながり、後の工程で打設する支持杭の鉛直性を堅固に保持することが可能になる。
なお、支持構造4が具備する半割れ部材41は、
図10に示すように、既設支持杭6’の外周面に対して直接的に接して、縦断ユニット3の荷重を当該既設支持杭6’に対して直接的に預けるものでもよく、あるいは、
図11に示すように、桟橋構築済み部分の横断ユニットが具備する下部工補強部材31’(支持杭ガイド部)に対して直接的に接して、縦断ユニット3の荷重を既設支持杭6’に対して間接的に預けるものでもよい。
(第3実施形態)
第3実施形態は、前述した桟橋施工で用いる横断ブレスと縦断ブレスの構造に関するものである。
図13は、第3実施形態に係る横断ブレスと縦断ブレスを示す平面図である。
図14は、第3実施形態に係る横断ブレスと縦断ブレスがそれぞれ具備する継手を示す平面図(拡大図)である。
図15は、第3実施形態に係る横断ユニットと縦断ユニットを用いた桟橋施工の様子を示す図である。
第3実施形態では、横断ユニット2と縦断ユニット3は、図13、図14に示すように、互いに係合可能な継手を有しており、この点で前述した実施形態と相違する。これらが具備する継手の外観は、例えば本願発明者の提案に係る特許第6007036号公報に開示されたものと同様である。以下相違点について詳述する。
横断ユニット2は、前述した実施形態と同様に筒状の下部工補強部材31を具備している。この下部工補強部材31は、一対の継手であって、断面略C字状のメス型継手37を具備している。
縦断ユニット3は、一対の継手であって、軸状のオス型継手38を具備している。
横断ユニット2が具備するC字状メス型継手37に対し、縦断ユニット3のオス型継手38の軸部分を差し込むことで、図14(b)に示すように両者は係合する。
オス型継手38、メス型継手37が図14(b)に示すように相互に係合した状態では、オス型継手38がメス型継手37から抜け出ないように、メス型継手37がオス型継手38を包囲している。
なお、本実施形態では、継手の一例として図示するようなオス型継手やメス型継手を用いているが、継手の形状や大きさはこれに限定されない。例えば、パイプルーフとして知られる(本体構造物の掘削作業を安全確実に構築するため、パイプ(鋼管)を本体構造物の外周に沿って等間隔にアーチ状または柱列状に水平に打設し、ルーフや壁を作り、地上および地下埋設物などの防護を目的とする)工法の鋼管が具備する様な継手を採用することも可能である。
このような継手37,38を具備する横断ユニット2と縦断ユニット3を用いて桟橋を構築する場合、横断ユニット2は、前述と同様に予め定めた位置に取り付ける。すなわち、横断ユニット2の取り付け工程までは、前述した実施形態と同様である。
縦断ユニット3は、図15に示すように、補強材(水平材)32と、補強材(斜材)34のほか、軸状のオス型継手38を具備している。本実施形態では、このような構成の縦断ユニット3を複数用いて、これらのユニットを縦方向に複数段のレイアウトで配置する。
縦断ユニット3の取り付けにあたっては、はじめに、予め組み立てておいた縦断ユニット3を、図示しないクレーン設備を利用して吊り下ろす。図15の矢印[a]。
次に、所定の高さまで吊り下ろした縦断ユニット3を、横断ユニット2のメス型継手37と縦断ユニット3のオス型継手38とが互いに係合可能な位置に位置合わせする。図15の矢印[b]。ここでいう係合可能な位置とは、図14(b)に示すように継手37,38が係合可能な位置関係を満たす位置である。
そして、横断ユニット2が具備するC字状メス型継手37に対し、縦断ユニット3のオス型継手38の軸部分を差し込んでスライドさせることで、図14(b)に示すように両者は係合する。
続いて、継手どうしを係合させた状態で、縦断ユニット3を横断ユニット2に対してスライド(上から下に向かってスライド)させる。つまり、継手37,38が係合した状態で縦断ユニット3を吊り下ろす。図15の矢印[c]。
これにより、1段分の縦断ユニット3を精度よく位置決めすることができ、また、簡単で効率的に取り付けを行うことができる。
上記の要領で、組立て済みの複数の縦断ユニット3を吊り下ろしてスライド係合させて、複数段の縦断ユニット3を取り付ける。
必要数の縦断ユニット3を、横断ユニット2,2’の間に取り付けが完了すると、これらの複数段の縦断ユニット3によって、横断ユニット2が(桁Aに対して固定されているのみならず)桟橋構築済み部分に対しても確りと固定される。
以後は前述した実施形態と同様に、縦断ユニット3等によって確りと固定された横断ユニット2を通じて、支持杭6の建込みと打設を行う。
なお、図15に示す実施形態では、複数段の縦断ユニット3の取り付け(継手37,38を利用してスライドによる取り付け)の完了後に、支持杭の建込みと打設を行うことを想定しているが、工程の実施順序はこれに限定されるものではなく、図16に示すように、支持杭6の打設完了後に、複数段の縦断ユニット3の取り付け(継手を利用したスライドによる取り付け)を実施するようにしてもよい。
つまり、縦断ユニット3の取り付けは、図15に示すように、横断ユニット2を利用した支持杭の打設“前”でもよく、あるいは、図16に示すように、横断ユニット2を利用した支持杭の打設“後”でもよい。
(その他の実施形態、変形例など)
上述した実施形態は、特許請求の範囲に記載した方法やその特徴の例示であって、本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態で図示した支間長はあくまでも一例であり、施工条件に応じた種々の支間長に対して本発明は対応することが可能である。
また、上述した実施形態で挙げた工程の実施順序は一例であって、各工程の実施を妨げない限り又は矛盾が生じない限り、工程の実施順序を入れ替えることができ、また、同時並行で進めることもできる。
また、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態で例示した桟橋施工に限定されるものではなく、桟橋のほか、仮桟橋、工事用道路、作業構台、災害復旧時の応急橋、人工地盤、その他の橋の様な構造物の構築方法が広く含まれる。
A 第1の桁(第1の上部工構成物/第1の梁)
A’ 第1の桁(第1の上部工構成物/第1の梁)
B 第2の桁(第2の上部工構成物/第2の梁)
B’ 第2の桁(第2の上部工構成物/第2の梁)
11 連結部
13 桁部材
2 横断ユニット(第1のユニット構造物)
2a 第1の分割部分(横断ユニットの下半分)
2b 第2の分割部分(横断ユニットの上半分)
21 杭ガイド部(杭頭固定部)
23 連結部
3 縦断ユニット(第2のユニット構造物)
3a 第1の分割部分(縦断ユニットの下半分)
3b 第2の分割部分(縦断ユニットの上半分)
30 下部工構成物
31 下部工補強部材(筒状部材/支持杭ガイド部)
32 補強材(水平材)
34 補強材(斜材)
36 仮受け用金具
37 断面略C字状のメス型継手
38 軸状のオス型継手
4 支持構造(支持手段/荷重預け手段)
41 半割れ状の部材
43 連結部材
5 橋桁構造物(梁構造)
5’ 橋桁構造物(梁構造)
50 橋桁構造物(梁構造)
51 支持杭ガイド部材
53 杭頭固定部(杭ガイド部)
55 連結部
6 支持杭
71 補強材
72 線材
73 反力ポール
75 反力アーム
83 固定部材
85 ダイバー
90 打ち込み装置(打設装置/施工機材)
91 回転駆動装置
92 排土キャップ
93 ドリルロッド
94 ダウンザホールハンマ
95 ハンマービット

Claims (6)

  1. 橋完成状態で橋桁構造物を成す上部工構成物と、
    前記橋桁構造物を支える橋脚を成す支持杭の打設時に該支持杭を地盤方向にガイドする導材として機能し、橋完成状態では前記支持杭からなる下部構造を補強する補強材として機能し、構築する該橋桁構造物の延設方向を横切る横断方向に沿って配置する、第1のユニット構造物と、
    橋完成状態では前記支持杭からなる下部構造を補強する補強材として機能し、前記橋桁構造物の延設方向に沿って配置する、第2のユニット構造物と、
    を用いた橋の構築方法であって、
    (a) 前記上部工構成物を、橋構築済み部分から張り出すように設置する工程と、
    (b) 前記第1のユニット構造物を、前記上部工構成物の先端部に対して固定する工程と、
    (c) 前記第2のユニット構造物を、橋構築済み部分の下部構造と、固定した前記第1のユニット構造物の、両方に対して固定する工程と、
    を含むことを特徴とする橋の構築方法。
  2. さらに、
    (d) 前記第1のユニット構造物が、前記上部工構成物に固定されているとともに、前記第2のユニット構造物を介して前記橋構築済み部分にも固定された状態で、前記第1のユニット構造物を支持杭打設用の導材として利用し、該第1のユニット構造物を介して支持杭を打設する工程を
    含むことを特徴とする請求項1記載の橋の構築方法。
  3. 前記工程(b)において、前記第1のユニット構造物は、橋完成状態で前記上部工構成物と一体となって橋桁構造物として機能する第2の上部工構成物を具備する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の橋の構築方法。
  4. 前記第1のユニット構造物は、
    橋完成状態では下部構造の一部として機能し、支持杭の打設時には該支持杭の周面を360°を囲った状態で該支持杭をガイドする、支持杭ガイド部を有している、
    ことを特徴とする請求項1に記載の橋の構築方法。
  5. 請求項1に記載の方法で用いる第1のユニット構造物であって、
    橋完成状態で橋の下部構造を補強するための補強材と、
    橋の構築で用いる第2のユニット構造物と係合可能な継手と、を具備し、
    支持杭の打設時に該支持杭を地盤方向にガイドする導材として利用可能で、
    前記継手を介して第1のユニット構造物と第2のユニット構造物が互いに係合した状態で、一方が他方に対して相対的にスライド可能に構成されている、
    ことを特徴とするユニット構造物。
  6. 請求項1に記載の方法で用いる第2のユニット構造物であって、
    橋完成状態で橋の下部構造を補強するための補強材と、
    橋の構築で用いる第1のユニット構造物と係合可能な継手と、を具備し、
    支持杭打設時の支持杭ガイド手段である前記第1のユニット構造物を支える支持材として利用可能で、
    前記継手を介して第1のユニット構造物と第2のユニット構造物が互いに係合した状態で、一方が他方に対して相対的にスライド可能に構成されている、
    ことを特徴とするユニット構造物。
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