JP6323151B2 - N−オキシル化合物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、N−オキシル化合物の製造方法に関する。
α,β−不飽和カルボン酸エステルを初めとするビニル化合物は、各種重合体や共重合体のモノマーとして多様な用途に利用される化合物である。このようなビニル化合物は、重合しやすい性質を有しており、その製造、貯蔵、輸送等の工程において、熱、光等の要因により、しばしば重合トラブルが発生する。
特に、α,β−不飽和カルボン酸及びそのエステルの製造工程中においては、100℃以上の高温となるために、液相部及び気相部でポップコーン重合体を生成するトラブルが発生しやすい。
このようなビニル化合物の重合トラブルを防止するために、種々の重合防止剤が使用される。N−オキシル化合物はこのような重合防止剤の一つであり、その中でも、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル及びジ−4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)フタレートは、高沸点の重合防止剤として、特に液相部の重合防止剤として幅広く利用されている。
これらのN−オキシル化合物の製造方法としては、エステル交換反応を利用した製造方法(特許文献1)及び過酸化水素原子を用いた酸化反応を利用した製造方法(特許文献2)が知られている。
特開平8−73430号公報 特開平6−100538号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている方法では、エステル交換反応を利用するために、加熱条件下で生成するアルコール化合物を反応系内から除去する必要があり、そのような操作が可能な特殊な反応装置が必要である。また、特許文献2に記載されている方法では、過酸化水素原子を使用するため、工業的に製造する際には安全性に問題があった。
従って、本発明の主な目的は、特殊な反応装置を用いることなく、安全且つ簡便にN−オキシル化合物を製造することにある。
本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定の化合物を組み合わせて反応させることにより、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、三級アミンの存在下、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルと芳香族酸塩化物とを反応させる、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル、ジ−4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)フタレート、ジ−4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)イソフタレートおよびジ−4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)テレフタレートからなる群から選ばれるN−オキシル化合物を製造する方法であって、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル、芳香族酸塩化物及び三級アミンのうち、最後に反応液に供給する化合物を供給する際供給する際に反応液を冷却して供給する方法に関する。
本発明の触媒によれば、特殊な反応装置を用いることなく、安全且つ簡便にN−オキシル化合物を製造することができる。
(イ)N−オキシル化合物
本発明で製造するN−オキシル化合物は、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル、ジ−4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)フタレート、ジ−4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)イソフタレートおよびジ−4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)テレフタレートN−オキシルからなる群から選ばれる化合物である。
(ロ)N−オキシル化合物の製造
式(1)で表されるN−オキシル化合物は、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(略称:4−ヒドロキシTEMPO)と、芳香族カルボン酸塩化物と、三級アミンを混合して反応させることによって製造する。
(ロ−1)芳香族カルボン酸塩化物
本発明で使用する芳香族カルボン酸塩化物の種類は特には限定されず、所望のN−オキシル化合物の種類に応じて適宜選択することができる

(3)
式(3)中、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子又は塩化カルボニル基であり、R及びRの少なくとも一方は塩化カルボニル基である。
式(3)で表される化合物としては、塩化ベンゾイル、二塩化フタロイル、二塩化イソフタロイル、二塩化テレフタロイル等を挙げることができる。
(ロ−2)4−ヒドロキシTEMPO
4−ヒドロキシTEMPOの使用量は、芳香族カルボン酸塩化物が有する塩化カルボニル基に対して、0.7倍モル以上1.3倍モル以下が好ましく、0.8倍モル以上1.2倍モル以下がより好ましく、0.9倍モル以上1.1倍モル以下がさらに好ましい。
4−ヒドロキシTEMPOの使用量を、芳香族カルボン酸塩化物が有する塩化カルボニル基に対して0.7倍モル以上とすることにより、効率良くN−オキシル化合物を得ることができる。4−ヒドロキシTEMPOの使用量を、芳香族カルボン酸塩化物が有する塩化カルボニル基に対して1.3倍モル以下とするのは、それ以上の飛躍的な効果の上昇が考えられにくいからである。
(ロ−3)三級アミン
本発明で使用する三級アミンとしては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミンが挙げられる。これらの中でも、トリエチルアミンが好ましい。上記三級アミンは1種を単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
三級アミンの使用量は、芳香族カルボン酸塩化物が有する塩化カルボニル基に対して、0.7倍モル以上1.3倍モル以下が好ましく、0.8倍モル以上1.2倍モル以下がより好ましく、0.9倍モル以上1.1倍モル以下がさらに好ましい。
三級アミンの使用量を、芳香族カルボン酸塩化物が有する塩化カルボニル基に対して0.7倍モル以上とすることにより、効率良くN−オキシル化合物を得ることができる。三級アミンの使用量を、芳香族カルボン酸塩化物が有する塩化カルボニル基に対して1.3倍モル以下とするのは、それ以上の飛躍的な効果の上昇が考えられにくいからである。
(ロ−4)溶媒
反応の際には溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては、例えば、トルエンやキシレン等の炭化水素原子類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルムやジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素原子類が挙げられる。これらの中でも、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタンが好ましく、トルエン、キシレン、ジクロロメタンがより好ましい。これらの溶媒は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
使用する溶媒の量は、所望のN−オキシル化合物が得られる限り限定されない。例えば、芳香族カルボン酸塩化物に対して、0.2〜500倍質量とするのが好ましく、0.5〜100倍質量とするのがより好ましく、1〜20倍質量以下がさらに好ましい。
溶媒の量を、芳香族カルボン酸塩化物に対して0.2倍質量以上とすることにより、効率良くN−オキシル化合物を得ることができる。溶媒の量を、芳香族カルボン酸塩化物に対して500倍質量以下とするのは、それ以上使用しても効果の飛躍的な向上が考えられにくいからである。
溶媒を含む反応液は、少量の水を含んでいてもよい。水の量は、反応の選択性の観点から、反応を開始する前の反応液の質量に対して、0.1倍質量以下が好ましく、0.02倍質量以下がより好ましい。
(ロ−5)反応
4−ヒドロキシTEMPO、芳香族カルボン酸塩化物及び三級アミンとを混合する方法としては、例えば、溶媒中に芳香族カルボン酸塩化物及び4−ヒドロキシTEMPOを含む溶液に、三級アミンを供給してもよいし、反応液中に三級アミン及び4−ヒドロキシTEMPOを含む溶液に、芳香族カルボン酸塩化物を供給してもよい。
混合する方法としては特には限定されず、化合物を添加することによる拡散によって混合されても良いし、撹拌下に化合物を供給しても良いし、化合物を供給した後に撹拌してもよい。
4−ヒドロキシTEMPO、芳香族カルボン酸塩化物及び三級アミンを混合させると、反応熱によって反応液の温度が上昇する。最後に供給する化合物(上記の例では、三級アミン又は芳香族カルボン酸塩化物)を供給する際、反応液の温度が5℃以上40℃以下になるように、供給速度を制御するのが好ましい。反応液の温度は7℃以上35℃以下がより好ましく、10℃以上30℃以下がさらに好ましい。最後に供給する化合物を供給する際の反応液の温度を5℃以上とすることにより、目的の反応の反応速度を上げることができ、40℃以下とすることにより、副生物の生成を抑えることができる。
最後に供給する化合物を供給開始してから供給終了するまでの時間の1/2以上、好ましくは3/4以上、より好ましくは全ての時間において、反応液の温度を7℃以上35℃以下とすればよい。
この時の副生物は、式(4)

(4)
(式(4)中、R、Rは、それぞれ独立して水素原子又は式(5)で表される基であり、R及びRの少なくとも一方は式(5)で表される基である。)
(5)
で表される化合物、1,4−ジベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
最後に供給する化合物の供給方法は、上記の温度範囲に制御できれば特に制限されないが、供給速度を制御しながら連続供給する方法、分割添加する方法、噴霧する方法等を用いることができる。また、反応液の温度を上記温度に調整するために、反応液を冷却しながら最後に供給する化合物を供給したり、反応させたりすることができる。
最後に供給する化合物の供給時間は、0.1〜15時間が好ましく、0.5〜10時間がより好ましく、1〜8時間がさらに好ましい。最後に供給する化合物の供給時間を0.1時間以上とすることにより、副生物の生成を抑えることができる。最後に供給する化合物の供給時間を8時間以下とすることにより、効率的にN−オキシル化合物を製造することができる。
最後に供給した化合物の供給が完了した後は、反応液の温度を、例えば5℃〜70℃、好ましくは10℃〜60℃、より好ましくは15〜55℃の温度範囲で保持する。反応液の温度を5℃以上とすることで反応速度を上げることができる。反応液の温度を70℃以下とすることで生成物の分解を防ぐことができる。
反応時間については特には限定されず、例えば、4−ヒドロキシTEMPO、芳香族カルボン酸塩化物及び三級アミンを混合し始めてから(最後に供給する化合物の供給を開始し始めてから)8〜48時間程度が好ましい。
反応終了後は、必要に応じて、抽出、濃縮、晶析等の操作によって、生成物を回収することができる。
抽出溶媒は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等が挙げられる。これらの溶媒は、それぞれ1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて用いることができる。抽出の際の温度は特に限定されないが、10℃〜60℃が好ましく、20℃〜50℃がより好ましい。
抽出液から生成物を回収する方法としては、特に限定されないが、晶析によって回収することができる。晶析に使用する溶媒(以下、「晶析溶媒」ということがある)は、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等が挙げられる。これらの溶媒はそれぞれ1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノールが好ましく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールがより好ましい。
晶析溶媒の種類が、反応溶媒と異なる場合には、予め反応液から反応溶媒を濃縮によって除去した後に晶析溶媒を用いることができる。ただし、晶析溶媒中に、反応溶媒が残存していても良い。
晶析の方法は特に限定されないが、晶析溶媒に生成物を溶解させた後、冷却することによって晶析することができる。晶析溶媒に生成物を溶解させる温度は、例えば、20〜100℃であり、30〜90℃が好ましく、40〜80℃がより好ましい。
晶析溶媒中に溶解させる生成物(N−オキシル化合物)の濃度は、例えば、10〜50質量%とすることができ、15〜45質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
晶析の条件も特には限定されず、徐々に冷却すればよい。例えば、−5〜20℃にまで冷却すればよく、好ましくは0〜15℃に、より好ましくは5℃に冷却すればよい。冷却温度を−5℃以上とすることで、式(4)で表される副生成物及び未反応の4−ヒドロキシTEMPOの析出を防ぐことができ、冷却温度を20℃以下とすることで、目的のN−オキシル化合物の回収率を上げることができる。
晶析後は、ろ過によってN−オキシル化合物を回収することができ、必要に応じて乾燥させることができる。乾燥方法は特に限定されず、送風乾燥機、減圧乾燥器を使用することができ、室温または加熱条件下で乾燥させることができる。
取得したN−オキシル化合物は、ビニル化合物の重合防止剤として使用することができる。特に、α,β−不飽和カルボン酸及びそのエステルに対して適用した場合に優れた効果が発揮される。ビニル化合物としては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、塩化ビニル等が挙げられ、α,β−カルボン酸及びそのエステルとしては、例えば、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、ステアリルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、グリシジルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、t−ブチルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、アリルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、クロトン酸、メチルクロトネート、エチルクロトネート、イタコン酸、イタコン酸ジメチル、α−ヒドロキシエチルアクリル酸メチル、α−ヒドロキシエチルアクリル酸エチル等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。
[高速液体クロマトグラフィー(HPLC)による成分の定量]
HPLC分析を以下の分析条件により行い、溶液中の4−ベンゾイルオキシTEMPO及び1,4−ジベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを定量した。
4−ベンゾイルオキシTEMPOの標品は、4−ヒドロキシTEMPOと塩化ベンゾイルとトリエチルアミンを原料として合成し、トルエンで抽出した後、濃縮し、これをメタノールで再結晶することにより取得した。
1,4−ジベンゾイルオキシTEMPOの標品は、4−ヒドロキシTEMPOと塩化ベンゾイルとトリエチルアミンを原料として合成し、トルエンで抽出した後、濃縮し、これをシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することにより取得した。
[HPLC分析条件]
・試料調製方法:分析する溶液をメタノールに溶解
・カラム:Inertsil ODS−3(4.6mm I.D.×250mm、 粒径5μm:GLサイエンス製)
・カラムオーブン温度: 40℃
・移動相:25容量% メタノール,75容量% 水,1mL/min
・検出器:紫外可視検出器(SPD−10Avp)
・保持時間:4−ベンゾイルオキシTEMPO 10.5min
1,4−ジベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
36.0min。
[ガスクロマトグラフィー(GC)による純度分析]
GC分析を以下の分析条件により行ない、そのピーク面積比から、4−ベンゾイルオキシTEMPOの純度を求めた。
[GC分析条件]
・試料調製方法:分析する結晶をジメチルホルムアミドに溶解
・カラム :キャピラリーカラムDB−1(ジーエルサイエンス(株)製、カラム長:30m、カラム内径:0.53mm、キャピラリー内フィルム厚:5μm)。
・キャリアガス:ヘリウム
・カラム温度 :40℃で5分保持、10℃/分で昇温、220℃で10分間保持
・注入口温度 :250℃
・検出器温度 :290℃
・検出器 :FID。
〔実施例1〕
撹拌装置、ジャケット、温度計、冷却管を備えたグラスライニングの100L反応槽に、トルエン35.0kgを入れた後、4−ヒドロキシTEMPO 14.0kg(81.3mol)を溶解させた。反応液をウォーターバス中で冷却し、内温を5℃とした後、塩化ベンゾイル11.4kg(81.3mol)を添加して撹拌した。次いで、トリエチルアミン8.49kg(83.9mol)を3.7時間で滴下した。反応はウォーターバス中で行い、滴下中の内温は5〜23℃であった。
内温を44℃まで加熱した後、17時間撹拌した。その後、水12.3kgを入れ、35〜45℃で抽出操作を行った。さらにトルエン層を水21.0kgで2回抽出操作を行った。
抽出操作を行った後のトルエン層をHPLCで分析し、成分を定量したところ、目的の4−ベンゾイルオキシ−TEMPOの含量は20.9kg(75.5mol)であった(収率92.8%)。また、1,4−ジベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの含量は0.11kg(0.29mol)であった(含有率0.4%)。
トルエン層を減圧下で濃縮し、トルエン25.5kgを留出させた。これに、メタノール41.0kgを入れた後、常圧で濃縮し、溶媒を41.7kg留出させた。さらに、メタノール23.3kgを入れた後、常圧下で濃縮し、溶媒を23.6kg留出させた。
メタノール35.0kgを入れ、52℃まで加熱した後、18時間で9℃まで冷却した。スラリーを遠心ろ過し、取得した湿粉を送風乾燥機で乾燥させることで、赤褐色の結晶として目的の4−ベンゾイルオキシ−TEMPOを15.9kg(57.5mol取得した(収率74.1%)。
取得した4−ベンゾイルオキシ−TEMPOは、GCによって純度分析を行ったところ、99.7%の純度であった。
〔実施例2〕
撹拌装置、温度計、冷却管を備えたガラス製300mL三口フラスコに、トルエン60gを入れた後、4−ヒドロキシ−TEMPO24.0g(0.139mol)を溶解させた。ウォーターバスで温度を5℃とした後、塩化ベンゾイル19.7g(0.139mol)を入れ、撹拌した。これ以降は、45℃の温浴中で反応を行った。ここに、トリエチルアミン14.6g(0.144mol)を2時間かけて滴下した。滴下中の温度は、45〜50℃であった。滴下終了後、内温を45℃とした後、3時間撹拌した。
水30gを入れ、室温で抽出操作を3回行った。抽出操作を行った後のトルエン層をHPLCで分析し、成分を定量したところ、目的の4−ベンゾイルオキシ−TEMPOの含量は22.7g(0.0821mol)であった(収率58.9%)。また、1,4−ジベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの含量は9.01g(0.0236mol)であった(含有率19.6%)。
トルエン層を減圧下で濃縮し、完全に留去した。これに、メタノール90.1gを入れ、50℃まで加熱し溶解した後、3時間で10℃まで冷却した。スラリーを吸引ろ過し、取得した湿粉を減圧下で乾燥させることで、橙色の紛体を24.0g取得した。
取得した紛体をGCによって純度分析を行ったところ、70.8%の純度であった。

Claims (3)

  1. 三級アミンの存在下、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルと芳香族酸塩化物とを反応させる、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル、ジ−4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)フタレート、ジ−4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)イソフタレートおよびジ−4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)テレフタレートからなる群から選ばれるN−オキシル化合物を製造する方法であって、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル、芳香族酸塩化物及び三級アミンを供給する際に反応液を冷却して供給するN−オキシル化合物を製造する方法。
  2. 4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル、芳香族酸塩化物及び三級アミンのうち、最後に反応液に供給する化合物を供給する際の反応液の温度を5℃以上40℃以下とする、請求項1記載の製造方法。
  3. 前記最後に供給する化合物の供給が完了した後の反応液の温度を44℃以上70℃以下とする、請求項2に記載の製造方法。
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