JP2015214504A - N−オキシル化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】三級アミンの存在下、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルと芳香族酸塩化物との反応により下式で表される化合物を得る。
(R1及びR2の少なくとも一方は下式で表される基。)
【選択図】なし
Description
(1)
(式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子又は式(2)で表される基であり、R1及びR2の少なくとも一方は式(2)で表される基である。)
(2)
本発明で製造するN−オキシル化合物は、式(1)で表される化合物である。
(1)
式(1)中、R1、R2はそれぞれ独立して、水素原子又は式(2)で表される基であり、R1及びR2の少なくとも一方は式(2)で表される基である。
(2)
式(1)で表される化合物としては、例えば、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(略称:4−ベンゾイルオキシTEMPO)、ジ−4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)フタレート、ジ−4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)イソフタレート、ジ−4−(2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル)テレフタレート等を挙げることができる。
式(1)で表されるN−オキシル化合物は、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(略称:4−ヒドロキシTEMPO)と、芳香族カルボン酸塩化物と、三級アミンを混合して反応させることによって製造する。
本発明で使用する芳香族カルボン酸塩化物の種類は特には限定されず、所望のN−オキシル化合物の種類に応じて適宜選択することができる。このようなN−オキシル化合物の中でも、式(3)で表される化合物が好ましい。
(3)
式(3)中、R3、R4は、それぞれ独立して、水素原子又は塩化カルボニル基であり、R3及びR4の少なくとも一方は塩化カルボニル基である。
4−ヒドロキシTEMPOの使用量は、芳香族カルボン酸塩化物が有する塩化カルボニル基に対して、0.7倍モル以上1.3倍モル以下が好ましく、0.8倍モル以上1.2倍モル以下がより好ましく、0.9倍モル以上1.1倍モル以下がさらに好ましい。
本発明で使用する三級アミンとしては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ピリジンが挙げられる。これらの中でも、トリエチルアミン、ピリジンが好ましく、トリエチルアミンがより好ましい。上記三級アミンは1種を単独で使用しても良く、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
反応の際には溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては、例えば、トルエンやキシレン等の炭化水素原子類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、クロロホルムやジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素原子類が挙げられる。これらの中でも、トルエン、キシレン、クロロホルム、ジクロロメタンが好ましく、トルエン、キシレン、ジクロロメタンがより好ましい。これらの溶媒は、1種を単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
4−ヒドロキシTEMPO、芳香族カルボン酸塩化物及び三級アミンとを混合する方法としては、例えば、溶媒中に芳香族カルボン酸塩化物及び4−ヒドロキシTEMPOを含む溶液に、三級アミンを供給してもよいし、反応液中に三級アミン及び4−ヒドロキシTEMPOを含む溶液に、芳香族カルボン酸塩化物を供給してもよい。
(4)
(式(4)中、R5、R6は、それぞれ独立して水素原子又は式(5)で表される基であり、R5及びR6の少なくとも一方は式(5)で表される基である。)
で表される化合物、1,4−ジベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等が挙げられる。
HPLC分析を以下の分析条件により行い、溶液中の4−ベンゾイルオキシTEMPO及び1,4−ジベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンを定量した。
・試料調製方法:分析する溶液をメタノールに溶解
・カラム:Inertsil ODS−3(4.6mm I.D.×250mm、 粒径5μm:GLサイエンス製)
・カラムオーブン温度: 40℃
・移動相:25容量% メタノール,75容量% 水,1mL/min
・検出器:紫外可視検出器(SPD−10Avp)
・保持時間:4−ベンゾイルオキシTEMPO 10.5min
1,4−ジベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン
36.0min。
GC分析を以下の分析条件により行ない、そのピーク面積比から、4−ベンゾイルオキシTEMPOの純度を求めた。
・試料調製方法:分析する結晶をジメチルホルムアミドに溶解
・カラム :キャピラリーカラムDB−1(ジーエルサイエンス(株)製、カラム長:30m、カラム内径:0.53mm、キャピラリー内フィルム厚:5μm)。
・キャリアガス:ヘリウム
・カラム温度 :40℃で5分保持、10℃/分で昇温、220℃で10分間保持
・注入口温度 :250℃
・検出器温度 :290℃
・検出器 :FID。
撹拌装置、ジャケット、温度計、冷却管を備えたグラスライニングの100L反応槽に、トルエン35.0kgを入れた後、4−ヒドロキシTEMPO 14.0kg(81.3mol)を溶解させた。反応液をウォーターバス中で冷却し、内温を5℃とした後、塩化ベンゾイル11.4kg(81.3mol)を添加して撹拌した。次いで、トリエチルアミン8.49kg(83.9mol)を3.7時間で滴下した。反応はウォーターバス中で行い、滴下中の内温は5〜23℃であった。
撹拌装置、温度計、冷却管を備えたガラス製300mL三口フラスコに、トルエン60gを入れた後、4−ヒドロキシ−TEMPO24.0g(0.139mol)を溶解させた。ウォーターバスで温度を5℃とした後、塩化ベンゾイル19.7g(0.139mol)を入れ、撹拌した。これ以降は、45℃の温浴中で反応を行った。ここに、トリエチルアミン14.6g(0.144mol)を2時間かけて滴下した。滴下中の温度は、45〜50℃であった。滴下終了後、内温を45℃とした後、3時間撹拌した。
Claims (2)
- 三級アミンの存在下、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルと芳香族酸塩化物とを反応させる、式(1)で表されるN−オキシル化合物を製造する方法。
(1)
(式(1)中、R1、R2は、それぞれ独立して、水素原子又は式(2)で表される基であり、R1及びR2の少なくとも一方は式(2)で表される基である。)
(2) - 4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル、芳香族酸塩化物及び三級アミンのうち、最後に反応液に供給する化合物を供給する際の反応液の温度を5℃以上40℃以下とする、請求項1記載の製造方法。
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Title |
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