JP2010001273A - 含フッ素モノマーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】反射防止膜等のコーティング材料あるいは光リソグラフィー等のレジスト材料分野に有用な含フッ素モノマーを操作性のよい工業的手法でより効率よく製造する製造方法を提供する。
【解決手段】工業的に容易に入手可能な含フッ素ジオールおよびアクリル酸クロリド類を塩基の存在下でエステル化する反応において、塩基として多環式の窒素化合物を使用する。この製造方法により、化合物を操作性よく製造できるばかりでなく効率的に製造できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般式[3]で表される含フッ素モノマー
Figure 2010001273
(但し、式中のRは炭素数1〜8の直鎖または枝分かれのあるアルキル基、または環状のアルキル置換基であり、Rは水素原子、または炭素数1〜6の直鎖または枝分かれのあるアルキル基、または含フッ素アルキル基である。)の製造方法に関する。一般式[3]で示される含フッ素モノマーはヘキサフルオロイソプロピルユニットを有しており、反射防止膜等のコーティング材料あるいは光リソグラフィー等のレジスト材料向けモノマーとして有用である。
含フッ素モノマーは、反射防止膜等のコーティング材料あるいはレジスト材料向けモノマーとして有用である。特に電気回路の加工技術である光リソグラフィー等のレジスト分野において微細加工の鍵を握る化合物であり、多種多様な化合物に関して開発が進められている。中でもヘキサフルオロイソプロピルアルコールユニットを有する化合物はフッ素を含有し且つ極性基であるヒドロキシル基を有するので大きな注目が集まっている(非特許文献1)。
これらの化合物は重合性部位を導入するため、置換アクリル酸等の重合性の酸と機能性のアルコールをエステル化することで合成されることが多い。エステル化の手法としては、一般的なものが使用可能である。例えば、(1)置換アクリル酸無水物とアルコールの酸触媒存在下での反応、(2)置換アクリル酸クロリド、アクリル酸無水物とアルコールとの塩基存在下での反応、(3)置換アクリル酸とアルコールの脱水縮合等、様々なものが知られている。
特許文献1には、本発明の目的化合物である一般式[3]で示される含フッ素モノマーを上記(1)あるいは(2)の方法で製造できることが記載されている。
レジスト材料p57−p68、高分子学会編集、伊藤洋著、共立出版 特開2005−232037号公報
特許文献1記載の上記(1)の置換アクリル酸無水物とアルコールの酸触媒存在下での反応は、良好な選択性で反応が進行し、固体の塩が析出しないことから、溶媒量を削減することができ生産性を向上させることができる等、優れた点を有している。しかし、この手法では、原理的に生成物一当量に対して、一当量のアクリル酸が副生する。そのため、高価な置換アクリル酸を用いる場合はコスト的に不利であり、さらに、製品化には置換アクリル酸の除去も必要であり、必ずしも工業的な製造に適した合成法とはいえない。
特許文献1には上記(2)の置換アクリル酸クロリド類とアルコールの塩基存在下での反応についての開示もあり、塩基としてトリエチルアミン、ピリジン、2,6−ジメチルピリジンが用いられる旨記載されている。そこで、実際に置換アクリル酸クロリド類とアルコールの反応を当該塩基の存在下行ったところ、塩基によっては副生成物が生成して選択率が落ちる場合(比較例1又は2)があったり、塩基として使用したアミンの塩酸塩が均一なスラリーとはならず生成物を取り込みながら成長して大きな塊になるという現象が進行し操作性が著しく低下する場合(比較例3乃至5)があったりして問題があった。
更に、上記(3)の置換アクリル酸とアルコールとの反応で、脱水縮合反応も試みたが、立体障害の大きい置換アクリル酸とアルコール同士の反応では、副反応が進行し、良好な結果が得られなかった(比較例6参照)。
一般式[1]で示される含フッ素ジオールと一般式[2]で示される含フッ素置換アクリル酸クロリドを塩基存在下でエステル化させて一般式[3]に示す含フッ素モノマーを製造する工程において、副反応として塩基の塩酸塩が生成する。また、一般式[1]で示されるジオールは水酸基を2個有するので、副生成物として置換アクリル酸クロリドが2個エステル化したビス体が生成する可能性がある。
Figure 2010001273
(但し、式中のR、Rは一般式[3]と同じ意味。)
前述のように当該塩酸塩が塊状になる場合は攪拌に影響をきたして操作性が低下して工業的に製造する製造法としては問題がある。また、先行例で開示されている塩基を用いての反応では、塩基の種類によっては副生成物の生成が認められ、選択率が必ずしもよくない。そこで、一般式[3]で表される含フッ素モノマーを操作性のよい手法でより効率よく製造する工業的な製造方法が求められていた。
本発明は、反射防止膜等のコーティング材料あるいは光リソグラフィー等のレジスト材料に有用な化合物である一般式[3]で表される含フッ素モノマーを操作性のよい手法でより効率よく製造する工業的な製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らはかかる従来技術の問題点に鑑み、工業的規模での製造に適した含フッ素モノマーの製造法を確立するべく、鋭意検討を行った。
その結果、一般式[1]で表される含フッ素ジオール
Figure 2010001273
(式[1]中のRの意味は前記と同じ。)を一般式[2]で表される置換アクリル酸クロリド類
Figure 2010001273
(式[1]中のRの意味は前記と同じ。)との反応により、エステル化するのに特定の条件を作用させると、操作性が改良されるばかりでなく、良好な選択性で反応が進行し、適切な回収率で一般式[3]で示される含フッ素レジスト用モノマー
Figure 2010001273
(式[3]中、R1とR2の意味は前記と同じ)を得ることができることを見出し、本発明の完成に到達した。
すなわち本発明は、[発明1]〜[発明4]の発明を含む含フッ素モノマーの新規製造方法である。
[発明1] 一般式[1]で示される含フッ素ジオール
Figure 2010001273
を一般式[2]で表されるアクリル酸クロリド類を用いて塩基の存在下でエステル化する反応において、塩基として多環式の窒素化合物を使用することを特徴とする、一般式[3]で表される含フッ素モノマーの製造方法。
Figure 2010001273
Figure 2010001273
(但し、式中のRは炭素数1〜8の直鎖または枝分かれのあるアルキル基、または環状のアルキル置換基であり、Rは水素原子、または炭素数1〜6の直鎖または枝分かれのあるアルキル基、または含フッ素アルキル基である。)
[発明2] 多環式の窒素化合物が、インドール、イソインドール、プリン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントリン、又はフェナジンよりなる群から選ばれる少なくとも一種類の化合物であることを特徴とする、発明1に記載の含フッ素レジスト用モノマーの製造方法。
[発明3] Rがメチル基であり、Rがトリフルオロメチル基であることを特徴とする、発明1又は発明2に記載の、含フッ素モノマーの製造方法。
[発明4] 多環式の窒素化合物がキノリンであることを特徴とする、発明1乃至発明3のいずれかに記載の、含フッ素モノマーの製造方法。
本発明によれば、目的とする含フッ素モノマーを、操作性よく製造できるばかりでなく、従来よりも高い選択率で効率的に製造できる。このため本発明は、工業的な規模で含フッ素モノマーを製造するためのきわめて優れた方法である。

本発明の製造方法について以下、さらに詳細に説明する。
本反応が対象とする、一般式[1]で表される含フッ素ジオール類のアルキル置換基Rは、炭素数1〜8の直鎖または枝分かれのあるアルキル基、または環状のアルキル基であり、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
これら一般式[1]で表される含フッ素アルキル置換ビニルハライド類は、例えばヘキサフルオロアセトンとメチルエチルケトンの反応で得られる含フッ素ヒドロキシケトンを還元することで製造できることも知られている(特許文献1あるいは米国特許3662071号明細書参照)。
本反応が対象とする、一般式[2]で表されるアクリル酸クロリド類のアルキル置換基Rは、水素原子、炭素数1〜6の直鎖または枝分かれのあるアルキル基、または含フッ素アルキル基が挙げられ、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、iso-プロピル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が好「ましく、トリフロオロメチル基が特に好ましい。これらの化合物は、相当するアクリル酸を酸クロリド化することにより製造できるが、例えば、重合禁止剤および触媒の存在下、酸クロリド化剤として、ホスゲンを用いる方法(特公昭47−13021号公報)、塩化チオニルを用いる方法(特公昭63−66819号公報)により製造できる。
本発明の反応は、バッチ式、および流通式の反応装置において実施することができる。以下にバッチ式反応の条件を述べるが、それぞれの反応装置において、当業者が容易に調節しうる程度の反応条件の変更を妨げるものではない。
本反応において、アクリル酸クロリド類の使用量は、基質に対するモルの比は0.5から3が好ましく、0.8から1.5がより好ましく、0.9から1.2が特に好ましい。0.5より小さいと反応の変換率が低下し、未反応の含フッ素ジオールが残存することから、好ましくない。また、3より大きいと反応に関与しないアクリル酸クロリド類の量が増加するため、経済的に好ましくない。
塩基としては多環式の窒素化合物が好ましく、インドール、イソインドール、プリン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントリン、フェナジンがより好ましく、キノリンが最も好ましい。これらの多環式の窒素化合物を塩基として用いることにより、エステル化反応は効率よく進行する。また、副反応で生成する塩酸塩は系内で均一なスラリー状となるため攪拌を妨げることなく操作性も良好である。
本反応において、塩基に多環式の窒素化合物を用いる場合、当該塩基の使用量として、基質に対するモルの比は0.5から3が好ましく、0.8から1.5がより好ましく、0.9から1.2が特に好ましい。0.5より小さいと反応の変換率が低下し、未反応の含フッ素ジオールが残存することから、好ましくない。また、3より大きいと反応に関与しない多環式の窒素化合物の量が増加するため、経済的に好ましくない。
本反応は、反応選択率、反応速度、操作性を向上することを目的として溶媒を使用することができる。アセトニトリル、プロピオニトリル又はベンゾニトリル等のニトリル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又はN,N−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶媒、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル又はテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、塩化メチレン、クロロホルム又は四塩化炭素等のハロゲン化溶媒、ベンゼン、トルエン又はキシレン等の芳香族系炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン又はヘプタン等の脂肪族炭化水素溶媒より選ばれる少なくとも1種の化合物が好ましく、ジイソプロピルエーテル、トルエン、ヘプタンがより好ましい。
溶媒を使用する場合、その効果は使用される溶媒によって変化するため、その溶媒の量を一義的に決めることはできないが、原料の基質に対して30重量%から1000重量%が好ましく、100重量%から500重量%がより好ましい。30重量%未満では加える効果が低下することから好ましくない。また、1000重量%を超えると良好な反応選択性が期待できるが、バッチ当たりの生産性は低下し、また、溶媒を除去する手間が増えることから経済的に好ましくない。
この反応において置換アクリル酸クロリドもしくは生成物(含フッ素モノマー)が重合することを防止することを目的として、重合禁止剤を共存させて行っても良く、通常は重合禁止剤を使用することが望ましい。使用する重合禁止剤はヒドロキノン、メトキノン、2,5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、2,5−ビステトラメチルブチルヒドロキノン、ロイコキニザリン、ノンフレックスF、ノンフレックスH、ノンフレックスDCD、ノンフレックスMBP、オゾノン35、フェノチアジン、テトラエチルチウラム ジスルフィド、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル、1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジン、Q−1300、Q−1301から選ばれる少なくとも一種の化合物である。上記の重合禁止剤は市販品であり容易に入手可能である。
本発明に使用する重合禁止剤の量は原料の式[1]で表される含フッ素ジオール1モルに対して通常0.00001〜0.1モルであり、0.0001〜0.05モルが好ましく、0.001〜0.01モルがより好ましい。重合禁止剤の量が原料の式[1]で表される含フッ素ジオール1モルに対して0.1モルを超えても重合を防止する能力に大きな差異はなく、そのため、経済的に好ましくない。
本反応に関与する試薬としては、原料のフッ素化ジオール、置換アクリル酸クロリド類、多環式窒素化合物の三種があるが、これを一度に反応器に加えると、反応の制御が困難になるため、いずれか二種の試薬を溶媒存在下で混合し、残り一種の試薬を逐次添加するのが望ましい。
試薬の本反応に関与する試薬を逐次添加する速度は、反応器の除熱効率次第で可能な範囲幅が変化するため、一義的に決めることは困難であるが、添加開始から添加終了まで30分から24時間掛けるのが好ましい。30分より短いと、除熱を行うことが困難であるため、反応が暴走するため好ましくない。24時間を越えると除熱は十分行えているにもかかわらず時間のみを使用していることになり、コスト的に好ましくない。
本反応を実施する際の反応温度に特別な制限があるわけではないが、通常−50〜200℃であり、−20〜100℃が好ましく、0℃〜50℃が特に好ましい。−50℃未満では、冷却にコストがかかることから望ましくない。また、200℃を超えると、原料、生成物共にモノマーであることから、ポリマー化等の副反応が進行しやすくなり、選択的な合成を達成することが困難になることから望ましくない。
本反応を行う反応器は、四フッ化エチレン樹脂、クロロトリフルオロエチレン樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、PFA樹脂、ガラスなどを内部にライニングしたもの、グラス容器、もしくはステンレスで製作したものが好ましい。
本発明の反応は、特に加圧条件を必要としないため常圧で行うことがコスト面で望ましいが、反応に使用する化合物の蒸気が系外に排出されることを防ぐことを目的として、耐圧性の反応器を用い、系内を密閉して反応を実施することもできる。
本発明の反応は不活性ガス雰囲気下で行うこともできるが、大気下で反応を行っても不活性ガス雰囲気下での反応との間に有意な差は認められず、特に大量規模で合成を行なう場合には、大気下で反応を行う方が、コスト面で好ましい。
[望ましい態様の例示]
本発明を実施する方法は限定されるものではないが、望ましい態様の一例につき、詳細を述べる。
本反応の反応条件に耐えられる反応器に、原料の含フッ素ジオール類、溶媒、塩基として多環式窒素化合物の所定量を加え、必要により加温もしくは冷却して所定の温度に設定する。
アクリル酸クロリドの所定量を滴下により逐次添加し、サンプリング等により目的物の生成をモニタリングすること好ましい。
反応が進行するにつれ、エステル化により目的の含フッ素モノマーが生成するが、同時に塩基の塩酸塩も生成する。本発明で塩基として使用する多環式窒素化合物の塩酸塩は生成しても均一なスラリー状であるので塊状になることはなく操作性よく反応を行うことができる。さらに反応後の溶液の有機物組成において目的の含フッ素モノマーが99%の変換率、95%以上高い選択率で製造できる。
本発明の製造方法で製造された一般式[3]で表される含フッ素モノマーは公知の方法を適用して精製できるが、例えば、反応容器より取り出した粗含フッ素レジスト用モノマー溶液を濾過することで、多環式窒素化合物の塩酸塩を取り除いた後に、濾液を塩酸水溶液等で処理し、さらに溶媒を留去することで粗有機物が得られる。多環式の窒素化合物が反応液中に残存する場合は、塩酸水溶液で処理した後に濾過することにより除去できるので、塩基の残存の状況に応じて、濾過と塩酸水溶液での処理の順番は適宜変更することができる。得られた粗有機物はカラムクロマトグラフィーや蒸留精製等の精製を行うことで高純度の含フッ素モノマーを得ることができる。
[実施例]
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、これらの実施態様に限られない。
ここで、組成分析値の「%」とは、反応混合物または生成物の一部を採取して、有機成分をジエチルエーテルにて溶解したものをガスクロマトグラフィーによって測定して得られた、有機成分の原料および生成物の「面積%」を表わし、この数値をもって選択率とした。また、100から原料のGC%の数値を引いた値を変換率とした。
温度計、攪拌器を備えた1L(リットル)の4つ口フラスコに1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−ペンタン−2,4−ジオール50.0gとキノリン31.4g、トルエン200mLを加え、水冷した。
滴下ロートを使用して2−(トリフルオロメチル)アクリル酸クロリド41.9gを一時間掛けて反応混合物に添加し、加え終わった後、更に1時間攪拌を行った。
反応の途中でキノリンの塩酸塩の生成が認められたが、スラリー状であり攪拌の妨げになることなく反応を進行した。反応液の有機物の組成は2−トリフルオロメチルアクリル酸1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−ペンタン−4−イル95.9%、1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−ペンタン−2,4−ジオール0.7%、その他不純物が計3.4%確認された。生じたキノリン塩酸塩を濾過により除去し、得られた生成物の溶液を5%塩酸200gおよび水で洗浄し、溶媒のトルエンを留去することで、61.6gの粗有機物を得た。
得られた粗有機物の精密蒸留を行い、沸点83〜88℃(10Torr=1.33kPa)の留分を分取したところ、40.2gの2−トリフルオロメチルアクリル酸1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−ペンタン−4−イルを得た。純度は98%であった。原料の1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−ペンタン−2,4−ジオールからの収率は67%であった。
「比較例1−比較例5」
実施例と同様の反応を塩基の種類、溶媒の種類を変更して行った。反応の条件、結果を実施例1とともに表1に纏めた。
[比較例1]
温度計、スターラーピースを備えた50mLの2つ口フラスコに1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−ペンタン−2,4−ジオール5gとトリエチルアミン2.7g、トルエン20mLを加え、水冷した。
滴下ロートを使用して2−(トリフルオロメチル)アクリル酸クロリド4.2gを30分掛けて反応混合物に添加し、加え終わった後、更に1時間攪拌を行った。反応混合物のサンプリングを行い、有機物の組成を調べたところ、2−トリフルオロメチルアクリル酸1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−ペンタン−4−イル63%、1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−ペンタン−2,4−ジオール4.3%であり、その他不純物が計32%確認された。
[比較例2]
塩基を2,6−ジメチルピリジン2.8gとした以外は比較例1と同様な条件で反応を行った。結果を表1に示した。
[比較例3]
塩基をピリジン2.1gとした以外は比較例1と同様な条件で反応を行った。2−トリフルオロメチルアクリル酸クロリドの滴下の途中で生成したピリジン塩酸塩は粘性の高い塊となり、攪拌は困難になった。滴下後、更に1時間攪拌を行った。結果を表1に示した。
[比較例4]塩基をピリジン2.1g、溶媒をジイソプロピルエーテル20mLとした以外は比較例1と同様な条件で反応を行った。2−トリフルオロメチルアクリル酸クロリドの滴下の途中で、生成したピリジン塩酸塩は粘性の高い塊となり、攪拌は困難になったため反応を中止した。
[比較例5]
塩基を4−メチルピリジン2.5gとした以外は、比較例1と同様の条件で反応を行った。2−トリフルオロメチルアクリル酸クロリドの滴下の途中で、生成した4−メチルピリジン塩酸塩は粘性の高い塊となり、攪拌は困難になったため反応を中止した。
Figure 2010001273
[比較例6]
温度計、スターラーピース、ディーンシュターク還流器を備えた50mLの2つ口フラスコに1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−ペンタン−2,4−ジオール25gとパラトルエンスルホン酸10.5gおよび2−(トリフルオロメチル)アクリル酸17.0gを加え、加熱還流を開始した。25時間後、反応混合物のサンプリングを行い、有機物の組成を調べたところ、2−トリフルオロメチルアクリル酸1,1,1−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチル−ペンタン−4−イル52%、1,1,1−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−ペンタン−2,4−ジオール28.2%であり、その他不純物が19.8%確認された。

Claims (4)

  1. 一般式[1]で示される含フッ素ジオール
    Figure 2010001273
    を一般式[2]で表されるアクリル酸クロリド類を用いて塩基の存在下でエステル化する反応において、塩基として多環式の窒素化合物を使用することを特徴とする、一般式[3]で表される含フッ素モノマーの製造方法。
    Figure 2010001273
    Figure 2010001273
    (但し、式中のRは炭素数1〜8の直鎖または枝分かれのあるアルキル基、または環状のアルキル置換基であり、Rは水素原子、または炭素数1〜6の直鎖または枝分かれのあるアルキル基、または含フッ素アルキル基である。)
  2. 多環式の窒素化合物が、インドール、イソインドール、プリン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シノリン、プテリジン、カルバゾール、β−カルボリン、フェナントリジン、アクリジン、ペリミジン、フェナントリン、又はフェナジンよりなる群から選ばれる少なくとも一種類の化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の含フッ素モノマーの製造方法。
  3. がメチル基であり、Rがトリフルオロメチル基であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の、含フッ素モノマーの製造方法。
  4. 多環式の窒素化合物がキノリンであることを特徴とする、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の、含フッ素モノマーの製造方法。
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